(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】音響装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
H04R3/00
(21)【出願番号】P 2020524983
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(86)【国際出願番号】 JP2018022423
(87)【国際公開番号】W WO2019239486
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】AlphaTheta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大熊 孝尚
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-013438(JP,A)
【文献】特開2013-51530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作子を有する音響装置の操作手順を通知する操作手順通知部と、
前記操作手順通知部による操作手順の通知に応じて、次に操作すべき前記音響装置の操作子に制御指令を出力し、前記音響装置の操作すべき操作子を、操作者に認識させる操作子認識部と、
通知された前記音響装置の操作手順に基づく、前記音響装置の操作結果を検出する操作結果検出部と、
前記操作手順通知部により通知された操作手順、および前記操作結果検出部により検出された操作結果を照合する操作照合部と、
前記操作照合部により照合された照合結果を通知する照合結果通知部と、
を備える音響装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音響装置において、
前記音響装置と連動するソフトウェアを備え、前記操作手順通知部、前記操作結果検出部、および照合結果通知部は、前記ソフトウェアと連動する音響装置。
【請求項3】
請求項1
または請求項
2に記載の音響装置において、
前記操作子は、連続的に調整可能な操作子であり、
前記操作照合部は、通知された操作手順により通知された前記操作子の調整に対して、前記操作結果検出部により検出された前記操作子の調整が、所定の範囲内のずれであるときには、操作手順通りに操作されたと判定する音響装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の音響装置において、
前記音響装置は、音響再生装置および音響制御装置を含む音響装置。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の音響装置において、
前記音響装置は、音響装置本体と、音響装置本体に双方向通信可能に接続されるコンピュータとを備え、
前記操作手順通知部は、前記音響装置本体の表示部、および前記コンピュータの表示部の少なくともいずれかに、画像を表示させることにより操作手順を通知する音響装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の音響装置において、
前記操作手順通知部は、前記音響装置本体の表示部、および前記コンピュータの表示部の少なくともいずれかに、音声を出力させることにより操作手順を通知する音響装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1に記載の音響装置として機能させるコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DJプレーヤー、DJコントローラ等の音響装置は、再生する楽曲に対して行うエフェクト等の増加、再生デッキ数の増加等に伴い、操作するつまみやレバーが増加し、また、1つの操作つまみ等で多機能の効果を実現することもあり、操作手順も複雑化している。
この場合、デジタルビデオカメラ等の他の電子機器と同様に、音響装置の多機能化、操作手順の複雑化に応じて、チュートリアルビデオ等を利用して操作手順を、操作者に学習してもらうことが行われている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、デジタルビデオ等の記録再生装置において、操作手順を示す画像を画面上に表示して、操作者が表示された操作手順通りに操作すると、操作手順に応じた制御処理が実行される技術が開示されている。
これにより、説明される操作を実際に実行して操作者に提示することが可能となるため、操作者は操作を体感しながら理解することができ、より効果的な操作の習得を実現できる、という効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、単純な操作ボタンのオン、オフに基づく制御処理を実行するには問題ないが、DJコントローラのような音響装置では、操作つまみ等を無段階で回転させて行う操作も含まれている。操作者は、どの程度の回転量であれば、操作手順通りに操作つまみを回転したかどうかを判断することができない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、操作手順にしたがって、操作者が音響装置の操作子を操作したときに、その操作が操作手順通りに行ったものであるかを認識することのできる音響装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の音響装置は、操作子を有する音響装置の操作手順を通知する操作手順通知部と、通知された前記音響装置の操作手順に基づく、前記音響装置の操作結果を検出する捜査結果検出部と、前記操作手順通知部により通知された操作手順、および前記捜査結果検出により検出された操作結果を照合する操作照合部と、前記操作照合部により照合された照合結果を通知する操作結果通知部と、を備える。
本発明のコンピュータ読み取り可能なプログラムは、コンピュータを前述した音響装置として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る音響装置を示す模式図。
【
図2A】前記実施の形態における操作子の構造を示す平面図。
【
図2B】前記実施の形態における操作子の構造を示す断面図。
【
図4】前記実施の形態における作用を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態について説明する。
図1には、本発明の実施の形態に係る音響装置1が示されている。音響装置1は、音響装置本体としてのDJコントローラ2、コンピュータ3、およびスピーカー4を備える。DJコントローラ2およびコンピュータ3は双方向通信可能なUSBケーブル5により双方向通信可能に接続されている。DJコントローラ2およびスピーカー4は、アナログケーブル6により接続されている。
【0010】
DJコントローラ2は、操作者が操作をすることにより、音響制御装置としても機能し、コンピュータ3で再生中の楽曲に対して、スクラッチ、ループ再生、CUE等の再生制御を行う。また、DJコントローラ2は、再生中の楽曲データに対して、フェーズ、ノイズ等のエフェクト処理を行う。DJコントローラ2は、左右に配置される2つのデッキ部2Aと、2つのデッキ部2Aの間に配置されるミキサー部2Bとを備える。
【0011】
デッキ部2Aは、操作者がDJコントローラ2を操作する主たる部分であり、コンピュータ3により再生中の楽曲データに対して、スクラッチ、ループ再生、キュー等の種々の特殊再生操作を行うことができる。
デッキ部2Aは、ジョグダイヤル21、テンポスライダー22、キューボタン23、プレイ/ポーズボタン24、およびパフォーマンスパッド25を備え、それぞれのデッキ部2Aには、2チャンネルの音源を接続できるようになっている。
【0012】
ジョグダイヤル21は、回転操作子として機能し、操作者がジョグダイヤル21を回転させることにより、再生中の楽曲データの速度を順方向に速めたり、逆転方向に回転させて逆転再生させたりすることができる。また、ジョグダイヤル21は、順方向、逆方向の回転を繰り返すことにより、DJパフォーマンス特有のスクラッチ再生を行うことができる。
テンポスライダー22は、再生中の楽曲データの再生速度を調整するレバーであり、中央から上部にスライドさせると、再生速度が上昇し、下部にスライドさせると再生速度が低下する。
【0013】
キューボタン23は、操作者が操作することにより、楽曲データの再生開始位置をキューポイントとして設定することができる。具体的にはキューボタン23が操作されると、楽曲データ中の所定の位置がキューポイントとして設定され、次回再生開始時には、設定されたキューポイントから再生が開始される。
プレイ/ポーズボタン24は、操作者が操作することにより、再生中の楽曲データの再生の開始、停止を行うことができる。
パフォーマンスパッド25は、操作者が操作することにより、再生中の楽曲データへの効果を切り替えることができる。たとえば、操作者がパフォーマンスパッド25を操作することにより、再生中の楽曲データに対して、瞬間的にループ、キュー、キーシフト等の効果を付与することができる。
【0014】
ミキサー部2Bは、操作者が操作することにより、左右のデッキ部2Aから出力される出力音量レベルを調整したり、再生中の楽曲データに対して、コーラス、エコー、ノイズ等の種々の効果を付与することができる。
ミキサー部2Bは、エフェクト選択つまみ26、エフェクト量調整つまみ27、チャンネルフェーダー28、およびクロスフェーダー29を備える。
【0015】
エフェクト選択つまみ26は、操作者が回転操作することにより、楽曲データに対するエフェクト処理を選択することができる。選択できるエフェクト処理としては、たとえば、コーラス、エコー、ディストーション、ノイズ等である。
エフェクト量調整つまみ27は、無段階で回転可能なつまみとして構成され、操作者が回転操作することにより、楽曲データに対するエフェクト処理の深さ、大きさを調整することができる。
【0016】
チャンネルフェーダー28は、操作者が操作することにより、デッキ部2Aの各チャンネルにおける出力音量レベルを調整することができる。
クロスフェーダー29は、左右のデッキ部2Aから出力される楽曲データの出力音量レベルを切り替えるレバーである。
その他、ミキサー部2Bは、操作者が操作することにより、各チャンネルにおける高周波域、中周波域、低周波域における出力音量レベルを調整して音質を変化させることができるイコライザ調整つまみを備えている。
また、DJコントローラ2は、再生中の楽曲データの進行状況を示す波形、キューポイント位置を表示する表示部30を備える、
【0017】
DJコントローラ2を構成する調整つまみ、ボタン、パッド、レバーには、起動時に発光する発光部を備え、種々の発光色で発光することができるようになっている。たとえば効果量調整つまみ27は、
図2A、
図2Bに示すように、調整つまみ本体271、調整位置表示マーカー272、つまみ基部273、および導光体274を備える。
【0018】
調整つまみ本体271は、黒色のゴム等の不透光性材料から構成される。
調整位置表示マーカー272およびつまみ基部273は、レンズ材料等の導光性材料から構成される。つまり、調整位置表示マーカー272およびつまみ基部273は、後述するLED発光部278が発光することにより、発光色に応じて、調整つまみ本体271の周囲や、調整位置表示マーカー272を発光させる。
【0019】
調整位置表示マーカー272は、調整つまみ本体271に形成された切欠部に挿入され、調整つまみ本体271を回転させた際の調整量を操作者に視認させる。
つまみ基部273は、調整つまみ本体271の底部に設けられ、調整つまみ本体271の回転に応じて回転する。また、つまみ基部273は、径方向外周端部が調整つまみ本体271の外側に突出している。
導光体274は、調整つまみ本体271を囲むリング状に設けられ、LED発光部278が発光することにより、発光色に応じて操作つまみ本体271の周囲を発光させる。
【0020】
つまみ基部273の回転中心には、
図2Bに示すように、回転軸275が設けられ、回転軸275の先端は、回路基板276上に設けられた回転抵抗器277に接続される。回転抵抗器277には、複数色に発光するLED発光部278が隣接して設けられている。
LED発光部278は、赤色、緑色、青色を単独または組み合わせて発光することにより、さまざまな色に発光する。
【0021】
コンピュータ3は、
図1に示すように、ディスプレイ31およびキーボード32を備え、DJコントローラ2と連動する楽曲再生ソフトウェアが実行されるとともに、本発明のコンピュータ読み取り可能なプログラムとしてのチュートリアルソフトウェアが実行される。なお、本実施の形態では、コンピュータ3をUSBケーブル5によって接続していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、DJコントローラ2と無線通信可能なPDA(Personal Digital Assistant)をコンピュータ3の代わりとして用いてもよい。
図3には、コンピュータ3の機能ブロック図が示されている。コンピュータ3は、ハードディスク、SDメモリ等の記憶装置33、および演算処理装置34を備える。
【0022】
記憶装置33は、楽曲データ記憶部331、楽曲再生ソフトウェア記憶部332、およびチュートリアルソフトウェア記憶部333を含む種々のソフトウェア、データが記憶されている。
楽曲データ記憶部331には、複数の楽曲データがMPEG形式等の所定の形式で記憶されている。
【0023】
楽曲再生ソフトウェア記憶部332には、楽曲データ記憶部331に記憶された楽曲データを再生するソフトウェアが記憶され、演算処理装置34にロードされることにより、後述する楽曲データ再生部341、再生制御部342、楽曲データ出力部343が実行される。
チュートリアルソフトウェア記憶部333には、再生中の楽曲データの操作手順を通知するコンピュータ読み取り可能なチュートリアルソフトウェアが記憶されている。チュートリアルソフトウェアは、演算処理装置34にロードされることにより、後述する操作手順通知部344、操作結果検出部345、操作照合部346、照合結果通知部347、および操作子認識部348が実行される。
【0024】
楽曲データ再生部341は、楽曲データ記憶部331に記憶された複数の楽曲データから所望の楽曲データを選択して再生する。楽曲データの選択は、ディスプレイ31上に表示された楽曲データの一覧から、操作者がキーボード32を操作することにより行われる。
なお、再生する楽曲データは、楽曲データ記憶部331に記憶されたものばかりではない。たとえば、再生する楽曲データは、コンピュータ3に接続されたUSBメモリ等に記憶された楽曲データから選択したものであってもよく、DJコントローラ2のデッキ部2Aに挿入されたCD等に記憶された楽曲データから選択したものであってもよい。
【0025】
再生制御部342は、操作者がDJコントローラ2を操作することにより、特殊操作、エフェクト処理を行った際、再生中の楽曲データに対して、特殊再生、エフェクトを付与する。操作者は、DJコントローラ2を操作することにより、再生中の楽曲データに対して、スクラッチ、ループ、エフェクト等の特殊効果を付与することができる。
楽曲データ出力部343は、再生制御部342によって付与された特殊操作、エフェクト処理を行った結果を、DJコントローラ2に出力する。
DJコントローラ2のミキサー部2Bでは、デジタル-アナログ変換を行った後、アナログケーブル6を介して、スピーカー4から音声出力する。
【0026】
操作手順通知部344は、DJコントローラ2の操作手順となるチュートリアル画面を表示する。具体的には、操作手順通知部344は、操作者がDJコントローラ2を操作することにより、再生制御部342によって付与される特殊操作、エフェクト処理等の操作手順をディスプレイ31上に表示する。なお、本実施の形態では、コンピュータ3には、スピーカーが内蔵されており、操作手順通知部344は、操作手順をディスプレイ31上に表示するとともに、操作手順を音声でガイダンスする。
また、操作手順通知部344は、DJコントローラ2がコンピュータ3に接続されていない状態では、これらの接続手順を表示するとともに、それぞれの初期設定の設定手順を表示する。
【0027】
操作結果検出部345は、ディスプレイ31上に表示された操作手順にしたがって、操作者がDJコントローラ2を操作した結果を検出する。DJコントローラ2を操作した結果は、USBケーブル5を介してコンピュータ3の再生制御部342に入力され、操作結果検出部345は、再生制御部342に入力される操作制御指令から操作結果を検出する。
【0028】
操作照合部346は、操作手順通知部344によりディスプレイ31上に表示された操作手順と、操作結果検出部345により検出されたDJコントローラ2を操作者が操作した結果を照合する。
操作照合部346は、操作手順通知部344により表示されている操作手順と、操作結果検出部345により検出された操作結果が同じ場合、操作者の操作結果が正しいと判定する。
ただし、前述した効果量調整つまみ27の場合、無段階で回転調整可能となっているため、正確に操作手順に一致させることは困難である。そこで、本実施の形態では、操作手順で示された回転調整量に対して、たとえば、前後10%以内の調整量であれば、操作者の操作結果が正しいと判定する。具体的には、効果量調整つまみ27を50の調整量に、4小節をかけて調整するという操作手順に対して、操作者が、効果量調整つまみ27を49の調整量に、3.9小節かけて調整した場合、操作結果を正しいと判定する。
【0029】
照合結果通知部347は、操作照合部346により照合された結果を、ディスプレイ31、DJコントローラ2に通知する。
照合結果通知部347は、照合結果をディスプレイ31上に操作手順を構成する各手順のアイコンの下に、正しい、間違い等の文字を表示して、操作者に視認させる。また、照合結果通知部347は、照合結果をDJコントローラ2に出力する。
図2Bに示すLED発光部278は、照合結果に応じた発光色により発光し、たとえば、照合結果が一致している場合には、緑色に発光し、一致していない場合には、赤色に発光する。
【0030】
操作子認識部348は、操作手順通知部344によりディスプレイ31上に表示された操作手順に応じて、DJコントローラ2の次に操作すべき操作子を操作者に認識させる。
具体的には、操作子認識部348は、次に操作すべき操作子が効果量調整つまみ27であった場合、LED発光部278を青色発光させる制御指令を出力し、操作者に効果量調整つまみ27の操作を促す。
【0031】
次に、本実施の形態の作用について、
図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
コンピュータ3の演算処理装置34は、チュートリアルソフトウェア記憶部333からチュートリアルソフトウェアをロードし、チュートリアルソフトウェアの実行を開始する(手順S1)。
操作手順通知部344は、DJコントローラ2とコンピュータ3との接続箇所や、マイク、ヘッドフォーンの接続箇所をディスプレイ31上に表示し、操作者にこれらの接続手順を表示する(手順S2)。
【0032】
操作手順通知部344は、すべての接続箇所が接続されるまで、接続手順の表示を継続し(手順S3)、すべての接続箇所が接続されたら、操作手順をディスプレイ31上に表示する(手順S4)。合わせて操作子認識部348は、たとえば、DJコントローラ2に操作すべき操作子のLED発光部278に制御指令を出力し、次に操作すべき効果量調整つまみ27を青色に発光させる(手順S5)。
操作結果検出部345は、操作者がDJコントローラ2を操作した結果を検出する(手順S6)。
【0033】
操作照合部346は、ディスプレイ31上に表示された操作手順と、操作結果検出部345により検出された操作者の操作結果の照合を行う(手順S7)。
操作照合部346は、すべての操作手順と操作結果の照合が終了したか否かを判定し(手順S8)、終了していない場合には、次の操作手順を手順S4によりディスプレイ31上に表示する。
【0034】
すべての操作手順と操作結果の照合が終了したら、照合結果通知部347は、ディスプレイ31上に照合結果を表示する(手順S9)。
また、照合結果通知部347は、照合結果をDJコントローラ2に出力し、正しい操作が行われたつまみ、レバー等のLED発光部を緑色に発光させ、誤った操作が行われたつまみ、レバー等のLED発光部を赤色に発光させる。
【0035】
本実施の形態によれば、以下のような効果がある。
操作手順通知部344によりディスプレイ31上に表示された操作手順に基づいて、操作者がDJコントローラ2を操作した結果を操作結果検出部345により検出している。
そして、操作手順および操作結果を操作照合部346により照合して照合結果を、照合結果通知部347により操作者に通知している。したがって、操作者は、チュートリアル画像に示された操作手順に対して、自己の操作のどこに誤りがあったのかを認識することができるため、学んだ操作の進捗状況を自覚して、チュートリアルを行うことができる。
【0036】
DJコントローラ2と連動する楽曲再生ソフトウェアと、チュートリアルソフトウェアとが連動することにより、DJコントローラ2の操作から再生制御信号を楽曲再生ソフトウェアでコンピュータ3上に取り込み、取り込まれた再生制御信号により操作結果を検出することができる。したがって、チュートリアルソフトウェアの処理を軽減することができるため、チュートリアルソフトウェアを軽くして、コンピュータ3の演算処理装置34の処理負担を軽減することができる。
ディスプレイ31上に表示された操作手順に応じて、DJコントローラ2の操作すべき効果量調整つまみ27等の操作子を、LED発光部278を所定の色で発光させて操作者に認識させることができるため、操作者にわかり易いチュートリアルを行うことができる。
【0037】
効果量調整つまみ27等の連続的に調整可能な操作子の調整量について、所定の範囲内のずれが生じても、操作照合部346が操作手順通りと判定している。したがって、操作手順と操作結果との照合に許容範囲を持たせて、操作者に対する照合結果の通知を、期待する操作手順に近い状態でフィードバックすることができる。
操作手順通知部344による操作手順が、コンピュータ3のディスプレイ31上に表示されるだけでなく、音声でも通知されているので、操作者は、音声ガイダンスを聞きながらチュートリアルを行えるため、チュートリアルソフトウェアによる学習をより実践的に行うことができる。
【0038】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、以下の変形をも含むものである。
前述の実施の形態では、操作手順通知部344による操作手順は、コンピュータ3のディスプレイ31上に表示されていたが、本発明はこれに限られない。たとえば、DJコントローラ2の表示部30上に表示してもよい。この場合、楽曲データの進行とともにチュートリアルソフトウェアによる学習を行うことができるため、より実践的に学習を行うことができる。
前述の実施の形態では、DJコントローラ2に設けられた効果量調整つまみ27等の操作子の操作手順についてのチュートリアルを行っていたが、本発明はこれに限られない。チュートリアルソフトウェアと連動する楽曲再生ソフトウェアの画面上のボタン、つまみ等の操作子の操作手順についてチュートリアルを行ってもよい。
【0039】
前述した実施の形態では、DJコントローラ2およびコンピュータ3を接続して、音響装置を構成していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図1に示すデッキ部2Aのみから構成されるDJプレーヤー等の音響再生装置に本発明を適用してもよい。
前述した実施の形態では、DJコントローラ2およびコンピュータを接続して、音響装置を構成していたが、本発明はこれに限られない。DJコントローラ2に、楽曲再生ソフトウェア、チュートリアルソフトウェアをインストールして、スタンドアローンで操作者の学習を実行するによりしてもよい。
【0040】
前述の実施の形態では、操作手順通知部344は、通常の操作手順をディスプレイ31上に表示していたが、本発明はこれに限られない。たとえば、操作者の利用場所や利用時間を加味して、操作手順の変更を行ってもよく。操作者へのフィードバックの内容を変更してもよい。
前述の実施の形態では、照合結果通知部347は、照合結果をディスプレイ31に表示したり、DJコントローラ2のLED発光部278を赤色、緑色に発光させることにより、操作者にフィードバックしていたが、本発明はこれに限られない。たとえば、音声により照合結果を操作者に通知するようにしてもよい。また、これらの手段を組合わせてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な部分、および構造等は、本発明の目的を達成出来る範囲で他の構造等としてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…音響装置、2…DJコントローラ、2A…デッキ部、2B…ミキサー部、3…コンピュータ、4…スピーカー、5…USBケーブル、6…アナログケーブル、21…ジョグダイヤル、22…テンポスライダー、23…キューボタン、24…ポーズボタン、25…パフォーマンスパッド、28…チャンネルフェーダー、29…クロスフェーダー、30…表示部、31…ディスプレイ、32…キーボード、33…記憶装置、34…演算処理装置、271…調整つまみ本体、272…調整位置表示マーカー、273…基部、274…導光体、275…回転軸、276…回路基板、277…回転抵抗器、278…LED発光部、331…楽曲データ記憶部、332…楽曲再生ソフトウェア記憶部、333…チュートリアルソフトウェア記憶部、341…楽曲データ再生部、342…再生制御部、343…楽曲データ出力部、344…操作手順通知部、345…操作結果検出部、346…操作照合部、347…照合結果通知部、348…操作子認識部。