(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】回転プランジャポンプサブシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
A61M5/142 500
(21)【出願番号】P 2021513837
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 US2020047331
(87)【国際公開番号】W WO2021041184
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2021-03-29
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【氏名又は名称】新井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】アガード,リャン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クレメント,マシュー ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】デヴィット,ショーン ロバート
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第93/020864(WO,A1)
【文献】米国特許第04968230(US,A)
【文献】米国特許第03168872(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスにおいて薬剤液を圧送するための回転サブアセンブリであって、
閉鎖遠位端と開放近位端との間の長手方向軸の周りに延在する空洞を画定するハウジング側壁を含む中空本体であって、前記ハウジング側壁は、前記ハウジング側壁を通過し前記空洞と流体連通する2つのポートを含み、前記空洞の少なくとも作動部分は、前記長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する非円形断面を有し、前記作動部分は、前記ハウジング側壁の第2のセグメントによって相互接続されている前記ハウジング側壁の第1の内向きオフセットセグメントによって画定されており、前記第1の内向きオフセットセグメントは、一定または可変の第1の半径方向距離によって前記長手方向軸から離間され、前記第2のセグメントは、前記第1の半径方向距離よりも大きい一定または可変の第2の半径方向距離によって前記長手方向軸から離間され、前記ハウジング側壁の前記第1の内向きオフセットセグメントは、前記2つのポートを取り囲む前記側壁の領域に沿って配列され、前記ハウジング側壁の前記第2のセグメントは、前記2つのポートから離間されている、前記中空本体と、
前記空洞に収容されているプランジャであって、前記プランジャと前記ハウジング側壁との間
で作業チャンバを画定する前記プランジャと
を備え、
前記プランジャは、前記作業チャンバを、前記2つのポートのうちの一方のポート、次にポートなし、次に前記2つのポートのうちの他方のポートと
流体流動連通にするために、前記本体に対して回転するように構成されており、
前記プランジャは、前記本体に対して長手方向に並進して移動するようにさらに構成されており、それにより、前記2つのポートのうちの一方から薬剤液を連続的に取り込み、次に、前記2つのポートのうちの他方から前記
薬剤液を排出するために、前記作業チャンバの容積を変化させ、
前記プランジャは、前記作業チャンバが前記2つのポートの一方と流体流動連通しているときに、前記プランジャの側壁が、前記2つのポート
のうちの前記他方
のポートを取り囲む前記ハウジング側壁の前記第1の内向きオフセットセグメントに対して液密シールを確立するが、前記ハウジング側壁の前記第2のセグメントとの液密シールを確立しないような、サイズおよび形状になっている、回転サブアセンブリ。
【請求項2】
前記プランジャは、前記プランジャから半径方向外側に延在するプランジャピンをさらに備える、請求項1に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項3】
前記本体は、前記プランジャが前記本体に対して回転する場合に前記プランジャピンの遠位側に摺動可能に接触するように構成されている第1のポンピングトラックをさらに備え、前記ポンピングトラックは、前記長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する少なくとも1つの平坦セクションを備える、請求項2に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項4】
前記ポンピングトラックは、前記長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する遠位平坦セクションと、前記長手方向軸に垂直な異なる平面に沿って延在する近位平坦セクションとの両方を備える、請求項3に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項5】
前記本体は、前記プランジャピンの遠位側に摺動可能に接触するように構成されている第1のポンピングトラックと、前記プランジャピンの近位側に摺動可能に接触するように構成されている第2のポンピングトラックとをさらに備える、請求項2に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のポンピングトラックおよび前記第2のポンピングトラックは、それぞれ、前記長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する少なくとも1つの平坦セクションを備える、請求項5に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項7】
前記空洞の部分は、前記長手方向軸に垂直な平面に沿って円形断面を有し、
前記プランジャは、互いに長手方向に離間した近位環状シーリングリブと、遠位環状シーリングリブとをさらに備え、両方の環状シーリングリブが、前記空洞の前記開放近位端か
ら前記作業チャンバをシールする液密シールを確立するように、前記円形断面を有する前記空洞壁の前記部分に接触する、請求項1~6のいずれかに記載の回転サブアセンブリ。
【請求項8】
前記プランジャは、近位プランジャ位置と遠位プランジャ位置との間で、前記本体に対して長手方向に並進して移動するように構成され、
前記プランジャ上の両方の環状シーリングリブは、前記プランジャが前記遠位プランジャ位置にあるときに、前記空洞内に開口する前記2つのポートの近位に配置されている、請求項7に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項9】
前記2つの環状シーリングリブ間の長手方向距離は、前記近位プランジャ位置と前記遠位プランジャ位置との間の長手方向距離以上である、請求項8に記載の回転サブアセンブリ。
【請求項10】
前記ハウジング側壁の前記第1の内向きオフセットセグメントの各々は、前記ハウジング側壁の前記第2のセグメントの第1の隣接縁部に滑らかに移行する第1の縁部と、前記ハウジング側壁の前記第2のセグメントの第2の隣接縁部に突然移行する第2の縁部とを備える、請求項1~9のいずれかに記載の回転サブアセンブリ。
【請求項11】
薬剤送達装置であって、
薬剤液を貯蔵する薬剤リザーバと、
患者に送達するために前記薬剤リザーバから前記薬剤液を圧送するための、請求項1~10のいずれかに記載の回転サブアセンブリと
を備える前記薬剤送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転プランジャポンプサブシステムに関する。より具体的には、本開示は、薬剤送達システムまたはデバイスのための回転プランジャポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
正確かつ精密な量の薬剤液を薬剤容器またはリザーバから患者に送達するには、多くの薬剤送達システムが必要とされている。送達される薬剤液の量は、薬剤容器またはリザーバに貯蔵されている薬剤の全量より少なくてもよい。そのような薬剤送達システムの例は、インスリンペンおよびポンプ、薬剤の複数の固定用量を送達するように構成されているデバイス、および投与時に患者固有の用量設定を必要とする単回使用の薬剤送達デバイスを含むが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、回転プランジャポンプサブシステムに関する。より具体的には、本開示は、薬剤送達デバイスのための回転プランジャポンプシステムに関する。
【0004】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0005】
1.薬剤送達デバイスにおいて薬剤液を圧送するための回転サブアセンブリであって、閉鎖遠位端と開放近位端との間の長手方向軸の周りに延在する空洞を画定するハウジング側壁を含む中空本体であって、ハウジング側壁が、それを通過し、空洞と流体連通する少なくとも2つのポートを含み、空洞の少なくとも作動部分が、長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する非円形断面を有し、作動部分が、ハウジング側壁の第2のセグメントによって相互接続されているハウジング側壁の第1の内向きオフセットセグメントによって画定されており、第1の内向きオフセットセグメントが、一定または可変の第1の半径方向距離によって長手方向軸から離間され、第2のセグメントが、第1の半径方向距離よりも大きい、一定または可変の第2の半径方向距離によって長手方向軸から離間され、ハウジング側壁の第1の内向きオフセットセグメントが、2つのポートを取り囲む側壁の領域に沿って配列され、ハウジング側壁の第2のセグメントが、2つのポートから離間されている、中空本体と、プランジャであって、プランジャとハウジング側壁との間の作業チャンバを画定する空洞に収容されている、プランジャと、を備え、プランジャが、作業チャンバを、2つのポートのうちの少なくとも一方のポート、次にポートなし、次に2つのポートのうちの少なくとも他方のポートと順次流体流連通するために、本体に対して回転するように構成されており、プランジャが、本体に対して長手方向に並進して移動するようにさらに構成されており、それにより、2つのポートのうちの一方から薬剤液を連続的に取り込み、次に、2つのポートのうちの他方から液体を排出するために、作業チャンバの容積を変化させ、プランジャが、作業チャンバが2つのポートの一方と流体流動連通しているときに、プランジャの側壁が、2つのポートに他方を取り囲むハウジング側壁の第1の内向きオフセットセグメントに対して液密シールを確立するが、ハウジング側壁の第2のセグメントとの液密シールを確立しないような、サイズおよび形状になっている、回転サブアセンブリ。
【0006】
2.プランジャが、プランジャから半径方向外側に延在するプランジャピンをさらに備える、態様1に記載の回転サブアセンブリ。
【0007】
3.本体が、プランジャが本体に対して回転する場合に、プランジャピンの遠位側に摺動可能に接触するように構成されている第1のポンピングトラックをさらに備え、ポンピングトラックが、長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する少なくとも1つの平坦セクションを備える、態様2に記載の回転サブアセンブリ。
【0008】
4.ポンピングトラックが、長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する遠位平坦セクションと、長手方向軸に垂直な異なる平面に沿って延在する近位平坦セクションとの両方を備える、態様3に記載の回転サブアセンブリ。
【0009】
5.本体が、プランジャピンの遠位側に摺動可能に接触するように構成されている第1のポンピングトラックと、プランジャピンの近位側に摺動可能に接触するように構成されている第2のポンピングトラックとをさらに備える、態様2に記載の回転サブアセンブリ。
【0010】
6.第1のポンピングトラックおよび第2のポンピングトラックが、それぞれ、長手方向軸に垂直な平面に沿って延在する少なくとも1つの平坦セクションを備える、態様5に記載の回転サブアセンブリ。
【0011】
7.空洞の部分が、長手方向軸に垂直な平面に沿って円形断面を有し、プランジャが、互いに長手方向に離間した近位環状シーリングリブと、遠位環状シーリングリブとをさらに備え、両方の環状シーリングリブが、空洞の開放近位端からの作業チャンバをシールする液密シールを確立するように、円形断面を有する空洞壁の部分に接触する、態様1~6のいずれかに記載の回転サブアセンブリ。
【0012】
8.プランジャが、近位プランジャ位置と遠位プランジャ位置との間で、本体に対して長手方向に並進して移動するように構成され、プランジャ上の両方の環状シーリングリブが、プランジャが遠位プランジャ位置にあるときに、空洞内に開口する2つのポートの近位に配置されている、態様7に記載の回転サブアセンブリ。
【0013】
9.2つの環状シーリングリブ間の長手方向距離が、近位プランジャ位置と遠位プランジャ位置との間の長手方向距離以上である、態様8に記載の回転サブアセンブリ。
【0014】
10.ハウジング側壁の第1の内向きオフセットセグメントの各々が、ハウジング側壁の第2のセグメントの第1の隣接縁部に滑らかに移行する第1の縁部と、ハウジング側壁の第2のセグメントの第2の隣接縁部に突然移行する第2の縁部とを備える、態様1~9のいずれかに記載の回転サブアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の上述および他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する様式は、本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによってより明らかになり、またよりよく理解されることとする。
【0016】
【
図1】いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプサブシステムを備える薬剤送達システムを示す。
【
図2】いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプサブシステムを示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、
図2の回転プランジャポンプシステムの特定の構成要素の分解図を示す。
【
図4A】いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプシステムのプランジャ構成要素の側面図を提供する。
【
図4B】いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプシステムのプランジャ構成要素の側面図を提供する。
【
図4C】いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプシステムのプランジャ構成要素の側面図を提供する。
【
図4D】いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプシステムのプランジャ構成要素の側面図を提供する。
【
図5】いくつかの実施形態による、プランジャ構成要素の斜視図を提供する。
【
図6】いくつかの実施形態による、ポンプサブシステムのポンプハウジング構成要素の斜視図を提供する。
【
図7A】いくつかの実施形態による、ポンプハウジング構成要素の斜視断面図を提供する。
【
図7B】いくつかの実施形態による、ポンプハウジング構成要素の斜視断面図を提供する。
【
図8】いくつかの実施形態による、ポンプハウジングの上から見た断面図を提供する。
【
図9A】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの側面断面図を提供する。
【
図9B】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの側面断面図を提供する。
【
図9C】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの側面断面図を提供する。
【
図9D】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの側面断面図を提供する。
【
図10A】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの上から見た断面図を提供する。
【
図10B】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの上から見た断面図を提供する。
【
図10C】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの上から見た断面図を提供する。
【
図10D】いくつかの実施形態による、動作中のポンプサブシステムの上から見た断面図を提供する。
【
図11A】いくつかの実施形態による、ポンプハウジング内の内向きオフセットの例示的な図を提供する。
【
図11B】いくつかの実施形態による、ポンプハウジング内の内向きオフセットの例示的な図を提供する。
【
図11C】いくつかの実施形態による、ポンプハウジング内の内向きオフセットの例示的な図を提供する。
【
図11D】いくつかの実施形態による、ポンプハウジング内の内向きオフセットの例示的な図を提供する。
【
図12】いくつかの実施形態による、代替ポンプハウジング構成要素の斜視図を提供する。
【
図13】いくつかの実施形態による、代替ポンプハウジング構成要素の上から見た図を提供する。
【
図14】いくつかの実施形態による、別の代替ポンプハウジング構成要素の斜視図を提供する。
【
図15】いくつかの実施形態による、別の代替ポンプハウジング構成要素の斜視図を提供する。
【
図16】いくつかの実施形態による、別の代替ポンプハウジング構成要素の斜視図を提供する。
【
図17】いくつかの実施形態による、別の代替ポンプハウジング構成要素の斜視図を提供する。
【0017】
複数の図全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に記載される例証は、本発明の例示の実施形態を例示し、そのような例証は、いかなる様式においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
いくつかの実施形態において、薬剤送達システムは、それらをより容易に携帯可能にし、および/またはユーザーに邪魔にならないようにするために、理想的には小さくなるべきである。また、このようなシステムは、理想的には、信頼性を高め、製造を容易にし、コストを削減するように、比較的少数の単純な構成要素するべきである。また、システムの製造を容易にするために、システムは、構成要素の形状および/または寸法の小さな欠陥に対して理想的には堅牢であるべきである(すなわち、構成要素に必要な精度は、比較的低くするべきである)。最後に、そのようなシステムは、ユーザーが使用するために必要な原動力を少なくするため、または嵩張るおよび/または高価なモーターおよびバッテリーの必要性を減らすために、動作するのに少量のエネルギーのみを必要とするべきである。したがって、より高い信頼性および製造可能性を達成するために、比較的少数の単純な構成要素を使用して高効率で正確かつ精密な用量の薬剤液を送達できる、ポンプサブシステムが必要である。
【0019】
図1は、いくつかの実施形態による、薬剤送達システムの情況120を示す。情況120は、流体形態における薬剤を貯蔵する薬剤リザーバ150、リザーバ150から該薬剤液を引き出し、皮下/筋肉内注射、または他の手段のいずれかを通して、それを患者180に送達するポンプ100を含む。リザーバ150は、圧力下で薬剤液を貯蔵し得、または圧力下で薬剤液を貯蔵し得ない(すなわち、大気圧で薬剤液を貯蔵する)。いくつかの実施形態において、薬剤リザーバ150およびポンプ100は、単一の薬剤送達デバイスシステム130に統合され得る。他の実施形態において、薬剤リザーバ150およびポンプ100は、別個のデバイスを備える、または統合され得る。ポンプ100は、本明細書に開示されるサブシステムなどの、回転プランジャポンプサブシステムであり得、このようなポンプサブシステムは、手動または電子的に制御され得る。
【0020】
「薬剤」という用語は、限定されないが、インスリン、インスリンリスプロまたはインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、ダラグルチドまたはリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体および上記のデバイスによって送達が可能な任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬を指す。デバイス内で使用される薬剤は、1つ以上の賦形剤と共に処方され得る。そのような薬剤送達デバイスは、1つ以上の薬剤を人に送達するように、患者、介護者、または医療専門家によって本明細書に概して記載される方法で操作され得る。
【0021】
回転プランジャポンプを使用して薬剤液を送達することは、いくつかの課題がある。例えば、以前から知られている回転プランジャポンプは、概して剛性のある構成要素を使用する。これらの剛性のある構成要素は、産業用途に適切なシーリングを提供し得る一方、動的シールのためのリジッドオンリジッド(rigid-on-rigid)シーリング境界部は、概して、薬剤送達デバイス内の薬剤リザーバおよび薬剤液経路の無菌性および完全性を維持するのには適切でない。また、動的シールに剛性のある構成要素を使用することは、使い捨て医療デバイスには費用効果が高くない、高精度の部品を必要とする。
【0022】
したがって、本明細書に記載のポンプサブシステムの少なくともいくつかの実施形態は、液密シールを作成するのに、エラストマー表面を使用する。例えば、回転プランジャの少なくとも一部分は、動的な液密シールを作成するように、ポンプハウジングの剛性のある内壁と境界するエラストマースリーブを備え得る。しかしながら、そのようなエラストマー表面の使用は、ポンプサブシステムの効率および/または精度を低下させることができる。本明細書でさらに詳細に記載するように、開示されたポンプサブシステムは、ポンプサブシステムの効率および精度を高めるように、異なる特徴および/または構成を利用する。
【0023】
説明を容易にするためだけに、
図2および後続のすべての図は、矢印101によって示されるx、y、z方向システムを使用する。明細書および特許請求の範囲において、「近位」または「上向き」方向への言及は、正のy方向を意味し、「遠位」または「下向き」方向への言及は、負のy方向を意味するものとする。
【0024】
図2および
図3は、いくつかの実施形態による、回転プランジャポンプサブシステム100を示す。回転プランジャポンプサブシステム100は、任意の適切な流体を圧送するように使用され得る。いくつかの実施形態において、サブシステム100は、薬剤液を圧送するための薬剤送達デバイスの一部として使用され得る。
【0025】
サブシステム100は、取付フレーム102と、回転駆動シャフト104と、回転プランジャ302と、ポンプハウジング202と、戻りばね124とを含む。フレーム102の近位端は、回転駆動シャフト104を支持し、これは、次に、回転プランジャ302に接続されている。回転駆動シャフト104は、
図3において示されるように、長手方向軸201について矢印205の方向に(例えば、時計回りに)回転するように、駆動モーター、ばね(例えば、ねじりばね、または動力/時計回りばね)、手動のユーザー操作のクランク、ノブ、ボタン、レバー、もしくは他のアクチュエーター、または回転プランジャ302を駆動する他のトルク供給源に接続され得る。
【0026】
図4A~
図4Dおよび
図5は、いくつかの実施形態による、回転プランジャ302をより詳細に示す。
図4A~
図4Dは、4つの別個の側面図からのプランジャ302を示し、
図5は、斜視図を提供する。プランジャ302は、湾曲した円筒形の側壁320によって接続された近位端312および遠位端314を有する実質的に円筒形の細長い本体を備える。いくつかの実施形態において、プランジャ302の円筒形本体は、比較的柔軟な/変形可能な遠位スリーブ308に連結された近位剛性ロッド306(例えば、少なくとも部分的に適切な金属または剛性プラスチックから構築される)を備え得る。スリーブ308は、薬剤液と接触するように構成されるので、スリーブ308は、例えば、エラストマー(ブロモブチル、クロロブチル、または2つのいずれかとポリイソプレンまたはスチレンブタジエンなどの他のゴムとのブレンドなど)、不活性軟質プラスチック(ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、またはフッ素化エチレンプロピレンなど)、またはフィルムでコーティングされたゴムまたは不活性プラスチックのコーティングなどの、薬剤適合性の可撓性シーリング材料から構築され得る。剛性ロッド306は、長手方向軸201についてロッド306に対するスリーブ308の過度のねじれを防止するようにスリーブ308の対応する開口部の中に挿入される、スリット形状、十字形、T字形、または他の形状の断面を有し得る。スリーブ308は、圧入、締まりばめ、接着剤、超音波もしくは熱溶接、または他の適切な連結方法を使用してロッド306に連結され得る。他の実施形態において、プランジャ302の円筒形本体は、単一のモノリシック部品として構築され得る。プランジャ302の円筒形本体は、プランジャ302の横方向の円周を取り囲む、少なくとも2つのシーリング要素、遠位環状シーリングリブ332および近位環状シーリングリブ334をさらに備え得る。いくつかの実施形態において、2つのリブはまた、剛性表面に対して動的な液密シールを作成するのに適したエラストマー材料を含み得る。2つのリブ332、334は、長手方向の距離236だけ離され得る。いくつかの実施形態において、第3の「中間」リブ(図示せず)もまた、追加の構造的支持として機能し、作業チャンバ602と外部雰囲気との間に追加の(潜在的に冗長な)シールを提供するように、リブ332、334の間に提供され得る(
図9A~
図9Bを参照して以下に記載される)。
【0027】
プランジャピン304は、プランジャ302の側壁320から半径方向外向きに突出し、それにしっかりと固定され得る。いくつかの実施形態において、ピン304およびロッド306は、1つのモノリシック部品から形成され得、他の実施形態において、ピン304は、ロッド306の中に接着、接合、挿入、または成形される、別個の部品であり得る。図示のように、ピン304は、プランジャ302の近位端312に隣接して配列され得る。しかしながら、ピンは、プランジャ302の長さに沿った任意の点で配列され得る。
図5において最もよく見られるように、プランジャ302は、遠位端314に隣接して配列された切り欠き310によって画定され得る、縮小された断面領域の遠位部分を含み得る。切り欠き310は、側壁320の下に凹み、プランジャ302の円筒形側壁320から内向きにステップするリップ318に接続された実質的に平面の長手方向部分316によって画定される。部分316およびリップ318は、横方向の関係において交差し得る。一実施形態において、切り欠き310の平面部分316は、第1の半径方向に面し、ピン304は、切り欠きの配置の第1の半径方向に垂直である、第2の半径方向に延在する。
【0028】
プランジャ302は、ポンプハウジング202内に受容される。ハウジング202の1つの例示的な実施形態は、
図6、
図7A、
図7B、および
図8においてさらに詳細に示される。
図6は、ハウジング202の斜視図を提供し、
図7Aおよび
図7Bは、線1~1に沿ったハウジング202の断面図を提供し、
図8は、線2~2(例えば、正のy方向から見た場合)に沿ったハウジング202の上から見た断面図を提供する。ハウジング202は、オレフィンプラスチック(例えば、環状オレフィンコポリマー、環状オレフィンコポリマー、および/またはポリプロピレン)などの、任意の適切かつ比較的剛性のある材料から構築され得る。ハウジング202とプランジャ302との間の境界部は、シリコーンオイルなどの、適切な医薬品容器潤滑剤で潤滑され得る。
【0029】
図6において最もよく示されるように、ハウジング202は、3つのセクション、近位セクション208と、中間セクション210と、遠位セクション212とを備え、それぞれが共通の軸201に沿って配列されている。近位セクション208は、角度付きピントラック218を画定する、側壁222を備える。ピントラック218は、トラック218によって画定される平面が長手方向軸218に垂直ではないが、トラック218の近位端254がトラック218の反対側の遠位端250よりも高い(すなわち、近位に)ように、角度的にオフセットされる。遠位端250は、上向き傾斜部分252、および下向き傾斜部分256を介して、トラック218の近位端254に接続されている。近位セクション208はまた、プランジャ302を受容し支持する、2つのタブ210a、210bを備える。
【0030】
中間セクション210は、側壁224と、側壁224から半径方向外向きに突出する1つ以上の軸方向稜線部214とを備える。1つ以上の稜線部214は、ハウジング202の遠位端に向かって配向された半径方向内向きステップ216を有する。
図7Aおよび
図7Bにおいて最もよく示されるように、側壁224は、開放近位端260および閉鎖遠位端262を有する軸201に沿って内部に空洞230を画定する。側壁224はまた、半径方向に延在するアームによって画定されるように示される、入口ポート226および出口ポート228を画定する。一実施形態において、ポート226、228は、異なる半径方向に配向されている。一実施形態において、ポート226、228は、長手方向軸201に直交して延在する、横軸203に沿って反対方向に(例えば、互いに180度の角度間隔で)延在するように配向されている。入口ポート226および出口ポート228は、側壁224を通過し、空洞230と流体連通している。ダクトは、液密シールでアームに配列されて示されている。入口ポート226は、入口ダクト204に流体的に接続され、一方、出口ポート228は、出口ダクト206に流体的に接続されている。ポンプサブシステムの動作中、流体は、入口ポート226/入口ダクト204を通って空洞230の中に吸い込まれ、出口ポート228/出口ダクト206を通って排出される。
【0031】
空洞230に面する、側壁224の内表面はまた、2つの内向きオフセット232および234(
図7Aおよび
図7Bにおける影付きの黒一色)を含み得る。内向きオフセットは、それぞれ、入口ポート226および出口ポート228に隣接および/または取り囲む側壁224の部分に配列される。いくつかの実施形態において、内向きオフセット232、234は、図示のように、空洞230の閉鎖遠位端262までずっと下向きに(遠位に)延在し、これは、射出成形を使用してハウジング202の製造可能性を改善することができる。他の実施形態において、内向きオフセット232、234は、閉鎖遠位端262まで遠位方向にずっと延在することはない。内向きオフセット232、234はまた、それぞれ上向きリップ242、244で近位方向においてポート226、228の上の短い距離で終端する。上向きリップ242、244の上の(すなわち、近位の)空洞230のセクションは、概して円形断面を有する。しかしながら、
図8において最もよく示されるように、内向きオフセット232および234は、横軸203によって画定され、長手方向軸201に垂直な横断面に沿った非円形断面を、空洞230に有することを起こさせる。具体的には、空洞230を画定するハウジング側壁224は、第2のセグメント246、248によって相互接続された第1の内向きオフセットセグメント232、234を備える。第1の内向きオフセットセグメント232、234は、一定または可変の第1の半径方向距離「a」によって長手方向軸201から離間されている。第2のセグメント246、248は、第1の半径方向距離「a」よりも大きい一定または可変の第2の半径方向距離「b」によって長手方向軸201から離間している。第1の内向きオフセットセグメント232、234は、2つのポート226、228を取り囲む側壁224の領域に沿って配列され、一方、側壁224の第2のセグメント246、248は、2つのポートから離間している。内向きオフセット232、234は、空洞230の閉鎖遠位端まで下向きに延在するので、長手方向軸201に垂直で、横軸203より下(すなわち、遠位)に取られた空洞230の断面は、同様に非円形である。
【0032】
図6に戻ると、ハウジング202の遠位セクション212は、近位セクション208および中間セクション210と比較して、より小さな断面領域を有する実質的に円筒形本体を備える。遠位セクション212はまた、他の形状の形態をとり得る。戻りばね124は、ばね124の近位端が1つ以上の稜線部214(
図6を参照)の内向きステップ216に隣接し、ばね124の遠位端が取付フレーム102(
図2を参照)上のレセプタクル内に隣接および/または受容されるように、遠位セクション212の周りに巻き付けられ得る。このように取り付けられた、戻りばね124は、ハウジング202に対して上向きのバイアス圧力を提供する。
【0033】
プランジャ302がハウジング202内に受容されたときに、プランジャ304の遠位スリーブ308は、空洞230内に受容される。スリーブ308および空洞230は、スリーブ308が内向きオフセットセグメント232、234に対してしっかりと嵌るが、空洞230の内壁(例えば、第2のセグメント246、248)の他の部分(非内向きオフセット部分)に緩くおよび/または断続的に接触する(またはまったく接触しない)のみであるように寸法決定される。例えば、スリーブ308および空洞230は、内向きオフセットセグメント232、234と接触しているスリーブ308のエラストマー表面の部分が、比較的大きな圧縮および/または変形を経験し、対照的に、空洞230の内壁の他の部分(例えば、第2のセグメント246、248)と接触しているスリーブ308のエラストマー表面の部分が、比較的少ない圧縮/変形を経験するか、または圧縮/変形を経験しないするように寸法決定され得る。いくつかの実施形態または場合において、スリーブ308は、空洞230の内壁のこれらの他の部分に接触しないか、または断続的にのみ接触し得る。
【0034】
プランジャ302は、空洞230内で長手方向軸201について回転するように構成されている。プランジャ302はまた、空洞230内の長手方向軸201に沿って長手方向に並進するように構成されている。戻りばね124の上向きのバイアス圧力は、プランジャ302が空洞230内で回転している間、ピントラック218が、プランジャピン304の遠位側(すなわち、下側)に対して、常に、隣接および/または係合することを引き起こす。プランジャ302が空洞230内に受容されたときに、切り欠き310を画定する表面(すなわち、表面316、318)および空洞230の内壁(すなわち、側壁224の内表面)は、プランジャが空洞内を移動する場合、ポートなし、次に入口ポート、次にポートなし、次に出口ポートとの繰り返しかつ連続的な流体流動連通状態になる作業チャンバ602を一緒に画定する(
図9A~9Dを参照)。
【0035】
動作中、モーター、蓄積エネルギー装置(例えば、ばね)、および/またはユーザーは、シャフト104を駆動するように回転力を提供する。回転力は、シャフト104およびプランジャ302が、長手方向軸201について矢印205の方向に回転することを引き起こす(
図3、
図9A~
図9Dを参照)。プランジャ302が空洞302内で回転すると、プランジャ302およびハウジング202は、
図9A~
図9D、および
図10A~
図10Dに示される一連の構成を連続的に移動する。
図9A~
図9Dの各々は、正のz方向から見たときの、線1~1に沿ったポンプサブシステム100の側面断面図を示す。
図10A~
図10Dの各々は、正のy方向から見たときの、線2~2に沿ったポンプサブシステム100の上から見た断面図を示す。明確にするために、プランジャピン304の位置は、
図10A~
図10Dにおいて鎖線で輪郭を描いている。
【0036】
図9Aおよび
図10Aにおいて、プランジャ302は、プランジャピン304が負のx方向に(すなわち、
図9Aおよび
図10Aの左側に)向けられるように、回転される。プランジャピン304がこの方向に向けられたときに、ばね124は、ピン304をピントラック218の最下部(すなわち、遠位端250)に係合させ、したがって、プランジャ302を、ハウジング202に対して空洞230内の最も遠い遠位位置に長手方向に並進させる。プランジャ302がこの最も遠い遠位位置にあるときに、遠位リブ332および近位リブ334の両方は、内部オフセットセグメント232、234の上向きリップ242、244の上(すなわち、近位)に位置し、空洞230の断面が、形状において円形である。また、プランジャ302がこの最も遠い遠位位置にある間、近位リブ334は、空洞230の内壁に沿って開始位置238で配置される。遠位リブ332および近位リブ334は、作業チャンバ602と外部雰囲気との間に液密シールを確立するように、内部オフセット232、234の上の空洞230の内壁に対してしっかりと押し付けるように寸法決定および構成されている。このようにして、リブ332、334は、作業チャンバ602およびそこを通過する流体の無菌性を保つ。
【0037】
さらに、プランジャ302がこの最も遠い遠位位置にある間、プランジャ302の遠位端314は、作業チャンバ602が
図9A~
図9Dおよび
図10A~
図10Dにおいて示される4つの構成のいずれかの最小容積を有するように、空洞230の閉鎖遠位端262との接触になり得る(または空洞230の遠位端の近くに位置する)。いくつかの実施形態において、プランジャ302がこの最も遠い遠位位置にある間の作業チャンバ602の容積は、薬剤液の浪費を減らすように、比較的小さくなるように構成されるべきである。また、切り欠き310は、正のz方向に配向されている(すなわち、
図9Aにおいてページの外にあり、
図10Aにおいて下向きである)。前述のように、切り欠き310および空洞230の内壁(すなわち、側壁224の内表面)は、作業チャンバ602を画定する。切り欠き310が正のz方向に配向されたときに、プランジャ302の湾曲した側壁320は、両方のポートを遮断する、液密シールを確立するように、入口ポート226および出口ポート228をそれぞれ取り囲む内向きオフセットセグメント232、234に対してしっかりと押し付ける。結果として、作業チャンバ602は、この構成における間、いずれのポートとも流体連通していない。しかしながら、前述のように、プランジャ302の湾曲した側壁320は、
図8において示される第2のセグメント246、248などの、2つのポートから離間した空洞230の内壁の他の部分に緩く接触するか、またはまったく接触し得ない。最小の接触、または非接触は、プランジャ302とハウジング202との間の回転摩擦を低減し、したがって、プランジャ302を回すのに必要な回転力の量を低減する。
【0038】
図9Bおよび
図10Bにおいて、プランジャ302は、プランジャピン304が負のz方向に向けられるように(すなわち、
図9Bにおいてページ内に、および
図10Bにおいて上向きに)回転される。プランジャピン304がこの方向に向けられたときに、ばね124は、ピン304がピントラック218の上向き傾斜部分252に対して係合させるのを引き起こす。これは、プランジャ302が回転する場合に、プランジャ302がハウジング202に対して近位方向における長手方向に並進するのを引き起こし、したがって、作業チャンバ602の容積が増加する。また、この構成において、切り欠き310は、負のx方向に(すなわち、
図9Bおよび
図10Bにおける左側に)配向され、したがって、作業チャンバ602と入口ポート226との間の流体連通を開放する。開放流体連通および作業チャンバ602の増加する容積は、ピン304が回転する場合、流体が入口ポート226から作業チャンバ602に吸い込まされる(または、流体が薬剤リザーバに圧力下で貯蔵される場合、流体が作業チャンバ602に入ることを可能にする)。この構成において、プランジャ302の湾曲した側壁320は、内向きオフセットセグメント234に対してしっかりと押し続け、したがって、出口ポート228を遮断する、液密シールを維持する。前述のように、湾曲した側壁320は、
図8において示される第2のセグメント246、248など、2つのポートから離間された空洞230の内壁の他の部分に、緩く接触するだけであるか、またはまったく接触しない。
【0039】
図9Cおよび
図10Cにおいて、プランジャ302は、プランジャピン304が正のx方向に(すなわち、
図9Cおよび
図10Cにおいて右に)向けられるように、回転される。プランジャピン304がこの方向に向けられたときに、ばね124は、ピン304をピントラック218の最も高い部分(すなわち、近位部分254)に対して係合させるのを引き起こし、したがって、プランジャ302が、ハウジング202に対して空洞230内のその最も遠い近位位置に長手方向に並進することを可能にする。この構成にあるときに、プランジャ302の遠位端314は、作業チャンバ602が
図9A~
図9Dおよび
図10A~
図10Dにおいて示される4つの構成のいずれかの最大容積にあるように、空洞230内のその最も遠い近位位置に配置される。さらに、リブ332、334は、作業チャンバ602およびそこを通って流れる流体の無菌性を保つために、作業チャンバ602と外部雰囲気との間に液密シールを提供し続ける。いくつかの実施形態において、遠位リブ332は、プランジャ302がその最も遠い近位位置を占めるときに、遠位リブ332が開始位置238で、または下に(すなわち、遠位に)留まるように、プランジャ302上に配置される。別の言い方をすれば、リブ332、334は、2つのリブ間の長手方向距離236がポンプストローク、すなわち、その最も遠い遠位位置とその最も遠い近位位置との間を移動する場合、プランジャ302の長手方向位置の差に等しいかそれより大きくなるように、プランジャ302上に配列され得る。これは、プランジャ302がその最も遠い近位位置に配置されている間でさえ、遠位リブ332が開始位置238に対して遠位のままであることを確実にするのに役立つ。これは、非滅菌領域が両方のリブを通過しないことを確実にするのに役立ち、したがって、各ポンプサイクルの前、最中、および後に、作業チャンバ602内の滅菌を維持する。
【0040】
また、プランジャ302がその最も近位の位置にある間、切り欠き310は、負のz方向に配向される(すなわち、
図9Cにおいてページ内、または
図10Cにおいて上方に)。切り欠き302がそのように配向されたときに、プランジャ302の湾曲した側壁320は、入口ポート226および出口ポート228の両方に対して液密シールを再び確立し、これは、作業チャンバ602がどちらのポートとも流体連通していないことを意味する。この場合も、湾曲した側壁320は、
図8において示される第2のセグメント246、248など、2つのポートから離間された空洞230の内壁の他の部分に、緩く接触するだけであるか、またはまったく接触しない。
【0041】
図9Dおよび
図10Dにおいて、プランジャ302は、プランジャピン304が正のz方向に(すなわち、
図9Dにおいてページの外に、または
図10Dにおいて下向きに)向けられるように、回転される。プランジャピン304がこの方向に向けられたときに、ばね124は、ピン304をピントラック218の下向き傾斜部分256に対して係合させるのを引き起こす。これは、プランジャ302が回転する場合に、プランジャ302がハウジング202に対して遠位方向における長手方向に並進するのを引き起こし、したがって、作業チャンバ602の容積が減少する。また、この構成において、切り欠き310は、正のx方向に(すなわち、
図9Dおよび10Dにおける右側に)配向され、したがって、作業チャンバ602と出口ポート228との間の流体連通を開放する。開放流体連通および作業チャンバ602の減少する容積は、ピン304が回転する場合に、流体が作業チャンバ602から、出口ポート228を通って排出させられる。この構成において、プランジャ302の湾曲した側壁320は、内向きオフセットセグメント232に対してしっかりと押し続け、したがって、入口ポート226を遮断する、液密シールを維持する。前述のように、湾曲した側壁320は、
図8において示される第2のセグメント246、248など、2つのポートから離間された空洞230の内壁の他の部分に、緩く接触するだけであるか、またはまったく接触しない。
【0042】
完全なポンプサイクルは、
図9A~
図9Dおよび
図10A~
図10Dにおいて上で記載された4つの構成を備える。ポンプサイクル中、プランジャ302の側壁320は、プランジャ302がハウジング202に対して回転する場合に、いくつかの臨界点で空洞230の内壁対してしっかりと押し付けるだけである。具体的には、プランジャ302は、内向きオフセットセグメント232、234に対してしっかりと押し付け、リブ332、334は、空洞230の内壁をしっかりと押し付ける。これらの接触点は、流体を吸引および排出するために必要な液密シールを提供し、ならびに作業チャンバ602を外部雰囲気および汚染物質から隔離する。プランジャ302の他の部分は、内部ハウジングの他の部分と緩くまたは断続的に接触し得るが、プランジャ302および/またはハウジング202は、プランジャ302とハウジング202との間の回転摩擦を低減するために、そのような追加の外部接触を最小化または完全に回避するように構成され得、それによってポンプサブシステムの効率を高める。
【0043】
内向きオフセットセグメント232、234は、異なる形状の形態をとり得る。例えば、
図11A~
図11Dは、それぞれが異なる形状を有する、いくつかの例示的なオフセットを示す。
図11A~
図11Dの各々は、正のy方向から見たときの、線2~2に沿って取られたハウジング202の簡略化された上から見た断面図を示す。説明のために、これらの図は、縮尺どおりに描かれていないが、オフセットのサイズは誇張されている。プランジャ302の回転方向は、矢印205によって示されている。
【0044】
図11Aは、内向きオフセットセグメント232、234が湾曲したオフセットの形態を取り、各オフセットの前縁部および後縁部の両方が、空洞230の内壁の隣接セクションに移行する場合に滑らかに先細になる、実施形態を示す。
図11Bは、内向きオフセットセグメント232、234が、各オフセットの前縁部および後縁部の両方で急激な半径方向のステップを有する、湾曲したオフセットの形態をとる、実施形態を示す。
図11Cは、内向きオフセットセグメント232、234が、線形オフセットの形態をとる、実施形態を示す。また、
図11Dは、各内向きオフセットセグメントの前縁部が滑らかに先細になるが、各内向きオフセットセグメントの後縁部が急激な半径方向ステップの形態をとる、実施形態を示す。各実施形態において、ハウジング202の断面は、長手方向軸201から内向きオフセットセグメント232、234の一方または両方までの第1の一定または可変の半径方向距離「a」が、長手方向軸201から入口ポートおよび出口ポートから離間した側壁224の部分(例えば、第2のセグメント246、248)までの第2の一定または可変の半径方向距離「b」よりも小さいように、非円形である。
【0045】
急激な半径方向のステップがある内向きオフセットセグメントは、製造および組み立てするのに容易であり得る。しかしながら、急激な半径方向のステップは、エラストマープランジャが、それが回転する場合に、ステップを克服するように必要な力が突然増加し得るため、望まれ得ない。このステップは、プランジャの表面が転がったり、カールしたり、しわが寄ったり、または粒子が発生するまで切断されたりすることを引き起こし得、これらのすべてが、デバイスの完全性およびシーリングにとって望ましくない結果である。(例えば、
図11Aおよび
図11Dにおいて示されるように、)先細りの前縁部のある内向きオフセットセグメントは、上で列記の悪影響の少なくともいくつかを軽減し得る、プランジャ302上のエラストマーの漸進的な圧縮を可能にする。後縁部のテーパーは、プランジャ表面が転がったり、カールしたり、しわが寄ったり、または切断されたりすることを引き起こす可能性が低いため、それほど危険ではない。
【0046】
図12および
図13は、いくつかの実施形態による、代替のポンプハウジング402を示す。ポンプハウジング402は、多くの態様においてハウジング202に類似しており、本明細書で特に言及されていない要素は、2つのハウジング間で同様に構成され得る。ハウジング202の通り、ポンプハウジング402は、半径方向外向きに突出する、プランジャピン304を有するプランジャ302を受容する。プランジャ302は、長手方向軸401について矢印405の方向に(例えば、時計回りに)回転する。ハウジング402の近位セクション408はまた、ハウジング202の角度付きピントラック218に相似する角度付きピントラック418を備える。しかしながら、トラック418は、トラック218とは異なる形状であり得る。いくつかの実施形態において、ハウジング202のトラック218は、プランジャピン304がピントラック218について回転する場合に、プランジャ302が絶えず高さを変える(すなわち、近位または遠位方向において絶えず長手方向に並進する)ように、1つの滑らかに連続する曲線(例えば、楕円)として形成され得る。対照的に、トラック418は、実質的に平坦である、遠位端セクション450および近位端セクション454(ハッシュマークを使用して示される)を備える。遠位端セクション450は、長手方向軸401に垂直な平面449(破線を使用して示されている)に沿って延在し、同様に、近位端セクション454は、長手方向軸401に垂直であり、平面449に近位である平面453(破線を使用して示されている)に沿って延在する。結果として、プランジャピン304が軸401について回転する場合に、遠位端セクション450および近位端セクション454を横切るときに、プランジャピン304は、高さを変化させない、すなわち、近位方向または遠位方向のいずれにおいても長手方向に並進しない。代わりに、プランジャピン304は、それがピントラック418の上向き傾斜部分452または下向き傾斜部分456に係合するときにのみ高さを変える。
【0047】
図13は、正のy方向から見たときの、ハウジング402およびプランジャ302の上から見た図を提供する。示されるように、平坦遠位端セクション450は、プランジャ302が、高さを変えることなく、軸401の周りで角度α1について回転することを可能にする。同様に、平坦近位端セクション454は、プランジャ302が、高さを変えることなく、軸401の周りで角度α2について回転することを可能にする。いくつかの実施形態において、角度α1およびα2は、互いに等しく、他の実施形態において、角度α1およびα2は、互いに異なる。いくつかの実施形態において、角度α1およびα2の両方は、40°以下である。いくつかの実施形態において、角度α1およびα2の両方は、30°以下である。いくつかの実施形態において、角度α1およびα2の両方は、20°以下である。さらに他の実施形態において、角度α1およびα2の両方は、10°以下である。
【0048】
平坦セクション450、454は、ポンプサブシステムがポンプサイクルごとに圧送される液体の容積において、より大きな一貫性を達成することを可能にする。前述のように、ピン304は、理想的には、切り欠き310の方向に対して正確に垂直に配置されるべきである。しかしながら、製造中、個々のポンプサブシステムは、切り欠き310に対してピン304の配向における、わずかな変動を示し得、その結果、2つの構成要素は、互いに正確に垂直に配向され得ない。配向における、これらのわずかな相違は、個々のポンプサブシステム間でストロークサイクルごとに圧送される液体の容積にばらつきがもたらし得る。これは、切り欠き310に対するピン304間の配向の変化が、ポンプサイクルにおける異なる点でポート226、228との流体連通に対して作業チャンバ602が開放および/または閉鎖されることを引き起こし得るためである。
【0049】
実例として、ピントラック218が(ピントラック218の場合であり得るように)1つの連続した曲線として形成され、プランジャ302のピン304が切り欠き310に対して正確に垂直に配置されると仮定する。このシナリオにおいて、作業チャンバ602は、プランジャ302がその最も遠い遠位位置からその最も遠い近位位置への道の10%を移動したときに、入口ポート226に開放され得、プランジャ302がその最も遠い近位位置までの道の90%を移動したときに、入口ポート226に閉鎖され得る。同様に、作業チャンバ602は、プランジャ302がその最も遠い近位位置からその最も遠い遠位位置への道の10%を移動したときに、出口ポート228に開放され得、プランジャ302がその最も遠い遠位位置までの道の90%を移動したときに、出口ポート228に閉鎖され得る。
【0050】
この例示的な例において記載されている状況は、プランジャ302が10%から90%の間並進されている場合にのみポンプが流体を圧送することを意味し、これはストロークサイクルの20%が無駄になることを意味する。さらに、プランジャ302がその最も遠い遠位位置までの道の90%しか移動しなかったときに、作業チャンバ602が出口ポート228に対して閉鎖されるという事実は、プランジャ302がその最も遠い遠位位置までの道の100%を移動するまで、出口ポート228との流体連通が維持される状況と比較して、残留薬剤液のより大きな浪費につながる。これは、プランジャ302がその最も遠い近位位置からその最も遠い遠位位置に移動する場合に、出口ポート228が閉鎖されたときに、作業チャンバ602に残っている残留薬剤は、概して圧送されず、代わりにポンプによって保持されるためである。
【0051】
また、製造におけるわずかな変動は、いくつかのポンプサブシステムが、切り欠き310に対して正確に垂直に配置されていない、ピン304を有することを引き起こし得る。例えば、ピン304は、垂直の±5°の間で変化し得る。この場合において、作業チャンバ602は、プランジャ302がその最も遠い近位位置からの道の0~25%のどこかに移動したときに、入口ポート226に対して開放され得、プランジャ302がその最も遠い近位位置までの道の75~100%のどこかに移動したとき、入口ポート226に閉鎖され得る。同様に、作業チャンバ602は、プランジャ302がその最も遠い近位位置からその最も遠い遠位位置までの道の0~25%までのどこかに移動したときに、出口ポート228に開放され得、プランジャ302がその最も遠い遠位位置までの道の75~100%のどこかに移動したときに、出口ポート228に閉鎖され得る。これらの範囲は、例示的な範囲の例にすぎない。
【0052】
ポート226、228への流体連通が開放または閉鎖されるときの、プランジャ302の長手方向位置におけるこれらの変動は、ポンプストローク長における変動につながり得る。今度は、ポンプストローク長におけるこれらの変動は、異なるポンプサブシステムを比較するときに、各ポンプサイクルで圧送される流体の量における変動につながり得る。容積における、そのような変動は、用量の正確さが重要である薬剤液の送達などの、特定の用途においては望ましくない。
【0053】
ハウジング402の平坦セクション450、454は、これらの容積の変動を緩和する。具体的には、平坦セクション450は、プランジャ302がその最も遠い遠位位置からその最も遠い近位位置に上方に移動し始める前に、作業チャンバ602と入口ポート226との間の流体連通が開放されることを確実にするのに役立つ。プランジャ302がその回転を継続するとき、平坦セクション454は、作業チャンバ602と入口ポート226との間の流体連通が閉鎖される前に、プランジャ302がその最も遠い近位位置への上方移動を完了することを確実にするのに役立つ。さらにポンプサイクルにおいて、平坦セクション454はまた、プランジャ302がその最も遠い近位位置からその最も遠い遠位位置への下方移動を開始する前に、作業チャンバ602と出口ポート228との間の流体連通が開放されることを確実にするのに役立つ。最後に、平坦セクション450は、作業チャンバ602と出口ポート228との間の流体連通が閉鎖される前に、プランジャ302がその最も遠い近位位置からその最も遠い遠位位置への下方移動を確実に完了するのに役立つ。平坦セクション450、454は、プランジャ302のピン304が切り欠き310に対して正確に垂直に配置されておらず、代わりに垂直から数度だけわずかにオフセットされている場合でも、上記のイベントのタイミングを確実にするのに役立つ。このように、平坦セクション450、454は、異なるポンプサブシステムを比較するときに、圧送される流体のより一貫した容積を確実にするのに役立つ。
【0054】
図12~
図13は、トラック418が2つの平坦セクション450、454を有することを示しているが、ハウジング408のいくつかの実施形態は、1つの平坦セクションのみを含み得る。例えば、ハウジング408は、平坦遠位端セクション450のみを含み得、平坦近位端セクション454を含まなくてもよく、またはその逆もあり得る。
【0055】
図14、
図15、
図16、および
図17は、いくつかの実施形態による、別の代替ポンプハウジング602を示す。ポンプハウジング602は、多くの態様においてハウジング202およびハウジング402に類似しており、本明細書で特に言及されていない要素は、これらのハウジング間で同様に構成され得る。ポンプハウジング602は、ハウジング402の近位セクション408と同様の、近位セクション608を備え、ポンプハウジング602は、半径方向外向きに突出する、プランジャピン304を有するプランジャ302を受容する。プランジャ302は、図に示されるように、矢印605の方向、すなわち反時計回りの方向において、長手方向軸601について回転する。しかしながら、ハウジング402は、単一の角度付きピントラック418を備えるが、ハウジング602は、2つのピントラックと、ピントラック418に相似する上向きの角度付きピントラック618と、下向きの角度付きピントラック628とを備える。ピントラック218および418と同様に、上向きの角度付きピントラック618は、プランジャピン304の遠位側に接触するように構成されている。下向きの角度付きピントラック628は、プランジャピン304の近位側に接触するように構成されている。
【0056】
上向きの角度付きピントラック618は、平坦遠位端セクション650(平坦遠位端セクション450に相似)と、平坦近位端セクション654(平坦近位端セクション454に相似)とを備える。2つの平坦セクション650、654は、上向き傾斜セクション652および下向き傾斜セクション656によって接続されている。下向きの角度付きピントラック628は、平坦遠位端セクション660と、平坦近位端セクション664とを備える(
図16および
図17を参照)。2つの平坦セクション660、664は、上向き傾斜セクション662および下向き傾斜セクション666によって接続されている。
【0057】
ハウジング602内でのプランジャ302の回転中、上向きトラック618および下向きトラック628は、プランジャ302が長手方向軸601に沿って軸方向に上方および下方に移動することを確実にするように協力する。いくつかの実施形態において、これらの2つのトラックの使用は、プランジャ302が、戻りばね124の助けを借りずに、正しい上向きおよび下向きの長手方向の並進を達成することを可能にする。これは、ポンプサブシステムが回転入力だけで機能すること、ならびにポンプサブシステムの構築および組み立てを簡単にすることを可能にする。
【0058】
ピン304が平坦遠位端セクション650の横断を完了した後、ピン304は、上向きトラック618の上向き傾斜部分652に遭遇する。上向き傾斜部分652は、ピン304が回転する場合に、ピン304(したがってプランジャ302)を上向きに、すなわち近位方向に並進を引き起こす。この上方移動は、ピン304が平坦近位端セクション654に到達するまで続き、その時点でピン304は、その上方移動を停止する。ピン304が平坦近位端セクション654のその横断を完了するときに、それは、下向きのトラック628の下向き傾斜部分666に遭遇する。下向き傾斜部分666は、ピン304が回転する場合に、ピン304(したがってプランジャ302)を下向きに、すなわち遠位方向に並進させることを引き起こす。この下方移動は、ピン304が再び遠位端セクション654に到達するまで続き、その時点でピン304はその下方移動を停止する。
【0059】
追加的に、ハウジング602は、ハウジングの側壁において形成された垂直挿入スロット638を備える。挿入スロット638は、下向きトラック628の上向き傾斜セクション662を遮断するように位置付けられている。挿入スロット638は、組み立て中に、プランジャピン304がハウジング602内の所定の位置にスロットされることを可能にする。動作中、ピン304は、ポンプサイクルにおけるこの時点で、上向きトラック618の上向き傾斜セクション652に一貫して乗るので、通常の動作中に開放スロット638を通して分解するリスクが軽減される。しかしながら、いくつかの実施形態において、垂直スロット638は、組み立て後にピン304がそこを通って出るのを防ぐ、可動ドアまたは部材を使用して閉鎖されるかまたは遮断され得る。いくつかの実施形態において、ピン304は、折りたたみ可能であり得るか、またはプランジャ302がハウジング602に組み立てられた後にプランジャ302に組み立てられ得、そのような実施形態において、垂直スロット638はまったく必要なく、上向き傾斜セクション662は、上向き傾斜部分652をミラーリングする連続的な表面であり得る。
【0060】
図14~
図17は、平坦端セクションを有する上向きのトラック618および下向きのトラック628を示しているが、いくつかの実施形態は、平坦端セクションを有さない、または各々が1つの平坦端セクションだけを有する、上向きのトラックおよび下向きのトラックの両方を備え得る。
【0061】
記載または特許請求の範囲で使用される、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、類似の要素を区別するために提供され、必ずしも連続的なまたは時系列の順序を記載するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な環境下で交換可能であり(特に明確に開示されていない限り)、本明細書に記載の開示の実施形態は、本明細書に記載または図示されているもの以外の他のシーケンスおよび/または配置で動作可能であることを理解されたい。
【0062】
本発明は例示の設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正されてもよい。したがって、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、または適応を包含することが意図される。さらに、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知のまたは慣習的な実施内にある、本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。