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特許7016008脂肪低下活性および肝臓保護活性を有するライラックイチョウ磚茶およびそれを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】脂肪低下活性および肝臓保護活性を有するライラックイチョウ磚茶およびそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A23F 3/06 20060101AFI20220128BHJP
   A23F 3/08 20060101ALI20220128BHJP
   A23F 3/16 20060101ALI20220128BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20220128BHJP
   A61K 36/16 20060101ALI20220128BHJP
   A61K 36/63 20060101ALI20220128BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
A23F3/06 C
A23F3/08
A23F3/16
A23L33/105
A61K36/16
A61K36/63
A61K36/82
A61P1/16
A61P3/06
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020081297
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2020182460
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】201910369323.0
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521378163
【氏名又は名称】シーアン・カンユアンシェン・バイオメディカル・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】XI’AN KANGYUANSHENG BIOMEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A‐117‐11, I CHUANGTU ZHONGCHUANG PARK, NO. 14 GAOXIN 2ND ROAD, HIGH‐TECH ZONE, XI’AN, 710075 SHAANXI, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジャ
(72)【発明者】
【氏名】コン,チュンチュン
(72)【発明者】
【氏名】リャン,チェンユン
(72)【発明者】
【氏名】フイ,ナン
(72)【発明者】
【氏名】シ,チュンヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ハン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】マオ,ゲンニエン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,チエンチエン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,チィアオ
【審査官】緒形 友美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102578321(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109198095(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109198094(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104824257(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104472782(CN,A)
【文献】国際公開第2003/017788(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 3/00 - 3/34
A23L 33/105
A61K 36/00 - 36/82
A61P 1/16
A61P 3/06
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/AGRICOLA/FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライラックイチョウ磚茶を製造する方法であって、
ライラックイチョウ茶を得るために、新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を混合し乾燥させるステップ(1)と、
発酵ライラックイチョウ茶を得るために、該ライラックイチョウ茶を発酵させるステップ(2)と、
発酵ライラックイチョウ茶混合物を得るために、該発酵ライラックイチョウ茶を黒茶と混合するステップ(3)と、
該ライラックイチョウ磚茶を得るために、該発酵ライラックイチョウ茶混合物を処理するステップ(4)とを含み、
前記発酵ライラックイチョウ茶混合物を処理するステップ(4)が、
該発酵ライラックイチョウ茶混合物の一部を取って、抽出物を得るためにお湯で茹でるステップと、
該抽出物を残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えるステップと、
該発酵ライラックイチョウ茶混合物を20~30℃および40~60%の相対湿度において1~3時間堆積させるステップと、
該発酵ライラックイチョウ茶混合物を8~12秒間蒸すステップと、
冠突散嚢菌の胞子を、該発酵ライラックイチョウ茶混合物1キログラムあたり(3~6)×10個の比率において散布するステップと、
該発酵ライラックイチョウ茶混合物をレンガ形状に圧縮するステップと、
該発酵ライラックイチョウ茶混合物を20~25℃および65~80%の相対湿度において4日間、ならびに25~30℃および45~65%の相対湿度において10日間熟成させるステップとを含む、方法。
【請求項2】
新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を混合し乾燥させるステップ(1)が、
7:3の重量比において新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を収集するステップと、
該ライラック葉および該イチョウ葉を水で2~3回洗浄するステップと、
該ライラック葉および該イチョウ葉を室温で3~6時間乾燥させるステップと、
該ライラック葉および該イチョウ葉を3~5mm幅のストリップへと切断するステップと、
該ライラック葉を130~150℃で4~7分間乾燥させ、該ライラック葉を20~40分間揉捻処理し、該ライラック葉を110~120℃で1~3時間乾燥させるステップと、
該イチョウ葉を220~250℃で10~15分間乾燥させ、該イチョウ葉を20~40分間揉捻処理し、該イチョウ葉を110~120℃で1~3時間乾燥させるステップと、
該ライラック葉と該イチョウ葉とを混合するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ライラックイチョウ茶を発酵させるステップ(2)が、
冠突散嚢菌の胞子を、該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり(0.5~1)×10個の比率において噴霧するステップと、
該ライラックイチョウ茶を20~30℃および65~85%の相対湿度において30~40時間堆積させるステップと、
該ライラックイチョウ茶を100~120℃で2~5時間乾燥させるステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(3)において、前記発酵ライラックイチョウ茶が、40~90%の重量比を有し、前記黒茶が、10~60%の重量比を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2019年5月6日に出願された中国特許出願第201910369323.0号に対する優先権を主張するものであり、なお、当該中国特許出願は、本明細書に全体を記載したかのように、全ての目的のために参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、ライラックイチョウ磚茶(Lilac Ginkgo Brick Tea)を調製する方法に関する。当該ライラックイチョウ磚茶は、脂肪低下活性および肝臓保護活性を有する。
【背景技術】
【0003】
ライラック(Syringa vulgaris)は、モクセイ科(Oleaceae)の顕花植物である。ライラックは、主に、園芸観賞植物として栽培され、その花は、芳香油を抽出するために使用することができる。ライラックの葉および果実は、いくつかの医薬用途を有し、主要成分としては、フェニルプロパノイド、イリドイド、スルホン酸イリドイド、フラボノイド、およびサポニン、例えば、オイゲノール、シリンギン、オレウロペインなど、が挙げられる。
【0004】
イチョウ(Ginkgo biloba)は、イチョウ門(Ginkgophyta)で唯一の生きている種である。イチョウは、2億7000万年前まで遡る化石において見出される。イチョウは、広く栽培されており、伝統的医薬において、および食物の源として広く用いられている。イチョウの葉および果実は、タンパク質、アミノ酸、ミネラル、およびビタミンなどの様々な栄養物が豊富である。既存のイチョウ茶は、イチョウ葉を使用してストリップまたはフレーク状へと単に加工されるかまたはディープ処理された超微粉末である、単一の形態の茶である。物理的形状にかかわらず、イチョウ茶は、粗く黄色であり、飲む前に2~3分間茹でるか、または15分間、沸騰した湯で煎じなければならない。イチョウ茶の味は、苦くて酸っぱい。
【0005】
発酵茶(Fermented Tea)(後発酵茶または黒茶としても知られる)は、微生物発酵されている茶の分類である。茶葉は、発酵プロセスの間に、酸化によってより濃い色になる。発酵は、茶の香りに影響を及ぼし、渋みおよび苦みを減じる。微生物はさらに、健康有益性を有する代謝物質も生成し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、発酵茶を調製するために、ライラック葉およびイチョウ葉を使用する。発酵は、有益な代謝物質を生成しつつ、ライラック葉およびイチョウ葉の苦みを減少させることができ、結果として得られる発酵茶は、脂質低下効果および肝臓保護効果を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、本発明は、ライラックイチョウ磚茶を調製する方法を提供する。当該方法は、ライラックイチョウ茶(Lilac Ginkgo Tea)を得るために、新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を混合し乾燥させるステップ(1)と、発酵ライラックイチョウ茶(Fermented Lilac Ginkgo Tea)を得るために、当該ライラックイチョウ茶を発酵させるステップ(2)と、発酵ライラックイチョウ茶混合物(Fermented Lilac Ginkgo Tea Mixture)を得るために、当該発酵ライラックイチョウ茶を黒茶と混合するステップ(3)と、当該ライラックイチョウ磚茶を得るために、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を処理するステップ(4)とを含む。
【0008】
別の実施形態において、新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を混合し乾燥させるステップ(1)は、7:3の重量比において新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を収集するステップと、当該ライラック葉および当該イチョウ葉を水で2~3回洗浄するステップと、当該ライラック葉および当該イチョウ葉を室温で3~6時間乾燥させるステップと、当該ライラック葉および当該イチョウ葉を3~5mm幅のストリップへと切断するステップと、当該ライラック葉を130~150℃で4~7分間乾燥させ、当該ライラック葉を20~40分間揉捻処理(roll)し、当該ライラック葉を110~120℃で1~3時間乾燥させるステップと、当該イチョウ葉を220~250℃で10~15分間乾燥させ、当該イチョウ葉を20~40分間揉捻処理し、当該イチョウ葉を110~120℃で1~3時間乾燥させるステップと、当該ライラック葉と当該イチョウ葉とを混合するステップとを含む。
【0009】
別の実施形態において、当該ライラックイチョウ茶を発酵させるステップ(2)は、冠突散嚢菌(Sanguisorbium coronarium)の胞子を、当該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり(0.5~1)×10個の比率において噴霧するステップと、当該ライラックイチョウ茶を20~30℃および65~85%の相対湿度において30~40時間堆積させるステップと、当該ライラックイチョウ茶を20~30℃で2~5時間乾燥させるステップとを含む。
【0010】
別の実施形態では、ステップ(3)において、当該発酵ライラックイチョウ茶は、40~90%の重量比を有し、当該黒茶は、10~60%の重量比を有する。
【0011】
別の実施形態において、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を処理するステップ(4)は、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物の一部を取って、抽出物を得るためにお湯で茹でるステップと、当該抽出物を当該残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えるステップと、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を20~30℃および40~60%の相対湿度において1~3時間堆積させるステップと、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を8~12秒間蒸すステップと、冠突散嚢菌の当該胞子を、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物1キログラムあたり(3~6)×10個の比率において散布するステップと、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物をレンガ形状に圧縮するステップと;当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を20~25℃および65~80%の相対湿度において4日間、ならびに25~30℃および45~65%の相対湿度において10日間熟成させるステップとを含む。
【0012】
前述の概略的な説明および後述の詳細な説明は両方とも、例示および説明を目的とするものであって、権利請求した発明のさらなる説明を提供することを意図するものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ライラックイチョウ磚茶を作製するために、ライラック葉、イチョウ葉、および黒茶を使用する。イチョウ茶の苦みは、発酵によって減少する。ライラックイチョウ磚茶は、伝統的な磚茶と比べて、活性成分、例えば、サポニン、フラボノイド、および多糖類など、のより高い含有量を有する。
【0014】
その実施例が図示される本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
新鮮で健康なライラック葉およびイチョウ葉を、7月から9月の間の数か月の間に収集した。脂肪低下活性および肝臓保護活性を有するライラックイチョウ磚茶を、以下のステップに従って調製した。
【0016】
(1)ライラックイチョウ茶の調製:
新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を、山の湧水に浸して2~3回すすぎ、排水して、竹で作ったシート(約1.5cm厚)に位置し、冷たく乾燥した場所で3~6時間乾燥させ、スライサーに位置し、3~5mmのストリップに切断した。当該ライラック葉を、茶乾燥機において130~150℃で4~7分間乾燥させた。当該ライラック葉の殺青が完了し、含水率は、約40~55%であった。次いで、当該ライラック葉を、揉捻機(tea roller)において20~40分間揉捻処理し、110~120℃において1~3時間乾燥させた。当該イチョウ葉を、茶乾燥機において220~250℃で10~15分間乾燥させ、次いで、揉捻機においてを20~40分間揉捻処理し、110~120℃で1~3時間乾燥させた。次いで、当該ライラック葉およびイチョウ葉を7:3の重量比において混合して、当該ライラックイチョウ茶を作製した。
【0017】
(2)苦みを除去するために当該ライラックイチョウ茶を堆積させるステップ:
冠突散嚢菌の当該胞子(1×10/mL懸濁液または1×10/グラム粉末)を、当該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり(5~10)×10個の比率において当該ライラックイチョウ茶上に噴霧し、よく混合した(含水率:約45~55%)。当該ライラックイチョウ茶を20~35℃および65~85%の相対湿度において30~40時間堆積させ、茶乾燥機において100~120℃で2~5時間乾燥させることにより、発酵ライラックイチョウ茶を調製した。
【0018】
(3)当該発酵ライラックイチョウ茶を黒茶と混合するステップ:
当該発酵ライラックイチョウ茶と黒茶とを、40~90%:10~60%の重量比において混合することにより、発酵ライラックイチョウ茶混合物を作製した(100kg)。
【0019】
(4)当該ライラックイチョウ磚茶の調製:
当該発酵ライラックイチョウ茶混合物の一部(1kg)を、お湯(35~65kg)で30~40分間茹で、ろ過して、抽出物(30~40kg)を得た。当該抽出物を当該残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えた。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を20~30℃および40~60%の相対湿度において1~3時間堆積させ、次いで、8~12秒間蒸した。冠突散嚢菌の当該胞子(1×10/mL懸濁液または1×10/グラム粉末)を、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物1キログラムあたり(3~6)×10個の比率において当該発酵ライラックイチョウ茶混合物上に噴霧した。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、プレス成形型においてレンガ形状へと圧縮した。冷却後、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、以下の条件下:1~4日目、20~25℃および65~80%の相対湿度;5~14日目、25~30℃および45~65%の相対湿度、において熟成室において熟成させた。当該相対湿度は、好ましくは、徐々に低下させた。熟成後、当該混合物を、乾燥した風通しの良い環境においてゆっくりと乾燥させ、当該混合物の含水率を約7%まで減少させて、ライラックイチョウ磚茶を得た。
【0020】
表1は、実施例1~4のそれぞれのステップの当該操作の詳細を示している。
【表1】
【0021】
<実施例1>
新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を、山の湧水に浸して2回すすぎ、排水して、竹で作ったシート(約1.5cm厚)に位置し、冷たく乾燥した場所で4時間乾燥させ、スライサーに位置し、4mmのストリップに切断した。当該ライラック葉を、茶乾燥機において140℃で5分間乾燥させた。当該ライラック葉の殺青が完了し、含水率は、約45%であった。当該イチョウ葉を茶乾燥機において235℃で10分間乾燥させた。次いで、当該ライラック葉およびイチョウ葉を7:3の重量比において混合し、茶揉捻機で30分間揉捻処理し、茶乾燥機において110℃で2時間乾燥させることにより、当該ライラックイチョウ茶を作製した。
【0022】
苦みを除去するために当該ライラックイチョウ茶を堆積させた。冠突散嚢菌の当該胞子(1×10/mL懸濁液)を、当該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり10mL懸濁液の比率において当該ライラックイチョウ茶上に噴霧し、よく混合した(含水率:約48%)。当該ライラックイチョウ茶を28℃および70%の相対湿度において35時間堆積させ、茶乾燥機において110℃で3時間乾燥させることにより、発酵ライラックイチョウ茶を調製した。
【0023】
黒茶(20kg)および発酵ライラックイチョウ茶(80kg)を混合して、発酵ライラックイチョウ茶混合物(100kg)を作製した。1kgの発酵ライラックイチョウ茶混合物を、50kgの河川水に加え、30分間茹でて、ろ過し、冷却することにより、抽出物を得た。35kgの抽出物を、当該残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えた。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を25℃および50%の相対湿度において2時間堆積させた。520gの当該混合物を10秒間蒸した。冠突散嚢菌の当該胞子(2.5g、1×10/g粉末)を当該発酵ライラックイチョウ茶混合物に粉付けした。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、プレス成形型においてレンガ形状へと圧縮した。冷却後、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、以下の条件下:1~4日目、22℃および75%の相対湿度;5~8日目、25℃および65%の相対湿度;9~14日目、28℃、相対湿度は2日毎に変える(9~10日目、60%;11~12日目、55%;13~14日目、45%)、において熟成室において熟成させた。熟成後、当該混合物を、乾燥した風通しのよい環境においてゆっくりと乾燥させ、当該混合物の当該含水率を約7%まで減少させた。400gのライラックイチョウ磚茶を得た。
【0024】
<実施例2>
新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を、山の湧水に浸して3回すすぎ、排水して、竹で作ったシート(約3cm厚)に位置し、冷たく乾燥した場所で6時間乾燥させ、スライサーに位置し、4mmのストリップに切断した。当該ライラック葉を、茶乾燥機において130℃で6分間乾燥させた。当該ライラック葉の殺青が完了し、当該含水率は、約55%であった。当該イチョウ葉を茶乾燥機において220℃で11分間乾燥させた。次いで、当該ライラック葉およびイチョウ葉を7:3の重量比において混合し、茶揉捻機で40分間揉捻処理し、茶乾燥機において115℃で3時間乾燥させることにより、当該ライラックイチョウ茶を作製した。
【0025】
苦みを除去するために当該ライラックイチョウ茶を堆積させた。冠突散嚢菌の当該胞子(1×10/mL懸濁液)を、当該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり5mL懸濁液の比率において当該ライラックイチョウ茶上に噴霧し、よく混合した(含水率:約55%)。当該ライラックイチョウ茶を35℃および85%の相対湿度において30時間堆積させ、茶乾燥機において115℃で4時間乾燥させることにより、発酵ライラックイチョウ茶を調製した。
【0026】
黒茶(60kg)および発酵ライラックイチョウ茶(40kg)を混合して、発酵ライラックイチョウ茶混合物(100kg)を作製した。1kgの発酵ライラックイチョウ茶混合物を、35kgの河川水に加え、30分間茹でて、ろ過し、冷却して、抽出物を得た。30kgの抽出物を、当該残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えた。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を20℃および45%の相対湿度において3時間堆積させた。520gの当該混合物を8秒間蒸した。冠突散嚢菌の当該胞子(1.5g、1×10/g粉末)を当該発酵ライラックイチョウ茶混合物に粉付けした。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、プレス成形型においてレンガ形状へと圧縮した。冷却後、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、以下の条件下:1~4日目、25℃および80%の相対湿度;5~8日目、26℃および65%の相対湿度;9~14日目、29℃、相対湿度は2日毎に変える(9~10日目、60%;11~12日目、55%;13~14日目、45%)、において熟成室において熟成させた。熟成後、当該混合物を、乾燥した風通しのよい環境においてゆっくりと乾燥させ、当該混合物の当該含水率を約7%まで減少させた。400gのライラックイチョウ磚茶を得た。
【0027】
<実施例3>
新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を、山の湧水に浸して2回すすぎ、排水して、竹で作ったシート(約1.5cm厚)に位置し、冷たく乾燥した場所で3時間乾燥させ、スライサーに位置し、5mmのストリップに切断した。当該ライラック葉を、茶乾燥機において150℃で4分間乾燥させた。当該ライラック葉の殺青が完了し、当該含水率は、約40%であった。当該イチョウ葉を茶乾燥機において250℃で12分間乾燥させた。次いで、当該ライラック葉およびイチョウ葉を7:3の重量比において混合し、揉捻機で20分間揉捻処理し、茶乾燥機において120℃で1時間乾燥させることにより、当該ライラックイチョウ茶を作製した。
【0028】
苦みを除去するために当該ライラックイチョウ茶を堆積させた。冠突散嚢菌の当該胞子(1×10/mL懸濁液)を、当該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり7mL懸濁液の比率において当該ライラックイチョウ茶上に噴霧し、よく混合した(含水率:約55%)。当該ライラックイチョウ茶を25℃および65%の相対湿度において40時間堆積させ、茶乾燥機において120℃で2時間乾燥させることにより、発酵ライラックイチョウ茶を調製した。
【0029】
黒茶(10kg)および発酵ライラックイチョウ茶(90kg)を混合して、発酵ライラックイチョウ茶混合物(100kg)を作製した。1kgの発酵ライラックイチョウ茶混合物を、45kgの河川水に加え、30分間茹でて、ろ過し、冷却することにより、抽出物を得た。35kgの抽出物を、当該残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えた。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を30℃および60%の相対湿度において1時間堆積させた。520gの当該混合物を12秒間蒸した。冠突散嚢菌の当該胞子(3.0g、1×10/g粉末)を当該発酵ライラックイチョウ茶混合物に粉付けした。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、プレス成形型においてレンガ形状へと圧縮した。冷却後、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、以下の条件下:1~4日目、20℃および65%の相対湿度;5~8日目、27℃および65%の相対湿度;9~14日目、28℃、相対湿度は2日毎に変える(9~10日目、60%;11~12日目、55%;13~14日目、45%)、において熟成室において熟成させた。熟成後、当該混合物を、乾燥した風通しのよい環境においてゆっくりと乾燥させ、当該混合物の当該含水率を約7%まで減少させた。400gのライラックイチョウ磚茶を得た。
【0030】
<実施例4>
新鮮なライラック葉およびイチョウ葉を、山の湧水に浸して3回すすぎ、排水して、竹で作ったシート(約1.5cm厚)に位置し、冷たく乾燥した場所で5時間乾燥させ、スライサーに位置し、4mmのストリップに切断した。当該ライラック葉を、茶乾燥機において135℃で7分間乾燥させた。当該ライラック葉の殺青が完了し、当該含水率は、約50%であった。当該イチョウ葉を茶乾燥機において230℃で15分間乾燥させた。次いで、当該ライラック葉およびイチョウ葉を7:3の重量比において混合し、揉捻機で35分間揉捻処理し、茶乾燥機において115℃で2時間乾燥させることにより、当該ライラックイチョウ茶を作製した。
【0031】
苦みを除去するために当該ライラックイチョウ茶を堆積させた。冠突散嚢菌の当該胞子(1×10/g粉末)を、当該ライラックイチョウ茶1キログラムあたり8.0gの粉末の比率において当該ライラックイチョウ茶上に粉付けし、よく混合した(含水率:約45%)。当該ライラックイチョウ茶を30℃および75%の相対湿度において30時間堆積させ、茶乾燥機において110℃で5時間乾燥させることにより、発酵ライラックイチョウ茶を調製した。
【0032】
黒茶(40kg)および発酵ライラックイチョウ茶(60kg)を混合して、発酵ライラックイチョウ茶混合物(100kg)を作製した。1kgの発酵ライラックイチョウ茶混合物を、65kgの河川水に加え、30分間茹でて、ろ過し、冷却することにより、抽出物を得た。40kgの抽出物を、当該残りの発酵ライラックイチョウ茶混合物に加えた。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を25℃および55%の相対湿度において2時間堆積させた。520gの当該混合物を11秒間蒸した。冠突散嚢菌の当該胞子(2mL、1×10/mL懸濁液)を当該発酵ライラックイチョウ茶混合物に噴霧した。当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、プレス成形型においてレンガ形状へと圧縮した。冷却後、当該発酵ライラックイチョウ茶混合物を、以下の条件下:1~4日目、24℃および70%の相対湿度;5~8日目、25℃および65%の相対湿度;9~14日目、30℃、相対湿度は2日毎に変える(9~10日目、60%;11~12日目、55%;13~14日目、45%)、において熟成室において熟成させた。熟成後、当該混合物を、乾燥した風通しのよい環境においてゆっくりと乾燥させ、当該混合物の当該含水率を約7%まで減少させた。400gのライラックイチョウ磚茶を得た。
【0033】
<実施例5:動物実験でのライラックイチョウ磚茶による脂質低下>
高脂血症マウスに対する、実施例1の当該ライラックイチョウ磚茶の当該脂質低下効果:
SPFグレード、5週齢、30~35gの雄の昆明マウスに高脂肪食を24日間与え、12時間絶食させた。マウスの血液を尾静脈から採取した。当該高脂血症マウスモデルが確立されたことを確認するために、TCおよびTGの血清レベルを測定した。100gのライラックイチョウ磚茶を1Lのお湯で茹で、ろ過して、50mLの濃縮ライラックイチョウ磚茶溶液へと濃縮した。30匹の高脂血症マウスを無作為に、10匹ずつ、対照群、低投与量群、および高投与量群に分けた。ブランク群(正常な、非高脂血症マウス)には水と通常の餌を与えた。対照群には水と高脂肪食を与えた。低投与量群および高投与量群には、それぞれ、20mL/kg/日および50mL/kg/日の濃縮ライラックイチョウ磚茶を与え、ならびに高脂肪食を給餌した。24日後、血液試料を採取し、血清トリグリセリド(TG)、総コレステロール(TC)、低比重リポタンパクコレステロール(LDL-C)、高比重リポタンパクコレステロール(HDL-C)レベルを測定し、それらは表2に示される。
【0034】
【表2】
表2に示されるように、当該対照群における当該TC、TG、およびLDL-Cレベルは著しく増加し、HDL-Cレベルは、著しく減少した。これらの結果は、高脂血症マウスモデルが確立されていることを示していた。低投与量群および高投与量群の両方における当該TC、TG、およびLDL-Cレベルは、当該対照群よりも著しく低かった。低投与量群および高投与量群の両方における当該HDL-Cレベルは、当該対照群のレベルよりも高かった。このことは、当該ライラックイチョウブリック群が、マウスの当該血液脂質レベルを著しく改善することができ、それによって、動脈硬化のリスクを減少させることができることを示している。
【0035】
<実施例6:動物実験でのライラックイチョウ磚茶による肝臓保護>
実施例1の当該ライラックイチョウ磚茶の肝臓防護効果を研究するために、以下の実験を行った。
【0036】
50SPFグレード、5週齢、30~35gの雄の昆明マウスを無作為に、ブランク群、対照群、チオプロニン陽性対照群、低投与量群、および高投与量群に分けた。100gのライラックイチョウ磚茶を1Lのお湯で茹で、ろ過して、50mLの濃縮ライラックイチョウ磚茶溶液へと濃縮した。ブランク群および対照群には、水と通常の餌を与え;チオプロニン群には、50mg/kg/日のチオプロニンを与え;低投与量群および高投与量群には、それぞれ、20mL/kg/日および50mL/kg/日の濃縮ライラックイチョウ磚茶溶液と、通常の餌を与えた。対照群、チオプロニン陽性対照群、低投与量群、および高投与量群には、3g/kg/日(0.01mL/g)のエタノールアルコールを与えた。ブランク群には、同量の水を与えた。25日後、当該マウスを2時間絶食させ、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、およびトリグリセリド(TG)レベルを特定するために、血液試料を採取した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
表3に示されるように、当該ライラックイチョウ磚茶溶液の低投与量および高投与量の両方は、当該マウスの血清中のALT、AST、およびTGレベルを著しく減少させることができる。このことは、ライラックイチョウ磚茶が、アルコールによる損傷から当該肝臓を保護することができることを示している。
【0038】
本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明において様々な変更および変形を為すことができることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物内に入る限りにおいて、本発明の変更および変形を網羅することが意図される。