IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社パロマの特許一覧

<>
  • 特許-コンロ 図1
  • 特許-コンロ 図2
  • 特許-コンロ 図3
  • 特許-コンロ 図4
  • 特許-コンロ 図5
  • 特許-コンロ 図6
  • 特許-コンロ 図7
  • 特許-コンロ 図8
  • 特許-コンロ 図9
  • 特許-コンロ 図10
  • 特許-コンロ 図11
  • 特許-コンロ 図12
  • 特許-コンロ 図13
  • 特許-コンロ 図14
  • 特許-コンロ 図15
  • 特許-コンロ 図16
  • 特許-コンロ 図17
  • 特許-コンロ 図18
  • 特許-コンロ 図19
  • 特許-コンロ 図20
  • 特許-コンロ 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20220128BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
F24C3/12 K
F23N5/24 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017019636
(22)【出願日】2017-02-06
(65)【公開番号】P2018128163
(43)【公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】宮藤 章
(72)【発明者】
【氏名】定國 由
(72)【発明者】
【氏名】染澤 俊介
(72)【発明者】
【氏名】光藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 晃裕
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-188714(JP,A)
【文献】特開2006-242481(JP,A)
【文献】特開2002-168966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/12
F23N 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナの外方に並んで配置され、発光部より光が出力され、反射した光を受光部で受光することによって、異物の有無を検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサの夫々の検出結果に基づき、前記異物を検出した場合に、前記バーナの火力を所定の弱火力、又は消火する制御を行う火力制御手段と、
前記複数のセンサにおいて、隣り合う前記センサ同士の夫々の前記発光部の発光タイミングを相互にずらす制御を行う発光制御手段と
を備え、
前記複数のセンサは、前記バーナに対して五徳の設置範囲の外側で且つ前側において、正面から見たときに左右方向に間隔を空けて並んで配置されると共に、前記左右方向において交互に第1センサと第2センサの各グループに夫々分類され、
前記発光制御手段は、前記各グループ内において前記発光タイミングを揃えると共に、前記各グループの前記発光タイミングを相互にずらすことにより、隣り合う前記センサ同士の夫々の前記発光部の前記発光タイミングを相互にずらす制御を行うことを特徴とするコンロ。
【請求項2】
前記発光制御手段は、
隣り合う前記センサ同士において、一方の前記センサの通電をオンする間に、他方の前記センサの通電をオフすることによって、隣り合う前記センサ同士の前記発光タイミングを相互にずらすこと
を特徴とする請求項1に記載のコンロ。
【請求項3】
前記センサは、赤外線センサであること
を特徴とする請求項1又は2に記載のコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の手や腕がバーナに接近したとき、バーナの火力を通常時よりも小さくできるガスコンロが知られている。例えば、天板の正面側左端と正面側右端に遮光形光センサの投光器と受光器が夫々設けられたガスコンロが知られている(例えば、特許文献1参照)。投光器から投光された検出光は天板上面を左右に横切り、受光器に届く。使用者の袖等が光を遮ることで、引火域内に着衣が侵入したことを光センサが検出したとき、ガスコンロは安全弁を閉じてガスを止め、バーナの火を消す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第2886940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光センサが異物を検出可能な範囲は限られているので、バーナの周囲においてセンサの検出範囲を広げるためには、より多くのセンサを配置する必要があった。仮に多くのセンサを配置した場合、センサが近い範囲内に幾つもあると、センサの投光器の発光タイミングが重なった場合において、投光器から発光された光の一部を他のセンサの受光器が受けてしまうことから、誤検出を引き起こす可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、異物の有無を検出する複数のセンサの誤検出を防止できるコンロを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明のコンロは、バーナの外方に並んで配置され、発光部より光が出力され、反射した光を受光部で受光することによって、異物の有無を検出する複数のセンサと、前記複数のセンサの夫々の検出結果に基づき、前記異物を検出した場合に、前記バーナの火力を所定の弱火力、又は消火する制御を行う火力制御手段と、前記複数のセンサにおいて、隣り合う前記センサ同士の夫々の前記発光部の発光タイミングを相互にずらす制御を行う発光制御手段とを備え、前記複数のセンサは、前記バーナに対して五徳の設置範囲の外側で且つ前側において、正面から見たときに左右方向に間隔を空けて並んで配置されると共に、前記左右方向において交互に第1センサと第2センサの各グループに夫々分類され、前記発光制御手段は、前記各グループ内において前記発光タイミングを揃えると共に、前記各グループの前記発光タイミングを相互にずらすことにより、隣り合う前記センサ同士の夫々の前記発光部の前記発光タイミングを相互にずらす制御を行うことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明のコンロは、請求項1に記載の構成に加え、前記発光制御手段は、隣り合う前記センサ同士において、一方の前記センサの通電をオンする間に、他方の前記センサの通電をオフすることによって、隣り合う前記センサ同士の前記発光タイミングを相互にずらすとよい。
【0008】
請求項3に係る発明のコンロは、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記センサは、赤外線センサであるとよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明のコンロによれば、互いに隣り合う二つのセンサにおいて、夫々の発光部の発光タイミングが重ならないようにできる。これにより、一方のセンサの発光部から出力されて異物に反射した光を、一方のセンサと隣り合う他方のセンサの受光部が受光してしまうことによる誤検出を防止できる。
【0010】
請求項2に係る発明のコンロによれば、請求項1に記載の効果に加え、通電のオンオフ期間を相互にずらすことで、発光タイミングを容易にずらすことができる。
【0011】
請求項3に係る発明のコンロによれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、発光部と受光部を備える複数の赤外線センサを搭載したコンロにおいて、請求項1又は2の効果を得ることができる。
【0012】
なお、本発明は、請求項1~3に記載された発明特定事項の一部を任意に組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】コンロ1の斜視図である。
図2】コンロ1の分解斜視図である。
図3】コンロ1の平面図である。
図4】光センサ40の断面図である。
図5】光センサ40の動作を示すタイミングチャートである。
図6】ガス供給管27に設けた火力制御機構60の構成を示す図である。
図7】コンロ1の電気的構成を示すブロックである。
図8】光センサ4Aの発光素子41から出射して異物B4に反射した反射光R6が、光センサ4Bの受光素子44に受光される状態を示す図である。
図9】センサ分類表741を示す図である。
図10】メイン制御処理のフローチャートである。
図11】センサ制御処理(第1実施例)のフローチャートである。
図12】センサ制御処理(第1実施例)のタイミングチャートである。
図13】センサ制御処理(第2実施例)のフローチャートである。
図14】センサ制御処理(第2実施例)のタイミングチャートである。
図15】センサ制御処理(第3実施例)のフローチャートである。
図16】第1センサ制御処理(第3実施例)のフローチャートである。
図17】第2センサ制御処理(第3実施例)のフローチャートである。
図18】第1センサ制御処理と第2センサ制御処理(第3実施例)のタイミングチャートである。
図19】第1センサの上方に異物が有るときの、第1センサ及び第2センサの通電状態と出力結果を示すグラフである。
図20】第1センサと第2センサの間の上方に異物があるときの、第1センサ及び第2センサの通電状態と出力結果を示すグラフである。
図21】第2センサの上方に異物があるときの、第1センサ及び第2センサの通電状態と出力結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
【0015】
図1図3を参照し、コンロ1の構造を説明する。コンロ1は、例えばキッチンのキャビネット(図示略)上面に設けられた開口に、上方から落とし込まれて設置されるビルトインタイプのコンロである。コンロ1は、筐体2とトッププレート3を備える。筐体2は、略直方体状に形成され、上部が開口する。トッププレート3は、平面視略矩形状で、筐体2上部の開口部2Aに固定される。トッププレート3は平面視で筐体2よりも左右方向に大きい。トッププレート3は、ガラス板11、後板12、枠体13を備える。ガラス板11はトッププレート3の前側に設けられ、後板12はトッププレート3の後側に設けられる。枠体13は、ガラス板11と後板12を下側から支持し、且つ外周縁部を保持する。ガラス板11と後板12は枠体13によって一体になり、1枚のプレートを構成する。ガラス板11の下面には黒色のパターン印刷が施され、後述する光センサ4A~4Kに対応する位置には矩形状の透明な窓部が形成される。
【0016】
強火力バーナ5はガラス板11の上面右側に設けられ、最大火力に調整した場合にハイカロリーの強火力でガスを燃焼することができる。標準バーナ6はガラス板11の上面左側に設けられ、最大火力に調整した場合に強火力バーナ5よりは低いカロリーでガスを燃焼することができる。強火力バーナ5の上面中央には、略円筒状の温度検出部5Aが上下方向に出退可能に設けられ、図示外のバネによって常時上方に付勢されている。標準バーナ6の上面中央には、略円筒状の温度検出部6Aが上下方向に出退可能に設けられ、図示外のバネによって常時上方に付勢されている。これら温度検出部5A,6Aの夫々の内側には、サーミスタ5B,6B(図6参照)が夫々格納される。サーミスタ5B,6Bは、鍋底に当接する温度検出部5A,6Aの上壁部を介して鍋底温度を検出する。
【0017】
強火力バーナ5の側面には多数の炎孔が設けられ、その炎孔の近傍にはイグナイタ35の点火電極(図示略)と熱電対5C(図6参照)が炎孔に臨むようにして設置される。イグナイタ35は、駆動することにより点火電極においてスパーク放電を発生し、炎孔から噴出されるガスに点火する。熱電対5Cは、炎孔に形成される火炎により加熱されて熱起電力を発生する。故にコンロ1は、熱電対5Cに発生する熱起電力に基づき、強火力バーナ5における失火を検出できる。標準バーナ6の側面にも多数の炎孔が設けられ、その炎孔の近傍には強火力バーナ5と同様に、イグナイタ36の点火電極(図示略)と熱電対6C(図6参照)が炎孔に臨むようにして設置される。イグナイタ36も、駆動することにより点火電極においてスパーク放電を発生し、炎孔から噴出されるガスに点火する。熱電対6Cは、炎孔に形成される火炎により加熱されて熱起電力を発生する。故にコンロ1は、熱電対6Cに発生する熱起電力に基づき、標準バーナ6における失火を検出できる。
【0018】
トッププレート3の後板12中央には、グリル排気口10が設けられる。グリル排気口10には、複数の孔を有するカバー10Aが設置される。筐体2内にはグリル庫(図示略)が設けられる。グリル排気口10は、グリル庫と連通する。グリル庫内にはグリルバーナ(図示略)が設けられ、その炎孔の近傍には、上記と同様のイグナイタの点火電極と熱電対(図示略)が設置される。グリル庫内には受皿台(図示略)が収納される。受皿台上には受皿、焼網台、焼網等(図示略)が載置される。受皿台は、グリル扉14の背面下部と連結する。グリル扉14は筐体2の前面中央に設けられ、グリル庫の前面に設けられた開口部を開閉する。グリル扉14の前面下部には、取手14Aが設けられる。使用者は、取手14Aを掴んでグリル扉14を前方に引き出すことによって、受皿、焼網台、焼網等をグリル庫外に同時に引き出すことができる。
【0019】
筐体2の前面中央において、グリル扉14の右側の領域には、点火ボタン15,16、火力調節レバー18、19、操作パネル25等が設けられる。点火ボタン15はグリル扉14の右側に隣接して設けられ、押下することによって強火力バーナ5の点火と消火の操作を行う。点火ボタン16は点火ボタン15の右隣に設けられ、押下することによってグリル庫内に設けられたグリルバーナ(図示略)の点火と消火の操作を行う。グリルバーナは、グリル庫内の左右の両側壁の上下に夫々設けられた上火グリルバーナと下火グリルバーナ(図示略)で構成される。
【0020】
火力調節レバー18は点火ボタン15の上方に設けられ、略水平方向における回動操作によって、強火力バーナ5の火力を調節する。火力調節レバー19は点火ボタン16の上方に設けられ、上火用調節つまみ19Aと下火用調節つまみ19Bを上下に備える。上火用調節つまみ19Aは、略水平方向における回動操作によって、上火グリルバーナの火力を調節する。下火用調節つまみ19Bは、略水平方向における回動操作によって、下火グリルバーナの火力を調節する。操作パネル25は、点火ボタン15,16の下方において前後方向に回動可能に設けられる。操作パネル25は、各種操作の入力を受け付ける複数のボタンと、各種操作に応じた報知を行うLED等を備える。
【0021】
一方、筐体2の前面中央において、グリル扉14の左側の領域には、点火ボタン17、火力調節レバー20等が設けられる。点火ボタン17は、グリル扉14の左側に隣接して設けられ、押下することによって標準バーナ6の点火と消火の操作を行う。火力調節レバー20は、点火ボタン17の上方に設けられ、略水平方向における回動操作によって、標準バーナ6の火力を調節する。
【0022】
コンロ1は、センサ装置4を備える。センサ装置4は、複数(本実施形態では11個)の光センサ4A~4Kを含む。光センサ4A~4Kは夫々同一の構成である。以下説明では、光センサ4A~4Kを総じて説明する場合、光センサ40と称する。光センサ40は公知の反射型の測距センサである。光センサ4A~4Kは筐体2の内部に設けられ、強火力バーナ5と標準バーナ6の外方に配置される。光センサ4A~4Kは、平面視で、筐体2の開口部2A内に位置する。筐体2にトッププレート3が固定されたとき、光センサ4A~4Kは、トッププレート3の直下に位置する。光センサ4A~4Kは、ガラス板11の窓部からトッププレート3の上方へ向けて検出波を出力し、強火力バーナ5と標準バーナ6に接近する異物の検出を行う。なお、本発明における強火力バーナ5と標準バーナ6の「外方」とは、強火力バーナ5と標準バーナ6の前方、後方、左方、右方、周囲など、垂直方向に交差する方向において強火力バーナ5と標準バーナ6の外側に位置する部位をいう。
【0023】
光センサ4A~4Kのうち、光センサ4A~4Iは、強火力バーナ5と標準バーナ6の前方、且つ右端から左端にかけて並んで配置される。光センサ4A~4Iは、正面視した場合には、ほぼ同じ間隔で左右方向に並ぶ。平面視した場合、光センサ4B,4E,4Hは、前後方向において同じ位置で、左右方向に並ぶ。光センサ4A,4C,4G,4Iは、前後方向において光センサ4B,4E,4Hよりも僅かに後方の位置で、左右方向に並ぶ。光センサ4D,4Eは、前後方向において光センサ4A,4C,4G,4Iよりも僅かに後方の位置で、左右方向に並ぶ。光センサ4A~4Iの配置位置が前後方向においてずれる範囲は、左右方向においてずれる範囲と比べて小さい。即ち、光センサ4A~4Iは、全体として、前後方向に多少の位置ずれを許容しつつ左右方向に分かれて配置される並びを形成する。
【0024】
光センサ4A~4Iのうちの光センサ4A~4Dは、強火力バーナ5に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4A~4Dは、平面視で、強火力バーナ5の右斜め前方から左斜め前方にかけての位置で、強火力バーナ5の周方向に沿う緩やかな弧状をなす仮想線D1に沿って略等間隔に並ぶ。光センサ4A~4Dは、強火力バーナ5の五徳7に、例えば直径28cmのフライパンを載置した場合の平面視で、フライパンの外周よりも外側に配置される。
【0025】
光センサ4F~4Iは、標準バーナ6に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4F~4Iは、平面視で、標準バーナ6の右斜め前方から左斜め前方にかけての位置で、標準バーナ6の周方向に沿う緩やかな弧状をなす仮想線D2に沿って略等間隔に並ぶ。光センサ4F~4Iは、標準バーナ6の五徳8に、例えば直径28cmのフライパンを載置した場合の平面視で、フライパンの外周よりも外側に配置される。
【0026】
光センサ4Eは、強火力バーナ5及び標準バーナ6に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4Eは、光センサ4Dと光センサ4Fの間で、左右方向の略中央に配置される。
【0027】
なお、上記のように、光センサ4A~4Dは仮想線D1に沿い、光センサ4F~4Iは仮想線D2に沿って配置される。本実施形態における「沿う」とは、必ずしも、所定方向に引かれた一本の仮想線上に光センサ4A~4Iが配置される状態に限らず、位置ずれを許容しつつ、その線を基準に配置される状態をいう。また、仮想線は、必ずしも弧状をなす線に限らず、直線であってもよいし、波線であってもよい。このように、光センサ4A~4Iは、部分的には仮想線D1,D2に夫々沿って並ぶが、全体としては、強火力バーナ5と標準バーナ6の前方の所定の検出領域において左右方向に沿って配置され、並びを形成する。
【0028】
光センサ4Jは、強火力バーナ5に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4Jは、強火力バーナ5の左斜め前方、且つ光センサ4Dの略後方に配置される。光センサ4Jの配置位置は、平面視で、光センサ4A~4Dよりも強火力バーナ5に近い位置である。言い換えると、光センサ4A~4Dは、強火力バーナ5に対する前後方向において、光センサ4Jの前側に位置し、強火力バーナ5の径方向において、光センサ4Jの外側に位置する。
【0029】
光センサ4Kは、標準バーナ6に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4Kは、標準バーナ6の右斜め前方、且つ光センサ4Fの略後方に配置される。光センサ4Kの配置位置は、平面視で、光センサ4F~4Iよりも標準バーナ6に近い位置である。言い換えると、光センサ4F~4Iは、標準バーナ6に対する前後方向において、光センサ4Kの前側に位置し、標準バーナ6の径方向において、光センサ4Kの外側に位置する。
【0030】
光センサ4Jと光センサ4Kは、前後方向において略同じ位置に設けられる。光センサ4J,4Kは、異物が、光センサ4A~4Iが並ぶ領域よりも強火力バーナ5と標準バーナ6に近づいたとき、異物の接近を確実に検出するため、強火力バーナ5と標準バーナ6と光センサ4A~4Iが並ぶ領域との間に設けられる。
【0031】
光センサ40について説明する。図4に示すように、光センサ40は、送信部から送信した検出波が異物で反射した反射波を受信部で受信し、三角測距方式を応用して異物までの距離を測定する測距センサである。光センサ40は、遮光性樹脂からなる略直方体状の筐体49を有する。筐体49内には、発光素子41、投光レンズ43、受光素子44、集光レンズ46、制御IC47が設けられる。発光素子41、受光素子44、制御IC47は、リードフレーム48上に搭載される。リードフレーム48は、長細い板状に形成され、筐体49内の底部に設けられる。筐体49は、リードフレーム48が延びる方向に長く形成される。以下、リードフレーム48が延びる方向を、延伸方向と称する。
【0032】
発光素子41は、検出波として赤外光を出射する赤外発光LEDである。発光素子41には、レーザダイオード等が用いられてもよい。発光素子41は、リードフレーム48の一方の端部で搭載面48Aに設けられる。発光素子41から赤外光が出射される出射方向は、搭載面48Aに直交し、搭載面48Aから離れる方向である。受光素子44は、反射波として受光する反射光の受光位置に応じた出力を行う光位置センサ(PSD)である。受光素子44には、CMOSイメージセンサ等が用いられてもよい。受光素子44は、リードフレーム48の他方の端部で搭載面48Aに設けられる。筐体49内で、発光素子41は、筐体49の底部且つ延伸方向の一端部に位置し、受光素子44は、筐体49の底部且つ延伸方向の他端部に位置する。制御IC47は、リードフレーム48の搭載面48Aで発光素子41と受光素子44の間に設けられる。発光素子41は、その周囲が透光性樹脂42によって封止される。受光素子44と制御IC47は、その周囲が透光性樹脂45によって封止される。
【0033】
投光レンズ43は、筐体49内で、発光素子41の出射方向前方、且つ筐体49の天部に設けられる。投光レンズ43は、発光素子41から入射する赤外光をビーム状に収束し、出射方向へ向けて出射する。集光レンズ46は、筐体49内で、受光素子44の出射方向前方、且つ筐体49の天部と底部の間の中間部に設けられる。集光レンズ46は、赤外光が異物によって反射された反射光を、受光素子44の受光面に集光する。
【0034】
制御IC47は、定電圧回路、発振回路、駆動回路、信号処理回路、出力回路(図示略)を内蔵する。定電圧回路は、入力電圧を降圧して一定の出力電圧を生成し、信号処理回路に供給する。発振回路は、所定の周波数で発振する。駆動回路は、1回の距離測定時に、発光素子41を発振回路の発振に合わせて断続的に駆動し、赤外光を複数回出射させる。赤外光が異物によって反射された反射光を受光素子44が受光した場合、受光素子44の出力は、赤外光の出射タイミングに同期して大きく変化する。信号処理回路は、受光素子44が光を感知して得られる電流出力を取得し、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化を抽出して平均値を求める演算処理を行い、演算結果を出力回路に出力する。このように、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化を抽出することによって、外乱による影響を減らすことができる。出力回路は、演算結果に応じた大きさの電圧を生成し、異物までの距離に応じた検出信号として出力する。なお、受光素子44がCMOSイメージセンサの場合、制御IC47はCMOSイメージセンサ内に含まれる場合がある。
【0035】
ここで、光センサ40の動作を具体的に説明する。図5に示すように、例えば、t0~t1までの1回(1サイクル)の距離測定期間をA期間とする。駆動回路は、そのA期間中に、B期間、C期間、D期間を設定する。B期間は赤外光発光前期間、C期間は赤外光発光期間、D期間は赤外光発光後期間である。B期間は、発光素子41を駆動して赤外光を発光する為の準備期間である。C期間は、発光素子41から赤外光を発光する期間であり、パルス周期で例えば6回出射する。なお、出射する回数は、6回に限定されない。D期間は、信号処理回路が、受光素子44が光を感知して得られる電流出力を取得し、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化を抽出して平均値を求める演算処理を行う期間である。光センサ40は、電源がオンの間、このA期間を繰り返し実行する。信号処理回路は、D期間における演算処理の結果(測定値)を、後述する検出信号として、次のA期間中に設定されるE期間で出力する。
【0036】
上記構成の光センサ40は、A期間中に異物との間の距離を以下のように測定し、E期間で距離に応じた電圧値(以下、「測定電圧値」という。)を示す検出信号を出力する。図4に示すように、光センサ40が発光素子41の出射方向前方に距離L1離れた異物B1を検出するとき、発光素子41から出射された赤外光が異物B1で反射した反射光のうち、受光素子44に向かう角度で反射した反射光を、図4中、反射光R1で示す。反射光R1が集光レンズ46によって屈折し、受光素子44の受光面で集光される領域を、集光領域F1とする。なお、図4において、投光レンズ43と集光レンズ46による光の屈折は、説明の便宜上、図示を省略する。異物B2が距離L1より近い距離L2に位置する場合、発光素子41から出射された赤外光が異物B2で反射した反射光のうち、受光素子44に向かう角度で反射した反射光を、図4中、反射光R2で示す。反射光R2が集光レンズ46によって屈折し、受光素子44の受光面で集光される集光領域F2は、延伸方向において、赤外光が発光素子41から出射される出射位置F0に対し集光領域F1よりも離れて位置する。受光素子44は、受光面における集光領域に応じて抵抗値が異なり、距離測定時、抵抗値に応じた大きさの電流を出力する。故にコンロ1は、光センサ40が出力する検出信号が示す測定電圧値を取得し、三角測距方式に基づく演算を行うことで、光センサ40と異物との間の距離を求めることができる。
【0037】
図6を参照し、以下、強火力バーナ5の火力制御機構60について説明する。なお、標準バーナ6のガス供給管には、バイパス管28と電磁弁62がないこと以外は強火力バーナ5の場合と同様の構成の火力制御機構が設けられており、以下では標準バーナ6の火力制御機構の図示及び説明を省略する。
【0038】
火力制御機構60は、複数の流路と複数の電磁弁を備える。ガス供給管27は、2本のバイパス管28,29を備える。バイパス管28は、ガス供給管27に設けられた分岐部65と合流部66の間に接続される。バイパス管29は、バイパス管28に設けられた分岐部67と合流部68の間に接続される。
【0039】
ガス供給管27の分岐部65より上流側には、安全弁64が設けられる。なお、図6中において、安全弁は「SV」と表す。ガス供給管27の分岐部65と合流部66の間には、電磁弁61が設けられる。なお、図中において、電磁弁は「KSV」と表す。バイパス管28の分岐部67と合流部68の間には、電磁弁62が設けられる。合流部66と火力調整機構30の間には、電磁弁63が設けられる。電磁弁61,62は、ガス流量調整用のキープソレノイドバルブである。電磁弁63は、ガス遮断用のキープソレノイドバルブである。故に、電磁弁61~63によるガス流量の調節の応答性は向上する。
【0040】
コンロ1は、電磁弁61,62を夫々開閉し、火力調整機構30に流れるガス流量を、第1流量、第2流量、第3流量の三段階で調節する。電磁弁61,62が共に開いた状態では、ガス供給管27とバイパス管28,29を通り、火力調整機構30に第1流量のガスが流れる。電磁弁61,62のいずれか一方(本実施形態では電磁弁62)が閉じた状態では、ガス供給管27とバイパス管29を通り、火力調整機構30に第2流量のガスが流れる。電磁弁61,62が共に閉じた状態では、バイパス管29を通り、火力調整機構30に第3流量のガスが流れる。これにより、火力調節レバー18(図1参照)によって火力調整機構30を流れるガス流量が最大に調節されたときの火力は、弱火力、中火力、強火力の三段階に調節される。第1流量は強火力、第2流量は中火力、第3流量は弱火力に対応する。なお、第2流量に対応する中火力は、強火力と弱火力との間の火力であり、火力の大きさは様々である。第2流量は、鍋底から火炎がはみ出ない程度に火力を抑制しつつも、調理に影響を及ぼしにくい熱量を与えられる火力を維持できるガス流量であれば、好ましい。
【0041】
電磁弁61,62の作動は、制御回路70のCPU71(図7参照)によって、サーミスタ5Bによる鍋底温度の検出結果、光センサ4A~4E,4Jによる異物の検出結果、点火してからの時間等に応じて夫々制御される。電磁弁63の作動も同様に、CPU71によって制御される。安全弁64は点火ボタン15の押下に連動して開放される。
【0042】
図7を参照し、コンロ1の電気的構成を説明する。コンロ1は、制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、不揮発性メモリ74に加え、図示しないタイマ、I/Oインタフェイス等を備える。タイマはプログラムで作動するものである。CPU71はコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72は、ガス流量制御処理(図9参照)を含む、コンロ1の各種プログラムを記憶する。RAM73は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ74は、各種パラメータ等を記憶する。
【0043】
制御回路70には、電源回路81、スイッチ入力回路82、サーミスタ入力回路83、熱電対入力回路84、イグナイタ回路85、センサ入力回路86,87、ブザー回路88、安全弁回路90、電磁弁回路91,操作パネル25等が各々接続される。電源回路81は、電源23から供給される交流(例えば100V)を直流(例えば5V)に降圧して整流し、各種回路に電力を供給する。なお、図7中において、電源は「AC」と表す。スイッチ入力回路82は、点火ボタン15~17の押下を検出し、電源回路81と制御回路70に入力する。なお、図7中において、点火ボタンは「SW」と表す。サーミスタ入力回路83は、サーミスタ5B,6Bからの検出値を制御回路70に入力する。なお、図7中において、サーミスタは「TH」と表す。熱電対入力回路84は、熱電対5C,6Cからの検出値(熱起電力に対応する信号)を制御回路70に入力する。なお、図7中において、熱電対は「TC」と表す。イグナイタ回路85は、CPU71の制御信号に基づき、強火力バーナ5のイグナイタ35、及び標準バーナ6のイグナイタ36を各々駆動する。なお、図7中において、イグナイタは「IG」と表す。また、図7では、グリルバーナに設けられるサーミスタ、熱電対、イグナイタは省略する。
【0044】
センサ入力回路87には、光センサ4A~4Kの各検出信号が入力される。ブザー回路88は、CPU71の制御信号に基づき、圧電ブザー77を駆動する。安全弁回路90は、CPU71の制御に基づき、安全弁64を開閉する。電磁弁回路91は、CPU71の制御に基づき、電磁弁61~63を開閉する。操作パネル25は、使用者によるタイマ設定、調理内容に応じた火力制御の選択等の入力、CPU71の制御内容に応じたLEDの点灯及び消灯等に用いられる。
【0045】
点火ボタン15~17は、スイッチ入力回路82と電源回路81に対して、夫々並列に接続される。使用者によって点火ボタン15~17のうち何れかが押下されると、電源回路81から各種回路に電力が供給され、コンロ1の電源がオンになる。スイッチ入力回路82は、点火ボタン15~17のうち何れが押下されたかを検出し、その検出信号を制御回路70に入力する。これにより、CPU71は、どの点火ボタン15~17の押下によって電源がオンされたのか判断し、対応するバーナの各種センサと各種弁の作動を制御する。
【0046】
本実施形態のコンロ1のCPU71は、光センサ40によって、強火力バーナ5及び標準バーナ6に接近する手や腕等の異物が検出されたとき、電磁弁61,62を作動し、ガス流量を第1流量から第3流量に低減する制御を行う。光センサ40は、発光素子41の出射方向の真っ直ぐ前方に異物が位置する場合、異物との精確な距離に応じた検出信号を出力する。一方、光センサ40の検出信号の大きさに対して閾値を設け、異物との距離が所定距離以下か否かを判断する処理が行われる。
【0047】
図8を参照し、近い範囲内に光センサ40が複数配置された場合に、赤外光の発光タイミングが重なることによって、実際とは違う距離の検出値になってしまう理由を説明する。ここでは、互いに隣り合う位置に配置された光センサ4A,4B(図3図8参照)を例に説明する。例えば、光センサ4Bの直上の位置にある異物B5には、光センサ4Bの発光素子41から出射された赤外光が照射されている。光センサ4Bの受光素子44は、異物B5に反射された反射光R5の位置(赤外光強度の中心)が検出され、異物B5までの距離を判定する。
【0048】
光センサ4A,4Bの夫々の発光素子41から出射される赤外光は、一定の広がりを持って上方に照射される。光センサ4Bの右隣りには、光センサ4Aが配置されている。光センサ4Aの上方にある異物B4には、光センサ4Aの発光素子41から出射された赤外光が照射されている。異物B4に反射された反射光R4は、光センサ4Aの受光素子44に入射している。受光素子44は、反射光R4の位置を検出し、異物B4までの距離を判定する。
【0049】
ここで、光センサ4Aの発光素子41から出射された赤外光の広がりにより、異物B4の別の位置で反射した反射光R6が、光センサ4Bの受光素子44にも入射してしまう可能性がある。異物B4は、光センサ4Bに対して異物B5よりも遠くに配置されているが、異物B4の別の位置で反射した反射光R6は、反射光R5とほぼ同一の入射角度で入射してしまっている。このとき、反射光R6の光センサ4Bにおける受光素子44の受光面で集光される集光領域の位置は、異物B4までの実際の距離に応じた集光領域の位置よりも、延伸方向において、発光素子41から離れた位置になってしまう。このときの光センサ4Bの受光素子44によって検出される異物B4の距離は、異物B4の実際の距離よりも近く、異物B5に近い値の距離であると誤検出してしまう可能性がある。このような現象は、互いに近い範囲内に設置された複数の光センサ40の発光素子41の発光タイミングが重なってしまうことによる。
【0050】
本実施形態では、近い範囲内に光センサ40が複数配置されているコンロ1において、各光センサ40において、発光素子41の発光タイミングを互いにずらす制御を行うことによって、他の光センサ40の発光素子41から発光される赤外光の影響を排除した状態で、異物までの距離を正確に測定できる。
【0051】
本実施形態では、発光タイミングを互いにずらす制御を行う為に、光センサ4A~4K(図3参照)を、第1センサと第2センサに夫々分類する。図9に示すセンサ分類表741は、例えば、不揮発性メモリ74に記憶されている。センサ分類表741では、強火力バーナ5に対応する光センサとして、光センサ4A,4B,4C,4D,4E,4Jが分類されている。さらに、強火力バーナ5に対応する光センサ4A,4B,4C,4D,4E,4Jのうち、4A,4C,4Jが第1センサ、4B,4D,4Eが第2センサとして分類されている。
【0052】
一方、標準バーナ6に対応する光センサとして、光センサ4F,4G,4H,4I,4Kが分類されている。さらに、標準バーナ6に対応する光センサ4F,4G,4H,4I,4Kのうち、4I,4G,4Kが第1センサ、4H,4F,4Eが第2センサとして分類されている。このような分類によって、強火力バーナ5に対応する光センサ4A,4B,4C,4D,4E,4Jの並びにおいて、第1センサと第2センサが交互に配列されるようになっている。また、標準バーナ6に対応する光センサ4F,4G,4H,4I,4Kの並びにおいても、第1センサと第2センサが交互に配列されるようになっている。
【0053】
なお、光センサ4Eは、強火力バーナ5及び標準バーナ6に対してほぼ同じ距離で離れているので、強火力バーナ5及び標準バーナ6のどちらが点火された場合でも駆動させるのが好ましい。このことから、センサ分類表741では、光センサ4Eは、強火力バーナ5及び標準バーナ6の何れにも対応する光センサとして分類されている。さらに、光センサ4Eは、第2センサに分類されているが、第1センサに分類してもよい。本実施形態のCPU71は、これら光センサ4A~4Kを第1センサと第2センサに分類し、電源のオンオフのタイミングを制御することによって、発光素子41からの赤外光の発光タイミングを互いにずらすことを行う。
【0054】
図10を参照し、メイン制御処理を説明する。例えば、使用者によって点火ボタン17又は18が押下され、強火力バーナ5及び標準バーナ6の何れかが点火されると、CPU71は、ROM72に記憶するメイン制御プログラムを読出し、本処理を実行する。
【0055】
CPU71は、センサ制御処理を実行する(S1)。センサ制御処理では、後述するように、例えば、強火力バーナ5が点火された場合、強火力バーナ5に対応する光センサ4A~4E,4Jについて、発光素子41の発光タイミングを互いにずらす制御を行い、夫々の検出信号(測定電圧値)を取得する。なお、センサ制御処理の具体的な処理方法については後述する。
【0056】
CPU71は、取得した測定電圧値を夫々、作動距離に応じた作動電圧値と比較する。作動距離は、ガス流量を低減する制御を行う距離として予め設定され、上記したように例えば10cmである。なお、本実施形態の光センサ40が出力する測定電圧値は、測定距離の長さに反比例する。従って、作動距離に対応する検出範囲内に異物が侵入しておらず、測定距離が作動距離より長い場合、測定電圧値は作動電圧値未満を示す。よって、測定距離が作動距離以下を示す光センサ40が1つもなければ(S3:NO)、CPU71は、処理をS1に戻す。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第1流量に維持される。強火力バーナ5の火力は、強火力に維持される。
【0057】
作動距離に対応する検出範囲内に使用者の手や腕等の異物が侵入すると、光センサ40の測定電圧値は上昇し、作動電圧値以上を示す。光センサ4A~4E,4Jのうち、測定電圧値が作動電圧値以上を示し、測定距離が作動距離以下を示す光センサ40が1つでもあれば(S3:YES)、CPU71は処理をS5に進める。CPU71は電磁弁回路91に指示を出し、電磁弁61,62を閉じる制御を行う(S4)。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第3流量に低減される。強火力バーナ5の火力は、自動的に弱火力になる。CPU71は、ブザー回路88に指示を出し、圧電ブザー77を駆動して、異物の検出を報知する(S5)。また、CPU71は、操作パネル25の所定のLEDを点灯し、異物の検出を報知する。
【0058】
CPU71は、再度、センサ制御処理を実行し(S6)、光センサ4A~4E,4Jの検出信号を夫々取得する。CPU71は、取得した測定電圧値を夫々、解除距離に応じた解除電圧値と比較する。解除距離は、ガス流量の低減を解除する制御を行う距離として予め設定され、例えば15cmである。従って、解除距離に対応する検出範囲内に異物があり、測定距離が解除距離以下の場合、測定電圧値は解除電圧値以上を示す。光センサ4A~4E,4Jのうち、測定距離が解除距離以下を示す光センサ40が1つでもあれば(S7:YES)、CPU71は処理をS6に戻す。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第3流量に維持される。強火力バーナ5の火力は、弱火力に維持される。
【0059】
異物が解除距離に対応する検出範囲外に出ると、光センサ40の測定電圧値は下降し、解除電圧値未満を示す。光センサ4A~4E,4Jの全ての測定電圧値が解除電圧値未満を示し、測定距離が作動距離以下を示す光センサ40が1つもなくなると(S7:NO)、CPU71は処理をS8に進める。CPU71は電磁弁回路91に指示を出し、電磁弁61,62を開く制御を行う(S8)。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第1流量に増加される。強火力バーナ5の火力は、自動的に強火力になる。CPU71は、ブザー回路88に指示を出し、圧電ブザー77の駆動を停止して、異物検出の報知を解除する(S9)。また、CPU71は、操作パネル25の所定のLEDを消灯し、異物検出の報知を解除する。CPU71は、処理をS1に戻す。
【0060】
CPU71は、標準バーナ6に対しても同様のメイン制御処理を実行し、光センサ4E~4I,4Kの検出信号に基づいて、火力調整機構30に流れるガス流量を制御する。CPU71は、強火力バーナ5及び標準バーナ6を消火すると、消火したバーナに対応するメイン制御処理の実行を終了する。
【0061】
次に、センサ制御処理を具体的に説明する。本処理では、互いに隣り合う第1センサと第2センサにおいて、夫々の発光素子41の発光タイミングをわざとずらし、隣り合う他方の光センサから出射される赤外光の影響を排除した状態で、異物を検出する。本実施形態は、発光タイミングをずらす制御方式として、以下の3つの実施例を説明する。
【0062】
・第1実施例:第1センサが異物までの距離を3回測定したら電源をオフし、それと同時に隣の第2センサの電源をオンし、第2センサが異物までの距離を3回測定したら電源をオフする。第1センサ及び第2センサにおいて、夫々の3回の測定値の安定度を求め、その安定度に基づき各センサの測定距離を確定する。
・第2実施例:第1センサが異物までの距離を1回測定したら電源をオフし、それと同時に隣の第2センサの電源をオンする。第2センサが異物までの距離を1回検出したら電源をオフする。第1センサと第2センサにおいて、夫々の3回の測定値の安定度を求め、その安定度に基づき各センサの測定距離を確定する。
・第3実施例:第1センサの赤外光の発光が終了すると同時に隣の第2センサの電源をオンする。第1センサと第2センサにおいて、夫々の3回の測定値の安定度を求め、その安定度に基づき各センサの測定距離を確定する。
【0063】
図11図12を参照し、第1実施例を説明する。第1実施例では、パラメータkとsを用いる。パラメータkは、第1センサにおいて、1サイクル毎に測定距離が出力された回数であり、例えばRAM73に記憶する。パラメータsは、第2センサにおいて、1サイクル毎に測定距離が出力された回数であり、例えばRAM73に記憶する。
【0064】
図11に示すように、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkとsを0に初期化する(S11)。CPU71は、点火されたバーナに対応する光センサのうち、第1センサの電源をオンする(S12)。例えば、図12に示すように、t10タイミングで、強火力バーナ5が点火された場合、光センサ4A~4E,4Jのうち、先ず、第1センサである光センサ4A,4C,4J(図3図9参照)の電源がオンされる。第1センサは、1回目のA期間を開始する。
【0065】
CPU71は、第1センサのB期間が終了したか否か判断する(S13)。B期間では、発光素子41を駆動して赤外光を発光する為の準備がなされる。B期間が終了するまでは(S13:NO)、CPU71はS13に戻って待機する。B期間が終了した場合(S13:YES)、CPU71は、C期間が終了したか否か判断する(S14)。C期間では、発光素子41から赤外光がパルス周期で例えば6回出射される。着衣等の異物に反射した反射光は、第1センサの受光素子44に受光される。このとき、第2センサの通電はオフ状態であるので、第1センサの受光素子44には、第1センサの発光素子41が出射して異物に反射する反射光のみが受光される。これにより、第1センサは、第2センサの発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、異物までの距離を正確に測定できる。
【0066】
C期間が終了するまでは(S14:NO)、CPU71はS14に戻って待機する。C期間が終了した場合(S14:YES)、赤外光の発光は終了しているので、CPU71は、D期間が終了したか否か判断する(S15)。D期間では、受光素子44によって光を感知して得られる電流出力が取得され、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化が抽出されて6回の測定値の平均値を求める演算処理が行われる。D期間が終了するまでは(S15:NO)、CPU71はS15に戻って待機する。なお、各期間が終了したか否かの判断は、例えば、タイマ等を使って時間を計測して判断するとよい。光センサ40が動作するA期間、及びB~E期間の夫々の長さは予め決まっているので、第1センサの電源をオンしたときからの時間を計測することによって、各期間が終了したか否かの判断が可能である。
【0067】
t11タイミングで、D期間が終了した場合(S15:YES)、第1センサでは、再びA期間が開始し、CPU71は、A期間が開始してから所定期間経過後に設定されたE期間中に検出信号を受け取ったか否か判断する(S16)。E期間では、D期間における演算処理の結果(測定距離)が検出信号として出力される。検出信号を受け取るまでは(S16:NO)、CPU71はS16に戻って待機する。
【0068】
検出信号を受け取った場合(S16:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S17)。CPU71は、1回目の検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。CPU71は、パラメータkが3以上か否か判断する(S18)。パラメータkは1であるので(S18:NO)、CPU71はS13に戻って、t11タイミングで既に開始されている第1センサの2回目のA期間中において、上記処理を実行する(S13~S15)。t12タイミングで、第1センサの2回目のA期間が終了し(S15:YES)、3回目のA期間が開始する。A期間開始後E期間で、CPU71は、第1センサの受光素子44から2回目の検出信号を受け取り(S16:YES)、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S17)。CPU71は、2回目の検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。この時点で、パラメータk=2であるので(S18:NO)、CPU71はS13に戻って、t12タイミングで既に開始されている3回目のA期間中において、上記処理を実行する(S13~S15)。
【0069】
t13タイミングで3回目のA期間が終了し(S15:YES)、4回目のA期間が開始する。A期間開始後E期間中に3回目の検出信号を受け取った場合(S16:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S17)。CPU71は、3回目の検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。この時点で、パラメータk=3であるので(S18:YES)、CPU71は、RAM73に記憶する3回の測定距離の安定度を求めて、その安定度に基づき測定距離を確定する(S19)。「安定度」とは、例えば3回の測定距離の誤差(最大値と最小値の差)である。安定度が例えば±1cm以内であれば、第1センサの測定距離は安定していると判定できる。第1センサの測定距離は安定していると判定した場合、CPU71はこれら3回の測定距離の平均値を算出し、第1センサの測定距離として確定する。CPU71は、確定した第1センサの測定距離をRAM73に記憶する。なお、安定度が±1cmの範囲を超えてしまった場合、異常値が検出されているので、測定距離を確定できない。この場合、CPU71は、再測定を行う為、例えばパラメータkを0にリセットし、S13に戻って、再度3回の測定距離を第1センサから受け取るようにすればよい(S13~S18)。
【0070】
第1センサの測定距離を確定した後、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkを0にリセットし(S20)、E期間が終了するt14タイミングで、第1センサの電源をオフする(S21)。さらに、このt14タイミングと同時に、CPU71は、第2センサの電源をオンする(S22)。即ち、光センサ4A~4E,4Jのうち、第2センサである光センサ4B,4D,4Eの電源がオンされる。今度は、第2センサが1回目のA期間を開始する。
【0071】
CPU71は、第1センサのS13~S16の処理と同様に、第2センサについても同様に処理を行う。CPU71は、t14タイミングで開始したA期間において、B期間が終了したか否か判断する(S23)。B期間が終了するまでは(S23:NO)、CPU71はS23に戻って待機する。B期間が終了した場合(S23:YES)、CPU71は、C期間が終了したか否か判断する(S24)。C期間では、発光素子41から赤外光がパルス周期で例えば6回出射される。着衣等の異物に反射した反射光は、第2センサの受光素子44に受光される。このとき、第1センサの通電はオフ状態であるので、第2センサの受光素子44には、第2センサの発光素子41が出射して異物に反射する反射光のみが受光される。これにより、第2センサは、第1センサの発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、異物までの距離を正確に測定できる。
【0072】
C期間が終了するまでは(S24:NO)、CPU71はS24に戻って待機する。C期間が終了した場合(S24:YES)、赤外光の発光は終了しているので、CPU71は、D期間が終了したか否か判断する(S25)。D期間が終了するまでは(S25:NO)、CPU71はS25に戻って待機する。t15タイミングで、D期間が終了した場合(S25:YES)、第2センサでは、再びA期間が開始し、CPU71は、A期間が開始してから所定時間経過後のE期間中に、検出信号を受け取ったか否か判断する(S26)。検出信号を受け取るまでは(S26:NO)、CPU71はS26に戻って待機する。
【0073】
1回目の検出信号を受けとった場合(S26:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータsに1加算する(S27)。CPU71は、1回目の検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。CPU71は、パラメータsが3以上か否か判断する(S28)。パラメータsは1であるので(S28:NO)、CPU71はS23に戻って、t15タイミングで既に開始されている第2センサの2回目のA期間中において、上記処理を実行する(S23~S25)。t16タイミングで、第2センサの2回目のA期間が終了し(S25:YES)、3回目のA期間が開始する。A期間開始後E期間で、CPU71は、第2センサの受光素子44から2回目の検出信号を受け取り(S26:YES)、RAM73に記憶するパラメータsに1加算する(S27)。CPU71は、2回目の検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。この時点で、パラメータs=2であるので(S28:NO)、CPU71はS23に戻って、t16タイミングで既に開始されている3回目のA期間中において、上記処理を実行する(S23~S25)。
【0074】
t17タイミングで3回目のA期間が終了し(S25:YES)、4回目のA期間が開始する。A期間開始後E期間中に3回目の検出信号を受け取った場合(S26:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータsに1加算する(S27)。CPU71は、3回目の検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。この時点で、パラメータs=3であるので(S28:YES)、CPU71は、RAM73に記憶する3回の測定距離の安定度を求めて、その安定度に基づき、上述と同様に測定距離を確定する(S29)。CPU71は、確定した第2センサの測定距離をRAM73に記憶する。
【0075】
第2センサの測定距離を確定した後、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータsを0にリセットし(S30)、E期間が終了するタイミングで、第2センサの電源をオフする(S31)。CPU71は、センサ制御処理を終了し、図10のS3に処理を戻す。この時点で、RAM73には、強火力バーナ5に対応する光センサ4A~4E,4Jの夫々の確定した測定距離が記憶されている。これにより、CPU71は、S3の判断処理において、これら光センサ4A~4E,4Jの他の光センサの影響を受けずに測定した夫々の測定距離の中から、作動距離以下を示す光センサを特定できる。また、S7の判断処理においても、光センサ4A~4E,4Jの他の光センサの影響を受けずに測定した夫々の測定距離の中から、解除距離以下を示す光センサを特定できる。
【0076】
以上のように、第1実施例では、図12に示すように、CPU71は、第1センサが異物までの距離を3回測定したら電源をオフし、それと同時に隣の第2センサの電源をオンし、第2センサが異物までの距離を3回測定したら電源をオフする。これにより、第1センサのC期間と、第2センサのC期間とが互いに重複しないので、第1センサのC期間では、第1センサの受光素子44には、第1センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。一方、第2センサのC期間では、第2センサの受光素子44には、第2センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。よって、第1センサ及び第2センサは、他方の発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、第1実施例は、複数の光センサ40による異物の誤検出を防止できる。
【0077】
図13図14を参照し、第2実施例を説明する。なお、第2実施例のセンサ制御処理は、第1実施例のセンサ制御処理と一部処理が共通するので、共通部分については説明を省略又は簡略化し、異なる部分を中心に説明する。
【0078】
図13のS31~S37の処理は、第1実施例の図11のS11~S17の処理と同じである。例えば、図14に示すように、t20タイミングで、強火力バーナ5が点火された場合、光センサ4A~4E,4Jのうち、先ず、第1センサである光センサ4A,4C,4J(図3図9参照)の電源がオンされる。第1センサは、t20タイミングで1回目のA期間を開始し、t21タイミングでA期間(D期間)を終了する。この間のC期間では、第1実施例と同様に、第2センサの通電はオフ状態であるので、第1センサの受光素子44には、第1センサの発光素子41が出射して異物に反射する反射光のみが受光される。これにより、第1センサは、第2センサの発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、C期間において、異物までの距離を正確に測定できる。
【0079】
第1センサは1回目のA期間を終了し、第1センサの通電がオン状態の期間中に設定されるE期間において、D期間における演算処理の測定値を、検出信号として出力する。CPU71は、第1センサの受光素子44から1回目の検出信号を受け取り(S36:YES)、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S37)。CPU71は、検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。CPU71は、パラメータkが3以上か否か判断する(S38)。パラメータkは1であるので(S38:NO)、CPU71は、t22タイミングで第1センサの電源をオフすると共に(S41)、第2センサの電源をオンする(S42)。即ち、光センサ4A~4E,4Jのうち、第2センサである光センサ4B,4D,4Eの電源がオンされる。
【0080】
S43~S47の処理は、第1実施例の図11のS23~S27の処理と同じである。図14に示すように、第2センサはt22タイミングでA期間を開始し、t23タイミングでA期間(D期間)を終了する。この間のC期間では、第1実施例と同様に、第1センサの通電はオフ状態であるので、第2センサの受光素子44には、第2センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。これにより、第2センサは、第1センサの発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、異物までの距離を正確に測定できる。
【0081】
第2センサは1回目のA期間を終了し、第2センサの通電がオン状態の期間中に設定されるE期間において、D期間における演算処理の測定値を、検出信号として出力する。CPU71は、第2センサの受光素子44から1回目の検出信号を受け取り(S46:YES)、RAM73に記憶するパラメータsに1加算する(S47)。CPU71は、検出信号に対応する測定距離をRAM73に記憶する。CPU71は、パラメータsが3以上か否か判断する(S48)。パラメータsは1であるので(S48:NO)、CPU71は、t24タイミングで第2センサの電源をオフすると共に(S51)、S32に戻って、第1センサの電源をオンする(S32)。
【0082】
この後においても、CPU71は、赤外光を発光するC期間が互いに重複しないように、第1センサと第2センサの電源を交互にオンオフする。即ち、t24~t25の間では、第1センサの電源がオン、第2センサの電源がオフとなり、第1センサのA期間中に第1センサの発光素子41から赤外光が発光され、E期間中に第1センサの受光素子44から2回目の検出信号を受け取る。t26~t27の間では、第2センサの電源がオン、第1センサの電源がオフし、A期間中に第2センサの発光素子41から赤外光が発光され、E期間中に第2センサの受光素子44から2回目の検出信号を受け取る。
【0083】
そして、t28~t29の間では、第1センサの電源がオン、第2センサの電源がオフし、A期間中に第1センサの発光素子41から赤外光が発光され、E期間中に第1センサの受光素子44から3回目の検出信号を受け取る。CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S37)。パラメータk=3であるので(S38:YES)、CPU71は、RAM73に記憶する3回の測定距離の安定度を求めて、その安定度に基づき測定距離を確定する(S39)。CPU71は、確定した第1センサの測定距離を、RAM73に記憶する。CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkを0にリセットし(S40)、第1センサの電源をオフする(S41)。
【0084】
次いで、t30~t31の間では、第2センサの電源がオン、第1センサの電源がオフし、A期間中に第2センサの発光素子41から赤外光が発光され、E期間中に第2センサの受光素子44から3回目の検出信号を受け取る。CPU71は、RAM73に記憶するパラメータsに1加算すると(S47)、パラメータs=3であるので(S48:YES)、CPU71は、RAM73に記憶する3回の測定距離の安定度を求めて、その安定度に基づき測定距離を確定する(S49)。CPU71は、確定した第2センサの測定距離を、RAM73に記憶する。CPU71は、RAM73に記憶するパラメータsを0にリセットし(S50)、第2センサの電源をオフする(S51)。これで、第1センサと第2センサの夫々の測定距離が確定したので、CPU71は、センサ制御処理を終了し、図10のS3に処理を戻す。RAM73には、強火力バーナ5に対応する光センサ4A~4E,4Jの夫々の測定距離が記憶されている。これにより、CPU71は、これら光センサ4A~4E,4Jの他の光センサの影響を受けずに測定した夫々の測定距離の中から、作動距離以下を示す光センサを特定できる。また、S7の判断処理においても、光センサ4A~4E,4Jの他の光センサの影響を受けずに測定した夫々の測定距離の中から、解除距離以下を示す光センサを特定できる。
【0085】
以上のように、第2実施例では、図14に示すように、CPU71は、第1センサが異物までの距離を1回検出したら電源をオフし、それと同時に隣の第2センサの電源をオンし、第2センサが異物までの距離を1回検出したら電源をオフする。これにより、第1センサのC期間と、第2センサのC期間とが互いに重複しないので、第1センサのC期間では、第1センサの受光素子44には、第1センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。一方、第2センサのC期間では、第2センサの受光素子44には、第2センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。よって、第1センサ及び第2センサは、他方の発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、第2実施例は、第1実施例と同様に、複数の光センサ40による異物の誤検出を防止できる。
【0086】
図15図18を参照し、第3実施例を説明する。なお、第3実施例のセンサ制御処理は、第2実施例のセンサ制御処理と一部処理が共通するので、共通部分については説明を省略又は簡略化し、異なる部分を中心に説明する。なお、第3実施例では、第1センサ及び第2センサの動作期間であるA期間において、B期間とD期間を同じ期間に設定するとよい。
【0087】
図15に示すように、CPU71は、パラメータp、k、sを全て0に初期化する(S101)。パラメータpは、後述する第2センサ制御処理の実行回数であり、RAM73に記憶する。パラメータk、sは、第1実施例、第2実施例と同じである。次いで、CPU71は、第1センサ制御処理を開始する(S102)。
【0088】
図16に示すように、第1センサ制御処理が開始すると、CPU71は、t40タイミング(図18参照)で第1センサの電源をオンする(S62)。強火力バーナ5が点火された場合、光センサ4A~4E,4Jのうち、先ず、第1センサである光センサ4A,4C,4J(図3図9参照)の電源がオンされる。すると、第1センサはA期間を開始し、上述と同様に、C期間において、発光素子41から赤外光をパルス周期で6回出射する。D期間において、受光素子44が光を感知して得られる電流出力を取得し、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化を抽出して平均値を求める演算処理を行う。t42タイミングでA期間を終了し、所定時間経過後に設定されたE期間中に、その演算結果をCPU71に向けて出力する。第1センサは、A期間開始からE期間終了までを1サイクルとして実行する。
【0089】
CPU71は、第1センサの1サイクル中に、S63~S66の処理を実行する。なお、S63~S66の処理は、第2実施例のセンサ制御処理(図13参照)のS33~S36の処理と同じである。CPU71は、B~D期間の夫々の経過と、検出信号の受け取りを確認し、1サイクルが終了すると、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S67)。CPU71は、第1センサの受光素子44から受け取った検出信号をRAM73に記憶し、パラメータkが3以上か否か判断する(S68)。パラメータkが3未満であれば(S68:NO)、CPU71は何もせずに、第1センサの電源をオフし(S71)、本処理を終了する。
【0090】
一方、図15のセンサ制御処理では、第1センサ制御処理を開始すると(S102)、CPU71は、第1センサのC期間が終了したか否か判断する(S103)。C期間が終了するまでは(S103:NO)、CPU71はS105に戻って待機する。第1センサは1サイクルの動作を継続する。t41タイミングで第1センサのC期間が終了すると(S103:YES)、CPU71は、既に実行を開始している第1センサ制御処理と並行して、第2センサ制御処理を開始する(S104)。
【0091】
図17に示すように、第2センサ制御処理が開始すると、CPU71は、t41タイミング(図18参照)で第2センサの電源をオンする(S82)。即ち、光センサ4A~4E,4Jのうち、第2センサである光センサ4B,4D,4Eの電源がオンされる。すると、第2センサも、第1センサに対してB+C期間分遅れて駆動を開始する。即ち、第2センサもA期間を開始し、上述と同様に、C期間において、発光素子41から赤外光をパルス周期で6回出射する。D期間において、受光素子44が光を感知して得られる電流出力を取得し、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化を抽出して平均値を求める演算処理を行う。t44タイミングでA期間を終了し、所定時間経過後に設定されたE期間中に、その演算結果をCPU71に向けて出力する。
【0092】
CPU71は、第2センサの1サイクル中に、S83~S86の処理を実行する。なお、S83~S86の処理は、第2実施例のセンサ制御処理(図13参照)のS43~S46の処理と同じである。CPU71は、B~D期間の夫々の経過と、検出信号の受け取りを確認し、1サイクルが終了すると、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S87)。CPU71は、第2センサの受光素子44から受け取った検出信号をRAM73に記憶し、パラメータsが3以上か否か判断する(S88)。パラメータsが3未満であれば(S88:NO)、CPU71は何もせずに、第2センサの電源をオフし(S91)、本処理を終了する。
【0093】
一方、図15のセンサ制御処理では、第2センサ制御処理を開始すると(S104)、CPU71は、第2センサのC期間が終了したか否か判断する(S105)。第2センサのC期間が終了するまでは(S105:NO)、CPU71はS105に戻って待機する。第2センサも1サイクルの動作を継続する。t43タイミングで第2センサのC期間が終了すると(S105:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータpに1加算する(S106)。第2センサのC期間が終了したt43タイミングでは、第1センサのE期間は既に終了しているので、第1センサの通電はオフ状態である。CPU71は、パラメータpが3以上か否か判断する(S107)。パラメータpが3未満の場合(S107:NO)、CPU71はS102に戻り、t43タイミングで、2回目の第1センサ制御処理を開始する(S102)。その後、CPU71は、パラメータpが3以上になるまで(S107:NO)、上記と同様にS102~S107の処理を繰り返して実行する。
【0094】
t43タイミングで第1センサの2回目のA期間が開始する。第1センサのC期間が開始するt44タイミングでは、第2センサの1回目のA期間が終了し、その後、第2センサのE期間で検出信号が出力される。t45タイミングで第1センサのC期間が終了すると、それと同時に、第2センサの2回目のA期間が開始する。第2センサのC期間が開始するt46タイミングでは、第1センサの2回目のA期間が終了し、その後、第1センサのE期間で検出信号が出力される。t47タイミングで第2センサのC期間が終了すると、それと同時に、第1センサの3回目のA期間が開始する。第1センサのC期間が開始するt48タイミングでは、第2センサの2回目のA期間が終了し、その後、第2センサのE期間で検出信号が出力される。t49タイミングで第1センサのC期間が終了すると、それと同時に、第2センサの3回目のA期間が開始する。
【0095】
図16に示すように、t50タイミングで第1センサのA期間(D期間)が終了すると(S65:YES)、RAM73には、第1センサの受光素子44から受け取ったこれまでの3回の測定距離が記憶されている。CPU71は、E期間中に検出信号を受け取ったか否か判断する(S66)。検出信号を受け取った場合(S66:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータkに1加算する(S67)。その結果、パラメータk=3になるので(S68:YES)、CPU71は、RAM73に記憶する3回の測定距離の安定度を求めて、その安定度に基づき測定距離を確定する(S69)。CPU71は、確定した第1センサの測定距離をRAM73に記憶する。CPU71は、第1センサの電源をオフし(S71)、本処理を終了する。
【0096】
一方、図17に示すように、t51タイミングで第2センサのA期間(D期間)が終了すると(S85:YES)、RAM73には、第2センサの受光素子44から受け取ったこれまでの3回の測定距離が記憶されている。CPU71は、E期間中に検出信号を受け取ったか否か判断する(S86)。検出信号を受け取った場合(S86:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータsに1加算する(S87)。その結果、パラメータs=3になるので(S88:YES)、CPU71は、RAM73に記憶する3回の測定距離の安定度を求めて、その安定度に基づき測定距離を確定する(S89)。CPU71は、確定した第2センサの測定距離をRAM73に記憶する。CPU71は、E期間が終了するt52タイミング後に、第2センサの電源をオフし(S91)、本処理を終了する。
【0097】
そして、図15のセンサ制御処理では、CPU71は、第2センサのC期間が終了したか否か判断する(S105)。t51タイミングでC期間が終了しているので(S105:YES)、CPU71は、RAM73に記憶するパラメータpに1加算する(S106)。その結果、第1センサ制御処理と第2センサ制御処理を夫々3回ずつ実行していることから、パラメータp=3となるので、(S107:YES)、CPU71は、第1センサ及び第2センサの夫々の測定距離が確定したか否か判断する(S108)。例えば第2センサの測定距離が確定されていない場合(S108:NO)、CPU71はS108に戻って待機する。第1センサ及び第2センサの夫々の測定距離が確定した場合(S108:YES)、CPU71は、センサ制御処理を終了し、図10のS3に処理を戻す。RAM73には、強火力バーナ5に対応する光センサ4A~4E,4Jの夫々の測定距離が記憶されている。これにより、CPU71は、これら光センサ4A~4E,4Jの他の光センサの影響を受けずに測定した夫々の測定距離の中から、作動距離以下を示す光センサを特定できる。また、S7の判断処理においても、光センサ4A~4E,4Jの他の光センサの影響を受けずに測定した夫々の測定距離の中から、解除距離以下を示す光センサを特定できる。
【0098】
以上のように、第3実施例では、図18に示すように、CPU71は、第1センサ制御処理を先に開始し、第1センサのC期間が終了したと同時に、第2センサ制御処理を開始することによって、赤外光を発光するC期間を互いにずらすことができる。これにより、第1センサのC期間では、第1センサの受光素子44には、第1センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。一方、第2センサのC期間では、第2センサの受光素子44には、第2センサの発光素子41が出射して異物に反射した反射光のみが受光される。これにより、第1センサ及び第2センサは、他方の発光素子41が発光する赤外光の影響を受けないので、第1実施例及び第2実施例と同様に、複数の光センサ40による異物の誤検出を防止できる。また、第3実施例では、第1センサのC期間が終了したと同時に、第2センサ制御処理を開始するので、第1実施例及び第2実施例に比較して、各測定距離が確定するまでの時間を短縮できる。これにより、コンロ1の上方において、強火力バーナ5側及び標準バーナ6側に侵入する異物を速やかに検知できる。
【0099】
次に、本発明の効果を確認する為に確認試験を行った。図19図21を参照し、その確認試験の内容と結果について説明する。以下の(1)~(3)の条件で異物を配置したときの第1センサと第2センサの夫々の受光素子44からの検出信号の出力状態について検証した。
(1)第1センサの上方であって、トッププレート3の上面からの高さ10cmに異物を配置した。
(2)第1センサと第2センサの間の上方であって、トッププレート3の上面からの高さ10cmに異物を配置した。
(3)第2センサの上方であって、トッププレート3の上面からの高さ10cmに異物を配置した。
なお、本試験では、上記第2実施例の制御方式(図14参照)を採用し、第1センサと第2センサで電源のオンオフを交互に切り替え、赤外光を発光するC期間を互いにずらした状態で、異物までの距離を測定した。また、異物のトッププレート3の上面からの高さは、作動距離に設定した。
【0100】
(1)第1センサの上方に異物を配置した場合
図19に示すように、上から一番目のグラフは、第1センサの通電状態(電源電圧)を示している。上から2番目のグラフは、第2センサの通電状態(電源電圧)を示している。上から3番目のグラフは、第1センサの受光素子44からの検出信号の出力状態を示している。上から4番目のグラフは、第2センサの受光素子44からの検出信号の出力状態を示している。
【0101】
上から一番目のグラフに示すように、第1センサの通電がオン状態のとき、赤外光を複数回発光する発光期間に応じて、第1センサの電源電圧が上下に激しく振れている。上から3番目のグラフに示すように、第1センサの通電がオン状態の後半期間に検出信号が出力されている(第1センサ出力の矢印A1参照)。第1センサからの検出信号は、何れも作動距離に対応する閾値よりも大きい。よって、第1センサは、異物までの距離を作動距離以下と検出していることがわかった。なお、第1センサの通電がオフ状態の期間では、第1センサの検出信号は、山型の低いピークとなって出現して少々不安定ではあるが、その間は第1センサからの出力を読んでいないので問題無い。
【0102】
一方、上から二番目のグラフに示すように、第2センサの通電がオン状態のとき、赤外光を複数回発光する発光期間に応じて、第2センサの電源電圧が上下に激しく振れている。上から4番目のグラフに示すように、第2センサの通電がオン状態の後半期間に検出信号が出力されている(第2センサ出力の矢印A2参照)。第2センサの通電がオン状態のとき、第1センサの通電はオフ状態である。ここで、第2センサからの検出信号は、自身の赤外光の発光により少々不安定になっているが、何れも作動距離に対応する閾値よりも低い値を示している。
【0103】
(2)第1センサと第2センサの間の上方に異物を配置した場合
図20の上から一番目のグラフに示すように、第1センサの通電がオン状態のとき、赤外光を複数回発光する発光期間に応じて、第1センサの電源電圧が上下に激しく振れている。上から3番目のグラフに示すように、第1センサの通電がオン状態の後半期間に測定距離が確定し、検出信号が出力されている(第1センサ出力の矢印A3参照)。第1センサからの検出信号は、何れも作動距離に対応する閾値よりも低い。それ故、第1センサは、異物を遠くに検出していることがわかった。
【0104】
一方、上から二番目のグラフに示すように、第2センサの通電がオン状態のとき、赤外光を複数回発光する発光期間に応じて、第2センサの電源電圧が上下に激しく振れている。上から4番目のグラフに示すように、第2センサの通電がオン状態の後半期間に検出信号が出力されている(第2センサ出力の矢印A4参照)。第2センサの通電がオン状態のとき、第1センサの通電はオフ状態である。ここで、第2センサからの検出信号は、自身の赤外光の発光により少々不安定になっているが、何れも作動距離に対応する閾値よりも大きい値を示している。このことから、第2センサは、異物までの距離を作動距離以下と検出していることがわかった。
【0105】
(3)第2センサの上方に異物を配置した場合
図21の上から一番目のグラフに示すように、第1センサの通電がオン状態のとき、赤外光を複数回発光する発光期間に応じて、第1センサの電源電圧が上下に激しく振れている。しかしながら、上から3番目のグラフに示すように、第1センサから検出信号は殆ど出力されていない。このことから、第1センサは異物を検出していないことがわかった。
【0106】
一方、上から二番目のグラフに示すように、第2センサの通電がオン状態のとき、赤外光を複数回発光する発光期間に応じて、第2センサの電源電圧が上下に激しく振れている。上から4番目のグラフに示すように、第2センサの通電がオン状態の後半期間に検出信号が出力されている(第2センサ出力の矢印A5参照)。第2センサの通電がオン状態のとき、第1センサの通電はオフ状態である。ここで、第2センサからの検出信号は、何れも作動距離に対応する閾値よりも大きい値を示している。このことから、第2センサは、自身の赤外光の発光によって、異物までの距離を作動距離以下と検出していることがわかった。
【0107】
以上の(1)~(3)の各試験結果より、本実施形態は、第1センサ及び第2センサの上方に位置する異物を、その位置に応じて安定且つ正確に検出できることがわかった。
【0108】
以上説明において、発光素子41が本発明の「発光部」の一例である。受光素子44が本発明の「受光部」の一例である。図10のメイン制御処理を実行するCPU71が本発明の「火力制御手段」の一例である。図11のセンサ制御処理(第1実施例)、図13のセンサ制御処理(第2実施例)、図15のセンサ制御処理(第3実施例)を実行するCPU71が本発明の「発光制御手段」の一例である。
【0109】
以上説明したように、本実施形態のコンロ1は、センサ装置4を備える。センサ装置4は、複数の光センサ4A~4Kを備える。光センサ4A~4Kは、強火力バーナ5又は標準バーナ6の外方に並んで配置され、発光素子41より光が出力され、反射した光を受光素子44で受光することによって、強火力バーナ5又は標準バーナ6の上方に侵入する着衣等の異物の有無を検出する。コンロ1は、光センサ4A~4Kの夫々の検出結果に基づき、異物を検出した場合に、強火力バーナ5又は標準バーナ6の火力を所定の弱火力に制御する。そのようなコンロ1において、CPU71は、光センサ4A~4Kにおいて、隣り合うセンサ同士の夫々の発光素子41の発光タイミングを相互にずらす制御を行う。これにより、一方の光センサの発光素子41から出力されて異物に反射した光を、一方のセンサと隣り合う他方のセンサの受光素子44が受光してしまうことによる誤検出を防止できる。
【0110】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。コンロ1は強火力バーナ5及び標準バーナ6を有する、所謂2口ガスコンロを例に挙げたが、強火力バーナ5及び標準バーナ6に加えて小バーナを有する、所謂3口ガスコンロであってもよい。コンロ1はビルトインタイプに限らず、テーブルコンロであってもよいし、ガスの供給がカセット式の小型コンロであってもよい。光センサ4A~4Iは、左右方向に並ぶが、並びの方向は左右方向に限らず、前後方向であってもよいし、例えば右前方と左後方を結ぶ斜め方向であってもよい。あるいは、コンロ1の後側に支柱を立て、支柱に沿って上下方向に並べて配置してもよい。また、光センサ4A~4Iは、例えば左上方と右下方とを結ぶ傾斜方向に沿って並べて配置してもよい。また、光センサ4A~4Iは、必ずしも直線状や弧状でなくてもよく、例えば波状にうねる方向に沿って並べて配置してもよい。また、光センサ4J,4Kのように、必ずしも全ての光センサ40が並んで配置される必要はない。
【0111】
光センサ4A~4Kは、筐体2内でトッププレート3の下側に配置されたが、上下方向の高さが低いセンサであれば、トッププレート3上に配置されてもよい。トッププレート3はガラス板11を用いたものでなくてもよい。光センサ4A~4Kは、平面視で、筐体2の開口部2Aの外側に配置されてもよい。光センサ40は、赤外光による反射型の測距センサを用いたが、超音波による反射型センサであってもよいし、レーダ電波で異物との距離を検出するセンサであってもよい。
【0112】
図10に示すメイン制御処理のS4の処理では、電磁弁61,62を閉鎖し、ガス流量を第3流量に制御したが、電磁弁61,62の何れか一方を閉じて中火力に制御するようにしてもよく、強火力バーナ5を消火させてもよい。また、光センサ4A~4Kが異物を検出する高さに応じて、強火力バーナ5を中火力及び弱火力の何れかに制御するようにしてもよい。
【0113】
上記実施形態では、発光タイミングをずらす制御方式として、3つの実施例を説明したが、発光期間をずらすことができれば、上記実施例に限定されない。また、各実施例において、受光素子44から検出信号(測定距離)を3回受け取った後、それらの安定度を求めて、その安定度に基づき測定距離を確定しているが、例えば、安定度を求める為の測定距離の数は3つに限らず、自由に変更してもよい。また、安定度を求めずに、受光素子44から受け取った検出信号をそのまま確定してもよい。
【0114】
1 コンロ
5 強火力バーナ
6 標準バーナ
4A~4K 光センサ
41 発光素子
44 受光素子
71 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21