IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マイクロ・テック株式会社の特許一覧

特許7016188スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法
<>
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図1
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図2
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図3
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図4
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図5
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図6
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図7
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図8
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図9
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図10
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図11
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図12
  • 特許-スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/42 20060101AFI20220128BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20220128BHJP
   B41F 15/38 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
B41F15/42
B41M1/12
B41F15/38 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020547650
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2018035546
(87)【国際公開番号】W WO2020065741
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2020-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】593039856
【氏名又は名称】マイクロ・テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】溝井国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田上 洋一
(72)【発明者】
【氏名】小島 一夫
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-222162(JP,A)
【文献】中国実用新案第206287639(CN,U)
【文献】中国実用新案第203864165(CN,U)
【文献】中国実用新案第206351585(CN,U)
【文献】特開平10-044371(JP,A)
【文献】特開平03-231854(JP,A)
【文献】特開2014-058047(JP,A)
【文献】特開2012-045829(JP,A)
【文献】特開2006-007480(JP,A)
【文献】特表2008-528323(JP,A)
【文献】国際公開第2017/082428(WO,A1)
【文献】国際公開第2000/078520(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0098253(US,A1)
【文献】中国実用新案第201362025(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00-15/46
B41M 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダと、
前記ホルダをスライドさせるスライドメカニズムと、
一端と他端とを有するスキージアームと、
前記スキージアームの前記一端に固定され、スキージを有するスキージユニットと、
前記ホルダに固定されたスイングメカニズムであって、前記スキージアームの前記他端と前記ホルダとの間に配置され、前記スキージアームを前記ホルダに対してスイング可能に取り付けたスイングメカニズムと、
前記スイングメカニズムによる前記スキージアームのスイングを制御するスイング制御部と
を備え、
前記スイングメカニズムは、前記スキージアームの前記他端に固定され前記スキージアームとともにスイングするスイング板とを有し、
前記スキージアームは、前記他端が前記スイングメカニズムのスイング板により支えられた状態で、かつ、前記一端に前記スキージユニットを片持ちした状態で前記スキージユニットを取り付けているスクリーン印刷装置。
【請求項2】
前記スキージアームは、主板と、前記主板と直交する補強板とを有し、
前記主板と前記補強板との他端は、前記スイング板に固定されている請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
ホルダと、
前記ホルダをスライドさせるスライドメカニズムと、
一端と他端とを有するスキージアームと、
前記スキージアームの前記一端に固定され、スキージを有するスキージユニットと、
前記ホルダに固定されたスイングメカニズムであって、前記スキージアームの前記他端と前記ホルダとの間に配置され、前記スキージアームを前記ホルダに対してスイング可能に取り付けたスイングメカニズムと、
前記スイングメカニズムによる前記スキージアームのスイングを制御するスイング制御部と
を備え、
前記スイングメカニズムは、前記ホルダに固定された固定板と、前記スキージアームの前記他端に固定されたスイング板とを有し、
前記スイング制御部は、曲面を有するガイドを有し、
前記スイング制御部は、前記スイング板に取り付けられ、前記ガイドに沿って移動する複数のガイドローラを有するスクリーン印刷装置。
【請求項4】
ホルダと、
前記ホルダをスライドさせるスライドメカニズムと、
一端と他端とを有するスキージアームと、
前記スキージアームの前記一端に固定され、スキージを有するスキージユニットと、
前記ホルダに固定されたスイングメカニズムであって、前記スキージアームの前記他端と前記ホルダとの間に配置され、前記スキージアームを前記ホルダに対してスイング可能に取り付けたスイングメカニズムと、
前記スイングメカニズムによる前記スキージアームのスイングを制御するスイング制御部と
を備え、
前記スイングメカニズムは、弧状のカムと、前記カムを挟持する複数のカムフォロアとを有し、
前記スキージアームと前記スキージユニットとは、前記カムと前記複数のカムフォロアと嵌め合わせのみにより、保持されているスクリーン印刷装置。
【請求項5】
前記カムは、アッパーカムとロウアーカムとを有し、
前記複数のカムフォロアは、前記アッパーカムの上部を移動するアッパーカムフォロアと、前記ロウアーカムの下部を移動するロウアーカムフォロアとを有する請求項4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
前記ホルダは、前記スイングメカニズムと前記スキージアームと前記スキージユニットとを上下に移動するアップダウンメカニズムを有する請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項7】
前記スイングメカニズムは、スイングを禁止するスイング固定部を有する請求項1から6のいずれか1項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項8】
前記スキージユニットは、固定部と、前記固定部に対して移動可能な移動部とを有する加圧メカニズムを有し、
前記スキージアームは、前記一端に前記固定部を固定している請求項1から7のいずれか1項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項9】
前記スキージアームは、印刷時に前記スキージの先端部が前記スイングメカニズムによるスイングの中心軸と一致するように、前記スキージユニットを固定している請求項1から8のいずれか1項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項10】
前記スキージアームと前記スライドメカニズムとは、前記スイングメカニズムの前と後との対応する位置に取り付けられている請求項1から9のいずれか1項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項11】
曲面を有するワークに対してスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法において、
スキージアームの一端に、スキージを有するスキージユニットを固定し、
スキージアームの他端に、スイング板を有するスイングメカニズムを介して、ホルダを取り付け、
前記スキージアームの前記他端が前記スイングメカニズムの前記スイング板により支えられた状態で、かつ、前記スキージアームの前記一端に前記スキージユニットを片持ちした状態で、スライドメカニズムにより、前記ホルダをスライドさせ、前記スイングメカニズムにより前記スキージの先端部を中心にして前記スイング板と前記スキージアームをスイングさせながらスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法。
【請求項12】
曲面を有するガイドを用いて、曲面を有するワークに対してスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法において、
スキージアームの一端に、スキージを有するスキージユニットを固定し、
スキージアームの他端に、ホルダに固定された固定板と、前記スキージアームの前記他端に固定されたスイング板であって複数のガイドローラを取り付けたスイング板とを有するスイングメカニズムを介して、前記ホルダを取り付け、
スライドメカニズムにより、前記ホルダをスライドさせ、
前記複数のガイドローラを前記ガイドに沿って移動させながら、前記スイングメカニズムにより前記スキージの先端部を中心にして前記スキージアームをスイングさせながらスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法。
【請求項13】
曲面を有するワークに対してスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法において、
スキージアームの一端に、スキージを有するスキージユニットを固定し、
スキージアームの他端に、弧状のカムと、前記カムを挟持する複数のカムフォロアとを有するスイングメカニズムを介して、ホルダを取り付け、
前記カムと前記複数のカムフォロアと嵌め合わせのみにより前記スキージアームと前記スキージユニットとを保持し、
スライドメカニズムにより、前記ホルダをスライドさせ、
前記スイングメカニズムにより前記スキージの先端部を中心にして前記スキージアームをスイングさせながらスクリーン印刷をするスクリーン印刷方法。
【請求項14】
アップダウンメカニズムにより、前記ホルダに対して、前記スイングメカニズムと前記スキージアームと前記スキージユニットとを下に移動させ、
加圧メカニズムにより、前記スキージアームに対して、前記スキージを下方に移動させる請求項11から13のいずれか1項に記載のスクリーン印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷装置、及び、スクリーン印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、曲面を印刷するスクリーン印刷装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-222162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の曲面を印刷するスクリーン印刷装置は、構造が複雑で部品点数多く、装置が大型であった。
【0005】
本発明は、構造が簡単で小型化したスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスクリーン印刷装置は、
ホルダと、
前記ホルダをスライドさせるスライドメカニズムと、
一端と他端とを有するスキージアームと、
前記スキージアームの前記一端に固定され、スキージを有するスキージユニットと、
前記スキージアームの前記他端と前記ホルダとの間に配置され、前記スキージアームを前記ホルダに対してスイング可能に取り付けたスイングメカニズムと、
前記スイングメカニズムによる前記スキージアームのスイングを制御するスイング制御部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スキージユニットをスキージアームで固定するので、スクリーン印刷装置の構造が簡単になり、スクリーン印刷装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1のスクリーン印刷装置100の平面図である。
図2図1のスクリーン印刷装置100のA-Aからみたスクリーン印刷装置100の正面図である。
図3図1のスクリーン印刷装置100のB-Bからみたホルダ20の透視図である。
図4】スクリーン印刷装置100のホルダ20とスイングメカニズム70との平面図である。
図5】スライドメカニズム30の平面図である。
図6図5のスライドメカニズム30のE-Eからみた側面図である。
図7図1のスクリーン印刷装置100のC-Cからみたホルダ20とスキージアーム40とスキージユニット50の側面図である。
図8】スキージアーム40とスキージユニット50の3面図である。
図9】スイングメカニズム70の説明図である。
図10】スイング制御部80の説明図である。
図11図1のスクリーン印刷装置100のD-Dからみた側面図である。
図12】実施の形態2のスクリーン印刷装置100のスイングメカニズム70を示す図である。
図13】実施の形態3のスクリーン印刷装置100のスイングメカニズム70を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
以下の実施の形態の説明において、「メカニズム」とは、複数の部品で構成された機械、装置又は仕組みである。また、「メカニズム」とは、一つの目的を提供するために構成されたメカニカルな構造物、メカニカルな装置、又は、メカニカルなデバイスである。
【0010】
実施の形態1.
図1は、スクリーン印刷装置100の平面図である。
図2は、図1のスクリーン印刷装置100のA-Aからみたスクリーン印刷装置100の正面図である。
図1において、Xは左右方向を示し、Yは前後方向を示している。
スクリーン印刷装置100の印刷方向は、図1において、左方向である。
図2において、Zは上下方向を示している。
【0011】
<<<スクリーン印刷装置100の構成>>>
スクリーン印刷装置100は、ホルダ20と、ホルダ20を左右にスライドさせるスライドメカニズム30とを有する。
スクリーン印刷装置100は、スキージアーム40とスキージユニット50を有する。
スクリーン印刷装置100は、ホルダ20とスキージアーム40との間にスイングメカニズム70を有する。
スクリーン印刷装置100は、スキージアーム40とスキージユニット50とのスイングを制御するスイング制御部80を有する。
スクリーン印刷装置100は、スクレッパアーム140とスクレッパユニット150とを有する。
スクリーン印刷装置100は、フレーム90を有する。
【0012】
<<<フレーム90の構成>>>
フレーム90は、スクリーン印刷装置100の各部品、各メカニズムを固定する。
フレーム90は、スクリーン版91を固定する版取付部93を有する。
スクリーン版91は、印刷パターンが形成されたスクリーン92を有する。
フレーム90は、曲面のワーク99を載せるテーブル98を有する。
【0013】
<<<ホルダ20の説明>>>
図3図4により、ホルダ20の前部分を説明する。
ホルダ20は、背板21を有する。
背板21は、矩形板である。
背板21は、アップダウンメカニズム22とリニアメカニズム29とを固定している。
【0014】
<<アップダウンメカニズム22>>
ホルダ20は、アップダウンメカニズム22を有する。
アップダウンメカニズム22は、スイングメカニズム70とスキージアーム40とスキージユニット50とを上下に移動する。
アップダウンメカニズム22は、固定部221と移動板222とを有する。
固定部221は、背板21に固定されている。
移動板222は、固定部221に対して上下に移動可能である。
アップダウンメカニズム22は、エアスライドテーブル又はその他のスライドテーブルで実現することができる。
アップダウンメカニズム22は、前面にスイングメカニズム70を固定している。
【0015】
<<リニアメカニズム29>>
ホルダ20は、リニアメカニズム29を有する。
リニアメカニズム29は、スクレッパアーム140とスクレッパユニット150とを上下に移動する。
リニアメカニズム29は、リニアガイド26とブリッジ27とシリンダ28とを有する。
シリンダ28は、背板21に固定されている。
リニアガイド26は、シリンダ28の両サイドにあり、背板21に固定されている。
ブリッジ27は、平面視でU字形状をしており、シリンダ28をカバーするようにリニアガイド26に取り付けられている。
ブリッジ27は、前面にスクレッパアーム140を固定している。
スクレッパアーム140とブリッジ27は、シリンダ28によりリニアガイド26に沿って上下に移動する。
【0016】
図5図6により、ホルダ20の後部分を説明する。
ホルダ20は、横板23と縦板24とを有する。
横板23は、矩形板である。
横板23は、背板21の後面の上下中央部に水平に固定されている。
縦板24は、後側のコーナーが傾斜した矩形板である。
縦板24は、背板21と横板23とに固定されている。
縦板24は、背板21の後面の左右中央部に垂直に固定されている。
縦板24は、横板23の上面の左右中央部に垂直に固定されている。
背板21と横板23と縦板24とは、互いに直交している。
ホルダ20は、天板25を有する。
天板25は、背板21の上面に固定されている。
天板25は、薄い矩形板である。
【0017】
<<<スライドメカニズム30の説明>>>
図5図6により、スライドメカニズム30を説明する。
スライドメカニズム30は、フレーム90に固定されている。
スライドメカニズム30は、ホルダ20を左右にスライドさせる。
スライドメカニズム30は、ベルト31とコントローラ32とを有する。
ベルト31は、左右方向に張られたタイミングベルトである。
コントローラ32は、ベルト31の回転させるモータを有し、ベルト31の回転を制御する。
スライドメカニズム30は、シャフト33と直動部34とベルト固定部36とを有する。
シャフト33は、左右方向に配置された円柱シャフトである。
シャフト33は、ベルト31の両側にあり、ベルト31とへ平行である。
直動部34は、シャフト33を滑る部品である。
直動部34は、横板23の下面に固定されている。
ベルト固定部36は、ベルト31を横板23の下面に固定する。
ベルト31が、左右方向に移動すると、横板23も左右方向に移動する。
シャフト33と直動部34により、横板23は、左右方向に直線移動する。
スライドメカニズム30は、左右方向に2個のセンサ35を有する。
センサ35は、天板25の通過を監視する。
センサ35の天板25の検出により、ホルダ20の左右への移動が制御される。
【0018】
<<<スキージアーム40の説明>>>
図7図8により、スキージアーム40を説明する。
スキージアーム40は、前後方向水平に腕のように存在し、一端43と他端44とを有する。
スキージアーム40の一端43は、スキージユニット50を固定する。
スキージアーム40の他端44は、スイングメカニズム70を固定する。
スキージアーム40は、主板41と、主板41と直交する補強板42とを有する。
主板41は、矩形板である。
主板41の前後方向の長さと、上下方向の長さと、左右方向の長さは以下の関係がある。
「前後方向の長さ>上下方向の長さ>左右方向の長さ」
補強板42は、主板41よりも前後方向の長さが短い矩形板である。
補強板42は、主板41に固定されている。
補強板42は、主板41の左面に垂直に固定されている。
補強板42は、印刷方向と同じ側に固定されている。
【0019】
<<<スキージユニット50の説明>>>
図7図8により、スキージユニット50を説明する。
スキージユニット50は、下端にスキージ51を有する。
スキージ51は、印刷時にスクリーン92に接触する先端部Sを有する。
スキージユニット50は、スキージ51をスクリーン92に押し付ける加圧メカニズム52を有する。
加圧メカニズム52は、固定部221と移動板222とを有する。
固定部521は、スキージアーム40の一端43に固定されている。
移動部522は、固定部521に対して上下に移動可能である。
加圧メカニズム52は、エアスライドテーブル又はその他のスライドテーブルで実現することができる。
【0020】
<<<スイングメカニズム70の説明>>>
図4図7図9により、スイングメカニズム70を説明する。
スイングメカニズム70は、スキージアーム40の他端44とホルダ20との間に配置されている。
スイングメカニズム70は、スキージアーム40をホルダ20に対してスイング可能に取り付けている。
スイングメカニズム70の前と後との対応する位置にスキージアーム40とアップダウンメカニズム22とが取り付けられている。
スイングメカニズム70は、固定板71とスイング板72とを有する。
固定板71とスイング板72とは、矩形板である。
固定板71は、ホルダ20に固定されている。
固定板71は、移動板222に固定されており、移動板222の上下移動に伴い上下に移動する。
スイング板72は、スキージアーム40の他端44に固定されている。
スイングメカニズム70は、カム73とカムフォロア74とを有する。
【0021】
<<カム73>>
カム73は、弧状の部品である。
カム73の素材は、焼き入れ鋼であり、焼き入れしたSK材(炭素工具鋼)又は焼き入れしたSKS材(合金工具鋼)が好ましい。
図9に示すように、カム73は中心軸Oを有する。
中心軸Oは、スキージ51の印刷時の先端部Sと一致する位置にある。
スイング板72は、中心軸Oと先端部Sとが一致するように、右上のコーナーにスキージアーム40の他端44の端面を固定している。
カム73は、アッパーカム731とロウアーカム732とを有する。
アッパーカム731は、固定板71の上部に固定されている。
ロウアーカム732は、固定板71の下部に固定されている。
アッパーカム731の上部の半径方向の断面形状は、V字の凸型をしている。
ロウアーカム732の下部の半径方向の断面形状は、V字の凸型をしている。
アッパーカム731とロウアーカム732とは、共通の中心軸Oを有する。
アッパーカム731の中心を通る中心角とロウアーカム732の中心を通る中心角とは同じ角度Nである。
【0022】
<<カムフォロア74>>
カムフォロア74は、カム73を上下から挟持する部品である。
カムフォロア74の素材は、ベアリング鋼であり、SUJ材(高炭素クロム軸受鋼)が好適である。
カムフォロア74は、複数あり、カム73の上と下に配置される。
カムフォロア74は、アッパーカムフォロア741とロウアーカムフォロア742とを有する。
2個のアッパーカムフォロア741は、スイング板72の上部に水平に固定されている。
2個のロウアーカムフォロア742は、スイング板72の下部に水平に固定されている。
アッパーカムフォロア741は、アッパーカム731の上部を移動する。
ロウアーカムフォロア742は、ロウアーカム732の下部を移動する。
アッパーカムフォロア741の半径方向の断面形状は、V字の溝型をしている。
ロウアーカムフォロア742の半径方向の断面形状は、V字の溝型をしている。
アッパーカムフォロア741は、アッパーカム731の凸型に溝型をはめ込んで移動する。
ロウアーカムフォロア742は、ロウアーカム732の凸型に溝型をはめ込んで移動する。
図9に示すように、アッパーカムフォロア741とロウアーカムフォロア742とは同一の半径上に設置されている。
2個のアッパーカムフォロア741の中心を通る中心角と2個のロウアーカムフォロア742の中心を通る中心角とは同じ角度Mである。
【0023】
スキージアーム40とスキージユニット50とは、スイングメカニズム70のみにより支えられている。
スイングメカニズム70の固定板71とスイング板72とは、カム73とカムフォロア74との嵌め合わせのみで組み合っている。
したがって、スキージアーム40とスキージユニット50とは、固定板71のカム73とスイング板72のカムフォロア74とがかみ合うことのみで保持されている。
カム73とカムフォロア74との嵌め合わせは、印刷圧力に耐える強度があればよい。
カム73の素材は焼き入れ鋼であり、カムフォロア74の素材はベアリング鋼であり、高硬度の鋼を用いることにより、カム73とカムフォロア74との嵌め合わせ強度を高めている。
【0024】
固定板71とスイング板72とは、カム73の凸型とカムフォロア74の溝型により外れないようになっている。
固定板71とスイング板72とが外れないようにするためには、アッパーカムフォロア741とロウアーカムフォロア742の4個の中心軸が形成する領域の面積を大きくする。具体的には、アッパーカムフォロア741とロウアーカムフォロア742とを以下のように配置する。
(1)アッパーカム731とロウアーカム732とは、固定板71の上下中央の上と下に配置し、上下にできるだけ離す。
(2)2個のアッパーカムフォロア741は、固定板71の左右中央の右と左に配置し、左右にできるだけ離す。
(3)2個のロウアーカムフォロア742は、固定板71の左右中央の右と左に配置し、左右にできるだけ離す。
(4)アッパーカムフォロア741はアッパーカム731の上に配置する。ロウアーカムフォロア742はロウアーカム732の下に配置する。
【0025】
ただし、中心軸Oの位置はスキージ51の先端部Sとなる位置であるから、中心軸Oの位置には、部品を置かないようにすることが望ましい。中心軸Oとロウアーカムフォロア742の中心軸の高さL2は、スイング板72の高さL1の三分の一以上あることが望ましい。
【0026】
<<スイング固定部79>>
スイングメカニズム70は、スイング固定部79を有する。
スイング固定部79は、スイングメカニズム70のスイングを禁止する。
スイング固定部79は、穴791とピン792とシリンダ793とを有する。
穴791は、固定板71に形成された穴である。
穴791の開口部にはテーパ部がある。
穴791は、カム73よりも上部に設けられている。
ピン792は、スイング板72に固定されている。
シリンダ793は、ピン792により前後方向に移動する棒である。
シリンダ793は、穴791に挿入される。
シリンダ793の穴791への挿入により、スイング板72は固定されスイングすることができない。
【0027】
<<<スイング制御部80の説明>>>
図10により、スイング制御部80を説明する。
スイング制御部80は、スイングメカニズム70によるスキージアーム40のスイングを制御する。
スイング制御部80は、前後方向において、スクリーン版91の直後に設置されている。
スイング制御部80は、曲面を有するガイド81とガイド取付部83を有する。
ガイド81は、ワーク99と同じ曲面を有する弧状の板である。
ガイド81は、スクリーン版91よりも上部に設置される。
ガイド取付部83は、フレーム90に固定されている。
ガイド取付部83は、左右に2個あり、ガイド81の両端を固定する。
スイング制御部80は、ガイドに沿って移動する複数のガイドローラ82を有する。
ガイドローラ82は、少なくとも、左右方向水平に2個存在する。
ガイドローラ82は、スイング板72に取り付けられている。
ガイドローラ82は、スイング板72の両サイドの前面に取り付けられている。
2個のガイドローラ82は、印刷中に、ガイド81の曲面に接触して、固定板71をスイングさせる。
【0028】
中心軸Oの位置はスキージ51の先端部Sとなる位置であるから、中心軸Oの位置には、部品を置かないようにすることが望ましい。ガイド81をスクリーン版91よりも上部に設置して、中心軸Oとガイドローラ82の中心軸の高さL3は、スイング板72の高さL1の三分の一以上あることが望ましい。
【0029】
<<スクレッパアーム140の説明>>>
図1図11により、スクレッパアーム140を説明する。
スクレッパアーム140は、前後方向水平に腕のように存在する。
スクレッパアーム140の一端は、スクレッパユニット150を固定する。
スクレッパアーム140の他端は、ブリッジ27を固定する。
スクレッパアーム140は、他端下方にL字突起141を有する。
L字突起141は、シリンダ28により上下に移動する。
L字突起141が上下に移動することによりスクレッパユニット150が上下に移動する。
【0030】
<<スクレッパユニット150の説明>>>
スクレッパユニット150は、スクレッパアーム140の一端に固定されている。
スクレッパユニット150は、スクレッパ151を有する。
【0031】
<<全体構成の説明>>>
スクリーン印刷装置100は、スキージユニット50をスキージアーム40により片持ちした状態でスキージユニット50を取り付けている。
スキージアーム40の前後にスキージユニット50とホルダ20とを同じ高さで固定しており、スキージアーム40、スキージユニット50、及び、ホルダ20の高さは同じ又はほぼ同じである。
スクリーン印刷装置100の最も高い部分は、フレーム90ではなく、スキージアーム40、スキージユニット50、及び、ホルダ20の最も高い部分である。
スキージユニット50とスライドメカニズム30とは、ホルダ20の前と後との対応する位置に取り付けられている。
ホルダ20の前にスキージユニット50があり、ホルダ20の直後にスライドメカニズム30があり、スクリーン印刷装置100の動作中にスキージユニット50が浮き上がる力を受けたとしても、スキージユニット50は浮き上がることがない。
スライドメカニズム30は、間隔をあけた2本の平行なシャフト33を有しており、ホルダ20を左右方向に直線移動させる。
【0032】
<<<スクリーン印刷方法の説明>>>
図9図10によりスクリーン印刷装置100のスクリーン印刷方法を説明する。
スクリーン印刷装置100は、図示していない中央処理装置、プログラムを記憶したメモリ、及び、操作盤を有しており、以下の動作は、操作盤による操作により開始され、中央処理装置により実行されるプログラムにより実現することができる。
スキージアーム40の一端43に、スキージを有するスキージユニット50を固定しておく。
スキージアーム40の他端44に、スイングメカニズム70を介して、ホルダ20を取り付けておく。
フレーム90にスクリーン版91がセットされ、テーブル98にワーク99がセットされ、スクリーン92にインクがコーティングされているものとする。
また、スライドメカニズム30によりスキージユニット50が左側の印刷開始位置に移動しているものとする。
また、シリンダ28により、スクレッパアーム140とスクレッパユニット150とが上方にあるものとする。
【0033】
<初期設定ステップ>
スイング固定部79のピン792を穴791から外す。
アップダウンメカニズム22により、スイングメカニズム70とスキージアーム40とスキージユニット50とを下方に移動する。
ガイドローラ82が、ガイド81に当たる。
コントローラ32により、ベルト31を左方向に回転させる。
ベルト31の回転により、ホルダ20が左方向に移動し、ガイドローラ82が、ガイド81に沿って左方向に移動する。
加圧メカニズム52により、スキージアーム40に対して、スキージ51を下方に移動させる。
【0034】
<印刷ステップ>
図9の(a)と図10の(a)は印刷開始状態を示している。
図9の(b)と図10の(b)は印刷中状態を示している。
図9の(c)と図10の(c)は印刷終了状態を示している。
印刷中、スライドメカニズム30により、ホルダ20を左方向にスライドさせる。
印刷中、アップダウンメカニズム22により、ガイドローラ82がガイド81から離れないように、スイングメカニズム70を下方に押し続ける。
印刷中、加圧メカニズム52は、スキージ51に対して、スクリーン92への印刷圧力を発生させ続ける。
印刷中、スイングメカニズム70により、スキージ51の先端部Sを中心にしてスキージアーム40をスイングさせながらスクリーン印刷をする。
印刷中、スキージ51の先端部Sがスイングメカニズム70によるスイングの中心軸Oと一致する。
【0035】
<後処理ステップ>
アップダウンメカニズム22により、スイングメカニズム70とスキージアーム40とスキージユニット50とを上方に移動する。
スイング固定部79のピン792を穴791に挿入し、スイングを禁止する。
穴791の開口部にはテーパ部があるので、ピン792と穴791の位置がずれていても、ピン792はテーパ部により穴791に挿入される。
【0036】
<コーティングステップ>
シリンダ28により、スクレッパアーム140とスクレッパユニット150と下方に移動する。
コントローラ32により、ベルト31を右方向に回転させる。
ベルト31の回転により、ホルダ20が右方向に移動する。
ホルダ20の移動により、スクレッパユニット150が、インクをスクリーン92にコーティングする。
シリンダ28により、スクレッパアーム140とスクレッパユニット150と上方に移動する。
ワーク99を搬出する。
【0037】
<<<実施の形態1の効果>>>
本実施の形態によれば、スキージユニット50をスキージアーム40だけで固定するので、スクリーン印刷装置の構造が簡単になり、スクリーン印刷装置100の小型化を図ることができる。
スキージアーム40は、スキージユニット50の後側だけに存在するので、スキージユニット50の上側と前側と左側と右側とにオープンスペースができ、作業員の視認性と作業性とが向上する。
【0038】
<<<変更例>>>
【0039】
変更例1.
スイングメカニズム70のカム73がスイング板72に固定され、カムフォロア74が固定板71に固定されていてもよい。
スイングメカニズム70のアッパーカム731がスイング板72に固定され、アッパーカムフォロア741が固定板71に固定されていてもよい。
スイングメカニズム70のロウアーカム732がスイング板72に固定され、ロウアーカムフォロア742が固定板71に固定されていてもよい。
【0040】
変更例2.
スキージアーム40の補強板42は、主板41の右方向に固定されてもよい。
スキージアーム40の補強板42は、主板41が堅固であれば、なくてもよい。
【0041】
変更例3.
ワーク99は、ガイド81がワーク99の曲面と一致していれば、凹曲面又は凸曲面のいずれを有していてもよい。
ワーク99の左右方向の断面形状は、円弧に限らず、楕円弧でもよいし、半径の異なる複数の円弧の組み合わせ、あるいは、直線との組合せでもよい。
【0042】
変更例4.
2個のアッパーカムフォロア741の中心を通る中心角は2個のロウアーカムフォロア742の中心を通る中心角と異なっていてもよい。2個のアッパーカムフォロア741の中心を通る中心角は2個のロウアーカムフォロア742の中心を通る中心角より大きい方が好ましい。
【0043】
変更例5.
前述したアップダウンメカニズム22の前後を逆にして背板21に取り付けてもよい。
前述した加圧メカニズム52の左右を逆にしてスキージアーム40に取り付けてもよい。
前述したスイングメカニズム70の前後を逆にして取り付けてもよい。
前述したスイングメカニズム70の部品を前後を逆にして取り付けてもよい。
【0044】
前述したアップダウンメカニズム22の代わりに前述したリニアメカニズム29を用いてもよいし、その逆でもよい。
前述した加圧メカニズム52の代わりに前述したアップダウンメカニズム22を用いてもよいし、その逆でもよい。
前述したリニアメカニズム29の代わりに前述した加圧メカニズム52を用いてもよいし、その逆でもよい。
【0045】
スイングメカニズム70は、スイング可能な構成であれば、他の構成でもよい。
アップダウンメカニズム22は、上下移動可能な構成であれば、他の構成でもよい。
リニアメカニズム29は、上下移動可能な構成であれば、他の構成でもよい。
スライドメカニズム30は、スライド可能な構成であれば、他の構成でもよい。
加圧メカニズム52は、加圧可能な構成であれば、他の構成でもよい。
スイング制御部80は、スイングメカニズム70のスイングを制御できる構成であれば、他の構成でもよい。
【0046】
実施の形態2.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
図12に示すスイングメカニズム70は、カム73を1個にしたものである。
カム73の上の円弧は、スイング板72の上部にある。
カム73の下の円弧は、スイング板72の下部にある。
【0047】
<<<実施の形態2の効果>>>
カム73を1個にすれば、部品数の削減ができる。
カム73を1個にすれば、カム73の上部と下部の距離を確実に一定の値にできる。
【0048】
実施の形態3.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
図13に示すスイングメカニズム70は、ロウアーカム732とロウアーカムフォロア742の代わりにボールベアリング75を使用したものである。
ボールベアリング75の回転軸は、カム73の中心軸Oと同じである。
ボールベアリング75の内輪は、固定板71に固定されている。
ボールベアリング75の外輪は、スイング板72に固定されている。
ボールベアリング75は、ラジアル荷重とアキシャル荷重の組合せに適しているアンギュラコンタクトボールベアリングを用いることが好ましい。
【0049】
<<<実施の形態の効果>>>
ボールベアリング75により、スイング板72は、固定板71に対して、スイングすることができる。
ボールベアリング75により、スイング板72のスイングの中心を正確に配置することができる。
【0050】
***実施の形態の補足説明***
前述した実施の形態は、好ましい形態の例示であり、技術的範囲を制限することを意図するものではない。
前述した実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0051】
20 ホルダ、21 背板、22 アップダウンメカニズム、221 固定部、222 移動板、23 横板、24 縦板、25 天板、26 リニアガイド、27 ブリッジ、28 シリンダ、29 リニアメカニズム、30 スライドメカニズム、31 ベルト、32 コントローラ、33 シャフト、34 直動部、35 センサ、36 ベルト固定部、40 スキージアーム、41 主板、42 補強板、43 一端、44 他端、50 スキージユニット、51 スキージ、52 加圧メカニズム、521 固定部、522 移動部、70 スイングメカニズム、71 固定板、72 スイング板、73 カム、731 アッパーカム、732 ロウアーカム、74 カムフォロア、741 アッパーカムフォロア、742 ロウアーカムフォロア、75 ボールベアリング、79 スイング固定部、791 穴、792 ピン、793 シリンダ、80 スイング制御部、81 ガイド、82 ガイドローラ、83 ガイド取付部、90 フレーム、91 スクリーン版、92 スクリーン、93 版取付部、98 テーブル、99 ワーク、100 スクリーン印刷装置、140 スクレッパアーム、141 L字突起、150 スクレッパユニット、151 スクレッパ、S 先端部、O 中心軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13