(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】時計および時計の制御方法
(51)【国際特許分類】
G04C 3/00 20060101AFI20220128BHJP
G04G 21/00 20100101ALI20220128BHJP
【FI】
G04C3/00 B
G04G21/00 Z
(21)【出願番号】P 2017003981
(22)【出願日】2017-01-13
【審査請求日】2019-11-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】野邉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 健治
(72)【発明者】
【氏名】井橋 朋寛
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-43479(JP,A)
【文献】特開2007-127655(JP,A)
【文献】特開2015-79415(JP,A)
【文献】国際公開第2012/043096(WO,A1)
【文献】特開平9-167138(JP,A)
【文献】特開2004-205317(JP,A)
【文献】実公平6-16322(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0109361(US,A1)
【文献】特開2014-85202(JP,A)
【文献】特開2011-27618(JP,A)
【文献】特開平6-288456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00-99/00
G04G 3/00-99/00
G04B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字板と、
日情報を表示可能な日情報表示部と、
前記文字板の外周に沿って形成され、天気情報が表示される天気表示部と、
前記文字板の表側に、先端が前記天気表示部に近接するように配置され、時刻を表示可能な
第1の指針、並びに前記文字板の表側に配置され、前記時刻を表示可能な第2の指針および第3の指針、を含む複数の指針と、
前記日情報、および前記日情報に対応する前記天気情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記第1の指針が前記天気情報を指示すると同時に、前記第2の指針および前記第3の指針は、前記第1の指針に指示された前記天気情報に関する前記時刻を表示し、前記日情報表示部は、前記第1の指針に指示された前記天気情報に対応する前記日情報を表示することを特徴とする時計。
【請求項2】
前記
複数の指針は、時針、分針および秒針のうち少なくともいずれか1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記記憶部は、地点、前記地点が属するタイムゾーン情報、および前記地点に対応する前記天気情報を記憶し、
前記
第1の指針は、前記地点に対応する前記天気情報を指示
する
ことを特徴とする請求項2に記載の時計。
【請求項4】
前記記憶部は、前記日情報に対応する天気情報を記憶し、
前記日情報表示部により表示される前記日情報の変化に伴い、前記日情報表示部により表示される前記日情報に対応する前記天気情報を前記
第1の指針により指示するように、前記日情報表示部および前記
第1の指針を制御する制御部を備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の時計。
【請求項5】
前記第2の指針および前記第3の指針は、前記天気情報に対応する
前記時刻、および前記天気情報が更新された
前記時刻のうち少なくともいずれか一方を指示可能
である
ことを特徴とする請求項1から
3のいずれか1項に記載の時計。
【請求項6】
前記
第1の指針が第1時刻に対応する前記天気情報を指示するとともに
、前記
第2の指針が第2時刻に対応する前記天気情報を指示する場合、およ
び前記
第1の指針が第1日情報に対応する前記天気情報を指示するとともに
、前記
第2の指針が第2日情報に対応する前記天気情報を指示する場合のうち少なくともいずれか一方を表示可能である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の時計。
【請求項7】
前記
第1の指針の先端は、前記
第2の
指針の先端
および前記第3の指針の先端より、前記天気表示部
に近接する、
ことを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載の時計。
【請求項8】
前記天気情報は、複数の天候要素で構成され、
前記
第1の指針は、前記複数の天候要素を各別に指示する、
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載の時計。
【請求項9】
前記天気情報は、第1天候要素および第2天候要素で構成され、
前記
第1の指針は、前記第1天候要素および前記第2天候要素を指示可能であり、前記第1天候要素を指示する第1位置から前記第2天候要素を指示する第2位置への第1移動速度、および前記第2位置から前記第1位置への第2移動速度が同一の場合に示す前記天気情報と、前記第1移動速度および前記第2移動速度が異なる場合に示す前記天気情報と、のうち少なくともいずれか一方を指示できる、
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載の時計。
【請求項10】
前記天気情報を外部機器から通信により取得する通信部を備え、
前記外部機器から指示された地点に対応する前記天気情報と、前記地点が属するタイムゾーン情報と、を前記通信部により取得して前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1から
9のいずれか1項に記載の時計。
【請求項11】
前記日情報は、日付、時間および曜日のうち少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1から
10のいずれか1項に記載の時計。
【請求項12】
前記天気情報は、天候、降水確率、降水量、気温、湿度、紫外線指数、風速および風向のうち少なくともいずれか1つを含む、
ことを特徴とする請求項1から
11のいずれか1項に記載の時計。
【請求項13】
前記天気表示部は、複数の天気情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1から
12のいずれか1項に記載の時計。
【請求項14】
文字板と、
日情報を表示可能な日情報表示部と、
前記文字板の外周に沿って形成され、天気情報が表示される天気表示部と、
前記文字板の表側に、先端が前記天気表示部に近接するように配置され、時刻を表示可能な
第1の指針、並びに前記文字板の表側に配置され、前記時刻を表示可能な第2の指針および第3の指針、を含む複数の指針と、
を備える時計の制御方法であって、
前記日情報、および前記日情報に対応する前記天気情報を取得し
、
前記
第1の指針で前記天気情報を指示する
と同時に、前記第2の指針および前記第3の指針は、前記第1の指針に指示された前記天気情報に関する前記時刻を表示し、
前記第1の指針に指示された前記天気情報に対応する前記日情報を表示する、
ことを特徴とする時計の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計および時計の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天気予報等の天気情報(気象情報)を表示可能な時計がある。例えば、下記特許文献1には、気圧変動を指示するアナログ時計であり、時間情報を与える少なくとも2本の針と、針を駆動するウォッチムーブメントと、気圧変動を測定する圧力センサとを備え、これら針の一つは圧力変動の測定値を指示することができ、針の他の一つは同時に天気予報を変動の関数として指示することができる時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、気圧変動の測定値に基づいて現在地の直近の天候変化を推定しているので、天気予報を、日情報に対応付けて表示することが困難である。
【0005】
そこで本発明は、日情報と天気情報とを対応付けて天気情報を表示できる時計を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
文字板と、日情報を表示可能な日情報表示部と、前記文字板の外周に沿って形成され、天気情報が表示される天気表示部と、前記文字板の表側に、先端が前記天気表示部に近接するように配置され、時刻を表示可能な第1の指針、並びに前記文字板の表側に配置され、前記時刻を表示可能な第2の指針および第3の指針、を含む複数の指針と、前記日情報、および前記日情報に対応する前記天気情報を記憶する記憶部と、を備え、前記第1の指針が前記天気情報を指示すると同時に、前記第2の指針および前記第3の指針は、前記第1の指針に指示された前記天気情報に関する前記時刻を表示し、前記日情報表示部は、前記第1の指針に指示された前記天気情報に対応する前記日情報を表示することを特徴とする。
【0007】
上記の時計において、前記複数の指針は、時針、分針および秒針のうち少なくともいずれか1つを含むことが望ましい。
【0008】
上記の時計において、前記記憶部は、地点、前記地点が属するタイムゾーン情報、および前記地点に対応する前記天気情報を記憶し、前記第1の指針は、前記地点に対応する前記天気情報を指示することが望ましい。
【0009】
上記の時計において、前記記憶部は、前記日情報に対応する天気情報を記憶し、前記日情報表示部により表示される前記日情報の変化に伴い、前記日情報表示部により表示される前記日情報に対応する前記天気情報を前記第1の指針により指示するように、前記日情報表示部および前記第1の指針を制御する制御部を備えることが望ましい。
【0011】
上記の時計において、前記第2の指針および前記第3の指針は、前記天気情報に対応する前記時刻、および前記天気情報が更新された前記時刻のうち少なくともいずれか一方を指示可能であることが望ましい。
【0012】
上記の時計において、前記第1の指針が第1時刻に対応する前記天気情報を指示するとともに、前記第2の指針が第2時刻に対応する前記天気情報を指示する場合、および前記第1の指針が第1日情報に対応する前記天気情報を指示するとともに、前記第2の指針が第2日情報に対応する前記天気情報を指示する場合のうち少なくともいずれか一方を表示可能であることが望ましい。
【0013】
上記の時計において、前記第1の指針の先端は、前記第2の指針の先端および前記第3の指針の先端より、前記天気表示部に近接することが望ましい。
【0014】
上記の時計において、前記天気情報は、複数の天候要素で構成され、前記第1の指針は、前記複数の天候要素を各別に指示することが望ましい。
【0015】
上記の時計において、前記天気情報は、第1天候要素および第2天候要素で構成され、前記第1の指針は、前記第1天候要素および前記第2天候要素を指示可能であり、前記第1天候要素を指示する第1位置から前記第2天候要素を指示する第2位置への第1移動速度、および前記第2位置から前記第1位置への第2移動速度が同一の場合に示す前記天気情報と、前記第1移動速度および前記第2移動速度が異なる場合に示す前記天気情報と、のうち少なくともいずれか一方を指示できることが望ましい。
【0016】
上記の時計において、前記天気情報を外部機器から通信により取得する通信部を備え、前記外部機器から指示された地点に対応する前記天気情報と、前記地点が属するタイムゾーン情報と、を前記通信部により取得して前記記憶部に記憶させることが望ましい。
【0017】
上記の時計において、前記日情報は、日付、時間および曜日のうち少なくとも一つを含むことが望ましい。
【0018】
上記の時計において、前記天気情報は、天候、降水確率、降水量、気温、湿度、紫外線指数、風速および風向のうち少なくともいずれか1つを含むことが望ましい。
【0019】
上記の時計において、前記天気表示部は、複数の天気情報を表示することが望ましい。
【0020】
本発明の時計の制御方法は、文字板と、日情報を表示可能な日情報表示部と、前記文字板の外周に沿って形成され、天気情報が表示される天気表示部と、前記文字板の表側に、先端が前記天気表示部に近接するように配置され、時刻を表示可能な第1の指針、並びに前記文字板の表側に配置され、前記時刻を表示可能な第2の指針および第3の指針、を含む複数の指針と、を備える時計の制御方法であって、前記日情報、および前記日情報に対応する前記天気情報を取得し、前記第1の指針で前記天気情報を指示すると同時に、前記第2の指針および前記第3の指針は、前記第1の指針に指示された前記天気情報に関する前記時刻を表示し、前記第1の指針に指示された前記天気情報に対応する前記日情報を表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、日情報表示部により日情報を表示しつつ、指針により日情報に対応する天気情報を表示できる。したがって、日情報と天気情報とを対応付けて天気情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】各実施形態に係る時計の構成例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る時計の制御方法を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態に係る時計による天気情報の第1表示例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る時計による天気情報の第2表示例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る時計による天気情報の第3表示例を示す図である。
【
図8】第1実施形態の第1変形例に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の第2変形例に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態の第2変形例に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
【
図11】第1実施形態の第2変形例に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図13】第3実施形態に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
【
図14】第3実施形態の変形例に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図15】第4実施形態に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
【
図16】第4実施形態の変形例に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
【
図17】第4実施形態の変形例に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
【
図19】第5実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態の時計は、針を有するアナログクォーツ式時計である。なお、本発明の開示範囲はこれに限定されない。
[第1実施形態]
最初に、第1実施形態に係る時計の構成について説明する。
図1は、各実施形態に係る時計の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、時計1は、ケース10と、表示部20と、電源部40と、発振回路50と、分周回路60と、入力部70と、主制御部80(制御部)と、通信部90と、記憶部100と、駆動部110と、を備えている。時計1は、無線通信を介して端末9(外部機器)と通信を行い、情報の送受信を行う。
【0024】
端末9は、通信機能を有する機器、例えばスマートフォンやタブレット端末等である。端末9は、例えば操作部、表示部、制御部、GPS(Global Positioning System;グローバル・ポジショニング・システム)、通信部、電池等を含んで構成されている。端末9は、GPSを用いて取得した時刻情報や位置情報、インターネットを介して取得した天気情報、動作指示等を、無線通信を介して時計1へ送信する。
【0025】
<ケース>
図2は、第1実施形態に係る時計の平面図である。
図2に示すように、ケース10は、胴11と、裏蓋(不図示)と、ガラス12と、ベゼル13と、を備えている。胴11は、円筒状に形成されている。胴11には、ベゼル13が嵌合されている。胴11の一方の開口は、ベゼル13を介してガラス12により閉塞されている。胴11の他方の開口は、裏蓋(不図示)により閉塞されている。なお、以下の説明では、ケース10の裏蓋から見たガラス12側を表側と称し、その反対側を裏側と称する。
【0026】
<表示部>
表示部20は、文字板21と、ダイヤルリング27と、複数の針31~36と、日車38(日情報表示部)と、を備えている。なお、表示部20は、上述したベゼル13を含んでいてもよい。複数の針31~36は、時刻を表示可能な時針31(時刻指示針)、分針32(時刻指示針)および秒針33(指針)と、時針31、分針32および秒針33が表示する時刻とは異なる時刻を表示可能な小時針34および小分針35と、時計1が実行しているモード情報等を表示可能なモード針36と、である。文字板21は、後述する太陽電池41により円形状に形成され、ケース10の胴11の内側に配置されている。文字板21は、時針31、分針32および秒針33に対応する主目盛22と、小時針34および小分針35に対応する小目盛23と、モード針36に対応するモード目盛24と、日車38の日文字39を表示する小窓25と、を表側に備えている。
【0027】
ダイヤルリング27は、ケース10の胴11の内側において、ベゼル13の内周に取り付けられている。ダイヤルリング27は、文字板21の外周に沿って配置されている。ダイヤルリング27には、天気情報が表示される天気表示部28が形成されている。本実施形態では、天気情報は、天候である。天気表示部28は、各天候要素を示す複数のマーク29A~29Dを備えている。図示の例では、複数のマーク29A~29Dは、晴れを示す晴マーク29Aと、曇りを示す曇マーク29Bと、雨を示す雨マーク29Cと、雪を示す雪マーク29Dと、である。複数のマーク29A~29Dは、この順にダイヤルリング27の周方向に並んで配置されている。複数のマーク29A~29Dは、時針31、分針32および秒針33のうち少なくともいずれか1つの針に指示されることにより、天候を表示する。これにより、天気表示部28は、天気情報が複数の天候要素で構成される場合に対応している。
【0028】
複数の針31~36は、それぞれ文字板21の表側に配置されている。
時針31、分針32および秒針33は、文字板21の中央を通る第1回転軸O回りに回転する。時針31は、第1回転軸Oに直交する方向に沿って延びている。分針32は、第1回転軸Oに直交する方向に沿って時針31よりも長く延びている。分針32の先端32aは、時針31の先端31aよりも第1回転軸Oから離れ、時針31の先端31aよりもダイヤルリング27に近く位置している。秒針33は、第1回転軸Oに直交する方向に沿って分針32よりも長く延びている。秒針33の先端33aは、分針32の先端32aよりも第1回転軸Oから離れ、分針32の先端32aよりもダイヤルリング27に近く位置している。秒針33は、複数の針31~36のうち、先端が天気表示部28に最も近接する。すなわち、秒針33は、第1回転軸Oに直交する方向において天気表示部28に先端33aが最も接近している。
【0029】
時針31、分針32および秒針33は、これらの先端31a~33aを文字板21の主目盛22に合せることで、時刻を指示可能である。これにより、時針31、分針32、秒針33および主目盛22は、時刻を表示する主時計部2を構成している。
また、秒針33は、その先端33aをダイヤルリング27に形成された天気表示部28の複数のマーク29A~29Dのうちいずれかに合わせることで、天気情報を指示可能に形成されている。
【0030】
小時針34および小分針35は、第2回転軸P回りに回転する。第2回転軸Pは、第1回転軸Oから見て9時方向の位置に設けられている。小時針34は、第2回転軸Pに直交する方向に沿って延びている。小分針35は、第2回転軸Pに直交する方向に沿って小時針34よりも長く延びている。
【0031】
小時針34および小分針35は、これらの先端を文字板21の小目盛23に合せることで、時刻を指示可能に形成されている。これにより、小時針34、小分針35および小目盛23は、時刻を表示する小時計部3を構成している。
【0032】
モード針36は、第3回転軸Q回りに回転する。第3回転軸Qは、第1回転軸Oから見て6時方向の位置に設けられている。モード針36は、その先端を文字板21のモード目盛24に合せることで、例えば使用者が実行可能なモードや、時計1において実行されているモード等を指示する。
【0033】
日車38は、文字板21の裏側に配置されている。日車38は、第1回転軸O回りに回転する。日車38の表側を向く面には、日文字39が明示されている。日車38は、日文字39を文字板21の小窓25を通じて表側に露出させることで、日付を含む日情報を表示する。なお、日情報は、曜日および時間を含んでいてもよく、曜日を含む場合には、月曜日から日曜日までの曜日を示す曜文字が明示された曜車を用いる。
【0034】
<電源部>
図1に示すように、電源部40は、太陽電池41と、充放電制御回路42と、二次電池43と、を備えている。
太陽電池41は、例えばソーラーパネルであって、文字板21を形成している。太陽電池41は、受光面を表側に向けた状態で配置されている。太陽電池41は、光エネルギーを電力に変換し、充放電制御回路42を介して変換した電力を二次電池43に供給する。
【0035】
二次電池43は、太陽電池41から供給された電気エネルギーを蓄える蓄電池である。二次電池43は、例えばリチウムイオンポリマー電池である。二次電池43は、蓄えた電力を主制御部80と通信部90とに供給する。
充放電制御回路42は、太陽電池41によって発電された電力の二次電池43への充電を制御する。充放電制御回路42は、二次電池43に蓄電されている電力の、主制御部80および通信部90への供給を制御する。
【0036】
<発振回路>
発振回路50は、水晶振動子と組み合わせることで発振器を実現する回路である。発振回路50は、生成した所定の周波数の信号を分周回路60に出力する。
【0037】
<分周回路>
分周回路60は、発振回路50が出力した所定の周波数の信号を分周し、分周した信号を主制御部80に出力する。
【0038】
<入力部>
入力部70は、例えばボタン70Aや竜頭70B等である。入力部70は、ケース10の胴11の側面に配置されている。入力部70は、使用者により操作(例えば押圧操作)された場合に、この操作に応じた操作信号を主制御部80に出力する。
【0039】
<主制御部>
主制御部80は、入力部70が出力した操作結果に基づいて、時計1が備える各構成要素の制御を行う。主制御部80は、電源制御部81と、駆動制御部82と、を備えている。
【0040】
電源制御部81は、二次電池43から供給される電力を、所望の電圧値に降圧して、各回路に供給する。
駆動制御部82は、例えばモータドライバIC(集積回路)である。駆動制御部82は、駆動部110を駆動する駆動信号を生成し、生成した駆動信号によって駆動部110を駆動する。
【0041】
<通信部>
通信部90は、例えばWi-Fi(Wireless Fidelity)規格や、Bluetooth(登録商標) LE(Low Energy)規格の通信方式を用いて、端末9との間で天気情報を含む各種情報の送受信を行う。通信部90は、端末9等の外部機器から受信した情報を主制御部80に出力する。また、通信部90は、主制御部80が出力した情報を、端末9等の外部機器へ送信する。
【0042】
<記憶部>
記憶部100は、例えば、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)やROM(Read Only Memory、読み出し専用メモリ)等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部100は、主制御部80が通信部90を介して端末9から取得した情報等を記憶する。
【0043】
図3は、第1実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態では、記憶部100には、端末9から指示された所定地点におけるタイムゾーン情報と、日情報と、所定地点に対応するとともに日情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶されている。
図3に示す例では、記憶部100には、タイムゾーン情報として「UTC+9」が記憶され、日情報として「10日」が記憶され、天気情報として10日の天気予報である「晴れ」が記憶されている。なお、記憶部100には、サマータイムに関する情報を記憶されてもよい。
【0044】
<駆動部>
図1に示すように、駆動部110は、複数のステッピングモータ111A~111Gと、複数の輪列112A~112Gと、を備えている。複数のステッピングモータ111A~111Gは、第1ステッピングモータ111A、第2ステッピングモータ111B、第3ステッピングモータ111C、第4ステッピングモータ111D、第5ステッピングモータ111E、第6ステッピングモータ111Fおよび第7ステッピングモータ111Gである。複数の輪列112A~112Gは、第1輪列112A、第2輪列112B、第3輪列112C、第4輪列112D、第5輪列112E、第6輪列112Fおよび第7輪列112Gであって、それぞれ少なくとも1つの歯車を含んで構成されている。複数のステッピングモータ111A~111G、および複数の輪列112A~112Gは、ケース10の胴11の内側に配置された図示しない地板等に取り付けられている。
【0045】
各ステッピングモータ111A~111Gは、駆動制御部82が出力した駆動信号によって動作する。第1ステッピングモータ111Aは、第1輪列112Aを介して時針31を回転駆動する。第2ステッピングモータ111Bは、第2輪列112Bを介して分針32を回転駆動する。第3ステッピングモータ111Cは、第3輪列112Cを介して秒針33を回転駆動する。第4ステッピングモータ111Dは、第4輪列112Dを介して小時針34を回転駆動する。第5ステッピングモータ111Eは、第5輪列112Eを介して小分針35を回転駆動する。第6ステッピングモータ111Fは、第6輪列112Fを介してモード針36を回転駆動する。第7ステッピングモータ111Gは、第7輪列112Gを介して日車38を回転駆動する。
【0046】
<時計の動作>
次に、第1実施形態に係る時計1の動作について説明する。
図4は、第1実施形態に係る時計の制御方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、時計1の制御方法は、通信部90を介して端末9から日情報、および日情報に対応する天気情報を取得して記憶部100に記憶させるステップS10と、日情報を表示するステップS20と、天気情報を秒針33に指示させるステップS30と、を備えている。
【0047】
主制御部80は、入力部70が操作された場合に、時計1が実行する動作モードを制御する。ここで、動作モードは、針により現在時刻を指示する時刻計時モードや、針により天気情報を指示する天気表示モード等である。時刻計時モードと天気表示モードとは、例えば入力部70が操作されることで切り替わる。また、天気表示モードを実行中に入力部70が所定時間操作されなかった場合に、時刻計時モードに切り替わってもよい。主制御部80は、上述したステップS10を、時刻計時モードまたは天気表示モードにおける所定のタイミング(例えば一定時間毎)や、時刻計時モードから天気表示モードへの切り替え時等に実行する。
【0048】
主制御部80は、時刻計時モードにおいて、例えば、時計1の現在位置が属するタイムゾーンの現在時刻を主時計部2により表示するとともに、予め設定された地点が属するタイムゾーンの現在時刻を小時計部3により表示するように、駆動部110を制御する。すなわち、時計1は、時刻計時モードにおいて、時針31、分針32および秒針33により、時計1の現在位置における現在時刻を表示する。また、時計1は、時刻計時モードにおいて、小時針34および小分針35により、予め設定された地点の現在時刻を表示する。なお、時計1の現在位置は、使用者が設定してもよいし、端末9のGPSにより取得してもよく、さらには時計1がGPS機能を有していてもよい。
【0049】
主制御部80は、時刻計時モードの実行中に入力部70が操作された場合に、天気表示モードを実行する。主制御部80は、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、所定地点が属するタイムゾーンの現在時刻を時針31および分針32が所定時間指示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、記憶部100に記憶された情報に基づき、日情報を日車38により小窓25を通じて所定時間表示するように駆動部110を制御する(ステップS20)。さらに、主制御部80は、記憶部100に記憶された情報に基づき、所定地点に対応するとともに、日車38により表示される日情報に対応する天気情報を、秒針33が所定時間指示するように駆動部110を制御する(ステップS30)。所定地点は、GPS(全地球測位システム)等により取得された時計1の現在位置であってもよいし、使用者が端末9により指定した任意の位置であってもよい。なお、主制御部80は、
図4に示すように、ステップS20の後にステップS30を実行してもよいし、ステップS30の後にステップS20を実行してもよいし、さらにはステップS20およびステップS30を同時に実行してもよい。
【0050】
以下、天気表示モードにおいて、天気情報として10日の天気予報を表示する場合を例に挙げて説明する。なお、以下では、所定地点が属するタイムゾーンの現在時刻が9時36分の場合を例に挙げて説明する。
(第1表示例)
図5は、第1実施形態に係る時計による天気情報の第1表示例を示す図である。
図5に示すように、所定地点における10日の天気予報が晴れの場合、主制御部80は、秒針33が晴マーク29Aを指示する位置(以下、「晴指示位置」という。)へ移動して所定の第1時間(例えば数秒間)静止するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、日車38が小窓25を通じて「10」と明示された日文字39を表示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、時針31および分針32が9時36分を指示するように、駆動部110を制御する。
【0051】
(第2表示例)
図6は、第1実施形態に係る時計による天気情報の第2表示例を示す図である。
図6に示すように、所定地点における10日の天気予報が晴れ時々曇りの場合、主制御部80は、秒針33が晴指示位置へ移動して所定の第2時間(例えば数秒間)静止するように駆動部110を制御する。その後、主制御部80は、秒針33が曇マーク29Bを指示する位置(以下、「曇指示位置」という。)へ所定の第1移動速度で移動して第2時間静止するように駆動部110を制御する。続いて、主制御部80は、秒針33が晴指示位置へ第1移動速度で移動するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、日車38が小窓25を通じて「10」と明示された日文字39を表示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、時針31および分針32が9時36分を指示するように、駆動部110を制御する。なお、主制御部80は、秒針33が上述した晴指示位置と曇指示位置との間を1往復だけするように駆動部110を制御してもよいし、複数回往復するように駆動部110を制御してもよい。
【0052】
(第3表示例)
図7は、第1実施形態に係る時計による天気情報の第3表示例を示す図である。
図7に示すように、所定地点における10日の天気予報が晴れのち曇りの場合、主制御部80は、秒針33が晴指示位置へ移動して所定の第3時間静止するように駆動部110を制御する。その後、主制御部80は、秒針33が曇指示位置へ所定の第2移動速度で移動して所定の第4時間静止するように駆動部110を制御する。なお、第3時間と第4時間とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。続いて、主制御部80は、秒針33が晴指示位置へ第2移動速度よりも速い第3移動速度で移動するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、日車38が小窓25を通じて「10」と明示された日文字39を表示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、時針31および分針32が9時36分を指示するように、駆動部110を制御する。なお、主制御部80は、秒針33が上述した晴指示位置と曇指示位置との間を1往復だけするように駆動部110を制御してもよいし、複数回往復するように駆動部110を制御してもよい。
【0053】
上述した各表示例のように、秒針33は、晴指示位置から曇指示位置への移動速度、および曇指示位置から晴指示位置への移動速度、が同一の場合に示す天気情報(すなわち晴れのち曇り)と、異なる場合に示す天気情報(晴れ時々曇り)と、の両方を指示できる。
なお、上述した各表示例では、秒針33が晴マーク29Aや曇マーク29Bを指示する場合を説明したが、雨マーク29Cや雪マーク29Dを指示する場合も同様である。
【0054】
このように、本実施形態の時計1は、日情報および日情報に対応する天気情報を記憶する記憶部100と、日情報を表示可能な日車38と、天気情報が表示される天気表示部28と、天気情報を指示可能な秒針33と、を備える構成とした。
この構成によれば、日車38により日情報を表示しつつ、秒針33により日情報に対応する天気情報を表示できる。したがって、日情報と天気情報とを対応付けて中長期的な天気情報を表示することができる。よって、使用者は、日情報に応じた天気情報を直観的に把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0055】
また、時計1は、秒針33により天気情報を指示する。
また、秒針33は、例えば時刻計時モード実行時等、天気情報を指示しない場合に現在時刻を指示する。
このため、時計1は、天気情報を指示するための針を別途備えることなく、天気情報を表示することができる。
【0056】
また、秒針33は、所定地点に対応する天気情報を指示し、時計1は、所定地点の現在時刻を指示する時針31および分針32を更に備える。このため、時計1は、所定地点に対応する天気情報と現在時刻とを対応付けて表示することができる。
【0057】
また、秒針33の先端33aは、複数の針31~36の先端のうち天気表示部28に最も近接するので、使用者に秒針33が天気情報を指示していることを直感的に認識させることができる。したがって、天気情報をわかりやすく表示することができる。
【0058】
また、秒針33は、晴指示位置から曇指示位置への移動速度、および曇指示位置から晴指示位置への移動速度が同一の場合(第2表示例)に示す天気情報(晴れのち曇り)と、晴指示位置から曇指示位置への移動速度、および曇指示位置から晴指示位置への移動速度が異なる場合(第3表示例)に示す天気情報(晴れ時々曇り)と、の両方を指示できる。このため、晴れおよび曇りの2種類の天候要素により構成される天気情報を1つの針(秒針33)により指示することができる。よって、秒針33以外の針を、天気情報以外の情報を指示するために用いることができる。したがって、天気情報を含むより多くの情報を表示可能な時計1とすることができる。
【0059】
また、主制御部80は、端末9から指示された所定地点に対応する天気情報と、所定地点が属するタイムゾーン情報と、を通信部90により取得して記憶部100に記憶させる。このため、任意の地点における天気情報および時刻情報を時計1に表示させることができる。
【0060】
そして、本実施形態の時計1の制御方法は、日情報、および日情報に対応する天気情報を取得するステップS10と、日情報を表示するステップS20と、天気情報を秒針33に指示させるステップS30と、を備えているので、日情報と天気情報とを対応付けて天気情報を表示させることができる。よって、使用者は、日情報に応じた天気情報を直観的に把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0061】
[第1実施形態の第1変形例]
上述した第1実施形態では、時計1は、1箇所の所定地点に対応する天気情報を表示可能とされているが、複数の地点のそれぞれに対応する天気情報を表示可能とされていてもよい。
【0062】
図8は、第1実施形態の第1変形例に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
図8に示すように、記憶部100は、複数の地点と、各地点が属するタイムゾーン情報と、各地点における日情報と、各地点に対応するとともに日情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶される。
【0063】
時計1は、天気表示モードにおいて入力部70が操作される毎に、記憶部100に記憶された情報に基づき、記憶部100に記憶された複数の地点のそれぞれに対応する現在時刻と、日情報と、天気情報と、を地点毎に順に表示する。各地点に対応する現在時刻、日情報および天気情報の表示方法は、第1実施形態と同様である。なお、入力部70が操作される毎に表示される地点の順は、例えば、ユーザーが予め端末9において指定する順序でもよいし、時計1の現在位置からの距離に応じた順序でもよい。
【0064】
このように、本変形例によれば、複数の地点と、各地点に対応するとともに日情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶部100に記憶されるので、複数の地点における天気情報を日情報とともに表示できる。よって、使用者は、複数の地点における日情報に応じた天気情報を直観的に把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0065】
[第1実施形態の第2変形例]
上述した第1実施形態では、時計1は、特定の日情報に対応する天気情報を表示可能とされているが、複数の日情報のそれぞれに対応する天気情報を表示可能とされていてもよい。
【0066】
図9は、第1実施形態の第2変形例に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
図9に示すように、記憶部100は、所定地点が属するタイムゾーン情報と、複数の日情報と、所定地点に対応するとともに各日情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶される。記憶部100に記憶される複数の日情報は、第1日情報(図示の例では10日)と、第2日情報(図示の例では11日)と、第3日情報(図示の例では12日)と、を含んでいる。第2日情報が含む日付は、第1日情報が含む日付よりも後の日付であって、例えば第1日情報が含む日付の1日後である。第3日情報が含む日付は、第2日情報が含む日付よりも後の日付であって、例えば第1日情報が含む日付の2日後である。
【0067】
時計1は、天気表示モードにおいて入力部70が操作される毎に、記憶部100に記憶された情報に基づき、所定地点が属するタイムゾーンの現在時刻と、記憶部100に記憶された複数の日情報のそれぞれと、各日情報に対応する天気情報と、を日情報毎に順に表示する。主制御部80は、日車38により表示される日情報の変更に伴い、日車38により表示される日情報に対応する天気情報を秒針33により指示するように、駆動部110を制御する。現在時刻、日情報および天気情報の表示方法は、第1実施形態と同様である。なお、入力部70が操作される毎に表示される日情報の順は、例えば、現在の日付から近い順である。
【0068】
図10および
図11は、第1実施形態の第2変形例に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
図10に示すように、主制御部80は、時刻計時モードにおいて入力部70が操作されることで、日車38が複数の日情報のうち最も現在の日付に近い第1日情報を表示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、秒針33が日車38により表示された日情報に対応する天気情報を指示するように駆動部110を制御する。
【0069】
図11に示すように、主制御部80は、
図10に示す状態から所定時間内に入力部70が操作されることで、日車38が複数の日情報のうち2番目に現在の日付に近い第2日情報を表示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、秒針33が日車38により表示された日情報に対応する天気情報を指示するように駆動部110を制御する。
所定時間内に入力部70が再度操作された場合も同様である。
【0070】
このように、本変形例では、複数の日情報と、所定地点に対応するとともに各日情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶部100に記憶される。そして、主制御部80は、日車38により表示される日情報の変化に伴い、日車38により表示される日情報に対応する天気情報を秒針33により指示するように駆動部110を制御する。このため、複数の日情報に対応する天気情報を日情報とともに表示できる。よって、使用者は、複数の日情報に応じたそれぞれの天気情報を直観的に把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0071】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、時計1は、所定地点に対応する現在時刻および天気情報を表示可能とされているが、所定地点に対応する天気情報、および天気情報に関する時刻を表示可能とされていてもよい。
【0072】
図12は、第2実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
図12に示すように、記憶部100は、所定地点が属するタイムゾーン情報と、日情報と、所定地点に対応するとともに日情報に対応する天気情報と、天気情報に関する時刻情報と、が対応付けられて記憶される。天気情報に関する時刻情報は、天気情報に対応する時刻、および天気情報が更新された時刻のうち少なくともいずれか一方の時刻である。
【0073】
主制御部80は、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、日情報を日車38により小窓25を通じて表示するように駆動部110を制御する。また、主制御部80は、所定地点に対応するとともに、秒針33が日車38により表示される日情報に対応する天気情報を所定時間指示するように駆動部110を制御する。さらに、主制御部80は、秒針33により指示される天気情報に関する時刻を時針31(情報時刻指示針)および分針32(情報時刻指示針)が指示するように駆動部110を制御する。
【0074】
このように、本実施形態によれば、天気情報に対応する時刻、および天気情報が更新された時刻のうち少なくともいずれか一方の時刻を指示可能な時針31および分針32を備える。このため、天気情報と、天気情報に対応する時刻や天気情報が更新された時刻と、を日情報とともに表示できる。よって、使用者は、日情報に応じた天気情報と、天気情報に対応する時刻や天気情報が更新された時刻と、を把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0075】
[第3実施形態]
上述した第1実施形態の第2変形例では、時計1は、秒針33により複数の日情報のそれぞれに対応する天気情報を指示可能とされている。これに対して、第3実施形態では、時計1は、時針31(指針)、分針32(指針)および秒針33(指針)により、複数の日情報のそれぞれに対応する天気情報を指示可能とされている。
【0076】
記憶部100には、第1実施形態の第2変形例と同様に、所定地点が属するタイムゾーン情報と、複数の日情報と、所定地点に対応するとともに各日情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶される。記憶部100に記憶される複数の日情報は、第1日情報と、第2日情報と、第3日情報と、を含んでいる。第2日情報が含む日付は、第1日情報が含む日付よりも後の日付であって、例えば第1日情報が含む日付の1日後である。第3日情報が含む日付は、第2日情報が含む日付よりも後の日付であって、例えば第1日情報が含む日付の2日後である。
【0077】
図13は、第3実施形態に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
図13に示すように、主制御部80は、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、秒針33が第1日情報に対応する天気情報を所定時間指示し、分針32が第2日情報に対応する天気情報を所定時間指示し、時針31が第3日情報に対応する天気情報を所定時間指示するように駆動部110を制御する。時針31、分針32および秒針33は、先端の位置が天気表示部28に近い順に、現在の日付に近い日情報に対応する天気情報を指示する。
【0078】
なお、主制御部80は、天気表示モードにおいて、所定地点が属するタイムゾーンの現在時刻や、時計1の現在位置が属するタイムゾーンの現在時刻を小時計部3が表示するように駆動部110を制御してもよい。
【0079】
このように、本実施形態によれば、時計1は、秒針33が第1日情報に対応する天気情報を指示し、分針32が第2日情報に対応する天気情報を指示し、時針31が第3日情報に対応する天気情報を指示する場合を表示できるように構成されている。このため、複数の日情報に対応するそれぞれの天気情報を一括して表示することが可能となり、天気の推移を使用者に容易に認識させることができる。よって、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0080】
[第3実施形態の変形例]
上述した第3実施形態では、時計1は、時針31、分針32および秒針33により、複数の日情報に対応する天気情報を指示可能とされているが、時針31、分針32および秒針33により、複数の時刻に対応する天気情報を指示可能とされていてもよい。
【0081】
図14は、第3実施形態の変形例に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
図14に示すように、記憶部100には、所定地点が属するタイムゾーン情報と、日情報と、複数の時刻情報と、所定地点に対応するとともに日情報および各時刻情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶される。記憶部100に記憶される複数の時刻情報は、第1時刻(図示の例では9時)と、第2時刻(図示の例では12時)と、第3時刻と(図示の例では15時)、を含んでいる。第2時刻は、第1時刻よりも後の時刻であって、例えば第1時刻の3時間後である。第3時刻は、第2時刻よりも後の時刻であって、例えば第1時刻の6時間後である。
【0082】
主制御部80は、第3実施形態と同様に、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、秒針33が第1時刻に対応する天気情報を所定時間指示し、分針32が第2時刻に対応する天気情報を所定時間指示し、時針31が第3時刻に対応する天気情報を所定時間指示するように駆動部110を制御する。時針31、分針32および秒針33は、先端の位置が天気表示部28に近い順に、現在時刻に近い時刻情報に対応する天気情報を指示する。
【0083】
このように、本変形例によれば、時計1は、秒針33が第1時刻に対応する天気情報を指示し、分針32が第2時刻に対応する天気情報を指示し、時針31が第3時刻に対応する天気情報を指示する場合を表示できるように構成されている。このため、複数の時刻に対応する天気情報を一括して表示することが可能となり、天気の推移を使用者に容易に認識させることができる。よって、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0084】
[第4実施形態]
上述した第1実施形態では、複数の天候要素を含む天気情報を針により指示する場合に、各天候要素を示すマーク29A~29Dを指示する位置間で秒針33を移動させている。これに対して、第4実施形態では、一対の天候要素を含む天気情報を針により指示する場合に、各天候要素を示すマーク29A~29Dを秒針33および分針32により各別に指示する。
【0085】
主制御部80は、天気情報が複数の天候要素により構成される場合、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、秒針33および分針32が各天候要素を各別に指示するように駆動部110を制御する。具体的に、主制御部80は、天気表示モードにおいて、秒針33が天気情報に含まれる第1の天候要素を所定時間指示し、分針32が天気情報に含まれる第2の天候要素を所定時間指示するように駆動部110を制御する。
【0086】
図15は、第4実施形態に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
図15に示すように、所定地点における10日の天気予報が晴れのち曇りの場合、主制御部80は、秒針33が晴マーク29Aを指示し、分針32が曇マーク29Bを指示するように、駆動部110を制御する。
【0087】
このように、本実施形態によれば、天気情報が複数の天候要素で構成される場合、秒針33および分針32は、複数の天候要素を各別に指示するので、1つの針を移動させながら複数の天候要素を1つの針により順に指示する場合と比較して、使用者に対してより迅速に天気情報を認識させることができる。よって、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0088】
[第4実施形態の変形例]
上述した第4実施形態では、一対の天候要素を含む天気情報を針により指示する場合に、一方の天候要素を秒針33が指示し、他方の天候要素を分針32が指示している。これに対して第4実施形態の変形例では、一対の天候要素のうち一方の天候要素のみを秒針33および分針32が指示する状態と、一対の天候要素を秒針33および分針32が各別に指示する状態と、の間を移行する。
【0089】
主制御部80は、天気情報が複数の天候要素により構成される場合、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、秒針33および分針34が天気情報に含まれる第1の天候要素を所定の第5時間指示した後、分針34を天気情報に含まれる第2の天候要素に対応する位置へ所定速度で移動させ、分針34が第2の天候要素を所定の第6時間指示するように、駆動部110を制御する。なお、分針34が第1の天候要素を指示する位置から第2の天候要素を指示する位置へ移動する際の所定速度は、天気情報に応じて異なる速度に設定してもよい。
【0090】
図16および
図17は、第4実施形態の変形例に係る時計による天気情報の表示例を示す図である。
所定地点における10日の天気予報が晴れのち曇りの場合、主制御部80は、
図16に示すように、秒針33および分針32が晴指示位置へ移動して所定の第5時間静止するように駆動部110を制御する。続いて、主制御部80は、
図17に示すように、分針32が曇指示位置へ所定速度で移動して所定の第6時間静止するように駆動部110を制御する。なお、主制御部80は、分針32が晴指示位置と曇指示位置との間を往復するように駆動部110を制御してもよいし、晴指示位置から曇指示位置への一方向の移動のみを行うように駆動部110を制御してもよい。
【0091】
このように、本変形例によれば、一対の天候要素のうち一方の天候要素のみを秒針33および分針32が指示する状態と、一対の天候要素を秒針33および分針32が各別に指示する状態と、の間を移行するので、一対の天候要素を秒針33および分針32が各別に指示するだけの場合と比較して、一対の天候要素により構成される天気情報を詳細に指示することができる。
【0092】
[第5実施形態]
上述した第1実施形態では、時計1が表示する天気情報は、天候である。これに対して、第5実施形態では、時計1が表示する天気情報は、降水確率である。
【0093】
図18は、第5実施形態に係る時計の平面図である。なお、
図18では、時計1は、天気表示モードを実行して天気情報を表示している。
図18に示すように、ダイヤルリング27に形成された天気表示部28は、確率を示す目盛29を備えている。目盛29は、ダイヤルリング27の周方向に沿って配置されている。目盛29は、時針31、分針32および秒針33のうち少なくともいずれか1つの針に指示されることにより、降水確率を表示する。
【0094】
図19は、第5実施形態に係る記憶部に記憶されている情報の一例を示す図である。
図19に示すように、記憶部100には、第3実施形態の変形例と同様に、所定地点が属するタイムゾーン情報と、日情報と、複数の時刻情報と、所定地点に対応するとともに日情報および各時刻情報に対応する天気情報と、が対応付けられて記憶される。記憶部100に記憶される複数の時刻情報は、第1時刻(図示の例では9時)と、第2時刻(図示の例では12時)と、第3時刻と(図示の例では15時)、を含んでいる。第2時刻は、第1時刻よりも後の時刻であって、例えば第1時刻の3時間後である。第3時刻は、第2時刻よりも後の時刻であって、例えば第1時刻の6時間後である。記憶部100に記憶される天気情報は、降水確率である。
【0095】
図18に示すように、主制御部80は、天気表示モードにおいて、記憶部100に記憶された情報に基づき、秒針33が第1時刻に対応する天気情報を所定時間指示し、分針32が第2時刻に対応する天気情報を所定時間指示し、時針31が第3時刻に対応する天気情報を所定時間指示するように駆動部110を制御する。時針31、分針32および秒針33は、先端の位置が天気表示部28に近い順に、現在時刻に近い時刻情報に対応する天気情報を指示する。
【0096】
このように、本実施形態によれば、天気表示部28により表示される天気情報が降水確率であるので、時計1は、降水確率を日情報とともに表示できる。よって、使用者は、日情報に応じた降水確率の情報を直観的に把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0097】
[第6実施形態]
上述した各実施形態では、天気表示部28は、天候および降水確率のいずれか一方の天気情報が表示されている。これに対して、第6実施形態では、天気表示部28は、複数の天気情報が表示されている。
【0098】
図20は、第6実施形態に係る時計の平面図である。
図20に示すように、ダイヤルリング27に形成された天気表示部28は、確率を示す目盛29と、各天候要素を示す複数のマーク29A~29Dと、を備えている。目盛29は、時針31、分針32および秒針33のうち少なくともいずれか1つの針に指示されることにより、降水確率を表示する。複数のマーク29A~29Dは、時針31、分針32および秒針33のうち少なくともいずれか1つの針に指示されることにより、天候を表示する。これにより、時計1は、天候および降水確率を表示することができる。
【0099】
主制御部80は、天気表示モードにおいて入力部70が操作される毎に、複数の天気情報のうちいずれかを、例えば秒針33が順に指示するように駆動部110を制御する。
【0100】
このように、本実施形態によれば、天気表示部は複数の天気情報(本実施形態では天候および降水確率)を表示するように構成されているので、時計1は、複数の天気情報を日情報とともに表示できる。よって、使用者は、日情報に応じた複数の天気情報を直観的に把握することができ、天気情報を利用する際の時計の利便性を確保することができる。
【0101】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、天気情報は、天候および降水確率のうちいずれか一方を含んでいるが、これに限定されず、天気情報は、天候、降水確率、降水量、気温、湿度、紫外線指数、風速および風向のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、日付を含む日情報を日車38により表示しているが、これに限定されない。時計は、例えば文字板21における小窓25が形成されている部分に、日付を含む日情報を表示可能な液晶表示装置(LCD)を備える構成であってもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、天気表示部28は、ダイヤルリング27に形成されているが、これに限定されない。天気表示部は、例えばベゼル13や文字板21に形成されていてもよい。なお、天気表示部が文字板21に形成され、かつ天気情報を1つの針で指示する場合には、複数の針31~36のうち、先端が天気表示部に最も近接する針により天気情報を指示することが望ましい。
【0104】
また、上記実施形態では、複数の針31~36のうち、現在時刻を指示可能な秒針33、分針32および時針31により天気情報を指示するが、これに限定されない。時計は、天気情報を指示するために設けられた針を、秒針33、分針32および時針31以外に備えていてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、天気情報を指示する指針を、物質的、物理的、機械的に非一時的に存在する、いわゆるアナログ針に基づき説明したが、これに限定されない。液晶表示等によりドット表示、インジケータ表示、ゲージレベル表示、動的なアニメーション表示等の形態により表現され一時的に存在する、いわゆるデジタル表示として構成されてもよい。
【0106】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…時計 9…端末(外部機器) 28…天気表示部 31…時針(指針、時刻指示針、情報時刻指示針、針) 32…分針(指針、時刻指示針、情報時刻指示針、針) 33…秒針(指針、針) 34…小時針(針) 35…小分針(針) 36…モード針(針) 38…日車(日情報表示部) 80…主制御部(制御部) 90…通信部 100…記憶部