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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20220128BHJP
   B65G 17/26 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
B65G47/52 A
B65G17/26 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017046231
(22)【出願日】2017-03-10
(65)【公開番号】P2018150100
(43)【公開日】2018-09-27
【審査請求日】2019-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】長松 純一
(72)【発明者】
【氏名】土居川 範幸
(72)【発明者】
【氏名】山内 純也
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-058509(JP,U)
【文献】特開2001-151341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52
B65G 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向の上流から供給される複数の物品を載せる、前記搬送方向に直交する幅方向に間隔をあけて設けられる複数の渡りプレートと、
前記渡りプレートから受け渡される、グループ化された複数の前記物品を前記搬送方向の下流に向けて搬送するコンベアと、
グループ化された複数の前記物品を前記上流の側及び下流の側から支持する、前記幅方向に間隔をあけて設けられる複数の搬送ガイドと、を備え、
前記渡りプレートは、
前記幅方向に隣接する前記搬送ガイドの間に挿入され、かつ、前記コンベアの前記物品の搬送面に接し、
前記渡りプレートは、
先端側と後端側を有するプレート本体と、
前記プレート本体の前記後端側に積層される、前記プレート本体よりも剛性の高い支持体と、
から構成される物品搬送装置。
【請求項2】
前記プレート本体は、柔軟性のある材料から構成され、
前記支持体は、金属材料から構成される、
請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記支持体が積層されていない、前記プレート本体だけからなる部分が前記搬送面と接する、
請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
搬送方向の上流から供給される複数の物品を載せる、前記搬送方向に直交する幅方向に間隔をあけて設けられる複数の渡りプレートと、
前記渡りプレートから受け渡される、グループ化された複数の前記物品を前記搬送方向の下流に向けて搬送するコンベアと、
グループ化された複数の前記物品を前記上流の側及び下流の側から支持する、前記幅方向に間隔をあけて設けられる複数の搬送ガイドと、を備え、
前記渡りプレートは、
前記幅方向に隣接する前記搬送ガイドの間に挿入され、かつ、前記コンベアの前記物品の搬送面に接し、
前記渡りプレートは、
前記搬送方向の前記上流から前記下流に向けて、下向きに傾斜することで前記搬送面と接することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項5】
搬送方向の上流から供給される複数の物品を載せる、前記搬送方向に直交する幅方向に間隔をあけて設けられる複数の渡りプレートと、
前記渡りプレートから受け渡される、グループ化された複数の前記物品を前記搬送方向の下流に向けて搬送するコンベアと、
グループ化された複数の前記物品を前記上流の側及び下流の側から支持する、前記幅方向に間隔をあけて設けられる複数の搬送ガイドと、を備え、
前記渡りプレートは、
前記幅方向に隣接する前記搬送ガイドの間に挿入され、かつ、前記コンベアの前記物品の搬送面に接し、
前記搬送ガイドは、
前記搬送方向の前記上流の側において、複数の前記物品を案内する上流ガイドと、
前記搬送方向の前記下流の側において、複数の前記物品を案内する下流ガイドと、を備え、
前記上流ガイドは前記搬送方向の前記コンベアに対する相対的な位置が固定され、前記下流ガイドは前記搬送方向の前記コンベアに対する相対的な位置が変更可能であり、
前記渡りプレートは、
前記コンベアに対する相対的な位置が変更可能な、前記下流ガイドを乗り越える物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複数の容器をグループ単位で上流側から下流側のコンベアへ受け渡すことのできる物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上流側から下流側のコンベアへ物品を受け渡す境界部分には、特許文献1~特許文献4に記載されるように、渡りプレートと称される部材が設けられる。渡りプレートとして、特許文献2及び特許文献4に開示されるように、複数の渡りプレートが所定の間隔をあけてくし歯状に配列されたものがある。
【0003】
渡りプレートが設けられる受け渡し装置は、例えば段ボールケーサに適用される。段ボールケーサは、特許文献5に記載されるように、所定数ごとに物品をグループ分けし、このグループの単位で上流コンベアから下流コンベアに受け渡される。
このグループを区分するのがくし歯状に配列された搬送ガイドである。このガイドは、特許文献4にも記載されるが、上流側においてグループをガイドする上流ガイドと、下流側においてグループをガイドする下流ガイドと、からなる。くし歯状に配列される渡りプレートは、隣接する搬送ガイドの間に設けられる。搬送ガイドはコンベアの走行に伴って走行するが、渡りプレートはコンベアの走行とはかかわりなく定位置に留まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平03-002515号公報
【文献】実公平04-032349号公報
【文献】特開2003-192125号公報
【文献】特開2010-155615号公報
【文献】特開2013-245002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の物品搬送装置は、搬送する容器に応じて上流ガイドと下流ガイドの間隔を変えることがあり、そのために、例えば、搬送方向に直交する幅方向に連なる連結梁で下流ガイドと一体的に形成し、この連結梁ごとで下流ガイドの位置を変更できるようにしている。この連結梁は、容器の搬送面よりも高い位置にあり、また、渡りプレートが設けられる位置に重なる。したがって、コンベア及び搬送コンベアの走行にともなって渡りプレートがこの連結梁を乗り越えるが、この乗り越えの際に渡りプレートに急激な段差の変化が生じることで、搬送する物品が傾いて転倒するおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、くし歯状に配列される渡りプレートに急激な段差の変化が生じるのを避けることで、搬送される物品の姿勢を維持して、渡りプレートから安定して物品を受け渡すことのできる物品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の物品搬送装置は、搬送方向の上流から供給される複数の物品を載せる、搬送方向に直交する幅方向に間隔をあけて設けられる複数の渡りプレートと、渡りプレートから受け渡される、グループ化された複数の物品を搬送方向の下流に向けて搬送するコンベアと、グループ化された複数の物品を上流の側及び下流の側から支持する、幅方向に間隔をあけて設けられる複数の搬送ガイドと、を備える。
本発明における渡りプレートは、幅方向に隣接する搬送ガイドの間に挿入され、かつ、コンベアの物品の搬送面に接する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明における渡りプレートは、搬送方向の上流から下流に向けて、下向きに傾斜することで搬送面と接することができる。
【0009】
本発明における渡りプレートは、先端側と後端側を有するプレート本体と、プレート本体の後端側に積層される、プレート本体よりも剛性の高い支持体と、からなり、支持体が積層されていない、プレート本体だけからなる部分が搬送面と接することが好ましい。
この渡りプレートにおいて、プレート本体を柔軟性のある材料から構成し、支持体を金属材料から構成することができる。
【0010】
本発明における搬送ガイドは、搬送方向の上流の側において、複数の物品を案内する上流ガイドと、搬送方向の下流の側において、複数の物品を案内する下流ガイドと、を備えることができる。この搬送ガイドは、上流ガイドは搬送方向のコンベアに対する相対的な位置が固定され、下流ガイドは搬送方向のコンベアに対する相対的な位置が変更可能であり、渡りプレートは、コンベアに対する相対的な位置が変更可能な、下流ガイドを乗り越える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の物品搬送装置によれば、物品が載せられた渡りプレートが搬送面に接する。したがって、本実施形態の物品搬送装置によれば、物品が下流側のコンベアに受け渡されるときの段差を渡りプレートの厚さに相当する最小限に抑えることができるので、物品は安定した姿勢を維持したままで下流側のコンベアに受け渡される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る物品搬送装置の概略構成を示す側面図である。
図2図1の物品搬送装置の要部を示す側面図である。
図3図2に対応する物品搬送装置の平面図である。
図4図1の物品搬送装置の動作を示す側面図であり、(a)、(b)の順に動作が進む。
図5図4に続いて図1の物品搬送装置の動作を示す側面図であり、(a)、(b)の順に動作が進む。
図6図5に続いて図1の物品搬送装置の動作を示す側面図であり、(a)、(b)の順に動作が進む。
図7図6に続いて図1の物品搬送装置の動作を示す側面図である。
図8】(a)は図1の物品搬送装置の渡りプレートを示す平面図及び側面図であり、(b)は渡りプレート受け部品を示す平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、図1に示すように、物品としてのプラスチック製の容器100を搬送する物品搬送装置1に関するものであり、くし歯状に配列される搬送ガイド16とくし歯状に配列される渡りプレート20を備える。本実施形態における渡りプレート20は、容器100が下流側のコンベアに受け渡されるときの段差を最小限に抑えることができるとともに、可動ガイド18を乗り越える際の段差を最小限に抑えることができる。
以下、物品搬送装置1の構成について説明した後に、物品搬送装置1が奏する効果について説明する。
【0014】
[全体構成]
物品搬送装置1は、図1図3に示すように、上流側の図示を省略する装置から受け取る容器100を載せて搬送する搬送部10と、上流から受け渡された容器100を載せて搬送部10に受け渡す渡りプレート20と、を備える。
【0015】
[搬送部10]
搬送部10は、複数の走行ステーユニット11と、容器100を上流(U)から走行ステーユニット11に向けて押すフライトバー15と、走行ステーユニット11に対応して設けられる搬送ガイド16と、を備えている。なお、搬送部10が本発明におけるコンベアを構成する。
なお、本実施形態において、容器100が搬送される向き(以下、搬送方向F)を基準にして上流(U)及び下流(D)が特定されるものとする。ただし、上流及び下流は相対的な意味を有する。
【0016】
搬送部10は、図示を省略する上流側のコンベアにおいて所定本数にグループ化された容器100を受け取り、受け取った容器100をグループ単位で搬送する。所定本数の容器100からなる搬送グループGは、搬送方向Fの前後の搬送グループGと所定の間隔を隔てて搬送される。
走行ステーユニット11は、複数の角管13を搬送方向Fに並べて構成される。図1及び図2には走行ステーユニット11が一つだけ記載されているが、物品搬送装置1は、複数の走行ステーユニット11がトラック状に配置されることにより周回軌道を有するコンベアを構成する。走行ステーユニット11の角管13の上面が容器100を載せる搬送面14を構成する。
走行ステーユニット11は、図3に示すように、幅方向Wの両端に無端状の駆動チェーン12が取り付けられている。この駆動チェーン12に駆動力を付与することにより、走行ステーユニット11が周回軌道上を走行する。
【0017】
フライトバー15は、図1に一点鎖線で示す循環経路Rを移動することで、搬送グループGをなす容器100を搬送方向Fの上流(U)から下流(D)に向けて押す。フライトバー15は、容器100が走行ステーユニット11に受け渡されると、容器100を押すのを終えて容器100から上方に退避する。
【0018】
[搬送ガイド16]
次に、搬送ガイド16は、容器100の搬送グループGを搬送方向Fに他のグループGと区分しかつガイドする。搬送ガイド16は、図1に示すように、搬送グループGを上流側で区画する基準ガイド17と、搬送グループGを下流側で区画する可動ガイド18と、を備える。基準ガイド17が本発明の上流ガイドを構成し、可動ガイド18が本発明の下流ガイドを構成する。
なお、物品搬送装置1の運転時において、搬送ガイド16は走行ステーユニット11の走行に伴って走行するが、渡りプレート20は走行ステーユニット11の走行とはかかわりなく定位置に留まる。
【0019】
基準ガイド17は、図1及び図2に示すように、走行ステーユニット11の角管13の上流側の側面に取り付けられる。基準ガイド17は、その大部分が搬送面14から上方に突き出しており、容器100の下端部を上流側から指示してガイドする。隣接する基準ガイド17,17の間には搬送面14が設けられるだけであり、渡りプレート20は隣接する基準ガイド17,17の間に位置するとき、搬送面14に常に接する。
【0020】
可動ガイド18は、図1図3に示すように、断面がL字状をなしており、連結梁18Aと、連結梁18Aから立ち上がるガイド片18Bと、を備えている。
連結梁18Aは、走行ステーユニット11をなす角管13の搬送面14に平行に設けられ、ガイド片18Bは、連結梁18Aから鉛直方向Vに立ち上がる。渡りプレート20は、可動ガイド18を通過するときに、隣接するガイド片18Bとガイド片18Bの間を通過する。また、渡りプレート20は、図4図6に示すように、可動ガイド18を通過するときに、連結梁18Aの上を乗り越える。
【0021】
可動ガイド18は、図1及び図2に示すように、連結梁18Aが走行ステーユニット11の搬送面14から微小距離だけ鉛直方向Vの上方に離れて設けられており、また、搬送方向Fにおける位置を変更できる。つまり、可動ガイド18は、図3に示すように、連結梁18Aが走行ステーユニット11の幅方向Wの両端に設けられる駆動チェーン12,12に架け渡されている。この連結梁18Aの駆動チェーン12,12に対する搬送方向Fの位置を変えることにより、可動ガイド18のガイド片18Bの位置を変更できる。
【0022】
ここで、物品搬送装置1は異なる寸法、形状の容器100を搬送することを想定している。これに対応するために、物品搬送装置1は可動ガイド18の位置を変更できるようになっている。
【0023】
例えば、図1に示される容器100よりも直径の小さい容器100を同じ本数だけ搬送するときには、可動ガイド18を基準ガイド17に近づける。逆に、図1に示される容器100よりも直径の大きい容器100を同じ本数だけ搬送するときには、可動ガイド18を基準ガイド17から遠ざける。
【0024】
以上のように、可動ガイド18の基準ガイド17に対する位置を容易に変更できるように、可動ガイド18は、走行ステーユニット11に取り付けるのではなく、走行ステーユニット11から独立して設けられる。
ただし、可動ガイド18が搬送面14から離れて設けられることにより、渡りプレート20が可動ガイド18の連結梁18Aを乗り越えるときに、急激な段差が生じる可能性を含んでいる。この点について詳しくは後述する。
【0025】
[渡りプレート20]
次に、渡りプレート20は、上流から受け渡された容器100を載せて搬送部10に受け渡す。
渡りプレート20は、図3に示すように、幅方向Wに隣接する基準ガイド17、可動ガイド18の間に挿入される幅方向Wの寸法である幅が設定されている。つまり、渡りプレート20は、平面視するとくし歯状に配列される基準ガイド17、可動ガイド18の間の数に対応する数だけ設けられ、基準ガイド17、可動ガイド18の間に挿入される。
【0026】
また、渡りプレート20は、容器100が渡りプレート20から走行ステーユニット11に乗り移るときに、角管13と角管13の間の隙間に、容器100が触れずに済むように、搬送方向Fの寸法を設定するのが好ましい。
【0027】
次に、それぞれの渡りプレート20は、図1及び図8に示すように、プレート本体21と、プレート本体21と積層されることでプレート本体21を支持する支持体23と、からなる。
プレート本体21は、図8に示すように、所定位置に固定される後端部21Bと、後端部21Bの反対側の先端部21Aと、を備える。支持体23は、プレート本体21の後端部21Bから先端部21Aに向けた中間位置にかけて設けられる。
【0028】
渡りプレート20は、図1に示すように、プレート本体21が走行ステーユニット11の搬送面14に接している。図1は容器100が載せられているが、本実施形態においては、容器100が載らない無負荷の状態においても、プレート本体21が搬送面14に接する。したがって、容器100が渡りプレート20から走行ステーユニット11に受け渡されるときの、容器100の段差はプレート本体21の板厚に相当する大きさである。しかも、容器100が渡りプレート20から走行ステーユニット11に乗り移る際に、渡りプレート20が弾性による搬送面14からの跳ね上がりが抑えられる。このように、本実施形態の渡りプレート20は、容器100が受け渡されるときの段差を最小限にできる。
【0029】
渡りプレート20は、図1及び図5に示すように、後端部21Bの側にクランク状に折り曲げられた屈曲部21Cを備えており、この屈曲部21Cから先端部21Aまでの部分が、搬送方向Fの上流から下流に向けて、下向きに傾斜している。したがって、容器100が載せられた渡りプレート20は、走行ステーユニット11の搬送面14に容易に接触できる。
【0030】
次に、プレート本体21は、支持体23に比べて剛性及び弾性が低く、柔軟性の高い薄板状の樹脂材料で構成されている。したがって、渡りプレート20が下向きに傾斜していることと相まって、プレート本体21だけで構成されている部分に容器100が載ると、プレート本体21は搬送面14になじむように接することができる。
また、プレート本体21だけで構成されている部分は、走行ステーユニット11の走行に伴って、可動ガイド18の連結梁18Aを乗り越えるときには、走行面14と連結梁18Aの上面との間隔の分だけたわむ。しかし、プレート本体21が柔軟性を有しているので、図6(b),図7に示すように、プレート本体21は局部的にたわむだけであり、連結梁18Aによるたわみの影響がそれよりも先端部21Aの側に波及することなく、搬送面14へのプレート本体21のなじんだ接触を維持できる。
【0031】
ただし、容器100が走行ステーユニット11の搬送面14に達する前の領域でプレート本体21がたわむと、容器100が傾いて転倒するなどの支障をきたすおそれがある。そこで、本実施形態は、プレート本体21を柔軟性のある材料で構成する一方、走行ステーユニット11よりも上流側の部分にプレート本体21よりも剛性の高い支持体23を設ける。これにより、容器100が走行ステーユニット11に到るまでの間で、渡りプレート20がたわみ容器100の傾きを抑える。
支持体23は、以上の機能を発揮するために、金属材料、例えばステンレス鋼、ばね鋼から構成される。
【0032】
[物品搬送装置1の動作]
次に、物品搬送装置1の動作を図4図7を参照して説明する。
いま、図4(a)に示すように、搬送が先行する容器100のグループである先行グループG1が走行ステーユニット11に受け渡される一方、先行グループG1に続く後続グループG2が受け渡しを待っているものとする。そして、先行グループG1は、基準ガイド17と可動ガイド18により搬送方向Fに支持され、後続グループG2は、フライトバー15により下流(D)に向けて押されている。
このとき、渡りプレート20の支持体23が設けられる領域に後続グループG2に属する容器100が載せられている。支持体23の剛性が高いので、支持体23により下方から支持されるプレート本体21はたわむことなく容器100を載せることができる。
また、後続グループG2に対応する可動ガイド18は、未だ連結梁18Aが渡りプレート20から離れている。
【0033】
走行ステーユニット11が下流(D)に向けて走行すると、図4(b),図5(a)に示すように、先行グループG1に属する容器100は下流(D)に向けて搬送される。また、走行ステーユニット11の走行に伴って、後続グループG2に対応する可動ガイド18が下流(D)に向けて移動するので、可動ガイド18の連結梁18Aが下方から支持体23に接する。連結梁18Aが接した部分は、プレート本体21及び支持体23を持ち上げるようになり、渡りプレート20は局部的にたわむ。
【0034】
図4(a)~図5(a)の範囲で、プレート本体21は走行ステーユニット11の搬送面14への接触が継続する。
【0035】
さらに先行グループG1及び後続グループG2の搬送が図5(b),図6図7のように進むと、後続グループG2に対応する可動ガイド18の連結梁18Aが水平方向を向き、プレート本体21を持ち上げる。プレート本体21は、連結梁18Aに持ち上げられるので、走行ステーユニット11の搬送面14に接する部分と連結梁18Aに接する部分との間で鉛直方向Vに段差が生じる。しかし、走行ステーユニット11において容器100を載せているプレート本体21は柔軟性に富むため、容器100に上向きの力を与えることはほとんどない。
【0036】
[物品搬送装置1の効果]
次に、物品搬送装置1が奏する効果について説明する。
以上説明したように、物品搬送装置1は、容器100が載せられた渡りプレート20が走行ステーユニット11の搬送面14に接する。したがって、本実施形態の渡りプレート20によれば、容器100が走行ステーユニット11に受け渡されるときの段差を渡りプレート20の厚さに相当する最小限に抑えることができる。しかも、容器100が渡りプレート20から走行ステーユニット11に乗り移る際に、渡りプレート20が弾性による搬送面14からの跳ね上がりが抑えられる。したがって、物品搬送装置1によれば、容器100は安定した姿勢を維持したままで走行ステーユニット11に受け渡される。
【0037】
特に、渡りプレート20は、走行ステーユニット11に関る部分が柔軟性に富む材料から構成されるので、容器100が走行ステーユニット11に受け渡された後に、弾性により跳ね上がることがないか跳ね上がったとしても微小である。また、先行グループG1と後続グループG2の間でプレート本体21は連結梁18Aに持ち上げられてたわむが、プレート本体21が柔軟に富む素材で構成されているので、たわみは局部的に限定される。したがって、渡りプレート20をから、容器100を転倒させるおそれがほとんどない。
【0038】
しかも、渡りプレート20は、走行ステーユニット11に容器100を受け渡すまでの過渡領域TAには剛性の高い支持体23により支持されているために、過渡領域TAを移動する容器100の姿勢を安定して維持できる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
【0040】
渡りプレート20を搬送面14に接触させるために渡りプレート20を傾斜させたが、渡りプレート20が搬送面14に接触できるのであれば、必ずしも渡りプレート20を傾斜させる必要がない。例えば、渡りプレート20を水平方向に配置し、かつ、渡りプレート20の鉛直方向Vの高さを搬送面14に合わせれば、渡りプレート20を搬送面14に接触できる。これによっても、容器100が走行ステーユニット11に受け渡されるときの段差を渡りプレート20の厚さに相当する最小限に抑えることができる。
ただし、渡りプレート20を傾斜させると、フライトバー15による下流への容器100の搬送が容易である。
【0041】
次に、本実施形態は、プレート本体21を樹脂材料で形成するとともに、金属材料からなる支持体23をプレート本体21に積層するが、本発明はこれに限定されない。本発明は、単一の素材で渡りプレート20を構成するが、支持体23が設けられる範囲の板厚を厚くして剛性を高くする一方、支持体23が設けられない範囲の板厚を薄くして剛性を低くすることを許容する。つまり、具体的な形態に関らず、本発明は、高剛性の部分と低剛性で柔軟性に富む部分を有する渡りプレートを適用できる。
【0042】
また、渡りプレート20はそれ自体として高剛性な支持体23を備えているが、渡りプレート20とは別体として支持部材を設け、この支持部材でプレート本体21だけからなる渡りプレート20を支持することにより、渡りプレート20に剛性を付与することもできる。この支持部材25の一例を図1に示しているが、支持部材25を設けることにより、支持体23を設けることなく渡りプレート20に剛性を付与できる。この場合、渡りプレート20は、全体を樹脂材料から構成することができる。
【0043】
また、プレート本体21が樹脂材料で構成される場合、その材質は任意であるが、プレート本体21の表面を容器100が摺動するので、摩擦係数の小さい樹脂材料を選択することが好ましい。これに該当する樹脂材料として、ポリエチレン樹脂、特に分子量が350万以上の超高分子量ポリエチレンと称される樹脂が好ましい。また、ふっ素樹脂、特にPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)からなる板材をプレート本体21に用いることもできる。このプレート本体21は、厚さを1~3mm程度にすれば、本発明で要求される柔軟性を得ることができる。
【0044】
また、本実施形態は、プレート本体21を樹脂材料で構成し、また、支持体23を金属材料で構成する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、プレート本体21に対して十分に高い剛性を備えているのであれば、支持体23を樹脂材料から構成することもできる。
【0045】
また、本実施形態では、下流側のガイドを可動とする例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、上流側のガイドを可動ガイドとし、下流側のガイドを基準ガイドとすることもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 物品搬送装置
10 搬送部
11 走行ステーユニット
12 駆動チェーン
13 角管
14 搬送面
15 フライトバー
16 搬送ガイド
17 基準ガイド
18 可動ガイド
18A 連結梁
18B ガイド片
20 渡りプレート
21 プレート本体
21A 先端部
21B 後端部
21C 屈曲部
23 支持体
100 容器
G 搬送グループ
G1 先行グループ
G2 後続グループ
W 幅方向
F 搬送方向
V 鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8