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特許7016348温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォン
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20220128BHJP
   F28D 15/06 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
F28D15/02 101B
F28D15/02 D
F28D15/02 104D
F28D15/02 101N
F28D15/06 Z
F28D15/02 104A
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2019504083
(86)(22)【出願日】2017-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2017043638
(87)【国際公開番号】W WO2018022567
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】15/219,592
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515116467
【氏名又は名称】トキタエ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】チュウ,フォン-リ
(72)【発明者】
【氏名】ララソン,フリドリック
(72)【発明者】
【氏名】パル,ブライアン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,ネルズ,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ウッド,ローウェル,エル.,ジュニア
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0019623(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0143831(US,A1)
【文献】特開平08-014777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 15/02
F28D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度調整貯蔵デバイス内で使用するための熱サイフォンであって、
断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する凝結領域と、
複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は、蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する、蒸発領域と、
前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、
を備え
前記蒸気戻りチャネルは、前記断熱チャネルと接続されている前記蒸発チャネルの上部と接続されている、熱サイフォン。
【請求項2】
前記凝結領域は、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルであって、一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法の内部空間を含むガス保持チャネルを備える、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項3】
前記断熱領域は、前記凝結チャネルと前記蒸発チャネルとの間に平行に配置される複数の断熱チャネルを備える、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項4】
前記断熱領域の少なくとも1つの断熱チャネルは、2相チャネルを備える、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項5】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、複数の2相チャネルを備える、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項6】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの頂部から底部への軸に沿って互いに等間隔に配置されている、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項7】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、等温であると推定される、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項8】
前記熱サイフォンは、ロールボンド材料から製作される、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項9】
前記熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項10】
冷却剤リザーバ、
前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および
前記冷却剤リザーバからの出口チャネル、をさらに備える、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項11】
冷却剤リザーバ、
前記冷却剤リザーバと前記凝結領域における少なくとも1つのチャネルと冷却剤の間のチャネル、
前記冷却剤リザーバへ動作可能に取り付けられた熱電デバイス、
センサ、および、
前記センサからデータを受信し、前記受信したデータに応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに備える、請求項1に記載の熱サイフォン。
【請求項12】
温度調整貯蔵デバイス内で使用するための熱サイフォンであって、
断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと結合される凝結領域と、
複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する、蒸発領域と、
前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を備え、
前記蒸気戻りチャネルは、前記断熱チャネルと接続されている前記蒸発チャネルの上部と接続されており、
蒸発チャネル含む前記熱サイフォンは平坦な面と丸みを帯びた面とを有する面構造内に製作され、前記熱サイフォンは所定のの冷却剤と所定のの不凝結ガス冷却剤とを含む熱サイフォン。
【請求項13】
前記凝結領域は、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルであって、一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法の内部空間を含むガス保持チャネルを備える、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項14】
前記断熱領域は、前記凝結チャネルと前記蒸発チャネルとの間に平行に配置される複数の断熱チャネルを備える、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項15】
前記断熱領域の少なくとも1つの断熱チャネルは、2相チャネルを備える、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項16】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、複数の2相チャネルを備える、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項17】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの頂部から底部への軸に沿って互いに等間隔に配置されている、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項18】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、等温であると推定される、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項19】
前記熱サイフォンは、ロールボンド材料から製作される、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項20】
前記熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項21】
冷却剤リザーバ、
前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および
前記冷却剤リザーバからの出口チャネル、をさらに備える、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項22】
冷却剤リザーバ、
前記冷却剤リザーバと前記凝結領域における少なくとも1つのチャネルと冷却剤の間のチャネル、
前記冷却剤リザーバへ動作可能に取り付けられた熱電デバイス、
センサ、および、
前記センサからデータを受信し、前記受信したデータに応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに備える、請求項12に記載の熱サイフォン。
【請求項23】
相変化材料を収容するように構成されるサーマルシンクユニットと、
少なくとも1つの壁を含む貯蔵領域と、
熱サイフォンと、を備え、
前記熱サイフォンは、
断熱チャネルに接続された水平対称称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する凝結領域と、
複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する、蒸発領域と、
前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を備え、
前記蒸気戻りチャネルは、前記断熱チャネルと接続されている前記蒸発チャネルの上部と接続されており、
前記蒸発チャネルを含む熱サイフォンは平坦な面と丸みを帯びた面とを有する面構造内に製作され、前記凝結領域の平坦な面は前記サーマルシンクユニットに隣接して配置され、前記蒸発領域の平坦な面は前記貯蔵領域の壁に隣接して配置され、前記熱サイフォンは所定のの冷却剤と所定のの不凝結ガス冷却剤とを含む、温度調整貯蔵デバイス。
【請求項24】
前記凝結領域は、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルであって、一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法の内部空間を含むガス保持チャネルを備える、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項25】
前記断熱領域は、前記凝結チャネルと前記蒸発チャネルとの間に平行に配置される複数の断熱チャネルを備える、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項26】
前記断熱領域の少なくとも1つの断熱チャネルは、2相チャネルを備える、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項27】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、複数の2相チャネルを備える、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項28】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの頂部から底部への軸に沿って互いに等間隔に配置されている、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項29】
前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、等温であると推定される、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項30】
前記熱サイフォンは、ロールボンド材料から製作される、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項31】
前記熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項32】
冷却剤リザーバ、
前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および
前記冷却剤リザーバからの出口チャネル、をさらに備える、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【請求項33】
冷却剤リザーバ、
前記冷却剤リザーバと前記熱サイフォンの前記凝結領域における少なくとも1つのチャネルと冷却剤の間のチャネル、
前記冷却剤リザーバへ動作可能に取り付けられた熱電デバイス、
センサ、および、
前記センサからデータを受信し、前記受信したデータへ応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに備える、請求項23に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
優先権出願の全ての構成、ならびに優先権請求による優先権出願に(直接にもしくは間接に)関する任意のおよび全ての出願は、仮出願の当該出願日現在、内部参照によって編入される任意の優先請求権および構成を含めて、該構成が本明細書と矛盾しない限りにおいて本明細書に援用される。
〔概要〕
デバイスおよびシステムは、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するために最適化される熱サイフォンに関連する。いくつかの実施形態において、温度調整貯蔵デバイス内で使用するための熱サイフォンは、凝結領域であって断熱チャネルへ結合される水平対称な二又ブランチと等間隔の複数の凝結(condenser)チャネルを含んでおり、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する領域と、複数の蒸発(evaporator)チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気(vapor)戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を含む。
【0002】
いくつかの実施形態において、温度調整貯蔵デバイス中での使用のための熱サイフォンは、凝結領域であって断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、前記凝結チャネルへ前記蒸発チャネルを接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域であって、前記熱サイフォンは実質的に平坦な面 (substantially flat face)と丸みを帯びた面(rounded face)とを有する平面構造内に製作され、前記熱サイフォンは所定の積載量である不凝結ガス、および所定の積載量である冷却剤を含む領域と、を含む。
【0003】
いくつかの実施形態において、温度調整貯蔵デバイスは、相変化材料を収容するように構成されるサーマルシンクユニットと、少なくとも1つの壁を含む貯蔵領域と、熱サイフォンと、を含み、前記熱サイフォンは、断熱チャネルに接続された水平対称称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する凝結領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する、蒸発領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を備え、前記蒸発チャネルを含む熱サイフォンは実質的に平坦な面と丸みを帯びた面とを有する平面構造内に製作され、前記凝結領域の前記実質的に平坦な面は前記サーマルシンクユニットに隣接して配置され、前記蒸発領域の平坦な面は前記貯蔵領域の壁に隣接して配置され、前記熱サイフォンは所定の負荷の冷却剤と所定の負荷の不凝結ガス冷却剤とを含む。
【0004】
先行する摘要は例示でしかなく、いかなる方法においても限定することを意図されるものではない。前記例示的な態様、実施形態、上述の特徴に加えて、下記の詳細な記載および図面を参照し、さらなる態様、実施形態、及び特徴が明らかになるであろう。
〔図面の簡単な説明〕
図1図1は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
【0005】
図2図2は、熱サイフォンを含む温度調整貯蔵デバイスの概要図である。
【0006】
図3図3は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
【0007】
図4図4は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
【0008】
図5図5は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
【0009】
図6図6は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
【0010】
図7図7は、熱サイフォンの実施例の結果を示す図である。
【0011】
図8図8は、熱サイフォンを含む温度調整貯蔵デバイスの実施例の結果を示す図である。
〔発明の詳細な説明〕
下記の詳細な記載において、添付する図面が参照され、それらは本明細書の一部を形成する。図面において、文脈が他に規定しない限り同様のシンボルは、典型的に同様のコンポーネントを識別する。当該詳細な記載、図面、および請求の範囲において記載される例示的な実施形態は、限定するようには意図されていない。本明細書に提示される構成の精神または範囲を逸脱しない限りにおいて、他の実施形態が利用されてもよく、他の変更がなされてもよい。
【0012】
温度調整貯蔵デバイス中での使用のための熱サイフォンの各態様が、本明細書に記載される。いくつかの実施形態において、外部の電力要求なしの熱負荷(heat load)の所与の範囲の前記蒸発領域と前記凝結領域との間の特定の温度範囲を維持するように構成される熱サイフォンのように、前記熱サイフォンは、受動的システムと共に使用するために最適化される。いくつかの実施形態において、前記熱サイフォンは、内部貯蔵領域の内部温度を所定の範囲に維持する一方、1週間辺り数時間もしくは1日あたり数時間など間欠的に電力を利用する、温度調整貯蔵デバイスと利用される。いくつかの実施形態において、前記温度調整貯蔵デバイスは、数日から数時間の範囲の期間の間環境温度の下である、前記貯蔵領域の前記内部温度を維持するように、電力を利用はしない。
【0013】
いくつかの実施形態において、温度調整貯蔵デバイス中での使用のための熱サイフォンは、凝結領域であって断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を含む。
【0014】
図1に、温度調整貯蔵デバイス中での使用のための熱サイフォンの各態様を示す。例示される実施形態において、熱サイフォンは、実質的に平面のデバイスである。例えば、いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、ロールボンド(roll-bond)材料から製作される。ロールボンド材料は、実質的に平滑な面、および湾曲部もしくは畝部(ridge)を伴う対向座面(opposing face)、を伴って製作される材料であり得る。いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、実施雨滴に平面の材料から製作され、温度調整貯蔵デバイスとフィットするように所望されるように、湾曲されもしくは曲げられる。いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている。
【0015】
図1に示されるいくつかの実施形態において、熱サイフォン100は、凝結領域110、断熱領域120、および蒸発領域130、を含む。凝結領域110は、水平対称な二又ブランチ115と等間隔に配置される複数の凝結チャネル105を含み、各々は断熱チャネル125へ接続される。例示される実施形態において、複数の水平対称な二又ブランチが有り、その各々は複数の断熱チャネル125の1つへ接続される。複数の凝結チャネル105の各々は、上部チャネル150の頂部ポジションで接続される。蒸発領域130は、複数の蒸発チャネル135A、135B、135C、を含み、前記複数の蒸発チャネル135A、135B、135C、の各々は、蛇行チャネルパターンにおいて形成される流路を有し、前記蛇行チャネルパターンのサブユニット各々は、前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネル140A、140B、140Cへ取り付けられる。蒸発領域130は、蒸気戻りチャネル140Bへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジション145を有する。前記断熱領域は、前記凝結チャネル105、および蒸発チャネル135を接続する少なくとも1つの断熱チャネル125を含む。熱サイフォン100は、前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために配向される場合、実質的に鉛直であるように構成され、凝結領域110は蒸発領域130の実質的に上であり、断熱領域120は凝結領域110と蒸発領域130との間に配置される。
【0016】
当該例示される実施形態において、凝結領域110の上部チャネル150は、充填(fill)ポート155へ取り付けられる。例えば、充填ポートは、パイプ、もしくは前記上部チャネルから伸長する同様の継手、であり得る。前記充填ポートは、製造の間、ガスおよび/または冷却剤を付加しもしくはパージするように構成され得る。例えば製造の間、いくつかの実施形態において、充填ポートは、前記冷却剤の充填(charge)のへ引き続いて全ての不要不凝結ガスを除去するように利用され得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、断熱領域は、前記蒸発チャネルと前記凝結チャネルとの間で実質的に平行に配置される複数の断熱チャネル、を含み得る。例えば、1つの凝結チャネルへ1つの蒸発チャネルをそれぞれ接続する、1つの断熱チャネルが存在し得る。前記1つの断熱チャネルは、互いに対して平行に配置され得る。前記1つの断熱チャネルのそれぞれは、それらが互いに対して実質的に等距離であるように、配置され得る。いくつかの実施形態において、前記断熱領域内での少なくとも1つの断熱チャネルは、蒸気フローを上方へ、液体フローを下方へと両方同時に許容する、2相チャネルである。
【0018】
熱サイフォンの蒸発領域は、複数のチャネルを含む。いくつかの実施形態において、前記複数の蒸発チャネルは、蒸気フローを上方へ、液体フローを下方へと両方同時に許容する、複数の2相チャネルを含む。いくつかの実施形態において、前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの主軸にそって互いに等間隔に配置されている。例えば、図1に、当該例示における前記熱サイフォンの長軸、もしくは頂部から底部への主軸、と実質的に平行に配置される複数の蒸発チャネルを示す。いくつかの実施形態において、前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中に前記温度調整貯蔵デバイスの推定最大傾斜よりも大きい最小流角をそれぞれ有する。例えば、ある所与の温度調整貯蔵デバイスは、5%、もしくは10%よりも大きな傾斜で前記デバイスを動作させないような動作命令を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、実質的に等温であると推定される。例えば、前記蒸発チャネルは、前記チャネル中で当該液体冷却剤凝結物が、前記チャネル中で前記凝結物が落下する際の蛇行経路を追随しなければならないような、構成、形状および寸法であり得る。前記チャネル内の前記液体冷却剤凝結物は、前記蒸発チャネルの内部の至る所に内部の湿潤な(wetted)表面を作り出す。前記蒸発チャネルの前記蛇行経路は前記蒸発チャネルの広い部分に渡るため、蒸発チャネル全体は、等温チャネルに近似する。加えて、いくつかの実施形態において、前記熱サイフォン中での冷却剤の最適な水準は、推定使用条件の間、前記蒸発チャネルの内面を浸水状態に保ち、ドライアウトを防ぐのに必要な、最小限の量である。
【0020】
本明細書中に記載される熱サイフォンは、少なくとも1つの不凝結ガスおよび冷却剤を伴う内部空間を含む。製造の間、前記熱サイフォンがガスおよび液体不浸透性のシールで密封されるのに先立って量を事前設定するように、前記熱サイフォンの前記内部は、空気が実質的に排気され、前記冷却剤と不凝結ガスとの両方が付加される。前記ガスおよび液体不浸透性のシールは、前記熱サイフォンの使用寿命を通じて耐久するように製作される。推定動作温度範囲において、前記冷却剤は、前記熱サイフォンの内部で気相および液相の両方において存在する。運用中の熱サイフォンは、前記熱サイフォンの内部で密封される不凝結ガスおよび冷却剤の所定の量の両方を、含み得る。いくつかの実施形態において、不凝結ガスは、窒素もしくはアルゴンのような不活性ガスを含む。いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、実質的に平坦な面と丸みを帯びた面とを有する平面構造内に製作され、前記熱サイフォンは所定の積載量である不凝結ガス、および所定の積載量である冷却剤、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、運用中の熱サイフォンは、推定使用温度範囲での冷却剤の飽和圧および前記温度調整貯蔵デバイスの使用時の熱負荷に対する、内部積載量である不凝結ガスおよび冷却剤を含む図1に、前記熱サイフォン上の場所を想定するライン160を示し、そこでは前記不凝結ガスは、前記熱サイフォンの使用中、前記ラインの実質的に上である。図1において描写されるライン160は、上部チャネルへ遠位に、前記凝結領域の二又ブランチへ隣接する配置に位置づけられる。前記熱負荷および冷却剤飽和圧が増加するにつれ、不凝結ガスは圧縮され、ライン160によって示される不凝結ガスの境界の上昇を引き起こし、蒸発器温度における上昇を緩和するように付加的なアクセス可能な凝結表面領域を開放させる。いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、線形に増加する熱負荷に対して前記蒸発領域と前記凝結領域との間の温度勾配の非線形関係を維持するのに十分な、不凝結ガスおよび冷却剤の内部積載量を含む。加えて、前記システムは、熱抵抗が当該システム上の当該熱負荷へ逆比例であるような非線形関係で、機能する。
【0022】
本明細書中に記載される熱サイフォンの各実施形態は、最小限のもしくは小さな電力要求を伴う特定の温度範囲における貯蔵領域の温度の維持を補助するような、前記熱サイフォンを横切る熱輸送を利用する温度調整貯蔵デバイス中での使用のために設計される。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるような熱サイフォンを利用する温度調整貯蔵デバイスは、環境温度が43℃と10℃との間である一方内部貯蔵領域の温度を10℃より低く0℃より高い範囲に維持するように構成される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるような熱サイフォンを利用する温度調整貯蔵デバイスは、環境温度が43℃と10℃の間である一方内部貯蔵領域の温度を8℃と2℃との間である範囲に維持するように構成される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるような熱サイフォンを利用する温度調整貯蔵デバイスは、環境温度が43℃と10℃の間である一方内部貯蔵領域の温度を4℃と0℃との間である範囲に維持するように構成される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるような熱サイフォンを利用する温度調整貯蔵デバイスは、環境温度が55℃より低く0℃より高い範囲にある一方、内部貯蔵領域の温度を、上述の1つのような範囲に、維持するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、温度調整貯蔵デバイスは、相変化材料を収容するように構成されるサーマルシンクユニットと、少なくとも1つの壁を含む貯蔵領域と、熱サイフォンと、を含み、前記熱サイフォンは、断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する凝結領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する蒸発領域と、
前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を含み、
前記蒸発チャネルを含む断熱領域であって、前記熱サイフォンは実質的に平坦な面と丸みを帯びた面とを有する平面構造内に製作され、
前記凝結領域の実質的に平坦な面の座は前記サーマルシンクユニットへ隣接して配置され、および前記蒸発領域の全面座は前記貯蔵領域の壁へ隣接して配置され、
前記蒸発領域の平坦な面は前記貯蔵領域の壁に隣接して配置され、前記熱サイフォンは所定の負荷の冷却剤と所定の負荷の不凝結ガス冷却剤とを含む熱サイフォン、を含む。いくつかの実施形態において、前記凝結領域の実質的に平坦な面は、前記サーマルシンクユニットへ熱的に結合され、前記蒸発領域の全面座は前記貯蔵領域の壁へ熱的に結合され、前記熱サイフォンは所定の積載量である不凝結ガス、および所定の積載量である冷却剤、を含む。
【0024】
図2に、温度調整貯蔵デバイス中での使用のために配置される熱サイフォン100がそうなるであろう、一実施形態の各態様を示す。熱サイフォン100は、凝結領域110、断熱領域120、および蒸発領域130、を含む。充填ポート155は、凝結領域110の上部部分へ添加される。温度調整貯蔵デバイスは、相変化材料を収容するように構成されるサーマルシンクユニット200を含む。例えば、いくつかの実施形態において、サーマルシンクユニットは、油ベースの相変化材料を収容するように構成され得る。サーマルシンクユニットは、固体形態および液体形態の両方において相変化材料を収容するような、方法においておよび材料を用いて、製作され得る。例えば、いくつかの実施形態においてサーマルシンクユニットは、水/氷である相変化材料を用いて動作するように構成され得、当該コンテナは防水であり得る。いくつかの実施形態において、サーマルシンクユニットは、熱サイフォンの凝結領域へ隣接して配置され得る。いくつかの実施形態において、サーマルシンクユニットは、熱サイフォンの前記凝結領域へ熱的に結合されるように配置され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、温度調整貯蔵デバイスは、前記サーマルシンクユニットの領域もしくは面領域(area)において液体形態および固体形態の両方で相変化材料を保持するように構成されるサーマルシンクユニットを含む。図2において例示されるように、いくつかの実施形態において、氷および水を保持するように構成されるサーマルシンクユニット200は、水の相が熱サイフォン100の凝結領域110へ隣接する配置220において優勢(predominately)であり、氷の相が凝結領域110へ遠位である配置205において優勢である、ように構成され得る。温度調整貯蔵デバイス中の熱サイフォンのいくつかの実施形態において、前記熱サイフォンの前記凝結領域は、温度調整貯蔵デバイスが使用中である場合水-氷混合物タンクの推定水領域に隣接して配置される面を含む。温度調整貯蔵デバイス中の熱サイフォンのいくつかの実施形態において、前記熱サイフォンの凝結領域は、前記温度調整貯蔵デバイスが使用中である場合水-氷混合物タンクの推定水領域に熱的に結合される面を含む。前記サーマルシンクユニットに対する前記熱サイフォンの前記凝結領域の配置は、デバイスの使用中、利用される当該相変化物質の相変化温度に前記凝結領域の温度を維持し得る。
【0026】
図2に示される実施形態において、熱サイフォン100は、少なくとも1つの実質的に平坦な面を伴う平面の構造として製作される。図2において、熱サイフォン100は、例示のため、貯蔵領域210およびサーマルシンクユニット200からわずかに離れて描写される。いくつかの実施形態において、熱サイフォン100は、内部貯蔵領域210の表面およびサーマルシンクユニット200の表面と直接接触する少なくとも1つの座(face)を用いて配置される。図2において示される実施形態において、凝結領域110の実質的に平坦な面は、サーマルシンクユニット200の表面へ隣接して配置される。加えて、蒸発領域130は、2つの平面部分130A、130B、を含み、それらの各々は、内部貯蔵領域210の壁215、225、へ隣接して配置される。いくつかの実施形態において、熱サイフォンの前記蒸発領域は、前記内部貯蔵領域の壁へ熱的に連結される。断熱領域120は、蒸発領域130および凝結領域110の間に配置される。
【0027】
いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルを伴う凝結領域を含み、前記ガス保持チャネルは一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法である内部空間を含む。例えば、温度調整貯蔵デバイス中の熱サイフォンは、前記ガス保持チャネルなしに、他の同様の熱サイフォンにおいて、前記容積よりも大きな前記熱サイフォン中での不凝結ガスの余分な容積を含み得る。
【0028】
図3に、凝結領域110、断熱領域120および蒸発領域130を含む熱サイフォン100を示す。図3において示される熱サイフォンの実施形態は、図1において示されるそれへと類似し、凝結領域110の上部チャネル150へ隣接して配置されるガス保持チャネル300の付加を伴う。ガス保持チャネル300は、上部チャネル150の上に有り、接続される。充填ポート155は、上部チャネル150へ取り付けられる。製造の間、図3において示されるような熱サイフォンは、ガス保持チャネルを含めて、頂部から前記凝結チャネルの前記二又ブランチの丁度下のガス充填ラインまで下へと、通常の熱サイフォンの動作圧力が前記凝結領域を満たすのに十分な量において、前記充填ポート中へと導入される不凝結ガスを有し得る。例として図3におけるライン160を見よ。
【0029】
いくつかの実施形態は、冷却剤リザーバ、冷却剤リザーバへの入口チャネル、冷却剤リザーバからの出口チャネル、を含む熱サイフォンを含む。いくつかの実施形態は、加熱(heating)要素、センサ、および前記センサからデータを受信し前記受信されるデータへ応答して前記加熱要素へ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに含む。冷却剤リザーバを含む温度調整貯蔵デバイスの実施形態において、前記冷却剤リザーバは、前記熱サイフォンへ取り付けられ続ける一方、前記熱サイフォンへ遠位に配置され得る。いくつかの実施形態において、前記コントローラへ動作可能に取り付けられるバッテリが存在する。いくつかの実施形態において、前記加熱要素へ動作可能に取り付けられるバッテリが存在する。いくつかの実施形態において、センサへ動作可能に取り付けられるバッテリが存在する。
【0030】
図4に、凝結領域110、断熱領域120、および蒸発領域130を含む熱サイフォン100を示す。図4において示される熱サイフォン100の実施形態は、冷却剤リザーバ400を含む。冷却剤リザーバ400は、下部二又ブランチポイント115および上部チャネル150の間の配置で、凝結領域110の凝結チャネル105へ接続される。冷却剤リザーバ400は、第1のコネクタ410および第2のコネクタ420を用いて凝結チャネル105へ接続される。冷却剤リザーバ400、第1のコネクタ410、および第2のコネクタ420、の各々の内部は、熱サイフォン100の内部へ接合(joint)され、前記デバイスの外部へのガスもしくは蒸気分散から同様に密封される。フローチェックユニット430は、フローチェックユニット430が第1のコネクタ410を通じて流量率を制御し得るように、第1のコネクタ410の長さ(length)に沿って配置され、配向される。いくつかの実施形態において、フローチェックユニットは、バルブであり得る。いくつかの実施形態において、フローチェックユニットは、収縮器(constrictor)である。
【0031】
冷却剤リザーバ400は、前記リザーバへ取り付けられる加熱要素435を含む。例示される実施形態において、加熱要素435は、使用中加熱要素435が前記リザーバにおける前記冷却剤へ隣接して配置されるように、推定冷却剤充填ライン405の下に配置される。加熱要素435は、コントローラユニット410へワイヤコネクタを用いて取り付けられる。前記コントローラユニットは、センサ415およびコントローラ425を含む。いくつかの実施形態において、前記センサは、温度センサである。コントローラ425は、前記センサ415からデータを受信し、前記受信されるデータへ応答して前記加熱要素435へ制御信号を発信するように、構成される。いくつかの実施形態において、バッテリは、前記コントローラユニットへ取り付けられ、例えば前記コントローラユニット中に組み込まれる。前記センサは、前記コンポーネントがその中に統合される温度調整貯蔵デバイスの周りの環境温度のような、環境条件を検知するように配置され得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、取り付けられるコントローラの制御の下で加熱要素を用いて取り付けられる冷却剤リザーバを含む。前記取り付けられるコントローラは、取り付けられる温度センサによって検知される下限の外部の温度へ応答して、前記加熱要素へオン/オフ信号を発信するように構成され得る。例えば、温度調整貯蔵デバイスの前記外部の温度が、前記温度調整貯蔵デバイスの機能動作に対して最大であるように算出された所定の温度より上である状況において、前記コントローラは、前記冷却剤リザーバ中への冷却剤の追加の導入を引き起こし、冷却剤戻りチャネルへ取り付けられる前記コントローラユニットを作動させ得る。増加した冷却剤は、前記追加的熱負荷条件が与えられると、前記熱サイフォンの熱的パフォーマンスを改善し得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、熱サイフォンは、冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および前記冷却剤リザーバからの出口チャネルであって、前記入口チャネルよりずっと遅い流量率を有する前記冷却剤リザーバからの前記出口チャネル、を含む。前記出口チャネルのより遅い流量率は、システムの制御要素として機能し得る。より遅い流量率は、例えば、前記入口チャネル径よりも細い径を伴う出口チャネルから、生じ得る。より遅い流量率は、例えば、前記出口チャネルにおける内部収縮を含む領域のような、前記入口チャネル径よりも細い径を伴う、その長さに沿った領域を伴う出口チャネルから、生じ得る。
【0034】
図5に、凝結領域110、断熱領域120、および蒸発領域130、を含む熱サイフォン100を示す。前記熱サイフォンは、図5において示されるように、実質的に鉛直の配置において動作するように構成される。冷却剤リザーバ500は、前記熱サイフォン100の構造内に配置される。冷却剤リザーバ500の頂部は、二又ブランチポイント115へ隣接するポイントで入口チャネル510を用いて凝結チャネル105へ取り付けられる。製造の間に、冷却剤リザーバ500は、使用中前記リザーバ中の冷却剤のための推定充填ラインが、推定される不凝結ガス160の推定水準とおおよそ同一であるように、配置され充填される。出口チャネル520は、前記蒸発チャネル130中で蒸発チャネル135Bの1つへ前記冷却剤リザーバ500の底部領域を接続する。
【0035】
図5において示される実施形態において、出口チャネル520は、入口チャネル510よりも細い平均径を有する。使用中の、前記システムを通じる前記冷却剤の推定流量率と同様、入口チャネル510および出口チャネル520の配置は、低い熱負荷において入口チャネル510の前記配置が不凝結ガスライン160の想定される位置の上であるように、較正される。低い熱負荷である間、入口チャネル510上に最小限の凝結物が存在するであろうこと、および、出口チャネル520を通じて前記リザーバにおける全ての液体が取り出されること、蒸発領域における液体冷却剤の水準を上昇させ、熱効率を減少させることが推定される。前記不凝結ガス障壁が、使用中、より高い冷却飽和圧によって押し上げられた場合、入口チャネル510の上へ凝結物が存在するであろう。そして、液体冷却剤が、入口チャネル510を通じて前記冷却剤リザーバ中へと流れるであろう。冷却剤は、出口チャネル520を通じて冷却剤リザーバ520からもまた流れ出るであろうが、平均として、冷却剤リザーバ500中で冷却剤の所望の水準を維持するのに十分な、遅いレートで流れ出るであろう。いくつかの実施形態において、入口チャネルおよび出口チャネルの相対径は、推定使用温度範囲に対して較正されるであろう。
【0036】
図6に、凝結領域110、断熱領域120、および蒸発領域130、を含む熱サイフォン100の実施形態を例示する。例示される実施形態において、熱サイフォン100は、リザーバチャネル600を用いて不凝結ガスライン160の推定位置よりも低い配置で断熱チャネル125へ取り付けられる冷却剤リザーバ600を含む。いくつかの実施形態において、前記冷却剤リザーバは、前記不凝結ガスラインの推定位置の上にもしくは参照無しに、断熱チャネルへ取り付けられる。冷却剤リザーバ600は、冷却剤リザーバ600中で液体冷却剤の加熱と冷却との両方を行うように動作可能な配置で冷却剤リザーバ600へ取り付けられる、熱電デバイス615を有する。例えば、前記熱電デバイスは、実施形態に依り、熱電ヒートポンプおよび/またはペルチェデバイスを含み得る。熱電デバイス615は、コントローラ630へワイヤコネクタ620を用いて動作可能に接続される。コントローラ630は、熱電デバイス615へ制御信号を発信するように構成される回路635を含む。センサ640は、コントローラ630へ動作可能に接続される。回路635は、センサ640から受信される信号へ応答して熱電デバイス615へ制御信号を発信するように構成される。いくつかの実施形態において、センサは温度センサである。
【0037】
実施形態の熱サイフォンの使用中、図6において示されるのと同様の断熱チャネルへ取り付けられる冷却剤リザーバを含めて、熱電デバイスは前記冷却剤リザーバへ取り付けられ、前記熱電デバイスは、検知される条件へ応答して加熱されおよび冷却され得る。いくつかの実施形態において、熱電デバイスは、1つ以上の取り付けられるセンサからデータを受け付け、および前記受け付けられるデータへ応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信する、コントローラにおける回路へ応答して、加熱および冷却され得る。前記熱電デバイスが前記冷却剤リザーバを加熱している場合、前記リザーバにおいて格納される液体冷却剤は、気化し、前記取り付けられるチャネル中へと移動する。前記熱電デバイスが前記冷却剤リザーバを冷却している場合、液体冷却剤は、凝結し、前記リザーバへと戻る。例えば、前記コントローラが前記熱サイフォンの前記蒸発領域上に配置される温度センサへ取り付けられる使用状況において、コントローラは、前記熱サイフォンの温度が下限温度を下回ることを前記センサからのデータが示す場合、熱電デバイスにおける前記熱機能をターンオンするように構成される回路を含み得る。同様に、前記実施形態は、前記熱サイフォンの温度が下限温度より上であることを前記センサからのデータが示す場合、前記熱電デバイスにおいて、冷却機能をターンオンするように構成される回路を含み得る。前記コントローラは、事前設定される期間にわたって前記熱電デバイスの加熱もしくは冷却機能のどちらかをターンオンするように、および前記加熱もしくは冷却機能を終了させるように、構成される回路を含み得る。
〔実施例〕
〔実施例1〕熱抵抗に対する、推定使用条件の範囲に渡る熱負荷の決定
温度調整貯蔵デバイス中で使用される熱サイフォンは、前記温度調整貯蔵デバイスの当該意図される運用エンベロープをカバーする熱負荷の種類に対して、前記サイフォンを横切る(TEVap ― TCond / 熱負荷 として算出される)熱抵抗のために試験された。単一のデバイスは、第1のテストの集合へ先だって不凝結ガスおよび冷却剤の典型的な量を用いて充填された。前記デバイス中の熱サイフォンは、その後不凝結ガスをパージされ、各テストは同一の条件のそれぞれの下で繰り返された。結果のデータを、図7として示す。図7において示される各計測データ点に対して、前記デバイスは、その条件で熱平衡が他成されるまで安定化された。
【0038】
各データ点に対する熱負荷は、前記デバイスの当該貯蔵領域中へとファンを伴う抵抗加熱器を据え付けること、ならびに、前記貯蔵領域の流入/流出熱リークを最小化するために前記貯蔵領域温度へ非常に近接する前記デバイスを取り囲む当該環境の温度の安定化、によって制御された。図7において示される非凝結比較物プロットは、デバイス中での例示的な熱サイフォンの熱抵抗を比較する。
【0039】
図7は、当該グラフの右側で、より高い熱負荷に対して、冷却剤のみを用いて充填される熱サイフォンと、冷却剤および不凝結ガスの両方を用いて充填されるそれらと、の間の性能が同様であることを示す。しかしながらより低い熱負荷に対して、特に約5Wの下のそれに対しては、冷却剤と同様に不凝結ガスを含む熱サイフォンは、不凝結ガスが付加されない同一の熱サイフォンと異なる熱抵抗を有する。従って低い熱負荷での使用中、例えば推定使用範囲の下端近傍では、不凝結ガスおよび冷却剤を含む熱サイフォンは、デバイスの隣接する貯蔵領域へより少ない冷却効果を提供するだろう。この性質は、例えば、所望の水準より下への、デバイスの貯蔵領域の過剰な冷却を最小化するために有用であり得る。
【0040】
〔実施例2〕外部の電力なしの温度調整貯蔵デバイスの貯蔵領域のホールドオーバ時間
本明細書中に記載される、冷却剤および不凝結ガスの両方を用いる熱サイフォンを含む温度調整貯蔵デバイスは、外部の電源不在時のホールドオーバ時間および安定性に対して試験された。前記デバイスは、前記試験の開始時、主に凍結した水氷を保持しているサーマルシンクユニットを含んでいた。前記デバイスは、前記デバイスを取り囲む43℃の環境温度を伴う2℃から8℃の間の温度範囲において前記貯蔵領域の内部を維持するように較正された。
【0041】
図8に、前記貯蔵領域の内壁へ隣接して配置されたセンサによって検出されるときの、時間経過に伴う、前記貯蔵領域中での温度を例示する。貯蔵領域温度は、少なくとも100時間、7℃より下、および6℃より上の安定した温度を維持する。約100時間の試験で、前記熱サイフォンの凝結領域へ隣接する前記サーマルシンクユニット中で使用される氷は、完全に溶融した。
【0042】
本明細書中に記載される構成の各態様は、下記の付番された各クローズにおいて発表される。
【0043】
1.凝結領域であって断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を含む、温度調整貯蔵デバイス内で使用される熱サイフォン。
【0044】
2.前記熱サイフォンは、前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために配向される場合、実質的に鉛直である、項1に記載の熱サイフォン。
【0045】
3.前記凝結領域は、前記熱サイフォンが前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために配向される場合、前記断熱領域および前記蒸発領域の実質的に上に配置される、項1に記載の熱サイフォン。
【0046】
4.前記凝結領域は、前記上部チャネルへ動作可能に取り付けられる充填ポートを含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0047】
5.前記凝結領域は、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルであって、一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法の内部空間を含むガス保持チャネルを備える、項1に記載の熱サイフォン。
【0048】
6.前記凝結領域は、前記温度調整貯蔵デバイスが使用中である場合、水-氷混合物タンクの推定水領域に隣接して配置される面を含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0049】
7.前記断熱領域は、前記凝結チャネルと前記蒸発チャネルとの間に実質的に平行に配置される複数の断熱チャネルを含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0050】
8.前記断熱領域の少なくとも1つの断熱チャネルは、2相チャネルを含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0051】
9.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、複数の2相チャネルを含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0052】
10.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの主軸に沿って互いに等間隔に配置されている、項1に記載の熱サイフォン。
【0053】
11.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中に前記温度調整貯蔵デバイスの推定最大傾斜よりも大きい最小流角をそれぞれ有する、項1に記載の熱サイフォン。
【0054】
12.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、実質的に等温であると推定される、項1に記載の熱サイフォン。
【0055】
13.前記熱サイフォンは、ロールボンド材料から製作される、項1に記載の熱サイフォン。
【0056】
14.前記熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている、項1に記載の熱サイフォン。
【0057】
15.前記熱サイフォンは、前記温度調整貯蔵デバイスの使用時の熱負荷と推定使用温度範囲の飽和圧力とに対する冷却剤および不凝結ガスの内部負荷冷却剤を含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0058】
16.前記熱サイフォンは、前記凝結領域の前記水平対称分岐部に隣接する前記断熱領域内で、前記不凝結ガスのバルクの想定位置を位置決めするのに充分な冷却剤および不凝結ガスの内部負荷冷却剤を含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0059】
17.冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および前記冷却剤リザーバからの出口(outlet)チャネル、をさらに含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0060】
18.加熱要素、センサ、および前記センサからデータを受信し、前記受信されるデータへ応答して前記加熱要素へ制御信号を発信するように構成されるコントローラをさらに含む、項17に記載の熱サイフォン。
【0061】
19.冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバと前記凝結領域における少なくとも1つのチャネルと冷却剤の間のチャネル、前記冷却剤リザーバへ動作可能に取り付けられた熱電デバイス、センサ、および、前記センサからデータを受信し、前記受信したデータに応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに含む、項1に記載の熱サイフォン。
【0062】
20.凝結領域であって断熱チャネルに接続された水平対称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、前記凝結チャネルへ前記蒸発チャネルを接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域であって、前記熱サイフォンは実質的に平坦な面と丸みを帯びた面とを有する平面構造内に製作され、前記熱サイフォンは所定の積載量である不凝結ガス、および所定の積載量である冷却剤を含む領域と、を含む、温度調整貯蔵デバイス内で使用される熱サイフォン。
【0063】
21.前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために配向される場合、実質的に鉛直である、項20に記載の熱サイフォン。
【0064】
22.前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために前記熱サイフォンが配向される場合、前記凝結領域は、前記断熱領域および前記蒸発領域の実質的に上に配置される、項20に記載の熱サイフォン。
【0065】
23.前記凝結領域は、前記上部チャネルへ動作可能に取り付けられる充填ポートを含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0066】
24.前記凝結領域は、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルであって、一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法の内部空間を含むガス保持チャネルを備える、項20に記載の熱サイフォン。
【0067】
25.前記凝結領域の実質的に平坦な面は、前記温度調整貯蔵デバイスが使用中である場合水-氷混合物タンクの推定水領域に隣接して配置される面を含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0068】
26.前記断熱領域は、前記凝結チャネルと前記蒸発チャネルとの間に実質的に平行に配置される複数の断熱チャネルを含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0069】
27.前記断熱領域の少なくとも1つの断熱チャネルは、2相チャネルを含む、請求項20に記載の熱サイフォン。
【0070】
28.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、複数の2相チャネルを含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0071】
29.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの主軸に沿って互いに等間隔に配置されている、項20に記載の熱サイフォン。
【0072】
30.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中に前記温度調整貯蔵デバイスの推定最大傾斜よりも大きい最小流角をそれぞれ有する、項20に記載の熱サイフォン。
【0073】
31.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、実質的に等温であると推定される、項20に記載の熱サイフォン。
【0074】
32.前記熱サイフォンは、ロールボンド材料から製作される、項20に記載の熱サイフォン。
【0075】
33.前記熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている、項20に記載の熱サイフォン。
【0076】
34.前記熱サイフォンは、前記温度調整貯蔵デバイスの使用時の熱負荷と推定使用温度範囲の飽和圧力とに対する冷却剤および不凝結ガスの内部負荷冷却剤を含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0077】
35.前記熱サイフォンは、前記凝結領域の前記水平対称分岐部に隣接する前記断熱領域内で、前記不凝結ガスのバルクの想定位置を位置決めするのに充分な冷却剤および不凝結ガスの内部負荷冷却剤を含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0078】
36.冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および前記冷却剤リザーバからの出口チャネル、をさらに含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0079】
37.加熱要素、センサ、および前記センサからデータを受信し、前記受信されるデータへ応答して前記加熱要素へ制御信号を発信するように構成されるコントローラをさらに含む、項36に記載の熱サイフォン。
【0080】
38.冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバと前記凝結領域における少なくとも1つのチャネルと冷却剤の間のチャネル、前記冷却剤リザーバへ動作可能に取り付けられた熱電デバイス、センサ、および、前記センサからデータを受信し、前記受信したデータに応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに含む、項20に記載の熱サイフォン。
【0081】
39.相変化材料を収容するように構成されるサーマルシンクユニットと、少なくとも1つの壁を含む貯蔵領域と、熱サイフォンと、を備え、前記熱サイフォンは、断熱チャネルに接続された水平対称称分岐部を有する複数の等間隔の凝結チャネルを含み、前記複数の凝結チャネルは頂部ポジションで上部チャネルと接続する凝結領域と、複数の蒸発チャネルを含む蒸発領域であって、当該複数の蒸発チャネルの各々は蛇行チャネルパターンにおいて形成されるフローチャネルを有し、前記蛇行チャネルパターンの各々のサブユニットは前記サブユニットの頂部で蒸気戻りチャネルへ取り付けられ、前記蒸発領域は蒸気戻りチャネルへ直接に接続される少なくとも1つの最下ポジションを有する、蒸発領域と、前記凝結チャネルおよび前記蒸発チャネルと接続する少なくとも1つの断熱チャネルを含む断熱領域と、を備え、前記蒸発チャネルを含む熱サイフォンは実質的に平坦な面と丸みを帯びた面とを有する平面構造内に製作され、前記凝結領域の前記実質的に平坦な面は前記サーマルシンクユニットに隣接して配置され、前記蒸発領域の平坦な面は前記貯蔵領域の壁に隣接して配置され、前記熱サイフォンは所定の負荷の冷却剤と所定の負荷の不凝結ガス冷却剤とを含む、温度調整貯蔵デバイス。
【0082】
40.前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために配向される場合、実質的に鉛直である、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0083】
41.前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために前記熱サイフォンが配向される場合、前記凝結領域は、前記断熱領域および前記蒸発領域の実質的に上に配置される、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0084】
42.前記温度調整貯蔵デバイス中での使用のために前記熱サイフォンが配向される場合、前記凝結領域は、前記断熱領域および前記蒸発領域の実質的に上に配置される、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0085】
43.前記凝結領域は、前記上部チャネルへ取り付けられるガス保持チャネルであって、一定量の不凝結ガスを収容するための特定の寸法の内部空間を含むガス保持チャネルを備える、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0086】
44.前記凝結領域の実質的に平坦な面は、前記温度調整貯蔵デバイスが使用中である場合水-氷混合物タンクの推定水領域に隣接して配置される面を含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0087】
45.前記断熱領域は、前記凝結チャネルと前記蒸発チャネルとの間に実質的に平行に配置される複数の断熱チャネルを含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0088】
46.前記断熱領域の少なくとも1つの断熱チャネルは、2相チャネルを含む、請求項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0089】
47.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、複数の2相チャネルを含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0090】
48.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、前記熱サイフォンの主軸に沿って互いに等間隔に配置されている、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0091】
49.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中に前記温度調整貯蔵デバイスの推定最大傾斜よりも大きい最小流角をそれぞれ有する、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0092】
50.前記蒸発領域の前記複数の蒸発チャネルは、使用中、実質的に等温であると推定される、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0093】
51.前記熱サイフォンは、ロールボンド材料から製作される、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0094】
52.前記熱サイフォンは、面の間で角度を有する少なくとも2つの平面として構成されている、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0095】
53.前記熱サイフォンは、前記温度調整貯蔵デバイスの使用時の熱負荷と推定使用温度範囲の飽和圧力とに対する冷却剤および不凝結ガスの内部負荷冷却剤を含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0096】
54.前記熱サイフォンは、前記凝結領域の前記水平対称分岐部に隣接する前記断熱領域内で、前記不凝結ガスのバルクの想定位置を位置決めするのに充分な冷却剤および不凝結ガスの内部負荷冷却剤を含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0097】
55.冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバへの入口チャネル、および前記冷却剤リザーバからの出口チャネル、をさらに含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0098】
56.加熱要素、センサ、および前記センサからデータを受信し、前記受信されるデータへ応答して前記加熱要素へ制御信号を発信するように構成されるコントローラをさらに含む、項55に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0099】
57.冷却剤リザーバ、前記冷却剤リザーバと前記凝結領域における少なくとも1つのチャネルと冷却剤の間のチャネル、前記冷却剤リザーバへ動作可能に取り付けられた熱電デバイス、センサ、および、前記センサからデータを受信し、前記受信したデータに応答して前記熱電デバイスへ制御信号を発信するように構成されるコントローラ、をさらに含む、項39に記載の温度調整貯蔵デバイス。
【0100】
様々な態様及び実施形態を以上に示したが、当業者には、他の態様及び実施形態も明らかであろう。以上で示した様々な態様及び実施形態は、例示を目的とするものであって、限定することを意図したものではなく、本当の範囲及び精神は、後述の請求項によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1図1は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
図2図2は、熱サイフォンを含む温度調整貯蔵デバイスの概要図である。
図3図3は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
図4図4は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
図5図5は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
図6図6は、温度調整貯蔵デバイスと共に使用するための熱サイフォンの概要図である。
図7図7は、熱サイフォンの実施例の結果を示す図である。
図8図8は、熱サイフォンを含む温度調整貯蔵デバイスの実施例の結果を示す図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8