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特許7016395カートリッジ、電池ユニット及び電子タバコ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】カートリッジ、電池ユニット及び電子タバコ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20220128BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20220128BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220128BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/10
A24F47/00
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020156689
(22)【出願日】2020-09-17
(62)【分割の表示】P 2018555893の分割
【原出願日】2018-05-25
(65)【公開番号】P2021003122
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】15/927,081
(32)【優先日】2018-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518168557
【氏名又は名称】ジョイテック・ユーロップ・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Joyetech Europe Holding GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・グオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイホア・チウ
(72)【発明者】
【氏名】ネン・ホア
(72)【発明者】
【氏名】シャオチー・シュイ
【審査官】山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204146338(CN,U)
【文献】特表2016-504038(JP,A)
【文献】国際公開第2016/202301(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/082728(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸液ユニットと、カートリッジケースと、タバコリキッドを前記吸液ユニットに供給するためのリザーバとを含むカートリッジであって、
前記吸液ユニットは、前記リザーバの下方に設けられ、
前記吸液ユニットは、前記カートリッジが使用状態で組み付けられる前に、前記タバコリキッドが前記リザーバまたは前記吸液ユニット内に保持されるように、設置され、
前記カートリッジは、前記吸液ユニットの下方に設けられたヒータと、前記カートリッジケースに取り外し可能に取り付けられたリキッド調整素子とを更に含
前記吸液ユニットは、第1吸液部材と第2吸液部材とを含み、前記リキッド調整素子は、前記第1吸液部材と前記第2吸液部材との間に移動可能に設けられ、前記リキッド調整素子の非使用状態時に、前記第2吸液部材と前記第1吸液部材とは、前記リキッド調整素子により仕切られる、
カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記カートリッジケース内に位置するリザーバとをさらに含み、
前記リキッド調整素子の一部は、前記カートリッジケース内に設けられ、
前記リキッド調整素子には、上位置決め溝、下位置決め溝、及び位置決め素子が設けられ、前記上位置決め溝が、前記リザーバの底面に対して平行に設けられ、前記下位置決め溝が前記リキッド調整素子の底部に設けられ、前記位置決め素子が、前記上位置決め溝及び前記下位置決め溝と協働して前記リキッド調整素子を予め設定された位置に維持するように構成される、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項3】
カートリッジと、前記カートリッジに電気的に接続された電池ユニットとを含む電子タバコであって、
前記カートリッジは、吸液ユニットと、カートリッジケースと、タバコリキッドを前記吸液ユニットに供給するためのリザーバとを含み、
前記吸液ユニットは、前記リザーバの下方に設けられ、
前記吸液ユニットは、前記カートリッジが使用状態で組み付けられる前に、前記タバコリキッドが前記リザーバまたは前記吸液ユニット内に保持されるように、設置され、
前記カートリッジは、前記吸液ユニットの下方に設けられたヒータと、前記カートリッジケースに取り外し可能に取り付けられたリキッド調整素子とを更に含
前記吸液ユニットは、第1吸液部材と第2吸液部材とを含み、前記リキッド調整素子は、前記第1吸液部材と前記第2吸液部材との間に移動可能に設けられ、前記リキッド調整素子の非使用状態時に、前記第2吸液部材と前記第1吸液部材とは、前記リキッド調整素子により仕切られる、
電子タバコ。
【請求項4】
前記電池ユニットは、ケースとヒータとを含
前記ケース内に絶縁素子及び電力供給手段が収容され、
前記電力供給手段が回路基板と電池とを含
前記絶縁素子が、前記ヒータと前記電力供給手段との間に設けられ、
前記ヒータが1つ以上の開口を有し、前記ヒータが前記絶縁素子を通るように延びて前記回路基板に電気的に接続され、
前記電池が前記回路基板の下方に設けられている、
請求項3に記載の電子タバコ。
【請求項5】
前記ヒータは、加熱素子と複数の電気治具とを備え、
前記電気治具の一端が前記加熱素子に挟圧され、
前記電気治具の他端が前記回路基板に接続される、請求項4に記載の電子タバコ
【請求項6】
前記ヒータは、2つの治具により前記回路基板に挟圧され、前記治具の一端が前記ヒータに挟圧され、前記治具の他端が前記回路基板に接続される、請求項4に記載の電子タバコ
【請求項7】
前記ヒータは窒化アルミニウムから形成される、請求項4に記載の電子タバコ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
本願は、2017年3月29日に出願された出願番号62/478451の米国仮出願に基づく優先権を主張し、その内容のすべてを援用して本願に組み込む。
【0003】
本発明は、模擬喫煙の技術分野に関し、具体的に、カートリッジ、電池ユニット及び電子タバコに関する。
【背景技術】
【0004】
電子タバコは、周知のものである。従来の電子タバコは、カートリッジと電池ユニットとを含み、カートリッジが、リキッド貯蔵ユニット及び霧化ユニットを含み、リキッド貯蔵ユニットが霧化ユニットにタバコリキッドを供給し、霧化ユニットが電池ユニットにより電気的に駆動されることにより、タバコリキッドがスモークに霧化されてユーザに享受される。よって、リキッド貯蔵ユニットにおけるタバコリキッドが使い切った時、カートリッジ全体を捨てる必要がある。しかしながら、この際のカートリッジの霧化ユニットがまだ良好な状態にある可能性があるので、カートリッジ全体を捨てることは不経済である。
【0005】
現在、様々の利用可能な設計があるが、電子タバコについてまだ他の設計が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題に鑑みて、本発明は、リキッド貯蔵ユニット内のタバコリキッドが使い切った時、カートリッジの霧化ユニットがまだ良好な状態にある場合、カートリッジ全体を捨てることが不経済である問題を解決するために、カートリッジ、電池ユニット、及び電子タバコを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
カートリッジは、吸液ユニットと、タバコリキッドを吸液ユニットに供給するためのリザーバ(liquid container)とを含む。前記吸液ユニットは、前記リザーバの下方に設けられる。前記吸液ユニットは、前記カートリッジが使用状態に組み付けられる前に、タバコリキッドがリザーバまたは吸液ユニット内に保持されるように、設置されている。
【0008】
一実施例によれば、前記吸液ユニットは、剛性材料からなる。
【0009】
一実施例によれば、前記吸液ユニットは、膜と突き刺し手段とを更に含む。前記膜が、リザーバの底部に設けられ、前記突き刺し手段が前記膜の下方に所定の距離を置いて設けられている。
【0010】
一実施例によれば、前記カートリッジは、吸液ユニットの下方に取り外し可能に設置されたヒータを更に含む。前記突き刺し手段は、突き刺し素子と弾性素子とを含む。前記突き刺し素子の一端がヒータに接続されるとともに、前記突き刺し素子の他端が前記吸液ユニットの上方に突出する。
【0011】
一実施例によれば、前記弾性素子は、前記突き刺し素子と前記リザーバの底部との間に弾性的圧縮して設けられる。前記弾性素子の一端が前記突き刺し素子に当接し、前記弾性素子の他端がリザーバの底部に当接する。
【0012】
一実施例によれば、前記突き刺し手段は、突き刺し素子と弾性素子とを含む。前記突き刺し素子が前記カートリッジ又は前記吸液ユニットに取り付けられる。前記弾性素子が吸液ユニットとリザーバの底部との間に弾性的圧縮して設けられる。
【0013】
一実施例によれば、前記カートリッジは、前記吸液ユニットの下方に設けられたヒータと、前記カートリッジに取り外し可能に取り付けられたリキッド調整素子とを更に含む。
【0014】
一実施例によれば、前記吸液ユニットは、第1吸液部材(first absorbing assembly)と第2吸液部材(second absorbing assembly)とを含み、前記リキッド調整素子が非使用状態で組み付けられたとき、前記第2吸液部材と前記第1吸液部材は、前記リキッド調整素子により仕切られる。
【0015】
一実施例によれば、前記カートリッジは、カートリッジケースと、前記カートリッジケース内に位置するリザーバとをさらに含む。前記リキッド調整素子の一部は、カートリッジケース内に設けられる。前記リキッド調整素子には、上位置決め溝、下位置決め溝、及び位置決め素子が設けられている。前記上位置決め溝が、前記リザーバの底面に対して平行に設けられる。前記下位置決め溝がリキッド調整素子の底部に設けられる。前記位置決め素子が、前記上位置決め溝及び前記下位置決め溝と協働して前記リキッド調整素子を予め設定された位置に維持するように構成される。
【0016】
一実施例によれば、前記カートリッジは、リキッド調整素子と、ヒータと、カートリッジケースとを含む。前記リザーバが前記カートリッジケース内に位置する。前記ヒータが前記吸液ユニットの下方に設けられる。前記吸液ユニットが前記ヒータに部分的に接触する。前記リキッド調整素子が前記カートリッジケースと前記吸液ユニットとの間に回転可能に設けられる。
【0017】
一実施例によれば、前記リキッド調整素子には、前記リザーバに設けられた流路に対応する1つ以上のリキッド調整出口が開設されている。
【0018】
一実施例によれば、前記カートリッジは、前記吸液ユニットの下方に設けられた伝熱素子を更に含み、前記伝熱素子の上面には、1つ以上の蒸気(Vapor)出口が設けられ、前記伝熱素子の一方側に吸気開口が設けられるとともに、前記伝熱素子の他方側に排気開口が設けられている。
【0019】
一実施例によれば、前記吸液ユニットは、接続素子を更に含む。前記接続素子が前記リザーバと前記吸液ユニットとの間に設けられている。
【0020】
一実施例によれば、前記接続素子は弾性材料で作製される。
【0021】
一実施例によれば、前記カートリッジは、係止素子を更に含む。前記係止素子の上端が前記リザーバの底部に嵌合される。前記係止素子の下端に孔が設けられている。吸液ユニットが前記孔から前記係止素子に挿入される。
【0022】
電池ユニットはケースとヒータとを含む。前記ケース内に絶縁素子及び電力供給手段(power supply unit)が収容されている。前記電力供給手段が回路基板と電池とを含む。前記絶縁素子が、前記ケースと前記電力供給手段との間に設けられる。前記ヒータが1つ以上の開口を有し、前記絶縁素子を通るように延びて回路基板に電気的に接続される。前記電池が前記回路基板の下方に設けられる。
【0023】
一実施例によれば、前記ヒータは、加熱素子と複数の電気治具とを備える。前記電気治具の一端が前記加熱素子に挟圧される。前記電気治具の他端が前記回路基板に接続される。
【0024】
一実施例によれば、前記ヒータは、2つの治具により前記回路基板に挟圧される。前記治具の一端が前記ヒータに挟圧され、前記治具の他端が前記回路基板に接続される。
【0025】
一実施例によれば、前記ヒータは窒化アルミニウムから形成される。
【0026】
電子タバコは、カートリッジと、前記カートリッジに電気的に接続される電池ユニットとを含む。前記カートリッジは、吸液ユニットと、タバコリキッドを前記吸液ユニットに供給するためのリザーバとを含む。前記吸液ユニットは、前記リザーバの下方に設けられる。前記吸液ユニットは、前記カートリッジが使用状態でに組み付けられる前に、タバコリキッドが前記リザーバまたは前記吸液ユニット内に保持されるように、設置されている。
【0027】
図面は簡略化された形態であり、縮尺が完全に正確ではない可能性があることに注意すべきである。本願にかかる発明について、便利及び明瞭のみのため、図面を参照しながら、頂部、底部、左側、右側、上、下、越え、上方、下方、以下、後、前、遠端、近端などの方向用語が使用される。それらの方向用語がいかなる態様においても実施例の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】本発明の第1実施例にかかる電子タバコの斜視図である。
図1B】本発明の第1実施例にかかる電子タバコの他の斜視図である。
図1C図1Aに示す電子タバコの側面図である。
図1D図1CのA-A線に沿う断面図である。
図1E図1Aに示す電子タバコの正面図である。
図1F図1EのB-B線に沿う断面図である。
図1G図1Aに示す電子タバコのカートリッジの斜視図である。
図1H図1Aに示す電子タバコのカートリッジの他の斜視図である。
図1I図1Gに示すカートリッジの側面図である。
図1J図1IのC-C線に沿う断面図である。
図1K図1Gに示すカートリッジの正面図である。
図1L図1KのB-B線に沿う断面図である。
図1M図1Lに示すA部の拡大図である。
図1N図1Aに示す電池ユニットの斜視図である。
図1O図1Aに示す電池ユニットの他の斜視図である。
図1P図1Aに示す電池ユニットの側面図である。
図1Q図1PのE-E線に沿う断面図である。
図1R図1Nに示すヒータの側面図である。
図1S治具によって挟圧される図1Nに示すヒータの斜視図である。
図1T治具によって挟圧される図1Nに示すヒータの右側面図である。
図1U図1Nに示すヒータの正面図である。
図2A】本発明の第2実施例にかかる非使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図2B】本発明の第2実施例にかかる使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図3A】本発明の第3実施例にかかる非使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図3B】本発明の第3実施例にかかる使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図4A】本発明の第4実施例にかかる非使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図4B】本発明の第4実施例にかかる使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図4C図4Bに示すB部の拡大図である。
図5A】本発明の第5実施例にかかる非使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図5B】本発明の第5実施例にかかる使用状態のヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図5C図5Aに示す非使用状態のリキッド調整素子の模式図である。
図5D図5Bに示す使用状態のリキッド調整素子の模式図である。
図5E図5Bに示すC部の拡大図である。
図6A】本発明の第6実施例にかかるヒータを備えるカートリッジの構成図である。
図6B】本発明の第6実施例にかかる伝熱素子の構成図である。
図7A】本発明の第7実施例にかかるカートリッジの斜視図である。
図7B図7Aに示すカートリッジの側面図である。
図7C図7BのF-F線に沿う断面図である。
図8A】本発明の第8実施例にかかるカートリッジの模式図である。
図8B図8Aに示すカートリッジの側面図である。
図8C図16BのA-A線に沿う断面図である。
図8D図8Aに示すカートリッジの模式図である。
図8E図8Aに示すカートリッジの側面図である。
図8F図8EのH-H線に沿う断面図である。
図8G図8Fに示す係止素子の斜視図である。
図8H図8Fに示す係止素子の断面図である。
図8I図8Fに示すヒータの斜視図である。
図8J図8Fに示すヒータの側面図である。
図8K図8JのI-I線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面を参照しながら本発明の技術案を詳細に説明する。明らかに、それらの実施例は、本発明の例示的な実施例に過ぎず、本発明はそれらの実施例に限定されない。当業者が本発明の実施例に基づいて取得した他の実施例も本発明の保護範囲に含まれる。
【0030】
引用される特許、出願及び文献のすべては、その内容の全部が援用され本明細書に組み込まれる。さらに、援用により本明細書に組み込まれる引用文献における用語の定義が本明細書で提供される用語の定義に不一致又は反する場合に、引用文献における用語の定義ではなく、本明細書で提供される用語の定義を採用すべきである。実施例は、上述した1つまたは複数の目的を満たすことを求める。本発明は、前記目的の1つまたは複数を排除可能であるが、本実施例のいくつかの態様が、必ずしもそれらを排除する必要がないことを理解すべきである。
<第1実施例>
【0031】
図1A~1Fを参照すると、本発明の第1実施例は、電子タバコ100を提供する。電子タバコ100は、カートリッジ10、筐体(housing)30及び電池ユニット50を含み、電池ユニット50が筐体30内に位置する。カートリッジ10は少なくとも部分的に筐体30内に配置される。
【0032】
この実施例では、ユーザがカートリッジ10を交換するために、カートリッジ10は電池ユニット50に取り外し可能に取り付けられる。カートリッジ10は、使い捨てのカートリッジである。他の実施例(図示せず)では、カートリッジ10は再使用可能なものである、と理解すべきである。
【0033】
電子タバコ100は、カートリッジ10上に位置するとともにカートリッジ10に取り付けられた吸口70を更に含む。吸口70は、カートリッジ10の一部である。また、このカートリッジ10が筐体30に挿入された時、吸口70は露出することが可能である。他の実施例(図示せず)では、吸口70は、カートリッジ10に取り外し可能に取り付けられた別個の部品である、と理解すべきである。
【0034】
筐体30の側壁には吸気口31が設けられ、空気がこの吸気口31を介して電子タバコ100内に入る。吸口70には、電子タバコ100の内部に流体連通する排気口71が設けられている。電子タバコ100により形成された蒸気は、排気口71から放出されて、ユーザに吸入される。本実施例では、2つの吸気口31は、それぞれ筐体30の2つの対向する側壁に位置する。
(カートリッジ)
【0035】
前述した従来技術のように、従来の電子タバコの欠点の1つは、古いカートリッジを交換するとき、霧化ユニットが再使用されることはできないことである。そこで、本発明は、取り外し可能なカートリッジを提供し、このカートリッジは、電子タバコの残りの部分を変更することなく交換することが可能である。従来のカートリッジと異なって、本発明の取り外し可能なカートリッジは、カートリッジ内のリキッドを加熱して蒸気にするヒータを含まない。これにより、リキッドが使い切ったとき、取り外し可能なカートリッジを新しいものに交換することが可能であるとともに、電子タバコの残りの部分が依然として再使用されることができる。
【0036】
図1G~1Mに示すように、カートリッジ10は、カートリッジケース11と、カートリッジケース11内に収容されるリザーバ13と、カートリッジケース11の底部に位置する吸液ユニット15とを含む。
【0037】
吸液ユニット15は、カートリッジ10が使用状態で組み付けられる前に、リキッドがリザーバ13または吸液ユニット15内に保持されるように、設置されている。カートリッジ10が使用状態で組み付けられたときとは、ユーザが正常に電子タバコ100を使用することが可能であり、即ち、ユーザが吸口70を吸う時に蒸気を楽しむことが可能であることを意味する。
【0038】
吸液ユニット15は、リザーバ13の下方に設けられ、言い換えれば、カートリッジ10は、その底部に吸液ユニット15を備える。リザーバ13は、吸液ユニット15と流体連通してリキッドを吸液ユニット15に供給する。カートリッジ10の底部には、リザーバ13と吸液ユニット15との間を連通する1つ以上のリキッド流路101が開設され、流路101を通過したリキッドが吸液ユニット15に流れて吸液ユニット15に吸収される。この実施例では、流路101は、吸液ユニット15で満たされていない。他の実施例(図示せず)では、流路101は、吸液ユニット15で満たされている、と理解すべきである。
【0039】
リザーバ21には、ゲル、タバコリキッド、固体などが収容されているが、これらに限定されない。タバコリキッドは、本発明の示例として使用されている。
【0040】
この実施例では、カートリッジケース11の内部は中空であって、リザーバ13を形成している。他の実施例(図示せず)では、リキッドを収容するための中空構成を有するリザーバ13がカートリッジケース11内に収容されるとともに、リザーバ13の底部に、流路101と流体連通する1つ以上のリキッドの流動通路が開設されている、と理解すべきである。
【0041】
吸液ユニット15は、リキッドを吸収するために、吸収可能な材料からなり、例えば、吸液ユニット15は、綿、吸液性セラミックス、または繊維からなる芯材(wick)であってもよい。
【0042】
図1G及び図1Hを参照すると、カートリッジ10は、その側壁に第1凹溝17がさらに開設されているとともに、その前壁及び後壁に第2凹溝19が開設されている。本実施例では、第1凹溝17及び第2凹溝19は、カートリッジケース11の外面に開設されている。このカートリッジ10が筐体30に挿入されたとき、第1凹溝17は、筐体30の内壁と共に吸気口31に流体連通する内部空気通路(標記せず)を規定するとともに、第2凹溝19は、筐体30の内壁と共に吸口70の排気口71に流体連通する排気通路(標記せず)を規定する。それぞれの第2凹溝19は、上向きに延びて吸口70における排気口71に連通する。この実施例では、第2凹溝19は、教会の天井のように、それぞれ上向き及び内向きに延びて、最終的に吸口70における排気口71に至る。
【0043】
他の実施例では、気体が流通するためのチャンネル・通路は、電子タバコ100の任意の位置に位置してもよく、カートリッジ10の側壁及び前・後壁に限定されない。
【0044】
図1Kに示すように、カートリッジ10は、第1シール部材24をさらに含み、電子タバコ100により生成された蒸気の利用率を高めるために、第1シール部材24は、第2凹溝19及び筐体30の内壁により形成される排気通路内の気体を封止する。
(電池ユニット)
【0045】
図1N~1Qを参照すると、電池ユニット50は、ヒータ51、絶縁素子53、及び電力供給手段を含み、電力供給手段が、回路基板55、及び回路基板55とヒータ51との両方に電気的に接続された電池57を含む。
【0046】
絶縁素子53は、ヒータ51と回路基板55との間に設けられる。電池ユニット50は、ヒータ51を回路基板55に接続する2本のリード513を更に含む。具体的には、リード513の一端がヒータ51に接続し、リード513の他端が絶縁素子53を通るように延びて回路基板55に接続される。
【0047】
図1Rを参照すると、本実施例では、リード513は、回路基板55に溶接されている。
【0048】
図1S~1Uを参照すると、他の実施例では、ヒータ51の交換を便利にするために、2つの治具59によりヒータ51を回路基板55に「挟圧」する。各治具59は、治具59の一端がヒータ51を挟圧し、治具59の他端が回路基板55に接続される。具体には、ヒータ51は、その対向する両端に2つのリード513を備え、各治具59がそれぞれリード513の1つを挟圧する。
【0049】
治具59が導電性を有するため、電池ユニット50がオンすると、ヒータ51は、カートリッジ10の吸液ユニット15への加熱を開始する。一実施例では、ヒータ51をさらに締結するために、ナットとボルト(図示せず)の組合せがヒータ51と治具59との間に設けられてもよい。勿論、ナットとボルトの代わりに、他の組合せを使用してもよく、ヒータ51を固定可能であればよい。
【0050】
治具59は、ヒータ51を係止するように配置されるだけではなく、ヒータ51と回路基板55との間の電気リードとして使用されている、と注意すべきである。言い換えれば、治具59は、溶接の態様で電気リードとして使用されてもよい。したがって、同様に、治具59の数が実際のニーズに応じて変化してもよい。
【0051】
ヒータ51は、固体ヒータである。ヒータ51は、セラミックス、金属、または金属-セラミックス複合体(例えば、内部に金属を埋め込んだセラミックスなど)から作製される。この実施例では、ヒータ51は、微量のタングステンを含有する(窒化アルミニウム)AlNセラミックス製である。他の実施例では、タングステンがAlNセラミックス内に埋め込まれる。
【0052】
ヒータ51の頂面が吸液ユニット15に接触するとき、蒸気を逃がすための十分な開口511を有するように、ヒータ51には、1つ以上の開口511が開設されている。ここで、開口511の数は限定されない。この実施例では、開口511は、ヒータ51を貫通する。
【0053】
カートリッジ10が所定の位置に挿入されたとき、吸液ユニット15は、ヒータ51に非常に近接しまたは直接接触する。一実施例では、吸液ユニット15は、例えば綿などの変形可能な材料から構成されたため、吸液ユニット15は、外力の作用で変形して一部が開口511に収容されることにより、ヒータ51と吸液ユニット15との間の接触表面積を向上させることができる。
【0054】
カートリッジ10は、カートリッジ10の内部・外部に設けられた吸液ユニット15を覆うシール素子(図示せず)を更に備える。使用前にリキッドがカートリッジ10から漏らすことを防止するために、シール素子は、通常カートリッジ10の底部に嵌合される。シール素子は、カートリッジ10の底部を封止すればよく、ここで、その材料、寸法、及び仕様が限定されない。
【0055】
電池ユニット50は、センサー60を更に含む。この実施例では、センサー60は、絶縁素子53におけるヒータ51の近傍に設けられる。気体がセンサー60のある位置と気流経路(例えば、吸気口、排気口、加熱素子に近い領域)との間で流体連通を可能にするチャンネル(図示せず)の存在が可能である。
【0056】
センサー60は、気流センサーである。実際に、ユーザが吸口70を吸うときの気圧変化を検出するために、センサー60は、電子タバコ100の任意の位置に設けられてもよい。この圧力変化により、ヒータ51が自動的にオンする。ユーザが(ヒータをオンさせるように)オン・オフボタンを押す必要がなくなる。センサー60は、ユーザが吸口70を吸うことにより気体が流れる領域に流体連通すべきである。
【0057】
他の実施例では、センサー60は、電池57の下方に位置する。電子タバコ100は、センサー60と吸口70との両方に連通する気流通路(図示せず)をさらに含み、センサー60が気流通路に位置する。外気が電子タバコ100に入り、気流通路と吸口70とを順次に通過するため、ユーザが吸口70を吸うとき、センサー60が気圧変化を検出可能である。
【0058】
上記構成によれば、ユーザが吸口70を吸うとき、外気が入り、筐体30の吸気口31を通過して内部空気通路に沿って下向きに進み、最終的にヒータ51下方の領域に達する。そして、センサー60が気圧変化を検出すると、電池ユニット50のヒータ51をオンさせ、これにより、ヒータ51は、露出した吸液ユニット15への加熱を開始して、吸液ユニット15におけるリキッドを霧化させる。次に、蒸気が排気通路を通って上向きに進み、吸口70に入る。なお、本明細書に記載の排気通路及び内部空気通路は、説明のみのためであり、一実施例では、気体が流通するための通路は、カートリッジ10と筐体30との間の任意の位置に設けられてもよく、カートリッジ10の側壁及び前・後壁に限定されない。
【0059】
一実施例では、筐体30の前面には、1つまたは複数のイベントを示すための光指示器33が設けられている。例えば、電子タバコ100、又は筐体30内に設けられるヒータ51のオンまたはオフ状態を示すように構成された使用指示器であってもよく、または、ユーザに電池ユニット50内の電池の充電・交換をユーザに知らせるように構成された電力不足指示器であってもよい。なお、光指示器33の機能が限定されなく、実際のニーズに応じて変化することが可能である。
【0060】
この実施例では、電池ユニット50は、再充電可能なものである。図1Bからわかるように、電池ユニット50の底部に2つの充電接点63が設けられている。それらの充電接点63は、電池ユニット50を充電するために配置されている。図において充電接点63の位置は、説明のみのためである、と注意すべきである。
【0061】
図1に示すように、使用中、カートリッジ10が筐体30に挿入されたとき、吸口70のみが露出される。ユーザが吸口70を吸うとき、外気が吸気口31を介して入り、内部空気通路に沿って下向きに進み、さらに開口511を通過して、最終的に露出の吸液ユニット15の直下の領域(図1Hにおいてカートリッジ10の底部全体は、露出するウェットの芯材である)に達する。センサー60によりヒータ51をオンさせて、吸液ユニット15の加熱を開始することにより、吸液ユニット15におけるリキッドを蒸気化させる。そして、蒸気がカートリッジ10の排気通路に沿って上向きに進み、吸口70に入る。
【0062】
カートリッジ10は、交換且つ取り外し可能なものである。ユーザが簡単に吸口70を上向きに引っ張ることによりカートリッジ10を取り外すとき、カートリッジ10の全体は、電池ユニット50から離れる。カートリッジ10を取り外すと、ヒータ51が電池ユニット50の頂部に露出し(図1N参照)、即ち、ヒータ51をカートリッジ10と共に交換する必要はなく、交換コストを低減することができる。
【0063】
図面には、リザーバ13の頂部における吸口70のほぼ線性構造を示し、リザーバ13の底部に、電池ユニット50の頂部にあるヒータ51への接触に適合する吸液ユニット15を備えるが、同じ思想を使用すれば、いかなる他の空間配列であってもよい。所望の目的の1つは、カートリッジ10のリザーバ13内に予めリキッドが充填され、リザーバ13が吸液ユニット15に接続し、吸液ユニット15が露出してヒータ51に接触することである。そして、このカートリッジ10は、異なる匂い及びニコチンレベルを有し、または他の添加物を含む蒸気を生成することができる。
【0064】
他の実施例(図示せず)では、電池ユニット50の素子の配置は実際のニーズに応じて変化することが可能である、と理解すべきである。例えば、電池ユニット50は、電池部と取り外し可能に前記電池部に接続された霧化部とを含む。電池部は、回路基板55と電池57とを備える電力供給手段を含む。霧化部は、ヒータ51と絶縁素子53とを含む。センサー60は、電池部または霧化部に位置する。
【0065】
ここで、光指示器33の機能は限定されることなく、実際のニーズに応じて変化することが可能である、と注意すべきである。
【0066】
取り外し可能なカートリッジの問題の1つは、カートリッジが所定の位置に挿入されたとき、カートリッジ内に通常設けられた吸液ユニットが、電池ユニットの一部となり得るヒータに近接するか、または直接接触することにある。吸液ユニットにおけるタバコリキッドは、圧力で漏らすおそれがある。この問題を解決するために、本発明は、下記に記載されるカートリッジのいくつかの実施態様を提供する。
<第2実施例>
【0067】
図2A~2Bを参照すると、本発明の第2実施例は、カートリッジ10を提供する。カートリッジ10は、カートリッジケース11、吸液ユニット15、膜12、突き刺し手段52、及びヒータ51を含む。カートリッジケース11は、中空構造を有し、その下部にチャンバ111を規定している。吸液ユニット15、膜12、及びヒータ51は、チャンバ111内に取り外し可能に配置されている。膜12は、リザーバ13の底部に設けられ、突き刺し手段52は、膜12の下方に所定の距離を置いて設けられる。この実施例では、膜12は、液体分離膜であり、リザーバ13内のリキッドを封止するように構成されている。突き刺し手段52は、突き刺し素子521と弾性素子522とを含む。突き刺し素子521の一端がヒータ51に取り付けられるとともに、突き刺し素子521の他端が吸液ユニット15の上方に突出する。弾性素子522は弾性的圧縮可能なものであり、突き刺し素子521とリザーバ13の底部との間に設けられる。弾性素子522の一端が突き刺し素子521に当接するとともに、弾性素子522の他端がリザーバ13の底部に当接する。突き刺し素子521は、鋭い先端を備え、その形状が膜12の対応する端にマッチしているため、前記鋭い先端が膜12へ移動するとき、前記鋭い先端が膜12の対応する端と係合される。勿論、ここで、鋭い先端の形状は限定されない。
【0068】
カートリッジ10が図2Aに示す非使用状態にあるとき(即ち、カートリッジ10が使用状態に挿入される前)に、膜12がリザーバ13内のタバコリキッドを封止するとともに、弾性素子522の弾性当接の作用で、突き刺し素子260が膜12の下方の所定の距離を置いて位置する。図2Bに示すように、カートリッジ10が使用状態に挿入されたとき、弾性素子522が外力で収縮して、これにより、カートリッジ10が使用状態になる。突き刺し素子521の鋭い先端が膜12を挿通することにより、孔を形成して、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドが下方に向かって吸液ユニット15に入り、その後、ヒータ51に接触する。ヒータ51がオンすると、吸液ユニット15内に保持されたタバコリキッドは、蒸気に加熱され、ユーザが楽しむことが可能である。
【0069】
他の実施例(図示せず)では、ヒータ51は、カートリッジ10の別個の素子であり、即ち、ヒータ51は、カートリッジ10の一部ではない、と理解すべきである。突き刺し素子521は、カートリッジケース11または吸液ユニット15に取り付けられ、且つ、弾性素子522は、吸液ユニット15とリザーバ13の底部との間に弾性的圧縮して設けられる。
【0070】
他の実施例(図示せず)では、弾性素子522を省略してもよく、例えば、2つ以上の制限溝を利用して突き刺し素子521の動きを制限する、と理解すべきである。
【0071】
膜12は、良好なシール性能を有する可撓性材料から形成される。
【0072】
また、膜12と突き刺し素子521との間の距離、膜12の幅、突き刺し素子521の形状及び数は、説明のみのためであり、実際のニーズに応じて変化することが可能である、と注意すべきである。
<第3実施例>
【0073】
図3A~3Bを参照すると、本発明の第3実施例は、第2実施例の突き刺し手段52と異なる他の突き刺し手段52を備えるカートリッジ10を提供する。突き刺し手段52は、2つのスットパ(limiter)523と複数の突き刺し素子521とを含む。2つのスットパ523は、それぞれ膜12の両端に設けられる。スットパ23は、突き刺し素子521が外力を受けたときにリザーバ13に入り込むことを防止するためのものである。
【0074】
同様に、カートリッジ10が図3Aに示す非使用状態にあるとき(即ち、カートリッジ10が使用状態に挿入される前)に、膜12がリザーバ13内のタバコリキッドを封止するとともに、突き刺し素子521が膜12の下方の所定の距離を置いて位置する。図3Bに示すように、カートリッジ10が使用状態に挿入されたとき、突き刺し素子521が外力で上向きに移動して、これにより、カートリッジ10は、使用状態になる。突き刺し素子521の鋭い先端が膜12を挿通することにより、孔を形成して、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドが下方に向かって吸液ユニット15に入り、その後、ヒータ51に接触する。ヒータ51がオンすると、吸液ユニット15内に保持されたタバコリキッドは、蒸気に加熱され、ユーザが楽しむことが可能である。
<第4実施例>
【0075】
図4A~4Cを参照すると、本発明の第3実施例は、カートリッジ10を提供する。カートリッジ10は、リキッド調整素子16と、カートリッジケース11と、カートリッジケース11内に位置するリザーバ13と、リザーバ13の底部に位置する吸液ユニット15と、吸液ユニット15の下方に設けられたヒータ51とを含む。吸液ユニット15がヒータ51に部分的に接触する。リキッド調整素子16は、カートリッジケース11に取り外し可能に取り付けられる。
【0076】
カートリッジケース11の中空内部がリザーバ13を構成している。吸液ユニット15は、リザーバ13の底部に位置する。リザーバ13には、リザーバ13と吸液ユニット15との間を連通する1つ以上の流路101が開設されている。吸液ユニット15は、第1吸液部材151と第2吸液部材152とを含み、リキッド調整素子16が非使用状態で組み付けられたとき、第2吸液部材152は、リキッド調整素子16により、第1吸液部材151と仕切られる。第1吸液部材151と第2吸液部材152とは、リキッド調整素子16の移動により相互に流体連通することが可能である。つまり、リキッド調整素子16は、第1吸液部材151と第2吸液部材152との間に移動可能に設けられている。
【0077】
この実施例では、リキッド調整素子16は、吸口である。吸口は、中空の円柱状構造を有する。リキッド調整素子16の一部は、カートリッジケース11内に配置される。リキッド調整素子16には、上位置決め溝72、下位置決め溝73、及び位置決め素子14が設けられている。上位置決め溝72は、リザーバ13の底面に対して平行に設けられ、下位置決め溝73は、リキッド調整素子16の底部に設けられる。吸液ユニット15の一部に接触するリザーバ13の底面には、流路101が設けられている。それらの流路101は、タバコリキッドの流動通路として形成され、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドを下方に向かって吸液ユニット15に浸透させる。一実施例では、リキッド出口には、芯材が充填されている。リキッド調整素子16は、図1Aに示す排気口71と同様なものをさらに備える。
【0078】
位置決め素子14が2つの位置決め溝と協働して、リキッド調整素子16を予め設定された位置に維持する。例えば、位置決め素子14は、バネとボールとを含む。以下、バネ及びボールを例として、組み立て前と組み立て後のカートリッジ10の構成を説明する。
【0079】
図4Aに示すように、カートリッジ10が非使用状態にあるとき、上位置決め溝72は、位置決め素子14と協働しバネによりボールを上位置決め溝72に押し込むことにより、リキッド調整素子16を比較的に低い位置に維持する。このとき、リキッド調整素子16の下端が吸液ユニット15に当接することにより、吸液ユニット15を第1吸液部材151と第2吸液部材152とを含む2つの部分に分ける。第2吸液部材152はリキッド調整素子16の底部内に位置し、且つ、第1吸液部材151はリキッド調整素子16の外部に位置する。ヒータ51は、第2吸液部材152の下方に設けられる。タバコリキッドがリザーバ13の底部に設けられた流路101を介して第1吸液部材151に流入することが可能であるが、ヒータ51が第2吸液部材152のみに接触するため、カートリッジ10が使用状態に挿入されたとき、第2吸液部材152のみが露出される。
【0080】
カートリッジ10が使用状態に挿入されたとき、下位置決め溝73がボールのある位置に達するまで、リキッド調整素子16を上向きに引っ張り、その後、ボールが下位置決め溝73にり込むことにより、リキッドリキッド調整素子16を比較的に高い位置に維持する。このとき、リキッド調整素子16の下端が吸液ユニット15に当接しなくなるので、第1吸液部材151がリバウンドして、これにより、第1吸液部材151内のタバコリキッドが第2吸液部材152に流入することが可能である。ヒータ51がオンすると、吸液ユニット15内に保持されたタバコリキッドは、蒸気に加熱され、ユーザが楽しむことが可能である。
【0081】
なお、吸液ユニット15の2つの部分の長さは、限定されなく、実際のニーズに応じて変化することが可能である。
<第5実施例>
【0082】
図5A~5Eを参照すると、本発明の第5実施例は、カートリッジ10を提供する。カートリッジ10は、リキッド調整素子16と、カートリッジケース11と、カートリッジケース11内に位置するリザーバ13と、吸液ユニット15と、吸液ユニット15の下方に設けられるヒータ51とを含む。吸液ユニット15がヒータ51に部分的に接触する。リキッド調整素子16は、カートリッジケース11と吸液ユニット15との間に回転可能に設けられる。
【0083】
リザーバ13の底面には、複数の流路101が設けられている。リキッド調整素子16には、複数の流路101の位置に対応する位置に配置された複数のリキッド調整出口161が設けられている。それらの流路101は、タバコリキッドの流動通路を形成し、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドを下方に向かって吸液ユニット15に浸透させる。一実施例では、流路101には、吸液ユニット15、例えば、芯材が充填されている。
【0084】
図5Aに示すように、カートリッジ10が非使用状態にあるとき、複数のリキッド調整出口161が流路101からずれるように、リキッド調整素子16を回転させることにより、リザーバ13内のタバコリキッドがリキッド調整出口161を介して吸液ユニット15に流入することを防止する。カートリッジ10が使用状態で組み付けられたとき、図5Bに示すように、複数のリキッド調整出口161が流路101に一致するように、リキッド調整素子16を回転させることにより、リザーバ13内のタバコリキッドがリキッド調整出口161を介して吸液ユニット15に流入することが可能である。
【0085】
選択的に、リキッド調整素子16には、第1吸気孔162が設けられ、第1吸気孔162に対応して、カートリッジ10は、カートリッジケース11に第2吸気孔112をさらに設置する。図5Aに示すように、カートリッジ10が非使用状態にあるとき、リキッド調整出口161が流路101からずれるとともに、リキッド調整素子16における第1吸気孔162もカートリッジケース11における第2吸気孔112からずれる。一方、カートリッジ10が使用状態で組み付けられたとき、図5Bに示すように、リキッド調整出口161が流路101に一致するとともに、リキッド調整素子16における第1吸気孔162もカートリッジ10の第2吸気孔112に一致する。このように、外部の異物がカートリッジ10に入ることを防止するとともに、カートリッジ10におけるタバコリキッドが第2吸気孔112から漏れることを防止する。
【0086】
カートリッジ10は、排気口71を有する吸口70をさらに含む。
<第6実施例>
【0087】
図6Aを参照すると、本発明の第6実施例は、カートリッジ10を提供する。第1実施例に比べ、カートリッジ10は、吸液ユニット15の下方に設けられた伝熱素子18をさらに含む。使用状態では、伝熱素子18がヒータ51に接触する。伝熱素子18の上面には、1つ以上の蒸気出口180が設けられている。伝熱素子18の一方側に吸気開口181が設けられているとともに、伝熱素子18の他方側に排気開口182が設けられている。
【0088】
リザーバ13の下面には、複数の流路101が設けられ、それらの流路101は、タバコリキッドの流動通路を形成し、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドを下方に向かって吸液ユニット15に浸透させる。一実施例では、流路101には、吸液ユニット15、例えば、芯材が充填されている。
【0089】
カートリッジ10が使用状態で組み付けられたとき、伝熱素子18の下面がヒータ51に接触するとともに、ヒータ51が吸液ユニット15に直接接触しないので、タバコリキッドが外力の作用で漏れることはない。ヒータ51がオンするとき、ヒータ51による熱が伝熱素子18の下面及び側面を介して上面に伝達し、その後、伝熱素子18の上面により吸液ユニット15内に保持されたタバコリキッドを蒸気に加熱し、蒸気が蒸気出口180を介して伝熱素子18の内部チャンバに入る。
【0090】
ユーザが吸口70を吸うとき、外気が内部空気通路及び吸気開口181を介して伝熱素子18の内部チャンバに入り、その後、チャンバ内の蒸気と混合して、蒸気出口開口182、排気通路を介して排出され、最終的に吸口70に達し、ユーザが楽しむことができる。
【0091】
また、図6Aに示す伝熱素子18は、直方体であるので、空気が必ずその側面の開口を介してチャンバに入る、と注意すべきである。一実施例では、図6Bに示すように、伝熱素子18は、中心開口183を有することが可能であり、伝熱素子18の上面が吸液ユニット15に接触し、且つ、蒸気出口(図示せず)が設けられ、伝熱素子18の下面がヒータ51に接触し、外気がその中心開口183を通過して、蒸気出口からの蒸気と混合して、排気通路を介して排出され、最終的に吸口70に達し、ユーザが楽しむことができる。
【0092】
上述したすべての実施態様では、吸液ユニット15は、例えば、綿のような可撓性材料から構成される。一実施例では、吸液ユニットは、剛性材料から構成されてもよく、外力を受けた場合でも、それに貯蔵されるタバコリキッドが漏れることはない。
<第7実施例>
【0093】
図7A~7Cを参照すると、本発明の第7実施例は、カートリッジ10を提供する。カートリッジ10は、カートリッジケース11と、リザーバ13と、カートリッジケース11内に収容される吸液ユニット15と、支持素子20と、支持素子20と吸液ユニット15との間に設けられる接続素子531とを含む。吸液ユニット15は、吸液セラミックス、または他の種類の剛性材料から構成される。
【0094】
この実施例では、カートリッジ10がヒータ51を有する霧化ユニット・電池ユニットに組み付けられたとき、ヒータ51は、吸液ユニット15の下方に配置される。
【0095】
カートリッジ10がヒータ51を有する霧化ユニット・電池ユニットに組み付けられたとき、接続素子531は、吸液ユニット15とヒータ51との間の接触面積を増加するように構成される。接続素子531は、弾性部材であり、即ち、接続素子531は、弾性材料から構成される。
【0096】
この実施例では、接続素子531は、綿である。この接続素子531により、カートリッジ10が使用状態で組み付けられたとき、リザーバ13と吸液ユニット15とは、外力の作用で密着するようになる。
【0097】
他の実施例(図示せず)では、接続素子531は、ヒータ51の一方側に位置して、吸液ユニット15とヒータ51との間の接触面積を増加するように、弾性支持を提供する、と理解すべきである。
【0098】
リザーバ13の底面には、1つ以上の流路101が設けられている。それらの流路101は、タバコリキッドの流動通路を形成し、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドを下方に向かって吸液ユニット15に浸透させる。一実施例では、この流路には、吸液ユニット15、例えば、芯材が充填されている。
【0099】
一実施例では、リザーバ13を支持するように、支持素子20は、リザーバ13と接続素子531との間に設けられる。この場合、支持素子20には、リザーバ13に収容されたタバコリキッドが吸液ユニット15に入るように、リザーバ13の底面に設けられた流路101に対応して、1つ以上の流路(図示せず)が設けられている。
【0100】
ヒータ51は、加熱素子510と2つの治具59とを含み、各治具59の内面に溝が設けられ、且つ、加熱素子510が溝に挿入される。一方の治具59は、正極接触部材54に接続され、カートリッジ10が使用状態で組み付けられると、この正極接触部材54が回路基板(図示せず)に接続することが可能である。他方の治具59は、負極接触部材として使用される。同様に、加熱素子510をさらに締結するために、ナットとボルトとの組合せは、それぞれの治具59と加熱素子510の対応する端部との間に設けられてもよい。
【0101】
上記のように、吸液ユニット15は、リザーバ13の下方に設けられ、いくつかの実施例では、例えば、係止片により吸液ユニット15を係止する。実際に、係止片ではなく、係止素子を使用してもよい。
<第8実施例>
【0102】
図8A~8Cを参照すると、本発明の第8実施例は、電子タバコ100を提供する。電子タバコ100は、カートリッジ10と、筐体30と、筐体30内に位置する電池ユニット50とを含む。
【0103】
図8D~8Hを参照すると、カートリッジ10は、カートリッジケース11と、係止素子80と、リザーバ13と、カートリッジケース11内にある吸液ユニット15とを含み、係止素子80の上端がリザーバ13の底部に嵌合され、係止素子80の下端に孔81が設けられ、吸液ユニット15が孔81から係止素子80に挿入される。
【0104】
リザーバ13は、底部に凸部を有し、リザーバ13の底面に1つ以上の流路101が設けられ、リザーバ13内に保持されたタバコリキッドが流路101を介して吸液ユニット15に浸透することが可能である。係止素子80の上面に、リザーバ13の凸部を収容するための凹溝を備える。係止素子80には、流路101と液体連通する1つ以上の貫通孔82が開設されている。実際に、図8Gに示す係止素子80の形状は、説明のみのためであり、係止素子80は、任意の形状であってもよく、リザーバ13に密封的に嵌合さればよい。また、係止素子80は、シリカゲルから構成されるので、カートリッジ10が使用状態で挿入されたとき、係止素子80は、その中の吸液ユニット15を外力から保護することができる。具体には、カートリッジ10が外力の作用で電池ユニット50に組み付けられて使用状態になるとき、係止素子80に収容される吸液ユニット15の周囲への漏液を防止することができる。係止素子80は、良好な弾性及び密封性能を有する他の可撓性材から構成されてもよい、と理解すべきである。
【0105】
カートリッジ10は、リザーバ13の頂部に位置する吸口70をさらに含む。吸口70は排気口71を備え、カートリッジケース11内には、排気通路113が設けられている。排気通路113は、排気口71と流体連通する。
【0106】
カートリッジケース11には、その外壁に位置する第3凹溝21がさらに開設されている。第3凹溝21は、筐体30の内壁と共に内部空気通路114を構成している。
【0107】
外気が吸気口31から入った後、内部空気通路114に沿って下向きに進み、その後、ヒータ51の下方の領域に達して、ヒータ51により形成された蒸気と混合してから、上方に向かって、カートリッジ10の内部に設けられた排気通路113を通過して、最終的に排気口71に達する。
【0108】
電池ユニット50は、ヒータ51と絶縁素子53とを含む。具体には、図8I~8Kには、本発明の実施例にかかるヒータ51の斜視図を示し、ヒータ51は、絶縁素子53に固定される。ヒータ51は、蒸気を逃がすための開口511を備えるので、開口511の両側にそれぞれ1本の加熱線路(heating trace)が設けられ、加熱線路毎には2本のリード513が必要であり、いずれかの1本が電池の正極に接続され、他の1本が負極に接続される。よって、この場合、4本のリード513が必要である。蒸気がヒータ51の周辺から逃げる可能性があるので、一実施例では、ヒータ51に開口が設けられ、この場合、1本の加熱線路しかないので、2本のリード513のみが必要であり、組み立て過程が簡単化になる。
【0109】
ヒータ51における開口511の数は、限定されない。実際に、ヒータ51の開口511によって、ヒータ51の加熱線路の数を決定し、さらにリード513の数を決定する、と注意すべきである。
【0110】
以上、対応する図面を参照して電子タバコの主なユニットを詳細に説明した。上述のように、いくつかの実施例では、カートリッジは、外部ケーシング(outer casing)を備え、このとき、電子タバコの前記外部ケーシングは、前記カートリッジの外部ケーシングと前記電池ユニットの外部ケーシングとにより形成される。いくつかの実施例では、前記カートリッジは、外部ケーシングを備えていなく、このとき、電子タバコの外部ケーシングは、実際に前記電池ユニットの外部ケーシングを指す。実際に、この場合に、前記電池ユニットの外部ケーシングは、前記カートリッジを収容する程度に長い。電子タバコのある構造では、外部ケーシングの約80%部分内に電池ユニットを収容するための外部ケーシングを含むことができる。カートリッジが挿入されるまでに、ケーシングの上部の20%は空のままに保持される。カートリッジが挿入される前に、ユーザが外部ケーシングの頂部開口から見れば、ケーシングの上部の20%を通して、短い「煙突」の底部としてのヒータを見ることが可能である。一実施例では、図1Aに示すように、前記カートリッジが前記ケーシングに挿入されたとき、前記吸口部分のみが露出される。上記80%及び20%の例は、説明のみのためである。当業者は、任意の百分比で配置してもよい、と理解すべきである。
【0111】
また、例示する実施例の大部分は、矩形断面形状を有するが、当業者は、電子タバコの形状が限定されることなく、円柱状または他の任意の形状を有してもよいことを理解すべきである。
【0112】
また、図面には、リザーバの頂部における吸口のほぼ線性構造を示し、前記リザーバの底部に吸液ユニットを備え、前記吸液ユニットが電池ユニットの頂部に位置するヒータに接触するが、同じ思想を利用すれば、他の任意の空間配置であってもよい、と注意すべきである。所望の目的の1つは、カートリッジのリザーバ内に予めリキッドを充填し、リザーバが吸液ユニットに接触し、吸液ユニットが露出してヒータに接触する、ことである。そして、このカートリッジは、量産されることが可能であり、且つ、異なる匂い及びニコチンレベルを有し、または、他の添加物を含むことができる。また、吸液ユニットが交換されるカートリッジの一部であるため、ユーザがこのような電子タバコの吸液ユニットを交換する必要はない。
【0113】
本実施例の思想及び範囲を逸脱しない限り、当業者は、様々な変形と変更を実施可能である。したがって、示された実施例は、例示のために記載されるものである、と理解すべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図1O
図1P
図1Q
図1R
図1S
図1T
図1U
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K