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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】カラー光源を備えた検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20220128BHJP
【FI】
G01N21/90 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020513764
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 EP2018074065
(87)【国際公開番号】W WO2019048575
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-04-03
(31)【優先権主張番号】102017008406.8
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500083972
【氏名又は名称】ホイフト ジュステームテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホイフト,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ノンネン,ヨルグ
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-538420(JP,A)
【文献】特開2012-251929(JP,A)
【文献】特開2005-119706(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107076680(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84-G01N21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の汚染物および三次元容器構造について検査するための方法であって、
検査される容器を通して放射される放射線を放射するように設計され、複数の空間的に分離された放射ゾーンを有し、前記放射ゾーンが異なる波長範囲の放射線を放射するように設計されている放射源を提供するステップと、
前記放射源によって放射され、かつ前記容器を通して放射された前記放射線を検出するように設計された検出要素を提供するステップと、
前記容器の汚染物および前記三次元容器構造に関し、前記検出要素によって検出された前記放射線を評価するように設計された評価要素を提供するステップと、
異なる波長範囲の放射線を、前記放射源の前記放射ゾーンから放射し、かつ検査される前記容器を通して放射するステップと、
前記放射源の前記放射ゾーンから放射され、かつ検査される前記容器を通って放射された前記放射線を、前記検出要素を用いて検出するステップと、
検査される前記容器の汚染物および前記三次元容器構造に関し、前記検出要素によって検出された前記放射線の評価を、前記評価要素を用いて行うステップと、を含み、
輝度コントラスト画像と色コントラスト画像とを同時に生成し、
前記評価要素は、前記輝度コントラスト画像と前記色コントラスト画像との比較を行う、方法。
【請求項2】
前記評価は、画像の1つの領域において前記輝度コントラスト画像にコントラストが確立され、前記領域において前記色コントラスト画像にコントラストが検出されない場合に、前記容器の汚染物とみなすように行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記評価は、画像の1つの領域において前記輝度コントラスト画像および前記色コントラスト画像の双方にコントラストが検出された場合に、エンボスとみなすように行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記評価は、画像の1つの領域において前記輝度コントラスト画像にコントラストが検出されず、前記領域において前記色コントラスト画像にコントラストが検出された場合に、水滴またはガラスのチップとみなすように行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記色コントラスト画像におけるコントラストの形状、サイズおよび対称性に基づいて、前記ガラスのチップと前記水滴との区別がなされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記放射源の前記放射ゾーンは、可視光、赤外線、および/または紫外線を放射するように設計される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記放射源の第1の放射ゾーンは赤色の可視光を放射するように設計され、前記放射源の第2の放射ゾーンは緑色の可視光を放射するように設計され、前記放射源の第3の放射ゾーンは青色の可視光を放射するように設計される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記放射源は、実質的に白色の可視光を放射するように設計された平面状の光源を含み、前記放射源はさらに、前記光源と前記容器との間に配置されたカラーフィルムを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記放射源は、異なる波長範囲の放射線を放射するように設計された複数の光源要素、好ましくはLEDを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記放射源は、少なくとも2つの水平放射ゾーンまたは少なくとも2つの垂直放射ゾーンを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記検出要素は、検査される前記容器ごとの画像を検出するように設計されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の不純物および三次元容器構造について検査するための装置および方法に関する。この装置は、放射線を放射するように設計された放射源を備える。放射された放射線は、検査される容器を通って放射される。装置は、放射源によって放射され、かつ容器を通って放射された放射線を検出するように設計された検出ユニットをさらに備える。この装置はまた、容器の汚染物および損傷に関し、検出ユニットによって検出された放射線を評価するように設計された評価ユニットを備える。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、容器が高速で輸送される自動充填システムでの使用を意図している。特に、本発明は、空の容器の検査を目的とする。自動充填システムにおいて、空の容器は充填される前に、不純物や異物の可能性について検査される。この目的のために、容器は、従来、可視光の光源と半導体カメラとを備える検査要素を通って案内される。光は容器を通して放射され、容器は異なる視野角から検査される。検査では、輝度の差が確立され、輝度の既存の差は容器の不純物や汚染物として識別され、その後、容器が分離される。このような方法で分離された容器は、洗浄システムに供給することもできるし、リサイクルすることもできる。
【0003】
例えば、透明ガラス容器のような容器は、容器の表面に配置された装飾または装飾的要素を有することが多い。そのような装飾的要素は、エンボスとも呼ばれる。不純物の検出において、そのような装飾的要素が、不純物として誤って識別される可能性がある輝度の局所的な差を生成する可能性があるという問題が生じる。これは、容器が誤って分離されることにつながり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、容器の不純物および三次元容器構造について検査するための装置の信頼性を高めることであり、特に、装飾的要素を不純物や汚染物から確実に区別することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、放射源を含む、容器の不純物および三次元容器構造を検査するための装置が提案される。放射源は、検査される容器を通して放射線を放射するように設計される。装置は、放射源によって放射され、かつ容器を通って放射された放射線を検出するように設計された検出ユニットをさらに備える。装置はさらに、容器の汚染物および損傷に関し、検出ユニットによって検出された放射線を評価するように設計された評価ユニットを備える。検出ユニットはさらに、容器の輝度コントラスト画像と色コントラスト画像の両方を生成するように設計される。評価ユニットはさらに、輝度コントラスト画像と色コントラスト画像とを互いに比較するように設計される。
【0006】
放射源は、空間的に分離された複数の放射ゾーンを有する。放射源の放射ゾーンは、異なる波長範囲または異なる強度の放射線を放射するように設計される。
【0007】
検査精度を高めるために、一般に光吸収性不純物として、汚染物および不純物またはスカッフィングリングが存在するという効果を利用する。これらの光吸収性の不純物は、容器を通って放射される放射線を確実に減衰させる。言い換えれば、不純物に当たる放射線の輝度が低減される。しかしながら、このような不純物の場合、光散乱は生じず、その結果、これらの不純物の撮像中に、それぞれの場合において1つの放射ゾーンからの光のみが検出される。
【0008】
対照的に、検査される容器に位置する装飾的要素、ガラスのチップ、または水滴は、異なる挙動を示す。光の屈折はこれらのアーチファクトで発生し、その結果、異なる放射ゾーンからの放射がこれらのアーチファクトで検出ユニットに向けられる。
【0009】
従来、単色光すなわち1つの波長範囲の光を発する1または複数の光源が容器の検査に使用される場合、装飾的要素と汚染物とを区別することができないことがある。装飾的要素で生じる光散乱によって、すなわち局所的な輝度コントラストがそのような装飾的要素によって生成されることがあり、これは、汚染物によって生成される輝度コントラストに似ている。本発明は、汚染物と装飾的要素とを区別することを可能にする。
【0010】
検査される容器を通って放射される放射線の異なる波長範囲を用いることによって、すなわち、局所的な散乱効果が、例えば装飾的要素などの三次元容器構造において生じ、それによって、放射源の空間的に分離された放射ゾーンを認識することができる。ここでは、装飾的要素が強い光散乱をもたらす構造を有するという事実が利用される。したがって、複数の放射ゾーンがこれらの詳細な構造において画像化されるが、これは容器の均一に設計された領域および不純物の場合には当てはまらない。放射ゾーンは、異なる波長範囲の放射線を放射するので、異なる放射ゾーンから生じる異なる波長の放射線を、三次元容器構造の領域で検出することができる。三次元容器構造は、検出ユニット内の小さな画像領域上に放射ゾーンの広範囲の領域を画像化する。このようにして、不純物を有する容器を確実に分離することができ、装飾的要素を有する容器を区別することができる。
【0011】
容器は、後続の方法ステップで正確に整列させることができる。適切な場合、すなわち、容器は、ラベルを貼付するための装飾的要素に対して特別な向きをとるべきである。装飾的要素の検出によって、容器は、回転装置の手段でこの特別な向きに整列させることができる。
【0012】
異なる波長範囲として、好ましくは可視光の波長範囲が使用される。例えば、赤色、緑色および青色、または他の明確に区別可能な色を含む放射ゾーンを設けることができる。この場合、装飾的要素は複数の色が互いに近接して位置する構造として現れるが、これは汚染物の場合そうではない。したがって、装飾的要素の場合には局所的な色コントラストが生成されるが、汚染物の場合には局所的な輝度コントラストのみが生成され、局所的な色コントラストは生成されない。この場合、放射ゾーンは色分けされた光源を生成し、装飾的要素は、局所的に優勢な色相を変化させる。
【0013】
あるいは、異なる波長範囲の代わりに、エンボスなどの装飾的要素を汚染物から区別するために、異なる強度を使用することもできる。例えば、交互に光を放射し、光を全く放射しないか、またはほんのわずかしか放射しない、複数の明るい放射ゾーンおよび暗い放射ゾーンを設けることができる。したがって、汚染物の場合には輝度コントラストのみを確立することができるが、装飾的要素は、装飾的要素での光散乱のために、互いに近接して存在する明るい領域と暗い領域とを有する。
【0014】
検査される1つのタイプの容器について、容器のタイプに応じた標準化を実行することができる。例えば、容器のタイプが異なると、色および透明度が異なる。したがって、容器の特性による色の歪みおよび輝度の低下を考慮に入れるために、標準化が行われる。標準化において、少なくとも1つの容器が慎重に洗浄され、容器の画像が検出ユニットによって検出される。次に、検出された画像は、出力信号、すなわち、例えば、最初に使用された色および最初に使用された輝度に対して標準化される。
【0015】
検査される容器は、放射源と検出ユニットとの間に配置することができる。この明視野光源において、検出ユニットで検出される画像は、容器内および容器での光吸収および光散乱によって生成される。あるいは、容器が放射源-検出ユニット軸に対してオフセットして配置されてもよい。後者の場合、暗視野光源があり、検出ユニットで検出される画像は、専ら容器内および容器での光散乱によって生成される。
【0016】
明視野光源と暗視野光源の組合せも考えられる。検査される容器は、好ましくは第1の光源と検出ユニットとの間の光路に配置される。第1の光源は、輝度コントラストを決定するように設計された光源であることが好ましい。第1の光源は、比較的高い輝度を有する単色光源として設計することができる。さらに、1または複数の第2の光源をオフセットして配置することができ、それによって、第2の光源に対する暗視野光源が実現される。第2の光源は色コントラスト画像を検出することを可能にするために、複数の放射ゾーンを有する光源として設計されることが好ましい。例えば、第2の光源を、検査される容器の上下に配置することができる。このようにして、明視野光源と暗視野光源の組み合わせを達成することができ、明視野光源は実質的に輝度コントラスト画像を生成するために使用することができ、暗視野光源は実質的に色コントラスト画像を生成するために使用することができる。
【0017】
用語「波長範囲」は、放射ゾーンで放射される波長を意味する。これは狭い波長スペクトルである。個々の放射ゾーンは好ましくは実質的に1つの波長の放射線を放射し、その結果、装飾的要素において明瞭なコントラストを検出することができる。
【0018】
装飾的要素に加えて、さらなる三次元容器構造を不純物と区別することもできる。例えば、水滴、またはガラス容器の場合にはガラスのチップを汚染物と区別することができる。一般に、局所的な光散乱を引き起こすすべての構造は汚染物と区別することができ、汚染物は、放射する放射線の輝度の局所的な差のみを引き起こす。
【0019】
放射源は、実質的に単色の、例えば白色の可視光を放射する平面光源として設計することができる。カラーフィルムを、放射源と検査される容器との間に設置することができる。個々の放射ゾーンは、カラーフィルムを介して実現される。カラーフィルムは、例えば、赤、橙、黄、緑、淡青、インジゴ、および紫の7つの虹色の複数の着色領域を有し、それによって、個々の放射ゾーンが形成される。
【0020】
あるいは、放射源が異なる波長範囲の放射線を放射するように設計された複数の光源要素を含むことができる。光源要素は、好ましくは異なる色のLED、LCD、またはOLEDであってもよい。この場合、個々の光源要素は所望の放射ゾーンが形成されるように、容器の形状に応じて適切な場合に、作動させることができる。均一な放射を有する放射ゾーンを形成するために、複数の光源要素と検査される容器との間にディフューザを配置することができる。
【0021】
放射源は、好ましくは電磁放射源、例えば、可視範囲の光の放射源である。放射ゾーンは、好ましくは互いに明確に区別することができる可視光、例えば、赤色光、緑色光、および青色光を放射する。例えば黄色のような他の色も考えられる。放射源はさらに、UV光または赤外光、あるいはそれらの組み合わせを放射するように設計することができる。赤外線は、着色容器の場合、特に褐色ガラス瓶の場合に有利に使用することができる。
【0022】
放射源はパルス方式で動作させることができ、検査される容器が放射源の前に位置するときにのみ放射線パルスが放射されるように制御することができる。代替的に、放射源は連続的に作動させることもできる。
【0023】
本発明は、任意の所望の透明材料で作られた容器の検査に使用することができる。本発明は、ガラスまたは透明プラスチック、例えばPETで作られた容器の場合に特に有利に使用することができる。特に、本発明は、飲料産業におけるガラス瓶の検査に適用することができる。
【0024】
放射源の放射ゾーンは、汚染物とエンボスのような三次元ガラス構造との間に最大のコントラストが生じるような方法で設計することができる。この目的のために、少なくとも2つの水平放射ゾーンまたは少なくとも2つの垂直放射ゾーンが設けられなければならない。放射ゾーンは帯状または円形に設計することができ、曲率または多角形構造を有することができる。放射ゾーンは、汚染物と装飾的要素とを区別するのに役立つ実質的に任意の適切な形状を有することができる。
【0025】
検出ユニットは、好ましくは業界で通例のカラーカメラ、特に半導体カメラである。赤外線カメラおよびUVカメラも同様に使用することができる。モーションブラーを防止または低減するために、露出時間の短いシャッターカメラを使用することができる。これは、放射源が連続的に作動する場合に特に有利である。
【0026】
検出ユニットは、好ましくは検査される各容器の1つの画像を検出する。これにより、高速性を保証することができる。代替的に、検出ユニットは、検査されるべき各容器の複数の画像を検出することができる。画像は時間遅延、例えば、100[μs]~1000[μs]の時間遅延、好ましくは500[μs]の時間遅延で検出することができる。時間遅延画像は、検査される容器の搬送速度に応じて検出されることが好ましい。例えば、装飾的要素のような三次元容器構造は光散乱を発生するので、時間遅延画像は装飾的要素の領域で生じる局所的な色コントラストをより良く認識することを可能にすることができる。検査すべき容器の少なくとも1つの画像を検出するようにそれぞれ設計された複数の検出ユニットを設けることも考えられる。検出ユニットは、好ましくは異なる方向から、検査される容器の画像を生成することができるように配置される。
【0027】
検査される容器の複数の画像が生成される場合、放射源は異なる画像間で作動させることができ、その結果、放射ゾーンは画像間で変更される。このようにして、画像毎に個々の色パターンを生成することができる。例えば、放射ゾーンによって放射される色を変えることができる。これに代えてまたはこれに加えて、放射ゾーンの形状を変えることができる。例えば、第1の画像の場合には垂直帯状の放射ゾーンを使用することができ、第2の画像の場合には水平帯状の放射ゾーンを使用することができる。その結果、異なる三次元構造要素、例えば装飾的要素の垂直方向または水平方向に整列した部分を最適に強調することができる。
【0028】
評価ユニットは、有利には検出ユニットによって検出された被検査容器の画像をHSV色空間の画像に変換するように設計されている。検出ユニットによって検出される画像は、好ましくはRGB色空間の画像である。HSV色空間は、色相画像または色相H、明度画像または明度V、および彩度画像または彩度Sをもたらし、明度画像は単色の放射源を有する従来の検査装置からの画像に対応し、局所的な輝度コントラストがあると結論付けることを可能にする。これらの輝度コントラストは汚染物を表すことができるが、三次元装飾的要素を表すこともできる。色相信号は、さらなる評価のために使用することができる。例えば、局所的な輝度コントラストは、色コントラストの存在についてこの局所領域をチェックすることによってチェックすることができる。評価には、適切なフィルタおよび分類方法が使用される。
【0029】
輝度コントラストが局所的に観察され、同時にこの領域に色コントラストがない場合、この領域における汚染物の存在が評価ユニットによって検出される。局所的な輝度コントラストが局所的な色コントラストと一致する場合、この領域における例えばエンボスのような三次元容器構造の存在が評価ユニットによって検出される。彩度は、色コントラスト信号の有意性を評価するためにさらに使用することができる。
【0030】
局所的な色コントラストをもたらすが、実質的に局所的な輝度コントラストがないかまたは小さな局所的な輝度コントラストのみがある構造は、評価ユニットによってさらに区別され得る。例えば、ガラスのチップまたは水滴はそのような局所的な色コントラストを引き起こすことができるが、それを透過する光は、実質的に輝度の損失なしに、これらの領域を通って放射することができる。
【0031】
評価ユニットは、検出された信号の評価に応じて、容器の分離を制御することができる。汚染物が検出され、これが例えば装飾的要素のような三次元容器構造ではないことが確認されたとき、容器は分離されることが好ましい。したがって、評価ユニットによって局所的な輝度コントラストが確立されたときに、局所的な色コントラストが存在しない場合に、容器が分離されることが好ましい。局所的な色コントラストがあるが、局所的な輝度コントラストがない場合に容器を分離することもできる。この場合、ガラスのチップの可能性がある。検査される容器にエンボスまたは他の三次元構造がない場合、局所的な輝度コントラストおよび局所的な色コントラストが検出された場合、容器を分離することもできる。
【0032】
本発明はさらに、汚染物および三次元容器構造について容器を検査するための方法に関する。この方法は、以下のステップを含む:
検査される容器を通して放射される放射線を放射するように設計され、複数の空間的に分離された放射ゾーンを有し、前記放射ゾーンが異なる波長範囲または異なる強度の放射線を放射するように設計されている放射源を提供するステップと、
前記放射源によって放射され、かつ前記容器を通して放射された前記放射線を検出するように設計された検出ユニットを提供するステップと、
前記容器の汚染物および損傷に関し、前記検出ユニットによって検出された前記放射線を評価するように設計された評価ユニットを提供するステップと、
異なる波長範囲または異なる強度の放射線を、前記放射源の前記放射ゾーンから放射し、かつ検査される前記容器を通して放射するステップと、
前記放射源の前記放射ゾーンから放射され、かつ検査される前記容器を通って放射された前記放射線を、前記検出ユニットを用いて検出するステップと、
検査される前記容器の汚染物および損傷に関し、前記検出ユニットによって検出された前記放射線の評価を、前記評価ユニットを用いて行うステップ。
本発明の方法では、輝度コントラスト画像および色コントラスト画像は、検出ユニットによって生成される。次に、輝度コントラスト画像と色コントラスト画像との比較が、評価ユニットで実行される。
【0033】
評価は、画像の1つの領域において輝度コントラスト画像にコントラストが確立され、同じ領域において色コントラスト画像にコントラストが検出されない場合に、容器の汚染物とみなされるように行うことができる。
【0034】
評価は、画像の1つの領域において輝度コントラスト画像および色コントラスト画像の両方にコントラストが検出された場合に、エンボスとみなされるように行うこともできる。
【0035】
評価はさらに、画像の1つの領域において輝度コントラスト画像ではコントラストが検出されないが、同じ領域における色コントラスト画像ではコントラストが検出される場合、ガラスのチップまたは水滴とみなされるように行うことができる。次に、色コントラスト画像におけるコントラストの形状、サイズ、および対称性に基づいて、ガラスのチップと水滴を区別することができる。
【0036】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明に係る検査装置を示す図である。
図2】放射源および放射ゾーンの様々な実施形態を示す図である。
図3】ガラスビーズの装飾を施した容器を示す図である。
図4】水滴を有する容器を示す図である。
図5】ガラスのチップを有する容器を示す図である。
図6】光吸収性不純物の検出を例示的に示す図である。
図7】三次元容器構造の検出を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明に係る検査装置を示す。検査装置では、例えばガラス瓶のような容器10の不純物および汚染物が検査される。同時に、例えばエンボスのような装飾的要素が汚染物として特定されないことが保証される。図1に示す容器10は汚染物12を有する。
【0039】
汚染物12を区別するために放射源14が設けられている。放射源14は、複数の放射ゾーン16を有する。放射源14は、平面的で均一に放射する放射源として設計することができる。この場合、カラーフィルムは、放射源14と容器10との間に配置される。放射ゾーン16は、カラーフィルムを通して実現される。例えば、赤色放射ゾーン16.1、緑色放射ゾーン16.2および青色放射ゾーン16.3を設けることができる。あるいは、放射源14は、放射ゾーン16を実現することができる複数の作動可能な異なる色のLEDを有する。
【0040】
放射ゾーン16は、検査される容器10の方向に放射線を放射する。放射線は、好ましくは可視光18である。光18は容器10を通って放射され、検出ユニット20によって検出される。検出ユニット20は、好ましくは半導体カメラである。
【0041】
光18は汚染物12に当たると減衰される。したがって、ここでは検出ユニット20が、汚染物12の部位で局所的に輝度が低下した、すなわち局所的な輝度コントラストを有する容器10の画像を検出する。
【0042】
検出ユニット20で検出された容器10の画像は、評価ユニットに送信される。評価ユニットは、容器10の画像をHSV色空間の画像に変換する。これにより、原画像の色相画像、彩度画像および明度画像が得られる。
【0043】
評価のために、評価ユニットは、明度画像が局所的な輝度コントラストを有するかどうか、すなわち局所的に輝度が低下した部位を有するかどうかを確認する。局所的な輝度コントラストがある場合、汚染物12または装飾的要素などの三次元容器構造のいずれかが存在する。三次元容器構造は、放射源14から容器10を通って検出ユニット20に進む光18を散乱させる。
【0044】
輝度コントラストがある場合、評価ユニットは、輝度コントラストのある部位の明度画像を、この部位の色相画像と比較する。この部位において、輝度コントラストに加えて色相画像で色コントラストが認識される場合、汚染物は輝度を低下させるだけであるので、汚染物ではない。したがって、この場合、ガラス装飾のような立体的な容器構造であり、容器10は分離されない。しかしながら、局所的な輝度コントラストの部位に局所的な色コントラストがない場合、汚染物12が確立され、容器10が分離される。
【0045】
図2は、放射源14および放射ゾーン16の様々な実施形態を示す。図2Aは、放射源14の平面状の光源22を示す。カラーフィルム24は、放射源14と容器10との間の光源22の前に配置される。カラーフィルム24は、放射ゾーン16に対応する複数の着色領域を有する。この場合の図2Aは、実質的に水平方向の広がりを有する放射ゾーン16を示す。代替的に、図2Bに示すように、放射ゾーン16は、垂直方向の広がりを有することができる。図2Cは、放射源14のさらなる実施形態を示す。この実施形態によれば、放射源14は、複数のLED26、LCD26またはOLED26を含む。LED26は作動させることができ、これにより所望の放射ゾーン16を生成することができる。例えば、複数の赤色、緑色および青色のLED26が設けられる。
【0046】
好ましくは、容器10の1つの画像が検出ユニット20によって検出され、次いで、評価ユニットによって評価される。代替的に、容器10の複数の画像を取得してもよい。これらの画像に関し、画像に異なる放射ゾーン16が形成されるように放射源14を作動させることができる。例えば、図2Cに示されるLED26は、第1の画像については水平放射ゾーン16を形成し、第2の画像については垂直放射ゾーン16を形成することができる。これにより、実質的に水平方向または垂直方向に整列する、不純物とエンボスなどの三次元容器要素とを最適に検出することができる。
【0047】
図3は、ガラスビーズ装飾を有する容器10を示す。図3は、複数の装飾的要素28の領域における輝度コントラストを示す。これらの装飾的要素28は、不純物ではなく、したがって、容器10が分離されることにつながるべきではない。装飾的要素28の三次元構造は、装飾的要素28の縁部領域に強い光散乱効果をもたらす。したがって、異なる色の放射ゾーン16が使用される場合、色相画像における装飾的要素28の縁部領域に色コントラストを確立することができる。したがって、装飾的要素28は、輝度コントラストが生成されるのにもかかわらず、不純物と区別され、ガラスビーズのアーチファクトとして分類され得る。
【0048】
図4は、水滴30を有する容器10を示す。水滴30は、小さな輝度コントラストを生成する。しかしながら、水滴30の下部領域では、色コントラストを生成する。したがって、水滴30は、明度画像および色相画像の両方を使用することによって、汚染物12と区別することができる。これにより、水滴30に起因する不具合をより良好にフィルタリングすることができる。
【0049】
図5は、ガラス32のチップを有する容器10を示す。水滴30と同様に、ガラス32のチップはしばしば、小さな輝度コントラストを生成する。しかしながら、ガラス32のチップの場合には、広範な色コントラストを観察することができる。したがって、ガラス32のチップは、明度画像および色相画像の両方を使用することによって、汚染物12と区別することもできる。
【0050】
図6は、光吸収性不純物34を有する容器10を示す。放射源14の放射ゾーン16.2によって放射される光18は、光吸収性不純物34を通って放射され、検出ユニット20に到達する。検出ユニット20の画像の評価では、光18の強度が光吸収性不純物34を介して減少しているが、光散乱は発生していないことが確認される。したがって、図6に示す場合、検出ユニット20の画像は、光吸収性不純物34の領域において局所的な輝度コントラストを有する。しかしながら、この領域では、局所的な色コントラストは観察されない。
【0051】
図7は、三次元容器構造36が放射源14と検出ユニット20との間の光路に位置する場合を示す。放射ゾーン16.1、16.2、16.3からの光18は、三次元容器構造36によって散乱される。したがって、検出ユニット20の画像では、複数の放射ゾーン16.1、16.2、16.3からの光18を三次元容器構造36の領域で観察することができる。したがって、図6に示す光吸収性不純物34とは対照的に、光吸収性不純物34と三次元容器構造36とを区別するために使用される局所的な色コントラストが、三次元容器構造36の領域において観察される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7