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特許7016417故障した避雷装置の断路器を遠隔監視するための方法、および避雷装置に設置された監視デバイスの自律電源のためのエネルギーハーベスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】故障した避雷装置の断路器を遠隔監視するための方法、および避雷装置に設置された監視デバイスの自律電源のためのエネルギーハーベスタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20220128BHJP
   H02H 9/04 20060101ALI20220128BHJP
   H02H 3/22 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
H02J13/00 301D
H02H9/04
H02H3/22
H02J13/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020533086
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018086021
(87)【国際公開番号】W WO2019122041
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-06-16
(31)【優先権主張番号】17209613.3
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502165089
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】502288920
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・レイケム・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Raychem GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンナーフェルト,ベント エー
(72)【発明者】
【氏名】ケール,ラディスラウス
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0100436(US,A1)
【文献】特開2008-078963(JP,A)
【文献】特開2006-309407(JP,A)
【文献】特開2015-023633(JP,A)
【文献】特開2008-283674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02H 9/04
H02H 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
避雷装置の断路器(301、401、501、601)の長距離無線メッシュ通信システム(300、400、500、600)を介して、低電力通信を使用して前記避雷装置の断路器のステータスを遠隔監視する方法であって、

前記方法は、
複数の被監視断路器(301、401、501、601)をクラスタ(320、420、520、620)に編成する編成ステップを含み、
前記編成ステップにおいて、
各クラスタが1つの被監視断路器を含むか、または同一のクラスタエリア内に物理的に位置する複数の被監視断路器(301-1から301-10;401-1から401-8;501-1から501-5;601-1から601-6)を含み、
各クラスタにおける前記被監視断路器(301-1から301-10;401-1から401-8;501-1から501-5;601-1から601-6)のそれぞれが、所定の通信範囲(310、410、510、610)を有するそれぞれの低電力通信手段(160、260)に連結され、
前記低電力通信手段(160、260)は、前記断路器のステータスを示す信号を、前記同一のクラスタエリア内または隣接するクラスタ内に物理的に位置する他の被監視断路器と通信するためのものであり、
各クラスタ(320、420、520、620)の大きさは、前記それぞれの低電力通信手段(160、260)と関連する前記所定の通信範囲(310、410、510、610)、および、前記長距離無線メッシュ通信システム(300、400、500、600)に沿った前記被監視断路器(301-1から301-10;401-1から401-8;501-1から501-5;601-1から601-6)の分散に基づいて定められ、

前記方法は、
前記被監視断路器(301-1;401-1;501-1;601-1)のそれぞれに接続された前記避雷装置の漏れ電流から集められた電荷を使用することによって、前記低電力通信手段(160、260)に自律的に電力を供給する電力供給ステップを含み、
前記電力供給ステップにおいて、前記被監視断路器が前記避雷装置を大地から切り離すように動作したときに、前記漏れ電流は遮断され、

前記方法は、
第1のクラスタ(320-a、420-a、520-a、620-a)から、前記第1のクラスタ(320-a、420-a、520-a、620-a)の第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)のステータスを示すステータス信号を、前記第1のクラスタ(320-a、420-a、520-a、620-a)から前記所定の通信範囲内に位置する隣接するクラスタ(320-b、420-b、520-b、620-b)へ送信する送信ステップを含み、
前記送信ステップにおいて、前記ステータス信号は、前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)に連結される前記低電力通信手段(160、260)によって送信され、

前記方法は、
前記ステータス信号を受信した各クラスタから、前記所定の通信範囲内の隣接するクラスタへ、前記長距離無線メッシュ通信システムの終端クラスタ(320-c、420-c、520-c、620-c)に到達するまで前記ステータス信号を、連続的に送信するステップと、
前記終端クラスタから、前記ステータス信号を監視ステーション(340、440、540、640)へ送信するステップと、
前記監視ステーション(340、440、540、640)で、前記ステータス信号の送信結果に基づいて前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)の前記ステータスを監視するステップと、を含み、
前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)に連結される前記低電力通信手段(160、260)によって送信される前記ステータス信号が受信されないことは、前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)が、前記それぞれの避雷装置を大地から切り離すように動作したことを示し、それによって、前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)に連結される前記低電力通信手段(160、260)の自律的な電力供給のために電荷を集めることが遮断される、
方法。
【請求項2】
前記ステータス信号は、低電力高速無線通信によって前記クラスタのいずれかから送信される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クラスタ(320-a、420-a、520-a、620-a)のうちの少なくとも1つは、それぞれの低電力通信手段に連結されクラスタヘッド(301-4、401-3、501-2、601-3)として作用するように構成されている断路器を含み、
前記クラスタヘッドは、同一のクラスタに含まれる断路器(301-1~301-3、401-1、401-2、501-1、601-1、601-2)からステータス信号を受信し、前記所定の通信範囲内の隣接するクラスタ(320-b、420-b、520-b、620-b)へ前記ステータス信号を送信する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
クラスタ(320、420、520、620)ごとに、同一のクラスタに含まれる、それぞれの低電力通信手段に連結された前記断路器(301-1~301-3、401-1、401-2、501-1、601-1、601-2)から、前記クラスタヘッドとして作用するための断路器をランダムに選択するステップと、
クラスタのクラスタヘッドが通信していないと検出されたときに、同一のクラスタに含まれる、それぞれの低電力通信手段に連結された前記断路器(301-1~301-3、401-1、401-2、501-1、601-1、601-2)から、動作する断路器をそれぞれのクラスタヘッドとして自動で選択するステップとをさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各クラスタはクラスタヘッドを含み、隣接するクラスタ間の前記ステータス信号の送信は、前記それぞれのクラスタヘッドによって行われる、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)の前記ステータス信号は、略前記所定の通信範囲の距離だけ互いに離れた隣接するクラスタ間で直接送信され、かつ/または、
前記第1の被監視断路器(301-1、401-1、501-1、601-1)の前記ステータス信号は、中継器(650)を介して、前記所定の通信範囲より大きく互いに離れた隣接するクラスタ間で送信される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記避雷装置は、落雷によって生じる電力トリップを緩和するためのギャップなし送電用避雷装置(NGLA)またはギャップ付き送電用避雷装置(EGLA)であり、
前記断路器のそれぞれが、0.1ワット未満の電力で動作する低電力無線トランシーバを組み込んでいるか、または前記低電力無線トランシーバに連結されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記避雷装置は、前記ギャップなし送電用避雷装置(NGLA)であり、
前記断路器のそれぞれが、前記低電力無線トランシーバを組み込んでいる、
請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、送電システムおよび配電システム、ならびに電力ユーザに対して電気装置を過電圧および連続的な外乱から保護することに関する。特に、本発明は、電気装置を過電圧から保護する際に使用される断路器を備えた、故障した避雷装置の位置および/またはステータスを遠隔検出するための技法に関する。本発明はさらに、避雷装置の断路器のそのような設置のステータスおよび位置を通信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの国で、短時間の停電およびトリップ(tripping)などの、送電システムおよび/または配電システムの全外乱のうちの50%超が、塔、相導体、シールド電線、または電力線近くの高い物体(木またはマスト)に当たる落雷によって生じる。落雷により、アーク放電を引き起こす電圧に到達するまで、送電および配電システムの電線絶縁体にわたって電圧が急激に上昇するため、電線絶縁体に1つまたは複数のフラッシュオーバが生じ、電線絶縁体の地絡が生じることがある。一般に、電線絶縁体に加えられる電圧は、送電および配電システムにより検出されると、アークを消弧し、再び正常動作電圧に戻すことができるようにするために、回路遮断機によってオフに切り替わる。しかしながら、そのような短時間の電圧停止は、コンピュータ化されたプロセス産業の妨げとなって毎年の生産ロスが生じるとともに、電子設備を有する家庭の妨げとなる。
【0003】
落雷によって生じる短時間の電力トリップは、電力線に沿って断路器に連結された避雷装置を設置することによって緩和されることが多い。送電用避雷装置(LSA)は、配電システムおよび送電システムの両方の電力線に頻繁に使用されて、雷または他の予期しない過電圧外乱による絶縁体の外部フラッシュオーバを防ぐ。LSAは、2つの異なる設計、すなわち、ギャップなし送電用避雷装置(NGLA)またはギャップ付き送電用避雷装置(EGLA)であり得、これらはいずれも、最終顧客用に、トリップなどの電力外乱を最小限にするために使用することができる。保護されていない塔では、絶縁体のフラッシュオーバによって常に電力トリップが生じ、または最悪の状況では、給電エリア全体の停電さえ生じる。LSAは、最終顧客のコンピュータでもシステムへの落雷があったことに気付かないように動作することを意図している。
【0004】
従来の送電用避雷装置は、一般に、落雷または電力システムのスイッチング事象によって生じるような突然の過電圧を受けたときに、正常供給電圧の高い抵抗状態から非常に低い抵抗状態へ変化し、サージ電流を大地に流した後に高い抵抗状態に戻ることができる。しかしながら、過度のエネルギーを有する落雷というまれな事象では、LSAは雷から全ての電荷を吸収しなければならず、この電荷がエネルギーを受け取る避雷装置の能力を超えると、避雷装置は過負荷状態になる。これにより、LSAの不可逆の地絡、および電力システム自体の不可逆の短絡が生じるため、停電が生じ、故障した避雷装置の交換が直ちに必要となり得る。
【0005】
そのような停電を緩和するために、多くの場合、断路器を避雷装置と共に使用して、故障した避雷装置を大地から自動で切り離す。これにより、故障した避雷装置を直ちに交換する必要なく、電力システムの高速再閉路が容易になる。避雷装置を大地から自動で切り離すことの欠点は、故障した避雷装置の位置でサージ保護を使用することができなくなり、避雷装置が切り離されたことにユーティリティが気付かないおそれがあることである。したがって、切り離された避雷装置を見つけるために、電線を定期的に目視検査する必要がある。
【0006】
例えば、NGLAと共に使用される断路器は、故障したNGLAを電力システムから切り離して、高速再閉路システム(例えば、数十~数百ミリ秒)によって電力を迅速に回復することができるようになっている。しかしながら、断路器は、それぞれの避雷装置の近くに取り付けられるため、遠隔エリアおよび/または携帯電話の受信可能地域でないエリアに位置することが多い。したがって、メンテナンス担当者は、動作した断路器の位置を特定するのにかなりの時間を要することがある。さらに、それぞれの塔がサージに対して適切に保護されなくなったという問題が依然として残るため、NGLAが交換されるまで、その塔でより多くのフラッシュオーバが生じるリスクが激増する。EGLA型の避雷装置は、相導体と地電位との間に直流通路を提供するのではなく、火花ギャップを直列に提供するため、NGLAとはいくらか異なって動作する。
それでもやはり、火花ギャップはそれぞれの電線絶縁体よりも低い火花過電圧を有していなければならない。したがって、EGLAが過負荷状態になると、それぞれの塔は、火花ギャップのフラッシュオーバによるトリップのリスクが著しく高くなる。したがって、ここでも、断路器を使用して、故障したEGLAがしばらく交換されずに放置される場合に、塔のフラッシュオーバの高いリスクを避けることが有利である。
【0007】
いずれの場合にも、故障した避雷装置を大地から切り離した断路器を迅速に見つけることが重要である。これは、保護されていない電線絶縁体を有する塔が、次の雷雨の際に、フラッシュオーバの著しく高いリスク、およびその後の電力トリップに晒されることになるからである。
【0008】
しかしながら、通常、電力線は、多くの場合、道路アクセスのない地形または携帯電話の受信可能地域のない地形にわたって長手方向に延びているため、故障した避雷装置を見つけることは非常に困難で時間がかかる。現在、高電圧送電線の検査は、ヘリコプタと双眼鏡により、または徒歩で行われ得る。それでもやはり、接地導体が外れているか否かを見つけることは容易ではない。したがって、目視検査は非常に費用と時間のかかる方法であり、故障した避雷装置の位置を特定し交換するまでに数か月を要することがある。配電システムの場合、都市部に配置されていることが多いため、この検査はしばしば陸路で行われる。しかしながら、双眼鏡を使用しても、故障した避雷装置は、塔または柱の上に設置されているため、雷検出システムが使用されている場合でも見つけることは容易ではない。しかしながら、配電変圧器が保護されなくなっているため、交換までの時間が重要である。
【0009】
避雷装置の位置に設置された適切なセンサは、避雷装置の故障が生じた場合に電力システムのオペレータに遠隔で警告することができる。しかしながら、センサには、動作するための電力が必要である。バッテリは、定期的に手動で交換する必要があるため、手動検査という点で、センサがもたらし得る利点がなくなる。太陽電池はメンテナンスがあまり必要ないが、それでも低照度時の穴埋めに充電可能なバッテリが必要である。太陽電池の別の欠点は、窓の汚れによって効率が経時的に低下し得ることである。
【0010】
さらに、いつ、およびどの特定の塔で、避雷装置が過負荷状態になったかを配電システムのオペレータに知らせる無線通信方法は、メンテナンス担当者が故障した避雷装置を迅速に見つけて交換するのに役立つが、避雷装置の位置に設置された通信電子機器にも、故障した避雷装置の位置および/またはステータスを通信するための電力が必要である。
【0011】
したがって、低電力の通信方法が必要である。さらに、故障した避雷装置を遠隔監視するためのセンサおよび通信電子機器を使用する利点を生かすために、最小限の手動メンテナンスを必要とする自律電源を有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、先行技術の欠点を考慮してなされたものであり、その目的は、低消費電力の長距離無線メッシュ通信システムによって避雷装置の断路器のステータスを遠隔監視するための方法およびシステムを提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、避雷装置から離れた監視ステーションから、故障した避雷装置を検出する方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、避雷装置および/または断路器の近くに設置された、それぞれの動作状態を監視および送信するための監視デバイスおよび/または通信デバイス用の自律電源として使用可能な、避雷装置の漏れ電流からエネルギーを取得するためのエネルギーハーベスタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的は、添付の独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、添付の従属請求項の主題である。
【0016】
本発明によれば、クラスタに編成された避雷装置の断路器の長距離無線メッシュ通信システムを介して、避雷装置の断路器のステータスを遠隔監視する方法であって、各クラスタは同一のクラスタエリア内に物理的に位置する断路器を含み、各クラスタの断路器のうちの少なくとも1つは、断路器のステータスを示す信号を送信するための所定の通信範囲の通信手段に連結され、方法は、第1のクラスタから、第1のクラスタの第1の断路器のステータスを示すステータス信号を、第1のクラスタから所定の通信範囲内に位置する第2のクラスタへ送信するステップと、ステータス信号を、前記信号を受信したクラスタから、所定の通信範囲内の隣接するクラスタへ、長距離メッシュ通信システムの終端クラスタに到達するまで連続的に送信するステップと、終端クラスタから、ステータス信号を監視ステーションへ送信するステップと、監視ステーションで、ステータス信号の送信結果に基づいて第1の断路器のステータスを監視するステップとを含む方法が提供される。
【0017】
さらなる実施形態によれば、前記ステータス信号が受信されないことは、第1の断路器がそれぞれの避雷装置を大地から切り離すように動作したことを示す。
【0018】
実施形態によれば、ステータス信号は、低電力高速無線通信によってクラスタのいずれかから送信される。
【0019】
さらなる実施形態によれば、クラスタのうちの少なくとも1つは、それぞれの通信手段に連結され、かつクラスタヘッドとして作用するように構成されている断路器を含み、クラスタヘッドは、同一のクラスタに含まれる断路器からステータス信号を受信し、所定の通信範囲内の隣接するクラスタへステータス信号を送信する。
【0020】
さらなる実施形態によれば、方法は、クラスタごとに、同一のクラスタに含まれる、それぞれの通信手段に連結された断路器から、クラスタヘッドとして作用するための断路器をランダムに選択するステップと、クラスタのクラスタヘッドが通信していないと検出されたときに、同一のクラスタに含まれる、それぞれの通信手段に連結された断路器から、動作する断路器をそれぞれのクラスタヘッドとして自動で選択するステップとをさらに含む。
【0021】
実施形態によれば、各クラスタはクラスタヘッドを備え、隣接するクラスタ間のステータス信号の送信は、それぞれのクラスタヘッドによって行われる。
【0022】
さらなる実施形態によれば、第1の断路器のステータス信号は、略所定の通信範囲の距離だけ互いに離れた隣接するクラスタ間で直接送信され、かつ/または、第1の断路器のステータス信号は、中継器を介して、所定の通信範囲より大きく互いに離れた隣接するクラスタ間で送信される。
【0023】
本発明によれば、避雷装置から離れた監視ステーションから、故障した避雷装置を検出する方法であって、避雷装置は、故障の場合に避雷装置を大地から自動で切り離すように構成されている断路器に直列に接続され、方法は、断路器を介して避雷装置から大地へ流れる漏れ電流から電荷を集め、集めた電荷を蓄積容量素子に蓄積するステップと、蓄積容量素子に蓄積された電荷を使用して、避雷装置に設置された監視デバイスおよび/または通信デバイスに電力供給するステップと、監視デバイスおよび/または通信デバイスから送信された信号の受信を遠隔監視ステーションで監視するステップとを含み、前記信号が受信されないことは、断路器が避雷装置を大地から切り離すように動作したことを示す、方法がさらに提供される。
【0024】
本発明によれば、避雷装置の漏れ電流からエネルギーを取得するためのエネルギーハーベスタであって、避雷装置および地電位に直列に連結されて、避雷装置から流れる漏れ電流を集めるように構成されている第1の入力端子および第2の入力端子と、蓄積キャパシタを備えるエネルギー蓄積回路であって、蓄積キャパシタは、集めた漏れ電流から電荷を蓄積し、蓄積された電荷を、蓄積キャパシタに連結された第1の出力端子および第2の出力端子を介して電子デバイスに供給するように構成されている、エネルギー蓄積回路とを備えるエネルギーハーベスタがさらに提供される。
【0025】
実施形態によれば、エネルギーハーベスタは、第1の入力端子および第2の入力端子に連結され、かつ第1の閾値を超える過渡電圧が第1の入力端子および第2の入力端子に加えられたときにバイパス路を確立するように構成されている第1の過電圧保護装置をさらに備える。
【0026】
さらなる実施形態によれば、第1の過電圧保護装置は、前記過渡電圧が破壊電圧を超えたときに前記バイパス路を確立するように構成されている火花ギャップ回路を備える。
【0027】
本発明のさらなる実施形態によれば、エネルギーハーベスタは、第1のレベルの過電圧保護装置に並列に連結され、かつ過渡電圧が第2の閾値より上昇したときに大地へのバイパスを確立するように構成され、第2の閾値が第1の閾値より大きい、第2の過電圧保護装置をさらに備える。
【0028】
実施形態によれば、第2の過電圧保護配置は、過渡電流を大地にバイパスさせるように構成されている過渡電圧抑制ダイオードを備える。
【0029】
さらなる実施形態によれば、エネルギーハーベスタは、少なくとも1つの過電圧保護装置に連結されて、過電圧保護装置によって出力された電流を整流し、整流された電流をエネルギー蓄積回路に供給する容量整流装置をさらに備える。
【0030】
本発明の実施形態によれば、エネルギー蓄積回路は、エネルギー蓄積回路が受信した電流を感知するように構成されている電流感知回路をさらに備える。
【0031】
本発明の利点は、配電システムのオペレータおよびメンテナンス担当者が、電線を検査して故障した避雷装置の位置を特定するのに必要な労力および束縛を少なくすることである。さらに、通信リンクを他の感知の解決策に使用してもよい。
【0032】
本発明の原理を説明するために、添付図面が本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす。図面は、本発明を形成し使用することのできる方法についての図示し説明する例のみに本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0033】
添付図面に示す本発明の以下のより詳細な説明から、さらなる特徴および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態による、一体型の監視デバイスを有する断路器に直列に設置された避雷装置の配置の概略図である。
図2】本発明の別の実施形態による、断路器および外部監視デバイスに直列に設置された避雷装置の配置の概略図である。
図3】本発明の実施形態による、被監視断路器が電力線に沿って高密度で分散している場合の無線長距離通信メッシュシステムの概略図である。
図4】本発明のさらなる実施形態による、被監視断路器が電力線に沿って不規則に分散している場合の無線長距離通信メッシュシステムの概略図である。
図5】本発明のさらなる実施形態による、被監視断路器が電力線に沿って低密度に存在する無線長距離通信メッシュシステムの概略図である。
図6】本発明のさらなる実施形態による、中継器を備える無線長距離通信メッシュシステムの概略図である。
図7】本発明の実施形態による、エネルギーハーベスティングシステムの概略図である。
図8】本発明の実施形態による、エネルギーハーベスティングデバイスを示す図である。
図9】避雷装置の漏れ電流を使用するキャパシタバンクの充電を時間の関数として示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下で、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面を参照しながら、本発明についてより完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的で完全なものであり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提示される。説明全体を通じて、同一の参照符号は同一の要素を指す。
【0036】
本開示は、少なくとも以下の手法によって技術的問題を解決することを提案する。
A 無線通信原理および方法
B 遠隔避雷装置が設置された監視デバイスおよび/または通信デバイス用の自律電源
C GPS情報
D 故障表示の方法
【0037】
以下で、手法A~Dについて個々に説明する。しかしながら、これらの手法の各々を単独でまたは組み合わせて使用して、各々の特定の状況に適応させることのできる、費用効果が高く信頼性のある柔軟な解決策を実現してもよい。さらに、本発明の実施形態について、送電システムおよび送電線、または参照を容易にするために単に送電線に関して以下で説明するが、本発明の原理は配電システムおよびそれぞれの配電線に適用可能であることを理解されたい。
【0038】
A.無線通信原理および方法
避雷装置、およびしたがって断路器は、一般的に、落雷によるサージが最も起こりやすいエリアにおいて、送電線に沿ってクラスタで設置される。例えば、送電塔には最大6の避雷装置を設置することができるが、一般的に、1つの塔に1、2、または3の避雷装置があり、同一の送電線に沿った他の塔には避雷装置が設置されていなくてよい。最も無駄のないように設置し、避雷装置をいくつ設置すべきか、およびどの塔に設置すべきかを決めるために、通常、電気性能に関する送電線および配電線のシミュレーションが行われる。これは、送電線に沿った避雷装置およびそれぞれの断路器が不規則に分散していることが多く、送電線ごとに異なる場合があることを意味する。したがって、避雷装置の断路器のステータスを遠隔監視することは、故障した避雷装置を検出し位置特定するために、遠隔エリアにおけるユーティリティの動作送電線に大きな利点をもたらすことができる。
【0039】
図1は、電力線130と地電位140との間で断路器120に直列に接続された避雷装置110の例示的な配置100を示す。断路器120は、従来の方法で動作し、避雷装置110が永続的に短絡するようになった場合に、避雷装置110を大地から自動で切り離して、電力線130が正常動作状態に迅速に回復することができるようにする。センサなどの監視デバイス150を断路器120に組み込んで、断路器120の現在のステータスを感知する、すなわち、後述するように、断路器120が避雷装置110を大地140から切り離すように動作したか否かを確かめることができる。監視デバイス150は、感知された断路器のステータスおよび/または他の通信データを示す信号を送信するための通信手段160を備えることができる。
あるいは、監視デバイスは、感知されたデータを送信するための別個の通信手段に連結可能な従来のセンサ、例えば、断路器を流れる電流を測定するのに適した電流センサであってよい。図2は、それぞれの電力線230と地電位240との間に従来の断路器220が設置された、避雷装置210の代替配置200を示す。この場合、図1を参照して前述した一体型監視デバイス150と同様の機能を有する外部監視デバイス250を、避雷装置210および従来の断路器220に直列に連結して、そのステータス状態を監視することができる。監視デバイス250は、断路器のステータスを示す信号を送信するための通信手段260を備えることができる。あるいは、監視機能のみを有する監視デバイスを外部通信ユニットに連結して、断路器(図示せず)の被監視ステータスを通信することができる。後述するように、各々の被監視断路器と共に設置された監視デバイスおよび/またはそれぞれの通信電子機器への電力供給を、自律的に行うことができる。
【0040】
被監視断路器120または220のステータスを送電線の終端の遠隔監視ステーション、例えば送電システムのベースステーションに送信するための好ましい方法は、無線通信である。しかしながら、長距離無線通信は、デューティサイクルに関する電力規制および法的規制の点で費用がかかり、一般に、送電塔は、センサおよび送信電子機器に局所的に通電するための電力を供給することができない。また、無線通信の範囲は送電線の一般的な長さよりもはるかに短く、見通し線(line of sight)、天候、電磁干渉などの様々な環境要因に影響され得る。したがって、長距離無線通信は、被監視断路器のステータスを塔から遠隔ベースステーションへ直接送信するのに特に適していない。
【0041】
低電力長距離無線トランシーバは、高いデータ転送速度に伴って消費電力が小さく、これは、断路器のステータスに関する情報などの感知できる情報をリアルタイムに低消費電力で送信するのに特に適している。例えば、一般的な低電力無線トランシーバは、0.1ワット未満の電力で動作する。データ転送速度に応じて、一般的な無線は、最長20kmの範囲の見通し線を有することができる。このように、低電力高速無線トランシーバは、避雷装置の断路器の感知されるステータスなどの少量の情報を周期的に転送するのに特に適しており、この場合、電源の自律性が課題である。しかしながら、一般的な低電力無線トランシーバに関連する通信範囲は限定されており、これは、そのような通信範囲が、ベースステーションから離れて位置する断路器からではなく、通信範囲自体によって画定されるあるエリア内に物理的に位置する断路器間でデータを通信するために使用され得ることを意味する。
【0042】
本開示は、低電力通信を使用して、電力線に沿って設置された避雷装置の断路器のステータスを遠隔監視する方法を提供する。この方法は、低電力高速無線トランシーバを備えた、またはこれに連結された被監視断路器が、自己編成クラスタを形成し、同一のクラスタまたは隣接するクラスタ内に物理的に位置する他の被監視断路器と通信することができるようにするクラスタリング技法の使用に基づく。
【0043】
その後、短い通信範囲を有する低電力無線トランシーバを使用しながら、電力線に沿った複数のクラスタにより形成される長距離無線メッシュ通信システムを介して、被監視断路器の動作ステータスを示す信号を、被監視断路器の位置から遠隔監視ステーションへ無線送信することができる。
【0044】
図3は、送電線(図示せず)に沿って設置された複数の避雷装置の断路器301を備える無線長距離メッシュ通信システム300の例を示す。図示した例では、図1および図2を参照して前述した構成のいずれかなどに従って、断路器301-1~301-10の各々が監視能力および通信能力を有する。特に、被監視断路器301-1~301-10の各々は、低電力高速無線トランシーバを組み込んでいるか、またはこれに連結されているため、それぞれのステータス状態を感知し、それぞれの低電力高速無線トランシーバの特徴によって予め定められた通信範囲310内で送信することができる。
【0045】
被監視断路器301-1~301-10は、それらの物理的位置およびそれぞれの低電力高速トランシーバに関連する通信範囲310に従って、複数のクラスタ320、図示した実施形態ではクラスタ320-a、320-b、320-cに編成される。クラスタ320-a~320-cの各々は、同一のクラスタエリア内に物理的に位置する1つまたは複数の被監視断路器310を備える。各クラスタ320の大きさは、通信範囲320および電力線に沿った被監視断路器301の分散に基づいて定めることができる。図3の図示した例では、被監視断路器301-1~301-10が高密度で分散され、すなわち、被監視断路器301-1~301-10が、それぞれの低電力無線トランシーバの通信範囲310より小さく互いに離れている。
この場合、クラスタ320を、電力線に沿った重ならない領域として定義することができ、各クラスタは、おおよそ通信範囲310の大きさの指定エリアをカバーする。同一の指定エリア内に位置する被監視断路器は、それぞれのクラスタに割り当てられる。これは、クラスタ320-aおよび320-bに関して図3に例示するように、いずれかのクラスタが、隣接するクラスタとは異なる数の被監視断路器を備えることができ、または最終的に、図6に示すように被監視断路器がないことを意味する。
【0046】
複数のクラスタにわたって被監視断路器を編成し分散させることは、以下で説明するように、被監視断路器i(ここで、iは1~nで変化する整数、nは電力線に沿って設置された被監視断路器の総数を表す)からのステータス信号が長距離通信メッシュシステムを通じてどのように送信されるかを決定する。
【0047】
図3を参照すると、被監視断路器、例えば断路器301-1のステータス信号の送信を、同一のクラスタ320-a内の断路器、例えば、断路器301-4に最初に送信することができる。この断路器301-4は、クラスタの送信ノードとして作用するように指定され、すなわち、同一のクラスタ内の被監視断路器からステータス信号を受信し、かつ隣接するクラスタにステータス信号を送信するためのクラスタヘッドである。クラスタヘッド301-4は、その後、受信したステータス信号を、隣接するクラスタ320-bの被監視断路器301のうちの1つ、または指定されていればそれぞれのヘッドクラスタに送信する。図示した実施形態において、クラスタ320-a~320-cの各々は、それぞれのクラスタヘッドとして指定された被監視断路器、すなわち図3の断路器301-4、301-6、301-8を含む。
その後、被監視断路器のステータス信号は、長距離通信メッシュシステム300に沿って、ステータス信号を受信したクラスタのヘッドクラスタ(例えば、図3の301-6および320-b参照)から隣接するクラスタのヘッドクラスタ(図3の301-8および320-c参照)へ送信される。その後、クラスタヘッド301-4、301-6、301-8は、長距離通信メッシュシステム300に沿った受信ノードおよび送信ノードとして作用し、これにより、電力線に沿ったノード間の通信の数、したがって、消費電力量を大幅に減少させることができる。クラスタヘッドは、他の被監視断路器と同様の低電力高速無線トランシーバを備え、したがって、同一の低電力通信範囲で通信を行うことが好ましい。
しかしながら、特に、クラスタの他の断路器の低電力高速無線トランシーバによって実現される通信範囲よりも大きい送信ギャップを埋めることが有利であり得る場合に、1つまたは複数のクラスタヘッドに、他の被監視断路器より大きい通信範囲で送信可能な通信ユニットを備え付けることを考えてもよい。
【0048】
クラスタヘッドは、通信電子機器を組み込んだ、かつ/またはこれに連結された同一のクラスタ内の被監視断路器からランダムに選択されることが好ましい。あるいは、クラスタヘッドを、隣接するクラスタと通信するのに最も有利な位置を有する断路器などの、クラスタ内の被監視断路器の位置に基づいて指定することできる。さらに、電力線に沿った被監視断路器が異なる通信範囲を有する場合、クラスタ内で最長の通信範囲を有する被監視断路器を、それぞれのクラスタのヘッドとして指定することができる。
【0049】
指定したクラスタヘッドを、長距離メッシュ通信システムの被監視断路器の現在の動作ステータスに基づいて、経時的に動的に変更することもできる。例えば、クラスタヘッド自体が故障した避雷装置を切り離すように動作したという理由で、クラスタヘッドがステータスデータを通信しなくなっている場合、通信方法は、この事象を自動で検出し、指定したクラスタヘッドを、同一のクラスタ内で通信機能を有する被監視断路器のうちの別の1つに変更することができる。したがって、最初に選択されたクラスタヘッドが動作しなくなった場合に、長距離メッシュ通信システムに沿ったステータスデータの通信を回復することができる。
【0050】
受信クラスタのヘッドから隣接するクラスタのヘッドへステータス信号を送信することは、被監視断路器が電力線にわたって均一に分散されておらず、かつ/または、図4に示す長距離メッシュ通信システム400のように、あるエリアでより高密度に分散されている場合にも有利である。長距離メッシュ通信システム400は複数の被監視断路器401を備え、被監視断路器401は、図3を参照して前述した被監視断路器301と同様の監視機能および/または通信機能を有する。この場合、クラスタ420-a、420-b、420-cの各々に、それぞれのクラスタヘッド401-3、401-4、401-6が割り当てられ、被監視断路器401の各々が、そのステータスを同一のクラスタのそれぞれのヘッドに報告する。
その後、電力線のベースステーション440からのクラスタヘッド420-cの通信範囲410内にある終端クラスタ420-cに到達するまで、いずれかの被監視断路器401からのステータス信号が、長距離メッシュ通信システム400に沿って受信クラスタから次のクラスタへ連続的に送信される。その後、終端クラスタ420-cが受信したステータス信号が、ベースステーション440に通信される。
【0051】
前述したクラスタ間における被監視断路器のネットワークを通じて被監視断路器のステータス信号を送信することにより、被監視断路器のネットワークに沿って1つの断路器から次の断路器へステータス信号を送信するのに比べて、電力線の終端(または中間位置)の監視ステーションに到達するまでノード間通信の数を減少させ、したがって消費電力を減少させることができる。
【0052】
しかしながら、連続した被監視断路器間のステータス信号の線形送信が、電力線の全長にわたって、またはあるエリアに低密度の被監視断路器を有する電力線で行われることがある。図5は、低密度の塔に被監視断路器501が設置された、電力線における長距離メッシュ通信ネットワーク500の概略図である。被監視断路器501-1~501-5は、図3を参照して前述した被監視断路器301と同様の監視機能および/または通信機能を有する。さらに、クラスタヘッドを、おおよそ低電力通信範囲510の距離だけ互いに離れた断路器に対応するものとして選択して、クラスタヘッド間の距離を最大化し、残りの被監視断路器501-1、501-4の各々がそのステータスを同一のクラスタのそれぞれのヘッドに報告することができる。クラスタ510-a、510-b、510-cの大きさは低電力通信範囲510に基づいて決まるため、一部のクラスタは1つまたは2つのみの被監視断路器を含むことができる。
【0053】
図3図5を参照して前述した例の各々において、受信クラスタから次のクラスタへのステータス信号の送信は、各クラスタの被監視断路器のうちの1つをクラスタのヘッドとして指定することにより実現され、このヘッドは、長距離メッシュ通信ネットワークに関与してステータス情報を電力線に沿って伝える。すなわち、クラスタヘッドは、被監視断路器のステータス情報を前のクラスタのヘッドから受信し、受信したステータスを電力線に沿って次のクラスタへ送信する。したがって、被監視ステータス状態の無線送信を、やはり確実に低消費電力で実現することができる。
【0054】
低電力通信プロトコルを、前述した長距離メッシュ通信システムと関連して使用することができる。
【0055】
被監視断路器の低電力通信範囲が、電力線上の次の被監視断路器および/または次のクラスタに到達するのに十分でないエリアでは、中継器を中間位置に設置して、次の被監視断路器および/またはクラスタに送信される信号を強化し、ギャップを埋めることができる。例えば、図6は、複数の被監視断路器601-1~601-6を備える長距離メッシュ通信システム600を示す。被監視断路器601-1~601-6は非常にまばらに分散されているため、クラスタ620-a、620-cのクラスタヘッド601-3、601-4が設置された低電力無線トランシーバによって設けられた低電力通信範囲620より大きい、電力線に沿った中間エリア610-bには、監視能力および/または通信能力を有する断路器が欠乏している。
この場合、信号をクラスタ620-aからクラスタ620-cへ送信するために、中継器630を欠乏エリア620-bに設けることができる。電力を使用可能なサブステーションに中継器630を設置することができない場合は、太陽エネルギーによって中継器630に電力供給することができる。これは、後述するように、中継器630が避雷装置に取り付けられていないため、被監視断路器に電力供給するために使用可能な漏れ電流を利用できないからである。このことは、被監視断路器601-1~601-6のいずれかに関連する低電力高速無線トランシーバによって実現される低電力通信範囲610より大きい通信範囲を有する中継器630を使用することができることを意味する。これにより、電力線に沿った被監視断路器の分散において大きいギャップを埋めることができる。
【0056】
被監視断路器がそれ自体の通信ネットワークを形成し、各断路器のステータスを明確にした後、この情報を電力線の終端に位置するベースステーションに通信することができる。ベースステーションには、従来の通信技法を用いる、監視デバイスへのバックホール通信、または信号もしくは使用SCADAシステムという任意選択の手段がある。本発明の原理による長距離メッシュ通信システムに備わる被監視断路器の数は、適用に応じて任意の整数であってよく、図示した実施形態に関して前述した被監視断路器の数に限定されるものと解釈すべきでないことを理解されたい。
【0057】
さらなる実施形態において、簡略化した監視技法を特に雷検出システムと共に配電システムに使用して、落雷の位置に近い断路器に無線または携帯電話で交信して、その断路器が動作したか否かを確認することができる。
【0058】
別の実施形態において、30~200メートルの交信距離を有する低電力無線トランシーバを含む断路器を用いて定期メンテナンスを行う方法を使用することができる。この場合、メンテナンス作業者は、断路器の低電力無線送信器と交信する送信器/デバイスを用いて配電線に沿って車で移動し、断路器が動作したか否かを確認することができる。この方法により、目視検査と比較して、故障した避雷装置の検出が容易になる。
【0059】
B.遠隔避雷装置が設置された監視デバイスおよび/または通信デバイス用の自律電源
一般に、送電システムおよび/または配電システムの塔は、監視デバイスおよび/または通信デバイスなどの局所的に設置された電子デバイスに電力を供給することができず、このような電子デバイスには、バッテリなどのそれ自体の電源を設置しなければならない。
【0060】
前述した従来の電源の定期メンテナンスに関連する問題を避けるために、少量であるが連続して使用可能な避雷装置の漏れ電流を利用することによって、避雷装置が設置されたセンサおよび/または通信電子機器に電力を供給することができる。この漏れ電流は、通常、必要に応じて、数百ボルトの駆動電圧で1~数ミリアンペアである。この漏れ電流は、避雷装置が電力線に接続され、正常動作状態にあれば、使用可能である。
【0061】
したがって、本開示の態様は、電界、または避雷装置および断路器を流れる避雷装置の漏れ電流からエネルギーを取得し、この漏れ電流を使用してキャパシタまたはキャパシタバンクを充電することにある。その後、蓄積された電荷を使用して、避雷装置および断路器が局所的に設置されたセンサならびに/または通信電子機器に電力を供給することができる。高効率の低電力ステップダウンコンバータを使用して、電圧レベルを安定させてもよい。
【0062】
本発明の原理によるエネルギーハーベスティング構成700を図7に示す。エネルギーハーベスティングユニット710は、避雷装置および断路器の組合せ720に直列に接続されて、避雷装置が正常動作状態にあり断路器が動作していないときに、避雷装置から断路器を介して大地へ連続して流れる漏れ電流を受けるようになっていることが好ましい。エネルギーハーベスティングユニット710は、最低2つのレベルの過電圧保護を備えて、監視デバイスおよび無線通信デバイス730などの接続された電子デバイスの故障を防ぐことが好ましい。第1のレベルの過電圧保護740は、大きい過渡電流が避雷装置により吸収される場合に、大地へのバイパスを確立することによってサージから大まかに保護することを含む。この機能は、従来の断路器デバイスにおいてすでに使用されているものと同一または同様の適切な火花ギャップ740によって提供することができる。
【0063】
火花過電圧は非常に高くなる傾向があるので、電圧が火花過電圧レベルまで上昇するときに、接続された電子デバイス730を保護するために、第2のレベルの過電圧保護750が設けられる。第2のレベルの保護750のターンオン特性は、第1のレベルの保護740と調和する(交互保護)ことが好ましい。
【0064】
サージ保護の分野の当業者により周知の交互保護構成を使用することができる。交互保護構成は、保護デバイスの閾値電圧および残留電圧と保護ステージ間に接続されたインピーダンスとの調和を必要とする。
【0065】
そうでない場合、第2のレベルの保護750の残留電圧が低すぎるため、第2のレベルの保護750が第1のレベルの保護740の動作を妨げることがあり得る。
【0066】
エネルギーハーベスティングユニット710は、電流整流ステージ760を含み、次に、追加の二次サージ保護を有する、取得した電流を監視するための電流感知ステージ770、前のステージから受けた漏れ電流から電荷を集めて蓄積するためのエネルギーハーベスティングステージ780およびエネルギー蓄積ステージ790をさらに含むことができる。その後、蓄積されたエネルギーを使用して、避雷装置の位置に設置された監視デバイスおよび無線デバイス730に電力を供給することができる。
【0067】
図8は、実施形態による、断路器と共に設置された避雷装置を流れる漏れ電流から電荷を集めて蓄積するためのエネルギーハーベスタ800の概略回路図である。図8を参照すると、エネルギーハーベスタ800は第1の入力端子802および第2の入力端子804を備え、これらの第1の入力端子802および第2の入力端子804は、図1および図2に示す断路器120、220などの避雷装置の断路器および地電位に直列に連結されて、避雷装置から地電位へ流れる漏れ電流から電荷を集める。エネルギーハーベスタ800は、蓄積キャパシタ812を含むエネルギー蓄積回路810を備え、蓄積キャパシタ812は、漏れ電流から集めた電荷を蓄積し、蓄積された電荷を、第1の出力端子814および第2の出力端子816を介して、センサデバイスまたは通信手段などの電子デバイス(図8に負荷818として示す)へ供給する。
【0068】
第1のレベルの過電圧保護を、図8に示すような第1の過電圧保護装置820によって実施することができる。第1の過電圧保護装置820は、第1の入力端子802および第2の入力端子804に連結され、第1の閾値を超える過渡電圧が第1の入力端子802および第2の入力端子804に加えられたときにバイパス路を確立するように設計される。前述したように、第1の過電圧保護装置820は、火花ギャップ回路822を備えて、入力端子802、804の過渡電圧がそれぞれの火花ギャップ回路の破壊電圧を超えて生じたときに、バイパス路を確立することができる。
【0069】
図8に示すように、第2のレベルのサージ保護を第2のレベルの過電圧保護装置830によって実施することができる。電圧が第1のレベルで火花過電圧レベルまで上昇するときに、第2のレベルの過電圧保護装置830は、サージ保護をもたらすために第1のレベルの過電圧保護装置820に並列に連結され、過渡電圧が第1の閾値より小さい第2の閾値を超えて上昇したときにバイパスを確立する。前述したように、第2のレベルの過電圧保護装置830のターンオン特性が、第1のレベルの過電圧保護装置820と調和することが好ましい。それぞれのレジスタ素子R1を有する適切な低インダクタンスレジスタ(例えばカーボン組成レジスタ)と組み合わせた双方向Transzorbダイオードなどの過渡電圧抑制ダイオード(TVS)が、この目的で推奨される。Transzorbダイオードは非常に高速で、過負荷事象の場合、故障して短絡し、装置を保護し続ける。
レジスタR1は、交互保護装置830の一部であり、並列キャパシタを含むこともできる。前のステージの残留電圧が最も高いときに、装置832を使用して、このレベルの保護を流れる電流を制限する。Transzorbダイオードの保護レベルは、同程度に低い(約3V~20Vで選択可能)が、エネルギー処理能力は限られている。したがって、レジスタR1の電圧降下は、Transzorbダイオード834が故障する前に高い放電電流で第1のレベル保護を引き起こすのに十分高くなければならない。必要に応じて、第1のレベルと最終レベルとの間のどこかの保護レベルを有する低インダクタンス直列レジスタを有するTranszorbダイオードの代わりに、ガス放電管を使用して、別のレベルの同様の保護を説明したレベル間に挿入することができる。
エネルギーハーベスタ800はまた、第1の過電圧保護装置820および第2の過電圧保護装置830の後に連結された、整流された電流をエネルギー蓄積回路810に供給するための容量勾配整流器840などの整流装置を備えることができる。図8に示すダイオードD2~D5によって形成された整流ブリッジに、素子R6~R9およびC1~C4のそれぞれなどの抵抗素子および容量素子を組み込むことによって、容量勾配整流器を実現することができる。
【0070】
図8に示すように、エネルギー蓄積回路810は、容量勾配整流器840に連結された電流感知回路850をさらに備えることができる。この電流感知回路850は、容量勾配整流器840により出力された、例えば図8に示す出力監視端子Vsense860における電流(および/または電圧)を感知する。また、電流感知回路850は、例えば、前述したような、抵抗素子R3に並列に連結されたTSVダイオードD6を含む二次レベルの精密なサージ抑制装置を備えることができる。漏れ電流から集められた電荷は、その後、蓄積キャパシタC6に蓄積され、出力電源端子Vout814を介して外部デバイスに供給することができる。図8に示す電流源I1、I2は、エネルギーハーベスタ800の入力端子802、804に加えられたAC電流およびサージ電流のそれぞれの供給源を表す。
【0071】
したがって、避雷装置に通電すると、数mA、かつ一部の避雷装置の場合にはわずか1mA未満の小容量の漏れ電流が常に連続して大地に流れるため、エネルギーハーベスティングデバイス800によって漏れ電流を取得および蓄積して、避雷装置に局所的に設置された監視無線電子機器に電力を供給することができる。
【0072】
エネルギーハーベスタ800は、それ自体が、避雷装置の断路器が動作したかどうかを検出するための監視デバイスとして機能することができる。これは、断路器が避雷装置を大地から切り離すと、蓄積された電力が徐々に減少するため、避雷装置から大地への漏れ電流の流れ、したがって、エネルギーハーベスタ800による電荷の蓄積が中断されるからである。
【0073】
前述したエネルギーハーベスティング構成700および/またはエネルギーハーベスタ800の原理を、図1図6の実施形態に関して前述した被監視断路器に組み込まれた、かつ/またはこれに連結された監視デバイスとして適用することができる。さらに、説明したエネルギーハーベスティング構成700および/またはエネルギーハーベスタ800を、故障した避雷装置の遠隔検出以外の適用において、例えば、電子デバイスへの電流の供給の故障を検出するために、長距離メッシュ通信システムとは別個に使用してもよい。
【0074】
大地へ流れる一般的な避雷装置の電流サージを耐え抜くこと、および避雷装置の漏れ電流から電力を取得することに関する実験を、本発明によるエネルギーハーベスティングデバイスの試作品について行った。表1は、例示的なエネルギーハーベスティングデバイスについて得られた要件の概要を示す。
【0075】
【表1】
【0076】
10kAおよび56kAの衝撃および8/20psの波形で順調に耐性試験を行った。エネルギーハーベスティングデバイスの試作品に蓄積するために使用したキャパシタは、2200pFであった。1kVおよび1mAならびに2kVおよび2mAについてシミュレーションを行った。その後、同一のパラメータを用いて試験を行った。表2は、高電圧環境における取得試験の実際の試験結果を示す。
【0077】
図9は、シミュレーションに合わせた1kVおよび1mAにおける試験中に記録した電荷のグラフである。シミュレーションは、休止中に0.7pC/s、かつ送信、受信、および処理全体で約72mC/sの使用量を示した。想定される得られた電荷は0.27mC/sであった。電力は、電圧が2.25Vを超えたときのみ使用するものと想定した。
【0078】
【表2】
【0079】
デバイスを2kVおよび2mAで充電した後、計20の電流放電まで、サンプルに10kAの衝撃を60秒ごとに与えた。最初の衝撃後に通信リンクが低下したが、データ入手システムは内部でロギングしたままであった。
【0080】
C.GPS情報
送電用避雷装置の設置時に、各避雷装置についての正確な塔および位置が予め確定されてないことがある。したがって、各送電用避雷装置の正確なGPS位置を、設置中または最初の無線通信時に決定しなければならない。GPS位置を最初の通信時に確定することは、所要電力に関して欠点を有する。設置点でモバイルアプリを使用することにより、断路器から過度の電力を使用することなく、GPS位置を各断路器にダウンロードすることができる。例えば、スマートフォンまたは断路器のバーコードを使用して、設置者がGPSデータをスマートフォンにロードし、オフィスでそのGPSデータをダウンロードして、各断路器の正確な位置を知ることが考えられる。
【0081】
D.故障表示の方法
送電用避雷装置は、過負荷状態にあるときに、断路器を動作させる。断路器は、直ちに2つ以上の部分に分離して、アース線が避雷装置から切り離されるようにする。多くの場合、これにより、避雷装置および/または断路器が設置された監視電子機器/装置は破壊され得る。したがって、断路器動作の報告は間接的でなければならないため、避雷装置の漏れ電流が見られれば、断路器は動作していると報告する。単一ノードの消失の応答がないことは、切離し事象であると考えられる。
【0082】
加えて、各々の被監視断路器は、その電源のステータスを報告することができてもよい。したがって、監視電子機器が短絡電流および切離し事象を耐え抜くという起こりそうにない場合に、監視デバイスはその電源が停止したことを報告することができる。さらに、漏れ電流がエネルギーハーベスティングデバイスへの蓄積のために集められなくなっているため、後になってエネルギーの蓄積分が使い果たされ、被監視断路器のノードが被監視断路器のネットワークから消失することになる。断路器に関連した監視デバイスからステータス信号を受信していないことは、断路器が故障した避雷装置を大地から切り離すように動作した可能性があることを示す。遠隔ベースステーションのオペレータは、故障した避雷装置を切り離した被監視断路器からのステータス信号がないことと、ステータス信号を受信していないことが一般的な電力遮断または他の理由によるものである場合とを明確に区別することができる。後者の場合には、断路器の全ノードが消失するからである。
【0083】
本発明の実施形態について、配電線および送電線の高速閉鎖を容易にするために媒体および高電圧避雷装置と組み合わせて使用される断路器に関して主に前述した。しかしながら、本発明の原理を、他のタイプの電子デバイスの故障を迅速に検出および/または局所化するために有利に適用することもできる。例えば、本発明の原理を、例えば熱感知を使用して、外れた(緩んだ、loose)、かつ/または過熱したコネクタを検出することにより、コネクタに適用することができる。さらなる適用としては、接合部および端子が電位差または熱影響を感知することのできるケーブルアクセサリが挙げられる。本発明の原理は、洗浄が必要であることを示すものとして、絶縁体の漏れ電流を検出するために適用することもできる。
【0084】
さらに、前述した、長距離通信無線メッシュ通信システムによって避雷装置の断路器のステータスを遠隔監視する方法、故障した避雷装置を検出する方法、およびエネルギーハーベスタを、互いに独立して、かつ/または前述以外の適用について使用することができる
【0085】
電力線の終端(または中間位置)のベースステーションに到達するまで長距離メッシュ通信システムに沿って伝搬するステータス信号に関して実施形態を説明したが、ベースステーションは、最も近いクラスタヘッドなどの被監視断路器に信号を送信して、データもしくはステータスの問合せをそれぞれの被監視断路器および/またはクラスタヘッドに通信することもできる。加えて、各々の被監視断路器またはクラスタヘッドは、前述したクラスタ間の通信方法を使用することなどによって、受信した信号をベースステーションから長距離メッシュ通信システムの別の被監視断路器またはクラスタヘッドへ送信するのに適した通信電子機器を備えることができ、またはこれに連結することができる。
【符号の説明】
【0086】
100 図1の避雷装置および断路器の配置
110 避雷装置
120 断路器
130 電力線
140 地電位
150 監視デバイス
160 通信手段
200 図2の避雷装置および断路器の配置
210 避雷装置
220 断路器
230 電力線
240 地電位
250 監視デバイス
260 通信手段
300 長距離メッシュ通信システム
301 被監視避雷装置の断路器
310 被監視避雷装置の断路器
320 クラスタ
340 監視ベースステーション
400 長距離メッシュ通信システム
401 被監視避雷装置の断路器
410 低電力通信範囲
420 クラスタ
440 監視ベースステーション
500 長距離メッシュ通信システム
501 被監視避雷装置の断路器
510 低電力通信範囲
520 クラスタ
540 監視ベースステーション
600 長距離メッシュ通信システム
601 被監視避雷装置の断路器
610 低電力通信範囲
620 クラスタ
630 中継器
640 監視ベースステーション
700 エネルギーハーベスティング構成
710 エネルギーハーベスティングユニット
720 避雷装置および断路器
730 監視デバイスおよび無線デバイス
740 第1のレベルの過電圧保護
750 第2のレベルの過電圧保護
760 整流ステージ
770 電流感知および二次サージ保護
780 エネルギーハーベスティングステージ
790 エネルギー蓄積ステージ
800 エネルギーハーベスタ
802 第1の入力端子
804 第2の入力端子
810 エネルギー蓄積回路
812 蓄積キャパシタ
814 第1の出力端子
816 第2の出力端子
818 負荷
820 第1の過電圧保護装置
822 火花ギャップ回路
830 第2のレベルの過電圧保護装置
832 並列RC回路
834 TSVダイオード
840 容量整流装置
850 電流センサ
860 出力監視端子
【0087】
図8に示す電気部品の例示的な値
R1=20Ω、R2=10kΩ、R3=1MΩ、R4=1Ω
R5=R6=R7=R8=R9=1MΩ
D1=SMBJ05CA、D6=SMBJ08CA
D2=D3=D4=D5=D7=MURS120
C1=C2=C3=C4=100pF
C5=100μF、C6=47μF、C8=1fF、C9=10pF
L1=1mH
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9