(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】圧縮機システムを作動させる方法及び圧縮機システム.
(51)【国際特許分類】
F04B 49/08 20060101AFI20220128BHJP
【FI】
F04B49/08 311
(21)【出願番号】P 2020544216
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2019051421
(87)【国際公開番号】W WO2019162872
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-16
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】スネルズ ガイ エル エー
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527740(JP,A)
【文献】特開2001-342982(JP,A)
【文献】特表2008-533354(JP,A)
【文献】国際公開第2018/123399(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/00-51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機システム(1)がユーザネットワーク(14)によって要求された流量(Q)でユーザネットワーク(14)に供給する作動圧力(P)の測定値としての機能を果たす測定作動圧力(Pw)を要求作動圧力(Pset)に設定するために前記圧縮機システム(1)を作動させる方法であって、
前記圧縮機システム(1)は、入口(3)及び出口(4)を有する圧縮機要素(2)を備え、前記圧縮機要素(2)は、駆動装置(8)によって駆動され、前記圧縮機システム(1)は、前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)を絞るための手段(6)を備え、
前記測定作動圧力(Pw)及び前記要求作動圧力(Pset)から選択された作動圧力(P)が、前記手段(6)なしでの前記圧縮機システム(1)のための最大取得可能作動圧力(Pw,max)よりも高い間は、前記入口(3)が、前記手段(6)によって少なくともゼロより大きい特定のパーセンテージ(X)を得るために絞られる、方法。
【請求項2】
前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)を絞るための前記手段(6)なしでの前記圧縮機システム(1)のための前記最大取得可能作動圧力(Pw,max)は、
前記入口(3)が少なくともゼロよりも大きい特定のパーセンテージ(X)を得るために絞られず、そして、前記圧縮機システム(1)の前記ユーザネットワーク(14)によって要求された流量(Q)で、前記圧縮機システム(1)の前記測定作動圧力(Pw)が前記要求作動圧力(Pset)に設定される、前記圧縮機システム(1)の制御方法によって得ることができる最大作動圧力(Pw,max)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記作動圧力(P)が、前記手段(6)なしでの前記圧縮機システム(1)のための前記最大取得可能作動圧力(Pw,max)よりも高い間は、前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)が絞られる前記特定のパーセンテージ(X)が、前記作動圧力(P)と前記最大取得可能作動圧力(Pw,max)との間の差分によって増加する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記作動圧力(P)が、前記手段(6)なしでの前記圧縮機システム(1)のための前記最大取得可能作動圧力(Pw,max)よりも高い間は、前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)が絞られる前記特定のパーセンテージ(X)が、前記作動圧力(P)と前記最大取得可能作動圧力(Pw,max)との間の差分によって比例的に増加する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)の絞りは、入口スロットルバルブ(7)を有する手段(6)を設け、前記入口スロットルバルブをこのために制御することで達成される、
請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記要求流量(Q)が低下する間は、前記入口(3)は前記手段(6)によってさらに絞られる、
請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記要求流量(Q)が増加する間は、及び前記作動圧力(P)が、前記手段(6)なしで達成できる前記圧縮機システム(1)のための前記最大作動圧力(Pw,max)よりも高い間は、前記手段(6)の絞りは、前記入口(3)が前記特定のパーセンテージ(x)を得るために前記手段(6)によって絞られるまで低減される、
請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記駆動装置(8)の回転速度(S)が制御される、
請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
-前記要求流量(Q)が低下する間は、最初に、前記駆動装置(8)の回転速度(S)を前記駆動装置の最小回転速度(Smin)に到達するまで低減するステップと、
-前記駆動装置の最小回転速度(Smin)に到達する際に前記要求流量(Q)がさらにもっと低下する間は、前記手段(6)によって前記入口(3)をさらに絞るステップと、
を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記作動圧力(P)が、前記手段(6)なしで達成できる前記圧縮機システム(1)のための前記最大作動圧力(Pw,max)よりも高い間は、
-前記要求流量(Q)が増加する間は、最初に、絞りを、前記入口(3)が前記特定のパーセンテージ(X)を得るために前記手段(6)によって絞られるまで、前記手段(6)によって低減するステップと、
-前記入口(3)を前記特定のパーセンテージ(X)によって絞る際に、前記要求流量(Q)がさらにもっと増加する間は、前記駆動装置(8)の前記回転速度(S)を増加させるステップと、
をさらに含む、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
本方法は、前記作動圧力(P)が、前記手段(6)なしで達成できる前記圧縮機システム(1)のための前記最大作動圧力(Pw,max)以下である間は、
-前記要求流量(Q)が増加する間は、最初に、前記入口(3)が完全に開いて再び自由になるまで、前記手段(6)を用いて絞りを低減するステップと、
-前記入口(3)が完全に開いて再び自由になった際に、前記要求流量(Q)がさらにもっと増加する間は、前記駆動装置(8)の前記回転速度(S)を増加させるステップと、
をさらに含む、
請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
入口(3)及び出口(4)を有する圧縮機要素(2)を含む圧縮機システムであって、前記圧縮機要素(2)は駆動装置(8)で駆動され、前記圧縮機システム(1)は、前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)を絞るための手段(6)を備え、
前記圧縮機システム(1)は、前記手段(6)を作動させることができる制御ユニット(9)を備え、前記制御ユニット(9)は、
請求項1から11のいずれかに記載の方法を実行するように構成される、圧縮機システム。
【請求項13】
前記駆動装置(8)の前記回転速度(S)は、前記制御ユニット(9)によって制御することができ、前記制御ユニット(9)は、請求項7から10のいずれかに記載の方法を実行するように構成される、
請求項12に記載の圧縮機システム。
【請求項14】
前記圧縮機要素(2)の前記入口(3)を絞るための前記手段(6)は、入口スロットルバルブ(7)を備える、
請求項12又は13に記載の圧縮機システム。
【請求項15】
前記圧縮機システム(1)は、オイル噴射式スクリュー圧縮機システム(1)である、
請求項12から14のいずれかに記載の圧縮機システム。
【請求項16】
前記圧縮機システム(1)は移動式圧縮機システム(1)である、
請求項12から15のいずれかに記載の圧縮機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機システムを作動させる方法に関する。より詳細には、本発明は、圧縮機システムの最大作動圧力を高めることを意図している。
【背景技術】
【0002】
このために、作動圧力は、圧縮機システムから消費者ネットワークに供給される圧力を意味する。
【0003】
従来、圧縮機システムは、消費者ネットワークによって要求される流量を要求作動圧力で供給できるように作動される。
【0004】
消費者ネットワークが圧縮機システムから供給される流量を制御することなく高流量又は低流量を取り込む場合、作動圧力はそれぞれ低下又は上昇することになり、これは明らかに望ましくない。
【0005】
作動圧力を要求作動圧力に設定するために、圧縮機システムの圧縮機要素は、低流量又は高流量を供給することができる。
【0006】
流量は、例えば入口スロットルバルブによって圧縮機要素の入口を絞ることで、及び圧縮機要素を駆動する圧縮機システムの駆動装置の回転速度が可変の場合はこの回転速度を調整することで制御することができる。
【0007】
圧縮機システムが最大流量を供給する必要がある時点で、駆動装置は、その最大回転速度で稼働しており、入口スロットルバルブは完全に開いている。
【0008】
消費者ネットワークが低流量を取り込むのを開始した時点で作動圧力を要求作動圧力に設定するために、圧縮機要素から供給される流量は、低減される必要があるであろう。
【0009】
このため、駆動装置の回転速度が可変の場合、駆動装置の回転速度が最初に低減される。ある時点で、駆動装置は最小回転速度に達することになる。その時点で入口スロットルバルブは、作動圧力を消費者ネットワークが必要とする要求作動圧力に設定するために絞られることになる。
【0010】
回転速度を低減することで、駆動装置の消費量が低減することになる。最初に駆動装置の回転速度を低減し、駆動装置が最小回転速度に達した後にのみ入口スロットルバルブを調整することで、圧縮機システムの効率が可能な限り高くなり、消費量が可能な限り低くなるであろう。
【0011】
好ましくは、圧縮機システムは、作動圧力及び流量の可能性のある最大範囲を意図して、可能性のある広範な応用分野に適用可能である。
【0012】
実際には、駆動装置が供給すべき出力は、圧縮機要素が供給する流量によって及び作動圧力によって決まることになる。
【0013】
駆動装置が供給できる出力は回転速度によって決まり、回転速度出力曲線で表される。従って、回転速度が低い場合、利用可能な出力は、より制限される可能性がある。
【0014】
圧縮機システムの駆動装置の特性は、圧縮機要素への伝動装置と相まって、結果として圧縮機システムの応用分野を決定し、従って、圧縮機システムのユーザネットワークによって必要とされる流量で圧縮機システムの作動圧力を要求作動圧力に設定するために上述の公知の方法が使用される場合に可能になる最大作動圧力が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、圧縮機システムの応用分野を拡大すること、具体的には高い作動圧力の実現を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、圧縮機システムがユーザネットワークによって要求された流量Qでユーザネットワークに供給する作動圧力の測定値としての機能を果たす測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために、圧縮機システムを作動させる方法であり、圧縮機システムは、入口及び出口を有する圧縮機要素を備え、圧縮機要素は、駆動装置によって駆動され、圧縮機システムは、圧縮機要素の入口を絞るための手段を備え、測定作動圧力Pw及び要求作動圧力Psetから選択された作動圧力Pが、手段なしでの圧縮機システムのための最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも高い間は、入口が、少なくともゼロより大きい特定のパーセンテージXを得るために手段によって絞られることを特徴とする。
【0017】
圧縮機要素の入口を絞るための上記手段なしでの圧縮機システムのための最大取得可能作動圧力Pw,maxは、圧縮機システムの従来公知の制御方法によって達成することができる最大作動圧力であり、ここでは入口は、上記のように少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るための絞りが行われない。
【0018】
測定作動圧力Pw及び要求作動圧力Psetから選択された作動圧力Pが、上記の最大取得可能作動圧力Pw,max以下である場合、この方法は、圧縮機システムがユーザネットワークによって要求された流量Qでユーザネットワークに供給する作動圧力の測定値としての機能を果たす測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために従来公知の方法を適用することから成ることができる。
【0019】
測定作動圧力Pw及び要求作動圧力Psetから選択された作動圧力Pが、上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも高い場合、この方法は、少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために入口を絞ることから成ることができる。
【0020】
1つの利点は、少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために入口を絞ることで圧縮機システムだけでPw,maxよりも高い作動圧力を達成できることである。
【0021】
結局のところ、これは圧縮ガスの流量、結果的に圧縮機要素に吸収される出力も低減することになる。
【0022】
その結果、駆動装置は大きな余剰出力をもつことになり、高い作動圧力を実現することができる。
【0023】
回転速度を低減することなく入口を僅かに絞ることで、駆動装置の大きな余剰出力が発生し、すなわち、駆動装置は最大出力を維持するが、圧縮機要素が吸収する出力は低下する。
【0024】
回転速度出力曲線の経路に応じて、作動圧力Pが上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも高い場合、回転速度を最大に維持するのではなく、駆動装置の出力トルクを維持することは興味深いであろう。
【0025】
上記の消費者ネットワークは広範囲であると理解する必要があり、圧縮機システムから圧縮ガスを取り込む少なくとも単数の消費者を指す。しかしながら、多くの場合、消費者ネットワークは、ネットワーク内で圧縮機システムに接続する複数の圧縮ガス消費者から成ることになる。
【0026】
好ましくは、作動圧力Pが最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも高い間は、圧縮機要素の入口が絞られる最小値である、上記の特定のパーセンテージXは、作動圧力Pと上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxとの間の差分によって増加し、好ましくは、必須ではないが、この差分によって比例的に増加する。
【0027】
1つの利点は、要求作動圧力Psetを何とか達成できる程度に入口を絞ることで、従って、厳密に必要以上に絞るのを避けることで、圧縮機システムによって最大可能流量を常に供給することができる。
【0028】
また、本発明は、駆動装置で駆動される入口及び出口を有する圧縮機要素を含む圧縮機システムに関し、圧縮機システムは、圧縮機要素の入口を絞るための手段を備え、圧縮機システムは、手段を作動させることができる制御ユニットを備え、制御ユニットは、本発明による方法を実行するように構成されることを特徴とする。
【0029】
このような圧縮機システムの利点は、本発明に係る方法の利点と、本質的に類似している。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、圧縮機システムの駆動装置の回転速度は、上記制御ユニットによって制御することができる。
【0031】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明の方法及び圧縮機システムの一部の好ましい実施形態は、添付図面を参照して、単に例示的かつ非制限的に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明による圧縮機システムの概略図を示す。
【
図2】本発明による方法の概略的なフローチャートを示す。
【
図3】種々の作動圧力での入口の絞りの程度を示す種々の曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1に示す圧縮機システム1は、この場合オイル噴射式スクリュー圧縮機システム1であり、本実施例において1つのスクリュー圧縮機要素2を備える。
【0034】
本発明は、2以上のスクリュー圧縮機要素2を備えること、すなわち圧縮機システム1が2段又は多段圧縮機システム1であることを排除しない。
【0035】
さらに、本発明によれば、本発明がオイル噴射式圧縮機システム1及び/又はスクリュー圧縮機システム1以外に関連することは排除されない。
【0036】
換言すると、本発明は様々な圧縮機システム1に関する。
【0037】
この場合、必須ではないが、本発明は移動式圧縮機システム1に関する。
【0038】
圧縮機要素2は、圧縮されるガスを吸い込む入口3及び圧縮ガス用の出口4を備える。
【0039】
入口3は、入口ライン5に接続し、入口ライン5には圧縮機要素の入口3を絞るための、この場合は入口スロットルバルブ7の形態の手段6が設けられる。
【0040】
圧縮機システム1は、圧縮機要素2を駆動するための駆動装置8を備える。
【0041】
この駆動装置8は、ディーゼル、ガス、又はガソリンエンジンとすることができるが、電気モータ、永久磁石モータ、タービンなどの類似のものとすることもできる。
【0042】
入口3を絞るための手段6及び駆動装置8(駆動装置8が可変回転速度Sを有する場合)は、制御ユニット9に接続される。本発明によれば、この制御ユニット9は、手段6を作動させ、駆動装置8が可変回転速度Sを有する場合、駆動装置8の回転速度を制御するように構成される。
【0043】
圧縮機要素2の出口4は、本実施例では出口ライン10を介して圧力タンク11に接続される。
【0044】
この圧力タンク11から、圧力ライン12が消費者ネットワーク13につながる。
【0045】
この場合、消費者ネットワーク13は、圧縮ガスの3の消費者14を有する。
【0046】
消費者ネットワーク13は、様々な形をとることができ、圧力ライン12に直接接続する単一の消費者14から、直列及び並列に接続する多数の消費者14を有する非常に複雑なネットワーク15に及ぶことができることが明らかである。
【0047】
さらに、本実施例では、圧縮機要素2の中へのオイルの噴射を可能にするオイル回路16も設けられている。
【0048】
このため、オイルセパレータ17が圧力タンク11の中に配置されている。これは「オイルセパレータ要素」とも呼ばれる。
【0049】
分離オイルは、オイルセパレータの中で圧縮空気から分離され圧力タンク11の底部で集められる。
【0050】
オイルライン18は圧力タンク11から出て、圧縮機要素の潤滑及び/又は冷却のためにオイルを圧縮機要素2の中に噴射できるようになっている。
【0051】
オイルを駆動装置8の潤滑及び/又は冷却のために使用することも排除されない。
【0052】
このオイルラインの中には、オイルの冷却を可能にする熱交換器19及び熱交換器19を少なくとも部分的にバイパスするのを可能にする三方バルブがある。
【0053】
この熱交換器19及び三方バルブ20は本発明では必須ではなく、これらは圧縮機システム1の他の場所に配置すること及び/又は他の代替的方法で実行することができることは明らかである。
【0054】
最後に、この場合、圧縮機システム1は、圧力タンク11又は圧力ライン12の中の作動圧力を判別又は測定して、測定作動圧力Pwの値を生成することができる圧力センサ21を特徴とする。
【0055】
本発明の方法による圧縮機システム1の作動は、非常に単純であり
図2に示されている。
【0056】
圧縮機システム1の作動時、圧縮機要素2は、駆動装置8によって駆動することができ、さらに吸入したガスを圧縮することができる。
【0057】
圧縮ガスは、出口ライン10及び圧力ライン12を通って消費者ネットワーク13に供給される。
【0058】
消費者ネットワーク13は、供給された圧縮ガスが所望の圧力を有することを必要とする。この圧力は要求作動圧力Psetとも呼ばれる。
【0059】
消費者ネットワーク13の消費者14によって要求される流量Qに応じて、圧縮機要素2は、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetにするために高流量又は低流量を供給する必要がある。
【0060】
このため、制御ユニット9は、
図2に概略的に示す以下の制御方法を適用する。
【0061】
最初に、測定作動圧力Pw及び要求作動圧力Psetから選択された作動圧力Pが、圧縮機システム1の手段6なしでの最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも低いか又は高いかが決定される。
【0062】
要求作動圧力Psetは、圧縮機システム1のユーザによって選択され、例えばユーザによって制御ユニット9に入力することができる。
【0063】
上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxは、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために従来の方法が適用される場合は圧縮機システム1が消費者ネットワーク13に供給することができる最大作動圧力によって決まり、ここでは、入口3は、少なくともゼロよりも大きい特定のパーセンテージXを得るための手段6によって絞られない。
【0064】
作動圧力Pが上記の最大取得可能作動圧力Pw,max以下である間は、公知の従来の制御方法を適用することができる。
【0065】
このことは、要求流量Qが低下する間は、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために、最初に駆動装置8の回転速度を低減し、駆動装置8が最小回転速度Sminに到達しかつ要求流量Qが依然として減少する場合にのみ、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために入口3を手段6によって絞ることを示唆する。駆動装置の回転速度が可変でない場合、駆動装置8の回転速度は、制御開始時からの最小回転速度Sminに等しいので、最初に駆動装置8の回転速度を低減することなく、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために入口3は手段6によって絞られる。
【0066】
好ましくは、駆動装置8の最小回転速度Sminは、様々な条件で決定される。第1の条件は、駆動装置8がその停止を回避するために十分な出力及びトルクを供給できる必要があることである。さらに、回転速度Sは、駆動装置と圧縮機要素との間の連結器の臨界回転速度から十分に離れる(例えば、係数1.4の分)必要があり、臨界回転速度では連結器は過熱により故障する。
【0067】
作動圧力Pが上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも大きい間は、以下の制御方法が適用される。
・ゼロよりも大きな特定のパーセンテージXを得るために入口3を絞る。
・要求流量Qが低下する間は、できれば最初に、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために駆動装置が最小回転速度Sminに到達するまで駆動装置8の回転速度Sを低減する。
・駆動装置8が最小回転速度Sminに到達しかつ要求流量Qがさらに低下する間は、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するためにさらに入口3を絞る。
【0068】
圧縮機要素2の入口3が絞られるゼロよりも大きな特定のパーセンテージXは、作動圧力Pと上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxとの間の差分と共に、少なくとも増加し、好ましくは比例的に増加する。
【0069】
このことは
図3に概略的に示されている。作動圧力Pが高いほど、入口3が少なくも手段6によって絞られる、ゼロより大きな特定のパーセンテージXが大きくなる。
【0070】
各曲線は、異なる作動圧力Pに関して入口3が流量Qの関数としてどの程度まで絞られるかを示す。作動圧力P1がPw,maxに等しい
図3に示すように、作動圧力がP1よりも高い場合、入口は、少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために絞ることができる。作動圧力P1=Pw,maxの時、入口は、少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るための絞りが行われないことになる。要求流量Qが極端に低下した場合にのみ入口3は絞られることになる。
【0071】
作動圧力Pが高い場合に手段6をさらに絞ることで、供給される流量はさらに低下し、その結果、圧縮機要素2が駆動装置8から抽出する出力がより少なくなるであろう。さらに、駆動装置8の回転速度Sが低減されないので、より多くのエンジン出力を利用できるようになる。その結果、より高い測定作動圧力に到達することが可能になる。
【0072】
従って、圧縮機システム1の高い作動圧力Sが要求される場合、本発明による方法は、より高い作動圧力を実現するため、少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために入口3を絞り、その後、公知の方法を適用することから成る、すなわち、駆動装置8の回転速度Sが可変の場合、要求流量Qが低い場合に最初に駆動装置8の回転速度Sを低減し、それによって初めて入口3をさらに絞る。このことは、小さな効率損失を伴うが、これらの高い作動圧力Sを得るのを可能にする。
【0073】
より低い作動圧力Pでは、本発明による方法は、従来公知の制御方法を適用することができるので、圧縮機システム1の効率は最適である。
【0074】
加えて、本発明では必須ではないが、要求流量Qが増加する間は、以下の制御方法が適用される。
-作動圧力Pが上記の最大取得可能作動圧力Pw,max以下である間は、以下の制御方法を適用する。
・要求流量Qが増加する間は、最初に、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために、入口3が完全に開くか又は再び自由になるまで絞りを低減させる。
・入口3が完全に開くか又は再び自由になる際に、要求流量Qがさらにもっと増加する間は、可能であれば、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために駆動装置8の回転速度Sを増加させる。
【0075】
-作動圧力Pが上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも高い間は、以下の制御方法が適用される。
・少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために入口3を調整する。
・要求流量Qが増加する間は、最初に、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために、上記のゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために入口3が絞られるまで、絞りを低減させる。
・上記のゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために入口3を調整する際に、要求流量Qがさらにもっと増加する間は、可能であれば、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために駆動装置8の回転速度Sを増加させる。
【0076】
実際には、これは要求流量Qが低下する状況と比較すると、各ステップが逆の順番で効率的に取り入れられることを意味する。
【0077】
Pw,max以下の作動圧力P並びにPw,maxより高い作動圧力Pに関して、要求流量Qが増加する場合、最初に、可能であれば及び必要であれば、増加した要求流量Qに応じるために駆動装置8の回転速度Sが増加する前に、測定作動圧力Pwを要求作動圧力Psetに設定するために入口3の絞りが低減されることになり、相違点は、作動圧力PがPw,max以下である間は、可能であれば、駆動装置8の回転速度Sが増加する前に入口3が最初に完全に開き、一方で、作動圧力PがPw,maxよりも高い間は、入口3は、少なくともゼロより大きな特定のパーセンテージXを得るために絞りが続行される。これは、上記の最大取得可能作動圧力Pw,maxよりも高い作動圧力Pに到達するために、駆動装置の回転速度が可変であれば、駆動装置8の回転速度Sを早期に増加されることになることを意味する。
【0078】
本発明は、例示的に記載され図面に示された実施形態に限定されず、この方法及び圧縮機システムは、本発明の範疇から逸脱することなく様々な変形例で具現化することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 圧縮機システム
2 圧縮機要素
3 入口
4 出口
6 手段
14 ユーザネットワーク