(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】スクリューコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 33/32 20060101AFI20220128BHJP
B65G 33/14 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
B65G33/32
B65G33/14
(21)【出願番号】P 2021169303
(22)【出願日】2021-10-15
【審査請求日】2021-10-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501370370
【氏名又は名称】三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】代田 博文
(72)【発明者】
【氏名】児玉 真
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3210869(JP,U)
【文献】特開2018-76170(JP,A)
【文献】特開2010-208849(JP,A)
【文献】実開平7-4424(JP,U)
【文献】実開昭51-74992(JP,U)
【文献】米国特許第5899319(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 33/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ケーシングの内部に配置された第一スクリューパイプと第二スクリューパイプとが、中間軸の一端に配置され且つ前記第一スクリューパイプに対応する第一継手部と前記中間軸の他端に配置され且つ前記第二スクリューパイプに対応する第二継手部とを介して前記中間軸に同一軸線上で接続され、中間吊軸受が、前記搬送ケーシングの内面に固定され且つ前記中間軸を前記軸線まわりに回転可能に支持し、駆動装置が、前記第一及び第二スクリューパイプ並びに前記中間軸を前記軸線まわりに回転駆動することで、搬送物が前記搬送ケーシングの内部を一方向に搬送されるスクリューコンベヤにおいて、
前記中間吊軸受は、
一端が前記搬送ケーシングの内面に固定される支持部と、
中央部が前記支持部の他端に固定され、前記中央部より前記第一継手部側且つ前記中間軸の回転方向に沿って形成された複数の円形の第一凹部を外面に備えたブラケットと、
前記ブラケットに固定され、前記中間軸を摺動可能かつ前記回転可能に挟み込む摺動部と
を備え、
前記第一継手部から前記支持部までの長さの円筒形の内面に前記回転方向に形成された複数の円形の第一凸部を備え、前記中間軸の周方向に分割可能な第一気密カバーと、
前記第一気密カバーより長く、且つ、前記第一気密カバーと前記第一継手部とに内面で接する円筒形であり、前記周方向に分割可能な第一外部カバーと、
前記第一気密カバーの分割位置と前記第一外部カバーの分割位置が相違するよう前記第一気密カバーと前記第一外部カバーとを係止する第一係止具と
を有し、
前記第一凸部は前記第一凹部に嵌合し、前記第一外部カバーは前記第一継手部に固定されるスクリューコンベヤ。
【請求項2】
前記第二継手部から前記支持部までの長さの円筒形の内面に前記回転方向に形成された複数の円形の第二凸部を備え、前記周方向に分割可能な第二気密カバーと、
前記第二気密カバーより長く、且つ、前記第二気密カバーと前記第二継手部とに内面で接する円筒形であり、前記周方向に分割可能な第二外部カバーと、
前記第二気密カバーの分割位置と前記第二外部カバーの分割位置が相違するよう前記第二気密カバーと前記第二外部カバーとを係止する第二係止具と
をさらに有し、
前記ブラケットは、前記中央部より前記第二継手部側且つ前記回転方向に沿って形成された複数の円形の第二凹部を前記外面にさらに備え、
前記第二凸部は前記第二凹部に嵌合し、前記第二外部カバーは前記第二継手部に固定される請求項1に記載のスクリューコンベヤ。
【請求項3】
前記第一気密カバー、前記第二気密カバー、前記第一外部カバー、及び、前記第二外部カバーは、前記周方向に二分割される請求項2に記載のスクリューコンベヤ。
【請求項4】
前記第一凸部、前記第二凸部、前記第一凹部、及び、前記第二凹部の数は、それぞれ2つであり、2つの前記第一凸部が2つの前記第一凹部に嵌合し、2つの前記第二凸部が2つの前記第二凹部に嵌合する請求項3に記載のスクリューコンベヤ。
【請求項5】
前記第一外部カバーの外周には、前記第一スクリューパイプに形成されたスクリュー羽根と滑らかに連続する第一スクリュー羽根が配置され、
前記第二外部カバーの外周には、前記第二スクリューパイプに形成されたスクリュー羽根と滑らかに連続する第二スクリュー羽根が配置された請求項4に記載のスクリューコンベヤ。
【請求項6】
潤滑油供給装置をさらに有し、
前記搬送ケーシングに搬送ケーシング貫通孔が形成され、
前記支持部は筒形であり、前記搬送ケーシング貫通孔に対応する位置で前記搬送ケーシングに固定され、
前記ブラケットの前記中央部には第一貫通孔が形成され、
前記摺動部には前記第一貫通孔に対応する位置に第二貫通孔が形成され、
前記潤滑油供給装置は、前記搬送ケーシング貫通孔、前記支持部、前記第一貫通孔、前記第二貫通孔を順次経由して、前記中間軸の外面に潤滑油を供給する、
または、
前記中間軸は筒形であり、前記摺動部の中央近傍に第三貫通孔が形成され、
前記潤滑油供給装置は、前記第一または第二スクリューパイプの内部、及び、前記中間軸の内部を経由して、前記第三貫通孔から前記中間軸の外面に潤滑油を供給する
請求項5に記載のスクリューコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ、汚泥、食品(砂糖、塩等)、薬品、砂といった、液体や固体の搬送物を搬送するスクリューコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーシングの内部に配置されたスクリューパイプを回転させて、ケーシング内の搬送物を一方向に搬送するスクリューコンベヤが知られている。このスクリューパイプには、自重や搬送物の荷重、搬送物の搬送抵抗等によって撓みが生じることがあり、スクリューパイプが長いほど大きな撓みが生じる。そこで、スクリューパイプを軸線方向に分割して中間軸で接続し、中間吊軸受を介して中間軸をケーシングの内面に支持させる構造が提案されている。このような構造により、スクリューパイプの支点間距離やはね出し寸法が短くなり、撓みの発生が抑制されうる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスクリューコンベヤでは、スクリュー羽根付きのカバー本体と軸受部との間に気密リングが介装される。気密リングは、カバー本体の内周面を径方向外側に押圧するように弾性力を作用させるべく、円筒形状をなすブラケット片の外周面に装着される。この気密リングの装着には時間や手間がかかるため、メンテナンス性改善の余地がある。また、カバー本体は軸線に沿って周方向に分割されているため、その分割面から気密リングの潤滑油(グリス)が漏洩するおそれがある。あるいは、搬送物の一部が分割面から入り込んで気密リングの潤滑油を汚濁するおそれもある。
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑み案出されたものであり、簡素な構成でメンテナンス性を改善するとともに、潤滑油の汚濁及び漏洩を抑制できるようにしたスクリューコンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のスクリューコンベヤは、搬送ケーシングの内部に配置された第一スクリューパイプと第二スクリューパイプとが、中間軸の一端に配置され且つ前記第一スクリューパイプに対応する第一継手部と前記中間軸の他端に配置され且つ前記第二スクリューパイプに対応する第二継手部とを介して前記中間軸に同一軸線上で接続され、中間吊軸受が、前記搬送ケーシングの内面に固定され且つ前記中間軸を前記軸線まわりに回転可能に支持し、駆動装置が、前記第一及び第二スクリューパイプ並びに前記中間軸を前記軸線まわりに回転駆動することで、搬送物が前記搬送ケーシングの内部を一方向に搬送されるスクリューコンベヤである。
【0007】
前記中間吊軸受は、一端が前記搬送ケーシングの内面に固定される支持部と、中央部が前記支持部の他端に固定され、前記中央部より前記第一継手部側且つ前記中間軸の回転方向に沿って形成された複数の円形の第一凹部を外面に備えたブラケットと、前記ブラケットに固定され、前記中間軸を摺動可能かつ前記回転可能に挟み込む摺動部とを有する。
【0008】
また、前記第一継手部から前記支持部までの長さの円筒形の内面に前記回転方向に形成された複数の円形の第一凸部を備え、前記中間軸の周方向に分割可能な第一気密カバーと、前記第一気密カバーより長く、且つ、前記第一気密カバーと前記第一継手部とに内面で接する円筒形であり、前記周方向に分割可能な第一外部カバーと、を有する。
【0009】
さらに、前記第一気密カバーの分割位置と前記第一外部カバーの分割位置が相違するよう前記第一気密カバーと前記第一外部カバーとを係止する第一係止具を有する。
前記第一凸部は前記第一凹部に嵌合し、前記第一外部カバーは前記第一継手部に固定される。
【発明の効果】
【0010】
開示のスクリューコンベヤによれば、簡素な構成でメンテナンス性を改善でき、潤滑油の汚濁及び漏洩を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例に係るスクリューコンベヤの構成を分解して示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のスクリューコンベヤの要部構成を分解して示す分解斜視図である。
【
図4】(A)は
図2のA断面図、(B)は
図2のB断面図、(C)は
図2のC断面図である。
【
図5】潤滑油の流れを説明するための断面図である。
【
図6】第一変形例に係るスクリューコンベヤの断面図である。
【
図7】第二変形例に係るスクリューコンベヤの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1~
図7を用いて、実施例及び変形例に係るスクリューコンベヤを説明する。これらの図中において、実施例及び変形例を特徴付ける主要な要素以外の要素(例えば、締結部材や締結孔等)については、図示が適宜省略されうることに留意されたい。また、「特許を受けようとする発明」に係る技術内容は、図中の寸法、角度、曲率、形状等によって限定されないことにも留意されたい。これらの図は、明細書を補完し、「特許を受けようとする発明」に係る技術内容を当業者に理解させるための説明図に留まるものである。したがって、これらの図は、例えば設計図とは異なり、図中の寸法、角度、曲率、形状等が必ずしも正確ではなく、場合によっては変形、歪曲、省略、簡略化されている。また、以下に示す実施例及び変形例は、あくまでも例示に過ぎず、明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、以下の各構成は、本発明に必須の構成を除いて必要に応じて取捨選択でき、あるいは公知の構成と組み合わせ可能である。
【0013】
[1.構成]
図1は、実施例に係るスクリューコンベヤ10の構成を分解して示す分解斜視図であり、
図2は、スクリューコンベヤ10の断面図である。スクリューコンベヤ10は、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2と、筒状の搬送ケーシング3(
図1では輪郭を破線で示す)とを備える。ここでは、搬送ケーシング3は、自身を支える脚32を備えているが、脚32は設計に応じて省くことができる。
スクリューコンベヤ10は、さらに、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2の間に同軸配置される中間軸4と、第一スクリューパイプ1と中間軸4との間に介装される第一継手部5と、第二スクリューパイプ2と中間軸4との間に介装される第二継手部6とを備える。
【0014】
第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2は、弦巻線状(螺旋状)に形成されたスクリュー羽根を有する軸状の部材である。これらの第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2は、搬送ケーシング3に内装されるとともに、中間軸4を介して直線状に配設される。第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2の各々には、中空円筒状のパイプ本体と、その外周面から外側に向かって突設されるスクリュー羽根とが設けられる。中間軸4は、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2を軸方向に繋ぐための軸状の部材である。中間軸4は、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2のパイプ本体の内径よりも小さい外径を持った円筒状に形成される。第一スクリューパイプ1と第二スクリューパイプ2と中間軸4の軸線C(中心軸)とは、同一直線上に位置する。
【0015】
第一継手部5及び第二継手部6は、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2と中間軸4とを接続する円筒状の継手部材である。第一継手部5は、第一スクリューパイプ1に対応する継手部材であり、第一スクリューパイプ1に繋がる中間軸4の一端(
図1中の左下側)に配置される。第一継手部5の外周面は、第一スクリューパイプ1の内周面に対応する径を有し、第一継手部5の内周面は、中間軸4の外周面に対応する径を有する。
図2に示すように、第一継手部5は、第一スクリューパイプ1及び中間軸4の一端側に対して、任意の締結部材(例えばボルト、ナット、リベット等)で固定される。
【0016】
同様に、第二継手部6は、第二スクリューパイプ2に対応する継手部材であり、第二スクリューパイプ2に繋がる中間軸4の他端(
図1中の右上側)に配置される。第二継手部6の外周面は、第二スクリューパイプ2の内周面に対応する径を有し、第二継手部6の内周面は、中間軸4の外周面に対応する径を有する。
図2に示すように、第二継手部6は、第二スクリューパイプ2及び中間軸4の他端側に対して、任意の締結部材で固定される。
【0017】
なお、第一継手部5及び第二継手部6は、その全体形状が円筒状であればよく、中間軸4の周方向に分割された形状(軸線Cを含む平面で円筒を切断してなる部分円筒面形状)にも形成されうる。
【0018】
スクリューコンベヤ10は、中間軸4を軸線Cのまわりに回転可能に支持する中間吊軸受9と、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2を回転させる駆動装置27と、潤滑油供給装置28とを備える。
図2に示すように、中間吊軸受9は、搬送ケーシング3の内面に固定され、中間軸4における延在方向の中央部付近を支えながら吊り下げるように機能する。
【0019】
駆動装置27は、例えば第一スクリューパイプ1や第二スクリューパイプ2の端部に設けられて、第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2を中間軸4とともに軸線Cのまわりに回転駆動するように機能する。第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2を回転させることで、搬送ケーシング3に形成された搬送物供給口31から供給されて搬送ケーシング3の内部に存在する搬送物が、スクリュー羽根によって押圧され、軸線Cに沿って一方向に搬送される。ここでは、搬送物供給口31が第一スクリューパイプ1の上流に配置されているので、搬送ケーシング3の内部に存在する搬送物は、第一スクリューパイプ1から第二スクリューパイプ2へ向かうように搬送される。
【0020】
潤滑油供給装置28は、摺接面を潤滑するための潤滑油を供給する装置である。潤滑油は、潤滑油供給装置28から連続的に、または、間欠的に供給される。本実施例では、中間吊軸受9を介して潤滑油が供給される。なお、ここでいう摺接面には、後述する通り、中間軸4と摺動部17との摺接面や、気密カバー19、21とブラケット13との摺接面が含まれる。
【0021】
図3は、スクリューコンベヤ10の中間吊軸受9まわりの構成を分解して示す分解斜視図である。中間吊軸受9は、支持部11とブラケット13と摺動部17とを備える。
支持部11は、一端(
図3中の上端)が搬送ケーシング3の内面に固定される筒状の部材である。支持部11の内部には、摺接面に供給される潤滑油を通すための通路12が設けられる。潤滑油供給装置28から供給される潤滑油は、搬送ケーシング3の壁面を貫通するように形成された搬送ケーシング貫通孔29を介して通路12の中に導入される。
【0022】
ブラケット13は、支持部11の他端(
図3中の下端)に固定される円筒状の部材である。支持部11に対するブラケット13の固定位置は、軸線Cに沿った方向における中央部に設定される。ブラケット13は、その全体形状が円筒状であればよく、中間軸4の周方向に分割された形状(軸線Cを含む平面で円筒を切断してなる部分円筒面形状)にも形成されうる。
図3に示すブラケット13は、軸線Cを含む水平面で円筒を上下に二分割した形状(周方向に二分割した形状)となっている。ただし、ブラケット13の分割方向や分割数は、
図3に示すものに限定されない。
【0023】
支持部11とブラケット13との接続箇所には、通路12に連通するとともに、中間軸4の径方向にブラケット13を貫通する第一貫通孔16が穿孔される。第一貫通孔16の配設位置は、ブラケット13の中央部(軸線Cに沿った方向における中央部)である。第一貫通孔16は、通路12と同様に、摺接面に供給される潤滑油が流れる流路として機能する。
【0024】
摺動部17は、ブラケット13の内面に固定される円筒状の部材である。この摺動部17は、中間軸4を軸線Cに沿って摺動可能に挟み込むとともに、中間軸4を軸線Cのまわりに回転可能に挟み込む役割を担う。摺動部17は、その全体形状が円筒状であればよく、中間軸4の周方向に分割された形状(軸線Cを含む平面で円筒を切断してなる部分円筒面形状)にも形成されうる。
図3に示す摺動部17は、軸線Cを含む鉛直面で円筒を左右に二分割した形状(周方向に二分割した形状)となっている。ただし、摺動部17の分割方向や分割数は、
図3に示すものに限定されない。
【0025】
摺動部17には、中間軸4の径方向に摺動部17を貫通する第二貫通孔18が穿孔される。第二貫通孔18は、第一貫通孔16と連通する位置に配置され、摺接面に供給される潤滑油が流れる流路として機能する。これにより、潤滑油供給装置28から供給される潤滑油は、搬送ケーシング貫通孔29、支持部11の通路12、第一貫通孔16、第二貫通孔18を順次経由して、中間軸4の外面に供給される。
【0026】
ブラケット13の外面には、軸線Cを中心とした環状に凹設される第一凹部14及び第二凹部15が設けられる。
図2及び
図3に示すように、第一凹部14は、ブラケット13の中央部(軸線Cに沿った方向における中央部)よりも第一継手部5側に複数形成される。一方、第二凹部15は、ブラケット13の中央部よりも第二継手部6側に複数形成される。第一凹部14及び第二凹部15の形状を円形の溝に準えれば、その溝の延在方向は中間軸4の回転方向に対応する。
図2及び
図3に示す例では、第一凹部14及び第二凹部15の断面形状が略矩形の中空であり、各々が2つずつ形成されている。ただし、第一凹部14及び第二凹部15の断面形状や数はこれに限定されない。
【0027】
ブラケット13の外側には、第一気密カバー19及び第二気密カバー21が設けられ、さらにその外側には、第一外部カバー7及び第二外部カバー8が設けられる。第一気密カバー19及び第二気密カバー21は、ブラケット13に接触した状態でその外周に配置される円筒状の部材である。また、第一外部カバー7及び第二外部カバー8は、第一気密カバー19及び第二気密カバー21に接触した状態でその外周に配置される円筒状の部材である。ブラケット13の中央部(軸線Cに沿った方向における中央部)を基準として、第一継手部5側(
図3中の左下側)には第一気密カバー19と第一外部カバー7とが設けられ、第二継手部6側(
図3中の右上側)には第二気密カバー21と第二外部カバー8とが設けられる。
【0028】
組成に関して、第一気密カバー19及び第二気密カバー21は金属製でもよいが、安価で加工が容易な素材、例えば、硬質塩化ビニール製でもよい。また、より安価に第一気密カバー19及び第二気密カバー21を製造するには、例えば硬質塩化ビニール製の板と角材とを熱成形し、互いに溶剤接着すればよい。第一外部カバー7及び第二外部カバー8についても同様であり、金属製でもよいし、安価で加工が容易な素材(例えば、硬質塩化ビニール)等の樹脂製でもよい。
【0029】
図1及び
図2に示すように、第一気密カバー19の全体形状は、第一継手部5から支持部11までの距離(軸線Cに沿った方向についての距離)に対応する筒長を持った円筒形である。第一気密カバー19の端面(軸線Cに沿った方向についての第一継手部5側の端面)は、第一継手部5に対して隙間なく当接(面接触)している。
【0030】
第一気密カバー19の内面には、中間軸4の回転方向に沿って形成された複数の第一凸部20が備えられる。各々の第一凸部20は、第一気密カバー19の内面に突設された環状(円形)の凸条であり、第一凹部14に嵌合するようになっている。
図2に示す第一凸部20の断面形状は略矩形であり、第一凸部20の数は2本である。ただし、第一凸部20の断面形状や数は、
図2に示すものに限定されず、第一凹部14の断面形状や数に応じて設定されうる。また、第一気密カバー19は、中間軸4の周方向に分割可能な形状(軸線Cを含む平面で円筒を切断してなる部分円筒面形状)に形成される。
図3に示す第一気密カバー19は、軸線Cを含む平面で円筒を二分割した形状(周方向に二分割した形状)となっている。ただし、第一気密カバー19の分割方向や分割数は、
図3に示すものに限定されない。
【0031】
第二気密カバー21は、第一気密カバー19と同様の構造を有し、例えば軸線Cに垂直な平面を介して第一気密カバー19と面対称の形状に形成される。第二気密カバー21の全体形状は、第二継手部6から支持部11までの距離(軸線Cに沿った方向についての距離)に対応する筒長を持った円筒形である。第二気密カバー21の端面(軸線Cに沿った方向についての第二継手部6側の端面)は、第二継手部6に対して隙間なく当接(面接触)している。
【0032】
第二気密カバー21の内面には、中間軸4の回転方向に沿って形成された複数の第二凸部22が備えられる。各々の第二凸部22は、第二気密カバー21の内面に突設された環状(円形)の凸条であり、第二凹部15に嵌合するようになっている。
図2に示す第二凸部22の断面形状は略矩形であり、第二凸部22の数は2本である。また、第二気密カバー21は、中間軸4の周方向に分割可能な形状に形成される。
図3に示す第二気密カバー21は、軸線Cを含む平面で円筒を二分割した形状(周方向に二分割した形状)となっている。第二気密カバー21の分割位置は、第一気密カバー19の分割位置と同一であってもよいし、相違してもよい。
【0033】
第一外部カバー7の全体形状は、第一気密カバー19より長い円筒形であり、中間軸4の周方向に分割可能な形状に形成される。
図3に示す第一外部カバー7は、軸線Cを含む平面で円筒を二分割した形状(周方向に二分割した形状)となっている。また、第一外部カバー7の内面は、第一継手部5と第一気密カバー19とに接している。これらの第一外部カバー7、第一継手部5、第一気密カバー19は、一体に固定される。第一外部カバー7の外周には、第一スクリューパイプ1に形成されたスクリュー羽根と滑らかに連続する第一スクリュー羽根25が配置される。
【0034】
第一外部カバー7の固定状態について、第一継手部5に対しては、任意の締結部材によって第一外部カバー7が固定される。この締結部材は、複数に分割された第一外部カバー7の各々に設けられる。一方、第一気密カバー19に対しては、第一係止具23によって第一外部カバー7が係止される。第一係止具23は、複数に分割された第一外部カバー7のうち、少なくともいずれか一つに設けられる。第一係止具23は、第一外部カバー7と第一気密カバー19との相対移動(位置ずれ)を拘束できる部材であればよく、具体例としてはボルトやネジ溝のないピン等を挙げることができる。
【0035】
第一係止具23は、第一気密カバー19の分割位置と第一外部カバー7の分割位置が相違するように、第一気密カバー19と第一外部カバー7とを係止している。第一係止具23は、例えば第一外部カバー7に穿孔された係止孔に対して外側から挿通されるとともに、第一気密カバー19に凹設された係止凹部の内部に先端を挿入される。あるいは、第一係止具23の先端を第一気密カバー19の外面に食い込ませてもよい。ここで、第一気密カバー19の分割面をP
1とし、第一外部カバー7の分割面をP
2として、これらの分割面P
1、P
2を
図4(A)に例示する。分割面P
1、P
2はともに軸線Cを含む平面であり、軸線Cに沿った方向に眺めたときの面勾配が相違する。各々の面勾配は任意に設定可能であり、好ましくは分割面P
1、P
2が直交するように各々の面勾配が設定される。
図4(A)に示す例では、分割面P
1が図中左上から右下への下り勾配であり、分割面P
2が図中右上から左下への下り勾配となっている。
【0036】
第二外部カバー8は、第一外部カバー7と同様の構造を有し、例えば軸線Cに垂直な平面を介して第一外部カバー7と面対称の形状に形成される。第二外部カバー8の全体形状は、第二気密カバー21より長い円筒形であり、中間軸4の周方向に分割可能な形状に形成される。
図3に示す第二外部カバー8は、軸線Cを含む平面で円筒を二分割した形状(周方向に二分割した形状)となっている。第二外部カバー8の分割面は、第一外部カバー7の分割面と同一であってもよいし、相違してもよい。また、第二外部カバー8の内面は、第二継手部6と第二気密カバー21とに接している。これらの第二外部カバー8、第二継手部6、第二気密カバー21は、一体に固定される。第二外部カバー8の外面には、第二スクリューパイプ2に形成されたスクリュー羽根と滑らかに連続する第二スクリュー羽根26が配置される。
【0037】
第二外部カバー8の固定状態について、第二継手部6に対しては、任意の締結部材によって第二外部カバー8が固定される。この締結部材は、複数に分割された第二外部カバー8の各々に設けられる。一方、第二気密カバー21に対しては、第一係止具23と同様の第二係止具24によって第二外部カバー8が係止される。第二係止具24は、複数に分割された第二外部カバー8のうち、少なくともいずれか一つに設けられる。第二係止具24は、第二外部カバー8と第二気密カバー21との相対移動(位置ずれ)を拘束できる部材であればよく、具体例としてはボルトやネジ溝のないピン等を挙げることができる。
【0038】
第二係止具24は、第二気密カバー21の分割位置と第二外部カバー8の分割位置が相違するように、第二気密カバー21と第二外部カバー8とを係止する。ここで、第二気密カバー21の分割面をP
3とし、第二外部カバー8の分割面をP
4として、これらの分割面P
3、P
4を
図4(B)に例示する。分割面P
3、P
4はともに軸線Cを含む平面であり、軸線Cに沿った方向に眺めたときの面勾配が相違する。各々の面勾配は任意に設定可能であり、好ましくは分割面P
3、P
4が直交するように各々の面勾配が設定される。
図4(B)に示す例では、分割面P
3が図中左上から右下への下り勾配であり、分割面P
4が図中右上から左下への下り勾配となっているが、各々の面勾配はこのような構成に限定されない。
【0039】
なお、摺動部17及びブラケット13についても、分割位置が相違するように組み付けられることが好ましい。ここで、摺動部17の分割面をP
5とし、ブラケット13の分割面をP
6として、これらの分割面P
5、P
6を
図4(C)に例示する。分割面P
5、P
6はともに軸線Cを含む平面であり、軸線Cに沿った方向に眺めたときの面勾配が相違する。各々の面勾配は任意に設定可能であり、好ましくは分割面P
5、P
6が直交するように各々の面勾配が設定される。
図4(C)に示す例では、分割面P
5が鉛直面であり、分割面P
6が水平面であるが、各々の面勾配はこのような構成に限定されない。
【0040】
図2に示すように、第一外部カバー7及び第二外部カバー8の内部には、摺接面に供給される潤滑油が貯留される油室Rが設けられる。油室Rにおける径方向内側の壁面は中間軸4の外面であり、径方向外側の壁面は第一気密カバー19及び第二気密カバー21の内面である。また、第一継手部5及び第二継手部6の端面が、油室Rにおける軸線Cに沿った方向の両端面のうち中間吊軸受9から遠い側の一端面をなしている。油室Rにおける軸線Cに沿った方向の両端面のうち中間吊軸受9に近い側の一端面は、ブラケット13及び摺動部17の端面によって閉塞されている。
【0041】
[2.取付手順]
図1~
図3に示すように、上下方向に半割れのブラケット13のうち、上方のブラケット13は、支持部11に予め固定される。支持部11は、搬送ケーシング3の内面に固定されている。支持部11は筒形状であり、内部の空洞(通路12)の位置に搬送ケーシング3に形成された搬送ケーシング貫通孔29があり、この搬送ケーシング貫通孔29から潤滑油が供給される。また、中間軸4の両側から半割れの摺動部17で中間軸4を挟み込み、そのまま上方のブラケット13に当接させて、下方からもう一方のブラケット13で挟み込む。その後、ブラケット13と摺動部17とを図示しない締結部材で固定する。
【0042】
続いて、第一継手部5及び第二継手部6を中間軸4の端部に設置し、締結部材で固定する。このとき、中間軸4の一端側では、第一スクリューパイプ1と第一継手部5と中間軸4とを固定する。中間軸4の他端側では、第二スクリューパイプ2と第二継手部6と中間軸4とを固定する。
【0043】
また、ブラケット13の外面に形成された第一凹部14に第一気密カバー19の第一凸部20を嵌合させつつ、半割れの第一気密カバー19でブラケット13を挟み込む。第二継手部6側についても同様に、ブラケット13の外面に形成された第二凹部15に第二気密カバー21の第二凸部22を嵌合させつつ、半割れの第二気密カバー21でブラケット13を挟み込む。
【0044】
さらに、第一気密カバー19の外側に半割れの第一外部カバー7を適切に配置して第一係止具23を取り付ける。また、第二気密カバー21の外側に半割れの第二外部カバー8を適切に配置して第二係止具24を取り付ける。その後、第一外部カバー7と第一継手部5とを締結部材で固定するとともに、第二外部カバー8と第二継手部6とを締結部材で固定する。
【0045】
[3.作用]
駆動装置27が第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2を回転させると、第一継手部5及び第二継手部6を介して第一スクリューパイプ1及び第二スクリューパイプ2に固定された中間軸4も回転する。このとき、第一継手部5及び第二継手部6に固定された第一外部カバー7及び第二外部カバー8も一緒に回転し、第一外部カバー7及び第二外部カバー8に係止された第一気密カバー19及び第二気密カバー21も回転する。
【0046】
潤滑油供給装置28から供給される潤滑油は、搬送ケーシング貫通孔29、支持部11の通路12、第一貫通孔16、第二貫通孔18を順次経由して、中間軸4の外面に供給される。これにより、中間軸4と摺動部17との摺接面が潤滑される(
図5中の白抜き矢印参照)。その後、潤滑油は油室Rに貯留されるとともに、気密カバー19、21(第一気密カバー19及び第二気密カバー21)とブラケット13との隙間へと供給される。これにより、気密カバー19、21とブラケット13との摺接面が潤滑される(
図5中の白抜き矢印参照)。特許文献1に記載の気密リングを用いたシール構造と比較すると、気密カバー19、21とブラケット13との摺接面の面積が大きいため、しみ出る潤滑油の量が減少する。ここでしみ出た潤滑油は、搬送物に混じって搬送される。
【0047】
第一気密カバー19は、第一継手部5に固定された第一外部カバー7によって外側から押圧される。また、回転時には遠心力で第一気密カバー19の外面が第一外部カバー7の内面に押圧される。したがって、第一気密カバー19の外面と第一外部カバー7の内面との間に潤滑油の経路は生じない。同様に、第二気密カバー21は、第二継手部6に固定された第二外部カバー8によって外側から押圧される。また、回転時には遠心力で第二気密カバー21の外面が第二外部カバー8の内面に押圧される。したがって、第二気密カバー21の外面と第二外部カバー8の内面との間に潤滑油の経路は生じない。
【0048】
また、第一気密カバー19の端面(軸線Cに沿った方向についての第一継手部5側の端面)は、第一継手部5に対して隙間なく当接(面接触)している。したがって、第一気密カバー19と第一継手部5との間にも、潤滑油の経路は生じない。
同様に、第二気密カバー21の端面(軸線Cに沿った方向についての第二継手部6側の端面)は、第二継手部6に対して隙間なく当接(面接触)している。したがって、第二気密カバー21と第二継手部6との間にも、潤滑油の経路は生じない。
【0049】
外部カバー7、8(第一外部カバー7及び第二外部カバー8)の内面と気密カバー19、21の外面との間は、特許文献1に記載の気密リングと比較して、比較的広い接触面積で圧着されている。したがって、第一外部カバー7の分割面P2や第二外部カバー8の分割面P4からの異物(微小な搬送物)の入り込みは防止される。これに加えて、第一気密カバー19の分割面P1や第二気密カバー21の分割面P3からの異物混入も防止される。従って、特許文献1に記載の気密リングと比較して、気密カバー19、21は劣化しづらく、長寿命となる。
【0050】
外部カバー7、8の内面と気密カバー19、21の外面との間は、潤滑油の流れの経路にならないため、この隙間からの潤滑油の漏出も防止される。また、第一気密カバー19の分割面P
1と第一外部カバー7の分割面P
2とを相違させることで、たとえこれらの分割面P
1、P
2から潤滑油が流出しようとしても、その流出が抑制される。さらに、
図4(A)に示すように、第一気密カバー19の分割面P
1と第一外部カバー7の分割面P
2とを直交させた場合には、潤滑油の流出抑制効果が向上する。第二気密カバー21の分割面P
3と第二外部カバー8の分割面P
4との関係についても同様である。これらの分割面P
3、P
4を相違させることで、潤滑油の流出が抑制される。さらに、
図4(B)に示すように、これらの分割面P
3、P
4を直交させた場合には、潤滑油の流出抑制効果が向上する。
【0051】
[4.効果]
気密カバー19、21を周方向に分割する構造を採用することで、短時間で容易にブラケット13の凹部14、15と気密カバー19、21の凸部20、22とを嵌合させることができ、簡素な構成でメンテナンス性を改善できる。また、
図4(A)、(B)に示すように、気密カバー19、21の分割位置と外部カバー7、8の分割位置とが相違するように係止されるため、潤滑油の汚濁や潤滑油の漏れ出しを抑制できる。
【0052】
スクリューコンベヤ10では、第一気密カバー19、第二気密カバー21、第一外部カバー7、及び、第二外部カバー8が、周方向に二分割される。このような半割り構造により、気密カバー19、21及び外部カバー7、8の取り付けや取り外しを容易にすることができ、簡素な構成でメンテナンス性をさらに改善できる。また、部材の分割数が三つ以上である場合と比較して、取り付け作業や取り外し作業が煩雑になりにくく、作業性を向上させることができる。なお、分割された複数の部材をヒンジで接続しておくことで、作業性をさらに向上させてもよい。
【0053】
スクリューコンベヤ10では、
図2に示すように、第一外部カバー7の外周に第一スクリュー羽根25が配置され、第二外部カバー8の外周に第二スクリュー羽根26が配置される。第一スクリュー羽根25は、第一スクリューパイプ1に形成されたスクリュー羽根と滑らかに連続する形状を有し、第二スクリュー羽根26は、第二スクリューパイプ2に形成されたスクリュー羽根と滑らかに連続する形状を有する。このような構成により、搬送物をスムーズに搬送することができ、例えば搬送物の滞留(送り残り)による搬送能力の低下を抑制できる。また、外部カバー7、8の近傍に搬送物が滞留しにくくなることから、微小な搬送物が潤滑油の経路に入り込みにくくなり、潤滑油の汚濁をさらに抑制できる。
【0054】
スクリューコンベヤ10では、潤滑油供給装置28が、搬送ケーシング貫通孔29、支持部11、第一貫通孔16、第二貫通孔18を順次経由して、中間軸4の外面に潤滑油を供給する。このように、搬送ケーシング3に固定される中間吊軸受9の内部に潤滑油の経路を形成することで、潤滑油の汚濁を防止しつつ、確実に摺接面を潤滑することができる。
【0055】
[5.変形例]
上記の実施例では、中間吊軸受9を介して潤滑油が供給される構造を例示したが、潤滑構造はこれに限定されない。
図6は、第一変形例に係るスクリューコンベヤ10′の断面図である。第一変形例では、第一スクリューパイプ1や第二スクリューパイプ2、中間軸4の内部に潤滑油の供給管が配置される。また、中間軸4には、その筒面を径方向に貫通する第三貫通孔30が穿孔され、第三貫通孔30に潤滑油の供給管が接続される。潤滑油は、中間軸4の外面を通って油室Rに貯留され、気密カバー19、21とブラケット13との摺接面へと供給される。
このような構造においても、スクリューパイプ1、2や中間軸4の中空空間を利用して適切に潤滑油を供給できる。また、支持部11の通路12や第一貫通孔16や第二貫通孔18を省略でき、構成を簡素化できる。
また、
図7は、第二変形例に係るスクリューコンベヤ10′′の断面図である。
第二変形例のブラケット13′は、実施例及び第一変形例のブラケット13と異なり、支持部11に対する固定位置から見て、上流側と下流側とで非対称の形状である。具体的には、搬送物の流れでみて、中間吊軸受9の上流側には、実施例及び第一変形例と同様に、第一気密カバー19、第一外部カバー7が配置される。
一方、中間吊軸受9の下流側には、ブラケット13′に第二凹部15が形成されないため、第二気密カバー21が配置されない。そして、ブラケット13′は、軸線C方向で見て第一外部カバー7より寸法の短い第二外部カバー8′と摺動部17の両方に、締結部材33(例えばボルト、ナット、リベット等)で固定される。この構成であるため、実施例及び第一変形例と異なり、第二外部カバー8′は、第二スクリューパイプ2とともに回転することがなく、また、例えば5cm~10cm程度と短いため、第二スクリュー羽根26に対応するスクリュー羽根は形成する必要がない。
このような構造においても、上記上流側では、スクリューパイプ1や中間軸4の中空空間を利用して適切に潤滑油を供給できる。
【符号の説明】
【0056】
1 第一スクリューパイプ
2 第二スクリューパイプ
3 搬送ケーシング
4 中間軸
5 第一継手部
6 第二継手部
7 第一外部カバー
8、8′ 第二外部カバー
9 中間吊軸受
10、10′、10′′ スクリューコンベヤ
11 支持部
12 通路
13、13′ ブラケット
14 第一凹部
15 第二凹部
16 第一貫通孔
17 摺動部
18 第二貫通孔
19 第一気密カバー
20 第一凸部
21 第二気密カバー
22 第二凸部
23 第一係止具
24 第二係止具
25 第一スクリュー羽根
26 第二スクリュー羽根
27 駆動装置
28 潤滑油供給装置
29 搬送ケーシング貫通孔
30 第三貫通孔
31 搬送物供給口
32 脚
33 締結部材
C 軸線
R 油室
P1~P6 分割面
【要約】
【課題】スクリューコンベヤに関し、簡素な構成でメンテナンス性を改善するとともに、潤滑油の汚濁及び漏洩を抑制する。
【解決手段】開示のスクリューコンベヤ10は、搬送ケーシング3と中間吊軸受9と駆動装置27とを有し、中間吊軸受9は、支持部11と第一凹部14を外面に備えたブラケット13と摺動部17とを備える。スクリューコンベヤ10は、第一凸部20を備える第一気密カバー19と第一外部カバー7と第一係止具23とを有する。第一凸部20は第一凹部14に嵌合し、第一外部カバー7は第一継手部5に固定される。第一気密カバー19及び第一外部カバー7は中間軸4の周方向に分割可能な形状を持ち、分割位置が相違するように組み付けられる。
【選択図】
図2