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特許7016444回転シリンダおよびクランプベルトを備えた搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-27
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】回転シリンダおよびクランプベルトを備えた搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/20 20060101AFI20220128BHJP
【FI】
B65G21/20 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021500104
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2019069034
(87)【国際公開番号】W WO2020016187
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】102018005609.1
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500083972
【氏名又は名称】ホイフト ジュステームテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホイフト,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】カスドルフ,オルガ
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016103845(DE,A1)
【文献】仏国特許発明第1171558(FR,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0108389(US,A1)
【文献】特開昭61-69617(JP,A)
【文献】独国実用新案第29716795(DE,U1)
【文献】特開2009-208963(JP,A)
【文献】特開2003-201007(JP,A)
【文献】実開平3-11476(JP,U)
【文献】実開昭58-27222(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/20
B65G 47/52、47/53、47/82、47/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(18)を搬送するための搬送装置(10)であって、
前記容器(18)を搬入する第1の搬送部(12)と、
前記容器(18)を搬出する第2の搬送部(14)と、
移送装置(16)と、を備え、
前記移送装置(16)は、
回転シリンダ(20)と、
クランプベルト(30)と、
補償装置と、を有し、
前記回転シリンダ(20)および/または前記クランプベルト(30)は駆動可能とされ、前記補償装置は、前記搬送装置の範囲内において前記クランプベルトの長さを調節し得るようになっており、
前記回転シリンダ(20)および前記クランプベルト(30)は、前記容器(18)を前記回転シリンダ(20)および前記クランプベルト(30)間に保持しつつ、前記第1の搬送部(12)から前記第2の搬送部(14)に移送し、
前記回転シリンダ(20)は1つまたは2つ以上の容器支持リング(22、24)と、少なくとも1つのベルト支持エレメント(26;50)とを有し、
前記ベルト支持エレメント(26;50)は、前記移送装置(16)上に前記容器(18)が存在しないとき、前記クランプベルト(30)に当接することを特徴とする搬送装置(10)。
【請求項2】
前記回転シリンダ(20)および前記クランプベルト(30)が駆動可能とされるとともに、異なる速度で駆動され得ることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置(10)。
【請求項3】
前記クランプベルト(30)が一対の方向転換ローラ(32、34)を取り巻いてのびていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送装置(10)。
【請求項4】
前記一対の方向転換ローラ(32、34)が互いに独立な駆動部を備えていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項5】
前記一対の方向転換ローラ(32、34)が互いに独立なアウターロータ型モータを備えていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項6】
前記回転シリンダ(2)の前記ベルト支持エレメントが少なくとも1つの回転自在に支持されたベルト支持リング(26)を有し、前記ベルト支持リング(26)は、前記移送装置(16)上に前記容器(18)が存在しないとき、前記クランプベルトに当接することを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項7】
前記回転シリンダ(20)の前記ベルト支持エレメントが1つまたは2つ以上の伸長可能な支持装置(50)を有し、前記支持装置(50)は、前記移送装置(16)上に前記容器(18)が存在しないとき、前記クランプベルト(30)を案内することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項8】
前記容器(18)は、湾曲した搬送部(16a)上を前記第1の搬送部(12)から前記第2の搬送部(14)まで、少なくとも前記クランプベルト(30)および前記回転シリンダ(20)間において保持されることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項9】
容器検査用の検査装置(40)が少なくとも1つ、前記湾曲した搬送部(16a)の下側および/または上側に配置されていることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項10】
前記第1の搬送部(12)および前記第2の搬送部(14)が無端搬送ベルト(12a)として形成され、前記湾曲した搬送部(16a)は、前記容器(18)を、前記クランプベルト(30)および前記回転シリンダ(30)の間において吊り下げ状態に保持しつつ、前記搬送ベルト(12a)の前記第1の搬送部(12)から前記第2の搬送部(14)まで案内するように構成されていることを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の搬送装置(10)。
【請求項11】
容器(18)を搬送する方法であって、
前記容器(18)を第1の搬送部(12)を通じて搬入するステップと、
前記容器(18)を移送装置(16)によって前記第1の搬送部(12)から第2の搬送部(14)に移送するステップと、
前記容器(18)を前記第2の搬送部(14)を通じて搬出するステップと、を有し、
前記移送装置(16)が回転シリンダ(20)およびクランプベルト(30)を有し、
前記回転シリンダ(20)および/または前記クランプベルト(30)が駆動可能とされ、
前記移送装置(16)の範囲内における前記クランプベルト(30)の使用可能な長さが補償装置によって調節可能とされ、
前記回転シリンダ(20)および前記クランプベルト(30)は、前記移送の間に、前記容器(18)を前記回転シリンダおよび前記クランプベルト(30)間に保持するように構成され、
前記回転シリンダ(20)は、1つまたは2つ以上の容器支持リング(22、24)と、少なくとも1つのベルト支持エレメント(26;52、54)とを有し、
前記ベルト支持エレメント(26;52、54)が、前記移送装置(16)上に前記容器(18)が存在しないとき、前記クランプベルト(30)に当接するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記クランプベルト(30)が一対の方向転換ローラ(32、34)を取り巻いてのび、前記一対の方向転換ローラ(32、34)は互いに独立な駆動部によって駆動可能に構成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記クランプベルト(30)の前方にのびる部分の長さが、前記方向転換ローラ(32、34)の回転速度の変更によって調節され得ることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記クランプベルト(30)の速度が電子制御によって前記回転シリンダ(30)の周速度に適合せしめられることを特徴とする請求項11~請求項13のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を搬送するための搬送装置に関するものである。
搬送装置は、容器を搬入する第1の搬送部と、容器を搬出する第2の搬送部を備えている。搬送装置は、さらに、容器を第1の搬送部から第2の搬送部に移送する移送装置を備えている。
【背景技術】
【0002】
周知のように、容器検査装置には、一対のクランプベルトが互いに対向して配置され、これらのクランプベルト間に容器が導入されるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、この種のベルト駆動装置が開示されている。
このベルト駆動装置は、容器の内部圧力あるいは密閉度を検査するために使用され得る。この目的のために、容器はコンベヤベルト上を搬送され、横方向にのびるベルトによって圧力を及ぼされる。
【0004】
また、ベルト駆動装置が、容器を上方または下方から検査するために使用され得る。
この場合、容器はベルト駆動装置によって第1の搬送部から第2の搬送部に移送される。容器は、2つの搬送部の間において摩擦によってのみ保持され、この摩擦はベルトが容器に及ぼす力によって発生する。
そして、容器は上方、および特に下方から検査され得る。
【0005】
かかるベルト駆動装置においては、ベルトはスリップ縁を覆うように案内され、それによって、必要な接触圧が容器に及ぼされる。
しかしながら、このような装置は、駆動ベルトの裏面とスリップ縁の間に比較的強い摩擦を生じさせ、駆動ベルトの寿命に悪影響を及ぼすという欠点を有している。
【0006】
さらには、搬送方向を変更するために星形ホイールを備えることが知られている。
星形ホイールは、可変速で動作させることができず、星形ホイールの速度を容器の搬送速度に一致させなければならないという欠点を有している。
加えて、星形ホイールはサイズが異なる複数の容器に対応することができない。
【0007】
それ故、現在、型パーツが使用され、それによって、星形ホイールのホルダーを異なる容器サイズに適合させるようになっている。そして、搬送すべき容器が変更されるとき、型パーツが手作業で交換されなければならない。
それによって、容器の型番の変更は常に相対的にコストのかかる作業となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】DE 29716795 U1
【発明の概要】
【0009】
したがって、本発明の課題は、上述のような搬送装置をさらに改良し、搬送された容器の方向転換が最適化された方法で実行され、容器の検査、特に底検査が同時に実行され得るようにすることにある。
また、本発明の別の課題は、従来の搬送装置よりも長い寿命を有する搬送装置を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに別の課題は、できるだけ容易にサイズが異なる容器に適合し得る搬送装置を提供することにある。
【0011】
驚くべきことに、本発明は、断面が円形の容器に対してだけでなく、角のあるまたは楕円形の断面を有する容器に対しても適用し得る。
本発明によれば、クランプベルトの弾性および搬送システムのフレキシビリティによって、形状またはサイズが異なる容器でさえも、搬送装置上を同時に搬送され得る。
【0012】
本発明のさらに別の課題は、容器を不規則な間隔で搬送し、特に、低摩擦損失で容器に中身を充填すること、および容器を空にすることができる上述のような形式の搬送装置を提供することにある。
【0013】
本発明によれば、容器を搬送するための搬送装置が提供される。
本発明の搬送装置は、容器を搬入する第1の搬送部と、容器を搬出する第2の搬送部とを備えている。
【0014】
搬送装置は、さらに、移送装置を備えている。移送装置は、回転シリンダと、クランプベルトと、補償装置とを備えている。回転シリンダおよび/またはクランプベルトは駆動可能とされる。補償装置は、移送装置の範囲内におけるクランプベルトの前方にのびる部分の長さを調節し得る。回転シリンダおよびクランプベルトは、容器を当該回転シリンダおよびクランプベルト間に保持しつつ、第1の搬送部から第2の搬送部に移送する。
【0015】
回転シリンダは1つまたは2つ以上の容器支持リングと、少なくとも1つのベルト支持エレメントとを有している。ベルト支持エレメントは、移送装置上に容器が存在しないとき、クランプベルトに当接する。
【0016】
回転シリンダによって、容器は移送装置上の第1および第2の搬送部間を、湾曲した搬送部を通って搬送される。湾曲した搬送部において、容器はクランプベルトおよび回転シリンダ間に挟持される。
【0017】
容器は、クランプベルトおよび回転シリンダ間に挟持されるので、搬送ベルト上を直立して、あるいは他の方法で保持された状態で搬送される必要がない。挟持された容器は吊り下げられた状態で湾曲した搬送部を通って案内される
【0018】
好ましくは、第1および第2の搬送部は互いに角度をなして配置される。移送装置は、容器を第1の搬送部から第2の搬送部まで移送するために、容器を方向転換させる。
【0019】
搬送装置によって、容器の検査が実現され得る。
容器の検査は、好ましくは、湾曲した搬送部の範囲内で、すなわち、容器がクランプベルトおよび回転シリンダ間に挟持されたエリア内で実行される。容器の検査は、例えば、底検査、空容器検査、圧力または密閉性検査、充填レベル制御、蓋制御またはラベル位置制御からなっている。容器は、本発明の搬送装置によって、連続的にかつ可変速で搬送され得る。
【0020】
特に、本発明によれば、容器は緩い列を形成しておよび/または互いに異なる間隔をあけて搬送され得る。よって、従来の星形ホイールの場合に要求されるように、搬送される容器間に予め決定された間隔をあける必要はない。
【0021】
湾曲した搬送部によって、容器の検査に加えて、方向転換が同時に実現され得る。この方向転換は好ましくは90°の方向転換である。
しかしながら、より小さいあるいはより大きい角度の方向転換もまた可能である。例えば、180°の方向転換が可能であり、それによって、容器は、本発明の搬送装置を通過した後、前と反対向きに搬出され得る。
大きな角度の方向転換によって、より長い湾曲した搬送部がもたらされ、それは順次、容器の検査を実行可能な距離を延長する。
【0022】
本発明は、また、複数の検査装置からなるより複雑なシステムに適用され得る。
側壁検査の間に、しばしば、ボトルを異なる複数の方向から検査する必要がある。本発明を適用することによって、例えば、第1の側壁検査が、容器を搬入する第1の搬送部において実行され、第2の側壁検査が、容器を搬出する第2の搬送部において実行され得る。
【0023】
その間の移送装置による搬送の間に、容器が予め決定された角度、例えば90°回転せしめられ、その間に底検査が実行され得る。それに加えて、口検査またはアルカリ残渣検査のようなさらに別の検査が実行され得る。
【0024】
本発明の搬送装置の湾曲した搬送部によって、従来の一般的な直線的デザインのかかる検査システムから抜け出し、検査システムの必要とされる全長を短縮することができる。
また、それによって、検査システムがよりフレキシブルな構成となり、よりコンパクト化され得る。
【0025】
上述のように、容器の方向転換および滞留時間が搬送の目的のそれぞれに適合し得る。本発明の移送装置における延長された滞留時間は、また、充填されたプラスチック製のボトルまたは金属製の缶のような変形し得る、充填された容器の密閉性検査に利用され得る。この場合、容器が横方向に押圧されることで容器の内部圧力が上昇し、それによって生じた逆圧に基づいて容器の状態が測定される。圧力が容器に及ぼされる時間が長ければ長いほど、容器の内部圧力が発生する時間が長くなり、それによって密閉性検査の精度が上がる。
【0026】
この場合、容器の移送装置内での滞留時間は、クランプベルトの巻き付き角度に依存する。巻き付き角度は、原則的には任意の値に選択され得るが、好ましくは、回転シリンダの外周の90°、180°あるいは330°以下に設定され得る。
【0027】
クランプベルトの巻き付き角度が大きくなればなるほど、移送装置内の容器数が少ない場合に、クランプベルトが回転シリンダに接触し、望ましくない摩擦損失が生じる危険性が大きくなる。
【0028】
このような摩擦損失を回避するため、本発明によれば、回転シリンダは1つまたは2つ以上の容器支持リングと、少なくとも1つのベルト支持エレメントを備えている。
この場合、ベルト支持エレメントは、移送装置上に容器が存在しないか、あるいは極めて少数の容器しか存在しないとき、クランプベルトに当接するようになっている。
【0029】
回転シリンダは、少なくとも1つの容器支持リングと、ベルト支持リングの形態を有する少なくとも1つのベルト支持エレメントを有している。好ましくは、回転シリンダは、上側の容器支持リングと、下側の容器支持リングを有し、これらの容器支持リング間に、後ろに下げられ、必要な場合には回転自在とされたベルト支持リングが配置され、クランプベルトの幅が容器支持リング間の間隔よりも小さくなっている。
【0030】
容器支持リングおよびベルト支持リングのこの配置および個数は、使用されるクランプベルトの形状および本数に適合せしめられ得る。
回転シリンダのさらに別の好ましい実施例は、例えば、2つのベルト支持リング間に配置された中央の容器支持リングに関し、あるいは、複数の交互に配置された容器およびベルト支持リングを有する回転シリンダに関する。
【0031】
こうして、搬送装置の損傷が回避される。さもなければ、搬送装置によって搬送される容器がないとき、クランプベルトが回転シリンダの外周面上に当接する危険性がある。
さらには、クランプベルトおよび回転シリンダが駆動される場合、クランプベルトと回転シリンダの間に望ましくない摩擦が生じ得る。これは、後ろに下げられたベルト支持リングによって回避され得る。
【0032】
容器が搬送装置によって搬送されるとき、それらの容器は回転シリンダの少なくとも1つの容器支持リングおよびクランプベルトにだけ接触する。この場合、クランプベルトは搬送される容器に接触し、回転シリンダのクランプベルトとの接触は、その間に位置する容器によって回避される。
【0033】
搬送装置によって搬送される容器が存在しないとき、クランプベルトは回転シリンダに接触する。しかし、この場合、クランプベルトが上側および下側の容器支持リング間に配置されたベルト支持リングにだけ接触することによって、望ましくない摩擦が回避され得る。
そのために、クランプベルトは、上側および下側の容器支持リング間の間隔よりも小さい幅を有している。
【0034】
好ましくは、上側および下側の容器支持リングが駆動可能に設けられ、ベルト支持リングは回転自在に設けられる。ベルト支持リングは、少なくとも、搬送すべき容器が、通常運転時に、ベルト支持リングに接触しないように後ろに下げられねばならない。
【0035】
しかし、それと同時に、ベルト支持リングの直径があまりに小さすぎてはいけない。さもなければ、クランプベルトの前方にのびる部分の必要な長さが、搬送装置上に容器がないときと搬送装置上に容器が満載されたときとの間で大きく変動し、それによってクランプベルトの長さの調節が困難になる。
【0036】
こうして、搬送装置によって搬送される容器は、駆動され得る容器支持リングによって動かされる。それと同時に、搬送装置によって搬送される容器がないとき、望ましくない摩擦または搬送装置の損傷が回避される。
この場合、クランプベルトは回転シリンダのベルト支持リングにだけ接触する。ベルト支持リングが回転自在に設けられていることによって、ベルト支持リングはクランpベルトの駆動速度で動作し得る。
【0037】
さらに別の実施例によれば、回転シリンダは、少なくとも1つの容器支持リングと、少なくとも1つの伸長可能な支持装置の形態のベルト支持リングとを有する。
好ましくは、回転シリンダは上側および下側の容器支持リングを有し、少なくとも1つの伸長可能な支持装置は、これらの容器支持リング間に配置され、クランプベルトの幅は上側および下側の容器支持リング間の間隔よりも小さい。
【0038】
上でベルト支持リングに関連して説明したように、回転シリンダは、また、異なる容器支持リング間の異なる垂直方向の位置に伸長可能な支持装置を有している。
【0039】
少なくとも1つの伸長可能な支持装置は、その上にクランプベルトが接触する支持ローラと、それによって支持ローラが半径方向に位置決めされ得る補償エレメントとを有している。
移送装置上に容器が存在しないとき、補償エレメントは容器支持リングの外周を覆ってのび、それによって、クランプベルトが支持ローラに接触して、容器支持リングと接触することがない。
【0040】
容器が移送装置上に供給されて、もはやクランプベルトが容器支持リングに接触する危険性がなくなるとすぐに、支持ローラは引っ込められる。
【0041】
巻き付き角度に依存して、1つまたは2つ以上の支持装置が備えられ、好ましくは、移送装置の全長にわたって均一に配置され得る。支持装置は回転シリンダに対し静止して配置され得る。しかしながら、支持ローラが、また、回転シリンダと一緒に回転するように配置され得る。
【0042】
好ましくは、支持装置の補償エレメントは、モータ駆動式、または空気圧式、または水圧式の補償エレメントからなり、支持ローラは補償エレメントによって回転シリンダに対し半径方向に動かされ得る。特に、電動リニアアクチュエータがこの目的のために使用され得る。
【0043】
半径方向に調節可能な支持装置を備えた実施例は、特に、搬送目的のそれぞれにフレキシブルに適合し得る。
特に、移送装置上を最初の容器が取り込まれるとき、クランプベルトおよび回転シリンダ間の角度が最初の支持ローラの半径方向の位置によって調節され、最初の容器は移送装置上を最適に案内される。
同じことが最後の容器が移送装置から搬出される場合にも適用される。
【0044】
さらに、この実施例によれば、容器が移送装置上に存在しないとき、クランプベルトの前方にのびる部分の長さが移送装置上に容器が満載されたときの当該部分の長さとほぼ同じになる。
それによって、特に移送装置の始動時または容器満載時に、クランプベルトの張力および前方にのびる部分の必要な長さをそれぞれ調節することが容易になる。なぜなら、力の微小な変化または長さの僅かな変更が要求されるだけだからである。
【0045】
他方、搬送すべき容器の間隔が不規則なとき、支持装置の助けによって、クランプベルトが回転シリンダに接触することが回避され得る。容器間のより大きな間隔が検出されたとき、支持装置は瞬時に伸長し、クランプベルトが回転シリンダに接触しないようにする。それによって、また、クランプベルトおよび回転シリンダ間の不要な摩擦によるクランプベルトの摩耗の危険性が減じられ得る。
【0046】
単一の、または複数の平行にまたは上下に重なって配置されたクランプベルトが使用され得る。
必要に応じて、容器が複数、例えば2つまたは3つの平行に配置されたクランプベルトによって安定的に搬送され得る。2つまたはそれ以上のクランプベルトが使用されるときは、当然、それに対応して複数のベルト支持リングおよび複数の容器支持リングが使用される。
【0047】
また、複数のクランプベルトが前後に並んで配置され、例えば、第1のクランプベルトが移送装置の第1の周辺領域に備えられ、第2のクランプベルトが移送装置の第2の周辺領域に備えられるような構成も可能である。
特に、移送装置が回転シリンダの外周の180°またはそれ以上の巻き付き角度を形成するとき、前後に並んで配置された複数のクランプベルトを使用して摩擦を回避し、あるいは接触圧を分配することは有益である。
【0048】
搬送方向に前後に並んで配置された複数のクランプベルトは、それぞれ同一速度で駆動され、それによって、容器の連続的かつ均一な搬送が保証される。
しかしながら、また、前後に並んで配置された複数のクランプベルトを互いに異なる速度で駆動することもできる。
【0049】
回転シリンダは常に同一速度で動作するので、クランプベルト間の速度差によって、容器は搬送部毎に異なる速度で回転せしめられる。これは、例えば異物の制御において容器壁の欠損と容器内の異物とを区別するために使用され得る。
【0050】
クランプベルトは、任意の適当な材料から形成され得る。
好ましくは、クランプベルトはプラスチック製品またはゴム製品からなっている。好ましくは、クランプベルトはポリウレタンエラストマーからなり、および/またはポリアミド織物を含んでいる。
クランプベルトは異なる硬度を有するように形成され得る。
【0051】
クランプベルトは複数の部分から構成され得る。クランプベルトは、例えば、その上にクランプベルトの接触領域が貼着される、金属製補強部材を備えた支持層を有し得る。
好ましくは、クランプベルトはエンドレスベルトからなっている。
【0052】
クランプベルトの方向転換領域における変形を回避するため、クランプベルトは、好ましくは、表面に刻み目入れられている。刻み目は、当業者に知られた任意の形状を有し得る。
【0053】
既に述べたように、本発明の搬送装置によって、任意の形状の容器が搬送され得る。
しかしながら、容器は、好ましくは、直径が50~100mmの円筒形を有する。そして、回転シリンダおよび容器支持リングの直径は、それそれ、搬送すべき容器の直径に応じて選択され、原則的には自由に選択され得る。好ましくは、回転シリンダは、25~200cmの直径を有している。
【0054】
容器支持リングは任意の適当な材料から形成され得る。容器支持リングは、移送装置において搬送される容器に直接接触することを目的として備えられる。
【0055】
また、回転シリンダの容器支持リングの作動面は保護バンドを備え得る。保護バンドは、好ましくは、弾性プラスチックから形成される。保護バンドは容器支持リングの摩耗を低減または回避し得る。保護板後は比較的容易に交換され得る。保護バンドの摩擦特性は搬送すべき容器に対して最適化され得る。
【0056】
また、保護バンドは移送装置の搬送領域の外側において別のローラを越えて案内され得る。この別のローラは保護バンドの張力を回転シリンダを通じて変化させるために使用され得る。
さらに、この別のローラは駆動されて、回転シリンダの駆動エレメントとして使用され得る。
【0057】
1つまたは2つ以上のクランプベルトは、好ましくは、一対の方向転換ローラ間に掛け渡される。方向転換ローラは適当な直径、好ましくは10~25cmの直径を有する。
クランプベルトは、搬入される容器がクランプベルトおよび回転シリンダ間に取り込まれ、移送装置上を搬送される間にクランプベルトおよび回転シリンダ間に確実に挟持されているように、方向転換ローラ間に張設されていなければならない。
【0058】
動作の間に、ベルトの張力は実質上一定に維持されていなければならない。クランプベルトの前方にのびる部分の必要な有効長は、動作の間に変化し、これは特に、どれだけの個数の容器が目下移送装置上を搬送されているのかに依存する。
【0059】
クランプベルトの前方にのびる部分および後方にのびる部分が互いに擦れ合うことを防止するため、1つまたは2つ以上の支持エレメントが備えられる。クランプベルトの後方にのびる部分は支持エレメントによって案内される。
特に、90°以上の方向転換がなされるとき、クランプベルトの後方にのびる部分がクランプベルトの前方にのびる部分に向けてのび、望ましくない摩擦が生じる危険性がある。
【0060】
支持エレメントは、特に、1つまたは2つ以上の支持ローラからなり、クランプベルトの後方にのびる部分は当該支持ローラによって案内される。移送の長さに依存して、この支持ローラが1つまたは2つ以上備えられる。
【0061】
本発明の搬送装置は、さらに、クランプベルトの前方にのびる部分のベルト長を調節する補償装置を備えている。
クランプベルトの前方にのびる部分のベルト長は、移送装置の範囲内、すなわち、容器が回転シリンダとクランプベルトの間に挟持される範囲内におけるクランプベルトの長さである。
【0062】
この範囲内において必要なクランプベルトの長さは、移送装置上を目下搬送されている容器の個数に依存し、移送装置上を目下搬送される容器の個数が増えるにつれて増大する。
【0063】
補償装置は1つまたは2つ以上の補償エレメントを有している。補償エレメントは、クランプベルトの内側、すなわち、1つまたは2つ以上の動作するクランプベルトによって描かれた軌道内の方向転換ローラ間に配置される。
【0064】
クランプベルトの前方にのびる部分のベル長は、補償エレメントによって、移送装置上を搬送されるべき容器の個数、形状および/またはサイズに応じて調節され得る。
【0065】
好ましくは、補償エレメントは、クランプベルトの後方にのびる部分に接触し、回転シリンダから逸れる方向に当該部分に近接するように構成される。
【0066】
移動装置上を搬送される容器の個数が変更されたとき、クランプベルトの前方にのびる部分の有効長が補償エレメントによって簡単な方法で変更され得る。
【0067】
好ましくは、補償エレメントは、支持ローラをクランプベルトの後方にのびる部分に接触させる調節装置を有している。補償エレメントは、この場合、モータ駆動式の、または力学的な、または気圧式の、または水圧式の調節装置から形成され得る。特に、モータ駆動式の調節装置は電気駆動式のリニアアクチュエータを含み得る。複数個の支持ロールが使用されるとき、すべての支持ローラまたは任意の個数の支持ローラは調節装置を備えている。
【0068】
補償装置は、クランプベルトの前方にのびる部分の必要な長さを、移送装置上の目下の搬送状況に適合せしめるために役立つ。
しかしながら、補償装置は、それと同時に、ベルトの張力が動作中に一定に維持されることを保証する。それによって、容器が常に所定の圧力で回転シリンダに押し付けられて、確実に保持されることが保証される。
【0069】
この場合、好ましくは、補償装置の少なくとも1つの補償エレメントが、関係する支持ローラがクランプベルトの後方にのびる部分に一定の圧力で接触せしめられるように調節される。
【0070】
クランプベルトの前方にのびる部分の必要な長さが変更されるとき、補償エレメントの支持ローラの位置が変更されて、ベルトの張力が一定のままで、クランプベルトの前方にのびる部分がそれに対応して長くなりまたは短くなる。
この場合、移送装置のサイズに応じて、数センチメートルまでの長さの変更が行われ得る。したがって、補償装置の1つまたは場合によっては2つ以上の補償エレメントが、それに対応して運動経路の変更とそれに伴う長さ変更を行わねばならない。
【0071】
補償装置を備えたことによって、クランプベルトの方向転換ローラ間の間隔が一定に維持され得る。さらには、補償装置を備えたことによって、圧力および密閉性検査が最適に実行され得る。なぜなら、搬送される容器に及ぼされる圧力が、クランプベルトの張力の調節によって最適に調節され得るからである。
【0072】
取り巻き角度を大きくすることによって、クランプベルトの前方にのびる部分が、動作中に、その所定の垂直方向の位置のまわりに旋回し得る。なぜなら、クランプベルトは、移送装置の入口端および出口端において一対の支持ローラによって案内されているにすぎないからである。
特に、容器が移送装置の範囲内において滑り落ちるとき、それらはまたクランプベルトを下方に変位させる。
【0073】
したがって、クランプベルトの前方にのびる部分の垂直方向の位置をより良く制御するために、追加のガイド装置が備えられる。このガイド装置は、関係する調整装置によってクランプベルトの前方にのびる部分の後ろ側に押し付けられたガイドローラを有している。
【0074】
ガイドローラは、好ましくは、円筒形巻取器の形状をなし、その両端に突出する制限壁を有し、これらの制限壁間にクランプベルトが案内される。この両端の制限壁は、クランプベルトをそれらの間に確実に案内し得る高さではあるが、クランプベルトを越えてのびて、搬送すべき容器に接触するような高さであってはならない。
【0075】
調節装置によって、各ガイドローラが常にクランプベルトの現在位置に追従し、それによって、クランプベルトの前方にのびる部分の後ろ側に常時当接することが保証される。
ガイドローラの両端の制限壁によって、クランプベルトがガイドローラによって指定された垂直方向の位置に保持される。
【0076】
この場合、ガイド装置の個数は、自由に選択可能であり、移送装置の長さに応じて決定され得る。好ましくは、ガイド装置は移送装置の長さ方向に均一に分布している。
【0077】
好ましくは、回転シリンダの外周は均一な円形となるように形成される。
この構成によれば、回転シリンダは、その搬送能力が搬送すべき容器の供給速度に左右されることなく、多数個の容器を同時に搬送することができる。特に、回転シリンダは星形ホイールとしては構成されず、所定の速度で、かつ搬送すべき容器の所定の供給速度で動作せしめられ得るにすぎない。
【0078】
好ましくは、回転シリンダおよびクランプベルトは駆動可能に構成され、回転シリンダおよびクランプベルトの速度が互いに独立に調節され得る。
【0079】
クランプベルトおよび回転シリンダは、容器の望ましくない回転が生じない状態で、容器がクランプベルトおよび回転シリンダ間において搬送され得るように駆動される。
この場合、クランプベルトの動作速度は、好ましくは、湾曲した搬送部の曲率に応じて回転シリンダの周速度よりも幾分高くなるように設定される。
【0080】
クランプベルトおよび回転シリンダ間の駆動速度は、クランプベルトおよび回転シリンダ間において搬送される容器が確実に回転するような速度に設定される。
こうして、容器の検査、特に、容器の圧力および密閉度検査が最適化される。なぜなら、容器が回転することで、容器のガス漏れ箇所が、押圧されるクランプベルトおよび押圧される回転シリンダによって永続的に覆われてしまうことがないからである。
好ましくは、検査すべき容器が、搬送装置内を搬送される間に約90°回転せしめられる。
【0081】
容器の光学的な検査が、また、容器の回転運動によって最適化される。なぜなら、この場合、容器は複数の側面位置において検査され得るからである。
【0082】
クランプベルトおよび回転シリンダは、適当なモータによって駆動され得る。これに関して、特に、同期モータ、好ましくは、永久磁石同期モータが使用され得る。
【0083】
回転シリンダの駆動装置は、好ましくは、回転シリンダの軸に設けられる。駆動装置として、好ましくは、回転シリンダの一部として構成されたアウターロータ型モータが使用される。
それによって、回転シリンダの駆動のための製造コストが低減される。さらには、スペースの節約が実現される。なぜなら、回転シリンダの上側および下側に、いかなるモータおよび駆動エレメントも備える必要がないからである。
しかしまた、上述のように、回転シリンダの駆動装置は、容器支持リングおよび搬送領域の外側に配置された駆動ローラ上に張設された保護バンドを必要とする。
【0084】
クランプベルトの駆動装置は、好ましくは、クランプベルトを張設する一対の方向転換ローラのうちの一方の方向転換ローラ内に配置される。この場合、駆動装置として、アウターロータ型モータが使用され得る。アウターロータ型モータは、好ましくは、方向転換ローラとして形成される。それによって、検査装置を配置するために利用可能なスペースが増大する。
【0085】
アウターロータ型モータを回転シリンダまたは方向転換ローラに設けることによって、スペースが節約されるだけでなく、搬送装置がよりアクセスし易い構成となり、それによって、例えば、搬送装置のメンテナンスおよび操作がより容易になる。
【0086】
一対の方向転換ローラのうちの一方の方向転換ローラのみが駆動される場合、駆動装置は、好ましくは、搬送すべき容器の搬送方向の下流側に位置する方向転換ロール内に配置される。それによって、クランプベルトの前方にのびる部分が常時張られた状態となることが保証される。
【0087】
一対の方向転換ローラの両方が駆動されることによって、ベルト速度のより良好な制御が達成される。
特に、移送装置上に容器が存在しないとき、クランプベルトの速度が、電気的に回転シリンダの周速度に適合せしめられ、クランプベルトおよび回転シリンダ間に摩擦が生じることはない。この場合、回転シリンダは必ずしもベルト支持リングを備えている必要はない。
【0088】
回転シリンダがベルト支持リングを備えていない場合、特に移送装置上に最初の容器が搬入されるとき、および移送装置から最後の容器が搬出されるときに、クランプベルトが少なくとも部分的に回転シリンダと接触する危険性がある。
この場合、クランプベルトの表面の性質および張力によって、大きな摩擦力が生じ、移送装置の機能が著しく損なわれる。
【0089】
そのため、かかる場合には、回転シリンダの周速度とクランプベルトの速度を互いに適合させる必要がある。
より正確には、回転シリンダの周速度は、クランプベルトの内側、すなわち、クランプベルトにおける容器または回転シリンダに接触する側のベルト速度に一致するように制御されなければならない。
【0090】
しかしながら、移送装置上に既に容器が存在している場合でさえ、駆動速度の変更によって移送装置上の搬送が最適化され得る。すなわち、駆動速度の変更によって、方向転換ローラはクランプベルトの前方にのびる部分の有効長を一時的に変化させ得る。
上流側において移送装置の搬入エリアに配置された方向転換ローラ(搬入ローラ)が、短時間、下流側において移送装置の搬出エリアに配置された方向転換ローラ(搬出ローラ)よりも高い速度を有するとき、クランプベルトの前方にのびる部分のベルト長さが増大し、容器が回転シリンダにより弱い力で押し付けられる。
それとは逆に、搬出ローラが、短時間、搬入ローラよりも高い速度で駆動されるとき、クランプベルトの前方にのびる部分のベルト長は減少する。
【0091】
クランプベルトの前方にのびる部分の長さが短すぎると、最初の容器が搬送装置上の移送装置に進入するときに妨げとなる。この場合、ベルト長が短すぎると、実質上背圧を受けずに移送装置に進入する容器は、ベルト圧に抗して移送装置に到達することができない。
【0092】
この場合、搬入ローラを搬出ローラよりも速く駆動させることによって、クランプベルトの前方へのびる部分のベルト長を一時的に増大させることが望ましい。
こうして、方向転換ローラの速度制御によって、クランプベルトの前方にのびる部分のベルト長の微調整が可能となる。
【0093】
また、ベルト長の短時間の変化に伴って、クランプベルトの前方にのびる部分のベルト張力が変化する。クランプベルトの前方にのびる部分におけるベルト張力を初期レベルにリセットするために、方向転換ローラが、必要に応じて、逆回転せしめられなければならない。
このような場合、ベルト張力の短時間の減少を補償するために、搬入ローラは、短時間、搬出ローラよりもゆっくりと駆動せしめられなければならない。
【0094】
クランプベルトの前方にのびる部分の長さを調節するために、クランプベルトの前方にのびる部分の必要とされる長さが動作中にできるだけ僅かな量変化すれることは1つの長所となる。
したがって、容器間に大きな間隔が生じるような状況、並びに初めから移送装置に容器が満載されあるいは容器が全く存在しないような状況は十分に回避されなければならない。このような状況、特に、容器間の間隔が大きすぎるような状況を回避するため、必要とされる搬入フィーダーの速度をそれに対応して調節することができる。
容器の密度が比較的低い場合、例えば、搬入速度が増大せしめられ、容器が互いに接近せしめられ、あるいは容器間の間隔が狭められる。
【0095】
クランプベルトの前方にのびる部分の必要とされる長さの変化を回避するため、また、付加的な容器またはダミーの容器が容器の流れの中に導入され得る。
付加的な容器またはダミーの容器は、例えば、空の容器からなっている。空の容器は、第1の搬送部に平行に配置されたバッファー部に予め保持され、必要に応じて容器の流れの中に導入される。
【0096】
ダミーの容器として、ダミーの容器が容器の流れの中に何ら問題なく組み入れられるような形状および材質を有する、任意の物体が使用され得る。
しかしながら、ダミーの容器は移送装置の後段において容器の流れから確実に排除されなければならない。
当業者に知られた任意の搬入または排出装置が、付加的な容器の搬入および排出のために使用され得る。
【0097】
本発明の搬送装置が180°の取り巻き角度を有する実施例によれば、バッファー部は、例えば、搬送装置の内側にこれと平行に配置された回転するフィーダーとして構成され得る。
回転するフィーダーは、回転駆動される湾曲したコンベヤベルトまたは回転テーブルから形成され得る。
【0098】
例えば、回転するフィーダーが回転テーブルとして構成される場合、回転テーブルは回転シリンダの直径に対応する直径を有している。回転テーブルは、好ましくは、第1および第2の搬送部間において回転シリンダに対しオフセットされた状態で配置される。
【0099】
分配楔が、追加の容器をバッファー部から移送装置の上流側へ、搬送装置の第1の搬送部上の容器の流れに導入するために使用され得る。
移送装置の下流側にも分配楔が配置される。この分配楔によって、追加の容器が容器の流れから逸らされ、バッファー部の回転するフィーダーに戻される。
【0100】
追加の容器またはダミーの容器の挿入によって、容器の流れ中の隙間が満たされ得る。これは、特に、回転シリンダが支持リングを備えず、そのため、クランプベルトが回転シリンダと接触する危険性があるような実施例に対して有効である。
このような状況は、また、クランプベルトの動作速度を電気的に回転シリンダの周速度に対し調節することによっても解消され得る。
【0101】
しかしながら、クランプベルトおよび回転シリンダ間の相対速度の変更によって、容器のその軸回りの回転運動が変化する。
追加の容器の挿入によって、容器の流れ中に大きな隙間が生じることによる危険が回避され得る。それによって、クランプベルトの動作速度が、回転シリンダの動作速度とは独立に任意の時刻に調節され得る。
【0102】
運転開始時または運転停止時(例えば、休日前)にも、追加の容器が現状の搬送条件を一定に維持するために使用され得る。
例えば、容器充填動作の終わりに、最後の容器に続いてさらに1個または2個以上の追加の容器またはダミーの容器が容器の流れの中に導入される。それによって、移送装置上の最後の容器が当該容器充填動作において充填された他の容器と同じ搬送条件下に搬送され得る。
【0103】
追加の容器が移送装置上からバッファー部に戻されるとき、移送装置による継続的な搬送を可能にするには比較的少数の追加の容器で十分である。
【0104】
追加の容器は、また、検査装置の検査のために使用される試験容器として形成され得る。
試験容器は、検査装置が正常に機能しているか否かを検査するため、容器の流れ中に規則的に導入されなければならない。
【0105】
通常、容器の流れ中の隙間は試験容器の導入のために形成されなければならないが、この隙間は製造工程に悪影響を及ぼす。
しかしながら、本発明によれば、容器の流れ中の隙間は、試験容器の導入のため、およびクランプベルトの回転シリンダとの望ましくない接触を回避し、同時に、移送装置に隣接して配置された検査装置の検査を実行するために使用される。
【0106】
好ましくは、容器は、湾曲した搬送装置上において、専らクランプベルトと回転シリンダの外周面との間に少なくとも部分的に保持される。
【0107】
こうして、搬送される容器の容器検査が最適化される。なぜなら、容器は上方および下方から検査され得るからである。
【0108】
好ましくは、搬送装置の下側および/または上側に、少なくとも1つの容器検査用検査装置が配置される。
【0109】
本発明の搬送装置は、また、例えば、中身が充填されたプラスチック製のボトルまたは金属製の缶のような中身が充填された変形し得る容器の漏れの検査のためにも使用され得る。
この目的のために、正確に定められた圧力が容器に適用される。容器に漏れがある場合には、充填レベルが上昇する間に、容器の内部圧力が低下する。
【0110】
わずかな漏れでも検出するためには、容器が押圧装置内に一定時間留まっていることが保証されなければならない。
本発明の搬送装置においては、これは、例えば、容器を、容器が1/4回転するよりも長い間クランプベルトと回転シリンダの間に保持することによって実現される。
本発明の搬送装置においては、圧力はベルト張力を調節することによって調節され得る。
【0111】
好ましくは、第1および第2の搬送部は連続したコンベヤベルトとして構成され、湾曲した搬送部は、クランプベルトと回転シリンダの外周面の間に吊り下げ状態に支持された容器を、第1の搬送部から第2の半雄部まで搬送するように構成される。
【0112】
この場合、容器は、搬送装置によってコンベヤベルトから持ち上げられて案内され、湾曲した搬送部および検査装置を順次通過した後、再びコンベヤベルト上に降ろされて搬送される。
このとき、第1および第2の搬送部は同じ向きにのび、あるいは互いに角度をなして配置され得る。
【0113】
あるいは、第1および第2の搬送部はそれぞれ独立したコンベヤベルトとして構成され得る。
特に、密閉性検査が不要の場合には、容器は少なくとも短時間自由に吊り下げ状態に支持されて搬送される。
【0114】
この実施例においては、容器は、クランプベルトと回転シリンダの間に挟持されるとともに、常時、移送装置の湾曲した搬送部に対応する一様なコンベヤベルト上を搬送され得る。
【0115】
単一のコンベヤベルトまたは複数のコンベヤベルトとして、通常のコンベヤベルトまたはリンクチェインコンベヤが使用され得る。容器は、コンベヤベルト上を、補助的にあるいは専らエアークッションまたはローラによって搬送され得る。
コンベヤベルトは、また、容器が背圧によってその上に押し出される固定されたプレートとして構成され得る。
【0116】
本発明の搬送装置は、好ましくは、容器検査装置の一部として備えられる。
容器検査装置は、容器、好ましくは、ガラス、またはPETのような透明プラスチックから形成された容器を検査すべく構成されている。
特に、容器は、飲料産業における容器検査の範囲内ではガラスボトルまたはPETボトルからなっている。
【0117】
この目的のために、容器検査装置は、複数のコンポーネント、特に、放射線源、検査装置および評価装置を有し得る。
放射線源は、検査すべき容器が搬送装置内、特に、湾曲した搬送部内に位置し、第1の搬送部から第2の搬送部へ搬送されるとき、当該容器に向けて放射線を照射し得る。放射線は検査すべき容器を透過し、検出装置によって検出される。
【0118】
評価装置は、検出装置によって検出された画像を評価する。
放射線源は基本的に任意の波長の電磁放射線、赤外線、可視光線、紫外線またはX線を放射し得る。
【図面の簡単な説明】
【0119】
図1】本発明による搬送装置の斜視図である。
図2図1の搬送装置の平面図である。
図3】本発明による別の搬送装置の平面図である。
図4】本発明による搬送装置の容器、回転シリンダおよびクランプベルトの縦断面図である。
図5】本発明による検査装置を備えた搬送装置の斜視図である。
図6】本発明による180°の取り巻き角度を有する搬送装置の平面図である。
図7】本発明による180°の取り巻き角度を有する別の搬送装置の平面図である。
図8】本発明による300°の取り巻き角度を有する搬送装置の平面図である。
図9】本発明の別の実施例による容器、および支持装置を備えた回転シリンダの縦断面図である。
図10図9の実施例において搬送装置上に容器が存在しない状態を示す平面図である。
図11図10の実施例においてクランプベルトおよび回転シリンダ間に容器が存在している状態を示す平面図である。
図12】追加のガイド装置を備えた図9図11の搬送装置を示す平面図である。
図13】バッファー部を備えた図6の搬送装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の1実施例による、第1の搬送部12、第2の搬送部14および移送装置16を備えた搬送装置10を示している。
【0121】
容器18は、第1の搬送部12において第1のフィーダー12a上を矢印で示された方向に搬送される。
第1のフィーダー12aの一端において、容器18は移送装置16に受け渡され、第1のフィーダー12aから、90°オフセットして配置された第2の搬送部14の第2のフィーダー14aまで搬送される。
【0122】
図1および図2の実施例において、移送装置16は、回転シリンダ20およびクランプベルト30を有し、回転シリンダ20およびクランプベルト30はそれぞれ、独立した駆動装置(図示はされない)によってモータ駆動される。
【0123】
クランプベルト30は2つの方向転換ローラ32、34間に張設されている。2つのローラ32、34はそれぞれ回転シリンダ20のまわりに配置され、搬入される容器18が第1の搬送部12の端においてクランプベルト30および回転シリンダ20間に挟持されるようになっている。
【0124】
容器18は、回転シリンダ20およびクランプベルト30間に挟持されつつ、移送装置16によって、90°オフセットして配置された第2のフィーダー14aまで搬送される。
容器18は、第2のフィーダー14a上に完全に位置し、その上に安全に配置されたとき、再び解放される。
【0125】
移送装置16の上流側の搬入端に位置する方向転換ローラ32、および移送装置16の下流側の搬出端に位置する方向転換ローラ34は、互いに独立に制御される駆動装置(図示はされない)によってモータ駆動される。
【0126】
クランプベルト30は、2つの部分から構成されたエンドレスベルトからなっている。クランプベルト30は、金属製補強部材を備えたポリウレタンの支持層を有している。ポリウレタンの支持層の上には、ポリウレタンからなるクランプベルトの接触面が貼着されている。
クランプベルト30における方向転換するエリアの変形を防止するため、クランプベルト30は容器18と接触する表面に刻み目を有している。
【0127】
図1および図2には、また、クランプベルト30の前方にのびる部分の有効長を調節するために使用される補償エレメント38を備えた支持ローラ36が示されている。
補償エレメント38は、クランプベルト30の後方にのびる部分に対し、搬送すべき容器18または回転シリンダ20から遠ざかる向きに一定の力で近づけられる。
移送装置上を搬送される容器18の個数が変更されるとき、それに対応して、補償装置38によって、クランプベルト30の前方にのびる部分の長さが再調節される。
【0128】
クランプベルト30の前方にのびる部分のベルト長の微調節が、運転中に、方向転換ローラ32、34の互いに独立した駆動装置のそれぞれの制御によってなされ得る。
短時間、搬入側の方向転換ローラ32を搬出側の方向転換ローラ34よりもわずかに高速で動作させることによって、クランプベルト30の前方にのびる部分のベルト長が増大し得る。これに対し、クランプベルト30の前方にのびる部分のベルト長は、搬入側の方向転換ローラ32が、短時間、搬出側の方向転換ローラ34よりもわずかに低速で動作するとき、減少する。
【0129】
クランプベルト30および回転シリンダ20の湾曲部によって、移送装置16の範囲内に、容器18がそれに沿って搬送される湾曲した搬送部16aが形成されている。
回転シリンダ20は円筒形状をなし、容器18が接触する回転シリンダ20の外周面は円または円筒形状を有している。
【0130】
容器18は、移送装置16の湾曲した搬送部16a上を搬送される間に、クランプベルト30および回転シリンダ20のみによって保持される。それによって、容器18の底には自由にアクセスすることができ、例えば、検査装置40による検査が可能となる。
【0131】
図3は、本発明による搬送装置の平面図であり、これは図1および図2の実施例の主要部に対応している。しかしながら、図3の実施例において、第1の搬送部12および第2の搬送部14は、単一のフィーダー12aの異なる領域に配置されている。
【0132】
フィーダー12aは回転シリンダ20よりも小さい曲率半径を規定し、それによって、フィーダー12aは移送装置16の範囲内において回転シリンダ20の下側を通過せしめられる。
【0133】
それは別として、その他のコンポーネントはすべて図1および図2の搬送装置10のコンポーネントに対応している。
【0134】
図4は、図1および図2の実施例の搬送装置10において使用され得る回転シリンダ20の実施例を示したものである。
回転シリンダ20は上側容器支持リング22および下側容器支持リング24を有している。上側容器支持リング22および下側容器支持リング24は、搬送すべき容器18に接触するように構成されている。
【0135】
上側容器支持リング22および下側容器支持リング24間に、後ろに下げられたベルト支持リング26が配置されている。後ろに下げられた支持リング26は回転自在に支持されている。
ベルト支持リングは軸受28によって支持される一方、上側容器支持リング22および下側容器支持リング24は回転駆動される。
【0136】
好ましくは、上側容器支持リング22および下側容器支持リング26は共通の駆動装置を備えている。共通の駆動装置は回転シリンダ20の内側または回転シリンダ20の外側に配置され得る。
【0137】
後方に下げられたベルト支持リング26は、搬送装置内を搬送される容器16がないとき、クランプベルト30がベルト支持リング26上に静止するように構成されている。
クランプベルト30は、移送装置16上を搬送される容器18がないとき、クランプベルト30が上側容器支持リング22または下側容器支持リング24と接触しないような幅を有している。
【0138】
図5は、本発明の搬送装置10とともに検査装置40を使用した場合の実施例を示したものである。
湾曲した搬送部16aは、搬送すべき容器18を第1の搬送部12から第2の搬送部14へ移送するように構成されている。第1および第2の搬送部12、14間において、容器18は専らクランプベルト30と回転ベルト20の間に挟持される。
【0139】
図5に示したように、移送装置16における容器の底にアクセス可能な範囲内に、検査装置40が備えられる。
検査装置40は、例えば、容器18の底領域に汚れまたは損傷がないかどうかを検査するための光学的検査装置からなっている。
【0140】
図6において、搬送装置10は、第1の搬送部12および第2の搬送部14が互いに平行になるが、搬送方向が互いに反対向きになるように構成されている。
この実施例では、回転シリンダ20の直径は50cmである。クランプベルト30は、それぞれ移送装置16の搬入端および搬出端に配置された2つの方向転換ローラ32、34間に再び張設されている。この実施例では、2つの方向転換ローラ32、34のそれぞれの直径は15cmである。
【0141】
クランプベルト30の前方にのびる部分と後方にのびる部分とが互いに接触して擦れ合わないようにするため、クランプベルト30の後方にのびる部分が単一の支持ローラ36に沿って案内されている。支持ローラ36は補償エレメント38に付加的に備えられる。
この実施例は、180°の取り巻き角度を実現する。
【0142】
図7において、搬送装置10は、また、取り巻き角度が180°になるように構成されている。
しかしながら、図6の実施例とは異なり、回転シリンダ20の周方向に前後して配置された2本のクランプベルト30、30aが備えられている。
【0143】
第1のクランプベルト30は方向転換ローラ32、33aおよび支持ローラ36に沿って案内されている。第2のクランプベルト30aは方向転換ベルト33、34および支持ローラ36aに沿って案内されている。
支持ローラ36、36aはそれぞれ補償エレメント38、38aを備えている。2本のクランプベルト30、30aは互いに垂直方向にずれて配置され、それによって、容器18は、第1のクランプベルト30から第2のクランプベルト30aへの移行領域において、常に回転シリンダ20に向けて強く押し付けられる。
【0144】
最後に、図8において、搬送装置10は、また、第1の搬送部12および第2の搬送部14が互いに平行になるが、搬送方向が互いに反対向きになるように構成されている。
しかしながら、クランプベルト30は、それぞれ移送装置16の搬入端42および搬出端に配置された2つの方向転換ローラ32、34間に張設されている。
【0145】
この実施例では、回転シリンダ20の外周面の取り巻き角度は約330°となる。
クランプベルト30がそれ自体で擦れることを防止するため、クランプベルト30の後方にのびる部分が複数の支持ローラ36に沿って案内されている。
【0146】
この実施例では、支持ローラ36のすべてが、クランプベルト30の前方にのびる部分の長さを調節するための補償エレメント38を備えている。
しかしながら、複数の支持ローラ38のうちの1つの支持ローラ38のみ、あるいは一部の支持ローラ38のみが補償エレメント38を備えていてもよい。
【0147】
移送装置16の搬入端42には、ガイドプレート44が備えられている。容器18は、ガイドプレート44およびクランプベルト30間に挟持され、クランプベルト30によって回転シリンダ30に押し付けられる。
【0148】
容器18は、ほぼ1回転する間、回転シリンダ20の表面上に留まっており、その間、クランプベルト30によって回転シリンダ20に押し付けられる。
搬出時、容器18は、ガイドプレート46に沿って回転シリンダ20から離れるように案内され、搬出用の搬送装置14aに受け渡される。
【0149】
図9図11において、本発明の搬送装置10は、多くの部分で図6の装置に対応する構成を有している。
この実施例では、回転シリンダ20は、ベルト支持リング26を有しておらず、ベルト支持ローラ54および調節エレメント52を含む支持装置50を有している。
【0150】
図9aおよび図9bは縦断面図である。
この場合、支持装置50は、固定して配置され、回転シリンダ20とともに回転することがない。調節エレメント52は、関係するベルト支持ローラ54を回転シリンダ20の回転軸の半径方向における第1の位置と第2の位置との間で円滑に動かすように構成されている。
【0151】
図9aに示した第1の位置において、調節エレメント52は引っ込み、ベルト支持ローラ54はそれぞれ回転シリンダ20の外周面の内側に配置される。図9aに示すように、この位置において、容器18は、容器支持リング22、24の回転面25およびクランプベルト30間に挟持されて搬送され得る。
【0152】
図9bに示した第2の位置において、調節エレメント52は突き出し、ベルト支持ローラ54のそれぞれの外周面が半径方向に回転シリンダ20の外周面を越えて突出する。この位置において、クランプベルト30はベルト支持ローラ54によって回転シリンダ30から離間せしめられ、それによって、クランプベルト30と回転シリンダ30の接触が回避される。
【0153】
図10は、図9の実施例において移送装置16上に容器18が存在しない状態を示した平面図である。
支持装置50はすべて突き出し、クランプベルト30は、3つのベルト支持ローラ54のすべてによって回転シリンダ20から離間せしめられている。
クランプベルト30の前方にのびる部分の長さは、この実施例では、移送装置16に容器18が満載された場合のクランプベルト30の前方にのびる部分の必要な長さとほぼ同じである。
【0154】
このことから、移送装置16に最初の容器18が搬入され、あるいは移送装置16から最後の容器18が搬出されるとき、クランプベルト30の前方にのびる部分の長さの調整は比較的僅かで済むことがわかる。
【0155】
図11においては、いくつかの容器18が移送装置16上に存在する。移送装置16の搬入エリアの第1の支持装置50は、搬入された容器18を通過させるべく既に引っ込んでいる。このエリアにおいて、クランプベルト30は移送装置16上の容器18に接触していて、回転シリンダ20との望ましくない接触が回避されている。
【0156】
他の2つの支持装置50は未だ突き出ている。なぜならこのエリアには容器18が存在しないからである。突き出た支持装置50は、このエリアにおいて、クランプベルト30が回転シリンダ20と接触することを防止する。
複数の支持ローラ36のうちの1つは、クランプベルト30の前方にのびる部分の長さを調節するための補償エレメント38を備えている。
【0157】
図12の実施例は、実質上、図9図11の実施例に対応している。しかしながら、図12において、クランプベルト30の前方にのびる部分の垂直方向の動きを安定させるためのガイド装置70が備えられている。
ガイド装置70は、それぞれ関係する調節装置74、74aによってクランプベルト30の前方にのびる部分の後面に圧接せしめられた2つのガイドローラ72、72aからなっている。
【0158】
ガイドローラ72、72aは、円筒形巻取器の形状を有し、その両端に突出する制限壁を有し、これらの制限壁間にクランプベルト30が案内されている。
調節装置74、74aによって、各ガイドローラ72、72aが常にクランプベルト30の目下の位置に追従して、クランプベルト30の前方にのびる部分の後面に接触することが保証される。
【0159】
図12において、例えば、ガイドローラ72の範囲内に、いくつかの容器18が既に移送装置16上に存在している。クランプベルト30はそれらの容器18の外周面に沿ってのび、ガイドローラ72は、関係する調節装置74によって、クランプベルト30の前方にのびる部分の後面に接触するように配置されている。
クランプベルト30は、ガイドローラ72の端面の突出した制限壁によって案内されている。
【0160】
それに対し、ガイドローラ72aの範囲内には、移送装置16上に容器18が存在しない。この場合、クランプベルト30は、この範囲内に予め備えられたベルト支持ローラ54に接触している。調節装置74は、ガイドローラ72aをクランプベルト30の前方にのびる部分の後面に押し付けて、所定の垂直方向の位置に案内する。
クランプベルト30の前方にのびる部分の長さの調節のために、複数の支持ローラ36のうちの1つの支持ローラ36はまた補償エレメント38を備えている。
【0161】
図13は、図6の搬送装置10の変形例を示した平面図である。
図13においては、図6の搬送装置10に、さらに、2つのフィーダー12a、14aの内側にそれらに平行に配置された、回転するフィーダー60の形態の追加のバッファー部が備えられている。
【0162】
回転するフィーダー60上には、必要に応じて搬入装置64を通じて第1のフィーダー14aの容器の流れ中に導入され得る追加の容器62が備えられている。
移送装置16の下流側に、搬出装置66が備えられ、搬出装置66によって、追加の容器62は容器の流れから分離されて回転するフィーダー60に戻され得る。
【0163】
図示の実施例においては、搬入装置64および搬出装置66は、それぞれ、分配楔からなっている。しかしながら、それ以外の当業者に知られた任意の排出装置がこの目的のために使用され得る。
【0164】
本発明の構成は上述の実施例には限定されず、上述した特徴の任意の組み合わせからなる変形例もまた案出され得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0165】
10 搬送装置
12 第1の搬送部
12a 第1のフィーダー
14 第2の搬送部
14a 第2のフィーダー
16 移送装置
16a 湾曲した搬送部
18 容器
20 回転シリンダ
22 上側の容器支持リング
24 下側の容器支持リング
25 回転面
26 ベルト支持リング
28 軸受
30 クランプベルト
30a クランプベルト
32 方向転換ローラ(搬入ローラ)
33 方向転換ローラ
33a 方向転換ローラ
34 方向転換ローラ(搬出ローラ)
36 支持ローラ
36a 支持ローラ
38 補償エレメント
38a 補償エレメント
40 検査装置
42 搬入端
44 ガイドプレート
46 ガイドプレート
50 支持装置
52 調節エレメント
54 ベルト支持ローラ
60 回転するフィーダー
62 追加の容器
64 搬入装置
66 搬出装置
70 ガイド装置
72 ガイドローラ
72a ガイドローラ
74 調節装置
74a 調節装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13