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特許7016500防水アイペンシル化粧品組成物及びこれを用いる防水アイペンシル化粧品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】防水アイペンシル化粧品組成物及びこれを用いる防水アイペンシル化粧品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220131BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 8/58 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20220131BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20220131BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/19
A61K8/39
A61K8/58
A61K8/37
A61K8/35
A61K8/29
A61Q1/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021104575
(22)【出願日】2021-06-24
【審査請求日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0044932
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521277947
【氏名又は名称】ヴィーティーピーエル インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ジョン ウク
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-116326(JP,A)
【文献】特開2007-210958(JP,A)
【文献】特表2018-534262(JP,A)
【文献】特表2013-540742(JP,A)
【文献】特表平8-506342(JP,A)
【文献】特開2006-176506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッチ反応器(Batch Reactor)中に揮発性オイルのイソドデカンと剤オイルのイソステアリルアルコールを入れ、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間1次混合させる段階(S10)と、
混合した揮発性オイルのイソドデカンと剤オイルのイソステアリルアルコールに、着色剤の黒色酸化鉄(CI 77499)、及び粘増剤のポリグリセリル-3ポリリシノレートを入れ、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間2次混合させる段階(S20)と、
バルキング剤のタルクと、界面活性剤のポリグリセリル-2トリイソステアレートを3次混合して入れた後、83℃~87℃に加熱する段階(S30)と、
83℃~87℃の温度に達した時、被膜形成剤のうちポリエチレン及びポリイソブテンを添加し、25m/s~30m/sの線速度で1.5分~2.5分間4次混合させる段階(S40)と、
皮膚コンディショニング剤のトリメチルシロキシシリケートを添加し、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間5次混合させる段階(S50)と、
防腐剤のうちグリセリルカプリレート及びヒノキチオール(hinokitiol)を添加し、30m/s~32m/sの線速度で1.5分~2.5分間6次混合させる段階(S60)と、
あらかじめ投入された黒色酸化鉄(CI 77499)と反応してミッドナイトブラック色を形成させる着色剤の二酸化チタン(CI 77891)、酸化スズ(CI 77861)を添加し、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間7次混合させる段階(S70)と、
バッチ反応器を30℃に冷却させ、混合を調整した後、配置を適切な貯蔵容器に注いで水アイペンシル化粧品を完成させる段階(S80)とからなる
ことを特徴とする水アイペンシル化粧品組成物を用いる水アイペンシル化粧品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特有の揮発性による涼しい感じと軽い使用感を与え、塗りやすさとボリューム性がよく、防水持続性が向上するので、ペンシルタイプで様々に使用できる天然防水アイペンシル化粧品組成物及びこれを用いる天然防水アイペンシル化粧品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
夏には、汗やプールなどでの水によって化粧が崩れることを防止するために、主にウォータープルーフ(すなわち、防水)アイペンシル化粧品を選択する。
【0003】
通常、アイペンシル化粧品は、‘オイルインウォーター(oil in water)’の形態で水分が油を包む水溶性水分膜を形成する原理により水に滲みやすいが、ウォータープルーフアイペンシル化粧品は、‘ウォーターインオイル(water in oil)’の形態で油分が膜を形成しており、水や汗に滲みにくい。
【0004】
かかる従来の防水アイペンシル化粧品は、汗や水に対する防水持続力が短く、2時間~3時間間隔で塗り重ねる方式であるため、清々しい感じがなく、重い使用感がし、展延性がよくないためボリュームが低下するという問題点があった。
【0005】
また、目元の皮膚を保護する機能及び柔軟性が低く、栄養分を供給する成分がないため、目元の皮膚が脱落しやすい現象が発生し、使用後にいざ落とそうとすると容易に落ちず、皮膚トラブルが起きやすいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許公報第10-2018-0036264号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の問題点を解決するために、本発明は、揮発性オイル、粘増剤、皮膚コンディショニング剤、バルキング剤、界面活性剤、被膜形成剤、天然溶剤オイル、防腐剤、着色剤の混合からなる天然防水アイペンシル化粧品組成物を提示し、特に、既存に比べて、特有の揮発性による清々しい感じと軽い使用感を与え、製品を塗ったとき、シルキーな使用感、保湿と防水持続性を向上させることができ、また、ペンシル形態なので、展延性及びボリューム性が良く、既存アイペンシルの毒性成分を天然成分に代えたり、又は混合組成とすることによって、長時間の使用にも目元の皮膚にトラブルができず、使用後にも容易にアイペンシルリムーバーで除去できる天然防水アイペンシル化粧品組成物及びこれを用いる天然防水アイペンシル化粧品の製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物は、
揮発性オイル5~85wt%と、
粘増剤0.7~2.1wt%と、
皮膚コンディショニング剤1.2~3.5wt%と、
バルキング剤0.1~0.5wt%と、
界面活性剤0.5~2.5wt%と、
被膜形成剤3~50wt%と、
天然溶剤オイル5~40wt%と、
防腐剤0.8~1.5wt%と、
着色剤3~15wt%の混合からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物を用いる天然防水アイペンシル化粧品の製造方法は、
バッチ反応器(Batch Reactor)中に揮発性オイルのイソドデカンと天然溶剤オイルのイソステアリルアルコールを入れ、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間1次混合させる段階(S10)と、
混合した揮発性オイルのイソドデカンと天然溶剤オイルのイソステアリルアルコールに着色剤の黒色酸化鉄(CI77499)、及び粘増剤のポリグリセリル-3ポリリシノレートを入れ、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間2次混合させる段階(S20)と、
バルキング剤のタルクと、界面活性剤のポリグリセリル-2トリイソステアレートを3次混合して入れた後、83℃~87℃に加熱する段階(S30)と、
83℃~87℃の温度に到達した時、被膜形成剤のうちポリエチレン及びポリイソブテンを添加し、25m/s~30m/sの線速度で1.5分~2.5分間4次混合させる段階(S40)と、
皮膚コンディショニング剤のトリメチルシロキシシリケートを添加し、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間5次混合させる段階(S50)と、
防腐剤のうちグリセリルカプリレート及びヒノキチオール(hinokitiol)を添加し、30m/s~32m/sの線速度で1.5分~2.5分間6次混合させる段階(S60)と、
あらかじめ投入された黒色酸化鉄(CI77499)と反応してミッドナイトブラック色を形成させる着色剤の二酸化チタン(CI77891)、酸化スズ(CI77861)を添加し、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間7次混合させる段階(S70)と、
バッチ反応器を30℃に冷却させ、混合を調整した後、配置を適切な貯蔵容器に注いで天然防水アイペンシル化粧品を完成させる段階(S80)とからなることによって達成される。
【発明の効果】
【0010】
以上に説明したように、本発明では、第一に、既存に比べて、特有の揮発性による清々しい感じと軽い使用感を与え、化粧品を速く乾燥させる特性によって吸収が速いという感じを与えることができる。
【0011】
第二に、製品を塗ったとき、シルキーな使用感とともに、保湿と防水持続性を既存に比べて2倍~4倍に維持することができる。
第三に、ペンシル形態となり、展延性とボリューム性を既存に比べて80%向上させることができる。
第四に、既存アイペンシルの毒性成分を天然成分に代えたり、又は混合組成とすることによって、長時間の使用にも目元の皮膚にトラブルを招かず、使用後にも既存に比べて1.5倍~2倍速い速度で容易にアイペンシルリムーバーで除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物を混合させる配置反応器の構成要素を示す断面説明図
図2】本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物を用いる製造方法を示すフローチャート
図3】本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物を透明な実験容器上に塗布した後、防水性(ウォータープルーフ)を実験する実施例を示す写真説明図
図4】本発明の実施例1によるミッドナイトブラック色からなる天然防水アイペンシル化粧品組成物からなる天然防水アイペンシル化粧品と、実施例2によるシックネービー色からなる天然防水アイペンシル化粧品組成物からなる天然防水アイペンシル化粧品と、実施例3によるシャンパンゴールド色からなる天然防水アイペンシル化粧品組成物からなる天然防水アイペンシル化粧品を示す写真説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る好ましい実施例を説明する。
本発明でいう目元は、眉毛と眼との間に位置し、まぶたを持ち上げる筋肉や筋膜のことを指す。
本発明の組成物は、目元に防水コーティングを提供する。
また、目元を防水処理するために組成物を使用する場合、一般アイペンシル上に重ね塗りをして使用する。
【0014】
本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物は、
揮発性オイル5~85wt%と、
粘増剤0.7~2.1wt%と、
皮膚コンディショニング剤1.2~3.5wt%と、
バルキング剤0.1~0.5wt%と、
界面活性剤0.5~2.5wt%と、
被膜形成剤3~50wt%と、
天然溶剤オイル5~40wt%と、
防腐剤0.8~1.5wt%と、
着色剤3~15wt%の混合からなることを特徴とする。
【0015】
[揮発性オイル]
本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物の第一の必須構成成分は、揮発性オイルである。
【0016】
これは、溶剤及びオイル希釈剤の役割を担うものであり、イソドデカン、シクロメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、ジメチコン、フェニルトリメチコン、ジメチコンコポリオール又はこれらの混合物からなる揮発性物質を意味する。
【0017】
前記イソドデカンは、炭素12個の分枝鎖状の脂肪族炭化水素であり、着香剤、溶剤として用いられる。
【0018】
前記シクロメチコンは、nが3ならばシクロトリシロキサン、nが4ならばシクロテトラシロキサン、nが5ならばシクロペンタシロキサン、nが6ならばシクロヘキサシロキサン、nが7ならばシクロヘプタシロキサンであり、溶剤として用いられる。
【0019】
【化1】
【0020】
前記シクロペンタシロキサンは、nが5であり、他のシクロメチコン(nが3、4、6又は7)は1%未満で含有しているものであり、溶剤として用いられる。
【0021】
【化2】
【0022】
前記シクロヘキサシロキサンは、nが6である次の構造を有する。nが4、5、7であるシクロメチコンの他の成分は1%未満であるものであり、溶剤として用いられる。
【0023】
【化3】
【0024】
前記ジメチコンは、トリメチルシロキシ単位で末端が塞がった完全メチル化された線形シロキサン重合体混合物であり、気泡防止剤、皮膚保護剤、溶剤として用いられる。
【0025】
前記フェニルトリメチコンは、シロキサン重合体であって、nが1~3である特性を有するものであり、気泡防止剤、溶剤として用いられる。
【0026】
【化4】
【0027】
前記ジメチコンコポリオールは、ジメチルシロキサンとメチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサンの共重合体であり、気泡安定化剤、溶剤として用いられる。
【0028】
本発明に係る揮発性オイルの比率が5wt%以下では、被膜形成剤、天然溶剤オイルとの混合時に、他の化学反応によって溶剤及びオイル希釈剤としての役割を果たすことができず、85wt%以上では、特有の揮発性による清々しい感じと軽い使用感が低下し、化粧品を速く乾かす特性を減少させ、よって、5~85wt%とすることが好ましい。
【0029】
[粘増剤]
本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物の二番目の構成成分は、粘増剤である。
【0030】
前記粘増剤は、天然防水アイペンシル化粧品の成分のうち、揮発性オイル、天然溶剤オイルと混合して粘度をジェリーのような粘性に上げ、形態を固定したり或いは粘度を改善する役割を担う。
【0031】
これは、合成ワックス、セレシン、合成フルオロフロゴパイト、カンデリラワックス、ポリグリセリル-3ポリリシノレートのいずれか一つ以上を含む。
【0032】
前記合成ワックスは、フィッシャートロプシュ法或いはエチレン重合過程で得た炭化水素ワックス成分であって、皮膚を柔らかく柔軟化させ、非水溶性粘増剤であり、天然防水アイペンシル化粧品の粘度を調節する役割を担う。
【0033】
前記セレシンは、オゾケライトの精製から得たワックス形態の炭化水素混合物であり、複合性脂肪成分により皮膚を滑らかにさせ、油分を供給し、粘度を調節する役割を担う。
【0034】
前記合成フルオロフロゴパイトは合成ミネラル成分であり、天然防水アイペンシル化粧品の水分と油分を分散することによって物質の濃度を希釈したり或いは物理的な性質を容易にさせ、粘度を調節する役割を担う。
【0035】
前記カンデリラワックスは、メキシコ中部とテキサスビッグベンド地域で育つ植物であるユーフォルビアセリフェラ(Euphorbia cerifera)から抽出したワックスであり、オイル部分をとろりとさせて形体を保持させ、塗りやすくさせる。本発明では粘度を調節するために用いられる。
【0036】
前記ポリグリセリル-3ポリリシノレートは、リシノール酸のポリマーとポリグリセリン-3の複合エステル成分であり、各物質の界面に吸着してよく混ざるようにし、活性物質として働いて乳化安定を助け、非水溶性粘増剤であって、化粧品の粘度を上げる役割を担う。
【0037】
本発明に係る粘増剤の比率が0.7wt%以下では、天然防水アイペンシル化粧品の全体粘度が低下し、被膜が形成し難いため、防水持続性が低下することがあり、2.1wt%以上では、粘度が高くなってべたつきが増え、使用感が低下することがある問題点から、0.7~2.1wt%とすることが好ましい。
【0038】
[皮膚コンディショニング剤]
次の必須構成要素は、皮膚コンディショニング剤である。これは、天然成分が含まれて目元の皮膚を軟らかくて健康にさせるとともに、目元における皮膚脱落の減少、柔軟性回復のために使用するものであって、トリメチルシロキシシリケート、シクロペンタシロキサン、エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルミリステート、カプリリルグリコール、ジメチコン、ヘチマ抽出物、シアバター、アルギニン、アーモンドオイル、ナマコ抽出物、レンギョウ抽出物、ヒノキの葉抽出物、ツルニンジン抽出物又はこれらの混合物からなる。
【0039】
前記トリメチルシロキシシリケートは、天然防水アイペンシル化粧品が目元に滑らかに塗られるように助けるものであり、シロキサンポリマー成分からなる。これは、組成物の製造時に形成される気泡を防止し、水分が蒸発することを防止する役割を担う。そして、滑らかな感触を付与し、目元の皮膚を柔らかく柔軟化させるのに役立てる。
【0040】
前記シクロペンタシロキサンは、シリコンを主原料とする化学的化合物であり、これは、無色無臭の流動性液体形態を有するシリコンオイル系成分である。優れた触感、軟らかさ、塗りやすさを有し、本発明では皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0041】
前記エチルヘキシルパルミテートは、2-エチルヘキシルアルコールとパルミチン酸のエステル成分であり、目元の皮膚に油分を供給して保湿力を付与し、目元の皮膚を滑らかにし、ツヤを提供する。本発明では、皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0042】
前記イソプロピルミリステートは、イソプロピルアルコールとミリスチン酸のエステル成分であり、これは、天然防水アイペンシル化粧品中の油溶性機能性成分を溶解するのに役立ち、軽くて滑らかな肌質を付与し、目元の皮膚の表面で広く伸びて吸収力の向上を助ける。本発明では皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0043】
前記カプリリルグリコールは、ココナッツオイルから抽出される成分であり、皮膚を柔らかくさせる役割と同時に坑菌の役割を担い、皮膚の水分を調節して保湿力を維持させる。本発明では皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0044】
前記ジメチコンは、トリメチルシロキシ単位で末端が塞がった完全メチル化された線形シロキサン重合体混合物であり、皮膚保護剤、水分蒸発防止剤、保湿効果を有する。本発明では皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0045】
前記ヘチマ抽出物は、ヘチマから抽出したものであり、冷たい性質を有するので、熱を抑えて消炎作用をし、免疫力強化、皮膚トラブルにも効果がある特徴を有する。本発明では皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0046】
前記シアバターは、アフリカの乾燥地域で野生するカリテの実から採取した天然脂肪酸であり、脂肪酸が持つ治療効果を用いて皮膚の水分損失を予防することから、皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0047】
前記アルギニンは、自然に存在するアミノ酸であり、タンパク質を構成する主要成分である。これは、酸化防止効果に優れて栄養分を保持させ、皮膚を滑らかにさせて活力を与え、健康な皮膚として管理するのに役立つ。また、pHを調節する役割を担う。本発明では皮膚コンディショニング剤として用いられる。
【0048】
前記アーモンドオイルは、不飽和脂肪、必須脂肪酸が豊富で、目元の皮膚を柔らかくする。
【0049】
前記ナマコ抽出物から抽出されるナマコは、棘皮動物ナマコ綱に属するナマコ類の総称である。韓国で棲息するナマコは、赤ナマコ、青ナマコ、黒ナマコの3種がある。ナマコは、システイン(cysteine)、ヒスチジン(histidine)、リジン(lysine)などのアミノ酸(amino acid)と鉄(Fe)、リン(P)、胆汁成分であり、貧血を防止し、肝臓運動を活発にさせる。タウリン(Taurine)を含有しており、胆石溶解及び肝臓の害毒機能を強化させ、コレステロールの低下、心臓機能の向上及び視力回復に効果があるとされている。生ナマコは、水分、タンパク質、糖質、灰分、カルシウム、リン、鉄分、リジン、ビタミン1、B2、必須アミノ酸、イロソイシンテチオニン、グルタミン酸、グリシン、トリプトファン、タウリンが含まれていている。ナマコから得られたナマコ抽出物には、ムコ多糖体の一形態であるコンドロイチンが含まれている。コンドロイチンは、皮膚に水分と栄養分を蓄積する役割を担う。硫酸コンドロイチンは、粘質多糖体の主成分であり、動物などの軟骨組織、神経組織と細胞間組織から発見されるムコ多糖体である。硫酸コンドロイチンは生体内では遊離して存在せず、タンパク質と結合して硫酸コンドロイチンタンパク複合体を形成し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などのように生体の体細胞が正常に生存できる土台となり、組織に保水性、潤滑性、弾力性を与える。ナマコ抽出物が含有している硫酸コンドロイチンは、皮膚に水分を貯蔵させて保湿機能をし、また、アミノ酸及びタンパク質、ヨード成分を多量存在、貯蔵させて皮膚のシワ緩和、老化予防及び皮膚美白の効能、清浄化を果たし、皮膚に優れた効果を有する。ナマコ抽出物は、ナマコとエタノールを1:10~12重量比で混合して混合物を作った後、前記混合物を24~26℃、65~75時間、120~160rpmで振盪培養器により抽出し、抽出液を遠心分離器で7,500~8,500rpmで15~25分間遠心分離して得た上澄液をフィルターペーパー(filter paper)で濾過し、濾過した抽出物を減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で0.1~0.3mPAの条件で5~7時間減圧濃縮し、凍結乾燥器(Freeze dryer)を用いて2~4日間乾燥させた後、均質器を用いて30~50meshに粉砕した粉末形態のものを使用する。前記ナマコ抽出物の具体的な例には、ナマコ1,000gを50%エタノール10Lに入れ、振盪培養器(shaking incubator)で26℃、70時間、160rpmの条件で抽出して抽出物を得る。前記抽出物を遠心分離器で7,000rpmで30分間遠心分離する。遠心分離して得た上澄液をフィルターペーパー(Whatman No3.filterpaper)で濾過する。濾過した抽出物を減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で62℃、0.2mPAの条件で5時間減圧濃縮して1Lの抽出物を得る。次に、1Lの抽出物を凍結乾燥器(Freeze dryer)を用いて3日間乾燥させた後、40meshに粉砕した粉末形態のナマコ抽出物を製造する。
【0050】
前記レンギョウ抽出物から抽出したレンギョウは、レンギョウ種類の果実を乾かしたものであり、落葉闊葉潅木である。成分としては、果実にオレアノール酸、リグナン配糖体などがある。根は、レンギョウ根、幹と葉をレンギョウ枝葉といい、いずれも薬用に使用され、レンギョウの果実の皮から抽出した物質は、害毒、皮膚炎、排膿、消炎、利尿剤などに用いられ、坑菌成分がある。その他に、レンギョウ(Forsythia suspensa)は、急性腎臓炎、喉頭炎、単独発熱、潰瘍、扁桃腺炎、淋病などに対して治療効果が高い薬剤として知られている。そして、レンギョウ抽出物は、抗ウイルス、抗酸化、坑菌、抗炎症、解熱などに対して効果を有することが報告されている。前記レンギョウ抽出物は、レンギョウをきれいに洗って温度55~65℃の乾燥器で20~26時間乾燥させた後、乾燥したレンギョウと蒸留水を1:10~15の重量比で混合して薬湯器に入れ、2~4時間加熱して抽出し、抽出した抽出液を濾過した濾液を0.1~0.3mPAの条件で5~7時間、減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で減圧濃縮し、凍結乾燥器(Freeze dryer)を用いて2~4日間乾燥させた後、均質器を用いて30~50meshに粉砕した粉末形態のものを使用する。前記レンギョウ抽出物の具体的な例には、レンギョウをきれいに洗って温度62℃の乾燥器で22時間乾燥させた後、1,000gをそれぞれ薬湯器に入れ、蒸留水12Lを加えて3時間加熱して抽出物を得た後、抽出物を濾過し、濾過した抽出物を減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で62℃、0.2mPAの条件で5時間減圧濃縮して1Lの抽出物を得る。このとき、得られた抽出物を凍結乾燥器(Freeze dryer)を用いて3日間乾燥させた後、40meshに粉砕したレンギョウ抽出物を製造する。
【0051】
前記ヒノキの葉抽出物から抽出したヒノキ(Chamaecyparis obtusa)は、ヒノキ科(Cupressaceae)に属する常緑針葉樹である。ヒノキから抽出した精油成分は、ストレス緩和、心理的安定、心臓と肺機能の強化及び気管支喘息に効果があると報告されている。この他にも、ヒノキ精油は、アトピー性皮膚炎のかゆみ症の緩和効果と皮膚微生物に対する坑菌活性があると知られている。前記ヒノキの葉抽出物は、ヒノキ葉と蒸留水を1:10~20の重量比で混合した後、混合物を熱湯抽出器で2~4時間抽出して抽出物を得、抽出物を濾過し、0.1~0.3mPAの条件で5~7時間減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で減圧濃縮し、凍結乾燥器(Freeze dryer)を用いて2~4日間乾燥させた後、均質器を用いて30~50meshに粉砕した粉末形態のものを使用する。前記ヒノキの葉抽出物の具体的な例には、ヒノキ葉500gに蒸留水7Lを加えて熱湯抽出器で3時間抽出して抽出物を得る。抽出物をFilter paper No.4で濾過し、62℃、0.2mPAの条件で5時間減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で減圧濃縮して1Lの抽出物を得る。次に、1Lの抽出物を3日間乾燥させた後、40meshに粉砕した粉末形態のヒノキの葉抽出物を製造する。
【0052】
前記甘草抽出物から抽出した甘草は、多年生草で、豆科(Leguminosae)類に属する。甘草の効能としては、害毒作用、抗炎作用、抗癌作用、抗ウイルス作用、抗酸化作用、坑菌作用、メラニン発生抑制作用などに優れていると知られている。前記甘草抽出物は、甘草と蒸留水を1:10~12の重量比で混合して100℃で2~6時間加熱抽出し、2,000~4,000rpmで10~20分間遠心分離してカスを除去して上澄液を得た後、前記上澄液を減圧濾過装置で濾過した後、0.1~0.3mPAの条件で5~7時間減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で減圧濃縮したものを使用する。前記甘草抽出物の具体的な例として、甘草を40meshに粉砕後に、甘草粉末1,000gを蒸留水10Lと混合して100℃で4時間加熱抽出し、3,000rpmで15分間遠心分離して減圧濾過(Whatman no.4)する。濾過した抽出物を減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で0.2mPAの条件で5時間減圧濃縮して1Lの抽出物を得る。
【0053】
前記ツルニンジン抽出物から抽出されるツルニンジン(Codonopsislanceolata)は、ホタルブクロ科に属する多年生蔓性植物であり、根は羊乳(radixCodonopsislanceolatae)という。ツルニンジンは、炭水化物、タンパク質、カルシウム、リン、鉄分、ビタミンB、オレアノール酸、アルビゲン酸(albigenic acid)、フィトステロール、サポニン、イヌリン、フラボノイド、ステロール、トリテルペノイド、シクロアルテノール、N-ホルミルハルマン(N-formylharman)、ペルロイリン(perloyrine)、ノルハルマン(norharman)、1-カルボメトキシ-β-カルボリン、アピナステロール(apinasterol)、スクアレン、トリテルペノイド、α-スピナステロール,β-スピナステロール、オレアノール酸、アリゲン酸(alligenic acid)、アピゲニン、ビタミンB1、B2、イヌリン、トリテルペン、ステロイド及び揮発性香気成分などがある。このような成分を含んでいるツルニンジンは、胃腸機能強化、便泌解消、心臓機能強化、コレステロール分解、血圧降下、血管拡張、血液浄化作用、抗炎作用、抗生作用により小胞子菌、ヒト型及びウシ型結核菌を抑制させ、肺癌、甲状腺癌などに効果がある。前記ツルニンジン抽出物は、ツルニンジンとメタノールを1:20~22の重量比で混合して還流式抽出器に投入し、抽出器上端のコンデンサー(condenser)に冷却水を供給しながら58~62℃で3時間ずつ3回反復して抽出物を得、前記抽出物を減圧濾過装置で濾過した後、0.1~0.3mPAの条件で5~7時間減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で減圧濃縮したものを使用する。前記ツルニンジン抽出物の具体的な例としては、刻んだツルニンジン1,000gをメタノール20Lと混合した後、還流式抽出器に投入し、抽出器上端のコンデンサー(condenser)に冷却水を供給しながら60℃で3時間ずつ3回反復して抽出する。抽出液は、フィルターペーパー(Whatman filter paper(No.2))を用いて濾過する。濾過した抽出物を減圧濃縮器(vacuum rotation evaporator)で62℃、0.2mPAの条件で5時間減圧濃縮して1Lの抽出物を得る。
【0054】
本発明に係る皮膚コンディショニング剤として、天然成分であるアーモンドオイル、ナマコ抽出物、レンギョウ抽出物、ヒノキの葉抽出物、ツルニンジン抽出物が含まれることにより、アイペンシル化粧品自体が目元の皮膚を刺激しやすいが、既存製品に比べて、60%以下と相対的に刺激がなく、目元の皮膚に栄養分の蓄積、保湿、抗炎、抗生機能を向上させることを助ける。
【0055】
本発明に係る皮膚コンディショニング剤の比率が1.2wt%以下では、揮発性オイル、被膜形成剤、天然溶剤オイルとの混合時に、他の化学反応によって皮膚コンディショニング剤としての機能が低下し、3.5wt%以上ではべたつきが多いため、天然防水アイペンシルが目元に付着しない現象が発生する問題点から、1.2~3.5wt%とすることが好ましい。
【0056】
[バルキング剤]
構成の次の必須構成要素は、バルキング剤である。これは、揮発性オイル、天然溶剤オイルを混合時に、固体成分を希釈するために用いられる非活性固形物質であり、天然防水アイペンシル化粧品自体の量を増やすためにも用いられる。
【0057】
前記バルキング剤は、タルク、シリカ、ナイロン-66、ジャガイモ澱粉、硬質マグネシウムカーボネート、球状セルロース、ナイロン粉、デキストリン、硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マイクロクリスタルリンワックス、麦澱粉、ケイ酸マグネシウムナトリウム、シルク粉、コメ澱粉、ホウケイ酸カルシウムチタニウム、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム又はこれらの混合物からなる。
【0058】
前記タルク(Talc)は一般に滑石ともいい、白くて潰れやすい軟らかい鉱石である。触ると滑らかな感触がし、多重の薄い板紙を重ね積んだような形態を有する。物質が示す白色の程度である白色度が90以上と優れており、比較的原料費が低く、成形性も優れている特性を有する。
【0059】
前記シリカは、ミネラル無機酸化物の成分であり、天然防水アイペンシル化粧品に使用された粉末成分が、水分によって凝集したり塊りとなる現象を防止する。そして、目元の肌質の補正を助け、毛穴中の死んだ細胞を除去する効果に優れている特性を有する。
【0060】
前記コメ澱粉は、治癒、老化防止、角質除去及びトーニングのような特性を有するものであって、
【0061】
軟らかくて滑らかで明るいトーンの目元の皮膚を持たさせるものであり、コメ澱粉のタンパク質が栄養を供給し活力を与えて皮膚の再生を助ける。そして、コメ澱粉は、過敏性、発赤又はアレルギー性敏感皮膚に特に勧められている成分である。
【0062】
前記ホウケイ酸カルシウムチタニウムは、カルシウム及びチタニウムボロシリケートで構成されたガラスであり、バルキング剤として用いられる。
前記ホウケイ酸カルシウムナトリウムは、カルシウム及びナトリウムボロシリケートで構成されたガラスであり、バルキング剤として用いられる。
前記ホウケイ酸カルシウムアルミニウムは、カルシウム及びアルミニウムボロシリケートで構成されたガラスであり、バルキング剤として用いられる。
【0063】
本発明に係るバルキング剤の比率が0.1wt%以下では、粉末成分が水分によって凝集したり塊りになる現象が発生し、0.5wt%以上では、揮発性オイル、被膜形成剤、天然溶剤オイルとの混合時に、他の化学反応によって天然防水アイペンシル化粧品自体の量が無作為に生成され、量調節がし難いという問題点から、0.1~0.5wt%とすることが好ましい。
【0064】
[界面活性剤]
構成の次の必須構成要素は、界面活性剤である。
これは、揮発性オイル、被膜形成剤、天然溶剤オイルとの混合時に、含まれている水(水相層)と油(油相層)が混ざるようにする役割を担うものであり、一つの分子内に親水性(水と親しい)と親油性(油と親しい)が同時に存在する物質であって、水と油の境界面に吸着してその境界面の性質を顕著に変化させる特性を有する。
【0065】
前記界面活性剤は、ポリグリセリル-2トリイソステアレート、レシチン、イソステアリン酸、グリセリルカプリレートのいずれか一つ以上を含む。
【0066】
前記ポリグリセリル-2トリイソステアレートは、イソステアリン酸とジグリセリンのジエステルであり、イソステアリン酸は、皮膚保湿膜を形成する脂肪酸であり、ジグリセリンは、皮膚の損傷部位を覆い、水分を提供する。本発明では、乳化剤、界面活性剤として用いられる。
【0067】
前記レシチンは、ステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のジグリセリド混合物であって、自然的に生成されるものであり、目元の皮膚が乾燥して角質ができるフレーキング現象を減らし、弾力を回復させて、乾燥又は損傷した目元の皮膚を生き生きとさせる。乳化物質の表面張力を減らすことによって乳化液を形成することを助ける。本発明では、乳化剤、界面活性剤として用いられる。
【0068】
前記イソステアリン酸は、炭素18個の分枝状脂肪族酸の混合物であり、結合剤、界面活性剤として用いられる。
【0069】
前記グリセリルカプリレートは、天然成分のグリセリルとカプリル酸を混ぜた天然成分化合物であり、補助乳化剤の役割を担う。これは、脂性皮膚のトラブル改善に優れた効果を示し、他の原料の有効成分の吸収を促進させる機能を有する。
【0070】
これは、防腐剤の役割も担うことができ、本発明では単独で添加時に0.8~1wt%を添加し、完壁な防腐力を持たせる。
【0071】
本発明に係る界面活性剤の比率が0.5wt%以下では、揮発性オイル、被膜形成剤、天然溶剤オイルとの混合時に、含まれている水(水相層)と油(油相層)が混ざり難く、互いに層分離された状態で存在するため、他の界面活性剤を投入しなければならない問題点があり、2.5wt%以上と過多に含まれると、長期間露出時に目元の皮膚刺激とアトピー、鼻炎、喘息を誘発し、色素沈着と皮膚トラブルの要因となるため、0.5~2.5wt%とすることが好ましい。
【0072】
[被膜形成剤]
構成の次の必須構成要素は、被膜形成剤である。
本発明によって使用されるとき、被膜形成剤は、眼の周囲に使用する化粧品において許容される如何なるものであってもよい。
前記被膜形成剤は、目元の化粧崩れを防止し、汗、涙、雨水などに目元の化粧が落ちることを防止し、皮膚被膜を形成させる役割を担う。
【0073】
これは、ポリエチレン、ポリイソブテン、アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー、ポリヒドロキシステアリン酸、被膜形成の特性を有するポリエチレン系列、セラック又はこれらの混合物からなる。
【0074】
前記ポリエチレンは、エチレンを重合して得られる結晶性鎖状の高分子物質であって、エチレンモノマーのポリマー成分であり、目元の皮膚表面に薄い被膜を形成して目元の皮膚をなめらかに覆う役割を担い、天然防水アイペンシル化粧品の不安定な乳化状態を安定化させる役割を担う。本発明では、被膜形成剤として用いられる。
【0075】
前記ポリイソブテンは、イソブチレンのホモポリマー成分であり、皮膚表面に薄い被膜を形成して皮膚を軟らかくて滑らかにし、ツヤのある皮膚管理を助ける。天然防水アイペンシル化粧品組成物を互いに結合させるために使用される。そして、水や汗によく落ちないようにする役割を担う。本発明では被膜形成剤として用いられる。
【0076】
前記アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの単純なエステルのうち一つ以上のモノマーとポリトリメチルシロキシメタクリレートモノマーとの共重合体であり、被膜形成剤として用いられる。
【0077】
前記ポリヒドロキシステアリン酸は、ヒドロキシステアリン酸のポリマー成分であって、溶液内に不溶性固体の分散を助ける非界面活性剤であり、一次的に固体に被膜を形成し、懸濁される固体表面の特性を変形させる役割を担う。
【0078】
前記被膜形成特性を有するポリエチレン系列は、ポリエチレン、ポリエチレングリコール類、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートをいう。
【0079】
そして、ポリエチレングリコール類は、PEGs-4、-6、-7、-8、-9、-10、-12、-14、-16、-18、-20、-32、-33、-40、-45、-55、-60、-75、-80、-90、-100、-135、-150、-180、-200、-220、-240、-350、-400、-450、-500、-800、-2M、-5M、-7M、-9M、-14M、-20M、-23M、-25M、-45M、-65M、-90M、-115M、-160M及び-180Mなどのモノマーが4個以上である成分のいずれか一つが選択されてなる。
【0080】
前記セラックは、一般に、精製されたラック(lac)を称する言葉であり、ラックは、主にインドやタイで木に住んでいるラックカイガラムシ(lac insect)の分泌物樹脂(resin)のことを指す。
【0081】
ここで、ラックは、皮膚を柔らかくしたり、或いは傷ついた皮膚を治し、止血や生理不順を扱うためにも用いられる。本発明では被膜形成剤として用いられる。
【0082】
本発明に係る被膜形成剤の比率が3wt%以下では、目元の皮膚被膜が形成し難く、汗、涙、雨水などに目元の化粧が落ちやすく、50wt%以上と過多に含まれると、使用後にそれを容易に除去できず、水の代わりに油や有機溶媒を使用するため、皮膚トラブルが発生するという問題点から、3~50wt%とすることが好ましい。
【0083】
[天然溶剤オイル]
構成の次の必須構成要素は、天然溶剤オイルである。
これは、イソデカン、イソステアリルアルコール、セチルジメチルオクタノエート、クエン酸トリエチル、天然オイル又はこれらの混合物からなる。
【0084】
より具体的には、2:1:1:6の重量比で混合する。
ここで、2:1:1:6の重量比は、天然溶剤オイルが100wt%であれば、イソデカンが20wt%、イソステアリルアルコールが10wt%、セチルジメチルオクタノエートが10wt%、天然オイルが60wt%と組成されることを意味する。
【0085】
または、使用目的と形態に応じて、1:2:2:6の重量比、2:2:1:5の重量比のように様々な比率にしてもよいが、天然オイルが50%以上となるようにする。
【0086】
本発明に係る天然溶剤オイルは、天然防水アイペンシル化粧品組成物に一般に用いられるその他のオイルを含むが、これに制限されない一つ以上の溶媒オイルからなる。
【0087】
前記イソデカンは、炭素12個の分枝状脂肪族炭化水素成分であって、パラフィン誘導体であり、製品がよく伸びるように助ける役割を担う。そして、シリコンの役割を担い、軽くて、クリーミな展延性を示す。伸びが良く、水分蒸発を抑制する。本発明では、天然防水アイペンシル化粧品の他の構成分をよく溶解させる溶剤として働く。本発明では着香剤、溶剤として用いられる。
【0088】
前記イソステアリルアルコールは、炭素18個の分枝鎖状脂肪族アルコールの混合物であって、相溶性が良く、酸化に対する安定性もあり、共に混合される揮発性オイルの流動性調節剤と可逆剤として効果がある。
【0089】
【化5】
【0090】
前記セチルジメチルオクタノエートは、セチルアルコールとジメチルオクタン酸のエステルであり、共に混合される揮発性オイルの柔軟剤の役割を担う。
【0091】
前記クエン酸トリエチルは、エチルアルコールとクエン酸のトリエステル成分であり、酸素の作用によって起きる自動酸化を抑制することによって、酸化による天然防水アイペンシル化粧品の変質、腐敗、品質低下を防止する。
【0092】
前記天然オイルは、ツバキ油、カノラ油、オリーブオイル、ブドウ種子油、ヒマワリ種子油から選ばれたいずれか一つの植物性オイル(A)と;、卵黄オイル、ミンクオイル、スクアレン、エミュー油、馬油から選ばれたいずれか一つの動物性オイル(B)と;、流動パラフィン、ワセリンから選ばれたいずれか一つの鉱物性オイル(C);のいずれか1個又はそれ以上を含む原料で製造される。
【0093】
前記天然オイルは、保湿成分、ビタミン成分伝達効果、及び皮膚安定性を与えることができる。
【0094】
本発明に係る植物性オイル、動物性オイルだけで天然オイルを製造する場合、皮膚への親和性は良いが、不飽和結合が多いため、酸敗し易くなって変質してしまう問題点から、鉱物性オイルと共にクエン酸トリエチルを共に混合した天然溶剤オイルを製造する。
【0095】
本発明に係る天然溶剤オイルの比率が5wt%以下では、揮発性オイルとの流動性調節が困難であり、よく混ざらなく、柔軟性が不足して目元の皮膚を刺激し、40wt%以上と過多に含まれると、不飽和結合が多いため酸敗し易くなって変質してしまう問題点から、5~40wt%とすることが好ましい。
【0096】
[防腐剤]
構成の次の必須構成要素は、防腐剤である。
【0097】
本発明では、全組成物の比率のうち天然溶剤オイルが5~40wt%となるように揮発性オイルと混合して天然防水アイペンシル化粧品を作り、天然防水アイペンシル化粧品は、常にペンシル形態で外部に露出されたまま使用され、カビ、細菌、又は異物が浸透し易いため、変敗、変臭などから長期間保護する必要があり、よって、天然防腐剤を使用する。
【0098】
前記防腐剤は、グリセリルカプリレート、EDTAトリナトリウム、BHT、羅漢柏抽出物であるヒノキチオール(hinokitiol)、モクレン抽出物であるマグノロール(magnolol)、グレープフルーツ抽出物であるDF-100又はこれらの混合物からなる。
【0099】
前記グリセリルカプリレートは、グリセリンとカプリル酸のモノエステルであって、乳化剤であるとともに強力な抗菌性を有するので、防腐代替原料として用いられる。酸化安全性が高く、広いpH範囲の抗微生物作用を有する。そして、皮膚が滑らかくて柔軟になることを助ける。本発明では天然防腐剤として用いられる。
【0100】
前記EDTAトリナトリウムは、天然防水アイペンシル化粧品に少量使用され、金属イオンと結合してそれらが触媒作用しないように防止するアミン成分であり、天然防水アイペンシル化粧品の品質低下、酸敗、腐敗などを防止する防腐剤の役割を担う。
【0101】
そして、天然防水アイペンシル化粧品の有効成分の効果的な目元の皮膚吸収を助ける促進剤の役割を担う。
【0102】
【化6】
【0103】
前記BHTは、ブチルヒドロキシアニソール(Butylhydroxyanisol)の略称であり、黄褐色又は白色を帯びる結晶又は粉末形態の成分であって、フェノール系の臭いと刺激性の味を有し、揮発性があって蒸留し易い性質がある。
本発明では、酸化防止剤、防腐剤として用いられる。
【0104】
前記ヒノキチオール(hinokitiol)は、トロポロン置換体であり、分子中に芳香性を示す7原子環を有するものであって、扁柏科植物、イブキなどの精油に存在している。
本発明では天然防腐剤として用いられる。
【0105】
前記マグノロール(magnolol)は、ホオノキに属する多年生草本で、クロロヘキシジンのような既存の抗生物質に比べてより安全で、優れた抗生効果を有する。
本発明では天然防腐剤として用いられる。
【0106】
前記グレープフルーツ抽出物(DF-100)は、グレープフルーツから抽出したオーガニック製品であり、化粧品の鮮度及び流通期間を延ばし、抗ウイルス、抗カビ作用、無毒性、坑菌及び抗酸化作用に優れ、pH安定性、免疫性増大の効果を有する。
【0107】
本発明に係る防腐剤の比率が0.8wt%以下では、カビ、細菌又は異物が侵入し易く、変敗、変臭などを防ぐ防腐剤としての役割を果たし難く、1.5wt%以上と過多に含まれると、目元の皮膚と接触するため、皮膚トラブルの要因になることがあり、本発明に係る天然防腐剤成分が多く作られたとしても、0.8~1.5wt%とすることが好ましい。
【0108】
[着色剤]
構成の次の必須構成要素は、着色剤である。
眼の領域における使用に適する如何なる着色剤も使用可能である。
【0109】
これは、金属酸化物、例えば、チタニウムの酸化物である二酸化チタン(CI 77891)又は鉄の酸化物である黒色酸化鉄(CI 77499)/赤色酸化鉄(CI 77491)/黄色酸化鉄(CI 77492)、ウルトラマリーン(CI 77007)、ビスムスオキシクロリド、カルミン、酸化クロム又は水酸化クロームグリーン、群青、フェロシアン化第二鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マイカ、FD&CブルーNo.1、FD&CレッドNo.40、FD&CイエローNo.5及びFD&CグリーンNo.5、酸化スズ(CI 77861)、フェリックフェロシアニド(CI 77510)、カルミン(CI 75470)、赤色202号(CI 15850:1)の中から選ばれる1個又はそれ以上を含む原料とする。
【0110】
着色剤は、全組成物の15wt%以下、好ましくは3wt%~10wt%%の量で使用される。
【0111】
一実施例として、ミッドナイトブラック色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、黒色酸化鉄(CI 77499)、二酸化チタン(CI 77891)、酸化スズ(CI 77861)が混合されて製造される。
【0112】
他の実施例として、シックネービー色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、黒色酸化鉄(CI 77499)、二酸化チタン(CI 77891)、マイカ(CI 77019)、フェリックフェロシアニド(CI 77510)が混合されて製造される。
【0113】
さらに他の実施例として、シナモンモカ色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、マイカ(CI 77019)、赤色酸化鉄(CI 77491)、黒色酸化鉄(CI 77499)、二酸化チタン(CI 77891)が混合されて製造される。
【0114】
さらに他の実施例として、グラムラッテ色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、マイカ(CI 77019)、赤色酸化鉄(CI 77491)、二酸化チタン(CI 77891)、酸化スズ(CI 77861)が混合されて製造される。
【0115】
さらに他の実施例として、シャンパンゴールド色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、マイカ(CI 77019)、赤色酸化鉄(CI 77491)、カルミン(CI 75470)が混合されて製造される。
【0116】
さらに他の実施例として、ベビーピッチ色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、マイカ(CI 77019)、二酸化チタン(CI 77891)、赤色酸化鉄(CI 77491)、カルミン(CI 75470)が混合されて製造される。
【0117】
さらに他の実施例として、マットブラック色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、黒色酸化鉄(CI 77499)、マイカ(CI 77019)が混合されて製造される。
【0118】
さらに他の実施例として、マットブラウン色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、黒色酸化鉄(CI 77499)、赤色酸化鉄(CI 77491)、黄色酸化鉄(CI 77492)、マイカ(CI 77019)が混合されて製造される。
【0119】
さらに他の実施例として、チョコブラウン色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、赤色酸化鉄(CI 77491)、マイカ(CI 77019)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、二酸化チタン(CI 77891)、赤色202号(CI 15850:1)が混合されて製造される。
【0120】
さらに他の実施例として、ダークローズ色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、赤色酸化鉄(CI 77491)、マイカ(CI 77019)、黒色酸化鉄(CI 77499)、二酸化チタン(CI 77891)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色202号(CI 15850:1)、酸化スズ(CI 77861)が混合されて製造される。
【0121】
さらに他の実施例として、コーラルブリック色からなる天然防水アイペンシル化粧品を製造するときは、着色剤として、二酸化チタン(CI 77891)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色酸化鉄(CI 77491)、マイカ(CI 77019)、黒色酸化鉄(CI 77499)、赤色202号(CI 15850:1)、カルミン(CI 75470)、酸化スズ(CI 77861)が混合されて製造される。
【0122】
本発明は、目元を防水処理する天然防水アイペンシル化粧品組成物に関する。
防水目元の場合、本発明の組成物を基本アイペンシル上の目元に適用することを含め、アイペンシル目元を防水、崩れ防止、フレーク防止及び防水処理する。
本発明の組成物を含む天然防水アイペンシルを上及び下、水平方向に目元の上に引く。
【0123】
[天然防水アイペンシル化粧品の製造方法]
下記表1の組成(単位:重量%)で実施例1~3の天然防水アイペンシル化粧品組成物を製造した。
次に説明されるバッチ反応器(Batch Reactor)10は、加熱又は回転しながら、組成物を混和、分散、乳化させる装置である。
【0124】
次に説明されるバッチは、バッチ反応器(Batch Reactor)10であり、反応が行われる間に満たしたり空にしたりしない。そして、バッチ反応器(Batch Reactor)は、図1に示すように、円筒ドラム状のボディーからなり、ボディー内部の空間に、組成物が均一によく混ざり得るように垂直方向に摩擦を起こす妨害板11が垂直方向に形成され、妨害板の下方に、組成物が下部において均一によく混ざり得るように1次回転させる円形インペラー部12が形成され、円形インペラー部の下方に、組成物が底部において均一によく混ざり得るように2次回転させる両腕型インペラー部13が形成される。
【0125】
そして、線速度は、円形インペラー部と両腕型インペラー部の速度のことを指し、高速は32m/s、中速は20m/s、低速は10m/sに設定する。
【0126】
また、本発明に係る線速度に合うrpmは、次のような演算過程を経て設定される。
一例として、両腕型インペラー部の長さを0.6mとすれば、線速度は、長さ*3.14*(rpm/60)となる。
このとき、さらに、rpmは、(線速度*60)/((長さ=0.6)*3.14)で演算されて設定される。
【0127】
図2は、本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物を用いる天然防水アイペンシル化粧品の製造方法を示す順序図である。
【0128】
まず、バッチ反応器(Batch Reactor)中に揮発性オイルのイソドデカンと天然溶剤オイルのイソステアリルアルコールを入れ、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間1次混合させる(S10)。
【0129】
ここで、1.5分~2.5分間混合させる理由は、1.5分以下では混合され難いため、層分離状態となっている場合が多く、2.5分以上ではバブルが多く発生する問題があるためであり、1.5分~2.5分間混合させ、最も好ましくは2分間混合させる。
【0130】
このとき、本発明に係る揮発性オイルに天然溶剤オイルを入れて混合させ、既存アイペンシルの毒性成分を天然成分に代えたり又は混合組成にすることにより、長時間使用にも目元の皮膚にトラブルができることを防止し、使用後にも既存に比べて1.5倍~2倍の速い速度で容易にアイペンシルリムーバーで除去することができる。
【0131】
次いで、混合した揮発性オイルのイソドデカンと天然溶剤オイルのイソステアリルアルコールに、着色剤の黒色酸化鉄(CI 77499)、及び粘増剤のポリグリセリル-3ポリリシノレートを入れ、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間2次混合させる(S20)。
【0132】
ここで、30m/s~40m/sの線速度で混合する理由は、30m/s以下では着色剤の発色力が低下し、揮発性オイル、天然溶剤オイル、着色剤、粘増剤を混合時に塊のように集まる問題点があり、40m/s以上では外観色と塗布色に相違が発生し、内部温度が50度以上になれば変質する問題点が発生するためであり、30m/s~40m/sの線速度で混合することが最も好ましい。
【0133】
次いで、バルキング剤のタルク、及び界面活性剤のポリグリセリル-2トリイソステアレートを3次混合して入れた後、83℃~87℃に加熱する(S30)。
【0134】
次いで、83℃~87℃の温度に達すると、被膜形成剤のうちポリエチレン及びポリイソブテンを添加し、25m/s~30m/sの線速度で1.5分~2.5分間4次混合させる(S40)。
【0135】
ここで、25m/s~30m/sの線速度で混合する理由は、25m/s以下では、揮発性オイル、天然溶剤オイル、着色剤、粘増剤に被膜形成剤を混合時に気泡が多く発生する問題点があり、40m/s以上では、彩度が高くなり、変色が早く起きる問題点があるであり、25m/s~30m/sの線速度で混合することが最も好ましい。
【0136】
次いで、皮膚コンディショニング剤のトリメチルシロキシシリケートを添加し、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間5次混合させる(S50)。
【0137】
この時、天然成分が含まれた皮膚コンディショニング剤が天然防水アイペンシル化粧品組成物に添加されることにより、目元の皮膚を軟らかくて健康にしながら、目元の皮膚脱落減少、柔軟性の回復を可能にすることができる。
【0138】
次いで、防腐剤のうち、グリセリルカプリレート及びヒノキチオール(hinokitiol)を添加し、30m/s~32m/sの線速度で1.5分~2.5分間6次混合させる(S60)。
【0139】
ここで、本発明では、防腐剤に羅漢柏抽出物であるヒノキチオール(hinokitiol)、モクレン抽出物であるマグノロール(magnolol)、グレープフルーツ抽出物であるDF-100からなる天然防腐剤が含まれることにより、既存の製品と比較した時、化粧品の鮮度及び流通期間を延長させ、抗ウイルス、抗カビ作用、無毒性、坑菌及び抗酸化作用はそのまま維持しながら、既存製品に比べて目元の皮膚と眼に発生するトラブル又は疾患を最小化させている。
【0140】
次いで、あらかじめ投入された黒色酸化鉄(CI 77499)と反応してミッドナイトブラック色を形成させる着色剤の二酸化チタン(CI 77891)、酸化スズ(CI 77861)を添加し、30m/s~40m/sの線速度で1.5分~2.5分間7次混合させる(S70)。
【0141】
このとき、組成物の粘度を測定し、天然防水アイペンシル化粧品の粘度に合うかどうかチェックする。
【0142】
最後に、バッチ反応器を30℃に冷却し、混合を調整した後、バッチを適切な貯蔵容器に注いで天然防水アイペンシル化粧品を完成させる(S80)。
このとき、完成された天然防水アイペンシル化粧品は、リキッド形態で製造される。
【0143】
[天然防水アイペンシルの製造方法]
本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物を用いる天然防水アイペンシル化粧品の製造方法で製造された天然防水アイペンシル化粧品が完成すると、これをさらにペンシル製造装置及び方法によって天然防水アイペンシルとして完成する。
【0144】
まず、天然防水アイペンシル化粧品組成物を用いる製造方法で製造された天然防水アイペンシル化粧品を乾燥させた後、乾燥した塊りをペンシル製造装置の型に入れ、ミキシング撹拌する。
【0145】
次いで、ペンシル芯成型器から押出方式でペンシル芯を押し出す。
次いで、押し出したペンシル芯を集めて束の形態にした後、熱処理器に入れて焼く。
次いで、木板にペンシル芯の位置する溝を形成する。
次いで、溝が形成された木板と木板との間にペンシル芯を入れる。
次いで、天然防水アイペンシル形態のうち、六角形アイペンシル又は円形アイペンシルの形態に削った後に表面にラベル印刷し、天然防水アイペンシルを完成する。
このとき、完成された本発明に係る天然防水アイペンシルは、ペンシルの固形形態で製造される。
【0146】
すなわち、上品な目元にさせるかすかなパールブラックを形成させるミッドナイトブラック型天然防水アイペンシルと、瞬きする度に異なって見える魅力的なパープルネービーを形成させるシックネービー型天然防水アイペンシルと、目元がより深くて見えるようにするデイリーパールブラウンを形成させるシナモンモカ型天然防水アイペンシルと、華やかな陰影を加えるゴールドブラウンを形成させるグラムラッテ型天然防水アイペンシルと、きらきらと輝くポイントを与えるシャンパンゴールドを形成させるシャンパンゴールド型天然防水アイペンシルと、愛らしくて弱々しい感じのピッチピンクを形成させるベビーピッチ型天然防水アイペンシルと、鮮明で鮮やかに発色する無パールブラックを形成させるマットブラック型天然防水アイペンシルと、軟らかいが洗練した目元の演出のための無パールブラウンを形成させるマットブラウン型天然防水アイペンシルと、ソフトな赤みがかすかな深さを与えるレッドブラウンを形成させるチョコブラウン型天然防水アイペンシルと、かすかなパール感のバラ色を帯びる魅力的なディープなローズブラウンを形成させるダークローズ型天然防水アイペンシルと、雰囲気のある陰影メーキャップのための落ち着いた感じのトーンダウンコーラルブラウンを形成させるコーラルブリック型天然防水アイペンシルのいずれか一つが選択されて製造される。
【0147】
図4は、本発明の実施例1によるミッドナイトブラック色をなす天然防水アイペンシル化粧品組成物からなる天然防水アイペンシル化粧品と、実施例2によるシックネービー色をなす天然防水アイペンシル化粧品組成物からなる天然防水アイペンシル化粧品と、実施例3によるシャンパンゴールド色をなす天然防水アイペンシル化粧品組成物からなる天然防水アイペンシル化粧品を示す図である。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【表3】
【0151】
実施例:品質評価
イ 透明な実験容器上での防水性(ウォータープルーフ)実験
前記実施例1~3の天然防水アイペンシル化粧品組成物の水に対する防水性(ウォータープルーフ)実験した。
【0152】
透明な実験容器の表面上に、実施例1で組成した天然防水アイペンシル化粧品組成物を塗布した後、微細な水ミストを噴霧した。
これと同様に、透明な実験容器の表面上に、実施例2で組成した天然防水アイペンシル化粧品組成物を塗布した後、微細な水ミストを噴霧した。
また、透明な実験容器の表面上に、実施例3で組成した天然防水アイペンシル化粧品組成物を塗布した後、微細な水ミストを噴霧した。
【0153】
その結果、図3に示すように、既存製品では明確に滲み現象が起きたのに対し、本発明に係る天然防水アイペンシル化粧品組成物では、接触するやいなや滲むことなく凝集したり外部に流れ落ちた。
【0154】
ロ 防腐力試験
防腐力試験基準は韓国ではまだ制度的に確立していないが、海外では各国別の試験基準であるCTFAやUSP基準に従っている。
【0155】
防腐力試験は、病原性細菌菌株3種(大腸菌、緑膿菌、ブドウ状球菌)とイースト(カンジダアルビカンス)、カビ(Aspergillus niger)、そして現場検出菌(水、空気、容器など)に対してそれぞれ菌活性度を最大化させた後、10万~100万匹の菌を、防腐処方されている天然防水アイペンシル化粧品に人為的に接種させ、死滅するか否か測定する試験を行った。
【0156】
菌接種後、それぞれの菌株は、7日(CTFA)或いは14日(USP)以内に細菌は99.9%、カビイーストは90%死滅しなければならず、以降に更なる増殖があってはならない。
全試験期間は4週(28日)から菌株再接種までに総56日間とし、製品の死滅を測定した。
ここで、7日或いは14日間に初めて接種菌の死滅比率を測定することが重要であり、また再接種する理由は、次の通りである。
【0157】
死滅比率を簡単に説明すれば、朝に天然防水アイペンシル化粧品を使用した後、天然防水アイペンシル化粧品が消費者の指によって細菌に汚染されたとすれば、夕方に再び使用した時には汚染菌が製品から死滅すべきであるという基準で国際基準を定めた。
【0158】
本発明に係る実施例1、実施例2、実施例3の天然防水アイペンシル化粧品組成物で試験したとき、接種菌数が、7日以内である2日~3日以内に死滅する防腐処方の結果を得た。
【符号の説明】
【0159】
10:バッチ反応器
11:妨害板
12:円形インペラー部
13:両腕型インペラー部

【要約】      (修正有)
【課題】清々しい感じと軽い使用感を与え、速乾性により吸収が速いという感じを与えることができ、シルキーな使用感、保湿と防水持続性を既存に比べて2倍~4倍向上させることができ、展延性とボリューム性が良く、長時間使用時にも目元の皮膚にトラブルが起こることを防止し、使用後には容易にアイペンシルリムーバーで除去できる天然防水アイペンシル化粧品組成物を提供する。
【解決手段】揮発性オイル5~85wt%と、粘増剤0.7~2.1wt%と、皮膚コンディショニング剤1.2~3.5wt%と、バルキング剤0.1~0.5wt%と、界面活性剤0.5~2.5wt%と、被膜形成剤3~50wt%と、天然溶剤オイル5~40wt%と、防腐剤0.8~1.5wt%と、着色剤3~15wt%との混合物からなる天然防水アイペンシル化粧品組成物である。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4