(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】連結ブリック組立体及びその組立て方法
(51)【国際特許分類】
E01C 5/00 20060101AFI20220131BHJP
【FI】
E01C5/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019066492
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2019-09-10
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519114498
【氏名又は名称】ジン ス ピュアランド シーオー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャオ マーシャル キュー
(72)【発明者】
【氏名】シー チェン イェン
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3187268(JP,U)
【文献】特開2013-136935(JP,A)
【文献】実開平04-061107(JP,U)
【文献】特開平09-302606(JP,A)
【文献】特開2015-124584(JP,A)
【文献】特開平08-144213(JP,A)
【文献】実開平07-017279(JP,U)
【文献】登録実用新案第3145860(JP,U)
【文献】米国特許第07429144(US,B1)
【文献】特開2014-025275(JP,A)
【文献】登録実用新案第3053479(JP,U)
【文献】特開2001-011808(JP,A)
【文献】特開2004-293175(JP,A)
【文献】特開2008-099564(JP,A)
【文献】実開平01-167403(JP,U)
【文献】特開2011-106208(JP,A)
【文献】実開昭52-025436(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合溝を形成する、少なくとも1つの第1の連結ブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、少なくとも1つの第2の連結ブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、少なくとも1つの第3の連結ブリックと、
を含み、
前記第1の連結ブリックの前記横断方向係合溝のそれぞれは、横方向に摺動させることで、前記第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、下方に摺動させることで、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、
前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し、それに対応して、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、楔状溝付き部を形成し、前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの前記楔状角部は、前記鉛直方向係合溝のそれぞれの前記楔状溝付き部と係合するように用いられ
、
前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記第3の連結ブリックの前記頂面まで延在せず、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部は、前記第2の連結ブリックの前記頂面まで延在しない、連結ブリック組立体。
【請求項2】
前記連結ブリック組立体は、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうちの別の側面は、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成し、前記
鉛直方向係合突出部が形成された側面の反対側の側面は横断方向係合溝を形成する、少なくとも1つの第4の連結ブリックを更に含み、
前記第1の連結ブリックの前記横断方向係合溝のそれぞれは、横方向に摺動させることで、前記第4の連結ブリックの前記横断方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、下方に摺動させることで、前記第4の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部に係合するように用いられ、
前記第4の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部の頂面及び外側面は、楔状角部を画定し、前記第4の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部の前記楔状角部は、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれの前記楔状溝付き部に係合するように用いられ、前記第4の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部は、前記第4の連結ブリックの前記頂面まで延在しない、請求項1に記載の連結ブリック組立体。
【請求項3】
前記第4の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部の反対側にある前記側面は、横方向に延在する横断方向係合溝を形成し、前記第4の連結ブリックの前記横断方向係合溝は、横方向に摺動させることで、前記第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられる、請求項
2に記載の連結ブリック組立体。
【請求項4】
前記連結ブリック組立体は、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、横断方向係合溝と、鉛直方向係合突出部と、横断方向係合溝とを順番に形成する、少なくとも1つの一体連結ブリックを更に含み、
前記一体連結ブリックの前記横断方向係合溝のそれぞれは、横方向に摺動させることで、前記第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、下方に摺動させることで、前記一体連結
ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、
前記一体連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し、前記一体連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの前記楔状角部は、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれの前記楔状溝付き部に係合するように用いられ、前記一体連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれは、前記一体連結ブリックの前記頂面に延在しない、請求項
1に記載の連結ブリック組立体。
【請求項5】
前記鉛直方向係合突出部は、鉛直に延在する複数のダブテール突出部であり、前記鉛直方向係合溝は、鉛直に延在する複数のダブテール溝である、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項6】
前記連結ブリックのそれぞれの前記底面は、下方に延在する複数のアーチ状支持リブを形成する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項7】
前記連結ブリックのそれぞれの前記底面は、該底面まで下方に延在する複数の支持リブを形成し、該支持リブは、前記底面と同一平面にある、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項8】
前記連結ブリックのそれぞれの前記頂面は、該頂面の中心から下方かつ外方に傾斜する複数の排水斜面を形成する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項9】
前記連結ブリックのそれぞれは、該連結ブリックを前記頂面から前記底面まで貫通する複数の排水穴を形成する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項10】
前記連結ブリックのそれぞれの前記頂面は、複数の滑り止めパターンを形成する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項11】
前記連結ブリックのそれぞれは、前記側面のうちの少なくとも2つを通ってつながる少なくとも1つの貫通溝を形成し、該貫通溝は、少なくとも1つの導管を通すように設けられる、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項12】
前記連結ブリックのそれぞれは、該連結ブリックの前記頂面をくり抜いた複数の植穴を形成する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項13】
前記連結ブリックは、正方形である、請求項1~
4のいずれか1項に記載の連結ブリック組立体。
【請求項14】
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合溝を形成する、4つの第1の連結ブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、4つの第2の連結ブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、第3の連結ブリックと、
を含み、
前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し、それに対応して、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、楔状溝付き部を形成し、
前記第1の連結ブリックと前記第2の連結ブリックとは交互に係合し、前記第1の連結ブリックの隣接する横断方向係合溝は、前記第2の連結ブリックの隣接する横断方向係合突出部に係合して、3×3の配列に配置された中抜きされた四角いリングを形成し、該四角いリングの内側は、前記第2の連結ブリックの4つの鉛直方向係合突出部を有し、
前記第3の連結ブリックは、前記中抜きされた四角いリングの中心に配置され、前記第3の連結ブリックの4つの鉛直方向係合溝のそれぞれは、前記四角いリングの前記内側に面する前記第2の連結ブリックの4つの鉛直方向係合突出部のそれぞれに各個係合し、
前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの前記楔状角部は、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれの前記楔状溝付き部に係合
し、
前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記第3の連結ブリックの前記頂面まで延在せず、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部は、前記第2の連結ブリックの前記頂面まで延在しない、一体組立てブリック。
【請求項15】
請求項
14に記載の複数の前記一体組立てブリックであって、該複数の一体組立てブリックのそれぞれは、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを画定し、該側面のそれぞれは、横断方向係合溝と、鉛直方向係合突出部と、横断方向係合溝とを順番に形成する、複数の前記一体組立てブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、複数の追加の第2の連結ブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、複数の追加の第3の連結ブリックと、
を含み、
前記複数の第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部は、それぞれ、横方向に摺動させることで、前記複数の一体組立てブリックの前記横断方向係合溝に係合するように用いられ、
前記複数の第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記複数の一体組立てブリックを接続するために、下方に摺動させることで、前記複数の一体組立てブリックの前記鉛直方向係合突出部に係合するように用いられる、連結ブリック組立体。
【請求項16】
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、複数の第2の連結ブリックと、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、複数の第3の連結ブリックと、
なお、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し、それに対応して、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、楔状溝付き部を形成し、
頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、横断方向係合溝と、鉛直方向係合突出部と、横断方向係合溝とを順番に形成する、複数の一体連結ブリックと、
を含み、
前記複数の第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部は、それぞれ、横方向に摺動させることで、前記複数の一体連結ブリックの前記横断方向係合溝に係合するように用いられ、
前記複数の第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記複数の一体連結ブリックを接続するために、下方に摺動させることで、前記複数の一体連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部に係合するように用いら
れ、
前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記第3の連結ブリックの前記頂面まで延在せず、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部は、前記第2の連結ブリックの前記頂面まで延在しない、連結ブリック組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結ブリック組立体及び連結ブリック組立体の組立て方法に関する。特に、本発明は、連結ブリックを迅速かつ容易に組み立てることができる、連結ブリック組立体及び組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の連結ブリック組立体は、互いに一体的に嵌合することができる構造を有する連結ブリックを組み立てることによって形成され、それにより、利便的な運搬及び組立ての利点を得ることができる。しかしながら、従来の連結ブリックには、いまだ多くの欠点があり、例えば、重量が過大であり、組立てステップが複雑であり、また、同時に複数箇所で組み立てることができないため、組立てを誤ると、全ての部分を分離することが必要となる組立て直しにつながる。
【0003】
従来の連結ブリックは、特許文献1及び特許文献2に見ることができる。上記特許に開示されている連結ブリック又は他の従来の連結ブリックでは、組立てのための要求により、連結ブリックは非常に多くの不要な係合構造を有し、例えば、多角形の連結ブリックは、組立ての要件を満たすために、全ての面に係合構造を形成する必要がある。
【0004】
上述した従来の連結ブリックの多角形構成に起因して、その側面の面積は比較的小さいため、各側面に形成することが可能な係合構造がより小さくなることに更につながり、したがって、係合構造の強度に深刻な影響がある。係合構造がもたらす強度が十分でない場合、連結ブリック組立体を通過する歩行者又は車両によって各連結ブリックの上下の相対変位が生じる場合があり、それにより、連結ブリック組立体の平坦性が損なわれる。
【0005】
連結ブリックの係脱及び突出を防ぐために、特許文献2には弾性ラッチが付加されているものの、そのような弾性ラッチにより、連結ブリック組立体の分解、交換、又は修理には追加の道具が必要となるため、こうした作業における困難さが増す。
【0006】
さらに、従来の連結ブリックの係合構造(特に、係合凹部)は、連結ブリックの表面に開口を形成するほどの長さまで延在し、この開口は連結ブリックの頂面上に残り、連結ブリックの組立て後も開口を形成する。このような開口は、雨水の漏出を引き起こし、又は歩行中の歩行者に危険をもたらす(例えば、開口内に靴のヒールが嵌まることで転ぶ)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第7,429,144号
【文献】台湾実用新案特許第470115号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の連結ブリック組立体は、上述した従来の連結ブリックの長年の問題及び短所を解消するように意図されている。加えて、本発明は、容易かつ素早い組立ての利点を得るために、特別な構造設計を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様によれば、本発明は、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合溝を形成する、少なくとも1つの第1の連結ブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、少なくとも1つの第2の連結ブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、少なくとも1つの第3の連結ブリックとを含み、前記第1の連結ブリックの前記横断方向係合溝のそれぞれは、横方向に摺動させることで、前記第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、下方に摺動させることで、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれに係合するように用いられ、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し、それに対応して、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、楔状溝付き部を形成し、前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの前記楔状角部は、前記鉛直方向係合溝のそれぞれの前記楔状溝付き部と係合するように用いられる、連結ブリック組立体を提供する。
【0010】
本発明の別の態様によれば、本発明は、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合溝を形成する、4つの第1の連結ブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、4つの第2の連結ブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、第3の連結ブリックとを含み、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し(正:define)、それに対応して、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、楔状溝付き部を形成し、前記第1の連結ブリックと前記第2の連結ブリックとは交互に係合し、前記第1の連結ブリックの隣接する横断方向係合溝は、前記第2の連結ブリックの隣接する横断方向係合突出部に係合して、3×3の配列に配置された中抜きされた四角いリングを形成し、該四角いリングの内側は、前記第2の連結ブリックの4つの鉛直方向係合突出部を有し、前記第3の連結ブリックは、前記中抜きされた四角いリングの中心に配置され、前記第3の連結ブリックの4つの鉛直方向係合溝のそれぞれは、前記四角いリングの前記内側に面する前記第2の連結ブリックの4つの鉛直方向係合突出部のそれぞれに各個係合し、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの前記楔状角部は、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれの前記楔状溝付き部に係合する、一体組立てブリックを提供する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、本発明は、複数の前記一体組立てブリックであって、該複数の一体組立てブリックのそれぞれは、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とを画定し、該側面のそれぞれは、横断方向係合溝と、鉛直方向係合突出部と、横断方向係合溝とを順番に形成する、複数の前記一体組立てブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、複数の追加の第2の連結ブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、複数の追加の第3の連結ブリックとを含み、前記複数の第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部は、それぞれ、横方向に摺動させることで、前記複数の一体組立てブリックの前記横断方向係合溝に係合するように用いられ、前記複数の第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記複数の一体組立てブリックを接続するために、下方に摺動させることで、前記複数の一体組立てブリックの前記鉛直方向係合突出部に係合するように用いられる、連結ブリック組立体を提供する。
【0012】
本発明の別の態様によれば、本発明は、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のうち2つの対向側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部を形成し、前記側面のうち他の2つの対向側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部を形成する、複数の第2の連結ブリックと、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝を形成する、複数の第3の連結ブリックと、なお、前記第2の連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部のそれぞれの頂面及び外側面は、楔状角部を画定し(正:define)、それに対応して、前記第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝のそれぞれは、楔状溝付き部を形成し、頂面と、底面と、前記頂面と前記底面との間の4つの側面とをそれぞれ有し、該側面のそれぞれは、横断方向係合溝と、鉛直方向係合突出部と、横断方向係合溝とを順番に形成する、複数の一体連結ブリックとを含み、前記複数の第2の連結ブリックの前記横断方向係合突出部は、それぞれ、横方向に摺動させることで、前記複数の一体連結ブリックの前記横断方向係合溝に係合するように用いられ、前記複数の第3の連結ブリックの前記鉛直方向係合溝は、前記複数の一体連結ブリックを接続するために、下方に摺動させることで、前記複数の一体連結ブリックの前記鉛直方向係合突出部に係合するように用いられる、連結ブリック組立体を提供する。
【0013】
当該分野の技術に精通した当業者にとって、本発明の詳細をよりよく理解し、特許請求される本発明を実施することが可能であるように、実施形態に関する詳細な説明が図面とともに提供される。この説明は、本発明の好ましい実施形態を説明するだけの役目を果たし、本発明に対し何らの制限も課さない。本発明の同じ趣旨内で行われる何らかの変更又は変形は、本発明の保護範囲内に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体の上面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体の第1の連結ブリックの斜視図である。
【
図2A】
図2に示されている第1の連結ブリックの上面図である。
【
図2B】
図2に示されている第1の連結ブリックの4つの側面のうちの1つを示す側面図である。
【
図2C】
図2に示されている第1の連結ブリックの底面図である。
【
図2D】
図2Aの線A-Aに沿った第1の連結ブリックの対角断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体の第2の連結ブリックの斜視図である。
【
図3A】
図3に示されている第2の連結ブリックの上面図である。
【
図3B】
図3に示されている第2の連結ブリックの2つの対向側面のうちの一方を示す側面図である。
【
図3C】
図3に示されている第2の連結ブリックの2つの対向側面のうちの他方を示す側面図である。
【
図3D】
図3に示されている第2の連結ブリックの底面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体の第3の連結ブリックの斜視図である。
【
図4A】
図4に示されている第3の連結ブリックの上面図である。
【
図4B】
図4に示されている第3の連結ブリックの2つの対向側面のうちの一方を示す側面図である。
【
図4C】
図4に示されている第3の連結ブリックの2つの対向側面のうちの他方を示す側面図である。
【
図4D】
図4に示されている第3の連結ブリックの底面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体の第4の連結ブリックの斜視図である。
【
図5A】
図5に示されている第4の連結ブリックの上面図である。
【
図5B】
図5に示されている第4の連結ブリックの側面を示す側面図である。
【
図5C】
図5に示されている第4の連結ブリックの他の2つの対向側面のうちの一方を示す側面図である。
【
図5D】
図5に示されている第4の連結ブリックの底面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体の一体組立てブリックの斜視図である。
【
図6A】
図6に示されている一体組立てブリックの上面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る連結ブリック組立体の一体連結ブリックの斜視図である。
【
図7A】
図7に示されている一体連結ブリックの上面図である。
【
図8】本発明の連結ブリックの一部の滑り止めパターンを示す側面図である。
【
図8A】本発明の連結ブリックの一部の滑り止めパターンを示す拡大図である。
【
図9】本発明の複数の植穴を有する連結ブリック組立体を示す図である。
【
図10】本発明の複数の植穴を有する第1の連結ブリックを示す図である。
【
図11】本発明の複数の植穴を有する第2の連結ブリックを示す図である。
【
図12】本発明の複数の植穴を有する第3の連結ブリックを示す図である。
【
図13】本発明の複数の植穴を有する第4の連結ブリックを示す図である。
【
図14】本発明の複数の植穴を有する一体組立てブリックを示す図である。
【
図15】複数の支持リブが連結ブリックの底面まで下方に延在し、底面と同一平面にある、第1の連結ブリックを示す図である。
【
図16】複数の支持リブが連結ブリックの底面まで下方に延在し、底面と同一平面にある、第2の連結ブリックを示す図である。
【
図17】複数の支持リブが連結ブリックの底面まで下方に延在し、底面と同一平面にある、第3の連結ブリックを示す図である。
【
図18】複数の支持リブが連結ブリックの底面まで下方に延在し、底面と同一平面にある、第4の連結ブリックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る連結ブリック組立体3を示している。
【0016】
本発明の連結ブリック組立体3は、少なくとも1つの第1の連結ブリック31と、少なくとも(正:at least)1つの第2の連結ブリック32と、少なくとも1つの第3の連結ブリック33とを含む。
【0017】
図2、
図2A、
図2B、
図2C、及び
図2Dに示されているように、第1の連結ブリック31は、頂面311と、底面312と、頂面311と底面312との間の4つの側面313、314、315、316とを有する。側面のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合溝3131、3141、3151、3161を形成し、横断方向係合溝3131、3141、3151、3161は、実質的に水平かつ横方向に延在する。
【0018】
図3、
図3A、
図3B、
図3C、及び
図3Dに示されているように、第2の連結ブリック32は、頂面321と、底面322と、頂面321と底面322との間の4つの側面323、324、325、326とを有する。側面のうち2つの対向側面323、325のそれぞれは、横方向に延在する横断方向係合突出部3231、3251を形成し、側面のうち他の2つの対向側面324、326のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部3241、3261を形成する。横断方向係合突出部3231、3251は、実質的に水平かつ横方向に延在し、鉛直方向係合突出部3241、3261は、実質的に、対応する側面324、326に対して垂直の方向に延在する。
【0019】
図4、
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4Dに示されているように、第3の連結ブリック33は、頂面331と、底面332と、頂面331と底面332との間の4つの側面333、334、335、336とを有する。側面のそれぞれは、鉛直に延在する鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361を形成し、鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、対応する側面に対して垂直の方向に、内方に延在することが好ましい。
【0020】
加えて、
図4、
図4A、及び
図4Cに示されているように、第3の連結ブリック33の少なくとも2つの対向側面333、335のそれぞれは、少なくとも、第3の連結ブリック33の頂面333及び側面333、335によって画定される凹部3332、3352を更に有する。凹部3332、3352は、好ましくは細長い形状を有し、第3の連結ブリック33を持ち上げるための道具を挿入するのに好適であるように構成される。
【0021】
上記実施形態では、第1の連結ブリック31の横断方向係合溝3131、3141、3151、3161のそれぞれは、横方向に摺動させることで、第2の連結ブリック32の横断方向係合突出部3231、3251のそれぞれに係合する。鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれは、上から下への摺動によって、第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれに係合する。
【0022】
さらに、
図3Bに示されているように、第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれの頂面32411、32611(第2の連結ブリック32の頂面321に最も近い)は、傾斜が付けられ、鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれの外側面32412、32612とともに、楔状角部32Eを画定する。それに対応して、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれは、楔状溝付き部33Eを形成する。第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれの楔状角部32Eは、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれの楔状溝付き部33Eと係合するように用いられる。鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれは、上から下に鉛直方向に、鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれと係合することが好ましい。
【0023】
本発明の上述の実施形態では、第1の連結ブリック31、第2の連結ブリック32、及び第3の連結ブリック33の係合構造(横断方向係合突出部、横断方向係合溝、鉛直方向係合突出部、及び鉛直方向係合溝)を用いて、連結ブリックのそれぞれの間の相互係止が達成される。特に、鉛直方向及び横方向(水平方向)における係合構造の相互係止を用いることで、連結ブリック組立体の組立てがより容易かつ素早くなる。したがって、使用者は、要求に応じて、第1の連結ブリック31、第2の連結ブリック32、及び第3の連結ブリック33の数量を選び、それらを組み立てることで、連結ブリック組立体3の所望の構造を得ることができる。
【0024】
特許文献1に開示されている従来の連結ブリックの係合構造は、鉛直方向の係合部であり、係合構造の雌部が、連結ブリックをその頂面まで貫通している。したがって、車両又は歩行者が従来の連結ブリックを通る際、従来の連結ブリック組立体の連結ブリックのそれぞれは、鉛直方向の相対変位を生じ、それにより、連結ブリックは平坦でなくなり、更には連結ブリックが互いに分離することにもつながる。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態において、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、第3の連結ブリック33の頂面331まで延在しない(
図4、
図4B、及び
図4Cに示されている)。第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241、3261は、第2の連結ブリック32の頂面321まで延在しない(
図3及び
図3Bに示されている)。この特徴に起因して、車両又は歩行者が本発明の連結ブリック組立体3を通る場合に、頂面まで延在しない連結ブリック組立体3の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361及び鉛直方向係合突出部3241、3261は、連結ブリックのそれぞれが上下に相対変位すること及び互いに分離することを防止する効果を有する。
【0026】
加えて、
図3Bに示されているように、鉛直方向係合突出部3241、3261の底面32413、32613は、第2の連結ブリック32の底面322まで延在し、好ましくは、底面32413、32613は、第2の連結ブリック32の底面322と同一平面にある。
【0027】
他の可能な実施形態において、第2の連結ブリック32の横断方向係合突出部3231、3251は、側面323、325から外方に徐々に拡大し、切頭三角柱又は切頭三角錐等の形態をなして突出するように構成される。
【0028】
本発明の実施形態のうちのいくつかにおける連結ブリック組立体の鉛直方向係合突出部3241、3261及び鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、高強度を有する係合をもたらすように特別に設計された構造であると同時に、連結ブリックの頂面321、331まで延在することを回避する構造である。
【0029】
本発明の実施形態では、第3の連結ブリック33は、いわゆるキーストーンとしての役目を果たし、特に、第2の連結ブリック32(又は後述する第4の連結ブリック32)を横方向に摺動して第1の連結ブリック31に係合した後に、係止することが意図されている。
【0030】
第3の連結ブリック33により、使用者は、4つの第1の連結ブリック31及び4つの第2の連結ブリック32をまず組み付けて、その後、第3の連結ブリック33を用いて、第3の連結ブリック33を上から下に摺動させることで第2の連結ブリック32に係合させ、
図6及び
図6Aに示されているような一体組立てブリック4を形成することができる。
【0031】
詳細には、使用者は、第1の連結ブリック31の隣接する横断方向係合溝3131、3141、3151、3161が第2の連結ブリックの隣接する横断方向係合突出部3231、3251に係合するように、4つの第1の連結ブリック31と4つの第2の連結ブリック32とを交互に係合させることで、3×3の配列で配置された中抜きされた四角いリングを形成することができる。四角いリングの内側は、第2の連結ブリック32の4つの鉛直方向係合突出部3241、3261を有する。次いで、下方に摺動させることで、使用者は、中抜きされた四角いリングの中心に第3の連結ブリック33を配置し、第3の連結ブリック33の4つの鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれを、四角いリングの内側に面する第2の連結ブリック32の4つの鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれに各個係合させ、第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241、3261のそれぞれの楔状角部32Eを、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれの楔状溝付き部33Eに係合させることで、一体組立てブリック4を形成する。
【0032】
図6及び
図6Aに示されているように、一体組立てブリック4は、それぞれ、頂面41と、底面42と、頂面41と底面42との間の4つの側面43、44、45、46とを画定する。側面のそれぞれは、横断方向係合溝3131、3141、3151、3161と、鉛直方向係合突出部3241、3261、3261、3241と、横断方向係合溝3131、3141、3151、3161とを順番に形成する。
【0033】
図6及び
図6Aに示されている本発明の一体組立てブリック4を参照すると、一体組立てブリックは、連結ブリック31、32、33の組立てによって形成された連結ブリック組立体3の基本ユニットとして画定される。単位面積あたりの連結ブリックの重量を考慮すると、連結ブリックがより多くの辺を有する形状であるほど(例えば、五角形、六角形、又はそれより多くの辺を有する形状等)、その辺に隣接する連結ブリックが係合のためにより多く必要となるため、係合に必要な連結ブリックがより少なくなるように、同様のサイズの連結ブリックで、より少ない辺を有する(例えば、四辺形)方が好ましい。
【0034】
図5、
図5A、
図5B、
図5C、及び
図5Dに示されているように、本発明の連結ブリック組立体3は、頂面341と、底面342と、頂面341と下面342との間の4つの側面343、344、345、346とを有する少なくとも1つの第4の連結ブリック34を更に含む。側面のうち2つの対向側面343、345のそれぞれは、実質的に水平に延在する横断方向係合突出部3431、3451を形成し、側面344、346のうちの別の側面344は、鉛直に延在する鉛直方向係合突出部3441を形成する
。
【0035】
本発明の実施形態では、第1の連結ブリック31の横断方向係合溝3131、3141、3151、3161のそれぞれは、横方向に摺動させることで、第4の連結ブリック34の横断方向係合突出部3431、3451のそれぞれと係合するように用いられる。第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれは、鉛直方向に下方に摺動させることで、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441と係合するように用いられる。
【0036】
加えて、
図5Bに示されているように、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441の頂面34411(第4の連結ブリック34の頂面341に最も近い)は、傾斜が付けられ、鉛直方向係合突出部3441の外側面34412とともに、楔状角部34Eを画定する。第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441の楔状角部34Eは、鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれの楔状溝付き部33Eに係合するように用いられる。さらに、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441は、第4の連結ブリック34の頂面341まで延在しない。
【0037】
この実施形態では、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441の反対側にある側面346は、横方向に延在する横断方向係合溝3461を形成する。第4の連結ブリック34の横断方向係合溝3461は、横方向に摺動させることで、第2の連結ブリック32の横断方向係合突出部3231、3251のそれぞれに係合するように用いられる。横断方向係合溝3461は、実質的に水平に延在する。
【0038】
他の可能な実施形態において、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3431、3451は、対応する側面343、345から外方に徐々に拡大し、切頭三角柱又は切頭三角錐等の形態をなして突出するように構成される。
【0039】
他の可能な実施形態において、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441の反対側にある側面346は、横断方向係合溝3461又は他の形態の何らかの溝を有しないことも可能である。
【0040】
図1に示されているように、本発明の連結ブリック組立体3の構造による広い面積が所望される場合、上述したプロセスを繰り返し、複数の一体組立てブリック4を形成することができる。その後、複数の一体組立てブリック4は、整列されて地面に敷かれ、追加の第2の連結ブリック32及び追加の第3の連結ブリック33が、隣り合う一体組立てブリック4間に交互に配置される。さらに、追加の第2の連結ブリック32の横断方向係合突出部3231、3251は、横方向に摺動させることで、隣接する一体組立てブリック4の対応する横断方向係合溝3131、3141、3151、3161に係合し、次いで、追加の第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、下方に摺動させることで、隣接する一体組立てブリック4及び隣接する第2の連結ブリック32の対応する鉛直方向係合突出部3241、3261に係合し、所望の連結ブリック組立体3の組立てが達成される。
【0041】
上述した連結ブリック組立体の組立ての利便性及び高効率は、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361を第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241、3261に下方に係合させることに主に起因する。
【0042】
鉛直下方の摺動及び横方向の摺動を伴う本発明の係合構造に起因して、本発明の連結ブリック組立体の組立ては、舗装される地面における複数の地点で同時に進めることを可能にすることができ、したがって、本発明は、迅速な組立ての効果を有する。
【0043】
さらに、第3の連結ブリック33は、下方の摺動によって係合するため、連結ブリック組立体の組立てプロセス中に誤りが生じても、第3の連結ブリック33を持ち上げることが可能であり、それにより、既に完成された連結ブリック組立体の全ての部分を分解することなく、連結ブリック組立体の領域の或る特定の部分(複数の場合もある)を分解することができる。
【0044】
さらに、連結ブリック組立体を分解する場合、上述した技術的特徴により、複数箇所で同時に分解作業を行うことが可能であり、それにより、分解の効率を向上することができる。
【0045】
しかし、
図1に示されているように、上記方法で完成された連結ブリック組立体3の最外の周縁部は、第2の連結ブリック32の鉛直方向係合突出部3241を有し、それにより、連結ブリック組立体3の周縁部は平坦でなくなる。こうした事象を避けるために、少数の第4の連結ブリック34を、連結ブリック組立体3の外縁部に配置される第2の連結ブリック32の代わりに用いることができる。横方向に摺動させることで、隣接する第1の連結ブリック1の横断方向係合溝3131、3141、3151、3161は、第4の連結ブリック
3432の横断方向係合突出部3431、3451にそれぞれ係合する。下方に摺動させることで、隣接する第3の連結ブリック33の鉛直方向係合凹部3331、3341、3351、3361は、第4の連結ブリック
3432の鉛直方向係合突出部3441にそれぞれ係合する。加えて、第4の連結ブリック34の鉛直方向係合突出部3441の楔状角部34Eは、隣接する第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361の楔状溝付き部33Eに係合する。
【0046】
本発明の第2の実施形態では、連結ブリック組立体3は、
図7に示されているような少なくとも1つの一体連結ブリック35を更に含む。一体連結ブリック35は、頂面351と、底面352と、頂面351と底面352との間の4つの側面353、354、355、356とを有する。側面のそれぞれは、横断方向係合溝3531、3541、3551、3561と、鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562と、横断方向係合溝3533、3543、3553、3563とを順番に形成する。連結ブリック組立体3は、一体的に作製されることが好ましい。
【0047】
一体連結ブリック35の横断方向係合溝3531、3541、3551、3561のそれぞれは、横方向に摺動させることで、第2の連結ブリック32の横断方向係合突出部3231、3251のそれぞれに係合するように用いられる。加えて、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれは、下方に摺動させることで、一体連結ブリック35の鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562のそれぞれに係合するように用いられる。
【0048】
第2の連結ブリック32及び第4の連結ブリック34と同様に、一体連結ブリック35の鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562のそれぞれの頂面35321、35421、35521、35621及び外側面35322、35422、35522、35622は、楔状角部35Eを画定する。一体連結ブリック35の鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562のそれぞれの楔状角部35Eは、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれの楔状溝付き部33Eに係合するように用いられる。上述した鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361のそれぞれは、鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562のそれぞれと鉛直方向に下方に係合することが好ましい。加えて、一体連結ブリック35の鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562のそれぞれは、一体連結ブリック35の頂面351まで延在しない。
【0049】
少数の一体連結ブリック35を用いて、より広い面積を有する本発明の連結ブリック組立体3’を得ることが所望される場合、同様に、複数の一体連結ブリック35を、実質的に整列した様式で地面に敷くことができ、第2の連結ブリック32及び第3の連結ブリック33を、隣り合う一体連結ブリック35間に交互に配置する。そのとき、第2の連結ブリック32の横断方向係合突出部3231、3251は、横方向に摺動させることで、隣接する一体連結ブリック35の対応する横断方向係合溝3531、3541、3551、3561、3533、3543、3553、3563に係合し、一体連結ブリック35の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、下方に摺動させることで、隣接する一体連結ブリック35の対応する鉛直方向係合突出部3532、3542、3552、3562及び隣接する第2の連結ブリック32の対応する鉛直方向係合突出部3241、3261に係合し、所望の連結ブリック組立体3’の組立てが達成される。
【0050】
図3及び
図5を参照すると、本発明の好ましい実施形態において、連結ブリック32、34、35の鉛直方向係合突出部3241、3261、3441、3532、3542、3552、3562は、鉛直に延在する複数のダブテール突出部Gである。
図4を参照すると、第3の連結ブリック33の鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、鉛直に延在する複数のダブテール溝G’である。
【0051】
他の可能な実施形態において、鉛直方向係合突出部3241、3261、3441、3535、3542、3552、3562は、対応する側面から外方に徐々に拡大し、例えば、切頭三角柱又は切頭三角錐の形態をなすように構成することもできる。鉛直方向係合溝3331、3341、3351、3361は、対応する側面から内方に徐々に縮小し、鉛直方向係合突出部3241、3261、3441、3532、3542、3552、3562と係合するのに好適となるように構成することもできる。
【0052】
図2C、
図3D、
図4D、及び
図5Dを参照すると、好ましい一実施形態において、連結ブリック31、32、33、34、35のそれぞれの底面312、322、332、342、352は、下方に延在する複数の支持リブHを形成する。本発明の連結ブリック32の対角断面図である
図2Dを参照すると、好ましい一実施形態における連結ブリック31、32、33、34、35の支持リブHは、アーチ状である。
【0053】
本発明の好ましい実施形態における支持リブHは、アーチ状であることから、連結ブリックによりよい支持を与えるとともに、連結ブリックの強度を向上することができることが特筆される。
【0054】
図15~
図18を更に参照すると、より好ましい実施形態において、連結ブリック31、32、33、34の複数の支持リブH’は、底面312、322、332、342まで下方に延在し、それにより、底面312、322、332、342と同一平面にある。上記支持リブH’の構造は、連結ブリックの剛性を向上させるとともに、連結ブリック31、32、33、34に加わる力を地面に均一に分散させることができ、したがって、支持及び安定性に関してよりよい能力を有する連結ブリックを提供する。
【0055】
他の可能な実施形態において、複数の支持リブHは、連結ブリックの底面312、322、332、342、352の各角部から中心まで延在し、底面312、322、332、342、352の或る角部から対角部まで連続的に延在することもできる。
【0056】
図2Aを参照すると、好ましい一実施形態において、連結ブリック31、32、33、34、35のそれぞれの頂面311、321、331、341、351は、頂面311、321、331、341、351の中心から下方かつ外方(
図2Aに示されている矢印によって示される方向)に傾斜する複数の排水斜面Iをそれぞれ形成する。
図8に示されているように、排水斜面Iは、排水勾配を有し、雨が降ると、排水斜面Iは、連結ブリック31、32、33、34、35の頂面の縁部へと雨水を迅速に流し、円滑な排水効果を達成することができる。
【0057】
本発明の好ましい一実施形態において、排水斜面Iは、連結ブリックの頂面の対角線によって画定される4つの三角形のそれぞれとすることができる。三角形のそれぞれは、連結ブリックの頂面の中心における頂点を形成するように構成され、
図2Aの矢印によって示される方向に、下方かつ外方に傾いている。
【0058】
図面において、各連結ブリックの頂面311、321、331、341、351における対角線は、各排水斜面Iの交線の稜線を示している。この線は、本発明の好ましい一実施形態における排水斜面Iの形状を示すように意図されているが、本発明の連結ブリックの構造に限定されるべきではない。すなわち、本発明の連結ブリックの頂面は、排水を向上する目的を果たすことができる他の形状の排水斜面とすることもできる。
【0059】
図2~
図7を参照すると、好ましい一実施形態において、連結ブリック31、32、33、34、35のそれぞれは、連結ブリックを頂面から底面まで貫通する複数の排水穴Jをそれぞれ形成している。排水穴Jは、異なる形状、例えば、円形、矩形、三角形、多角形の形状を有することができる。他の可能な実施形態において、排水穴Jが連結ブリックの頂面の外側表面において貫通している面積は、排水穴Jがその頂面の内側表面において貫通している面積よりも好ましくは小さい(大きい場合もある)。
【0060】
図2~
図7を更に参照すると、連結ブリック31、32、33、34、35のそれぞれの頂面311、321、331、341、351は、複数の滑り止めパターンKを形成している。
【0061】
図8は、滑り止めパターンKを有する連結ブリックの一部の側面図を示している。滑り止めパターンKは、連結ブリックの頂面上に、少なくとも破線で示されるような或る高さを有する。しかしながら、他の可能な実施形態において、滑り止めパターンKは、頂面から下方に延在する或る深さを有するパターンとすることもできる。
【0062】
図8Aは、滑り止めパターンKの拡大図を示している。しかしながら、他の可能な実施形態において、滑り止めパターンKは、他の形状又は異なる配置を有することもできる。
【0063】
図2~
図6及び
図14を参照すると、連結ブリック31、32、33、34、35のそれぞれは、側面のうちの少なくとも2つを通ってつながる少なくとも1つの貫通溝Lを形成している。貫通溝Lは、少なくとも1つの導管を通すように設けられる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態において、貫通溝Lの断面は、導管を通すのに好適な任意の形状(例えば、アーチ形状)とすることができる。
【0065】
好ましい一実施形態において、貫通溝Lは、連結ブリックの側面にある連結ブリックの横断方向係合溝及び横断方向係合突出部まで延在しないことが特筆される。加えて、貫通溝Lは、鉛直方向係合突出部を貫通するが、この鉛直方向係合部のいずれの部分も越えて広がることはない。さらに、貫通(正:through)溝Lは、連結ブリックの底面まで延在することが好ましい。
【0066】
図2C、
図3D、
図4D、及び
図5Dを参照すると、連結ブリック31、32、33、34の上記構造の配置は、連結ブリック31、32、33、34のそれぞれの、地面に接触する底面の面積をより大きくし、連結ブリック組立体の強度及び安定性を増大させることができる。
【0067】
図9~
図14は、連結ブリック31、32、33、34及び一体組立てブリック4に植穴Mが配された実施形態を示している。連結ブリック31’、32’、33’、34’及び一体組立てブリック4’のそれぞれは、ブリックの頂面をくり抜いた複数の植穴Mを形成している。
図9~
図14に示されているように、植穴Mを有する連結ブリック31’、32’、33’、34’及び一体組立てブリック4’は、上述した連結ブリック及び一体組立てブリックと実質的に同じ構造を有する。同様に、図面には示されていないが、一体連結ブリック35も植穴Mを有することができる。
【0068】
本発明の好ましい一実施形態において、各連結ブリックは、4つの植穴Mを有し、4つの植穴Mのそれぞれは、頂面の対角線によって画定される4つの三角形領域のそれぞれに位置する。加えて、支持リブHが対角線に沿って延在する。
【0069】
本発明の好ましい一実施形態において、連結ブリック31、32、33、34、35は、正方形である。加えて、連結ブリックのそれぞれは、同じサイズであり、それにより、連結ブリック組立体の組立てプロセス中に互いに好適に合致することができる。
【0070】
さらに、本発明の好ましい一実施形態において、連結ブリック31、32、33、34、35は、好ましくはプラスチック製、特にリサイクルプラスチック(例えば、プラスチック袋、プラスチック容器)製であり、したがって、環境に優しいという利点がある。
【0071】
上述した実施形態は、本発明の趣旨に基づく軽微な変更を行うことができる。しかし、本発明は、本発明の趣旨に基づく軽微な変更を伴う場合も保護範囲内にあるものとみなされるべきである。さらに、上記説明は、詳述のためにのみ意図され、本発明を限定はしない。