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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】組立式収納棚およびその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/04 20060101AFI20220131BHJP
   A47B 45/00 20060101ALI20220131BHJP
   A47B 87/02 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A47B47/04 B
A47B45/00
A47B87/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019215399
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2021083755
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2020-07-03
(73)【特許権者】
【識別番号】520242182
【氏名又は名称】株式会社倉田裕之建築・計画事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】倉田 裕之
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04153311(US,A)
【文献】登録実用新案第3089559(JP,U)
【文献】米国特許第06615999(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0309464(US,A1)
【文献】特開2004-248947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 47/00-55/06
A47F 5/10
E04F 19/08
F16B 12/12
日本意匠分類 D6-513
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両端に縦板を有し、この左右両端の縦板間にさらに複数の縦板を有し、これらの縦板と、複数の横板を組み合わせることで方形状の収納部が縦横に配設され、壁面に添設して使用する組立式収納棚であって、中央部の左右一対の縦板間のみに背板及び底板が設けられていることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項2】
複数の縦板と、複数の横板を組み合わせることで方形状の収納部が縦横に配設され、壁面に添設して使用する組立式収納棚であって、前記縦板は左右両端に各1枚設けられ、この左右両端の縦板間に、さらに複数の縦板が設けられ、中央部の向かい合う左右一対の縦板間のみに背板及び底板が設けられていることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の組立式収納棚において、前記中央部の左右一対の縦板の正面側には前記横板を嵌め込むための溝が所定間隔で設けられ、さらに他の縦板の正面側には前記横板を嵌め込む溝が所定間隔で設けられ、また、前記横板の背面側には前記中央部の左右一対の縦板及び他の縦板を嵌め込む溝が所定間隔で設けられていることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項4】
請求項1~いずれか1項に記載の組立式収納棚において、この収納棚は上方にH型金具を介して縦板と横板を組み合わせて方形状の収納部が横に配設された一段若しくは複数段の補助棚が連設されていることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項5】
請求項記載の組立式収納棚において、前記H型金具は、この収納棚の前記縦板と補助棚の縦板とを連結するものであり、前記収納棚の縦板及び前記補助棚の縦板の左右両側に添設される垂直板間に前記収納棚の縦板の上端と前記補助棚の縦板の下端とで挟持される水平板が連設された構成であることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項6】
請求項4,5いずれか1項に記載の組立式収納棚において、前記H型金具は金属製であることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項7】
請求項1~いずれか1項に記載の組立式収納棚において、縦板、横板、背板及び底板が木製であることを特徴とする組立式収納棚。
【請求項8】
左右両端に縦板を有し、この左右両端の縦板間にさらに複数の縦板を有し、これらの縦板と、複数の横板を組み合わせることで方形状の収納部が縦横に配設され、壁面に添設して使用する組立式収納棚の組み立て方法であって、設置面上で中央部を構成する左右一対の前記縦板間に背板及び底板を設けて縦1列の枠を形成し、続いて、この枠を起こし該枠に前記複数の横板を正面から設け、続いて、この枠に設けられた前記横板に裏面から前記各縦板を設けることを特徴とする組立式収納棚の組み立て方法。
【請求項9】
請求項記載の組立式収納棚の組み立て方法において、前記枠の左右一対の縦板の正面側には前記横板を嵌め込むための溝が所定間隔で設けられ、さらに他の縦板の正面側には前記横板を嵌め込む溝が所定間隔で設けられ、また、前記横板の背面側には前記枠の左右一対の縦板及び他の縦板を嵌め込む溝が所定間隔で設けられ、前記縦板と横板とは前記溝により嵌合して組み付けられるものであることを特徴とする組立式収納棚の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面に添設して使用する組立式収納棚およびその組み立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、これまでに図8に図示したような、板30を溝31にはめ込むことで方形状の収納部32を縦横に設け、壁面に添設して使用する組立式収納棚を提案している(非特許文献1、以下「従来例」という。)。この従来例は四隅の収納部32に斜め板33を配することで、横方向からの荷重強度を上げている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「margherita 建築設計事務所がデザインする収納家具」ホームページ:margherita.jp/shelf/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例は横方向からの荷重に対して強度が不十分であり、また斜め板33を配した収納部32には物を入れることができず、それだけ収納スペースが小さくなるという欠点があった。
【0005】
また、従来例は、組み立てに際し、床面である程度、縦横に板30を嵌め込んで組み立てたあと、寝かせた状態から引き起こして壁面に添設させることになり、この引き起こす工程が厄介なため、安全面を考慮するとこの引き起こし作業には2名以上が必要であった。
【0006】
本発明は、中央部のみに背板および底板を設けることで、上述した横方向から荷重強度を確保し、また前記斜め板がない分、収納スペースが広がり、さらに中央部に背板および底板を有する一列を予め構成し、起立状態としたのち縦板、横板を組むことができるため、1名での組み立て作業が可能となる画期的な組立式収納棚及びその組み立て方法に係るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
左右両端に縦板1を有し、この左右両端の縦板1間にさらに複数の縦板1cを有し、これらの縦板1と、複数の横板2を組み合わせることで方形状の収納部3が縦横に配設され、壁面に添設して使用する組立式収納棚であって、中央部の左右一対の縦板1a,1b間のみに背板4及び底板5が設けられていることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0009】
また、複数の縦板1と、複数の横板2を組み合わせることで方形状の収納部3が縦横に配設され、壁面に添設して使用する組立式収納棚であって、前記縦板1は左右両端に各1枚設けられ、この左右両端の縦板1間に、さらに複数の縦板1が設けられ、中央部の向かい合う左右一対の縦板1a,1b間のみに背板4及び底板5が設けられていることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の組立式収納棚において、前記中央部の左右一対の縦板1a,1bの正面側には前記横板2を嵌め込むための溝6が所定間隔で設けられ、さらに他の縦板1cの正面側には前記横板2を嵌め込む溝6が所定間隔で設けられ、また、前記横板2の背面側には前記中央部の左右一対の縦板1a,1b及び他の縦板1cを嵌め込む溝7が所定間隔で設けられていることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0011】
また、請求項1~いずれか1項に記載の組立式収納棚において、この収納棚は上方にH型金具10を介して縦板8と横板9を組み合わせて方形状の収納部11が横に配設された一段若しくは複数段の補助棚12が連設されていることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0012】
また、請求項記載の組立式収納棚において、前記H型金具10は、この収納棚の前記縦板1と補助棚の縦板8とを連結するものであり、前記収納棚の縦板1及び前記補助棚の縦板8の左右両側に添設される垂直板間13に前記収納棚の縦板1の上端と前記補助棚の縦板8の下端とで挟持される水平板14が連設された構成であることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0013】
また、請求項4,5いずれか1項に記載の組立式収納棚において、前記H型金具10は金属製であることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0014】
また、請求項1~いずれか1項に記載の組立式収納棚において、縦板1、横板2、背板4及び底板5が木製であることを特徴とする組立式収納棚に係るものである。
【0015】
また、左右両端に縦板1を有し、この左右両端の縦板1間にさらに複数の縦板1cを有し、これらの縦板1と、複数の横板2を組み合わせることで方形状の収納部3が縦横に配設され、壁面に添設して使用する組立式収納棚の組み立て方法であって、設置面上で中央部を構成する左右一対の前記縦板1a,1b間に背板4及び底板5を設けて縦1列の枠Aを形成し、続いて、この枠Aを起こし該枠Aに前記複数の横板2を正面から設け、続いて、この枠Aに設けられた前記横板2に裏面から前記各縦板1を設けることを特徴とする組立式収納棚の組み立て方法に係るものである。
【0016】
また、請求項記載の組立式収納棚の組み立て方法において、前記枠Aの左右一対の縦板1a,1bの正面側には前記横板2を嵌め込むための溝6が所定間隔で設けられ、さらに他の縦板1cの正面側には前記横板2を嵌め込む溝6が所定間隔で設けられ、また、前記横板2の背面側には前記枠Aの左右一対の縦板1a,1b及び他の縦板1cを嵌め込む溝7が所定間隔で設けられ、前記縦板1と横板2とは前記溝6,7により嵌合して組み付けられるものであることを特徴とする組立式収納棚の組み立て方法に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、横方向からの荷重に対する脆弱性が大幅に改善され、十分な収納スペースを有し、組み立てが容易である画期的な組立式収納棚及びその組み立て方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1における横板の嵌め込み方を示す斜視図である。
図2】実施例1において、中央部に横板を嵌め込んだ組み立て段階を示す斜視図である。
図3】実施例1における縦板の嵌め込み方を示す斜視図である。
図4】実施例1における収納棚の上方に補助棚をH型金具を用いて連設する状態の斜視図である。
図5】実施例1における収納棚の上方に補助棚をH型金具を用いて連設した状態の要部の断面図である。
図6】実施例1の斜視図である。
図7】実施例2の斜視図である。
図8】従来例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
本収納棚は、複数の縦板1および横板2が縦横に配設されるため、各収納部3に収納物、例えば本などを収納することが可能となる。
【0021】
また、本収納棚は、中央部の左右の縦板1a,1b間に背板4及び底板5が設けられているため、横方向からの荷重強度が十分確保されることになる。
【実施例1】
【0022】
本発明の具体的な実施例1について図1~6をもとに以下に説明する。
【0023】
実施例1は、複数の縦板1と横板2を組み合わせることで方形状の収納部3が縦横に配設され、壁面に添設される組立式収納棚であって、中央部の左右の縦板1a,1b間のみに背板4及び底板5が設けられている組立式収納棚である。
【0024】
この収納棚は、6枚の木製縦板1、6枚の木製横板2及び2枚の木製側板15によって構成され、49個の収納部3を有している。縦板1は一番下の横板2から下方へ突出した状態、また、一番上の横板2から上方へ突出した状態となっている。
【0025】
この収納棚は、中央部の左右の縦板1a,1bの正面側には前記横板2を嵌め込むための溝6が約40センチ間隔で6箇所設けられ、さらに他の縦板1cの正面側には前記横板2を嵌め込む溝6が約40センチ間隔で6箇所設けられ、また、前記横板2の背面側には前記中央部の左右の縦板2及び他の縦板1cを嵌め込む溝7が約40センチ間隔で6箇所設けられている。
【0026】
この収納棚は上方に、H型金具10を介して縦板8と横板9を組み合わせ方形状の収納部11が横に7個配設された補助棚12を連設することができる。図4は1段の補助棚12を連設する場合である。
【0027】
前記H型金具10は、金属製であり、図5に図示したように、この収納棚の前記縦板1と前記補助棚の縦板8とを連結するものであり、前記各縦板1,8の左右両側に添設される垂直板13間に前記各縦板1の上端と前記縦板8の下端に挟持される水平板14が連設された構成である。したがって、前記H型金具10はこの収納棚の場合7個必要である。
【0028】
この収納棚は壁面16に適宜な手段、たとえばL字型金具及びビスなどで止着される。
【0029】
なお、収納部3には、本など適宜なものを収納する。
【0030】
また、この収納棚と同構造の収納棚を左右に連設すれば幅が2倍の収納棚となる。
【0031】
以下にこの収納棚の組立て方を説明する。
【0032】
(1) 箱詰めされている縦板1、横板2、側板15、背板4及び底板5を箱から取り出し、床上で、中央部を構成する縦1列の枠Aを組み立て、続いてこの床上の中央部を構成する縦1列の枠Aを起立状態とする。
【0033】
(2) 正面から前記中央部の枠Aの縦板1a,1bの溝6に横板2を嵌め込み、続いて、裏面から前記横板2の溝7に縦板1を嵌め込む。
【0034】
(3) 左右の側板15を横板2にビスで固定してこの収納棚は完成する。このあと、この収納棚を壁面にビスなどで固定する。
【0035】
実施例1に係る収納棚は、上述のように構成したから、以下のような作用効果を奏する。
【0036】
中央部のみに背板4および底板5を設けた縦1列の枠Aを設けたから、横方向から荷重強度が十分確保され、また前記従来例のような斜め板33がないから、収納スペースがそれだけ広がり、さらに中央部に背板4および底板5を有する縦1列の枠Aを床上で予め組み立て、起立状態としてから縦板1、横板2を嵌め込むことができるため、従来例のように2名の作業者が必要となることはなく、1名での組み立て作業が可能となる。また上方にH型金具10を用いて補助棚を簡単に連設できるからを任意の高さの収納棚を簡易に提供できることになる。
【実施例2】
【0037】
本発明の具体的な実施例2について図7に基づいて説明する。
【0038】
実施例2は、複数の縦板1と横板2を組み合わせることで方形状の収納部3が縦横に配設され、壁面に添設される組立式収納棚であって、左右両側に位置する左右一対の縦板1a,1b間のみに背板4及び底板5が設けられている組立式収納棚である。
【0039】
実施例2は実施例1の前記中央部を構成する縦1列の枠Aを、中央部には設けず、左右両側に設けたもので、その余は実施例1と同様である。
【0040】
なお、実施例2の組み立て方は以下の通りである。
【0041】
(1) 箱詰めされている縦板1、横板2、側板15、背板4及び底板5を箱から取り出し、床上で、左右両側に位置する縦1列の枠B、枠Cを組み立て、続いてこの床上の左右両側の枠B及び枠Cを起立状態とする。
【0042】
(2) 正面から前記左右両側部の棚B、棚Cの縦板1a,1bの溝6に横板2を嵌め込み、続いて、裏面から前記横板2の溝7に縦板1を嵌め込む。
【0043】
(3) 左右の側板15を横板2にビスで固定してこの収納棚は完成する。
【0044】
実施例2に係る収納棚は、上述のように構成したから、以下のような作用効果を奏する。
【0045】
左右両端に背板4および底板5を設けた枠B及び枠Cを設けたから、横方向から荷重強度が十分確保され、また前記従来例のような斜め板33がないから、収納スペースがそれだけ広がり、さらに左右両端に背板4および底板5を有する枠B及び枠Cを床上で予め組み立て、起立状態としてから縦板1、横板2を嵌め込むことができるため、従来例のように2名の作業者が必要となることはなく、1名での組み立て作業が可能となる。また上方にH型金具10を用いて補助棚を簡単に連設できるからを任意の高さの収納棚を簡易に提供できることになる。
【符号の説明】
【0046】
A 中央部の枠
1 縦板
1a 中央部の縦板(左)
1b 中央部の縦板(右)
1c その他の縦板
2 横板
3 収納部
4 背板
5 底板
6 縦板の溝
7 横板の溝
8 補助棚の縦板
9 補助棚の横板
10 H型金具
11 補助棚の収納部
12 補助棚
13 垂直板
14 水平板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8