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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】体調管理装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20220131BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220131BHJP
   G16H 50/80 20180101ALI20220131BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220131BHJP
【FI】
G16H10/60
G06Q50/10
G16H50/80
G06Q10/10 324
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021116291
(22)【出願日】2021-07-14
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】P 2020144526
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイト「http://metell.jp/」に令和2年8月7日から掲載
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517075300
【氏名又は名称】株式会社アップリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】原 康則
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186402(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0040705(KR,A)
【文献】特開2019-208926(JP,A)
【文献】特開2019-117594(JP,A)
【文献】特開2018-109827(JP,A)
【文献】新型コロナウイルス感染予防対策として「検温レポートアプリ」の提供を開始 アプリからのワンストップ申請で体温検温報告のペーパーレス化も実現 従業員(職員)の発熱時にはプッシュ通知で労務管理担当者が即座に把握,日本,アステリア株式会社,2020年04月08日,[online],<URL:https://www.asteria.com/jp/wp-content/files_mf/1586313117pr200408_01.pdf>[検索日:2021年10月11日]
【文献】みんなの体調ノート for チーム -体温体調の管理共有,日本,株式会社ORSO,2020年05月19日,[online],<URL:http://appq.jp/app/1510549954/%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E4%BD%93%E8%AA%BF%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88-%E4%BD%93%E6%B8%A9%E4%BD%93%E8%AA%BF%E3%81%AE%E7%AE%A1%E7%90%86%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA>[検索日:2021年10月11日]
【文献】【withコロナ対応で利用急増】体温などの報告をアプリで『らくらく健康観察』 最大1000人利用の新プランをリリース 全国の保健所での利用実績から民間利用サービスに転用,日本,株式会社ヘルステック研究所,2020年08月21日,[online],<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000062387.html>[検索日:2021年10月11日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の体調情報及び識別情報を受信可能な体調受信部と、
前記識別情報に予め対応付けられた1又は複数の送信先のそれぞれに前記体調情報を送信可能な体調送信部と、
前記体調情報が体調良好であることを示す正常情報である前記利用者に、前記識別情報に予め対応付けられた前記利用者の所属先にて利用可能な所属先利用施設情報を送信可能な所属先利用施設情報送信部と、
を備える、体調管理装置。
【請求項2】
前記体調情報が体調不良であることを示す異常情報である前記利用者に所定の指示を送信可能な指示部をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記利用者における所定の行動履歴を受信可能な行動履歴受信部と、
前記行動履歴に応じた行動履歴関連情報を前記利用者の関係者に送信可能な行動履歴関連情報送信部と、
をさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記利用者の予定情報を受信可能な予定情報受信部をさらに備え、
前記体調送信部は、前記予定情報に関連する関連施設を前記送信先として前記体調情報を送信可能である、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記関連施設の端末から前記利用者の前記体調情報を要求する要求指令を受信可能な要求指令受信部をさらに備え、
前記体調送信部は、前記要求指令の送信元である前記関連施設の前記端末を前記送信先として、前記関連施設を利用予定の前記利用者に関する前記体調情報を送信可能である、請求項に記載の装置。
【請求項6】
所定の利用者に関する所定期間にわたる前記体調情報を前記識別情報に紐づけて出力可能な出力部をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記体調情報に応じた報告確認画面を生成し、前記利用者の関係者に送信可能な報告確認画面生成部をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記体調情報に応じたレポート画面を生成し、前記利用者の関係者に送信可能なレポート画面生成部をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記体調情報が体調不良であることを示す異常情報である前記利用者にイベント参加不可メッセージを送信し、前記体調情報が体調良好であることを示す正常情報である前記利用者にイベント参加用QRコードを送信可能なイベント参加判定部をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載の装置と、
前記利用者が所有する利用者端末とを含んで構成され、
前記利用者端末は、
前記体調受信部に前記体調情報及び前記識別情報を送信可能な端末側体調送信部を備える、体調管理システム。
【請求項11】
前記端末側体調送信部は、前記利用者自身と前記利用者が属するグループの構成員との前記体調情報及び前記識別情報を前記体調受信部に送信可能である、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体調管理装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの個人が所属する企業、店舗、行政組織、スポーツクラブ、スポーツチーム等の組織体においては、組織体に所属する個人のいずれかが伝染病に感染した場合、組織体に所属する他の個々人が感染した個人(患者)から伝染病を移され、伝染病の感染が拡大し得る。このような伝染病の感染拡大は、組織体に所属する個々人の健康を損ない得る。また、伝染病の感染拡大があれば、伝染病の感染が拡大した組織体が利用する施設の使用制限及び/又は停止に関する指示等を行政機関から受けて、組織体の活動が大きく制限されることもあり得る。すなわち、組織体における伝染病の感染拡大は、組織体の活動に悪影響を与え得る。
【0003】
例えば、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の発熱症状を伴い得る伝染病に関して、組織体の管理者は、これらの伝染病に感染した疑いがあるかどうかを患者の体温によって判断することがあり得る。そして、組織体の管理者は、伝染病に感染した疑いのある所属メンバーに自宅待機を指示する等の対応を行い、当該組織体における他の所属メンバーや、取引先をはじめとした当該組織体に関わりのあるメンバーに伝染病の感染が拡大することを予防する。
【0004】
組織体に所属する個々人の体調情報を所属先の組織体に送信できれば、体調情報を受信した所属先の組織体は、受信した体調情報を用いて個々のメンバーが伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0005】
体温等の体調情報を管理することに関し、例えば、受付端末から、受付を行う患者の症状に関する測定情報を取得する症状測定情報取得部と、取得した測定情報に基づいて、患者に提示する質問項目を決定する質問項目決定部と、受付端末を介して、提示した前記質問項目に対する回答内容を取得する回答情報取得部と、測定情報と前記回答内容に基づいて、当該患者の受付情報を作成し、受付リストに登録する受付情報作成部と、を備えた管理サーバが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の発明によると、患者の状態に応じて、問診内容や案内の仕方を自動的に変えることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-27364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、利用者の所属先が複数ある場合、利用者は、複数ある所属先のそれぞれに対して個別に体調情報を送信しなければならない。体調が芳しくない状況下において、複数の所属先への送信作業を強いることは、利用者にとって大きな負担であり、利用者にかかる負担軽減の点で改良の余地がある。また、体調が芳しくない状況下での当該送信作業は、利用者のヒューマンエラーによる体調情報の送信漏れにも繋がり得る。送信漏れを防ぐ仕組みを構築することで、利用者が所属する組織体の他の所属メンバーや、当該組織体に関わりのあるメンバーへの感染拡大を防止する効果を高め得る。そのため、感染拡大防止の観点からも改良の余地がある。
【0008】
本発明の目的は、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、利用者の体調情報及び識別情報を受信し、当該識別情報に予め対応付けられた1又は複数の送信先のそれぞれに体調情報を送信可能な装置を提供することによって、上記の課題を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、利用者の体調情報及び識別情報を受信可能な体調受信部と、前記識別情報に予め対応付けられた1又は複数の送信先のそれぞれに前記体調情報を送信可能な体調送信部とを備える体調管理装置を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、識別情報に利用者の所属先を予め対応付けることにより、受信した体調情報を利用者の所属先に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の送信先にも体調情報を送信可能であるため、利用者が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、複数の所属先に体調情報を漏れなく送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0012】
したがって、第1の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記体調情報が体調不良であることを示す異常情報である前記利用者に所定の指示を送信可能な指示部をさらに備える、装置を提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、体調管理装置の管理者や、所属先の担当者等が所定の指示を送信する負担を負うことなく、体調不良である利用者に所定の指示を漏れなく送信できる。したがって、第2の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明であって、前記所定の指示が前記利用者に自宅待機を指示する自宅待機指示を含み、前記自宅待機指示が送信された前記利用者に、前記自宅にて利用可能な自宅利用施設情報を送信可能な自宅利用施設情報送信部をさらに備える、装置を提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、体調管理装置の管理者や所属先の担当者等が自宅待機指示を送信する負担を負うことなく、体調不良である利用者に自宅待機指示を漏れなく送信できる。これにより、体調不良が伝染病の感染によるものである可能性がある場合、体調不良である利用者が当該利用者に関わりのあるメンバーと外出中に接触して感染が拡大することを防止しうる。さらに、体調管理装置の管理者や所属先の担当者等が自宅にて利用可能な施設の広告等の自宅利用施設情報を送信する負担を負うことなく、自宅利用施設情報を漏れなく送信できる。これにより、利用者は、自宅利用施設情報によって示される各種の施設を利用して自宅待機中の生活環境等を改善し得る。
【0017】
したがって、第3の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0018】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記体調情報が体調良好であることを示す正常情報である前記利用者に、前記識別情報に予め対応付けられた前記利用者の所属先にて利用可能な所属先利用施設情報を送信可能な所属先利用施設情報送信部をさらに備える、装置を提供する。
【0019】
第4の特徴に係る発明によれば、体調管理装置の管理者や所属先の担当者等が所属先にて利用可能な施設の広告等の所属先利用施設情報を送信する負担を負うことなく、体調良好であり所属先を訪ね得る利用者に、所属先利用施設情報を漏れなく送信できる。これにより、利用者は、所属先を訪ねたときに、所属先利用施設情報によって示される各種の施設を利用し得る。
【0020】
したがって、第4の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0021】
第5の特徴に係る発明は、第1から第4の特徴のいずれかに係る発明であって、前記利用者における所定の行動履歴を受信可能な行動履歴受信部と、前記行動履歴に応じた行動履歴関連情報を前記利用者の関係者に送信可能な行動履歴関連情報送信部と、をさらに備える、装置を提供する。
【0022】
第5の特徴に係る発明によれば、体調管理装置の管理者や所属先の担当者等が送信に関する負担を負うことなく、利用者の行動履歴に関する情報を利用者の関係者へ漏れなく送信できる。これにより、例えば、利用者が特定の行動を取ったことを通知する情報、利用者が特定の行動を取らなかったことを通知する情報等を、利用者の関係者に送信できる。
【0023】
したがって、第5の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0024】
第6の特徴に係る発明は、第1から第5の特徴のいずれかに係る発明であって、前記利用者の予定情報を受信可能な予定情報受信部をさらに備え、前記体調送信部は、前記予定情報に関連する関連施設を前記送信先として前記体調情報を送信可能である、装置を提供する。
【0025】
第6の特徴に係る発明によれば、利用者、体調管理装置の管理者、所属先の担当者等が送信に関する負担を負うことなく、利用者が訪問する予定の施設等の予定情報に関連する関連施設に体調情報を漏れなく送信できる。関連施設は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0026】
したがって、第6の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0027】
第7の特徴に係る発明は、第6の特徴に係る発明であって、前記関連施設の端末から前記利用者の前記体調情報を要求する要求指令を受信可能な要求指令受信部をさらに備え、前記体調送信部は、前記要求指令の送信元である前記関連施設の前記端末を前記送信先として、前記関連施設を利用予定の前記利用者に関する前記体調情報を送信可能である、装置を提供する。
【0028】
第7の特徴に係る発明によれば、予定情報に関連する関連施設から体調情報を要求されたときに、利用者、体調管理装置の管理者、所属先の担当者等が体調情報の送信に関する負担を負うことなく、関連施設の端末に体調情報を漏れなく送信できる。関連施設は、要求した体調情報を受信し、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0029】
したがって、第7の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0030】
第8の特徴に係る発明は、第1から第7の特徴のいずれかに係る発明であって、所定の利用者に関する所定期間にわたる前記体調情報を前記識別情報に紐づけて出力可能な出力部をさらに備える、装置を提供する。
【0031】
第8の特徴に係る発明によれば、利用者が体調情報の出力に関する負担を負うことなく、利用者に関する所定期間にわたる体調情報が出力されたものを所属先等に提供できる。所属先等は、出力された体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0032】
したがって、第8の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0033】
第9の特徴に係る発明は、第1から第8の特徴のいずれかに係る発明であって、前記体調情報に応じた報告確認画面を生成し、前記利用者の関係者に送信可能な報告確認画面生成部をさらに備える、装置を提供する。
【0034】
第9の特徴に係る発明によれば、利用者が体調情報の出力に関する負担を負うことなく、利用者に関する所定期間にわたる体調情報を一覧表示させた報告確認画面を所属先等に提供できる。所属先等は、提供された報告確認画面を用いて利用者のうち新規体調不良者、過去2週間以内の体調不良者、自宅待機者の人数やその内訳を一覧で把握できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0035】
したがって、第9の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報を効率的に把握させ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0036】
第10の特徴に係る発明は、第1から第9の特徴のいずれかに係る発明であって、前記体調情報に応じたレポート画面を生成し、前記利用者の関係者に送信可能なレポート画面生成部をさらに備える、装置を提供する。
【0037】
第10の特徴に係る発明によれば、利用者が体調情報の出力に関する負担を負うことなく、利用者に関する所定期間にわたる体調情報を視覚的に表示させたレポート画面を所属先等に提供できる。所属先等は、提供されたレポート画面を用いて利用者のうち新規体調不良者、過去2週間以内の体調不良者、自宅待機者の人数やその推移を視覚的に把握できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0038】
したがって、第10の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報を効率的に把握させ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0039】
第11の特徴に係る発明は、第1から第10の特徴のいずれかに係る発明であって、前記体調情報が体調不良であることを示す異常情報である前記利用者にイベント参加不可メッセージを送信し、前記体調情報が体調良好であることを示す正常情報である前記利用者にイベント参加用QRコード(登録商標)を送信可能なイベント参加判定部をさらに備える、装置を提供する。
【0040】
第11の特徴に係る発明によれば、体調管理装置の管理者や所属先の担当者等が所属先にて利用可能なイベントへの参加可否の判定について負担を負うことなく、体調不良である利用者に対しては参加不可メッセージを、体調良好である利用者に対してはQRコードを、漏れなく送信できる。これにより、利用者は、イベントに参加するときに、体調による参加の可否を容易に把握し得る。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0041】
したがって、第11の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、イベントの参加可否に関する情報を効率的に把握させ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置を提供できる。
【0042】
第12の特徴に係る発明は、第1から第11の特徴のいずれかに係る装置と、前記利用者が所有する利用者端末とを含んで構成され、前記利用者端末は、前記体調受信部に前記体調情報及び前記識別情報を送信可能な端末側体調送信部を備える、体調管理システムを提供する。
【0043】
第12の特徴に係る発明によれば、利用者が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、体調管理装置が利用者端末から送信された体調情報を複数の送信先に漏れなく送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0044】
したがって、第12の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得るシステムを提供できる。
【0045】
第13の特徴に係る発明は、第12の特徴に係る発明であって、前記端末側体調送信部は、前記利用者自身と前記利用者が属するグループの構成員との前記体調情報及び前記識別情報を前記体調受信部に送信可能である、システムを提供する。
【0046】
第13の特徴に係る発明によれば、利用者及び利用者が属するグループの構成員が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、体調管理装置は、利用者自身の体調情報だけでなく利用者が属するグループの構成員の体調情報をも、利用者が所属する所属先及び利用者が属するグループの構成員の所属先に一括で送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者及び利用者が属するグループの構成員が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0047】
したがって、第13の特徴に係る発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得るシステムを提供できる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置及びシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は本実施形態における体温管理システム1のハードウェア構成とソフトウェア構成を概略的に示すブロック図である。
図2図2は利用者テーブル321の一例である。
図3図3は本実施形態の体調管理装置3における体調管理処理の流れの一例を示すメインフローチャートである。
図4図4は本実施形態において利用者端末2の表示部25に表示される体調入力画面の構成例の概要を示す図である。
図5図5は本実施形態において利用者端末2の表示部25に表示される報告確認画面の構成例の概要を示す図である。
図6図6は本実施形態において利用者端末2の表示部25に表示されるレポート画面の構成例の概要を示す図である。
図7図7は本実施形態の体調管理装置3におけるイベント参加判定処理の流れの一例を示すメインフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0051】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態における体温管理システム1のハードウェア構成とソフトウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【0052】
体調管理システム1(以下、単にシステム1とも称する。)は、体調情報を入力する利用者(以下、単に利用者とも称する。)が用いる利用者端末2と、利用者端末2から受信した体調情報を送信する体調管理装置3と、利用者端末2及び体調管理装置3を通信可能に接続するネットワーク4と、を含んで構成される。
【0053】
〔利用者端末2〕
利用者端末2は、利用者端末2の動作を制御する制御部21と、制御部21のマイクロコンピューターで実行される制御プログラム等を記憶する記憶部22と、体調管理装置3と通信を行う通信部23と、体調情報等の入力を実行可能な入力部24と、体調情報入力画面等を表示可能な表示部25と、を備える。利用者端末2の種類は、特に限定されず、例えば、利用者が利用するスマートフォン、タブレット端末等が挙げられる。
【0054】
[制御部21]
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。制御部21は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部22、通信部23、入力部24及び/又は表示部25と協働することで、利用者端末2におけるソフトウェア構成の要素である端末側体調送信部211、端末側受信部212等を実現する。
【0055】
[記憶部22]
記憶部22は、データやファイルが記憶される装置であって、半導体メモリ、記録媒体、メモリカード、ハードディスク等による、データのストレージ部を有する。記憶部22は、ネットワークを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。記憶部22には、制御部21のマイクロコンピューターで実行される制御プログラム、利用者を識別可能な利用者識別情報等が記憶されている。
【0056】
[通信部23]
通信部23は、体調管理装置3その他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス、イーサネット規格に対応したネットワークカード等を有する。
【0057】
[入力部24]
入力部24の種類は、特に限定されない。入力部24として、例えば、タッチパネル、ソフトウェアキーボード、音声を認識するマイク、外部の装置から入力を受信する通信デバイス、キーボード、マウス、等が挙げられる。
【0058】
[表示部25]
表示部25の種類は、特に限定されない。表示部25として、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ(LCDディスプレイ)、有機ELディスプレイ、モニタ、プロジェクタ、等が挙げられる。
【0059】
〔体調管理装置3〕
体調管理装置3は、体調管理装置3の動作を制御する制御部31と、制御部31のマイクロコンピューターで実行される制御プログラム等を記憶する記憶部32と、利用者端末2と通信を行う通信部33と、報告確認画面生成部34と、レポート画面生成部35と、イベント参加判定部36と、を備える。
【0060】
[制御部31]
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。制御部31は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて記憶部32及び/又は通信部33と協働することで、体調管理装置3におけるソフトウェア構成の要素である体調受信部311、指示部312、体調送信部313等を実現する。
【0061】
[記憶部32]
記憶部32は、データやファイルが記憶される装置であって、半導体メモリ、ハードディスク、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を有する。記憶部32は、ネットワークを介してNAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。記憶部32には、制御部31のマイクロコンピューターで実行される制御プログラム、利用者テーブル321等が記憶されている。
【0062】
(利用者テーブル321)
図2は、利用者テーブル321の一例を示す図である。利用者テーブル321には、利用者識別情報と送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を含む送付先に関する情報とが紐付けられて記憶されている。利用者識別情報は、利用者を識別するための符号を示す。送付先に関する情報は、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を含めば特に限定されず、例えば、送付先のメールアドレス、IPアドレス等の送付先端末を識別する情報、電話番号、等を含む。
【0063】
利用者識別情報と送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を含む送付先に関する情報とを紐付けて利用者テーブル321に記憶することにより、体調管理装置3は、利用者識別情報によって識別される利用者に関する送付先に、体調情報等を送付できる。
【0064】
図2に示す例では、利用者識別情報と、送付先に関する情報として、氏名、所属先、メールアドレス及び電話番号の情報が紐付けられて記憶されている。氏名は、利用者の氏名を示す。所属先は、利用者が所属する組織体や団体の名称を示す。メールアドレスは、利用者が所属する組織体や団体のメールアドレスを示す。電話番号は、利用者が所属する組織体や団体の電話番号を示す。
【0065】
図2に示す例では、利用者識別情報「0001」と、氏名「○○ 太郎」と、所属先「株式会社○○」「○○野球チーム」「○○スポーツジム」と、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報である、所属先のそれぞれに対応するメールアドレス及び電話番号とが紐付けられて記憶されている。これらの情報が紐付けられて記憶されていることにより、体調管理装置3は、利用者端末2から受信した体調情報を利用者の所属先に送信できる。
【0066】
[通信部33]
通信部33は、体調管理装置3その他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、IEEE802.11に準拠したWi-Fi(Wireless Fidelity)対応デバイス等を有する。
【0067】
[報告確認画面生成部34]
報告確認画面生成部34は、体調情報に応じた報告確認画面500を生成し、利用者の関係者に送信する。
【0068】
(報告確認画面500)
図5は、報告確認画面500の一例を示す図である。報告確認画面500には、体調情報表示領域510が含まれる。体調情報表示領域510は、体調情報を送信した利用者の体調情報を一覧的に表示させる。なお、報告確認画面500は、管理者が見ることができる。
【0069】
例えば、レポート表示領域610は、体調不良である利用者を「新着体調不良報告者」と「2週間以内体調不良報告者」と「自宅待機者」と3種類の属性に仕分けを行って、各属性に含まれる利用者の利用者識別情報および体調情報等を一覧表示させる。
【0070】
体調情報を送信した利用者の体調に応じて複数の属性に仕分けを行い一覧的に表示させることにより、体調管理装置3は、所属先等に利用者のうち新規体調不良者、過去2週間以内の体調不良者、自宅待機者の人数やその内訳を一覧で把握させることができる。
【0071】
[レポート画面生成部35]
レポート画面生成部35は、体調情報に応じたレポート画面600を生成し、利用者の関係者に送信する。
【0072】
(レポート画面600)
図6は、レポート画面600の一例を示す図である。レポート画面600には、レポート表示領域610が含まれる。レポート表示領域610は、体調情報を送信した利用者の体調の状況をカレンダー表示やグラフ表示等の視覚的処理を行って表示させる。なお、レポート画面600は、管理者が見ることができる。
【0073】
例えば、レポート表示領域610は、体調不良である利用者を「新着体調不良報告者」と「2週間以内体調不良報告者」と「自宅待機者」と3種類の属性に仕分けを行って、各属性に含まれる利用者の人数および現在の属性等を視覚的に表示させる。
【0074】
体調情報を送信した利用者の体調に応じてカレンダーやグラフ等で視覚的に表示させることにより、体調管理装置3は、所属先等に利用者のうち新規体調不良者、過去2週間以内の体調不良者、自宅待機者の人数やその推移を容易に把握させることができる。
【0075】
[イベント参加判定部36]
体調情報が体調不良であることを示す異常情報である利用者にイベント参加不可メッセージを送信し、体調情報が体調良好であることを示す正常情報である利用者にイベント参加用QRコードを送信する。
【0076】
〔体調管理装置3で実行される体調管理処理のメインフローチャート〕
図3は、本実施形態における体調管理処理の手順を示すメインフローチャートの一例である。以下では、図3を参照しながら、体調管理装置3が行う体調管理処理の好ましい手順について説明する。
【0077】
[ステップS1:体調情報を受信したか否かを判定]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調受信部311を実行し、利用者端末2から利用者に関する体調情報及び利用者を識別可能な利用者識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS1)。受信したならば、制御部31は、処理をステップS2に移す。受信していないならば、制御部31は、処理をステップS1に移す。
【0078】
利用者端末2から利用者に関する体調情報及び利用者を識別可能な利用者識別情報を受信したか否かを判定することにより、体調情報等を確実に受信し、体調情報等を受信したときにステップS2以降の体調情報に関する処理を実行できる。
【0079】
体調情報は、利用者の体調に関する情報であれば特に限定されず、例えば、利用者の体温によって例示される各種の生体情報、利用者の体調に関連する自覚症状に関する情報等を含み得る。体調情報は、中でも、利用者の体温を含むことが好ましい。体調情報が利用者の体温を含むことにより、体調管理装置3は、利用者が発熱症状を伴う伝染病に感染した疑いがあるか否かを判定できる。また、体調情報を受信した所属先は、利用者が発熱症状を伴う伝染病に感染した疑いがあるか否かを判断し得る。
【0080】
必須の態様ではないが、ステップS1において、体調管理装置3は、利用者における所定の行動履歴を受信可能な行動履歴受信部をさらに実行し、利用者端末2から利用者の所定の行動履歴を受信し、利用者の関係者に利用者の所定の行動履歴関連情報を利用者の関係者に送信してもよい。これにより、体調管理装置3の管理者や所属先の担当者等が送信に関する負担を負うことなく、利用者の行動履歴に関する情報を利用者の関係者へ漏れなく送信できる。したがって、例えば、利用者が所属先を訪問する行動等の特定の行動を取ったことを通知する情報、利用者が特定の行動を取らなかったことを通知する情報等を、利用者の関係者に送信できる。
【0081】
必須の態様ではないが、ステップS1において、体調管理装置3は、利用者の予定情報を受信可能な予定情報受信部をさらに実行し、利用者端末2から利用者の予定情報を受信してもよい。利用者の予定情報を受信することにより、利用者の予定情報に関連する関連施設に体調情報等を送信し得る。
【0082】
[ステップS2:体調情報が異常情報であるか否かを判定]
制御部31は、記憶部32と協働して指示部312を実行し、ステップS1で受信した体調情報が体調不良であることを示す異常情報であるか否かを判定する(ステップS2)。異常情報であるならば、制御部31は、処理をステップS3に移す。異常情報でないならば、制御部31は、処理をステップS5に移す。
【0083】
異常情報であるか否かを判定する方法は、利用者の体調情報が体調不良であることを示すか否かを判定する方法であれば特に限定されない。例えば、利用者の体調情報が体温を含む場合は、利用者の体温が所定の値(例えば、37.0℃)を超えている場合に異常情報であると判定し、超えていない場合に異常情報でないと判定する方法でよい。
【0084】
ステップS1で受信した体調情報が体調不良であることを示す異常情報であるか否かを判定することにより、異常情報である場合に、利用者端末2に所定の指示を送信できる。また、送信先に利用者が体調不良であることを通知できる。異常情報でない場合に、送信先に利用者が体調良好であることを通知できる。
【0085】
[ステップS3:所定の指示を送信する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して指示部312を実行し、ステップS1で受信した体調情報を送信した利用者端末2に所定の指示を送信する(ステップS3)。制御部31は、処理をステップS4に移す。
【0086】
ステップS1で受信した体調情報を送信した利用者端末2に所定の指示を送信することにより、体調管理装置3の管理者や、所属先の担当者等が所定の指示を送信する負担を負うことなく、体調不良である利用者に所定の指示を漏れなく送信できる。
【0087】
所定の指示は、利用者に指示を行うものであれば、特に限定されない。所定の指示の例としては、「自宅待機でお願いします」等のように、自宅での待機を促すメッセージを用いた指示が該当する。
【0088】
自宅での待機を促すメッセージを用いた指示を送信することにより、体調管理装置3の管理者や所属先の担当者等が自宅待機指示を送信する負担を負うことなく、体調不良である利用者に自宅待機指示を漏れなく送信できる。これにより、体調不良が伝染病の感染によるものである可能性がある場合、体調不良である利用者が当該利用者に関わりのあるメンバーと外出中に接触して感染が拡大することを防止しうる。
【0089】
必須の態様ではないが、自宅待機指示が送信された場合、体調管理装置3は、自宅利用施設情報送信部を実行し、自宅にて利用可能な自宅利用施設情報を利用者端末2に送信可能にしてもよい。これにより、体調管理装置3の管理者や所属先の担当者等が自宅にて利用可能な施設の広告等の自宅利用施設情報を送信する負担を負うことなく、自宅利用施設情報を漏れなく送信できる。これにより、利用者は、自宅利用施設情報によって示される各種の施設を利用して自宅待機中の生活環境等を改善し得る。
【0090】
[ステップS4:体調不良メッセージを送信する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調送信部313を実行し、ステップS1で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調不良であることを通知する所定の体調不良メッセージを送信する(ステップS4)。制御部31は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS4を繰り返す。
【0091】
ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調不良であることを通知する所定の体調不良メッセージを送信する方法は、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報に応じた方法であれば特に限定されない。例えば、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報が1又は複数のメールアドレスを含む場合、該メールアドレスのそれぞれに体調情報及び体調不良メッセージを送信する方法により、体調情報及び体調不良メッセージを送信してよい。例えば、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報がネットワーク上で端末を識別可能な情報である場合、該情報を用いてネットワーク上の端末に体調情報及び体調不良メッセージを送信する方法により、体調情報及び体調不良メッセージを送信してよい。また、所定の条件を満たす場合、例えば、メッセージ送信から3日経過後に、リマインド通知を行うようにしても良い。
【0092】
体調不良メッセージは、体調情報が体調不良を示す異常情報であることに関するメッセージであれば、特に限定されない。体調不良メッセージの例としては、「発熱症状があります。自宅で待機するため、会社を休みます」等のように、体調不良及びステップS3で送信された所定の指示に関するメッセージが該当する。
【0093】
ステップS1で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調不良であることを通知する所定の体調不良メッセージを送信することにより、異常情報である場合に、送信先に体調情報及び体調不良メッセージを送信できる。
【0094】
ステップS4で実行される処理により、受信した体調情報を利用者の所属先に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の送信先にも体調情報を送信可能であるため、利用者が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、複数の所属先に体調情報を漏れなく送信できる。
【0095】
必須の態様ではないが、ステップS1において予定情報を受信している場合、体調送信部313は、予定情報に関連する関連施設に体調情報及び体調不良メッセージを送信してもよい。これにより、利用者、体調管理装置3の管理者、所属先の担当者等が送信に関する負担を負うことなく、利用者が訪問する予定の施設等の予定情報に関連する関連施設に体調情報を漏れなく送信できる。関連施設は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0096】
[ステップS5:体調良好メッセージを送信する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調送信部313を実行し、ステップS1で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調良好であることを通知する所定の体調良好メッセージを送信する(ステップS5)。制御部31は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS5を繰り返す。
【0097】
ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調良好であることを通知する所定の体調良好メッセージを送信する方法は、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報に応じた方法であれば特に限定されない。例えば、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報が1又は複数のメールアドレスを含む場合、該メールアドレスのそれぞれに体調情報及び体調良好メッセージを送信する方法により、体調情報及び体調良好メッセージを送信してよい。例えば、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報がネットワーク上で端末を識別可能な情報である場合、該情報を用いてネットワーク上の端末に体調情報及び体調良好メッセージを送信する方法により、体調情報及び体調不良メッセージを送信してよい。
【0098】
体調良好メッセージは、体調情報が体調不良を示す異常情報でないことに関するメッセージであれば、特に限定されない。体調良好メッセージの例としては、「発熱症状がありません。」等のように、体調情報が体調良好を示すことを説明するメッセージが該当する。
【0099】
ステップS1で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調良好であることを通知する所定の体調良好メッセージを送信することにより、異常情報でない場合に、送信先に体調情報及び体調良好メッセージを送信できる。
【0100】
ステップS5で実行される処理により、受信した体調情報を利用者の所属先に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の送信先にも体調情報を送信可能であるため、利用者が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、複数の所属先に体調情報を漏れなく送信できる。
【0101】
上記処理により例えば、利用者甲が「A中学校1年3組」と「A中学校サッカー部」と「B学習塾」の3つのコミュニティに所属している場合、利用者甲の体調情報を上記3つの所属先に一斉に送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0102】
また、利用者甲がX家の長男であり、X家には甲の他に次男として乙がいて、父親として丙、母親として丁がいる場合を仮定すると、管理者は、X家の家族全員の体調情報を管理していることになる。すなわち、利用者甲が仮に主として所属する「X家」(4人)に対して、利用者甲が従属して所属するコミュニティ(3つ)について体調情報を共有させることができる。管理者は、いわば「n対n」(nは任意の数)の関係を構成しながら利用者ごとに体調情報の共有を実現できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0103】
例えば、この場合、制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調受信部311を実行し、利用者甲の端末(利用者端末2)から体調情報及び利用者識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS1)。受信したならば、制御部31は、処理をステップS2に移す。受信していないならば、制御部31は、処理をステップS1に移す。
【0104】
次に、制御部31は、記憶部32と協働して指示部312を実行し、ステップS1で受信した甲の体調情報が体調不良であることを示す異常情報であるか否かを判定する(ステップS2)。異常情報であるならば、制御部31は、処理をステップS3に移す。異常情報でないならば、制御部31は、処理をステップS5に移す。
【0105】
次に、制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して指示部312を実行し、ステップS1で受信した体調情報を送信した甲の利用者端末2に所定の指示を送信する(ステップS3)。制御部31は、処理をステップS4に移す。
【0106】
次に、制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調送信部313を実行し、ステップS1で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先、すなわち、「A中学校1年3組」と「A中学校サッカー部」と「B学習塾」の3つのコミュニティに関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調不良であることを通知する所定の体調不良メッセージを送信する(ステップS4)。制御部31は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS4を繰り返す。
【0107】
次に、制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調送信部313を実行し、ステップS1で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先、すなわち、「A中学校1年3組」と「A中学校サッカー部」と「B学習塾」の3つのコミュニティに関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS1で受信した体調情報及び利用者が体調良好であることを通知する所定の体調良好メッセージを送信する(ステップS5)。制御部31は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS5を繰り返す。
【0108】
このようにして、制御部31は、利用者甲の体調情報を上記3つの所属先に一斉に送信できる。そして、利用者甲を構成する「X家」の他の利用者全員について同様の処理を行うことにより、制御部31は、X家の全員についての体調情報を、それぞれの所属先に共有させることができる。すなわち、管理者は、「n対n」の関係を構成し利用者ごとの体調情報の共有を実現できる。
【0109】
なお、必須の態様ではないが、体調管理装置3は、さらに、利用者識別情報に予め対応付けられた利用者の所属先にて利用可能な所属先利用施設情報を送信可能な所属先利用施設情報送信部を実行し、利用者識別情報に予め対応付けられた利用者の所属先にて利用可能な所属先利用施設情報を利用者端末2に送信してもよい。これにより、体調管理装置3の管理者や所属先の担当者等が所属先にて利用可能な施設の広告等の所属先利用施設情報を送信する負担を負うことなく、体調良好であり所属先を訪ね得る利用者に、所属先利用施設情報を漏れなく送信できる。これにより、利用者は、所属先を訪ねたときに、所属先利用施設情報によって示される各種の施設を利用し得る。
【0110】
必須の態様ではないが、ステップS1において予定情報を受信している場合、体調送信部313は、予定情報に関連する関連施設に体調情報及び体調良好メッセージを送信してもよい。これにより、利用者、体調管理装置3の管理者、所属先の担当者等が送信に関する負担を負うことなく、利用者が訪問する予定の施設等の予定情報に関連する関連施設に体調情報を漏れなく送信できる。関連施設は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0111】
〔体調管理装置3で実行されるイベント参加判定処理のメインフローチャート〕
図7は、本実施形態におけるイベント参加判定処理の手順を示すメインフローチャートの一例である。以下では、図7を参照しながら、体調管理装置3が行うイベント参加判定処理の好ましい手順について説明する。
【0112】
[ステップS701:体調情報を受信する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調受信部311を実行し、利用者端末2から利用者に関する体調情報及び利用者を識別可能な利用者識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS701)。受信したならば、制御部31は、処理をステップS702に移す。受信していないならば、制御部31は、本処理を終了する。
【0113】
利用者端末2から利用者に関する体調情報及び利用者を識別可能な利用者識別情報を受信したか否かを判定することにより、体調情報等を確実に受信し、体調情報等を受信したときにステップS702以降の体調情報に関する処理を実行できる。
【0114】
[ステップS702:体調情報が異常情報であるか否かを判定]
制御部31は、記憶部32と協働して指示部312を実行し、ステップS701で受信した体調情報が体調不良であることを示す異常情報であるか否かを判定する(ステップS702)。異常情報であるならば、制御部31は、処理をステップS703に移す。異常情報でないならば、制御部31は、処理をステップS705に移す。
【0115】
異常情報であるか否かを判定する方法は、利用者の体調情報が体調不良であることを示すか否かを判定する方法であれば特に限定されない。例えば、利用者の体調情報が体温を含む場合は、利用者の体温が所定の値(例えば、37.0℃)を超えている場合に異常情報であると判定し、超えていない場合に異常情報でないと判定する方法でよい。
【0116】
ステップS701で受信した体調情報が体調不良であることを示す異常情報であるか否かを判定することにより、異常情報である場合に、利用者端末2に所定の参加不可メッセージを送信できる。
【0117】
[ステップS703:イベント参加情報を不可と更新する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して指示部312を実行し、ステップS701で受信した体調情報に基づいてイベント参加情報を「不可」と更新する(ステップS703)。制御部31は、処理をステップS704に移す。
【0118】
イベント参加情報を「不可」と更新することにより、利用者や、体調管理装置3の管理者等が負担を負うことなく、体調不良である利用者のイベント参加を予防できる。
【0119】
イベント参加情報は、利用者テーブル321に含まれる。例えば、イベント参加情報は「〇年〇〇月〇〇日のイベント〇〇〇〇に参加」というような内容で、参加の可否についての項目を付随させて記憶されている。
【0120】
[ステップS704:イベント参加不可メッセージを送信する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調送信部313を実行し、ステップS701で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS701で受信した体調情報及び利用者がイベントに参加不可であることを通知する所定のイベント参加不可メッセージを送信する(ステップS704)。制御部31は、処理をステップS701に戻し、ステップS701からステップS705を繰り返す。
【0121】
ステップS701で受信した体調情報及び利用者が体調不良であることを通知する所定のイベント参加不可メッセージを送信する方法は、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報に応じた方法であれば特に限定されない。例えば、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報が1又は複数のメールアドレスを含む場合、該メールアドレスのそれぞれに体調情報及びイベント参加不可メッセージを送信する方法により、体調情報及びイベント参加不可メッセージを送信してよい。例えば、送付先への体調情報等の送付を可能にする情報がネットワーク上で端末を識別可能な情報である場合、該情報を用いてネットワーク上の端末に体調情報及びイベント参加不可メッセージを送信する方法により、体調情報及びイベント参加不可メッセージを送信してよい。
【0122】
イベント参加不可メッセージは、イベントに参加不可であることに関するメッセージであれば、特に限定されない。イベント参加不可メッセージの例としては、「発熱症状があります。参加予定のイベント〇〇〇〇には今回参加できません」等のように、体調不良及び所定の指示に関するメッセージが該当する。
【0123】
なお、本説明において「イベント」には、ビジネスに関するものの他、マラソン等のようなスポーツや、各種レクリエーション等も含まれる。
【0124】
ステップS701で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、ステップS701で受信した体調情報及び利用者が体調不良であることを通知する所定のイベント参加不可メッセージを送信することにより、異常情報である場合に、送信先に体調情報及びイベント参加不可メッセージを送信できる。
【0125】
ステップS704で実行される処理により、受信した体調情報に基づく参加不可メッセージを利用者の所属先に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の送信先にも体調情報に基づく参加不可メッセージを送信可能であるため、利用者が複数の送信先に参加不可メッセージを逐一送信する負担を負うことなく、複数の所属先に体調情報に基づく参加不可メッセージを漏れなく送信できる。
【0126】
さらに、ステップS704で実行される処理により、受信した体調情報に基づく参加不可メッセージを「イベントの参加者」にも送信できる。1つの送信先だけでなく、参加者の送信先にも体調情報に基づく参加不可メッセージを送信可能であるため、利用者が複数の送信先に参加不可メッセージを逐一送信する負担を負うことなく、複数の参加者に体調情報に基づく参加不可メッセージを漏れなく送信できる。
【0127】
[ステップS705:参加用QRコードを送信する]
制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して体調送信部313を実行し、ステップS701で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への体調情報等の送付を可能にする情報を用いて、所定の参加用QRコードを送信する(ステップS705)。制御部31は、処理をステップS701に戻し、ステップS701からステップS705を繰り返す。
【0128】
所定の参加用QRコードを送信する方法は、送信先に関する情報に含まれる送付先への送付を可能にする情報に応じた方法であれば特に限定されない。
【0129】
参加用QRコードは、利用者が参加を予定していたイベントに関する参加用(例えば、イベント会場に出入りする際に利用するもの)のQRコードであれば、特に限定されない。
【0130】
ステップS701で受信した利用者識別情報と紐付けられた送信先に関する情報を利用者情報テーブル321から取得し、送信先に関する情報に含まれる送付先への送付を可能にする情報を用いて、所定の参加用QRコードを送信することにより、異常情報でない場合に、送信先に参加用QRコードを送信できる。
【0131】
ステップS705で実行される処理により、参加用QRコードを利用者の所属先に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の送信先にも参加用QRコードを送信可能であるため、利用者が複数の送信先に参加用QRコードを逐一送信する負担を負うことなく、複数の所属先に参加用QRコードを漏れなく送信できる。これにより、参加用QRコードを受信した所属先は、受信した参加用QRコードを用いて利用者に容易にイベントに参加させることができる。また、利用者の所属先は、参加者のチェックイン状況をリアルタイムで把握できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0132】
さらに、ステップS705で実行される処理により、参加用QRコードを「イベントの参加者」に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の参加者にも参加用QRコードを送信可能であるため、利用者が複数の送信先に参加用QRコードを逐一送信する負担を負うことなく、複数の参加者に参加用QRコードを漏れなく送信できる。これにより、参加用QRコードを受信した参加者は、受信した参加用QRコードを用いて参加者に容易にイベントに参加させることができる。また、参加者は、他の参加者のチェックイン状況をリアルタイムで把握できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0133】
<本実施形態における体調管理システム1の使用例>
以下では、本実施形態における体調管理システム1の使用例を説明する。
【0134】
この使用例において、利用者端末2は、利用者及び利用者が所属するグループの構成員の体温を体調情報として入力可能に構成されている。
【0135】
この使用例において、体調管理装置3は、体調情報が体調不良であることを示す異常情報である利用者に所定の指示を送信可能な指示部312を備えている。また、この使用例において、体調管理装置3は、体調情報が体調不良を示す異常情報である場合に、自宅待機指示及び利用者の自宅にて利用可能な自宅利用施設情報を利用者端末2に送信可能に構成されている。
【0136】
この使用例において、利用者テーブル321には、利用者識別情報と送信先に関する1又は複数のメールアドレスとが紐付けられて記憶されている。
【0137】
〔体調情報の送信〕
利用者端末2の制御部21は、端末側体調送信部211を実行し、利用者に体調情報の入力を促す体調入力画面を表示する。利用者は、体調入力画面を用いて体調情報を入力する。端末側体調送信部211は、入力された体調情報と利用者を識別可能な利用者識別情報と紐付けた情報を、体調管理装置3へ送信する。
【0138】
図4は、本実施形態において、利用者端末2の表示部25に表示される体調入力画面の構成例の概要を示す図である。この構成例では、表示部25は、タッチパネルを含んで構成されており、入力部24を兼ねている。この構成例における体調入力画面は、体調情報を入力する体調入力領域25Aと体調情報の送信を指令する送信指令領域25Bとを含む。利用者は、第1体調入力領域25A1、第2体調入力領域25A2、第3体調入力領域25A3を含む体調入力領域25Aを介して体調情報である利用者の体温を入力し、送信指令領域25Bを介して入力された体調情報の送信を指令する。
【0139】
利用者は、複数の利用者の体調情報を入力することも可能である。図4に示す例では、第1体調入力領域25A1を介して利用者「父」の体調情報である体温37.5℃が入力され、第2体調入力領域25A2を介して利用者「母」の体調情報である体温36.0℃が入力され、第3体調入力領域25A3を介して利用者「子」の体調情報である体温36.0℃が入力されている。複数の利用者の体調情報を入力された場合、端末側体調送信部211は、利用者ごとに利用者識別情報を紐付けて送信する。
【0140】
〔体調情報の受信〕
利用者端末2から体調情報及び利用者識別情報が送信されると、体調管理装置3は、体調受信部311を実行し、体調情報及び利用者識別情報を受信する。
【0141】
〔所定の指示を送信〕
体調管理装置3は、指示部312を実行し、体調情報が体調不良を示す異常情報であるか否かを判定する。利用者「父」の体調情報である体温が37.5℃であり、所定の値である37.0℃を超えているため、指示部312は、利用者端末2に、自宅待機指示を送信する。体調管理装置3は、自宅利用施設情報送信部をさらに実行し、利用者端末2に、利用者の自宅で利用可能な施設に関する広告等の自宅利用施設情報を送信する。
【0142】
〔所定の指示等を表示〕
利用者端末2は、端末側受信部212を実行し、自宅待機指示及び自宅利用施設情報を受信し、表示部25に表示する。
【0143】
〔体調情報を送信〕
体調管理装置3は、体調送信部313を実行し、利用者テーブル321に格納された利用者の送信先に関する情報に含まれる1又は複数のメールアドレスのそれぞれに体調情報と体調不良メッセージとを送信する。
【0144】
利用者端末2が利用者の体調情報を入力及び送信可能に構成された端末側体調送信部211を備えているため、利用者が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、体調管理装置3が利用者端末2から送信された体調情報を複数の送信先に漏れなく送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0145】
利用者端末2が利用者及び利用者が所属するグループの構成員の体調情報を入力及び送信可能に構成された端末側体調送信部211を備えているため、利用者及び利用者が属するグループの構成員が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、体調管理装置3は、利用者自身の体調情報だけでなく利用者が属するグループの構成員の体調情報をも、利用者が所属する所属先及び利用者が属するグループの構成員の所属先に一括で送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者及び利用者が属するグループの構成員が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0146】
したがって、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得るシステム1を提供できる。
【0147】
本実施形態の体調管理システム1を使用することにより、受信した体調情報を利用者の所属先に送信できる。1つの送信先だけでなく、複数の送信先にも体調情報を送信可能であるため、利用者が複数の送信先に体調情報を逐一送信する負担を負うことなく、複数の所属先に体調情報を漏れなく送信できる。これにより、体調情報を受信した所属先は、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0148】
したがって、本実施形態の体調管理システム1を使用することにより、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置及びシステムを提供できる。
【0149】
<変形例>
以下、本実施形態に記載の発明における種々の変形例を例示する。
【0150】
〔変形例1〕 要求指令に応じた体調情報の送信
体調管理装置3が利用者端末2から利用者の予定情報を受信し、予定情報に関連する関連施設を送信先として体調情報を送信可能である場合、体調管理装置3は、関連施設の端末から利用者の体調情報を要求する要求指令を受信可能な要求指令受信部をさらに備え、体調送信部313は、要求指令の送信元である関連施設の端末を送信先として、関連施設を利用予定の利用者に関する体調情報を送信可能であることが好ましい。
【0151】
本変形例では、記憶部32は、さらに、関連施設の端末に関する送信先を記憶する関連施設送信先リストを記憶する。
【0152】
本変形例では、ステップS1において、制御部31は、記憶部32及び通信部33と協働して要求指令受信部をさらに実行し、関連施設送信先リストを関連施設の端末に関する送信先が記憶されていない状態にし、1又は複数の関連施設の端末から利用者の体調情報を要求する要求指令を受信する。受信した場合、要求指令受信部は、この関連施設の端末のそれぞれに関する送信先を関連施設送信先リストに追加する。
【0153】
ステップS4又はステップS5において、体調送信部313は、さらに、関連施設送信先リストに含まれる関連施設の端末に関する送信先のそれぞれに、ステップS1で受信した体調情報を送信する。そして、体調送信部313は、関連施設送信先リストからこれら関連施設の端末に関する送信先を削除する。
【0154】
本変形例の体調管理装置3によれば、予定情報に関連する関連施設から体調情報を要求されたときに、利用者、体調管理装置3の管理者、所属先の担当者等が体調情報の送信に関する負担を負うことなく、関連施設の端末に体調情報を漏れなく送信できる。関連施設は、要求した体調情報を受信し、受信した体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0155】
したがって、本変形例の体調管理装置3によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る体調管理装置3を提供できる。
【0156】
〔変形例2〕 所定期間にわたる体調情報の出力
体調管理装置3は、所定の利用者に関する所定期間にわたる体調情報を利用者識別情報に紐づけて出力可能な出力部をさらに備えることが好ましい。
【0157】
所定の利用者は、利用者端末2から体調管理装置3に体調情報等を送信可能な利用者であれば特に限定されず、例えば、体調管理装置3の管理者が指定した特定の利用者でよい。所定期間は、体調情報に関する期間であれば特に限定されず、例えば、体調管理装置3の管理者が指定した特定の期間、2週間等の予め定められた期間等でよい。
【0158】
本変形例では、記憶部32は、さらに、受信した体調情報と利用者識別情報と日時に関する情報とを紐付けて格納する体調情報リストを記憶する。
【0159】
本変形例では、ステップS2において、ステップS1で受信した体調情報と利用者識別情報と受信したときの日時に関する情報とを紐付けて体調情報リストに記憶する。
【0160】
体調管理装置3は、体調管理装置3の管理者の要求に応じて、出力部を実行し、所定の利用者に関する所定期間にわたる体調情報を利用者識別情報に紐づけて出力する。出力の態様は、特に限定されず、例えば、体調管理装置3に直接接続された印刷装置を用いて出力する態様、ネットワーク4を介して体調管理装置3に接続された印刷装置を用いて出力する態様、体調管理装置3に接続されたディスプレイ等の表示部に出力する態様等が挙げられる。
【0161】
本変形例の体調管理装置3によれば、利用者が体調情報の出力に関する負担を負うことなく、利用者に関する所定期間にわたる体調情報が出力されたものを所属先等に提供できる。所属先等は、出力された体調情報を用いて利用者が伝染病に感染した疑いがあるかどうかを判断できる。その結果、伝染病の感染が拡大することを防ぎ得る。
【0162】
したがって、本変形例の体調管理装置3によれば、体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る体調管理装置3を提供できる。
【0163】
以上、本発明の実施形態及び各種の変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び各種の変形例に限るものではない。また、これらの実施形態及び各種の変形例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、これらの実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0164】
また、これらの実施形態及び変形例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態についてその構成の一部を他の実施の形態が備える構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態が備える構成を加えることも可能である。
【0165】
また、上記の各構成、機能、処理部は、それらの一部又は全部を、ハードウェア(例えば、集積回路)で実現してもよい。また、上記の各構成、機能、処理部は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0166】
1 体調管理システム
2 利用者端末
21 制御部
211 端末側体調送信部
212 端末側受信部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
25A 体調入力領域
25B 送信指令領域
3 体調管理装置
31 制御部
311 体調受信部
312 指示部
313 体調送信部
32 記憶部
321 利用者テーブル
33 通信部
34 報告確認画面生成部
35 レポート画面生成部
36 イベント参加判定部
4 ネットワーク
500 報告確認画面
600 レポート画面
【要約】
【課題】体調情報の管理に係る利用者等の負担を軽減可能にするとともに、体調情報の管理に関する情報送信の漏れを防ぎ、感染の可能性がある利用者に関わりのあるメンバーへの感染拡大防止に寄与し得る装置及びシステムを提供する。
【解決手段】本発明の体調管理装置3は、利用者の体調情報及び識別情報を受信可能な体調受信部311と、識別情報に予め対応付けられた1又は複数の送信先のそれぞれに体調情報を送信可能な体調送信部313と、を備える。体調管理装置3は、体調情報が体調不良であることを示す異常情報である利用者に所定の指示を送信可能な指示部312をさらに備えることが好ましい。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7