(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】センサデバイス及びセンサデバイスを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20220131BHJP
A61M 1/16 20060101ALI20220131BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20220131BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
G01N1/00 101L
A61M1/16 110
G01N35/00 A
G01N35/08 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016220543
(22)【出願日】2016-11-11
【審査請求日】2019-10-21
(31)【優先権主張番号】10 2015 120 215.8
(32)【優先日】2015-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515143739
【氏名又は名称】ビー.ブラウン アビタム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B. BRAUN AVITUM AG
【住所又は居所原語表記】Schwarzenberger Weg 73-79, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【氏名又は名称】森 博
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】ミラン アリッチ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ シュトロへーファー
(72)【発明者】
【氏名】ヤニク ヴァルデマー
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03802562(US,A)
【文献】特開2014-097197(JP,A)
【文献】特開2010-008113(JP,A)
【文献】特開平09-068483(JP,A)
【文献】特表平10-510747(JP,A)
【文献】特開2015-146837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
A61M 1/16- 1/38
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定量的測定対象を測定するための装置であって、
少なくとも1つのセンサを有する1つのセンサデバイス(1)であって、少なくとも1つの媒体運搬検出パスを介し、複数の透析機(6)の1つと接続可能であり、前記複数の透析機(6)は透析液の流れである媒体流れをそれぞれ出力し、前記少なくとも1つのセンサは、前記複数の透析機(6)の1つにより出力される前記媒体流れに関する定量的測定対象を選択的に検出すべく、配置されるものと、
前記センサデバイス(1)の上流に配設されるフルイディクスユニット(2)であって、媒体流れ群を運搬する複数のパス群を介し前記複数の透析機(6)と接続可能であり、且つ、まさに1つの媒体流れを前記センサデバイス(1)へ渡すように前記センサデバイス(1)に接続されるものとを備え、
前記フルイディクスユニット(2)は、前記透析液の流れである媒体流れ群の流れ制御を提供すべく配設され、即ち該制御は、前記媒体流れ群を運搬する複数のパス群を介し前記複数の透析機(6)により出力される複数の媒体流れ群の1つを選択的に選ぶことと、及び、選択された1つの媒体流れを前記センサデバイス(1)の前記少なくとも1つのセンサに供給することとにより、行われ、
フルイディクスユニット(2)に設けられて個々の透析液の流れを個別に伝送又は遮断する少なくとも1つのマルチポートバルブ(3)の時間区間は、それぞれの前記透析機(6)で実行される処理プロセスに応じて前記透析機(6)において値群が記録又は検出される時間区間又は時点に応じて特定又は選択されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記媒体運搬検出パスに沿った媒体流れに関する、少なくとも1つの前記測定対象を検出すべく配設される請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記センサデバイス(1)は、複数の透析機(6)のために集中配置され、且つ、
前記媒体運搬検出パスを介して、透析機(6)の、少なくとも1つの出力(4)、及び/又は、出口に接続される、センサデバイス(1)を構成する請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサは、前記媒体流れにおける、検体の、クリアランス、及び/又は、濃度を、少なくとも1つの前記測定対象として検出すべく、配設される、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記センサデバイス(1)は、選択可能な態様で、媒体流れが前記センサデバイス(1)に供給される選択された透析機(6)の複数の測定対象群のうちの少なくとも1つを検出すべく、配設される請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記フルイディクスユニット(2)は、次の供給をなすべく配設され、該供給は、時間制御された態様及び所定スイッチングスキームにより、前記複数の透析機(6)からの媒体流れ群を前記センサデバイス(1)に供給すること、及び/又は、所定時間区間毎に選択される現在の透析機(6)からの現在選択されている媒体流れを前記センサデバイス(1)に供給することにより、行われる請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記所定時間区間は、前記現在選択されている透析機(6)内のセンサシステムの検出時間に、適合可能であるか、又は、適合しており、且つ、
複数の所定時間区分群が、接続されているか、又は、接続可能な前記複数の透析機(6)のそれぞれにおける、センサシステムの検出時間群に対して、適合可能とすべく、又は、適応すべく提供され、且つ、前記複数の所定時間区分群は、時分割多重の態様で交互に利用可能とされる請求項6記載の装置。
【請求項8】
複数の所定期間群のうち、固定されるか、又は、調整可能な持続時間を有する少なくとも1つの所定時間区画が、センサレスの透析機(6)のために提供される請求項6記載の装置。
【請求項9】
透析機(6)の選択は、ユーザにより強制可能であり、且つ、如何なる時点であっても、ユーザにより取り消し得る請求項5から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマルチポートバルブ(3)が、配設されており、該配設は、媒体流れ群を出力する複数の透析機(6)の入力側に接続可能とし、出力側において前記センサデバイス(1)と接続し、且つ、前記媒体流れ群を出力する前記複数の透析機(6)のそれぞれからの1つの媒体流れを前記センサデバイス(1)に供給すべく行われる請求項1から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
透析機(6)、及び/又は、データベースにおける、計測データ、及び/又は、測定対象群の、伝送、及び/又は、更なる処理のために、データ管理、及び/又は、通信デバイス(20)へのインターフェイスが設けられている請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
追加デバイスが、センサデバイス(1)上に設けられ、且つ、前記センサにより要求される試薬を追加すべく配設される請求項1から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
外部単一又は複合センサデバイスのための集中デバイスを備える、システムであって、
請求項1から12のいずれかに記載の定量的測定対象を測定する
集中配置デバイスと、
少なくとも1つの出口(4)にて測定されるべき透析液の流れである前記媒体流れを出力する、少なくとも1つの透析機(6)を備え、
媒体流れを出力するいくつかの透析機(6)が前記定量的測定対象を測定する前記
集中配置デバイスに接続されている場合、前記複数の透析機(6)の1つが、選択的に選ばれ得ると共に、所定の時間区分において該
集中配置デバイスに接続可能であり、
フルイディクスユニット(2)に設けられて個々の透析液の流れを個別に伝送又は遮断する
前記少なくとも1つのマルチポートバルブ(3)の時間区間は、それぞれの前記透析機(6)で実行される処理プロセスに応じて前記透析機(6)において値群が記録又は検出される時間区間又は時点に応じて特定又は選択されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
データ管理、及び/又は、通信デバイス(20)であって、捉えられた情報、データ、及び/又は、測定値群を、前記定量的測定対象を測定する前記
集中配置デバイスから受信すべく配設されるものを更に備える請求項13記載のシステム。
【請求項15】
データ管理、及び/又は、通信デバイス(20)が、配設されており、該配設は、前記定量的測定対象を測定する前記
集中配置デバイスから受信した、情報、データ、及び/又は、測定値群を、媒体流れを出力する所定の透析機(6)へ転送すべく、及び/又は、これらをデータベース内へ保存すべく行われる請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記データ管理、及び/又は、通信デバイス(20)は、媒体流れを出力する透析機(6)により出力される、制御、及び/又は、閉ループ制御命令群を、前記定量的測定対象を測定する前記
集中配置デバイスへ転送すべく、配設される請求項14又は15記載のシステム。
【請求項17】
次の表示を行う表示デバイス(6a)を更に備え、該表示は、前記定量的測定対象を測定する前記
集中配置デバイスにより捉えられた、情報、データ、及び/又は、測定値群を表示すること、及び/又は、媒体流れを出力する透析機(6)により出力された、システム関連制御、及び/又は、閉ループ制御機能群に関連する、情報又は命令群を表示することである請求項13から16のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサデバイス及びセンサデバイスを備えるシステムに関する。特に、本発明は、少なくとも1つの測定量を測定する、外部の単一又は複合のセンサ適用群のための集中デバイスと、それと同時に、測定されるべき媒体を供給し、且つ該デバイスを備えるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
透析分野において、例えば、センサ群は、最も変化するパラメータ群をモニタするために主として使用され、また、例えば、血液の清浄レベルは、使用済み透析液(DF)中の吸光度測定の助けをかりて決定され、それは、清浄化された血液の化学的イメージとなる。
【0003】
ここで、吸光度測定は、光学UV透過性センサにより、及び/又は、それを使用して行われる。
【0004】
公知アセンブリでは、センサは透析機の固定構成部分であり、しかして、そこにおいて所望の変数又は該当する測定値が出力されるべき、各透析機は、かかる1つ又はいくつかのセンサ(群)を装備しなければならず、こうなると、重点的開発を要し、コストが問題となる。
【0005】
透析センターでは、かかる複数の透析機群が同時に又は時間差を設定して使用され得る。そうする際、使用済み透析液体の廃棄は、共通のライン上で出されることになる。
【0006】
にもかかわらず、いくつもの透析機群中に、対応するセンサ群が複数設けられなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかして、本発明は、基礎として、いくつもの透析機群中に複数の、対応する、及び/又は、類似するセンサ群を配置することなく、使用済み透析液内の測定を実行可能な、デバイス及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、本発明により、請求項1の特徴を有する少なくとも1つの測定量を測定するデバイスと、請求項13の特徴を有し、外部の単一又は複合のセンサデバイスのための集中配置デバイスを備えるシステムとにより、達成される。
【0009】
本発明は、集中配置されたセンサデバイスが、いくつかの透析機群のために、同時に又は時間差を設定して使用できるようにすべく、使用済み透析液群の測定を行いながら、透析機からセンサ群を取り除くという一般的考え方に基づく。
【0010】
本目的のため、本発明によるセンサシステムを使用すると、使用済み透析液が、各センサの単一の模範のみを備える外部デバイスを通って導かれるように再編成される。こうすると、使用されるセンサ群の個数が劇的に削減される。
【0011】
いくつかの透析機を操作可能とするため、デバイスは、追加的に、媒体内の流れ群を外部デバイス内のセンサ(群)へリルートできるモジュールを備える。該リルートは、透析機により出力される媒体流れ群を、適切にバイパスし、又は流れ群の流路を切り替えることによる(所望の透析機の使用済み透析液のような流体又は液体を主とするが、それにより限定されるものではない。)。
【0012】
特に、透析機内の公知センサ群は、これら値群をいずれにしても3~5分毎に測定するため、この点は、特に可能となる。
【0013】
一方、他の機群のための値群は、例えば、解像度の低下を受け入れる義務なしに、記録可能である。
【0014】
透析機内に設置すべく多数のセンサ群の生産に焦点を当てる代わりに、外部集中設置されるセンサデバイスが、有利なことに、システム全体として必要となるセンサ群の個数を低減し、しかして、コストをカットすることを可能とする。
【0015】
さらには、例えば、(クレアチニン、尿素等の)量的変数群の測定のためのセンサ群を更に使用することが可能となろう。
【0016】
加えて、あるセンサ群は、該当する試薬群を添加するための追加のデバイスを必要とする。
【0017】
公知のアセンブリ群を用いる場合、かかる追加のデバイスを設けるには、透析機内のスペースを必要とし、さらに高い制限要件をも満足しなければならない。
【0018】
しかしながら、本発明によれば、透析液ドレイン部に配置された全てのセンサ群を、集中配置デバイス内に収容することが可能である。
【0019】
この場合、それらはインビトロの診断用試薬を意味するため、制限要件がかなり低くなる。
【0020】
この点により、本発明によるデバイスは、透析機中に、実際個別に存在しなければならぬ要素群及び構成部品群のための空間を提供する。
【0021】
低コストの機群、及び/又は、他の製造者からの機群-これらは、通常、分離された、及び/又は、互換性のあるセンサシステムが透析機のドレイン部内に装備されていない-をもが該デバイスに接続可能であること、及び、システムネットワーク上での動作が可能であるということから、更なる利点群が得られる。
【0022】
さらに、測定値群は、例えば、データ管理システム群のような既に存在するインフラストラクチャにより、透析機、及び/又は、対応するデータベースへ送信又は転送することができる。
【0023】
特に、上述の利点群及び上記目的は、次のデバイスにより達成/満たされる。即ち、少なくとも1つの測定量を測定するための装置であって、少なくとも1つのセンサを有するセンサデバイスを備え、少なくとも1つの媒体運搬検出パスを介し、複数のデバイス群の少なくとも1つと接続可能であり、該複数のデバイス群は捉えられるべき媒体流れをそれぞれ出力し、該少なくとも1つのセンサは、該複数のデバイス群の1つにより出力される少なくとも1つの媒体流れに関する少なくとも1つの測定量を選択的に検出すべく、配置される。
【0024】
少なくとも1つの測定量を測定するための装置であって、次を備えるものが示唆される。
【0025】
すなわち、スタンドアロンのセンサのような少なくとも1つのセンサを有するセンサデバイスであって、少なくとも1つの媒体運搬検出パスを介し、透析機群のような複数の(医療)デバイス群の1つと接続可能であり、該複数のデバイス群は媒体(使用済み透析流体群/透析液群)流れとして捉えられるべき媒体流れをそれぞれ出力し、該少なくとも1つのセンサは、1つのデバイスにより出力される該媒体流れに関する少なくとも1つの測定量を選択的に検出すべく、配置されるものと、該センサデバイスの上流に配設されるフルイディクスユニット(例えば、スイッチバルブ又はマルチポートバルブ)であって、媒体流れ群を運搬する複数のパス群を介し該複数のデバイス群と接続可能であり、且つ、まさに1つの媒体流れを該センサデバイスへ(選択的に)渡すように該センサデバイスに接続されるものとを備え、該フルイディクスユニットは、捉えられるべき媒体流れ群の(プロセッサ/CPUにより行われる)流れ制御を提供すべく配設され、即ち該制御は、媒体流れ群を運搬する該複数のパス群を介し該複数のデバイス群により出力される複数の媒体流れ群の1つを選択的に選ぶことと、及び、選択された1つの媒体流れを該センサデバイスの該少なくとも1つのセンサに供給することにより、行われる。
【0026】
好ましくは、該少なくとも1つのセンサは、流体パス又は空気パスに沿った媒体流れに関する、該少なくとも1つの測定量を検出すべく配設される。
【0027】
好ましくは、該センサデバイスは、複数のデバイス群のために集中配置され、且つ、液体パス又は空気パスを介して、透析機の、少なくとも1つの出力、及び/又は、出口に接続される、センサデバイスを構成する。
【0028】
好ましくは、該少なくとも1つのセンサは、該媒体流れにおける、検体の、クリアランス、及び/又は、濃度を、該少なくとも1つの測定量として検出すべく、配設される。
【0029】
好ましくは、該センサデバイスの上流に配設される流れ制御フルイディクスユニットは、該少なくとも1つの媒体流れを該センサデバイスへ渡すよう接続され、該フルイディクスユニットは、特に選択的な態様で、複数の媒体流れ群を出力する複数のデバイス群により出力される複数の媒体流れの少なくとも1つを、該少なくとも1つのセンサデバイスに供給すべく配設され、及び/又は、該センサデバイスは、特に選択可能な態様で、その媒体流れが該センサデバイスに供給される、選択されたデバイスの、複数の測定量群の少なくとも1つを検出すべく配設される。
【0030】
好ましくは、該フルイディクスユニットは、次の供給をなすべく配設され、該供給は、時間制御された態様及び所定スイッチングスキームにより、該複数のデバイス群からの媒体流れ群を該センサデバイスに供給すること、及び/又は、所定時間区間毎に選択される現在のデバイスからの現在選択されている媒体流れを該センサデバイスに供給することにより、行われる。
【0031】
好ましくは、該所定時間区間は、該現在選択されているデバイスのセンサシステムの検出時間に、適合可能であるか、又は、適合しており、且つ、複数の所定時間区分群が、接続されているか、又は、接続可能な該複数のデバイス群のそれぞれにおける、センサシステムの検出時間群に対して、適合可能とすべく、又は、適応すべく提供され、且つ、該複数の所定時間区分群は時分割多重の態様で交互に利用可能とされる。
【0032】
好ましくは、複数の所定期間群のうち、固定されるか、又は、調整可能な持続時間を有する少なくとも1つの所定時間区分が、センサレスの透析機のために提供される。
【0033】
好ましくは、デバイスの選択は、ユーザにより強制可能であり、且つ、如何なる時点であっても、ユーザにより取り消し得る。
【0034】
好ましくは、次をなすべく少なくとも1つのマルチポートバルブが、配設されており、該配設は、媒体流れ群を出力する複数のデバイス群の入力側に接続可能とし、出力側において該センサデバイスと接続し、且つ、該媒体流れ群を出力する該複数のデバイス群のそれぞれからの1つの媒体流れを該センサデバイスに供給すべく行われる。
【0035】
該少なくとも1つのマルチポートバルブの代わりに、本発明によるデバイスに実装される、単純なシャットオフバルブ群の賢い組み合わせを設けることも、可能である。
【0036】
好ましくは、関連デバイス、及び/又は、データベースにおける、計測データ、及び/又は、測定量群の、伝送、及び/又は、更なる処理のために、データ管理、及び/又は、通信デバイスへのインターフェイスが、設けられる。
【0037】
好ましくは、(ポンプ、シリンジ、バルブ等の)追加デバイスが、センサデバイス上に設けられ、且つ、該センサにより要求される試薬を追加すべく配設される。
【0038】
外部単一又は複合センサデバイスのための集中デバイスを備える、システムであって、先行する全請求項のいずれかに記載の少なくとも1つの測定量を測定し(少なくともセンサとフルイディクスユニットを備える)集中配置デバイスと、少なくとも1つの出口にて測定されるべき媒体流れを出力する、少なくとも1つの(透析機等の医療)デバイスを備え、媒体(透析液/流体)流れを出力するいくつかのデバイス群(透析機群)が該少なくとも1つの測定量を測定する該(集中配置された)デバイスに接続されている場合、該複数のデバイス群(透析機群)の1つが、選択的に選ばれ得ると共に、所定の時間区分において該(集中配置された)デバイスに接続可能である。
【0039】
好ましくは、該システムは、データ管理、及び/又は、通信デバイスであって、捉えられた情報、データ、及び/又は、測定値群を、該少なくとも1つの測定量を測定する該デバイスから受信すべく配設されるものを備える。
【0040】
好ましくは、次をなすべくデータ管理、及び/又は、通信デバイスが、配設されており、該配設は、該少なくとも1つの測定量を測定する該デバイスから受信した、情報、データ、及び/又は、測定値群を、媒体流れを出力する所定のデバイスへ転送すべく、及び/又は、これらをデータベース内へ保存すべく行われる。
【0041】
好ましくは、該データ管理、及び/又は、通信デバイスは、媒体流れを出力するデバイスにより出力される、制御、及び/又は、閉ループ制御命令群を、該少なくとも1つの測定量を測定する該装置へ転送すべく、配設される。
【0042】
好ましくは、次の表示を行う表示デバイスを更に備え、該表示は、少なくとも1つの測定量を測定するデバイスにより捉えられた、情報、データ、及び/又は、測定値群を表示すること、及び/又は、媒体流れを出力するデバイスにより出力された、システム関連制御、及び/又は、閉ループ制御機能群に関連する、情報又は命令群を表示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】典型的な実施の形態による
集中配置センサデバイスを備える、透析機群の液体出力群を系統的に接続することにより、使用済み透析液中における様々な変数群を、時間的に適合測定するためのシステムの概略図である。
【
図2】異なる透析機群からの流れ群を制御・管理すべく配設され、且つ、
図1による典型的な実施の形態で使用可能なフルイディクスシステムの概略図である。
【
図3】
図2によるフルイディクスシステムの変形例の概略図であり、同システムは、異なる透析機群からの流れ群を制御・管理すべく配設され、且つ、
図1による典型的な実施の形態で使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、添付図面を参照しながら、好ましい典型的な実施の形態群に基づいて、本発明は記述される。以下の記述において、同一であるか、又は、機能的に同一の要素群及び構成要素群は、各図において、同じ符号を付されるものであり、便宜上、冗長には記述されない。
【0045】
次の典型的な実施の形態が先行する実施の形態群の少なくとも1つに機能的に対応するものである場合、即ち、対応する、機能群、配置群、及び/又は、動作モード群が類似するように含まれていれば、差分のみが便宜のために記述されることとなる。
【0046】
次の典型的な実施の形態群において、様々な変数群「検体(クレアチニン、尿素など)や電解質群(ナトリウムなど)の導電率、温度、pH値、Kt/V、濃度群」を測定するデバイスを備える、装置及びシステムは、液体出口又は空気経路を介し、集中配置されるセンサデバイスの助けをかりて、透析機へ接続されるものである。
【0047】
適切な流れ制御ユニットは、選択機群の様々な測定量群を検出可能とする。
【0048】
データ管理、及び/又は、通信アプリケーションは、測定された情報、データ、及び/又は、透析機(例えば、これらをディスプレイ装置上に表示したり、例えば、制御及び閉ループ制御命令群として)へ、及び/又は、データベース中へ、転送又は送信することを、考慮に入れている。
【0049】
図1は、透析機の流体出力群と集中配置されたセンサデバイス(スタンドアロンのセンサ)間における、システマティックな接続を介し、使用済み透析液中における、種々の変数群を時間適応的に測定するためのシステムを、概略図示するものである。
【0050】
センサ、サーバ/プロセッサ(CPU)、データベース、及び少なくとも1つの透析機の間における、データ通信用ネットワークへの、付加的接続が破線で示されている。
【0051】
このように、センサデバイスにより収集された如何なる値群も、(例えば、透析機のスクリーンに表示されるように)、更なる処理へ送出可能である。
【0052】
特に、
図1は、3つの表示機群6であって、それぞれが、(例えば、スクリーン、キーボードなどの)入力、及び/又は、表示装置6a、及び、透析機への出口4を備える。
【0053】
図示の明瞭さのため、単一の出口のみが、符号4を伴って
図1に示されている。さらに、3つの透析機群の個数に関し、何らの制限もない。
【0054】
設計に依存して、該典型的な実施の形態におけるシステムには、ほとんどあらゆる台数の透析機群が統合され得る。
【0055】
該透析機群6の各々の個別出口群4は、スマートな流体管理装置を構成する、フルイディクスユニット2の入口群に別々に案内される。
【0056】
フルイディクスユニット2の内部には、後述する少なくとも1つのマルチポートバルブが備えられ、該バルブは、制御された態様で、流体経路群、又は、流体ライン群を開閉すべく配置される。該態様では、フルイディクスユニット2が、-透析機から出力される媒体流れを形成する、選ばれた流体、又は、液体流の-少なくとも1つの選択されるものを通し、且つ、選ばれておらず/選択されていない他の透析機群からの流体流れ群をブロックするものである。
【0057】
通った流体流れは、フルイディクスユニット2の出口で出力され、センサデバイス1にそこで測定されるべく供給される。
【0058】
図1は、例として、3台の透析機群6を備えるシステムを示す。ここで、オプションとして、ほとんど如何なる台数の透析機群が接続できるのであって、その限りにおいて、透析機群の台数には一切制限はない。
【0059】
また、これら透析機群は、それぞれセンサデバイス1(スタンドアロンのセンサ)への、その(透析)液体接続出口4を有する。
【0060】
測定されるべき透析機群6の1つを選択することは、次により行われる。即ち、センサデバイス1の上流側に設けられ、スマートな流れ制御スキームにより動作する、流れ制御ユニット(即ち、フルイディクスユニット2)を適切に設計することによる。
【0061】
ここで、フルイディクスユニット2は任意に設け得る点を指摘しておく。その意味は、流体流れ群の接続、及び/又は、切断は、適切なバルブ手段等により透析機6上で直接行われても良く、例えば、或いは、フルイディクスユニット2がセンサデバイス1と一体的となるように設計されても良いということである。
【0062】
センサデバイス1は、更に、1つ又はそれ以上の異なる(不図示の)センサ群を備えても良いし、それと同時に、それ自体公知の、(試薬)ポンプ群、制御ユニット群、演算ユニット群のような、機械的及び電子的システム群を有していても良い。
【0063】
通信、及び/又は、データ管理装置20、あるいは対応するアプリケーションは、情報を透析機へ送信可能とする。
【0064】
かかる情報は、例えば、捕らえられた濃度値、あるいはクリアランス値(Kt/V)を含んでも良い。
【0065】
しかしながら、血液流を制御するため、制御命令群を同時に送り又は転送することも可能であり、例えば、他の方法群に血液関連の濃度群を決定させることもできる。
【0066】
検知された値群は、透析機6により利用可能であって、スクリーン6a上に表示されるか、及び/又は、(不図示の)データベースに書き込まれるために、出力されても良い。
【0067】
データベースへ書き込む場合、このように得られたデータは、より長い期間に亘って分析され得る。
【0068】
図2は、異なる透析機群6からの流れ群を、制御・管理すべく配設されるフルイディクスシステムの概略図であり、
図1による典型的な実施の形態において使用可能である。
【0069】
特に、
図2は、2つの透析機群6を示し、これらはそれぞれ関連して動作し、及び/又は、それぞれが1つの透析液出口4を備える表示デバイス6aを有する。
【0070】
これら透析液体排出口群4において、透析機群6による媒体流れとして運搬される、透析液流れ群のそれぞれは、フルイディクスユニット2の対応する入口に供給される。
【0071】
少なくとも1つのマルチポートバルブ3がフルイディクスユニット2に設けられる。該バルブは、所定の制御態様で、各個別の透析液流れを、ばらばらに伝送したり、或いはブロックしたりすべく配置されるものであり、かかる処理は、いずれにしても、固定的であるか、或いは適応的な時間区画に亘って行われる。
【0072】
例として且つ
図2によれば、上側の透析機6により運搬される透析液は、センサデバイス1へ通すことができるが、同時に、下側の透析機6により出力される透析液は、マルチポートバルブ3によりブロックされ得るものであり、しかして、センサデバイス1には運送されない。
【0073】
選択されていない透析機群6からの継続的排出をも確保するために、センサデバイス1を通らない全ての透析液流れ群は、例えば、マルチポートバルブ3から枝分かれする廃棄ライン群5により、フルイディクスユニット2から放出されても良い。
【0074】
各透析機6において実行される処理プロセスによって、各透析機6において検出される値群の時間的振る舞いに基づいて、上記時間区画群が特定され、或いは選択されることが望ましい。
【0075】
言い換えると、センサデバイス1内で測定されるべく、特定の透析機6の透析液を通すプロセスは、好ましくは、値群の記録又は検出が該特定の透析機6において完了すると想定されるところの、これらの時間区間群又はこれらの時点群(例えば、3~5分ごと)で行われるのが好ましい。別の透析機6の透析液は、他の時点群において測定可能である。
【0076】
このため、いくつかの透析機6は、例えば、それらが適切な時間オフセットを伴って、それぞれ必要な値群を受信するように、操作され得るものであり、又は、それらの処理を行っても良いものである。
【0077】
該システムの構成部分群、及び/又は、部品群もが、複合形態で設けられ得ることは、言うまでもない。
【0078】
例として、現存するサイクルタイム群内において、既に接続済みの透析機群6の個数が、更なる透析機群6の接続を許さないのであれば、該更なる透析機群6からの媒体流れ群を測定する、第2のフルイディクスユニット2、及び/又は、第2のセンサデバイス1を、追加しても良い。
【0079】
図2において、簡略化された形態で示される、流れ制御ユニット、又は、フルイディクスシステムの典型的な実施の形態によれば、いくつかの透析機群6が、ただ1つのセンサデバイス1に接続可能である。
【0080】
明瞭性の理由により、
図2からデジタル接続群の図示は、省略されているが、該当する透析機6とただ1つのセンサデバイス1間において、情報を転送可能なことは、自明である。
【0081】
上述された、フルイディクスユニット2による、スマートな流体管理スキームの核心は、2つのポートを備えた変形例における、典型的な実施の形態により図示された、少なくとも1つのマルチポートバルブ3によって、表現される。
【0082】
透析機6の透析液用の出力又は出口4は、フルイディクスユニット2を介し、少なくとも1つのマルチポートバルブ3に接続される。これにより、機内流れ群が制御可能となる。
【0083】
(不図示の)デジタルインターフェースは、透析液が試験されるべき透析機を決定する可能性を示す。余の経路群は、ドレインに放出されることになる。
【0084】
測定値群は、しかるのち、図示、及び/又は、更なる処理のため、該当する機械に転送され得る。
【0085】
図3は、
図2によるフルイディクスシステムの変形例の概略図であり、異なる透析機群からの流れ群を制御・管理すべく配設され、
図1による典型的実施の形態中において使用可能である。
【0086】
図3によれば、少なくとも1つのマルチポートバルブ3が、透析機6の出口4上に直接配設されている。
【0087】
これには、上述した測定原理を維持しながら、ライン群の配置が、ここではより柔軟となるという一層の利点がある。
【0088】
本発明によれば、多くのセンサ群を実装する点において、コストが削減される。Kt/V、クレアチニン、尿素、さらには、酵素のテスト群をも含めて、極めて広範囲の変数群の、調査又は検出のために、複数のセンサ群を使用することが可能である。インビトロの診断用試薬としての可能な分類により、満足されねばならない規則要件群がより低下する。そうして、それ自身のセンサシステムを装備していない透析機群についても、上述したセンサシステムの、引用される利益群が供されるものである。
【0089】
かくして、以上において、少なくとも1つの測定量を測定するためデバイス、及び、集中配置の態様による外部単一又は複合センサデバイス群のためのデバイスを含むシステムが、述べられてきた。
【0090】
該装置は、少なくとも1つのセンサを有するセンサデバイスであって、少なくとも1つの媒体運搬検出パスを介し、捉えられるべき少なくとも1つの媒体流れをそれぞれ出力する、複数のデバイス群の少なくとも1つと接続可能であり、該少なくとも1つのセンサは、該複数のデバイス群の1つにより出力される少なくとも1つの該媒体流れに関する少なくとも1つの測定量を選択的に検出すべく、配置されるものを備える。
【0091】
該システムは、少なくとも1つのデバイスであって少なくとも1つの出口にて測定されるべき媒体流れを出力するものをさらに備え、媒体流れを出力するいくつかのデバイス群が該少なくとも1つの測定量を測定する該デバイスに接続されている場合、媒体流れを出力する該複数のデバイス群の1つが、選択的に選ばれ得ると共に、所定の時間区分において該デバイスに接続可能である。
【0092】
本発明は、記述された典型的な実施の形態群に制限されないことは理解されよう。特に、単に例として取り上げられたに過ぎない、透析機及び透析液体、数値群及びそれらの文脈中で与えられた、大小のオーダー等には限定されない。また、当業者により推察され得る、自明の変形例群や等価な解法群は、各請求項により定義される発明の保護範囲に属するものである。