IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図1
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図2
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図3
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図4
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図5
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図6
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図7
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図8
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図9
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図10
  • 特許-コイルユニットの製造方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】コイルユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 5/02 20060101AFI20220131BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20220131BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20220131BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220131BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
H01F5/02 Z
G03B5/00 J
G02B7/04 E
H04N5/232 480
H04N5/225 700
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017203583
(22)【出願日】2017-10-20
(65)【公開番号】P2019079855
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【弁理士】
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 俊之
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 一彦
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-274324(JP,A)
【文献】特開2017-021093(JP,A)
【文献】特開2012-029485(JP,A)
【文献】特開2001-126036(JP,A)
【文献】特開2000-011441(JP,A)
【文献】特開2017-098936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 5/02
G03B 5/00
G02B 7/04
H04N 5/232
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルを保持するコイル保持部材と、該コイル保持部材に保持され導線を巻回状態としてなるコイルとを備え、前記導線の長さ方向と直交する方向を前記コイルの厚さ方向とするとき、前記コイル保持部材には、前記コイルの厚さ方向の一端面を当接する当接面と、該当接面から突出して前記導線が巻回される凸部と、該凸部の先端面から延びて前記コイルの厚さ方向の他端面を押さえるコイル押さえ部とを有してなるコイルユニットを製造する方法であって、
前記コイル保持部材の前記凸部に突出部を形成しておき、前記凸部に前記コイルを取り付けた後、前記突出部を変形させることにより前記コイル押さえ部を形成することを特徴とするコイルユニットの製造方法
【請求項2】
前記突出部を合成樹脂により形成しておき、該突出部を熱で変形させることにより前記コイル押さえ部を形成することを特徴とする請求項1記載のコイルユニットの製造方法
【請求項3】
前記コイルは、長辺部と短辺部とを有する略長方形状の枠状に形成され、前記コイル押さえ部は、少なくとも前記長辺部を押さえるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイルユニットの製造方法
【請求項4】
前記コイル押さえ部は、前記長辺部と前記短辺部との間の屈曲部を避けた直線部分に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のコイルユニットの製造方法
【請求項5】
前記コイル押さえ部は、前記長辺部及び前記短辺部をそれぞれ押さえるように設けられていることを特徴とする請求項又は4に記載のコイルユニットの製造方法
【請求項6】
前記長辺部を押さえる前記コイル押さえ部及び前記短辺部を押さえる前記コイル押さえ部は、前記長辺部又は前記短辺部の長さに応じた長さを有していることを特徴とする請求項5に記載のコイルユニットの製造方法
【請求項7】
前記長辺部を押さえる前記コイル押さえ部の数は、前記短辺部を押さえる前記コイル押さえ部の数よりも多いことを特徴とする請求項5に記載のコイルユニットの製造方法
【請求項8】
前記コイル押さえ部はすべて同じ大きさに形成されていることを特徴とする請求項7に記載のコイルユニットの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルとコイルを保持するコイル保持部材とを有するコイルユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等に搭載される撮影用光学装置においては、ユーザーの手振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、手振れを打ち消すように光学モジュールを移動させて振れを補正する機能が開発されている。この手振れ補正機能においては、携帯電話等の筐体からなる固定体に対して、光学素子を備える光学モジュールを移動可能に支持し、その光学モジュールを振れ補正用駆動機構により振れに応じて移動させる構成が採用されている。
【0003】
その振れ補正用駆動機構は、磁石とコイルとを備え、磁石の磁場内でコイルにより電磁力を作用させて光学モジュールを駆動する構成とされている。
例えば特許文献1には、コイル保持部材に、略長方形状の枠状に形成されるコイルを取り付けたコイルユニットが開示されている。このコイル保持部材には、コイルが取り付けられる凸部が突出して形成されており、その凸部にコイルの導線が直接巻回されている。
また、特許文献2には、コイル保持部材に、コイルの一端面が当接する当接面が形成され、その当接面に、コイルが直接巻回される凸部が突出して形成されており、当接面と凸部の先端との距離はコイルの厚さと等しくなっていると記載されている。
一方、特許文献3は、コイル保持部にコイルを直接巻回する形式ではないが、コイル保持部に弾性変形部が設けられており、巻回状態とした環状のコイルを取り付ける際に弾性変形部が弾性変形してコイルをコイル保持部に仮固定するようになっている。仮固定後、熱硬化性接着剤により本固定を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015‐225943号公報
【文献】特開2017‐21093号公報
【文献】特開2017‐122823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び2記載の構造では、外部から衝撃等が加わったときに、コイル保持部の凸部からコイルが脱落するおそれがある。この場合、特許文献3記載のように、コイル保持部材にコイルを取り付けた後、接着剤等によってコイルをコイル保持部材に固定することが考えられるが、接着剤の塗布、硬化に時間がかかるため、できるだけ接着剤を使用しない形態が望まれる。
また、この特許文献3記載の弾性変形部の弾性力によってコイルを保持する構造を採用することも考えられるが、弾性力が小さい場合には、その弾性力を超える衝撃力等が加わると脱落するおそれがあり、弾性力を大きくすると、コイルを取り付けにくくなり、組み立て作業が煩雑になる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コイルの取り付けを容易にするとともに、取り付けた後のコイルの脱落を防止できるコイルユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコイルユニットは、コイルを保持するコイル保持部材と、該コイル保持部材に保持され導線を巻回状態としてなるコイルとを備え、前記導線の長さ方向と直交する方向を前記コイルの厚さ方向とするとき、前記コイル保持部材には、前記コイルの厚さ方向の一端面を当接する当接面と、該当接面から突出して前記導線が巻回される凸部と、該凸部の先端面から延びて前記コイルの厚さ方向の他端面を押さえるコイル押さえ部とを有してなるコイルユニットを製造する方法であって、前記コイル保持部材の前記凸部に突出部を形成しておき、前記凸部に前記コイルを取り付けた後、前記突出部を変形させることにより前記コイル押さえ部を形成する
【0008】
コイル押さえ部をコイル保持部材とは別部品として凸部に固定してもよいが、上記の実施形態とすることにより、凸部の一部を変形させてコイル押さえ部を形成するので、一つのコイル保持部材で別部品等を用いることなくコイルを押さえることができる。
この製造方法で製造したコイルユニットは、コイル保持部材の当接面とコイル押さえ部とにより、コイルが厚さ方向の両端から挟持されるように保持されるので、脱落を防止することができる。このため、コイルを固定するための接着剤を省略することが可能であり、また、接着剤を使用する場合でも、最小限の使用で済む。
【0009】
本発明のコイルユニットの製造方法の好ましい実施形態として、前記突出部を合成樹脂により形成しておき、該突出部を熱で変形させることにより前記コイル押さえ部を形成するとよい。
機械的に変形させる場合は欠けやクラック等の発生の懸念があるが、熱による変形であるので、破損等を生じることなく、容易にコイル押さえ部を形成することができる。
【0010】
以下は、本発明のコイルユニットの製造方法で製造するコイルユニットおよびそのコイルユニットを用いた撮影用光学装置の好ましい実施形態である。
【0011】
本発明のコイルユニットの好ましい実施形態としては、前記コイルは、長辺部と短辺部とを有する略長方形状の枠状に形成され、前記コイル押さえ部は、少なくとも前記長辺部を押さえるように設けられているとよい。
コイルの長辺部は長いために崩れやすいが、この長辺部を押さえることにより、コイルを安定して保持することができる。
【0012】
本発明のコイルユニットの好ましい実施形態としては、前記コイル押さえ部は、前記長辺部と前記短辺部との間の屈曲部を避けた直線部分に設けられているとよい。
屈曲部は厚さ寸法が他の部分より大きくかつばらつきやすく、これに対して直線部は厚さのばらつきが小さいので、この直線部分にコイル押さえ部を設けることにより、コイルを確実に保持し、安定して固定できる。
【0013】
本発明のコイルユニットの好ましい実施形態としては、前記コイル押さえ部は、前記長辺部及び前記短辺部をそれぞれ押さえるように設けられているとよい。
コイルの四辺を押さえることで、コイルをより安定して固定でき、脱落を確実に防止することができる。
【0014】
本発明のコイルユニットの好ましい実施形態としては、前記長辺部を押さえる前記コイル押さえ部及び前記短辺部を押さえる前記コイル押さえ部は、前記長辺部又は前記短辺部の長さに応じた長さを有しているものとしてもよい。
つまり、長辺部を押さえるコイル押さえ部が、短辺部を押さえるコイル押さえ部よりも長く形成されている。これにより、脱落し易い長辺部を長い範囲で押さえて、安定して固定することができる。
【0015】
本発明のコイルユニットの好ましい実施形態としては、前記長辺部を押さえる前記コイル押さえ部の数は、前記短辺部を押さえる前記コイル押さえ部の数よりも多いものとしてもよい。
短辺部よりも長辺部に多くのコイル押さえ部を配置して、長辺部を安定して固定することができる。
この場合、前記コイル押さえ部はすべて同じ大きさに形成されているとよい。同じ大きさとすることで、コイル押さえ部を変形等させる際の管理を統一し容易にすることができる。
【0016】
本発明の撮影用光学装置は、前記コイルユニットと、レンズ及び撮像素子を有し前記コイル保持部材に固定される光学モジュールと、前記コイルユニットを揺動可能に支持する固定体と、前記固定体に固定され前記コイルに対向配置される駆動用磁石とを備える。
コイルが、コイル保持部材の当接面とコイル押さえ部とにより厚さ方向の両端から挟持されるように保持され、脱落等を生じることなく安定して固定されるので、駆動用磁石との間で安定した作動を行わせることができる。
【0017】
本発明の撮影用光学装置の好ましい実施形態としては、前記コイル保持部材の前記凸部に、前記コイル押さえ部よりも前記駆動用磁石に向けて突出する第2凸部が形成されているとよい。
このように構成すると、コイルユニットを取り扱う際に、コイルが外部の部材に接触しにくくなる。したがって、コイルユニットを取り扱う際のコイルの損傷を防止することが可能になる。また、撮影用光学装置において、コイルユニットの揺動時にその揺動範囲を第2凸部が規制し、コイルと駆動用磁石とが接触することを防止して損傷の発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、コイル保持部材へのコイルの取り付けを容易にするとともに、取り付けた後のコイルの脱落を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態の撮影用光学装置の組立状態の斜視図である。
図2図1の撮影用光学装置における固定体及びローターの分解斜視図である。
図3図1の撮影用光学装置における可動体のローターを除く部分の分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態のローターとボトムカバーとの間のローリング用駆動機構を示す分解斜視図である。
図5図1の撮影用光学装置における光軸を通るX-Z平面での縦断面図である。
図6図1の撮影用光学装置におけるジンバル機構付近のX-Y平面での横断面図である。
図7】本発明の一実施形態のホルダーフレームにおいて一つのコイル保持部を拡大して示す斜視図であり、(a)はコイル押さえ部によりコイルを保持した状態、(b)はコイル押さえ部を成形する前の状態を示す。
図8図7のコイル保持部における部分拡大断面図であり、(a)はコイル押さえ部を成形する前の状態、(b)はコイル押さえ部によりコイルを保持した状態を示す。
図9】コイル保持部に揺動用コイルを巻回する巻線装置を示す概略図である。
図10図9のF部の構成を説明するための部分拡大断面図である。
図11】コイル押さえ部の変形例を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るコイルユニットの実施形態を組み込んだ撮影用光学装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のコイルユニットが組み込まれた撮影用光学装置100は、携帯電話等の携帯機器、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、手振れ等の振れを補正する振れ補正機能を備えている。
以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、静置状態においては、Z軸方向に光軸L(レンズ光軸/光学素子の光軸)が配置されるものとする。また、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当し、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。また、X軸方向の一方側には+Xを付し、他方側には-Xを付し、Y軸方向の一方側には+Yを付し、他方側には-Yを付し、Z軸方向の一方側(被写体側/光軸方向前側)には+Zを付し、他方側(被写体側とは反対側/光軸方向後側)には-Zを付して説明する。また、図1図5等には、Z軸の一方+Z側を上方に向けた状態に配置し、この状態を静置状態とする。以下では、特に断らない限り、この静置状態で説明する。
【0023】
(撮影用光学装置100の概略構成)
図1は実施形態の撮影用光学装置100の組立状態の外観を示す斜視図、図2および図3は撮影用光学装置100を分解して2つの図に分けて示した分解斜視図、図4はローリング機構を説明する分解斜視図、図5は撮影用光学装置100の光軸Lを中心とする縦断面図、図6は撮影用光学装置100の後述するジンバル機構50付近の横断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の撮影用光学装置100は、Z軸方向に沿って光軸Lが延在する光学モジュール1を備える可動体10と、その周囲を囲むように設けられる固定体20と、可動体10と固定体20との間で固定体20に対して可動体10をX軸周り及びY軸周りに相対変位させる磁気駆動力を発生させる揺動用駆動機構300と、固定体20に対して可動体10を光軸L周りに相対回動させる磁気駆動力を発生させるローリング用駆動機構400とを有している。
そして、この撮影用光学装置100は、可動体10に搭載したジャイロスコープ等の振れ検出センサ(図示略)によって手振れを検出した結果に基づいて、可動体10を揺動用駆動機構300によって光軸Lに直交する2つの軸(X軸及びY軸とは異なる第1軸線R1及び第2軸線R2(詳細は後述する))周りに揺動させて、ピッチング及びヨーイングを補正し、また、ローリング用駆動機構400によって可動体10をZ軸周りに回動させて、ローリングを補正することができるようになっている。
【0024】
より具体的には、本実施形態の可動体10は、光学素子を備えた光学モジュール1を保持するホルダーフレーム30と、ホルダーフレーム30の外側に配置されるローター40とを備えている(図6参照)。固定体20は、図2に示すように、可動体10のローター40の周りを囲むケース210の下部にボトムカバー220が設けられている。そして、固定体20のボトムカバー220に、ローター40を光軸L周りに回転可能に支持する軸受221A,221Bが設けられ、可動体10のローター40と固定体20のボトムカバー220との間に、ローター40を光軸L周りに回動させるローリング用駆動機構400が備えられている(図4参照)。
【0025】
また、本実施形態の可動体10において、ホルダーフレーム30は、ローター40の内側にジンバル機構50を介して支持されており、このジンバル機構50により、光軸L方向と直交しかつ相互に直交する第1軸線R1及び第2軸線R2の2つの軸線(図6参照)周りに揺動可能に支持されている。ローター40は枠状に形成されており、ローター40の外側を囲む固定体20のケース210とホルダーフレーム30との間に揺動用駆動機構300が設けられている。
【0026】
このような支持構造により、可動体10は、ローリング用駆動機構400によって、ローター40が固定体20のボトムカバー220に対して光軸L周りに回動し、揺動用駆動機構300によって、ローター40の内側のホルダーフレーム30が光軸Lに直交する第1軸線R1及び第2軸線R2の2つの軸線周りに揺動させられる(これらの動作の詳細については後述する)。この実施形態の場合、第1軸線R1及び第2軸線R2は光軸L方向に直交しており、第1軸線R1と第2軸線R2とは直交し、X軸およびY軸に対して45°の角度に配置されている。
【0027】
(固定体20の構成)
固定体20は、可動体10の周りを囲むケース210と、ケース210の下(Z軸方向の他方側-Z)に固定されたボトムカバー220とを有している。ケース210は、複数の側板部231,232により角筒状(図1等に示す例では横断面八角形の筒状)に形成された筒体230と、筒体230の上(Z軸方向の一方側+Z)に固定され、径方向内側に張り出したカバー枠240とを有している。筒体230の下端部には、周方向に間隔をおいて複数の切欠き233が設けられている。
【0028】
カバー枠240の中央部には円形の開口部241が形成されており、この開口部241内にローター40の後述する上部環状部47が配置されており、この上部環状部47の内側の空間を通して被写体からの光を光学モジュール1に導くようになっている。
ボトムカバー220の中心部に光軸L方向に沿う筒状部222が一体に形成され、この筒状部222の内側に軸受221A,221Bが固定されており、この軸受221A,221Bに可動体10のローター40が回転自在に支持されている。このボトムカバー220は、ケース210の筒体230の横断面形状が八角形状であることから、その筒体230内に嵌合するように平面視がほぼ八角形状に形成されており、ケース210の筒体230の下端に固定した際に、筒体230の切欠き233に嵌合する複数の突起部223が設けられている。
なお、ボトムカバー220の外周部には、その一部を切除してなる切除部220aが形成されている。
【0029】
(可動体10の構成)
撮影用光学装置100の可動体10は、固定体20におけるボトムカバー220の軸受221A,221Bに回転自在に支持されたローター40と、このローター40の内側にジンバル機構50を介して支持されたホルダーフレーム30と、このホルダーフレーム30に保持された光学モジュール1とを備えている。
ローター40は、ローターボトム41とこのローターボトム41の上に固定されたローターフレーム42とからなる。ローターボトム41は、固定体20のボトムカバー220の上面と対向するようにほぼ板状に形成されており、その中心部に光軸Lに沿ってZ軸方向の-Z方向に延びる軸部43が一体に固定され(図4参照)、その軸部43がボトムカバー220の軸受221A内に回転自在に支持されている。この場合、軸受221Aはラジアル軸受であり、図2及び図5に示すように、ボトムカバー220には軸受221Aの周囲にローター40のスラスト荷重を受ける軸受221Bが環状に設けられており、この軸受221B上にローター40のローターボトム41が載置状態に設けられる。したがって、ローター40はラジアル軸受221Aとスラスト軸受221Bの2種類の軸受によって支持される。
【0030】
この軸受221A,221Bに支持された状態で、ローターボトム41の下面はボトムカバー220の上面との間にわずかな隙間をあけて対向しており、その対向部にローリング用駆動機構400が設けられている。このローターボトム41は、平面視では円形の一部が切除された平面形状を有しており、上面には、その切除部41cを除き周方向に沿って周壁部44が形成され、その周壁部44の外側に周方向に間隔をおいて複数の突起45が形成されている。この切除部41cは、ローターボトム41の上方(Z軸の+Z方向)に配置される揺動用駆動機構300や光学モジュール1等のフレキシブル配線基板1800、1850を外部に引き出す際の通路として利用される。ローターボトム41の下面には、後述するようにローリング用駆動機構400の2つのローリング用コイル402が固定され、外部にフレキシブル配線基板1900によって接続されている。
【0031】
ローターフレーム42は、実施形態では、下部環状部46と、上部環状部47と、両環状部46,47の間を連結する4本のフレーム部48とを有している。下部環状部46は、ローターボトム41の周壁部44の外側に嵌合するように設けられ、その嵌合状態において突起45を嵌める切欠部46aが形成されている。これによりローターフレーム42はローターボトム41に回り止めされた状態に保持される。上部環状部47は円形環状に形成され、下部環状部46をローターボトム41に取り付けることにより、上部環状部47がローターボトム41の軸部43の延長上(Z軸方向の+Z側)に配置されるようになっている。このローターフレーム42をローターボトム41に取り付けた状態で、上部環状部47がカバー枠240の開口部241内に配置される。
フレーム部48は、これら下部環状部46と上部環状部47との間に周方向に間隔をおいて設けられている。
【0032】
また、4本のフレーム部48のうち、180°対向する2本のフレーム部48の内側には、ローターフレーム42の径方向内側に向けた溝部49が形成される。そして、この溝部49に、後述するジンバル機構50の接点用ばね510が固定され、そのジンバル機構50により、ローターフレーム42の内側に、光学モジュール1を保持するホルダーフレーム30が第2軸線R2の軸線周りに揺動可能に支持されている。ホルダーフレーム30には、後述するように揺動用駆動機構300の4つの揺動用コイル302が固定されている。
【0033】
光学モジュール1は、光学素子1aや撮像素子1b(図5参照)、フォーカシング駆動用のアクチュエータ(図示せず)等を保持するモジュールホルダ11と、モジュールホルダ11の上(Z軸方向の一方側+Z)に固定される円筒状のウエイト12とを有している。また、モジュールホルダ11は、光学素子1aを囲む鏡筒部13と、鏡筒部13の下端に一体に形成され撮像素子1b等を保持する基台部14とを有している。そして、基台部14がホルダーフレーム30の下(Z軸方向の-Z)側に配置され、鏡筒部13がホルダーフレーム30を貫通してZ軸方向の+Z側に突出した状態でホルダーフレーム30に保持されており、ホルダーフレーム30から突出している鏡筒部13の先端部にウエイト12が取り付けられる。
【0034】
(振れ補正用駆動機構300、400の構成)
揺動用駆動機構300は、図5及び図6に示すように、板状の揺動用磁石(本発明における駆動用磁石)301と揺動用コイル(本発明におけるコイル)302とを利用した磁気駆動機構である。この揺動用磁石301と揺動用コイル302との組み合わせは、実施形態では、ホルダーフレーム30の周方向に90°ずつ間隔をおいて4組設けられる。各揺動用コイル302は、磁心(コア)を有しない空芯コイルであり、ホルダーフレーム30のX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-X、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側-Yに保持されている。ホルダーフレーム30のX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-Xに配置される両揺動用コイル302は、導線によってX軸方向をコイルの軸心方向(厚さ方向)とする環状に形成され、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側-Yに配置される両揺動用コイル302は、導線によってY軸方向をコイルの軸心方向(厚さ方向)とする環状に形成されている。したがって、いずれの揺動用コイル302も光軸L方向に直交する方向をコイルの軸心方向(厚さ方向)とする環状に形成されている。また、これら4つの揺動用コイル302は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成される。
ホルダーフレーム30の細部構成は後述する。
【0035】
また、揺動用磁石301は、ケース210の筒体230において周方向に90°ずつ間隔をおいて配置された4つの側板部231(図2参照)の内面にそれぞれ保持されている。これら4つの側板部231がX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-X、Y軸方向の一方側+Y、Y軸方向の他方側-Yにそれぞれ配置されていることから、ホルダーフレーム30とケース210との間では、X軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-X、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側-Yのいずれにおいても、揺動用磁石301と揺動用コイル302とが対向している。この場合、4組の揺動用磁石301と揺動用コイル302とは、ローターフレーム42の4本のフレーム部48の間の空間部を通って対向している。
【0036】
本実施形態において、揺動用磁石301は、外面側および内面側が異なる極に着磁されている。また、揺動用磁石301は、光軸L方向(Z軸方向)に2つに分離して着磁されており、揺動用コイル302の側に位置する磁極301a、301bが着磁分極線301cを境界として、光軸L方向の一方側(Z軸方向の+Z側)に位置する磁極301aと、他方側(-Z側)に位置する磁極301bとで異なるように着磁されている(図5等参照)。したがって、両磁極301a、301bを分離する着磁分極線301cは、光軸Lと直交する方向に沿って配置されている。X軸方向の一方側+X及びX軸方向の他方側-Xにそれぞれ配置されている2つの揺動用磁石301は、着磁分極線301cがY軸方向に沿って配置され、Y軸方向の一方側+Y及びY軸方向の他方側-Yに配置されている2つの揺動用磁石301は、着磁分極線301cがX軸方向に沿って配置される。
【0037】
また、4つの揺動用コイル302のうち、X軸方向をコイルの軸心方向とする2つの揺動用コイル302は、長手方向がY軸方向に延びる矩形状に形成され、Y軸方向をコイルの軸心方向とする2つの揺動用コイル302は、長手方向がX軸方向に延びる矩形状に形成されている。そして、いずれの揺動用コイル302も、上下に配置される長辺部302bが、各揺動用磁石301の磁極301a,301bに対峙する有効辺として利用され、この揺動用コイル302が励磁されていない状態では、両有効辺(長辺部302b)は、対向する揺動用磁石301の着磁分極線301cと平行で、着磁分極線301cから上下に等しい距離に配置される。
なお、4つの揺動用磁石301は、外面側および内面側に対する着磁パターンが同一である。このため、周方向で隣り合う揺動用磁石301同士が吸着し合うことがないので、組み立て等が容易である。ケース210は磁性材料から構成されており、揺動用磁石301に対するヨークとして機能する。
【0038】
ローリング用駆動機構400は、揺動用駆動機構300と同様に、板状のローリング用磁石401とローリング用コイル402とを利用した磁気駆動機構である。このローリング用コイル402も、磁心(コア)を有しない空芯コイルであり、ローターボトム41の下面(Z軸方向の-Z)側に保持されている。この場合、ローターボトム41には、中心に光軸L方向に延びる軸部43が設けられており、その軸部43を中心として180°対向位置にそれぞれローリング用コイル402が設けられている。いずれのローリング用コイル402も、光軸L方向と平行な方向をコイルの軸心方向(厚さ方向)とする環状に形成された空芯コイルであり、その軸心方向に視て台形枠状に形成されている。そして、台形の短辺をローターボトム41の軸部43側に配置し、長辺をローターボトム41の外周側に配置し、2つの斜辺をローターボトム41の半径方向に沿って配置している。2つのローリング用コイル402は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成される。
【0039】
ローターボトム41において、ローリング用コイル402が取り付けられる部位は、平面状の取り付け面(当接面)41aとされており、その取り付け面41aにローリング用コイル402の厚さ方向の一端面が接着等によって固定される。なお、この取り付け面41aの表面には、ローリング用コイル402の内側に配置される凸部41bが複数個設けられており、平面視台形枠状のローリング用コイル402の内周面に凸部41bの外周面が接触することにより、ローリング用コイル402の取り付け位置(取り付け面41aの面方向における位置)が規制される。
【0040】
ローリング用磁石401は、ローターボトム41の下面に対向するボトムカバー220の上面(Z軸方向の+Z)側に軸受221A,221Bを中心として180°対向位置にそれぞれ保持されている。また、ローリング用磁石401は、上面(Z軸方向の+Z)側及び下面(Z軸方向の-Z)側に異なる極に着磁されているとともに、図2に示す例ではX軸方向に2つに分離して着磁されており、ローリング用コイル402の側に位置する磁極401a、401bがX軸方向で異なるように着磁されている。したがって、これら磁極401a、401bを分離する着磁分極線401cは、Y軸方向に沿って配置されている。そして、ローターボトム41に設けられた2個のローリング用コイル402と、ボトムカバー220に設けられた2個のローリング用磁石401とがそれぞれ対向しており、台形状の各ローリング用コイル402の斜辺部402aが、ローリング用磁石401の各磁極401a,401bに対峙する有効辺として利用される。このローリング用コイル402が励磁されていない状態では、両有効辺(斜辺部402a)は、ローリング用磁石401の着磁分極線401cから左右に等しい距離に斜めに配置され、着磁分極線401cを中心として左右対称に配置される。
【0041】
(ホルダーフレーム30の詳細構成)
ホルダーフレーム30は、図3図5及び図6に示すように、概ね、モジュールホルダ11の鏡筒部13を内側に保持する筒状のモジュールホルダ保持部31と、このモジュールホルダ保持部31の下端部(Z軸方向の他方側-Zの端部)でフランジ状に拡径する肉厚のベース部32とを有している。ベース部32上には、モジュールホルダ保持部31よりも径方向外側に、4つの揺動用コイル302をそれぞれ保持するコイル保持部33が設けられており、これらコイル保持部33とモジュールホルダ保持部31との間には、後述するジンバル機構50の可動枠51が配置される可動枠配置空間140が形成されている。
【0042】
各コイル保持部33は、モジュールホルダ保持部31に対してX軸方向の+X側、X軸方向の-X側、Y軸方向の+Y側、Y軸方向の-Y側にそれぞれ設けられており、周方向に隣接する2個ずつのコイル保持部33が連結部34により連結状態とされている。つまりX軸方向の+X側とY軸方向の+Y側とに設けられる2個のコイル保持部33が連結部34により連結状態とされ、X軸方向の-X側とY軸方向の-Y側とに設けられる2個のコイル保持部33が連結部34により連結状態とされている。これにより、二つの連結部34が180°対向した位置に配置され、その対向面に溝部35が形成される(図6参照)。図6に示す例では、第1軸線R1上に配置される2つの連結部34に溝部35が形成されている。
一方、X軸方向の+X側とY軸方向の-Y側とに設けられるコイル保持部33の間は離間しており、X軸方向の-X側とY軸方向の+Y側とに設けられるコイル保持部33の間も離間している。したがって、これらコイル保持部33の間の空所も、モジュールホルダ保持部31を介して180°対向する位置、図6に示す例では第2軸線R2上に配置されている。
【0043】
そして、これら2つのコイル保持部33の間の空所に、ローター40の4本のフレーム部48のうちの180°対向する2本のフレーム部48の内側に形成された溝部49がホルダーフレーム30の径方向内側に向けて配置される。これにより、コイル保持部33の間の連結部34の溝部35と、ローター40のフレーム部48の溝部49とがモジュールホルダ保持部31を中心として90°間隔で配置される。
なお、ホルダーフレーム30は合成樹脂によって形成される。
【0044】
(コイルユニットの構成)
本実施形態において、コイルユニットは、揺動用駆動機構300の揺動用コイル(本発明におけるコイル)302と、この揺動用コイル302を保持するホルダーフレーム30のコイル保持部(本発明におけるコイル保持部材)33とによって構成される。
コイル保持部33は、ベース部32上におけるX軸方向の+X側、X軸方向の-X側、Y軸方向の+Y側、Y軸方向の-Y側のそれぞれにZ軸方向の+Z側に向けて立設する裏板部36と、この裏板部36の外側表面から突出する凸部38とを備えている。裏板部36は、4個設けられており、2個の裏板部36はX軸方向に直交する姿勢で配置され、残りの2個はY軸方向に直交する姿勢で配置される。そして、各裏板部36に、それぞれホルダーフレーム30に対して外側方向に突出するように凸部38が設けられている。
【0045】
また、各裏板部36において、凸部38は、それぞれの突出方向から視たときの正面形状が略長方形状に形成され、その短辺がZ軸方向と平行に配置されている。図7に示すように、裏板部36は凸部38の周囲から張り出す大きさに形成されており、その張り出している外側表面の四隅のうちのZ軸方向の-Z側の2箇所の角部は、他の部分の表面よりも低い窪み部36aに形成されている。この窪み部36aを除く部分の表面が、揺動用コイル302を凸部38に保持したときに揺動用コイル302の厚さ方向の一端面を当接する当接面37とされている。したがって、窪み部36aの表面は、揺動用コイル302の端面には当接しない。これら窪み部36aの表面と揺動用コイル302の端面との間は、揺動用コイル302における導線302aの1本分の直径よりわずかに大きい隙間が形成される。
各揺動用コイル302は、裏板部36の凸部38の周囲に導線302aを巻き回すことにより形成されており、コイルの厚さ方向の一端面を当接面37に当接させた状態に配置される。
【0046】
また、各裏板部36の両端部、具体的にはX軸方向と直交する姿勢で配置されている裏板部36ではY軸方向の+Y側及び-Y側の端部、またY軸方向と直交する姿勢で配置されている裏板部36ではX軸方向の+X側及び-X側の端部において、窪み部36aが配置される部分の下面(Z軸方向の-Z側の端面)には、それぞれ端子ピン39がZ軸方向の-Z方向に向けて立設されている。ホルダーフレーム30には、4箇所に配置されているコイル保持部33に裏板部36が1個ずつ設けられているので、各裏板部36に端子ピン39が2本ずつ、合計8本の端子ピン39が設けられている。これら端子ピン39は、銅合金等の導電性の高い金属材料で形成され、ホルダーフレーム30に圧入等によって固定されている。
【0047】
各裏板部36の2本の端子ピン39は所定の間隔をあけて配置されている。具体的には、X軸方向に直交する姿勢の裏板部36には、Y軸方向に所定の間隔をあけて端子ピン39が設けられており、Y軸方向に直交する姿勢の裏板部36には、X軸方向に所定の間隔をあけて端子ピン39が設けられている。そして、各裏板部36において、一方の端子ピン39に揺動用コイル302の巻き始め側の端部が絡げられ、他方の端子ピン39に揺動用コイル302の巻き終わり側の端部が絡げられており、揺動用コイル302は、両端子ピン39の間で凸部38の周囲に複数回巻き回されている。
【0048】
凸部38に揺動用コイル302の導線302aが直接巻回されるときに巻始め側部分で導線302aが最初に接触する凸部38の側面部分を巻き始め側接触部38aとすると(図7(b)参照)、裏板部36において、揺動用コイル302の巻始め側の端部が固定される端子ピン39と巻始め接触部38aとの間に、前述した窪み部36aが配置される。また、凸部38において巻き始め側接触部38aとは反対側の側面部分を巻き終わり側接触部38bとすると、裏板部36において、揺動用コイル302の巻き終わり側の端部が固定される端子ピン39と巻き終わり側接触部38bとの間にも、前述した窪み部36aが配置される。つまり、巻き始め側及び巻き終わり側のいずれにおいても、揺動用コイル302と端子ピン39との間を連絡する導線302aを窪み部36aに配置して、揺動用コイル302が導線302aの上で盛り上がって局部的に変形等が生じないようにしている。
【0049】
また、凸部38の先端には、凸部38の周囲に巻回状態の揺動用コイル302の端面(当接面に当接されている端面とは反対側の端面)を押さえるコイル押さえ部381a,381bが一体に形成されている。この場合、揺動用コイル302は、平面視矩形の凸部38の周囲に導線302aを巻回して形成されているため、平面視で矩形状に形成されており、コイル押さえ部381は、個々の凸部38において、揺動用コイル302の2箇所の長辺部302bを押さえる2個のコイル押さえ部381aと、揺動用コイル302の2箇所の短辺部302cを押さえる2個のコイル押さえ部381bとを有している。
前述したように揺動用コイル302は、導線302aを凸部38の周囲に複数回環状に巻回して形成されたものであり、導線302aは、矩形の長辺部302b及び短辺部302cでは直線状に束ねられるが、矩形の屈曲部302dにおいては90°屈曲形成される。このため、この屈曲部302dは、長辺部302b及び短辺部302cに比べて厚さ方向の寸法が大きくなり易いとともに、そのばらつきも長辺部302b及び短辺部302cに比べて大きくなる傾向にある。したがって、コイル押さえ部381は、揺動用コイル302の屈曲部302dを避けて、長辺部302b及び短辺部302cを押さえるようにしている。
【0050】
各コイル押さえ部381a,381bは、凸部38の先端面に設けられているが、凸部38の周縁から揺動用コイル302の中心に対して外側に向けて当接面37と平行に張り出しており、その張り出している部分で揺動用コイル302の端面を押さえている。これらコイル押さえ部381a,381bは、揺動用コイル302の巻回方向に沿う長さを有する平板状に形成されており、いずれも、揺動用コイル302の長辺部302bの長さ方向の中間部、又は短辺部302cの長さ方向の中間部をそれぞれ押さえている。この場合、コイル押さえ部381a,381bの凸部38の周縁からの張り出し長さ(W1)は、揺動用コイル302の巻線幅(W2)の例えば2/3以上を押さえることができる寸法にするとよい(図8(b)参照)。また、各コイル押さえ部381a,381bにおいて、揺動用コイル302の長さ方向に沿う寸法は、長辺部302bを押さえるコイル押さえ部381aの長さ(L1)が、短辺部302cを押さえるコイル押さえ部381bの長さ(L2)よりも大きく形成され、長辺部302bと短辺部302cとの長さに応じた長さにそれぞれ形成されている(図7(a)参照)。
【0051】
また、各凸部38には、コイル押さえ部381a,381bの外面(揺動用磁石301と対向する面)よりもさらにホルダーフレーム30に対して外側に向けて突出する第2凸部382が形成されている。本実施形態では、凸部38が正面視矩形状に形成されていることから、その両端部、具体的にはX軸方向に直交する姿勢で配置されている裏板部36の凸部38においてはY軸方向の+Y側及び-Y側、Y軸方向に直交する姿勢で配置されている裏板部36の凸部38においてはX軸方向の+X側及び-Y側に、それぞれ1個ずつ形成されている。これら第2凸部382は、各凸部38のコイル押さえ部381a,381b及び凸部38の周縁部を避けた位置で突出するように形成されている。そして、これら第2凸部382の先端と揺動用磁石301の表面とが若干の隙間gを介して対向している(図8(b)参照)。その隙間gは、揺動用コイル302が揺動可能範囲(例えば±6°)内で揺動する場合にはこれを阻害しないが、その揺動可能範囲を超えて揺動しようとしたときに第2凸部382の先端が揺動用磁石301に当接する大きさに設定される。
なお、4箇所のコイル保持部33のうちのいずれか一つのコイル保持部33、図3等に示す例ではY軸方向の-Y側に配置されているコイル保持部33における凸部38には、両第2凸部382の間に配置されるように凹部383が形成されており、その凹部383内に、図7に示すように、磁場の変化から揺動位置を検出するためのホール素子等の磁気検出素子311が用いられている。
【0052】
(ジンバル機構50の構成)
本実施形態の撮影用光学装置100において、可動体10を第1軸線R1周りおよび第2軸線R2周りに揺動可能に支持するにあたって、可動体10のローター40と可動体10のホルダーフレーム30との間には、以下に説明するジンバル機構50が構成されている。
本実施形態では、ジンバル機構50には、ホルダーフレーム30の可動枠配置空間140内に可動枠51が設けられる。この可動枠51は、図3図5及び図6に示すように、薄板により環状に形成されており、ホルダーフレーム30の可動枠配置空間140内に配置されている。また、可動枠51には、周方向に90°間隔をおいて4箇所に、可動枠51の環状の中心に対して半径方向外側に向けた突起部52が一体に形成され、各突起部52にさらに半径方向外側方向に半球状の凸面を向けるように球体53が溶接等によって固定されている。
【0053】
一方、ホルダーフレーム30において連結状態とされたコイル保持部33の間の連結部34の内側、及びコイル保持部33の間に配置されているローター40のフレーム部48の内側には、それぞれ溝部35、49が形成されており、この溝部35、49に接点用ばね510がそれぞれ取り付けられ、これら接点用ばね510に可動枠51の各球体53の先端凸部がそれぞれ支持されている。
具体的には、各接点用ばね510は、弾性変形可能なステンレス鋼等の金属からなる板材をプレス成形することにより、縦断面U字状となるように屈曲形成されており、ホルダーフレーム30及びローターフレーム42の各溝部35、49内に固定される取り付け部511と、取り付け部511の一端から折り返され取り付け部511とほぼ平行に延びる受け板部512とを有している。これら接点用ばね510は、取り付け部511がホルダーフレーム30又はローターフレーム42の各溝部35、49の内面に接着剤等により固定され、受け板部512をモジュールホルダ保持部31に向けた状態に配置している。また、各受け板部512には、可動枠51における各球体53の先端凸部を受ける凹部513が形成されている。接点用ばね510は、取り付け部511と受け板部512との間を離間接近させる方向に弾性変形可能であり、可動枠51の球体53との接触点に可動枠51の半径方向外側から内側に向けて弾性的な荷重を印加できるようになっている。
【0054】
そして、ホルダーフレーム30の可動枠配置空間140内に可動枠51が配置され、可動枠51の外周側の4箇所の突起部52に設けられた球体53が、ホルダーフレーム30及びローターフレーム42に取り付けられた各接点用ばね510の受け板部512の凹部513にホルダーフレーム30の径方向内側から弾性的に接触させられている。
この場合、図6に示すように、ホルダーフレーム30に固定された接点用ばね510は、第1軸線R1方向で対をなすように対向し、可動枠51の球体53との間で第1揺動支点55を構成する。一方、ローターフレーム42に固定された接点用ばね510は、第2軸線R2方向で対をなすように対向し、可動枠51の球体53との間で第2揺動支点56を構成する。
したがって、ローターフレーム42に対して可動枠51が第2軸線R2周りに揺動可能であり、その可動枠51に対してホルダーフレーム30が第1軸線R1周りに揺動可能に支持される。
【0055】
このように構成したジンバル機構50において、各接点用ばね510の付勢力は等しく設定される。なお、本実施形態では、揺動用駆動機構300に磁気駆動機構が用いられていることから、ジンバル機構50に用いた可動枠51、接点用ばね510はいずれも、非磁性材料からなる。本実施形態において、可動枠51は、コイル保持部33と同じ高さ位置(Z軸方向における同一の位置)に配置されている。このため、光軸L方向に対して直交する方向からみたとき、ジンバル機構50は、揺動用駆動機構300と重なる位置に設けられている。特に本実施形態では、図5に示すように、光軸L方向に対して直交する方向からみたとき、ジンバル機構50は、揺動用駆動機構300における揺動用コイル302のZ軸方向の中心と重なる位置に設けられている。
【0056】
(撮影用光学装置100におけるコイルユニットの製造方法)
以上のように構成した撮影用光学装置100を製造するに際して、揺動用駆動機構300の揺動用コイル302は、以下のようにしてコイル保持部33に巻き付けられる。
前述したように、組み立て状態においては、コイル押さえ部381a,381bは、凸部38の周縁から当接面37と平行に張り出して揺動用コイル302の端面を押さえた状態としているが、このコイル押さえ部381a,381bは、後述するように揺動用コイル302を凸部38の周囲に巻き付けた後に変形させられることにより形成されたものであり、揺動用コイル302を巻き付ける前は、凸部38の周縁から張り出さずに、図7(b)及び図8(a)に示すように凸部38からホルダーフレーム30の外側に向かって突出した状態に形成される。この状態のものを単に突出部385a,385bと称す。そして、凸部38に揺動用コイル302を巻き付けた後、突出部385a,385bを変形させることによりコイル押さえ部381a,381bとなる。以下、凸部38に揺動用コイル302を巻き付ける方法について順を追って説明する。
【0057】
凸部38に揺動用コイル302の導線302aを巻回するには、以下のような巻線装置61が用いられる。
巻線装置61は、図9及び図10に示すように、ホルダーフレーム30が固定される本体部62と、本体部62を回転させる回転機構(図示省略)と、揺動用コイル302を構成する導線302aを供給する供給ノズル63と、本体部62と一緒に回転する従属ヘッド64とを備えている。本体部62は、ホルダーフレーム30が搭載されるホルダ搭載部65と、ホルダ搭載部65との間にホルダーフレーム30を挟んで固定するためのクランプ部66と、図9の上下方向を回動の軸方向としてホルダ搭載部65を回動可能に保持するとともに図9の上下方向へクランプ部66を移動可能に保持するベース部67とを備えている。本体部62は、図9の左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。
従属ヘッド64は、図9の左右方向へ直線的に移動可能となっている。また、従属ヘッド64は、図9の左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。従属ヘッド64には、従属ヘッド64を回転させる回転機構が連結されており、本体部62と従属ヘッド64とが同期して回転する。また、従属ヘッド64には、ホルダーフレーム30の凸部38の先端面に接触する平面状の接触面64aが形成されている。また、従属ヘッド64には、図10に示すように、第2凸部382及び突出部385a,385bが入り込む凹部64bが形成されている。
【0058】
巻線装置61を用いて揺動用コイル302を凸部38に巻回するときには、まず、本体部62にホルダーフレーム30を固定するとともに、揺動用コイル302の巻始め側の端部を端子ピン39に絡げて固定する。その後、従属ヘッド64の凹部64bの中に第2凸部382及び突出部385a,385bを配置させ、従属ヘッド64の接触面64aが凸部38の先端面に押し当てられるように従属ヘッド64を移動させる。この状態で、供給ノズル63から導線を供給しながら、本体部62と従属ヘッド64とを一緒に回転させることで、凸部38に導線302aを巻回し、揺動用コイル302を形成する。また、凸部38に揺動用コイル302が巻回されると、本体部62と従属ヘッド64との回転を停止させ、揺動用コイル302の巻終わり側の端部を端子ピン39に絡げて固定する。
【0059】
揺動用コイル302の巻終わり側の端部を端子ピン39に絡げて固定すると、ベース部67に対してホルダ搭載部65を90°回動させてから、同様にして、次の凸部38に揺動用コイル302を巻回する。このようにして、各凸部38のそれぞれに揺動用コイル302を順次巻回する。なお、各凸部38への揺動用コイル302の巻回が終了するごとに、ホルダーフレーム30が搭載されたホルダ搭載部65の回動が可能となるように、従属ヘッド64およびクランプ部66を移動させる。
なお、本形態では、揺動用コイル302を構成する導線302aは融着被膜を有する融着線であり、各凸部38への揺動用コイル302の巻回が終了するごとに、ホルダーフレーム30と一緒に揺動用コイル302を加熱して、導線302a同士を融着させる。
【0060】
このようにして4個の凸部38にそれぞれ揺動用コイル302を巻き付けた後、巻線装置61からホルダーフレーム30を取り出し、各凸部38の先端からホルダーフレーム30の外側に向けて突出している突出部385a,385bを変形させて、凸部38の先端周縁から当接面37と平行に揺動コイル302の中心に対して半径方向の外側に張り出すように変形させ、凸部38の周囲に巻回している揺動用コイル302の端面(当接面37に当接している端面とは反対側の端面)を押さえるコイル押さえ部381a,381bを形成する。この突出部385a,385bはホルダーフレーム30全体が合成樹脂製であるので、高温に熱した押圧板を突出部385a,385bの先端に押し付け、突出部385a,385bの一部を熱で溶かしてあるいは軟らかくして押し潰しながら、押し潰した部分を凸部38の周縁から揺動コイル302の中心に対して外側方向に張り出させるように変形させることにより、揺動用コイル302の端面を押さえることができる。
例えば、図8(a)に二点鎖線で示すように、押圧板Pの先端にコイル押さえ部381a,381bが嵌る大きさの凹部Paを形成しておき、その凹部Paの底面で突出部385a,385bを押し潰しながら、押し潰した樹脂を凹部Pa内に充満させることにより、コイル押さえ部381a,381bが形成される。
このコイル押さえ381a,381bの形成により、各揺動用コイル302は、凸部38の周囲に巻回された状態で裏板部36の当接面37と凸部38先端のコイル押さえ部381a,381bとの間に挟持されて保持される。
【0061】
(本形態の主な動作)
以上のように構成した撮影用光学装置100において、ピッチング及びヨーイングに対しては、揺動用駆動機構300により、第1軸線R1又は第2軸線R2周りに光学モジュール1を揺動することにより振れを補正することができる。また、ローリングに対しては、ローリング用駆動機構400により、ローター40を光軸L周りに回動させて振れを補正することができる。具体的には、揺動用駆動機構300においては、ケース210内の磁石301による磁界の中で、駆動コイル302に電流を流すことにより電磁力を発生させ、その電磁力によってケース210(固定体20)に対してホルダーフレーム30(可動体10)を第1軸線R1、第2軸線R2のいずれかあるいは両方の軸線周りに揺動させて光学モジュール1の姿勢を制御する。ローリング用駆動機構400においては、ボトムカバー220に固定された磁石401の磁界の中で、駆動コイル402に電流を流すことにより電磁力を発生させ、その電磁力によってボトムカバー220(固定体20)に対してローター40を光軸L周りに回動させ光学モジュール1の姿勢を制御する。
この光学モジュール1の制御に際しては、磁気検出素子311,411で磁場の変化から揺動位置を検出しながらフィードバック制御される。
【0062】
(本形態の主な効果)
この撮影用光学装置100において、揺動用コイル302は、ホルダーフレーム30の凸部38の周囲に巻回され、裏板部36の当接面37とコイル押さえ部381a,381bとの間に挟持状態に保持されているので、凸部38に揺動用コイル302を確実に保持して、その脱落を防止することができる。実施形態では導線302aとして融着被膜を有する融着線を用いて、凸部38に巻回後に融着したが、コイル押さえ部381a,381bにより確実に保持されるので、必ずしも融着しなくてもよい。あるいは、融着被膜を設ける場合も、その被膜の厚さを小さくすることができる。
この揺動用コイル302を凸部38に固定する場合、予め凸部38からホルダーフレーム30の外側方向に突出する突出部385a,385bを形成し、揺動用コイル302を凸部38の周囲に巻き付けた後に、突出部385a,385bを変形させてコイル押さえ部381a,381bを形成しているので、揺動コイル302の巻線作業とコイル押さえ部381a,381bの形成作業とを連続的に実施することができ、揺動コイル302を確実に保持固定することができる。このコイル押さえ部381a,381bの形成は、実施形態では、突出部385a,385bを加熱板Pで押し潰すことにより行うことができ、揺動用コイル302の固定作業が容易である。
【0063】
また、コイル押さえ部381a,381bは、揺動用コイル302として厚さのばらつきの少ない長辺部302b及び短辺部302cの直線部分を押さえているので、揺動用コイル302を安定して固定することができる。この場合、長辺部302bを押さえるコイル押さえ部381aは、短辺部302cを押さえるコイル押さえ部381bよりも揺動コイル302の導線302aの巻き方向に長く形成されているので、脱落し易い長辺部302bを長い範囲で押さえて安定させることができる。コイル押さえ部381a,381bの長さを長辺部302b及び短辺部302cの長さに応じて設定したが、すべて同じ大きさのコイル押さえ部とし、長辺部302bに例えば2個のコイル押さえ部を配置し、短辺部302cに1個のコイル押さえ部を配置するというように、コイル押さえ部の個数を長辺部302b及び短辺部302cの長さに応じて設定してもよい。
【0064】
揺動用コイル302を固定した撮影用光学装置100においては、振れに基づく姿勢制御の際に、揺動用コイル302は通常の揺動可能範囲(±6°)内では自由に揺動することができるが、その揺動可能範囲を超えて揺動しようとしたときに第2凸部382の先端が揺動用磁石301に当接して、それ以上の揺動を阻止するようになっている。このため、揺動用コイル302と揺動用磁石301とが衝突することが抑制され、これらの損傷を防止するとともに、安定した振れ補正を行わせることができる。
【0065】
(他の実施形態)
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、凸部38の先端にホルダーフレーム30の外側方向に突出する突出部385a,385bを形成しておき、凸部38の周囲に揺動用コイル302を巻回した後に、突出部385a,385bを押し潰してコイル押さえ部381a,381bを形成したが、図11に示すように、凸部38の先端に開口する孔283を形成するとともに、別途、ピン284とコイル押さえ部281とを一体化したコイル押さえ部材286を形成しておき、揺動用コイル302を巻回した後に、コイル押さえ部材286のピン284を凸部38の孔283に挿入して固定することにより、コイル押さえ部281で揺動用コイル302を押さえるようにしてもよい。
【0066】
また、揺動用コイル302の長辺部302b及び短辺部302cの両方をコイル押さえ部381a,381bによって押さえたが、長辺部302b及び短辺部302cのいずれか一方のみを押さえるようにしてもよい。
また、揺動用コイル302は、ホルダーフレーム30の凸部38に導線302aを直接巻回することにより凸部38に取り付けたが、予め凸部38を嵌合し得る大きさの環状に巻回状態に形成したコイルを凸部38に取り付けるようにしてもよい。
さらに、実施形態ではローリング用駆動機構400のローリング用コイル402はローターボトム41の取り付け面41aに当接して取り付けられており、コイル押さえ部を有していないが、このローリング用コイル402にも揺動用駆動機構300の揺動用コイル302を保持するコイル押さえ部281a,281bのようなコイル押さえ部を設けても良い。
【0067】
また、ジンバル機構50では、可動枠51に固定した球体53を接点用ばね510に接触させる構造としたが、必ずしも球体53でなくてもよく、棒状部材等の先端面を球状に形成してなる球状先端面を接点用ばね510に接触させる構造としてもよい。
また、可動体10を固定体20に支持する支持機構として、揺動可能に支持する機構をジンバル機構50により構成したが、ほぼ光軸Lに沿う方向のピボット軸による支持機構としてもよく、その場合、ピボット軸の先端面が球状先端面に形成され、ピボット軸は、その球状先端面を中心に光軸Lと交差する方向に揺動する。
なお、本発明のコイルユニットは、撮影用光学装置以外にも、コイルと磁石を用いた各種のアクチュエータにおいて、コイルを保持する機構として適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…光学モジュール、1a…光学素子、1b…撮像素子、10…可動体、11…モジュールホルダ、12…ウエイト、13…鏡筒部、14…基台部、20…固定体、30…ホルダーフレーム、31…モジュールホルダ保持部、32…ベース部、33…コイル保持部(コイル保持部材)、34…連結部、35…溝部、36…裏板部、36a…窪み部、37…当接面、38,41b…凸部、38a…巻き始め側接触部、38b…巻き終わり側接触部、39…端子ピン、40…ローター、41…ローターボトム、41a…取り付け面、42…ローターフレーム、43…軸部、44…周壁部、45…突起、46…下部環状部、46a…切欠部、47…上部環状部、48…フレーム部、49…溝部、50…ジンバル機構、51…可動枠、52…突起部、53…球体、55…第1揺動支点、56…第2揺動支点、61…巻線装置、62…本体部、63…供給ノズル、64…従属ヘッド、64a…接触面、64b…凹部、65…ホルダ搭載部、66…クランプ部、67…ベース部、100…撮影用光学装置、140…可動枠配置空間、210…ケース、220…ボトムカバー、221A,221B…軸受、222…筒状部、223…突起部、230…筒体、231,232…側板部、233…切欠き、240…カバー枠、241…開口部、300…揺動用駆動機構、301…揺動用磁石(駆動用磁石)、301a,301b…磁極、301c…着磁分極線、302…揺動用コイル(コイル)、302a…導線、302b…長辺部、302c…短辺部、302d…屈曲部、311…磁気検出素子、382…第2凸部、383…凹部、385a,385b…突出部、400…ローリング用駆動機構、401…ローリング用磁石、401a,401b…磁極、401c…着磁分極線、402…ローリング用コイル、402a…斜辺部、510…接点用ばね、511…取り付け部、512…受け板部、513…凹部、1800,1850,1900…フレキシブル配線基板、L…光軸、R1…第1軸線、R2…第2軸線、g…隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11