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特許7016680生体情報処理装置、生体情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】生体情報処理装置、生体情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/36 20210101AFI20220131BHJP
   A61B 5/355 20210101ALI20220131BHJP
   A61B 8/08 20060101ALI20220131BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20220131BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220131BHJP
【FI】
A61B5/36 ZDM
A61B5/355
A61B8/08
A61B8/14
G06T7/00 350C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017228680
(22)【出願日】2017-11-29
(65)【公開番号】P2019097639
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高柳 恒夫
【審査官】樋口 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538043(JP,A)
【文献】特開2017-192607(JP,A)
【文献】特開2014-100473(JP,A)
【文献】特表2013-524984(JP,A)
【文献】特表2008-515486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/02-5/398
A61B8/00-8/15
G06T7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の生体情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記生体情報を分類する分類部と、
前記分類部の分類結果に応じて、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択し、選択した前記アルゴリズムにより前記分類された生体情報を分析する分析部と、
を有し、
前記生体情報は、心電図波形を含み、
前記分類部は、前記心電図波形を、QT間隔の長さに応じた複数の分類基準及びT波の振幅の大きさに応じた複数の分類基準を組み合わせて分類する、生体情報処理装置。
【請求項2】
前記分類部は、ニューラルネットワークを用いて予め生体情報を深層学習させることに基づいて構築されている、請求項1記載の生体情報処理装置。
【請求項3】
被検者の生体情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得された前記生体情報を分類する分類工程と、
前記分類工程における分類結果に応じて、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記アルゴリズムにより前記分類された生体情報を分析する分析工程と、
を含み、
前記生体情報は、心電図波形を含み、
前記分類工程は、前記心電図波形を、QT間隔の長さに応じた複数の分類基準及びT波の振幅の大きさに応じた複数の分類基準を組み合わせて分類する、生体情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報処理装置、生体情報処理方法に関する。さらに、本開示は、当該生体情報処理装置をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、測定した心電図波形などの生体情報を分析する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Hermans BJM, Vink AS, Bennis FC,Filippini LH, Meijborg VMF, Wilde AAM, et al.(2017) 「The development and validation of an easy to use automatic QT-interval algorithm.」PLoS ONE 12(9): e0184352. (https://doi.org/10.1371/journal.pone.0184352)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定した心電図波形におけるT波の終了点の検出を行う場合、時間軸上のQRS波の後方の一定の範囲において、T波のピークが検出できるはずという予測に基づいて、T波のピークを探していた。この場合、T波のピークを探す一定の範囲は、各種のデータベースを用いた一般的な値を用いていた。例えば、非特許文献1の場合、T波のピークを探す範囲はR+50ms~R+0.7RR間隔、となっている。
【0005】
しかし、心電図波形は、被検者の各種疾患や測定時の環境などの様々な要因により、典型的な心電図波形の振幅や時間軸上の間隔から大きく外れてしまうことがある。このため、一般的な値を用いて心電図波形におけるT波を探しても、T波のピークを見つけることができず、T波の終了点を正しく検出することができないことがあった。
【0006】
本開示は、生体情報の分析を精度良く行うことができる生体情報処理装置、生体情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の生体情報処理装置は、
被検者の生体情報を取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記生体情報を分類する分類部と、
前記分類部の分類結果に応じて、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択し、選択した前記アルゴリズムにより前記分類された生体情報を分析する分析部と、
を有する。
【0008】
上記構成によれば、まず、分類部によって生体情報を分類する。その分類結果に応じて、分析部は、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムにより分類された生体情報を分析する。これにより、分類された生体情報に適するアルゴリズムによる分析を行うことができ、生体情報の分析を精度良く行うことができる。
【0009】
また、本開示の生体情報処理方法は、
被検者の生体情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得された前記生体情報を分類する分類工程と、
前記分類工程における分類結果に応じて、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択する選択工程と、
前記選択工程で選択された前記アルゴリズムにより前記分類された生体情報を分析する分析工程と、
を含む。
【0010】
上記方法によれば、まず、生体情報を分類する。この分類結果に応じて、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択する。さらに、選択されたアルゴリズムにより分類された生体情報を分析する。この方法により、分類結果に適するアルゴリズムによる生体情報の分析を、より精度良く行うことができる。
【0011】
また、本開示のプログラムは、上記方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0012】
上記プログラムによれば、分類結果に適するアルゴリズムによる分析をコンピュータに実行させることができ、生体情報の分析をより精度良く行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、生体情報の分析を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施形態に係る生体情報処理装置を示すハードウェア構成図である。
図2】制御部の機能ブロック図である。
図3】生体波形の分析について模式的に示す図である。
図4】分類テーブルの一例を説明するための図である。
図5】複数のアルゴリズムの一例を説明するための図である。
図6】生体波形の分析について模式的に示す図である。
図7】本実施形態に係る生体情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図8】従来の生体波形の分析について模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る生体情報処理装置1(以下「処理装置1」という。)のハードウェア構成図を示す。
【0016】
処理装置1は、入力部2と、制御部3と、記憶部4と、出力部5と、センサインターフェース6と、ネットワークインターフェース7とを有している。入力部2、制御部3、記憶部4、出力部5、センサインターフェース6、ネットワークインターフェース7は、バス8で電気的に接続されている。
【0017】
処理装置1は、生体情報の分析を行うための装置である。生体情報は、生体に関する各種の情報であり、例えば、心電図波形や脈波などの生体波形の情報、血管の断面や心臓などの生体画像の情報である。処理装置1は、心電計などの生体情報の処理を行う専用装置であってもよく、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの汎用デバイスであってもよく、Apple Watch(登録商標)などのウェアラブルデバイスであってもよい。
【0018】
入力部2は、処理装置1を操作する検査者などの入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する指示信号を生成するように構成されている。入力部2は、例えば、処理装置1の筐体に取り付けられた操作ボタン、筐体に接続されたマウスやキーボード、筐体に配置されたタッチパネルである。入力部2によって生成された指示信号は、バス8を介して制御部3に出力される。
【0019】
制御部3は、入力部2から入力される指示信号に応じて、処理装置1に関する制御を行うように構成されている。制御部3は、プロセッサとメモリを有している。メモリは、コンピュータ可読命令(プログラム)を記憶するように構成されており、例えば、各種プログラムなどが格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラムなどが格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)などから構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0020】
プロセッサが後述する生体情報処理方法を実行するための生体情報処理プログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で当該生体情報処理プログラムを実行することで、制御部3は、処理装置1の各種動作を制御してもよい。制御部3及び生体情報処理プログラムの詳細については後述する。
【0021】
記憶部4は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Soli
d State Drive)、USBフラッシュメモリなどの記憶装置(ストレージ)であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶部4に格納されるプログラムは、生体情報処理プログラムや、分析に用いる複数のアルゴリズムなどである。記憶部4に格納される各種データは、生体情報に関するデータなどである。生体情報に関するデータは、時間軸上に連続して発生する複数の心電図波形(生体波形の一例)を示す波形データなどである。波形データは、不図示の心電図センサによりリアルタイムで(計測と同時に)取得されて、センサインターフェース6を介して、記憶部4に取得されてもよい。波形データは、既に計測された計測結果データ(過去の計測結果)であってもよい。既に計測された計測結果データの場合、ネットワークインターフェース7を介して、記憶部4に取得されてもよく、USBメモリなどの外部機器を介して取得されてもよい。
【0022】
出力部5は、処理装置1の分析結果を出力する機器で構成されている。出力部5は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示機器や、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどのプリンタ装置などである。
【0023】
センサインターフェース6は、不図示のセンサを処理装置1に接続するためのインターフェースである。
ネットワークインターフェース7は、処理装置1を通信ネットワークに接続するように
構成されている。
処理装置1とセンサインターフェース6またはネットワークインターフェース7とは、有線で接続されてもよく、無線で接続されてもよい。
【0024】
制御部3は、図2に示すように、取得部31と、分類部32と、分析部33とを含んでいる。
【0025】
取得部31は、センサインターフェース6、ネットワークインターフェース7または記憶部4から、被検者の生体情報を取得するように構成されている。図3は、生体波形の分析について模式的に示す図であり、取得部31が取得するQRS波、T波を含む心電図波形(生体波形の一例)が示されている。
取得部31が取得した生体情報は、分類部32に出力される。
【0026】
分類部32は、取得部31で取得された生体情報を分類するように構成されている。分類部32は、生体波形などに見られるおおよその特徴に基づいて生体情報を分類する。
図4は、分類部32による分類に用いられる分類テーブルの一例である。図4に示すように、分類部32は、心電図波形におけるQT時間(時間軸上の時間間隔の一例)及びT波の振幅(高さ)の違いに基づいて、生体波形を分類結果C1~C9に分類する。分類テーブルに用いられる分類基準は、例えば、QT時間について、350ms以下を「QT時間が短縮(以下「QT短縮」という)」、450ms以上を「QT時間が延長(以下「QT延長」という)」、350msより長く450ms未満を「QT時間が正常(QT時間が通常ともいう。以下「QT正常」という)と分類してもよい。
分類部32は、一例として、ニューラルネットワークを用いて予め生体情報を深層学習させることに基づいて構築されていてもよい。
分類部32の分類結果は、分類部32から分析部33に出力される。
【0027】
分析部33は、分類部32の分類結果に応じて、予め用意された複数のアルゴリズムから用いるアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムにより分類された生体情報を分析するように構成されている。予め用意された複数のアルゴリズムは、それぞれ、分類部32で用いたおおよその特徴に基づく分類に合致した最適な分析を行うことができるように構築されている。
【0028】
分析に用いる複数のアルゴリズムは、一例として、図5に示す第一アルゴリズム~第九アルゴリズムである。この場合、分析部33は、分類部32から取得した分類結果C1~C9に応じたアルゴリズムを、予め用意された複数の第一アルゴリズム~第九アルゴリズムから選択するように構成されている。分析部33は、選択したアルゴリズムにより、分類結果に対応する心電図波形を分析する。分類結果に対応する心電図波形は、取得部31から分析部33に出力されてもよく、記憶部4から分析部33に出力されても良い。
【0029】
次に、処理装置1の処理方法について、図3図7を用いて説明する。図7は、本実施形態の生体情報処理方法(以下、「処理方法」という。)の一例を説明するためのフローチャートである。
【0030】
図7に示すように、STEP1において、処理装置1の取得部31は、被検者から取得される生体情報を取得する(取得工程)。本例では、取得部31が、図3または図6に示す生体波形を取得した場合について説明する。取得部31は、取得した生体波形をデジタルデータ(波形データ)にA/D変換し、この波形データを分類部32に出力する。
【0031】
STEP2において、分類部32は、STEP1で取得した波形データを分類する(分類工程)。分類部32は、図3に関する波形データを取得した場合、「QT短縮」かつ「T波の振幅が正常(正常)」(分類結果C2)と分類する(図4)。また、分類部32は、図6に関する波形データを取得した場合、「QT延長」かつ「T波の振幅が正常(正常)」(分類結果C8)と分類する(図4)。
分類部32は、この分類結果を、分析部33に出力する。
【0032】
STEP3において、分析部33は、分類部32から、STEP2の分類結果を取得する。STEP4において、分析部33は、STEP3で取得した分類結果に応じて、この分類結果に適するアルゴリズムを、予め用意された複数のアルゴリズム(第一アルゴリズム~第九アルゴリズム)から選択する(選択工程)。分析部33は、取得した分類結果が分類結果C2である場合、分類結果C2に適するアルゴリズムとして第二アルゴリズムを選択する。分析部33は、取得した分類結果がC8である場合、分類結果C8に適するアルゴリズムとして第八アルゴリズムを選択する。
STEP5において、分析部33は、STEP4で選択したアルゴリズム(第二アルゴリズム、第八アルゴリズム)を用いて、STEP2で分類された波形データの分析を実行する(分析工程)。分析部33の分析結果は、出力部5から出力されてもよく、記憶部4に記憶されてもよい。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の処理装置1によれば、まず、分類部32によって生体情報を分類する(図7のSTEP2)。その分類結果C1~C9に応じて、分析部33は、予め用意された複数のアルゴリズム(第一アルゴリズム~第九アルゴリズム)から用いるアルゴリズムを選択する(図7のSTEP4)。そして、選択したアルゴリズムにより分類された生体情報を分析する(図7のSTEP5)。これにより、分類された生体情報に適するアルゴリズムによる分析を行うことができ、生体情報の分析を精度良く行うことができる。
【0034】
すなわち、従来、心電図波形の分析において、例えばT波のピークの検出に一般的な値を用いる場合には、標準的な波形から外れる波形についてT波のピークを検出することができない場合があった。図8に、従来における標準的なT波のピークの検索範囲を示す。図8に示す例では、T波のピークの検索範囲からT波が外れており、T波のピークが検出できない。この場合は、QT時間の検出も行うことができなかった。
これに対して、上記した本実施形態の処理装置1によれば、分類部32により生体情報が分類される。その分類結果に応じて、分析部33により、用いるアルゴリズムが選択され、選択されたアルゴリズムを用いて分析が行われる。これにより、例えばQT短縮(図3)やQT延長(図6)のように、従来は正確に分析できなかった生体情報について、精度良く生体情報の分析を行うことができる。
【0035】
また、ニューラルネットワークを用いて予め生体情報を深層学習させることに基づいて構築されている分類部32により、生体情報を分類するので、検査者の主観(検査者が設定した特徴値)に依拠しない高精度の分類を行うことができる。
【0036】
また、生体情報は、生体波形を含み、分類部32は、生体波形の時間間隔に基づく分類を行うように構成されているので、生体波形をより適切に分類することができる。
【0037】
本実施形態に係る処理装置1をソフトウェアによって実現するためには、生体情報処理プログラムが制御部3のメモリ(ROMなどの記憶部)に予め組み込まれていてもよい。または、生体情報処理プログラムは、磁気ディスク(HDD、フロッピーディスク)、光ディスク(CD-ROM,DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)ディスクなど)、光磁気ディスク(MOなど)、フラッシュメモリ(SDカード、USBメモリ、SSDなど)などのコンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、処理装置1に設けられたディスクドライブなどによって記憶媒体に格納された生体情報処理プログラムが読み込まれることで、当該生体情報処理プログラムが、メモリに組み込まれる。そして、メモリに組み込まれた当該プログラムがRAM上にロードされて、プロセッサがRAM上にロードされた当該プログラムを実行する。
また、生体情報処理プログラムは、通信ネットワーク上のコンピュータからネットワークインターフェース7を介してダウンロードされてもよい。この場合も同様に、ダウンロードされた当該プログラムがメモリに組み込まれる。
【0038】
本開示は、上述した実施形態や変形例に限定されず、適宜、変形、改良などが自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、形態、数、配置場所などは、本開示を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0039】
上記実施形態では、生体波形をQT時間とT波の振幅の違いに基づいて分類する例を説明したが、本開示の分類の指標はQT時間、T波に限らない。本開示の処理装置1及び処理方法は、例えば、PR間隔に基づく生体波形の分類にも用いることができる。
PR間隔に基づく心電図波形(生体波形の一例)を分類する場合、分類部32は、取得した心電図波形(A/D変換された波形データ)を、PR間隔に基づいて分類し、PR間隔が短縮された場合をC11、PR間隔が通常の場合をC12、PR間隔が延長された場合をC13と分類する。この場合において、分析部33は、分類結果C11~C13に応じたアルゴリズムを、予め用意された第十一アルゴリズム~第十三アルゴリズムから選択し、選択したアルゴリズムにより心電図波形の分析を行う。第十一アルゴリズムは、例えばWPW症候群に関するアルゴリズムとすることができ、分類結果C11の場合に選択される。第十三アルゴリズムは、例えば1度房室ブロックに関するアルゴリズムとすることができ、分類結果C13の場合に選択される。
【0040】
また、上記処理装置1及び処理方法は、生体情報が画像の場合にも用いることができる。心室内腔面積の算出に関して、超音波エコーで取得する画像を用いる例を説明する。
分類部32は、取得部31から心臓を含む画像を取得し、この画像について深層学習により心臓がおおよそ画像のどの位置にあるのかを分類する。この分類において、分類部32は、分類する画像全体を複数の領域(例えば9領域)に区分し、各区分を分類結果C21~C29とする。分類部32は、取得した画像において、心臓が位置するおおよその位置を、例えば分類結果C28と分類する。
分析部33は、分類結果C28に応じたアルゴリズムを、予め用意された第二十一アルゴリズム~第二十九アルゴリズムから選択し、選択したアルゴリズムにより画像の分析を行う。例えば第二十八アルゴリズムは、心臓の内側の面積を算出するアルゴリズムとすることができる。分析部33は、分類結果C28に応じて第二十八アルゴリズムを選択し、選択した第二十八アルゴリズムを用いて、心臓の内壁を検出して心臓の内側の面積を算出する。
【0041】
上記では、予め用意されたアルゴリズムの数と分類結果の種類数とが同一の例を説明したが、予め用意するアルゴリズムの数と分類結果の種類数とは異なっていてもよい。例えば、分類結果の種類の数が、予め用意するアルゴリズムの数より少なくてもよい。
【0042】
また、分析に用いる複数のアルゴリズムは、上記した記憶部4に記憶される構成に限らない。分析に用いる複数のアルゴリズムは、制御部3に記憶されていてもよい。分析に用いる複数のアルゴリズムは、USBメモリなどの外部機器に記憶されていてもよい。外部機器に記憶された複数のアルゴリズムは、ネットワークインターフェース7を介して分析部33に取得されてもよい。
【0043】
また、上記処理装置1は出力部5を含んで構成されているが、本開示の処理装置1は上記構成に限らない。出力部5は、処理装置1の外部に備えられていてもよい。出力部5が外部に備えられる場合、処理装置1は、分類に関する情報や分析に関する情報を、ネットワークインターフェース7を介して出力部5に送信してもよく、USBメモリなどの記憶媒体を介して出力部5に取得させてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 生体情報処理装置、 2 入力部、 3 制御部、 4 記憶部、 5 出力部、 6 センサインターフェース、 7 ネットワークインターフェース、 8 バス、 31 取得部、 32 分類部、 33 分析部、 C1~C9 分類結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8