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▶ 石堂 律の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】チリトリ
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/52 20060101AFI20220131BHJP
【FI】
A47L13/52 101
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018086642
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019187974
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】717002153
【氏名又は名称】石堂 律
(72)【発明者】
【氏名】石堂 律
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3113863(JP,U)
【文献】実開平06-062967(JP,U)
【文献】登録実用新案第3090231(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシート状部材を湾曲させて形成される半円形ドーム型形状の本体を備え、本体は、一枚のシート状部材の左右の側縁を、それぞれ内巻きに折り込み、断面が三角形の筒状になるように形成後、左右の三角筒を突合せ、互いに固定することで、半円形ドーム型形状を形成し、
当該ドーム型部分の内部空間をゴミ収納部としたことを特徴とするチリトリ。
【請求項3】
請求項1の半円形ドーム型チリトリに着脱可能なハイスタンド取手を取り付出来ることを特徴とする請求項1又は2のチリトリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はチリトリに関し、特に一枚のシート状部材を組み立てることによって形成されゴミ収納袋の着脱が可能なチリトリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゴミ清掃に用いるチリトリは(図23)に示すようにゴミ収納部分を設けた本体1‘と、本体1’の後部に設けられた取手2が一体に形成されている。清掃時に箒、チリトリ、ゴミ袋の3点の用具を持ち替え、ゴミがチリトリに満杯になる度にゴミ袋に移し替えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案3139975
【文献】特開2012-223529
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで従来のチリトリはゴミ収納部が開放状態に形成されたものや、又は箱型形状に形成されているためごみをチリトリに集めた後に移動してゴミ袋又はゴミ箱に移し替える時、手元の不適切操作や、風の影響等で周りに飛散して再度清掃し直さなければならなくなると言う不都合な問題点がある。又ゴミ収集時に膝、腰を曲げかがみこむ姿勢になり膝、腰への負担がかかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記技術課題を解決するために行われたものであり、本発明に係る組立式チリトリは一枚のシート状部材の弾性を利用して湾曲させて形成される半円形ドーム型形状本体を備え、前記本体部の半円形ドーム型の内部空間をゴミ収納部としたことを特徴とする。又本体部のゴミ取り入れ部にゴミ収納袋を係止するフックを形成し、本発明チリトリとゴミ収納袋を容易に着脱が出来る事を可能にし、かつ着脱可能なハイスタンド取手を取り付けることでゴミ収納時の膝、腰への負担を軽減する姿勢でゴミ収納作業が容易に出来る様にしたものを提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上の様にチリトリとゴミ収納袋を一連化したことにより清掃中に用具の持ち替えやゴミの入れ替え作業の必要が無くなりゴミ類の清掃処理が効率よく実施可能となる。本発明形態は一枚のシート状部材を折り曲げて本体部を組み立て形成できるため、シート部材を折り畳む事が可能となり平面状のコンパクトな形状にすることが出来る(図22)。コンパクト化することにより省スペース化が可能になり物流コストの削減に寄与する。又本発明チリトリを購入者が店頭購入後持ち帰る時の利便性にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明形態の実施例の一方向からの斜視図
図2】本発明形態(図1)のゴミ排出口側からの斜視図
図3】ゴミ排出口底部、左右両端に引掛け突起付のフラップ4の開放状態斜視図
図4】ゴミ取り入れ口上部中間部分左右フックにゴミ収納袋(レジ袋又は市販の取手付ビニール袋)を装着した斜視図
図5】一枚のシート状部材の組立前の展開図
図6】チリトリ本体組立開始時の斜視図
図7】前部ゴミ取り入れ口上部、取手形成中間状態図
図8】前部ゴミ取り入れ口上部、取手折り込み完成図
図9】前部ゴミ取り入れ口底部、撓み(たわみ)防止補強部、組立前詳細図
図10】前部ゴミ取り入れ口、撓み(たわみ)防止補強組立過程図
図11】後部排出口側、取手形成過程中間状態図
図12】後部排出口側、取手形成詳細工程図
図13】後部排出口側、取手形成完成図
図14】前部ゴミ取り入れ口側、取手クリップ固定斜視図(上図Aより見る)
図15】後部ゴミ排出口側、取手クリップ固定斜視図(下図Bより見る)
図16】組立後平面図
図17】組立後底面図
図18】組立後正面図
図19】組立後背面図
図20】組立後左側面図
図21】組立後右側面図
図22】折り畳時の斜視図(物流過程時の形状)
図23】従来の技術のチリトリを示す斜視図
図24】着脱可能ハイスタンド取手を取り付け後の斜視図
図25】ゴミ収納袋装着後の 斜視図
図26】着脱式ハイスタンド取手、部品構成、分解図
図27】正面図
図28】平面図
図29】側面図
図30】背面図
図31】底面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係るチリトリの一実施形態を全体形成図、(図6)及至(図15)に基づいて説明する。このチリトリは一枚のシート状部材(図5)を湾曲させて形成した後、本体部(12L)(12R)とその延長部分を左右それぞれ内巻きに折り込み(図7)断面が三角形の筒状に形成後、左右の三角筒を突合せ前方、後方の端から垂直部分にクリップを差し込んで固定して取手を形成する。ゴミ取り入れ口底部、接地部分はシート状部材の撓み(たわみ)防止とゴミ逆止めを兼ねた三角山形形状を形成する(図10)。後部排出口には左右両端に引掛け突起部を形成した開閉可能なフラップが形成され(図11、4)ゴミ収納袋装着時にはフラップをチリトリ底面と同一平面になるように開放状態(図3)にした後ゴミ収納袋をフラップ付排出口に被せてゴミ取り込み口の方に移動して、ゴミ袋として使用する使用済のスーパーのレジ袋(又は市販の取手付ビニール袋)の取手部分をゴミ取り込み口側ドーム本体の中間部分に形成したフック(図4、6a)に引掛けて一体化を形成する(図4)。又本発明は(図3)のフラップ(4)に形成された突起部4L,4Rを2L、2R本体両側面の係合穴5L,5R(図3)に突起部を差し込み(図2)の形態にすることで従来の一般的なチリトリとしても使用出来る。
【実施例
【0009】
以下、(図5)に示した平面図展開をもつ本発明の一枚のシート状部材から形成する組立式ゴミ収納袋着脱可能チリトリの実施例を開示する。
【0010】
当該組立式ゴミ収納袋着脱可能チリトリは前部ゴミ取り入れ口から組立を始める。チリトリ本体の使用材料はシート状部材である為、ゴミ取り入れ口底部の撓み(たわみ)の発生防止とゴミ取り入れ口接地面の補強を兼ね(図9)に示す三ヶ所のフラップ9を9a2山折り線で折り曲げ8を8a,8bの谷折り線を介して、への字形形状に形成して3ヶ所のフラップ9を本体底面2Lbに二本ずつ三ヶ所に形成されたスリット10に挿入しゴミ取り入れ口底部の撓み(たわみ)止めとゴミ逆流止めを兼ねた三角山形が形成される(図10)。
【0011】
次にチリトリ本体ドーム型を形成する12L,12Rを谷折り線12L1、12R1を介して折り曲げ(図6)の形状にして、チリトリ本体左側面12Lの取手部分の形成は前部取り入れ口側の12L,13L,14L,15Lの順に12L1、13L1、14L1、15L1の谷折り線を介して順次内巻き折り込をして(図7),三角筒状に形成し(図8)、金属板で成型したクリップ3で12Lを15Lに突き付けこの部分を仮止めする。この時中間部分にあるタブ11は着脱可能ハイスタンド取手を使用する場合はハイスタンド取手の補助支柱ロッド22のフックを引っ掛けるため切込線11aを介して切り起こししておく。又延長上の後部排出口側の取手は谷折り線14L1,15L1を介して14L、15Lを折り込んだ後、反対側16L,17Lで14L,15Lで形成した部分を覆い被せる様に巻き込み(図12)クリップ3で仮固定する。同様の手順で本体右側12R側の前部、後部の取手を形成した後12Lで差し込んだ仮止めクリップ3を抜き15Lと15Rを突き付け合わせ前方ゴミ取り入れ側と後方ゴミ排出側の突き付け合わせた部分にクリップ3を挿入、固定して取手部分が形成される(図14)(図15)。
【0012】
後部排出口底部に形成した両端に引っ掛け突起部(4L,4R)付フラップ4の谷折り線4aを介して折り上げ引っ掛け突起部4L,4Rを本体12L,12Rの外側から谷折り線4L1,4R1を介して巻き込み本体12L、12Rに形成した係合穴5R,5Lに突起部を差し込む事で当発明の組立式ゴミ収納袋着脱可能チリトリはゴミ収納袋の無い一般的なチリトリとして使用が可能である(図2)。
【0013】
ゴミ収納袋一体型として使用する時はゴミ収納袋として使用済のスーパーのレジ袋又は各種サイズがある市販の取手付ビニール袋を装着する。ゴミ収納袋を装着する時は後部排出口底部のフラップ4の引っ掛け突起部4L,4Rを係合穴5L,5Rから外しフラップ4がチリトリ本体底面12Lbと同一平面になるように開放状態(図3)したのちフラップ4を含むゴミ排出口をゴミ収納袋で覆い被せてゴミ取り込み口側の方に移動してゴミ収納袋(使用済スーパーのレジ袋又は市販の取手付ビニール袋)の取手部分をゴミ取り入れ口側の2L、2Rのドーム状部分中間部に形成された一対のスリット6を介してフラップ6aに引っ掛けてゴミ収納袋と一体化して本発明の形態をなす(図4)。
【0014】
本発明のチリトリに付随する身体への負担を軽減する姿勢で作業が出来る着脱可能ハイスタンド取手の説明を(図26)に基づいて説明する。木製の取手19を金属製パイプ20にビスで固定、中間部分に掃除終了時に箒の柄を支持するクリップ21を備え、更にその下部にハイスタンド取手スタンド補助支柱ロッド22と補助支柱ロッド22をクリップするクリップ24が取り付けられている。金属製パイプ20の末端部には半円形の頂点部分が逆U字形に形成されたスチールロッド23を嵌め込む為のスリットが形成されている。当該部分にスチールロッド23の逆U字形部分を挿入、金属製パイプに形成された貫通穴を介して両端切落しボルトを通し両側からスプリングワッシャー23bと袋ナット23aで締付固定する。半円形スチールロッド23の下端部は水平方向内側に曲げ加工されており、曲げ加工された短辺部を左右に広げ本発明のチリトリ(図1)のゴミ取り込み口側壁面下部に形成された係合穴18に挿入してチリトリ本体と着脱可能ハイスタンド取手が一体化した形態となる(図25)。前記スタンド補助支柱ロッド22はチリトリ本体にゴミ収納袋を取り付け状態で補助支柱ロッド22を収納クリップ24に収納した状態でゴミ収集作業をする時ゴミがチリトリに溜まったらハイスタンド取手本体を上方に持ち上げることで収集したゴミがゴミ収納袋に移動するので作業効率が格段によくなり楽に作業が出来る。
【符号の説明】
【0015】
1:チリトリ本体
1’:従来の一般的なチリトリ本体
2:従来の一般的なチリトリの取手
3:金属板成型クリップ
4a:谷折り線
4,4L,4R:後部排出口フラップ及び差し込み突起部
4L1,4R1:谷折り線
5L,5R:係合穴
6a:ゴミ収納袋取手引掛け用フラップ
6:ゴミ収納袋取手引掛け用スリット
7:ゴミ収納袋(レジ袋又は市販の取手付ビニール袋)
8:撓み(たわみ)止めリブ形成部
8a:谷折り線
8b:谷折り線
9:撓み(たわみ)止め挿入、リブプレート3ヶ所
9a2:山折り線3ヶ所
10:撓み(たわみ)止めリブ9の挿入スリット6ヶ所
11:着脱可能ハイスタンド取手補助支柱ロッドフック受小フラップ
11a:切込線
11b:フック用係合穴
12Lb:チリトリ本体底部
12L,12R:取手形成用プレート部
12L1,12R1:谷折り線
13L,13R:取手形成用プレート部
13L1,13R1:谷折り線
14L,14R:取手形成用プレート部
14L1,14R1:谷折り線
15L,15R:取手形成用プレート部
15L1,15R1:谷折り線
16L,16R:取手形成用プレート部
16L1,16R1:谷折り線
17L,17R:取手形成用プレート部
17L1,17R1:谷折り線
18:着脱可能ハイスタンド取手ロッド23の係合穴
19:取手
19a:取手取り付けビス
20:脱可能ハイスタンド取手パイプ支柱
21:箒の柄、収納用クリップ
21a:クリップ21ストッパービス
22:着脱可能ハイスタンド取手、スタンド補助支柱ロッド
22a:袋ナット
22b:スプリングワッシャー
22c:両端切落しボルト
23:チリトリ本体1に取り付ける為の半円形スチールロッド
23a:袋ナット
23b:スプリングワッシャー
23c:両端切落しボルト
24:補助支柱ロッド収納クリップ
25:半円形スチールロッド23挿入用スリット















図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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