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特許7016826放射性金属廃棄物の除染装置及びそれに用いる治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】放射性金属廃棄物の除染装置及びそれに用いる治具
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/28 20060101AFI20220131BHJP
   C25F 3/00 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
G21F9/28 571F
C25F3/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019048740
(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公開番号】P2020148732
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅輝
(72)【発明者】
【氏名】三野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】神田 昌典
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-260297(JP,A)
【文献】特開昭58-085000(JP,A)
【文献】実開昭59-080799(JP,U)
【文献】実開昭61-044600(JP,U)
【文献】特開昭62-284100(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0230267(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/28
C25F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面と外周面を備える円弧状の放射性金属廃棄物を電解研磨によって除染する除染装置であって、
電解液が収容される貯留槽と、
電源装置と、
前記貯留槽内に配置され、前記電源装置と電気的に接続される板状の第1陽極と、
前記貯留槽内であって前記第1陽極と対向して配置され、前記電源装置と電気的に接続される板状の第1陰極と、
前記第1陰極の前記第1陽極と対向する側に設置される第1絶縁部材と、
前記第1陽極の前記第1陰極と対向する側と反対の側に配置される板状の第2陰極と、
前記第2陰極の前記第1陽極と対向する側に設置される第2絶縁部材と、を備えており、
第1の放射性金属廃棄物と第2の放射性金属廃棄物を除染するときは、前記第1の放射性金属廃棄物が前記第1陽極と前記第1絶縁部材とに接触して前記第1陽極と前記第1陰極の間に保持されると共に、前記第2の放射性金属廃棄物が前記第1陽極と前記第2絶縁部材とに接触して前記第1陽極と前記第2陰極の間に保持されるように構成されており、
前記第1の放射性金属廃棄物は、その内周面が前記第1陰極に対向するように配置され、かつ、その外周面が前記第1陽極に接触すると共に、その内周面側の端部が前記第1絶縁部材に接触するように保持され、
前記第2の放射性金属廃棄物は、その内周面が前記第2陰極に対向するように配置され、かつ、その外周面が前記第1陽極に接触すると共に、その内周面側の端部が前記第2絶縁部材に接触するように保持される、除染装置。
【請求項2】
前記第1絶縁部材は、前記第1陰極から前記第1の放射性金属廃棄物に向かって断面積が小さくなるテーパ状であり、
前記第2絶縁部材は、前記第2陰極から前記第2の放射性金属廃棄物に向かって断面積が小さくなるテーパ状である、請求項1に記載の除染装置。
【請求項3】
前記第1陰極の前記第1陽極と対向する側と反対の側に配置される板状の第2陽極と、
前記第1陰極の前記第2陽極と対向する側に設置される第3絶縁部材と、をさらに備えており、
前記第2陽極と前記第1陰極との間には、第3の放射性金属廃棄物が前記第2陽極と前記第3絶縁部材とに接触して保持されるように構成されており、
前記第3の放射性金属廃棄物は、その内周面が前記第1陰極に対向するように配置され、かつ、その外周面が前記第2陽極に接触すると共に、その内周面側の端部が前記第3絶縁部材に接触するように保持される、請求項1又は2に記載の除染装置。
【請求項4】
内周面と外周面を備える円弧状の放射性金属廃棄物を電解研磨によって除染する除染装置に用いる治具であって、
電源装置に電気的に接続される板状の陽極と、
前記電源装置に電気的に接続される板状の陰極と、
前記陰極の前記陽極と対向する側に設置される絶縁部材と、
前記陽極の前記陰極と対向する側と反対の側に配置される板状の他の陰極と、
前記他の陰極の前記陽極と対向する側に設置される他の絶縁部材と、を備えており、
前記陽極及び前記陰極は、前記陽極と前記陰極との間に、放射性金属廃棄物の前記外周面が前記陽極と接触すると共に、前記放射性金属廃棄物の前記内周面側の端部が前記絶縁部材とに接触して保持されるように構成されており、
前記陽極及び前記他の陰極は、前記陽極と前記他の陰極との間に、他の放射性金属廃棄物の前記外周面が前記陽極と接触すると共に、前記他の放射性金属廃棄物の前記内周面側の端部が前記他の絶縁部材とに接触して保持されるように構成されている、治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、放射性金属廃棄物を除染する除染装置及びそれに用いる治具に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や放射性物質を取り扱う施設において、設備の廃止や解体、あるいは運転に伴い発生する金属廃棄物の中には、放射能レベルが基準値以上の金属廃棄物(以下、放射性金属廃棄物ともいう)が含まれる。処分の観点からは、これらの放射性金属廃棄物はその表面を除染して放射能レベルを基準値以下に下げてから処理されることが望ましい。放射性金属廃棄物の除染方法としては、電解研磨等によって放射性金属廃棄物の表面を除去する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、放射性金属廃棄物の表面を電解研磨可能な除染装置が開示されている。特許文献1の除染装置では、放射性金属廃棄物の表面に陽極を接続し、貯留槽内にメッシュ状の陰極が設置される。陽極と陰極には電源装置が接続されている。陽極と陰極の間に電圧を印加すると、放射性金属廃棄物の表面が電解研磨される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-365396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような除染装置では、放射性金属廃棄物を陽極に接続することによって、放射性金属廃棄物の表面が電解研磨される。このため、電解液中で放射性金属廃棄物を陽極に固定するための固定治具等が必要となり、陽極の構成が複雑になるという問題があった。本明細書は、簡易な構成で放射性金属廃棄物を除染装置内に固定する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する除染装置は、放射性金属廃棄物を電解研磨によって除染する。除染装置は、電解液が収容される貯留槽と、電源装置と、貯留槽内に配置され、電源装置と電気的に接続される陽極と、貯留槽内であって陽極と対向して配置され、電源装置と電気的に接続される陰極と、陰極の陽極と対向する側に設置される絶縁部材と、を備えている。放射性金属廃棄物を除染するときは、放射性金属廃棄物が陽極と絶縁部材とに接触して陽極と陰極の間に保持されるように構成されている。
【0006】
上記の除染装置では、放射性金属廃棄物が陽極と絶縁部材とに接触して保持されることによって、陽極と絶縁部材を介した陰極とで放射性金属廃棄物を固定できる。また、陽極と陰極との間で放射性金属廃棄物を固定しても、陰極側は、陰極に設置された絶縁部材を介して放射性金属廃棄物を固定するため、短絡を回避することができる。陽極のみによって放射性金属廃棄物を固定する必要がないため、陽極に放射性金属廃棄物の形状等に合わせた固定治具等の部材を設置する必要はない。このため、陽極の構成を簡易にでき汎用性を高くすることができると共に、除染装置に設置される部材の増加を抑制することにより、除染によって生じる放射性廃棄物の増加を抑制することができる。
【0007】
また、本明細書に開示する治具は、放射性金属廃棄物を電解研磨によって除染する除染装置に用いる。治具は、電源装置に電気的に接続される陽極と、電源装置に電気的に接続される陰極と、陰極の陽極と対向する側に設置される絶縁部材と、を備えている。陽極及び陰極は、陽極と陰極との間に、放射性金属廃棄物が陽極と絶縁部材とに接触して保持されるように構成されている。
【0008】
上記の治具では、放射性金属廃棄物が陽極と絶縁部材とに接触して保持されることによって、陽極と絶縁部材を介した陰極とで放射性金属廃棄物を固定できる。また、陽極と陰極との間で放射性金属廃棄物を固定しても、陰極側は、陰極に設置された絶縁部材を介して放射性金属廃棄物を固定するため、短絡を回避することができる。このため、上記の除染装置と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る除染装置の概略構成を模式的に示す図。
図2】実施例1に係る除染装置の保持治具の構成を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
図3】実施例1に係る除染装置の保持治具に異なる形状の放射性金属廃棄物を設置した状態を示す上面図。
図4】実施例1に係る除染装置の保持治具の変形例の構成を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
図5】実施例2に係る除染装置の概略構成を模式的に示す図。
図6】実施例3に係る除染装置の保持治具の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0011】
(特徴1)本明細書が開示する除染装置では、陽極及び陰極は、板状であってもよい。このような構成によると、陽極と陰極との間に放射性金属廃棄物を挟み易くなり、放射性金属廃棄物をより簡易な構成で固定することができる。
【0012】
(特徴2)本明細書が開示する除染装置では、放射性金属廃棄物は略板状であってもよい。放射性金属廃棄物は、除染処理対象面が陰極に対向するように配置されてもよい。放射性金属廃棄物は、陽極と直接接触する側の面が電解研磨され難い一方、陰極に対向する面が電解研磨され易い。除染処理対象面が陰極に対向するように放射性金属廃棄物を配置することによって、除染処理対象面を効率よく除染することができる。
【0013】
(特徴3)本明細書が開示する除染装置では、絶縁部材は、放射性金属廃棄物に向かって断面積が小さくなるテーパ状であってもよい。このような構成によると、絶縁部材と放射性金属廃棄物との接触面積を小さくすることができる。このため、放射性金属廃棄物において、絶縁部材と直接接触することで電解研磨され難くなる部分の面積を小さくすることができ、放射性金属廃棄物を効率よく除染することができる。
【0014】
(特徴4)本明細書が開示する除染装置は、陽極の陰極と対向する側と反対の側に配置される他の陰極と、他の陰極の陽極と対向する側に設置される他の絶縁部材と、をさらに備えていてもよい。陽極と他の陰極との間には、他の放射性金属廃棄物が陽極と他の絶縁部材とに接触して保持されるように構成されていてもよい。このような構成によると、1つの陽極と2つの陰極及び2つの絶縁部材とによって、2つの放射性金属廃棄物を同時に除染することができる。
【0015】
(特徴5)本明細書が開示する除染装置は、陰極の陽極と対向する側と反対の側に配置される他の陽極と、陰極の他の陽極と対向する側に設置される他の絶縁部材と、をさらに備えていてもよい。他の陽極と陰極との間には、他の放射性金属廃棄物が他の陽極と他の絶縁部材とに接触して保持されるように構成されていてもよい。このような構成によっても、2つの放射性金属廃棄物を同時に除染することができる。
【実施例
【0016】
(実施例1)
以下、実施例1に係る除染装置10について説明する。除染装置10は、例えば、原子力発電所や放射性物質を取り扱う施設に配置される配管や金属板等の放射性金属廃棄物2を除染する。放射性金属廃棄物2は、除染して放射能レベルを下げることにより、一般廃棄物と共に処理されるか、あるいは溶融して再利用されることが可能となる。また、放射能レベルが一般廃棄物の基準値レベルまでは下がらない場合でも、廃棄(処分)を簡易にすることができる。一般に、放射能汚染した金属の放射能レベルは、金属の表面の放射性物質を除去することで低減することができる。図1に示すように、除染装置10は、貯留槽12と、電源装置16と、放射性金属廃棄物2を保持可能な保持治具20を備えている。
【0017】
貯留槽12は、上面が解放された箱型形状を有している。貯留槽12の表面は絶縁性材料で覆われており、保持治具20と絶縁されている。貯留槽12の内部には、保持治具20が上方から挿入可能となっている。貯留槽12には、電解液14が満たされている。貯留槽12には、図示しない濾過装置が接続されている。貯留槽12内に貯留される電解液14は、濾過装置に送り出されて濾過され、貯留槽12に戻されるようになっている。すなわち、電解液14は、貯留槽12と濾過装置の間を循環するようになっている。電解液14は、電解研磨に用いられる公知の電解液を用いることができ、例えば、リン酸溶液を含有する電解液を用いることができる。電解液14内に放射性金属廃棄物2と後述する陽極22及び陰極30を浸漬させた状態で、放射性金属廃棄物2を陽極22に接続して陽極22と陰極30の間に電圧を印加すると、放射性金属廃棄物2の表面が電気化学的に溶解する。すなわち、放射性金属廃棄物2の表面を構成する鉄などの金属及び表面に付着した放射性物質が電解液14中に溶解する。
【0018】
保持治具20は、陽極22と陰極30により構成され、放射性金属廃棄物2を陽極22に電気的に接続すると共に、放射性金属廃棄物2を陽極22と陰極30の間に保持可能となっている。本実施例では、保持治具20は、略板状の放射性金属廃棄物2を保持可能となっている。略板状の放射性金属廃棄物2には、平板状の放射性金属廃棄物だけでなく、湾曲した略板状の放射性金属廃棄物も含まれる。湾曲した略板状の放射性金属廃棄物は、例えば、配管等の円筒状の放射性金属廃棄物を軸線方向に沿って切断することで発生する。円筒状の放射性金属廃棄物を軸線方向に沿って切断することによって、比較的径の大きい円筒状の放射性金属廃棄物についても、本実施例の除染装置10で除染することができる。なお、放射性金属廃棄物が配管の場合、放射性物質を含む成分が配管の内周内を通過するため、その内表面が放射性物質によって汚染される。また、平板状の放射性金属廃棄物においても、一方の面が他方の面より汚染されることがある。以下で説明するように、本実施例の除染装置10は、略板状の放射性金属廃棄物2において特に汚染されている一方の面3(以下、除染処理対象面3ともいう)を効率良く除染するように構成されている。
【0019】
図2(a)及び図2(b)を参照して、保持治具20の構成について説明する。図2(a)及び図2(b)に示すように、保持治具20は、陽極22と、2つの陰極30a、30bと、絶縁部材40a、40bと、バンド50a、50bを備えている。なお、図を見易くするために、図2(a)ではバンド50a、50bの図示を省略している。以下、2つの陰極30a、30bを区別する必要があるときは陰極30a、30bのように沿字のアルファベットを用いて記載し、区別する必要のないときは単に陰極30と記載する場合がある。また、他の構成要素についても同一構成のものについて区別する必要がないときは、上記と同様に沿字のアルファベットを省略して単に数字で記載することがある。本実施例では、2つの陰極30a、30bをそれぞれ、第1陰極30a、第2陰極30bとも称する。
【0020】
陽極22は平板状であり、チタンで形成されている。陽極22をチタンで形成することによって、電流漏れを抑制することができる。なお、本実施例では、陽極22はチタンで形成されているが、放射性金属廃棄物2を除染する際に陽極として機能すればよく、例えば、チタン合金、ステンレス鋼等で形成されていてもよい。陽極22は、貯留槽12内において、貯留槽12の底面に対して垂直に設置される。陽極22は、電源装置16の陽極に接続されている(図1参照)。保持治具20には、陽極22の一方の面24に接触するように放射性金属廃棄物2aが配置されると共に、陽極22の他方の面26に接触するように他の放射性金属廃棄物2bが配置される。すなわち、本実施例では、1つの保持治具20に2つの放射性金属廃棄物2a、2bが保持される。放射性金属廃棄物2a、2bは、その除染処理対象面3a、3bの反対の面4a、4bが陽極22の表面に接触するように配置される。したがって、電源装置16から流れる電流は、陽極22を通って放射性金属廃棄物2a、2bに流れる。
【0021】
第1陰極30a及び第2陰極30bは同一の形状であり、いずれも平板状である。第1陰極30aと第2陰極30bは、いずれもステンレス鋼で形成されている。なお、第1陰極30a及び第2陰極30bは、放射性金属廃棄物2を除染する際に陰極として機能すればよく、例えば、チタン、チタン合金等で形成されていてもよい。第1陰極30aは、その一方の面32aが陽極22の一方の面24に対向するように配置されている。第1陰極30aの面32aには、絶縁部材40aが配置されている。保持治具20に放射性金属廃棄物2aが保持されるとき、放射性金属廃棄物2aは、陽極22の面24と、第1陰極30aの面32aとの間に配置される。第2陰極30bは、その一方の面32bが陽極22の面24の反対の面26に対向するように配置されている。第2陰極30bの面32bには、絶縁部材40bが配置されている。保持治具20に放射性金属廃棄物2bが保持されるとき、放射性金属廃棄物2bは、陽極22の面26と、第2陰極30bの面32bとの間に配置される。第1陰極30a及び第2陰極30bは、それぞれ電源装置16の陰極に接続されている(図1参照)。第1陰極30aは、絶縁部材40aを介して放射性金属廃棄物2aを保持するため、電源装置16から陽極22に流れる電流は、放射性金属廃棄物2aから第1陰極30aに直接流れることはない。同様に、第2陰極30bは、絶縁部材40bを介して放射性金属廃棄物2bを保持するため、電源装置16から陽極22に流れる電流は、放射性金属廃棄物2bから第2陰極20bに直接流れることはない。
【0022】
絶縁部材40aは、第1陰極30aの陽極22に対向する面32aに設置されている。絶縁部材40aは、上方に配置される上側絶縁部材42aと、下方に配置される下側絶縁部材44aを備えている。
【0023】
上側絶縁部材42aは、第1陰極30aの面32aに沿ってY方向に延びている。上側絶縁部材42aのY方向の寸法は、陽極22と第1陰極30aとの間に保持される放射性金属廃棄物2aのY方向の寸法より大きく、かつ、第1陰極30aのY方向の寸法より小さくされている。上側絶縁部材42aのY方向の両端において、上側絶縁部材42aと放射性金属廃棄物2aが接触する。上側絶縁部材42aの上端の位置は、放射性金属廃棄物2aが保持治具20に配置されたときの放射性金属廃棄物2aの上端より低い位置に位置している。下側絶縁部材44aは、上側絶縁部材42aと同一の形状であり、平面視したときに上側絶縁部材42aと一致する位置に配置される。下側絶縁部材44aのY方向の両端において、下側絶縁部材44aと放射性金属廃棄物2aが接触する。下側絶縁部材44aの下端の位置は、放射性金属廃棄物2aが保持治具20に配置されたときの放射性金属廃棄物2aの下端より高い位置に位置している。本実施例では、上側絶縁部材42a及び下側絶縁部材44aがY方向に連続して伸びることで、様々な寸法の放射性金属廃棄物2aを保持治具20によって保持可能となっている。
【0024】
第1陰極30aの面32aに絶縁部材40a(すなわち、上側絶縁部材42a及び下側絶縁部材44a)を配置することによって、保持治具20に放射性金属廃棄物2aが保持されたときに、放射性金属廃棄物2aと絶縁部材40aが接触するため、放射性金属廃棄物2aが第1陰極30aと直接接触することが回避される。これによって、陽極22に電気的に接続される放射性金属廃棄物2aと第1陰極30aとが電気的に直接接続されることを回避することができ、すなわち、短絡を回避することができる。
【0025】
絶縁部材40bは、第2陰極30bの陽極22に対向する面32bに設置されている。絶縁部材40bは、上方に配置される上側絶縁部材42bと、下方に配置される下側絶縁部材44bを備えている。上側絶縁部材42bは、上側絶縁部材42aと同一の形状である。上側絶縁部材42bのY方向の両端において、上側絶縁部材42bと放射性金属廃棄物2bが接触し、上側絶縁部材42bの上端の位置は、放射性金属廃棄物2bが保持治具20に配置されたときの放射性金属廃棄物2bの上端より低い位置に位置している。また、下側絶縁部材44bは、下側絶縁部材44aと同一の形状であり、平面視したときに上側絶縁部材42bと一致する位置に配置される。下側絶縁部材44bのY方向の両端において、下側絶縁部材44bと放射性金属廃棄物2bが第2陰極30bに固定されており、下側絶縁部材44bの下端の位置は、放射性金属廃棄物2bが保持治具20に配置されたときの放射性金属廃棄物2bの下端より高い位置に位置している。第2陰極30bの面32bに絶縁部材40b(すなわち、上側絶縁部材42b及び下側絶縁部材44b)を配置することによって、保持治具20に放射性金属廃棄物2bが保持されたときに、陽極22に電気的に接続される放射性金属廃棄物2bと第2陰極30bとが電気的に直接接続されることを回避することができる。
【0026】
また、上側絶縁部材42a及び下側絶縁部材44aは、X-Z断面で見たときに、陽極22に向かって(図2(b)の+X方向に向かって)断面積が小さくなるテーパ状となっている。同様に、上側絶縁部材42b及び下側絶縁部材44bは、X-Z断面で見たときに、陽極22に向かって(図2(b)の-X方向に向かって)断面積が小さくなるテーパ状となっている。すなわち、上側絶縁部材42a、42b及び下側絶縁部材44a、44bは、保持治具20に放射性金属廃棄物2a、2bが保持されたとき、放射性金属廃棄物2a、2bに向かって断面積が小さくなるテーパ状となっている。これによって、保持治具20に放射性金属廃棄物2a、2bが保持されたとき、放射性金属廃棄物2a、2bと上側絶縁部材42a、42bとが接触する面積、及び、放射性金属廃棄物2a、2bと下側絶縁部材44a、44bとが接触する面積がそれぞれ小さくなる。放射性金属廃棄物2a、2bにおいて、保持治具20(具体的には、陽極22及び絶縁部材40a、40b)と直接接触する部分は、電解液14に接触し難くなるため、電解研磨され難くなる。放射性金属廃棄物2a、2bと絶縁部材40a、40bとが接触する面積を小さくすることによって、放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bにおいて電解研磨され難くなる部分の面積を小さくすることができる。
【0027】
図2(b)に示すように、バンド50a、50bは、リング状であり、ゴム等の絶縁部材で形成されている。バンド50a、50bは、第1陰極30aと陽極22と第2陰極30bの外周に巻き付けられている。具体的には、バンド50aは、第1陰極30a、陽極22及び第2陰極30bのZ方向の下端側の外周に巻かれており、バンド50bは、第1陰極30a、陽極22及び第2陰極30bのZ方向の上端側の外周に巻かれている。第1陰極30aと陽極22と第2陰極30bの外周にバンド50a、50bを巻き付けることによって、保持治具20全体がX方向に締め付けられる。これによって、保持治具20の構成要素である、陽極22、第1陰極30a、第2陰極30b、絶縁部材40a及び絶縁部材40bを相対移動不能に位置決めすることができる。なお、本実施例の保持治具20はバンド50a、50bを備えているが、このような構成に限定されない。保持治具20の構成要素を相対移動不能に位置決めできればよく、例えば、絶縁性のボルトを用いて保持治具をX方向に締め付けてもよい。
【0028】
次に、除染装置10を用いた放射性金属廃棄物2の除染処理について説明する。まず、貯留槽12外において、放射性金属廃棄物2を保持治具20に保持する。具体的には、まず、放射性金属廃棄物2aを、陽極22と第1陰極30aとの間に配置する。このとき、放射性金属廃棄物2aの除染処理対象面3aが、第1陰極30aに対向するように、放射性金属廃棄物2を配置する。次に、陽極22から第1陰極30aまでの距離が短くなるように第1陰極30aを陽極22に向かって移動させると、放射性金属廃棄物2aの除染処理対象面3aの反対の面4aが陽極22に接触し、除染処理対象面3aは絶縁部材40aに接触し、放射性金属廃棄物2aが陽極22と第1陰極30aによって挟持される。このとき、放射性金属廃棄物2aの除染処理対象面3aが第1陰極30aに対向する。また、他の放射性金属廃棄物2bを、陽極22と第2陰極30bとの間に配置する。このとき、放射性金属廃棄物2bの除染処理対象面3bが、第2陰極30bに対向するように、放射性金属廃棄物2bを配置する。この状態で、陽極22から第2陰極30bまでの距離が短くなるように第2陰極30bを陽極22に向かって移動させると、放射性金属廃棄物2bの除染処理対象面3bの反対の面4bが陽極22に接触し、除染処理対象面3bが絶縁部材40bに接触し、放射性金属廃棄物2bが陽極22と第2陰極30bによって挟持される。この状態で、第1陰極30aと陽極22と第2陰極30bの上端側の外周にバンド50aを巻き付け、第1陰極30aと陽極22と第2陰極30bの下端側の外周にバンド50bを巻き付ける。これによって、陽極22と第1陰極30aと第2陰極30bが相対移動不能に位置決めされ、保持治具20に放射性金属廃棄物2a,2bが保持される。
【0029】
次いで、放射性金属廃棄物2a、2bを保持した保持治具20を貯留槽12内に配置する。貯留槽12内には、電解液14が収容されている。保持治具20を貯留槽12内に配置することによって、放射性金属廃棄物2a、2bは、電解液14内に浸漬される。次いで、電源装置16を作動する。電源装置16の陽極は陽極22と接続しており、電源装置16の陰極は第1陰極30a及び第2陰極30bと接続している。電源装置16を作動すると、陽極22に接触している放射性金属廃棄物2aと第1陰極30aの間に電圧が印加されると共に、陽極22に接触している放射性金属廃棄物2bと第2陰極30bの間に電圧が印加される。これにより、放射性金属廃棄物2a、2bがそれぞれ除染される。
【0030】
本実施例では、絶縁部材40を介して陰極30と陽極22とで放射性金属廃棄物2を挟持することによって、放射性金属廃棄物2を保持治具20内に保持している。これによって、例えば、放射性金属廃棄物2を陽極22に固定するための固定治具等を用いることなく、放射性金属廃棄物2を陽極22に接触した状態で保持治具20に保持することができる。このような簡易な構成で形成される保持治具20で放射性金属廃棄物2を保持することによって、保持治具20に用いる部材の数を低減することができる。除染装置10に用いられる部材は、除染の際に放射性金属廃棄物2から溶解した放射性物質によって汚染され、二次廃棄物となる。保持治具20に用いる部材の数を低減することによって、除染によって生じる二次廃棄物の量を低減することができる。また、本実施例では、1つの陽極22と2つの陰極30a、30bを用いて2つの放射性金属廃棄物2a、2bを同時に挟み込んでいる。これによって、保持治具20に用いる陽極22の数を減らすことができ、除染によって生じる二次廃棄物の量を低減することができる。
【0031】
また、本実施例の保持治具20は、絶縁部材40を介した陰極30と陽極22との間に放射性金属廃棄物2を挟み込むという簡易な構成のみで、放射性金属廃棄物2を保持する。このため、放射性金属廃棄物2の形状に合わせて保持治具の形状を変化させる必要はなく、保持治具20によって、種々の形状の放射性金属廃棄物を保持することができる。例えば、図3に示すように、保持治具20は、上述の放射性金属廃棄物2よりY方向の寸法の小さい放射性金属廃棄物102も保持可能である。このように、保持治具20は、種々の形状の放射性金属廃棄物2、102を保持することができ、汎用性を高くすることができる。
【0032】
さらに、本実施例の保持治具20は、絶縁部材40を介した陰極30と陽極22との間に放射性金属廃棄物2を挟み込むだけで保持治具20に放射性金属廃棄物2を保持できるという簡易な構成であるため、放射性金属廃棄物2を保持治具20に容易に設置することが可能となる。このため、放射性金属廃棄物2を保持治具20に設置するための要する時間や手間を低減することができる。
【0033】
また、本実施例の保持治具20では、放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bが陰極30a、30bに対向するように放射性金属廃棄物2a、2bを配置する。放射性金属廃棄物2a、2bと陽極22は直接接触するため、放射性金属廃棄物2a、2bの陽極22と対向する面4a、4bは、電解液14と接触し難くなり、除染され難い。すなわち、放射性金属廃棄物2a、2bは、陽極22に対向する面より陰極30a、30bに対向する面のほうが除染され易くなる。上述したように、略板状の放射性金属廃棄物2では、一方の面のみが除染処理対象であることがある。放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bを陰極30a、30bに対向させることによって、除染処理対象面3a、3bを効率良く除染することができる。
【0034】
また、本実施例の保持治具20では、放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bを陰極30a、30bに対向させ、絶縁部材40を介して陰極30と陽極22との間に放射性金属廃棄物2を挟み込んでいるため、放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bと陰極30a、30bとの間の距離が短くなる。放射性金属廃棄物2と陰極との間に印加する電圧は、その間の距離に比例して高くする必要がある。本実施例の保持治具20では、放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bと陰極30a、30bとの間の距離が短くなるため、高い電圧を印加することなく、放射性金属廃棄物2a、2bの除染処理対象面3a、3bを効率良く除染することができる。
【0035】
なお、本実施例の保持治具20では、絶縁部材40は、上側絶縁部材42と下側絶縁部材44を備えていたが、このような構成に限定されない。例えば、図4に示すように、保持治具120が備える絶縁部材140は、陰極30a、30bの表面に沿って高さ方向(すなわち、Z方向)に延びており、平面視したときにY方向に間隔を空けて配置される2つの部分142、144によって構成されていてもよい。このような構成であっても、2つの部分142、144(すなわち、絶縁部材140)と陽極22との間に放射性金属廃棄物2a、2bを保持することによって、放射性金属廃棄物2a、2bを除染することができる。また、保持治具120は、高さ方向の寸法が異なる種々の形状の放射性金属廃棄物を保持することができる。このように、保持治具120においても、種々の形状の放射性金属廃棄物を保持することができ、汎用性を高くすることができる。また、保持治具が備える絶縁部材は、汎用性をより高くするために、陰極30a、30bの表面32a、32bの複数の領域に適宜設けることができる。
【0036】
(実施例2)
上記の実施例1の除染装置10では、保持治具20は、1つの陽極22と、2つの陰極30a、30bを備えていたが、このような構成に限定されない。保持治具が、絶縁部材を介して陰極と陽極とで放射性金属廃棄物2を挟み込むことによって放射性金属廃棄物2を保持するように構成されていればよく、例えば、図5に示すように、除染装置200は、2つの陽極22a、22bと、1つの陰極30を備える保持治具220を備えていてもよい。なお、本実施例の除染装置200は、保持治具220における陽極22及び陰極30の配置が実施例1の除染装置10と相違しており、その他の構成については略同一となっている。そこで、実施例1の除染装置10と同一の構成については、その説明を省略する。
【0037】
保持治具220は、2つの陽極22a、22b(以下、第1陽極22a、第2陽極22bともいう)と、陰極30と、絶縁部材40a、40bを備えている。第1陽極22a及び第2陽極22bは、電源装置16の陽極にそれぞれ接続されており、陰極30は、電源装置16の陰極に接続されている。陰極30の一方の面34には、絶縁部材40aが設置されている。第1陽極22aは、陰極30の面34に対向する位置に配置されている。放射性金属廃棄物2aは、第1陽極22aと、絶縁部材40aを介して陰極30の面34との間に保持される。陰極30の他方の面36には、絶縁部材40bが設置されている。第2陽極22bは、陰極30の面36に対向する位置に配置されている。放射性金属廃棄物2bは、第2陽極22bと、絶縁部材40bを介して陰極30の面36との間に保持される。バンド50は、第1陽極22aと陰極30と第2陽極22bの外周に巻かれており、これによって、第1陽極22aと陰極30と第2陽極22bが相対移動不能に位置決めされている。
【0038】
本実施例においても、絶縁部材40a、40bを介して陰極30と陽極22a、22bとに間に放射性金属廃棄物2a、2bを挟み込むことによって、放射性金属廃棄物2a、2bを保持治具220に容易に保持することができる。また、2つの陽極22a、22bと1つの陰極30を用いて2つの放射性金属廃棄物2a、2bを同時に挟み込むことによって、陰極30の数を減らすことができ、除染によって生じる二次廃棄物の量を低減することができる。
【0039】
なお、本実施例の保持治具220は、2つの陽極22a、22bと1つの陰極30を用いて2つの放射性金属廃棄物2a、2bを同時に保持していたが、このような構成に限定されない。1つの保持治具で保持可能な放射性金属廃棄物2の数は上記の実施例に限定されるものではなく、1つの陽極22と1つの陰極30を用いて1つの放射性金属廃棄物2を保持するように構成されていてもよい。また、保持治具は、例えば、2つの陽極22と2つの陰極30を用いて3つの放射性金属廃棄物2を同時に保持するように構成されていてもよいし、さらに複数の陽極22と複数の陰極30を用いて複数の放射性金属廃棄物2を同時に保持するように構成されていてもよい。
【0040】
(実施例3)
上記の実施例1の除染装置10及び実施例2の除染装置200では、略板状の放射性金属廃棄物2を保持する保持治具20、120、220を備えていたが、このような構成に限定されない。保持治具は、絶縁部材を介して陰極と陽極とで挟み込むことによって、放射性金属廃棄物を保持するように構成されていればよく、保持治具が保持する放射性金属廃棄物の形状は特に限定されない。例えば、図6に示すように、保持治具320は、円筒状の放射性金属廃棄物202を保持可能に構成されていてもよい。
【0041】
保持治具320は、陽極322と、陰極330と、絶縁部材340と、バンド50a、50bを備えている。陽極322は円板状であり、保持治具320に放射性金属廃棄物202を配置したとき、陽極322の一方の面に放射性金属廃棄物202の一方の端面が直接接触する。具体的には、放射性金属廃棄物202は、その軸線が直交するように陽極322の一方の面に接触して配置される。陰極330は、円板状の第1部分332と、棒状の第2部分334を備えている。第1部分332の一方の面333には、第2部分334が直交するように設けられていると共に、絶縁部材340が配置されている。絶縁部材340は、第1部分332の一方の面333上の、第2部分334の外周を囲む位置に配置される。保持治具320に放射性金属廃棄物202が保持されるとき、放射性金属廃棄物202は、その内周内に陰極330の第2部分334が位置し、絶縁部材340を介して陰極330の第1部分332と陽極322との間に配置される。バンド50a、50bは、陽極322と陰極330の外周に巻かれており、これによって、陽極322と陰極330が相対移動不能に位置決めされている。
【0042】
本実施例においても、絶縁部材340を介して陰極330と陽極322との間に放射性金属廃棄物202を挟み込むことによって、放射性金属廃棄物202を保持治具320に容易に設置することができる。なお、陽極322及び/又は陰極330の第1部分332には、放射性金属廃棄物202の内周側と外周側とで電解液14を循環するための貫通孔が設けられている。これによって、放射性金属廃棄物202の内周側に電解液14を供給することができる。なお、絶縁部材は、放射性金属廃棄物202を保持治具320に設置したときに、放射性金属廃棄物202と陰極330とが直接接触しないように、放射性金属廃棄物202と陰極330との間に介在する構成であればよい。例えば、絶縁部材は、第2部分334の外周全体を囲むように配置される構成に限られず、第2部分334の外周の一部を囲むように配置されていてもよい。絶縁部材を周方向に断続的に形成することで、放射性金属廃棄物202の内周内と外周外とで電解液14を循環させ易くなる。
【0043】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
2、102、202:放射性金属廃棄物
3:放射性金属廃棄物の除染処理対象面
10、200:除染装置
12:貯留槽
14:電解液
16:電源装置
20、120、220、320:保持治具
22、322:陽極
30、330:陰極
40、340:絶縁部材
42:上側絶縁部材
44:下側絶縁部材
50:バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6