(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】多種な作業形態を可能とした割岩装置
(51)【国際特許分類】
E21B 7/02 20060101AFI20220131BHJP
E21C 37/02 20060101ALI20220131BHJP
E02F 9/22 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
E21B7/02
E21C37/02
E02F9/22 P
(21)【出願番号】P 2019533240
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(86)【国際出願番号】 JP2017043534
(87)【国際公開番号】W WO2019111304
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391027675
【氏名又は名称】平戸金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】下向 章弘
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-073662(JP,A)
【文献】特開昭59-018895(JP,A)
【文献】特開昭60-173287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 7/02
E21C 37/02
E02F 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と装置外体と
ホルダー本体とを備えた割岩装置
であって、
装置本体は、
主シリンダーと、
主シリンダーのピストンロッド伸延部に設けた楔矢と、
楔矢の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体と、
より構成し、
装置外体は、
装置本体の外周において装置本体と軸芯方向にスライド自在に遊嵌した外体ケースより構成し、
ホルダー本体は、
トンネル状であって、バックホーのアームブラケット先端に取り付けられる装置取付け基板に軸回転可能に突設し、装置外体を
トンネル状の内部で球面ジョイントを介して全方位揺動可能に装着支持
するように構成し、
しかも、装置本体は、内部に、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッドと、ピストンロッド先端に矢連結ジョイントを介して連結した楔矢とを収納した筒状の本体ケースと、本体ケースの先端に連設し楔矢の先端外側面に当接した割岩羽根体基部を拡開自在に収納した割岩羽根体支持ケースとよりなることを特徴とする多種な作業形態を可能とした割岩装置。
【請求項2】
装置本体と装置外体とホルダー本体とを備えた割岩装置であって、
装置本体は、
主シリンダーと、
主シリンダーのピストンロッド伸延部に設けた楔矢と、
楔矢の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体と、
より構成し、
装置外体は、
装置本体の外周において装置本体と軸芯方向にスライド自在に遊嵌した外体ケースより構成し、
ホルダー本体は、
トンネル状であって、バックホーのアームブラケット先端に取り付けられる装置取付け基板に軸回転可能に突設し、装置外体をトンネル状の内部で球面ジョイントを介して全方位揺動可能に装着支持するように構成し、
装置外体の筒状の外体ケース内には装置本体の本体ケースを収納遊嵌すると共に、外体ケースと本体ケースとの間には装置本体を軸芯方向にスライドするためのスライド用シリンダーを介設したことを特徴とす
る多種な作業形態を可能とした割岩装置。
【請求項3】
スライド用シリンダーは、外体ケース外周に突設したブラケットと本体ケース先端の割岩羽根体支持ケースとの間に介設したことを特徴とする
請求項2に記載の多種な作業形態を可能とした割岩装置。
【請求項4】
装置取付け基板に軸回転自在に突設したホルダー本体のトンネル内部には、装置外体に設けた球面ジョイントを受けるジョイント受けを設けると共に、装置外体の外体ケース周壁面とホルダー本体との間には複数個の揺動シリンダーを介設することによりジョイント受けを支点とした装置外体の全方位揺動を可能としたことを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の多種な作業形態を可能とした割岩装置。
【請求項5】
装置取付け基板にはホルダー本体を台軸を中心に水平回動自在に載置し、
アームシリンダーとブラケットシリンダーとによりホルダー本体で支持した割岩装置の上下水平の首振り作動を行うべく構成し、
また揺動シリンダーにより球面ジョイントを中心として割岩装置の全方位揺動を行うべく構成し、
またスライド用シリンダーにより割岩装置における割岩羽根体の進退スライド作動を行うべく構成し、
また割岩装置先端においては回転アクチュエータにより割岩羽根体の回転作動を行うべく構成し、
また軸芯回動アクチュエータにより装置取付け基板上で割岩装置の水平回動を行うべく構成したことにより、
石割作業現場において割岩羽根体を岩石掘穿孔に正確迅速に挿入して割岩羽根体の正確な拡開による適確な石割を可能としたことを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の多種な作業形態を可能とした割岩装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石割作業現場において割岩装置の姿勢を自在に変位させて岩石掘穿孔への割岩羽根体の正確で円滑な挿入調整をすることにより割岩羽根体の確実な拡開作動によって良好な石割を可能とした多種な作業形態を可能とした割岩装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石割作業現場ではドリルにより石割対象の岩石表面から一定の深さに複数の掘穿孔を穿ち、その石割方向に沿った複数の掘穿孔に割岩装置先端の一対の割岩羽根体を挿入して油圧シリンダーにより楔矢を介して孔中の割岩羽根体を拡開し順次石割を行っている。
【0003】
かかる割岩装置による石割作業は、通常バックホーのアーム先端のバケットに取付けた割岩装置を、ブームやその先端のアームとバケットの首振りや水平回動の動きによって細棒状の割岩羽根体を岩石表面から穿った一定の深さの小径掘穿孔に挿入する作業をしている。
【0004】
しかし、石割岩石は設置された場所の状況に応じて掘穿孔の方向や位置が必ずしも割岩羽根体を挿入しやすい形態になっていない。
【0005】
従って、単なるバックホーのブーム、アーム及びバケットの首振りや水平回動の動きによって細棒状の割岩羽根体を小径掘穿孔に挿入する作業は困難であった。
【0006】
そこで、割岩装置自体に割岩羽根体の進出方向を変更できるように姿勢変位作動機構を設けたり、割岩装置を各種方向に転動可能に構成した変動装置に取り付ける技術が考案されている。
【0007】
例えば、特許文献1に開示の技術はアーム先端にワイヤで吊下され、中途部で傾動可能なガイドレールに割岩装置本体を具備し、ガイドレールの傾動動作によって装置本体の割岩羽根先端を掘穿孔方向に向けるように任意の角度に変位調整するものである。
【0008】
また、特許文献2に開示の技術はアーム先端に取り付けた割岩装置本体を支持ローラにより軸方向に回転させることにより割岩羽根体の拡開方向を岩石が割れやすい割岩方向に変位するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平8-105288号
【文献】特開2001-73662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、これらの姿勢変位作動機構や変動装置による割岩羽根体の進出方向変位技術は次のような課題を有していた。
【0011】
特許文献1に開示の技術は、装置本体がワイヤで宙吊り状態にありバックホーの不用意な振動や転動によりアーム先端で揺動して不安定状態となるため割岩羽根体の掘削孔への挿入方向が定まらず、割岩羽根体を掘削孔へ導く別の作業者が必要となり石割作業の効率を著しく低下させていた。
【0012】
また、特許文献2に開示の技術は、割岩羽根体の掘削孔への挿入作業についてはバックホーの動作のみで行わなければならないため挿入位置の微調整ができず、割岩羽根体の軸芯方向が掘削孔の穿孔方向に対して偏奇した位置にあるにもかかわらずバックホーの無用な応力を不用意に割岩装置にかけてしまい割岩装置を損傷させる虞があった。
【0013】
すなわち、いずれの従来装置も割岩羽根体の掘穿孔への精密な挿入を可能とする割岩羽根体の挿入位置の微妙な調整作動を行う構成を備えたものではなく、石割岩石の表面に形成された掘穿孔の方向や位置等のあらゆる状況に対応して割岩羽根体の迅速かつ正確な挿入作業ができるものではなかった。
【0014】
そこで、本発明はかかる課題を解決すべく割岩装置の主たる構成部材が首振り作動や水平回動作動や全方位揺動やスライド作動や回転作動等の種々な作動を実施できるように構成し、割岩羽根体の進出方向を石割岩石のいかなる状況にも対応して掘穿孔に迅速かつ正確に挿入して良好な石割作業が行える多種な作業形態を可能とした割岩装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、装置本体と装置外体とホルダー本体とを備えた割岩装置であって、装置本体は、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッド伸延部に設けた楔矢と、楔矢の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体と、より構成し、装置外体は、装置本体の外周において装置本体と軸芯方向にスライド自在に遊嵌した外体ケースより構成し、ホルダー本体は、トンネル状であって、バックホーのアームブラケット先端に取り付けられる装置取付け基板に軸回転可能に突設し、装置外体をトンネル状の内部で球面ジョイントを介して全方位揺動可能に装着支持するように構成し、しかも、装置本体は、内部に、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッドと、ピストンロッド先端に矢連結ジョイントを介して連結した楔矢とを収納した筒状の本体ケースと、本体ケースの先端に連設し楔矢の先端外側面に当接した割岩羽根体基部を拡開自在に収納した割岩羽根体支持ケースとよりなることを特徴とする多種な作業形態を可能とした割岩装置に関する。
【0017】
また、装置本体と装置外体とホルダー本体とを備えた割岩装置であって、装置本体は、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッド伸延部に設けた楔矢と、楔矢の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体と、より構成し、装置外体は、装置本体の外周において装置本体と軸芯方向にスライド自在に遊嵌した外体ケースより構成し、ホルダー本体は、トンネル状であって、バックホーのアームブラケット先端に取り付けられる装置取付け基板に軸回転可能に突設し、装置外体をトンネル状の内部で球面ジョイントを介して全方位揺動可能に装着支持するように構成し、装置外体の筒状の外体ケース内に装置本体の本体ケースを収納遊嵌すると共に、外体ケースと本体ケースとの間には装置本体を軸芯方向にスライドするためのスライド用シリンダーを介設したことを特徴とする。
【0018】
また、スライド用シリンダーは、外体ケース外周に突設したブラケットと本体ケース先端の割岩羽根体支持ケースとの間に介設したことを特徴とする。
【0019】
また、装置取付け基板に軸回転自在に突設したホルダー本体のトンネル内部には、装置外体に設けた球面ジョイントを受けるジョイント受けを設けると共に、装置外体の外体ケース周壁面とホルダー本体との間には複数個の揺動シリンダーを介設することによりジョイント受けを支点とした装置外体の全方位揺動を可能としたことを特徴とする。
【0020】
また、装置取付け基板にはホルダー本体を台軸を中心に水平回動自在に載置し、アームシリンダーとブラケットシリンダーとによりホルダー本体で支持した割岩装置の上下水平の首振り作動を行うべく構成し、また揺動シリンダーにより球面ジョイントを中心として割岩装置の全方位揺動を行うべく構成し、またスライド用シリンダーにより割岩装置における割岩羽根体の進退スライド作動を行うべく構成し、また割岩装置先端においては回転アクチュエータにより割岩羽根体の回転作動を行うべく構成し、また軸芯回動アクチュエータにより装置取付け基板上で割岩装置の水平回動を行うべく構成したことにより、石割作業現場において割岩羽根体を岩石掘穿孔に正確迅速に挿入して割岩羽根体の正確な拡開による適確な石割を可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、装置本体と装置外体とホルダー本体とを備えた割岩装置であって、装置本体は、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッド伸延部に設けた楔矢と、楔矢の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体と、より構成し、装置外体は、装置本体の外周において装置本体と軸芯方向にスライド自在に遊嵌した外体ケースより構成し、ホルダー本体は、トンネル状であって、バックホーのアームブラケット先端に取り付けられる装置取付け基板に軸回転可能に突設し、装置外体をトンネル状の内部で球面ジョイントを介して全方位揺動可能に装着支持するように構成したことにより、装置本体と装置外体とが別体でそれぞれスライド可能なためスライド作動により割岩羽根体の進出位置の調整ができ、また球面ジョイントを介して装置外体をジョイント受けを支点とした全方位揺動可能としたので割岩装置の姿勢を自在に変更して掘穿孔に最適の姿勢に調整し割岩羽根体の進出作動を正確に行うことができ、また本体ケース先端に連設した割岩羽根体支持ケースに羽根回転ケースを回転自在に連設し、羽根回転ケースは割岩羽根体支持ケース内部の回転盤と一体としたことにより割岩羽根体の一対の回転角度を変更することができ石割方向に沿った割岩羽根体の拡開方向の調整が容易に行える効果がある。
【0022】
更には、別途用意した作業用のバックホーのアームブラケット先端に設けた装置取付け基板にホルダー本体を台軸を中心に水平回動自在に連設したことにより、ブラケットの首振りと台軸回転によりホルダー本体に支持した割岩装置の姿勢を大幅に変更することができる効果がある。
【0023】
このように本発明によれば、石割作業現場において割岩羽根体を岩石掘穿孔に正確迅速に挿入して割岩羽根体の正確な拡開による適確な石割を可能とすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る割岩装置を装着したバックホーを示す説明図である。
【
図2】本発明に係る割岩装置の構成を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る割岩装置の構成を示す外観斜視図である。
【
図4】本発明に係る割岩装置の構成を示す外観側面図である。
【
図5】本発明に係る割岩装置の構成を示す外観平面図である。
【
図6】本発明に係る割岩装置の構成を示すB-B断面図である。
【
図7】本発明に係る割岩装置の割岩羽根体先端部分の構成を示すA-A断面図である。
【
図8】本発明に係る割岩装置の構成を示す外観背面図である。
【
図9】本発明に係る割岩装置の構成を示す外観正面図である。
【
図10】本発明に係る割岩装置の作動態様を示す模式図である。
【
図11】本発明に係る割岩装置の作動態様を示す模式図である。
【
図12】本発明に係る割岩装置の作動態様を示す模式図である。
【
図13】本発明に係る割岩装置を装着したバックホーの使用状態を示す説明図である。
【
図14】本発明に係る割岩装置を装着したバックホーの使用状態を示す説明図である。
【
図15】本発明に係る割岩装置を装着したバックホーの使用状態を示す説明図である。
【
図16】本発明に係る割岩装置のショックアブソーバー機能を示す説明図である。
【
図17】本発明に係る割岩装置のショックアブソーバー機能を示す説明図である。
【
図18】従来の割岩装置の基本構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の要旨は、装置本体と装置外体との組み合わせにより構成した割岩装置において、装置本体は、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッド伸延部に設けた楔矢と、楔矢の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体と、より構成し、装置外体は、装置本体の外周において装置本体と軸芯方向にスライド自在に遊嵌した外体ケースより構成し、しかも、別途用意した作業用のバックホーのアームのブラケット先端には装置取付け基板を設け、装置取付け基板には水平回動自在にトンネル状のホルダー本体を軸支し、ホルダー本体に装置外体を球面ジョイントを介して全方位揺動可能に装着支持したことを特徴とする多種な作業形態を可能としたものであり、
また、装置本体は、内部に、主シリンダーと、主シリンダーのピストンロッドと、ピストンロッド先端に矢連結ジョイントを介して連結した楔矢とを収納した筒状の本体ケースと、本体ケースの先端に連設し楔矢の先端外側面に当接した割岩羽根体基部を拡開自在に収納した割岩羽根体支持ケースとより構成し、
また、装置外体の筒状の外体ケース内に装置本体の本体ケースを収納遊嵌すると共に、外体ケースと本体ケースとの間には装置本体を軸芯方向にスライドするためのスライド用シリンダーを介設し、
また、本体ケース先端に連設した割岩羽根体支持ケースに羽根回転ケースを回転自在に連設し、羽根回転ケースは割岩羽根体支持ケース内部の回転盤と一体し、
しかも、羽根回転ケース内には楔矢の進出により拡開する一対の割岩羽根体基部を収縮付勢するためのスプリングを内蔵しており、
また、装置取付け基板に台軸を介して水平回転自在に軸支したホルダー本体のトンネル内部には、装置外体に設けた球面ジョイントを受けるジョイント受けを設けると共に、装置外体の外体ケース周壁面とホルダー本体との間には複数個の揺動シリンダーを介設することによりジョイント受けを支点とした装置外体の全方位揺動を可能としており、
また、別途用意した作業用のバックホーのアームブラケット先端に設けた装置取付け基板にはホルダー本体を台軸を中心に水平回動自在に連設し、アームシリンダーとブラケットシリンダーとによりホルダー本体で支持した割岩装置の上下水平の首振り作動を行うべく構成し、
また、揺動シリンダーにより球面ジョイントを中心として割岩装置の全方位揺動を行うべく構成し、
また、スライド用シリンダーにより割岩装置における割岩羽根体の進退スライド作動を行うべく構成し、
また、割岩装置先端においては回転アクチュエータにより割岩羽根体の回転作動を行うべく構成し、
また、軸芯回動アクチュエータにより装置取付け基板上で割岩装置の水平回動を行うべく構成したことにより、
石割作業現場において割岩羽根体を岩石掘穿孔に正確迅速に挿入して割岩羽根体の正確な拡開による適確な石割を可能としたものである。
【0026】
この発明の実施例を図面に基づき詳説する。
図1は割岩装置を装着したバックホーを示す。また、
図2は割岩装置の模式図、
図3は割岩装置の外観斜視図、
図4は割岩装置の外観側面図、
図5は割岩装置の外観平面図、
図6は割岩装置の側断面図、
図7は割岩羽根体先端部分の平断面図、
図8は割岩装置の外観背面図、
図9は割岩装置の構成を示す外観正面図である。
【0027】
まず、従来の割岩装置Cについて説明する。
図18は、従来の割岩装置の構成を示す説明図である。従来の割岩装置Cは、
図18(a)及び
図18(b)に示すように筒状ケース200内に収納された主シリンダー210のピストンロッド220先端に楔矢230を連設して楔矢230の進退作動により先端に装着した割岩羽根体240、240’を拡開収縮自在に構成している。
【0028】
そして割岩装置Cは、実際の石割現場においては、石割対象の岩石にまずドリルで石割線に沿って複数掘削孔を穿孔し順次その中に割岩羽根体240、240’を挿入して羽根の拡開作動をすることにより石割線に沿った石割を行う。
【0029】
本発明は、かかる割岩装置Cの改良に係るものであり、
図1に示すように割岩装置AをバックホーBのアーム130先端のブラケット40に装着した後に、特に割岩装置Aの割岩羽根体15、15’を正確迅速に掘穿孔Hに挿入できるように割岩装置Aの姿勢や構成部材の細部作動を各種のアクチュエータで駆動修正可能にしたものである。
【0030】
本発明の割岩装置Aは、大きく三部材の構成要素の組み合わせよりなる。すなわち、
図2及び
図3に示すように、装置本体10(
図2中、白抜き部分で示す。)と、装置外体20(
図2中、グレー部分で示す。)と、装置外体20をアーム130先端のブラケット40に支持するホルダー本体30(
図2中、斜線部分で示す。)とより組立て構成されている。
【0031】
割岩装置Aは、
図3~
図5に示すように実質的には装置本体10と装置外体20とにより構成されており、これらの部材がホルダー本体30を介してアーム130の先端に取付けられている。
【0032】
装置本体10は、
図2及び
図6に示すように筒状の本体ケース11内において、主シリンダー12と、主シリンダー12のピストンロッド伸延部13に設けた楔矢14と、楔矢14の先端において外側面に当接した拡開自在の一対の割岩羽根体15、15’とより構成している。
【0033】
装置外体20は、外体ケース21により構成し装置本体10の外周と軸芯方向にスライド自在に遊嵌している。
【0034】
しかも、これらの装置本体10及び装置外体20は、トンネル状のホルダー本体30によってアーム130先端のブラケット40に支持されている。
【0035】
すなわち、ホルダー本体30は、
図1、
図3及び
図4に示すように、別途用意した作業用のバックホーBのアーム130のブラケット40先端に設けた装置取付け基板41上に台軸を介して水平回動自在に載置支持されており、このホルダー本体30のトンネル内部に装置本体10及び装置外体20を一体に装着している。
【0036】
なお、
図1中、120はバックホーBのターンテーブルであり、100はターンテーブル120に上下揺動自在に連設したブームであり、130はブーム100に上下揺動自在に連設したアームである。また、
図3及び4中、42はバックホーBのアーム130先端のブラケット40に取り付ける際に割岩装置Aを地面に載置するための受け台である。
【0037】
かかる装着形態としては、
図2及び
図6に示すように装置取付け基板41に水平回動自在に軸支したホルダー本体30内部において球面ジョイント22を介して装置外体20を全方位揺動可能に装着支持する形態としている。
【0038】
すなわち、装置取付け基板41に軸回転自在に突設したホルダー本体30のトンネル内部には装置外体20に設けた球面ジョイント22を受けるためのジョイント受け31を設けており、かかるジョイント受け31を支点として装置外体20は装置外体20と共に全方位揺動可能に構成されている。
【0039】
また、装置本体10は、
図6に示すように、筒状の本体ケース11と、ケース内の主シリンダー12と、主シリンダー12のピストンロッド12a先端の楔矢14とよりなる。
図6中、13aはピストンロッド12a先端と楔矢14とを連結する矢連結ジョイントを示す。
【0040】
また、
図6中、13bは主シリンダー12のピストンロッド12aの同軸線上に配置した楔矢14の軸ずれを防止するメタルシールであり、ピストンロッド12a先端と楔矢14基端との外周面にそれぞれ摺接するように矢連結ジョイント13aに内嵌されている。
【0041】
また、本体ケース11の先端には、
図6に示すように割岩羽根体支持ケース16を連設し、割岩羽根体支持ケース16内部には、
図7に示すように楔矢14の先端外側面に当接した割岩羽根体基部15a、15a’を拡開収縮可能に収納している。
【0042】
図7中、16aは一対の割岩羽根体基部15a、15a’を対面方向で近接離反するための支持部、16bは一対の割岩羽根体基部15a、15a’を近接方向に付勢するためのスプリング、
図6中、12bはピストンロッドを支持するためのライナーを示す。また、
図3、
図4及び
図5中、19は割岩羽根体15、15’内側面と楔矢14の先端外側面との間で発生する摺動摩擦抵抗を低減するためのグリースを供給するグリース供給部を示す。
【0043】
また、本体ケース先端に連設した割岩羽根体支持ケース16には、
図6及び
図9に示すように羽根回転ケース50を回転自在に連設すると共に、ケース内部には回転盤51を回転自在に収納している。しかも、羽根回転ケース50は割岩羽根体支持ケース16内部の回転盤51と一体に構成している。
【0044】
なお、回転盤51は外周面に歯を形成した受動ギアとしており、
図4及び
図9に示すように後述する回転アクチュエータ52として油圧又は電動モータ53の回転軸54に取り付けた駆動ギア55と噛合している。なお、回転アクチュエータ52としては、回転盤51(羽根回転ケース50)を回転作動できるものであればよく、例えば駆動源として油圧、空圧、熱、電磁、電気式のものであってもよく、また、駆動源の運動方式として伸縮、屈伸、旋回といった運動を回転盤51の回転動作へ転換するものであればよい。
【0045】
また、別途用意した作業用のバックホーBのアーム130のブラケット40先端には装置取付け基板41が取付けられており、この基板41にはホルダー本体30を台軸を中心に水平回動自在に載置支持している。具体的には装置取付け基板41上面の中央部に、下部に台軸を一体形成したホルダー基台42を水平回動自在に軸着しており、このホルダー基台42にホルダー本体30を立設している。
【0046】
本発明の実施例に係る割岩装置Aは上記のように構成されており、特に下記の各種構成部材を各種作動アクチュエータによって作動することにより割岩装置Aの姿勢や割岩羽根体15、15’の伸縮を自在に変位して石割岩石の掘穿孔に細棒様の割岩羽根体15、15’を正確に挿入する。
【0047】
作動アクチュエータによる割岩装置の構成部材作動態様については下記(1)~(5)の通りである。
図10乃至
図12は割岩装置の作動態様を示す模式図である。
【0048】
(1)装置外体20の内部において、
図11(a)及び
図11(b)に示すように装置本体10を軸芯方向に沿ってスライド作動して割岩羽根体15、15’の伸縮調整をする。
【0049】
このスライドアクチュエータ17は、
図2、
図6及び
図10に示すようにホルダー本体30(
図2及び
図10中、斜線部分)に遊嵌した装置外体20(
図2及び
図10中、グレー部分)と装置本体10(
図2及び
図11中、白抜き部分)との間に架設したスライド用シリンダー18による。具体的にはスライド用シリンダー18は、装置外体20前端面と装置本体10の割岩羽根体支持ケース16後端面との間で装置本体10の外周回りを等間隔に隔てて複数(本実施例では3つ)架設している。
【0050】
(2)装置外体20の球面ジョイント22をジョイント受け31にて滑動支持することにより装置外体20、すなわち割岩装置A自体を、
図12(a)及び
図12(b)に示すようにジョイント受け31を支点として全方位揺動自在とする。
【0051】
この揺動アクチュエータ23は、
図6、
図8及び
図12に示すように装置外体20(
図2及び
図12中、グレー部分)の外体ケース21周壁面とホルダー本体30(
図2及び
図12中、斜線部分)との間に介設した複数個の揺動シリンダー24による。具体的には揺動シリンダー24は、そのシリンダーロッド先端面を外体ケース21周壁面と面対向するようにホルダー本体30の周回りに等間隔を隔てた位置でホルダー本体30に固定している。
【0052】
(3)本体ケース11先端に連設した割岩羽根体支持ケース16中に回転盤51を回転自在に収納し回転盤51と一体に羽根回転ケース50を回転自在とし、
図9(a)、
図9(b)、
図10(a)及び
図10(b)に示すように羽根回転ケース50に連結した一対の割岩羽根体15、15’の回転角度を調整して羽根の拡開方向を自在に調整できるようにする。
【0053】
この回転アクチュエータ52は、
図9に示すように回転盤51に連動連設した油圧又は電動モータ53による。具体的には油圧又は電動モータ53は
図4及び
図9に示すように割岩羽根体支持ケース16外周下部に連設しており、油圧又は電動モータ53の回転軸54に取り付けた駆動ギア55は割岩羽根体支持ケース16内部で回転盤51外周の歯面と噛合している。
【0054】
しかも、上記した矢連結ジョイント13aにより、回転アクチュエータ52により羽根回転ケース50を回転作動させた場合には、
図10(b)に示すようにピストンロッド12aを回転させることなくピストンロッド12a先端で楔矢14のみを羽根回転ケース50と一体回転させることができ、主シリンダー12内の油圧作動油のシール部材に回転摩擦負荷をかけずに割岩羽根体15、15’の拡開方向を変位できる。
【0055】
(4)別途用意した作業用のバックホーBのアームブラケット40先端に装置取付け基板41を取り付け、該基板41にホルダー本体30を台軸を中心に
図2に示すように水平回動自在に軸支した。
【0056】
この回動アクチュエータ32は、
図3に示すように装置取付け基板41とホルダー本体30との間に介設した回動シリンダー33による。具体的には、回動シリンダー33は、回動シリンダー33の回転軸に取り付けた駆動ギアを介してホルダー本体30が立設するホルダー基台42下部の台軸外周の歯面と歯合するようにブラケット40一側にホルダー本体30と連動連設している。
【0057】
(5)ブーム100、ブーム先端のアーム130、及びアーム130先端のブラケット40は首振り作動と水平回動を行い割岩装置Aの縦首振り方向と水平首振り方向の変位作動を可能に構成する。
【0058】
この各種作動アクチュエータは、ブーム100やアーム130の水平回動についてはクローラとターンテーブル120中央部との間に介在したスイベルジョイントに連動連設した油圧ポンプ又は電動モータ、ブーム100の上下揺動についてはターンテーブル120とターンテーブル先端のブーム100とに連動連設したブームシリンダー110、アーム130の上下揺動についてはブーム100とブーム先端のアーム130とに連動連設したアームシリンダー140、ブラケット40の上下揺動についてはアーム130とアーム先端のブラケット40とに連動連設したブラケットシリンダー150による。
【0059】
なお、各種作動アクチュエータとしては、上述した回転アクチュエータと同様に、割岩装置の構成部材作動態様を実現できるものであれば、その駆動源や同駆動源の運動方式で限定されることはない。
【0060】
例えば、駆動源として油圧、空圧、熱、電磁、電気式のものであってもよく、また、駆動源の運動方式として伸縮、屈伸、旋回といった運動を割岩装置の構成部材に応じた動作へ転換するものであってもよい。
【0061】
本発明の実施例は上記のように構成されており、かかる割岩装置Aは石割現場において次のように使用される。
図13乃至
図15は、石割現場における割岩装置Aを装着したバックホーBの使用状態を示す。
【0062】
まず予め石割岩石に石割線に沿った位置に一定間隔で所定深さの掘穿孔Hをドリルにより穿孔する。
【0063】
次いで、石割岩石の掘穿孔Hの孔開口方向を見定めてその近傍にバックホーBを定置する。バックホーBは、
図1及び
図13(a)に示すように予めバケットに代えてターンテーブル120に連設したアーム130先端のブラケット40には割岩装置Aを装着している。
【0064】
すなわち、アーム130先端のブラケット40先端には装置取付け基板41が取り付けられ、該基板41にホルダー本体30が台軸を中心に水平回動自在に軸支されているために、ブーム100、アーム130、及びブラケット40の首振り及び水平回動並びに装置取付け基板41上のホルダー本体30の水平回動等により割岩装置A全体の姿勢形態の調整をして可及的に割岩羽根体15、15’を掘穿孔Hに挿入しやすい姿勢とする。
【0065】
具体的には、
図13(b)に示すように定置されたバックホーBのブーム100やアーム130、及びブラケット40の各3部材を各種作動アクチュエータにより連動して円弧作動させることによりブーム、アーム及びブラケットを伸延させて割岩装置Aをいったん掘穿孔Hを跨いだ位置に位置づける。
【0066】
次いで、
図13(c)に示すようにブーム100、アーム130及びブラケット40を各種作動アクチュエータにより逆円弧作動させることにより縮小させて割岩装置AをバックホーB本体側に引き戻す際に掘穿孔H近傍に位置づける。
【0067】
また、バックホーBのアームブラケット40先端の基板41上で回動アクチュエータ32によりホルダー本体30を台軸を中心に水平回動することにより割岩装置Aの主シリンダー12の軸芯方向でもある割岩羽根体15、15’の軸線方向を掘穿孔Hの穿孔方向と略平行となる位置に調整する。
【0068】
次いで、微妙な位置調整は、
(A)装置外体20の内部において、
図2、
図11、及び
図15(a)及び
図15(b)に示すように、スライド用シリンダー18により装置外体20に対して装置本体10を軸芯方向にスライド作動して割岩羽根体15、15’の略全域が掘穿孔Hへ納まるよう割岩羽根体15、15’の掘穿孔Hへの進入深さ調整をする。
(B)装置外体20の球面ジョイント22をジョイント受け31にて滑動支持することにより、
図2、
図12、
図14(a)及び
図14(b)に示すように装置外体20をジョイント受け31を支点として全方位揺動自在とした割岩羽根体15、15’の軸線方向と掘穿孔Hの穿孔方向を一致させる割岩羽根体15、15’の進入角度調整をする。
(C)本体ケース11先端に連設した割岩羽根体支持ケース16中に回転盤51を回転自在に収納し回転盤51と一体に羽根回転ケース50を回転自在とし、
図9、
図10、
図15(a)及び
図15(b)に示すように羽根回転ケース50に連結した一対の割岩羽根体15、15’の回転角度を調整して掘穿孔H内における羽根の拡開方向を所望とする割岩方向に一致させる割岩羽根体15、15’の拡開方向調整をする。
以上の作動調整により可及的に迅速正確に割岩羽根体15、15’の進出方向を掘穿孔Hに挿入できる方向とするように作業する。
【0069】
しかも、かかる微妙な姿勢調整は姿勢調整アクチュエータにより行うものであり、上記(A)ではホルダー本体30に遊嵌した装置外体20と装置本体10との間に架設したスライド用シリンダー18駆動により、上記(B)では装置外体20の外体ケース21周壁面とホルダー本体30との間に介設した複数個の揺動シリンダー24により、上記(C)では回転盤51に連動連設した油圧又は電動モータ53によるものである。
【0070】
特に、これら姿勢調整アクチュエータのうちスライドアクチュエータ17や揺動アクチュエータ23は、バックホーBによる掘穿孔Hへの割岩羽根体の挿入作業時に割岩羽根体15、15’が掘穿孔H周辺の岩石表面や掘穿孔Hの内壁面に不用意に突き当たった際のショックアブソーバー機能を果たす。
【0071】
例えば、割岩羽根体15、15’先端が、
図16(a)に示すように掘穿孔H近傍の岩石表面へ不用意に突き当たった場合には、スライド用シリンダー18が、
図16(b)に示すように岩石表面から割岩装置Aへ負荷される軸方向の応力に対応して収縮する。
【0072】
すなわち、スライド用シリンダー18は、割岩羽根体15、15’から割岩装置Aの各部材に伝わる軸方向の応力に応じて装置外体20内で装置本体10を後退させるように収縮し、同応力を吸収する。
【0073】
また、他の例として割岩羽根体15、15’の軸線方向と掘穿孔Hの穿孔方向とが一致せず、
図17(a)に示すように割岩羽根体15、15’先端が掘穿孔Hの内壁面に突き当たった場合には、揺動シリンダー24が、
図17(b)に示すように掘穿孔Hの内壁面から割岩装置AとバックホーBの接続部へ負荷される全方位方向の応力に対応して収縮する。
【0074】
すなわち、揺動シリンダー24が、割岩羽根体15、15’から割岩装置Aへ伝わるホルダー本体30を中心とした全方位方向の応力に応じてホルダー本体30内で装置外体20を球面ジョイント22を介して回動させるように収縮して同応力を吸収すると共に割岩羽根体15、15’をその軸線方向を掘穿孔Hの穿孔方向に沿うように姿勢修正する。
【0075】
このように、スライドアクチュエータ17や揺動アクチュエータ23は、バックホーBのブーム100、アーム130、ブラケット40の円弧作動やターンテーブルの旋回作動に伴い割岩装置Aに負荷される軸方向や径方向、傾斜方向などの無用な応力を吸収するクッションアブソーバーとして機能する。
【0076】
さらには、スライドアクチュエータ17や揺動アクチュエータ23は、割岩羽根体15、15’の先端や外周を掘穿孔H周辺の岩石表面や掘穿孔Hの内壁面に摺接させつつもその応力に応じて掘穿孔H内への割岩羽根体15、15’の進入姿勢を微調整し、割岩羽根体15、15’のスムーズな挿入作業を可能としている。
【0077】
上述のように本実施例では、装置取付け基板41とホルダー本体30との間に介設した回動アクチュエータや上記(A)(B)(C)の各アクチュエータの総合的な相乗機能によって割岩装置Aの姿勢の微妙な調整が可能となり迅速且つ正確な石割作業を可能とすることができる。
【0078】
また、かかる各種のアクチュエータの駆動源は制御部に接続してアクチュエータの作動をシステム的に制御することにより総合的にアクチュエータの制御作動をして自動的な割岩装置Aによる石割作業が行えるようにすることができる。
【0079】
すなわち、石割の掘穿孔Hの位置や方向をイメージセンサーにより撮影して撮影データを解析して制御部に送信することにより各種アクチュエータを自動的に制御して割岩装置Aの最適な姿勢制御が行えるようにし割岩羽根体15、15’の最適な孔挿入運動をすることができる。
【0080】
また、各種アクチュエータに油圧センサーや傾斜センサ、6軸センサー、加速度センサーなどの各種センサーを設けて同センサーを制御部に接続することにより、各種センサーが割岩装置A作動時の異常な加圧力や変位を検知した場合には、検知した情報を受信した制御部により各種アクチュエータを自動的に停止又はショックアブソーバー機能に切り替え制御するようにしてもよい。
【0081】
例えば、制御部は、複数連設された揺動アクチュエータ23をそれぞれ独立制御して作動状態を違えることにより、球面ジョイント22を中心とした割岩装置Aの全方位揺動による割岩羽根体15、15’の掘穿孔Hへのより正確な進入角度調整制御や、ショックアブソーバー機能を行う揺動アクチュエータ23を選択して制御を行うこともできる。
【0082】
このように割岩装置Aは、制御部により各種アクチュエータを制御することにより、石割作業現場において割岩羽根体15、15’を最適な状態で岩石掘穿孔に自動的に挿入して割岩羽根体の正確な拡開による石割を可能とすることもできる。
【0083】
このように、本発明に係る割岩装置は、主たる構成部材が首振り作動や水平回動作動や全方位揺動やスライド作動や回転作動等の種々な作動を実施できるように構成することにより、割岩羽根体の進出方向を石割岩石のいかなる状況にも対応して掘穿孔に迅速かつ正確に挿入して良好な石割作業を行うことができ、多種な作業形態を実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
A 割岩装置
10 装置本体
15 割岩羽根体
16 割岩羽根体支持ケース
17 スライドアクチュエータ
20 装置外体
23 揺動アクチュエータ
30 ホルダー本体
32 回動アクチュエータ
40 ブラケット
41 装置取付け基板
50 羽根回転ケース
52 回転アクチュエータ