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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】着座センサ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/16 20060101AFI20220131BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20220131BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20220131BHJP
【FI】
H01H13/16 B
A47C7/62 Z
B60N2/90
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020513441
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(86)【国際出願番号】 JP2019015686
(87)【国際公開番号】W WO2019198773
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2018076873
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】川平 哲也
(72)【発明者】
【氏名】林 絵里子
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-013613(JP,A)
【文献】特開2017-109728(JP,A)
【文献】実開平01-079229(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00-13/88
A47C 7/62
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の絶縁シートと、
前記一対の絶縁シート間に配置され複数の開口が形成されるスペーサと、
前記開口において対向する一対の電極から成る複数の感圧スイッチと、
一対の端子と、
を備え、
前記複数の感圧スイッチは、1つの第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも2つの第1感圧スイッチと少なくとも2つの第2感圧スイッチとから構成されると共に、前記第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとから成る第1の感圧スイッチ群と、前記第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも2つの前記第1感圧スイッチと前記第1の感圧スイッチ群における前記第2感圧スイッチと異なる少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとから成る第2の感圧スイッチ群と、を含み、
前記第1の感圧スイッチ群は、前記第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合い座席の左右方向に沿って配置され、
前記第2の感圧スイッチ群は、前記第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合い交互に前記座席の前後方向に沿って配置され、
前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが直列に接続され、少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとがオンすることで、前記一対の端子間が導通する
ことを特徴とする着座センサ。
【請求項2】
前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数は、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数よりも多い
ことを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
【請求項3】
前記一対の絶縁シートは、前記座席の左右方向に沿って延在する第1帯部と、前記座席の前後方向に沿って延在する第2帯部と、を有し、
前記第1の感圧スイッチ群は前記第1帯部に含まれ、前記第2の感圧スイッチ群は前記第2帯部に含まれ、
前記第1帯部と前記第2帯部とは、前記第1の特定の感圧スイッチが配置される領域を互いに共有して接続される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の着座センサ。
【請求項4】
前記第1の感圧スイッチ群のうち前記第1の特定の感圧スイッチと反対側の端に位置する感圧スイッチが第2の特定の感圧スイッチとされ、
前記複数の感圧スイッチは、前記第2の特定の感圧スイッチが端に位置し、前記第1の特定の感圧スイッチを基準とした前記第2の感圧スイッチ群が配置される側と同じ側において、前記第2の特定の感圧スイッチを含み、少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合って前記座席の前後方向に沿って配置される第3の感圧スイッチ群を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の着座センサ。
【請求項5】
前記第2の特定の感圧スイッチは前記第2感圧スイッチとされる
ことを特徴とする請求項4に記載の着座センサ。
【請求項6】
前記第3の感圧スイッチ群は、前記第2の特定の感圧スイッチを含む少なくとも2つの前記第2感圧スイッチと少なくとも1つの前記第1感圧スイッチとから成るとともに、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合い交互に前記座席の前後方向に沿って配置され、
前記第2の感圧スイッチ群における1つの前記第1感圧スイッチと、前記第3の感圧スイッチ群における1つの前記第2感圧スイッチとの組が、前記座席の左右方向に沿った直線と重なり、
前記第2の感圧スイッチ群における1つの前記第2感圧スイッチと、前記第3の感圧スイッチ群における1つの前記第1感圧スイッチとの組が、前記座席の左右方向に沿った他の直線と重なる
ことを特徴とする請求項5に記載の着座センサ。
【請求項7】
前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数及び前記第3の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数の少なくとも一方は、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数よりも多い
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の着座センサ。
【請求項8】
前記一対の絶縁シートは、前記座席の左右方向に沿って延在する第1帯部と、前記座席の前後方向に沿って延在する第2帯部と、前記座席の前後方向に沿って延在する第3帯部と、を有し、
前記第2の感圧スイッチ群は前記第2帯部に含まれ、前記第3の感圧スイッチ群は前記第3帯部に含まれ、
前記第1帯部と前記第2帯部とは、前記第1帯部の一端部と前記第2帯部の一部とを互いに共有して接続され、
前記第1帯部と前記第3帯部とは、前記第1帯部の他端部と前記第3帯部の一部とを互いに共有して接続される
ことを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の着座センサ。
【請求項9】
前記第1の感圧スイッチ群は、前記第1帯部に含まれる
ことを特徴とする請求項8に記載の着座センサ。
【請求項10】
前記第2帯部と前記第3帯部との間の距離は、前記第2帯部の幅及び前記第3帯部の幅よりも大きい
ことを特徴とする請求項8または9に記載の着座センサ。
【請求項11】
前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続され前記第1帯部における前記絶縁シート間に配置される第1配線と、
前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続され前記第2帯部における前記絶縁シート間に配置される第2配線と、
を更に備え、
前記第2の感圧スイッチ群の前記感圧スイッチは、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが前記座席の左右方向に互いにずれて配置され、
前記第2配線は、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の一方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該一方側の端部を通り前記座席の前後方向に延在する第1直線と、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の他方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該他方側の端部を通り前記第1直線に平行な第2直線との間に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の着座センサ。
【請求項12】
前記第1帯部における前記絶縁シート間に配置され、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続される第1配線と、
前記第2帯部における前記絶縁シート間に配置され、前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続される第2配線と、
前記第3帯部における前記絶縁シート間に配置され、前記第3の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続される第3配線と、
を更に備え、
前記第2の感圧スイッチ群の前記感圧スイッチは、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが前記座席の左右方向に互いにずれて配置され、
前記第3の感圧スイッチ群の前記感圧スイッチは、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが前記座席の左右方向に互いにずれて配置され、
前記第2配線は、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の一方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該一方側の端部を通り前記座席の前後方向に延在する第1直線と、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の他方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該他方側の端部を通り前記第1直線に平行な第2直線との間に配置され、
前記第3配線は、前記第3の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の一方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該一方側の端部を通り前記座席の前後方向に延在する第3直線と、前記第3の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の他方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該他方側の端部を通り前記第3直線に平行な第4直線との間に配置される
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の着座センサ。
【請求項13】
前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチは2つとされる
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の着座センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座センサに関し、着座を適切に検知する場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
車両における安全システムの一つとして、乗車時にシートベルトが非着用であることを警告するアラームシステムが実用化されている。このアラームシステムでは、人の着座が感知されている状態でシートベルトの着用が非感知となる場合に、警告が発せられる。この人の着座を感知する装置として、荷重により着座を検知する着座センサが用いられる場合がある。
【0003】
このような着座センサとして、下記特許文献1の着座検知装置が提案されている。下記特許文献1の着座検知装置は、シート状の上部フィルムと下部フィルムとを絶縁スペーサを介して重ね合わせることにより、複数の感圧スイッチである接点が所定の間隔をあけて直線状に並んだ棒状の形状に形成されている。また、この着座検知装置の複数の接点は、1つおきに配置された接点の組が存在し、シートクッションに着座した乗員の荷重によって、それぞれの接点の組のおける1つ以上の接点がオンとされたときに着座検出信号を出力する構成である。
【0004】
【文献】特許第5526744号公報
【発明の概要】
【0005】
上記特許文献1の着座検知装置では、上記のように感圧スイッチが所定の間隔を空けて直線状に並んでおり、少なくとも2つの接点がオンになることで着座を検出する。ところで、座席に着座する乗員は、通常の座り方である正規着座よりも臀部を前方にずらして所謂前座りする場合や、当該正規着座よりも臀部を後側にずらして所謂後座りする場合がある。このように、乗員が前座りをする場合や後座りをする場合に、上記特許文献1の着座検知装置では、最も端に位置する1つの接点のみがオンとなる場合があり、この場合には着座を検知することができない。
【0006】
そこで、本発明は、着座を適切に検知し得る着座センサを提供することを目的とする。
【0007】
上記課題を解決するため本発明の着座センサは、一対の絶縁シートと、前記一対の絶縁シート間に配置され複数の開口が形成されるスペーサと、前記開口において対向する一対の電極から成る複数の感圧スイッチと、一対の端子と、を備え、前記複数の感圧スイッチは、1つの第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチと少なくとも2つの第2感圧スイッチとから構成されると共に、前記第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとから成る第1の感圧スイッチ群と、前記第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと前記第1の感圧スイッチ群における前記第2感圧スイッチと異なる少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとから成る第2の感圧スイッチ群と、を含み、前記第1の感圧スイッチ群は、前記第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合い座席の左右方向に沿って配置され、前記第2の感圧スイッチ群は、前記第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合い前記座席の前後方向に沿って配置され、少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとがオンすることで、前記一対の端子間が導通することを特徴とするものである。
【0008】
この着座センサでは、第1の特定の感圧スイッチが1つであるため、第1の特定の感圧スイッチは第1の感圧スイッチ群と第2の感圧スイッチ群とに共通に属することになる。このような着座センサによれば、少なくとも1つの第1感圧スイッチ及び少なくとも1つの第2感圧スイッチを含む第2の感圧スイッチ群が座席の前後方向に沿って配置されるため、座席の前後方向に分散して荷重がかかる場合に着座を適切に検知することができる。また、第2の感圧スイッチ群における第1の特定の感圧スイッチが最も前方に位置する場合には、少なくとも1つの第1感圧スイッチ及び少なくとも1つの第2感圧スイッチを含む第1のスイッチ群が座席の左右方向に沿って配置されるため、例えば、上記のように乗員が前座りする場合であっても、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが同時にオンし得る。これとは逆に、第2の感圧スイッチ群における第1の特定の感圧スイッチが最も後方に位置する場合には、少なくとも1つの第1感圧スイッチ及び少なくとも1つの第2感圧スイッチを含む第1のスイッチ群が座席の左右方向に沿って配置されるため、例えば、乗員が正規着座よりも臀部を後方にずらして所謂後座りする場合であっても、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが同時にオンし得る。従って、本発明の着座センサは、上記特許文献1に記載の着座検知装置と比べて、着座を適切に検知し得る。なお、座席の前後方向とは、座席の幅方向の中心線から30度以内の方向であり、座席の左右方向とは、座席の幅方向の中心線に垂直な線から30度以内の方向である。
【0009】
また、前記一対の絶縁シートは、前記第1の感圧スイッチ群の全ての前記感圧スイッチと重なり前記座席の左右方向に沿って延在する第1帯部と、前記第2の感圧スイッチ群の全ての前記感圧スイッチと重なり前記座席の前後方向に沿って延在する第2帯部と、を有することが好ましい。
【0010】
この様に構成されることで、着座により、第1の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが互いに離れる方向の応力が着座センサにかかる場合であっても、第1帯部が座席の左右方向に沿って延在することで、第1の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが離れることが抑制される。また、着座により、第2の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが互いに離れる方向の応力が着座センサにかかる場合であっても、第2帯部が座席の前後方向に沿って延在することで、第2の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが離れることが抑制される。従って、感圧スイッチ同士の相対的な位置ずれが抑制される。
【0011】
また、この場合、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも一つに接続され前記第1帯部における前記絶縁シート間に配置される第1配線と、前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続され前記第2帯部における前記絶縁シート間に配置される第2配線と、を更に備え、前記第2の感圧スイッチ群の前記感圧スイッチは、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが前記座席の左右方向に互いにずれて配置され、前記第2配線は、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の一方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該一方側の端部を通り前記座席の前後方向に延在する第1直線と、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の他方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該他方側の端部を通り前記第1直線に平行な第2直線との間に配置されることが好ましい。
【0012】
第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチが座席の前後方向に沿って左右方向にずれることなく一列に配置される場合、例えば、第1感圧スイッチに接続される配線が第2感圧スイッチを迂回して延在する場合に、当該配線は、座席の左右方向に盛り上がって第2感圧スイッチに沿って延在しなければならない。しかし、上記構成の着座センサによれば、座席の前後方向に沿って配置される感圧スイッチのうち、座席の左右方向の一方側にずれる感圧スイッチに接続される第2配線が、座席の左右方向の他方側にずれる感圧スイッチを迂回する場合であっても、当該第2配線を直線状に配置することができる。従って、配線のデザインを簡易にし得る。
【0013】
また、前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数は、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数よりも多いことが好ましい。
【0014】
座席に着座する乗員は、一般的に、座席の左右方向よりも前後方向にずれて着座する傾向にある。従って、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数が第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多いことで、乗員が座席の前後方向にずれて着座しても、着座をより適切に検知し得る。
【0015】
また、前記第1の感圧スイッチ群のうち前記第1の特定の感圧スイッチと反対側の端に位置する感圧スイッチが第2の特定の感圧スイッチとされ、前記複数の感圧スイッチは、前記第2の特定の感圧スイッチが端に位置し、前記第1の特定の感圧スイッチを基準とした前記第2の感圧スイッチ群が配置される側と同じ側において、前記第2の特定の感圧スイッチを含み、上記の着座センサは、少なくとも1つの前記第1感圧スイッチと少なくとも1つの前記第2感圧スイッチとが互いに隣り合って前記座席の前後方向に沿って配置される第3の感圧スイッチ群を更に含むことが好ましい。
【0016】
この様な構成とされることで、第2の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチと、第3の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチとが並列して配置されることになる。従って、乗員が座席の左右方向に位置ずれして着座する場合であっても、着座の検出感度をより高くすることができる。
【0017】
この場合、前記第2の特定の感圧スイッチは前記第2感圧スイッチとされることが好ましい。
【0018】
上記のとおり第1の特定の感圧スイッチは第1感圧スイッチである。従って、第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチ及び第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチにおける、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが座席の左右方向に沿って並びやすくなる。従って、座席の左右方向に沿って荷重がかかる場合に、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとがオンし易くなり、着座の検出感度をより高くし得る。
【0019】
更にこの場合、前記第2の感圧スイッチ群における1つの前記第1感圧スイッチと、前記第3の感圧スイッチ群における1つの前記第2感圧スイッチとの組が、前記座席の左右方向に沿った直線と重なり、前記第2の感圧スイッチ群における1つの前記第2感圧スイッチと、前記第3の感圧スイッチ群における1つの前記第1感圧スイッチとの組が、前記座席の左右方向に沿った他の直線と重なることが好ましい。
【0020】
この場合、座席の左右方向に沿って荷重がかかる場合に、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとがよりオンし易くなり、着座の検出感度をより高くし得る。なお、第2の感圧スイッチ群における1つの第1感圧スイッチと、第3の感圧スイッチ群における1つの第2感圧スイッチとの組が、第1の特定の感圧スイッチと第2の特定の感圧スイッチとから成る場合を含む。
【0021】
また、前記一対の絶縁シートは、第1帯部と、前記第2の感圧スイッチ群の全ての前記感圧スイッチと重なり前記座席の前後方向に沿って延在する第2帯部と、前記第3の感圧スイッチ群の全ての前記感圧スイッチと重なり前記座席の前後方向に沿って延在する第3帯部と、を有し、前記第1帯部の一端部と前記第2帯部とが接続され、前記第1帯部の他端部と前記第3帯部とが接続されることが好ましい。
【0022】
この様に構成されることで、着座により、第2の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが互いに離れる方向の応力が着座センサにかかる場合であっても、第2帯部が座席の前後方向に沿って延在することで、第2の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが離れることが抑制される。さらに、着座により、第3の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが互いに離れる方向の応力が着座センサにかかる場合であっても、第3帯部が座席の前後方向に沿って延在することで、第3の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが離れることが抑制される。従って、感圧スイッチ同士の相対的な位置ずれが抑制され得る。
【0023】
この場合、前記第1帯部は、前記第1の感圧スイッチ群の全ての前記感圧スイッチと重なり前記座席の左右方向に沿って延在することが好ましい。
【0024】
この様に構成されることで、着座により、第1の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが互いに離れる方向の応力が着座センサにかかる場合であっても、第1帯部が座席の左右方向に沿って延在することで、第1の感圧スイッチ群の複数の感圧スイッチが離れることが抑制される。従って、感圧スイッチ同士の相対的な位置ずれがより抑制され得る。
【0025】
この場合、前記第2帯部と前記第3帯部との間の距離は、前記第2帯部の幅及び前記第3帯部の幅よりも大きいことが好ましい。
【0026】
この様に構成されることで、第2帯部と第3帯部との間の距離が、感圧スイッチの1個以上の大きさになる。このため、第2帯部の感圧スイッチと第3帯部の感圧スイッチとが近付き過ぎることを抑制し、荷物が置かれた際に、第2帯部の感圧スイッチと第3帯部の感圧スイッチとが共にオンして、誤検知されることを抑制できる。また、着座センサを量産する場合、一枚の絶縁性のシートに多数の上記絶縁シートが面付けされることが好ましい。そこで、上記のように構成されることで、1つの絶縁シートの第2帯部と第3帯部との間に他の絶縁シートの第2帯部又は第3帯部が位置するように面付けを行うことができる。従って、上記構成によれば、量産に適した着座センサとし得る。
【0027】
また、前記第1帯部における前記絶縁シート間に配置され、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続される第1配線と、前記第2帯部における前記絶縁シート間に配置され、前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続される第2配線と、前記第3帯部における前記絶縁シート間に配置され、前記第3の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの少なくとも1つに接続される第3配線と、を更に備え、前記第2の感圧スイッチ群の前記感圧スイッチは、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが前記座席の左右方向に互いにずれて配置され、前記第3の感圧スイッチ群の前記感圧スイッチは、前記第1感圧スイッチと前記第2感圧スイッチとが前記座席の左右方向に互いにずれて配置され、前記第2配線は、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の一方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該一方側の端部を通り前記座席の前後方向に延在する第1直線と、前記第2の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の他方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該他方側の端部を通り前記第1直線に平行な第2直線との間に配置され、前記第3配線は、前記第3の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の一方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該一方側の端部を通り前記座席の前後方向に延在する第3直線と、前記第3の感圧スイッチ群における前記座席の左右方向の他方側に最もずれて配置される前記感圧スイッチの当該他方側の端部を通り前記第3直線に平行な第4直線との間に配置されることが好ましい。
【0028】
第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチが座席の前後方向に沿って左右方向にずれることなく一列に配置される場合、例えば、第1感圧スイッチに接続される配線が第2感圧スイッチを迂回して延在する場合に、当該配線は、座席の左右方向に盛り上がって第2感圧スイッチに沿って延在しなければならない。同様に、第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチが座席の前後方向に沿って左右方向にずれることなく一列に配置される場合、例えば、第1感圧スイッチに接続される配線が第2感圧スイッチを迂回して延在する場合に、当該配線は、座席の左右方向に盛り上がって第2感圧スイッチに沿って延在しなければならない。しかし、上記構成の着座センサによれば、第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチのうち、座席の左右方向の一方側にずれる感圧スイッチに接続される第2配線が、座席の左右方向の他方側にずれる感圧スイッチを迂回する場合であっても、当該第2配線を直線状に配置することができる。同様に、第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチのうち、座席の左右方向の一方側にずれる感圧スイッチに接続される第3配線が、座席の左右方向の他方側にずれる感圧スイッチを迂回する場合であっても、当該第3配線を直線状に配置することができる。従って、配線のデザインを簡易にし得る。
【0029】
また、前記第2の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数及び前記第3の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数の少なくとも一方は、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチの数よりも多いことが好ましい。
【0030】
上記のように、座席に着座する乗員は、一般的に、座席の左右方向よりも前後方向にずれて着座する傾向にある。従って、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数や第3の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数が第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多いことで、乗員が座席の前後方向にずれて着座しても、着座をより適切に検知し得る。
【0031】
また、前記第1の感圧スイッチ群における前記感圧スイッチは2つとされても良い。
【0032】
以上のように、本発明によれば、着座を適切に検知し得る着座センサが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1実施形態の着座センサの平面図である。
図2図1の着座センサの分解図である。
図3図1のIII-III線における断面図である。
図4図1の着座センサの回路図である。
図5図1の着座センサが座席に配置された様子の一例を示す図である。
図6図1の着座センサが量産時に面付けされた様子を示す図である。
図7】第2実施形態の着座センサの平面図である。
図8図7の着座センサの分解図である。
図9図7の着座センサの回路図である。
図10図7の着座センサが座席に配置された様子の一例を示す図である。
図11図7の着座センサが量産時に面付けされた様子を示す図である。
図12】感圧スイッチが直線的に配置された変形例における着座センサの平面図である。
図13】概ねH字状の形状とされた変形例における着座センサの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る着座センサの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
【0035】
(第1実施形態)
図1は本実施形態の着座センサの平面図である。また、図2は、図1の着座センサ1の分解図である。図2に示すように、着座センサ1は、第1電極シート10と、第2電極シート20と、スペーサ30とを含んで構成される。
【0036】
一方の電極シートである第1電極シート10は、一方の絶縁シートとしての第1絶縁シート10Pと、第1電極11F,12Fと、第2電極21F,22Fと、端子T1,T2と、配線15A~15Dと、を主な構成要素として備える。
【0037】
第1絶縁シート10Pは、絶縁性で可撓性を有するシートから成る。このような第1絶縁シート10Pを構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等の樹脂を挙げることができる。第1絶縁シート10Pは、概ねL字状のメインブロック10MBと、メインブロック10MBよりも幅の狭い略長方形状のテールブロック10TBとからなる。
【0038】
メインブロック10MBは、所定の方向に延在する第1帯部11Bと、第1帯部11Bの延在方向と垂直な方向に延在する第2帯部12Bとを含む。第1帯部11Bと第2帯部12Bとは、一方の端部を互いに共有して接続されており、メインブロック10MBは上記のように概ねL字状の形状とされる。テールブロック10TBは、第2帯部12Bより狭い幅であり、第2帯部12Bの他方の端部に接続され、第2帯部12Bの延在方向と同じ方向に延在している。
【0039】
第1電極シート10のそれぞれの第1電極11F,12F、及び第2電極21F,22Fは、略円形の形状とされ、メインブロック10MBの一方の面上に配置されている。この一方の面は、第2電極シート20と対向する面である。第1電極11Fは、上記第1帯部11Bと第2帯部12Bとが互いに共有する領域に配置されている。第2電極21Fは、第1電極11Fと重なる位置に一方の端が位置し、第1帯部11Bの延在方向に延在する第1線分LS1の他方の端部と重なるように配置されている。また、第1電極11Fと重なる位置に一方の端が位置し第1線分LS1と垂直で第2帯部12Bの延在方向に延在する第2線分LS2に重なるようにして、第2電極22Fが第1電極11Fに隣り合って配置され、第1電極12Fが第2電極22Fに隣り合って配置されている。
【0040】
また、第1線分LS1と重なる第1電極11Fと第2電極21Fとは、互いに第1線分LS1に垂直な方向にずれて配置されている。本実施形態では、第1電極11Fは、第2電極21Fに対して、第1線分LS1に垂直な一方側にずれている。従って、第2電極21Fは、第1電極11Fに対して、第1線分LS1に垂直な他方側にずれていることになる。この他方側は、第1線分LS1を基準とした第2線分LS2の延在方向側である。
【0041】
また、第2線分LS2と重なる第1電極11F,12Fと第2電極22Fとは、互いに第2線分LS2に垂直な方向にずれて配置されている。本実施形態では、第1電極11F,12Fは、第2電極22Fに対して、第2線分LS2に垂直な一方側にずれている。従って、第2電極22Fは、第1電極11F,12Fに対して、第2線分LS2に垂直な他方側にずれていることになる。この他方側は、第2線分LS2を基準とした第1線分LS1の延在方向側である。
【0042】
テールブロック10TBには、上記の一対の端子T1,T2が配置されている。これら端子T1,T2が配置される第1絶縁シート10Pの面は、上記の電極が配置される第1絶縁シート10Pの面と同じ面である。
【0043】
一方の端子T1と第1電極12Fとが配線15Aにより電気的に接続され、第1電極12Fと第1電極11Fとが配線15Bにより電気的に接続され、第2電極21Fと第2電極22Fとが配線15Cにより電気的に接続され、第2電極22Fと他方の端子T2とが配線15Dにより電気的に接続されている。ここで、第1線分LS1と重なるように配置される感圧スイッチに接続され第1帯部11Bに配置される配線を第1配線とし、第2線分LS2と重なるように配置される感圧スイッチに接続され第2帯部12Bに配置される配線を第2配線とすると、配線15Cの一部は第1配線であり、配線15B、配線15Cの他の一部、配線15Dの一部、配線15Aの一部は、第2配線となる。
【0044】
上記のように第1電極11F,12Fは、第2電極22Fに対して、第2線分LS2に垂直な一方側にずれている。そこで、図2に示すように、第1電極11F,12Fにおける第2線分LS2に垂直な一方側の端部を通り第2線分LS2に平行な直線を第1直線L1とする。また、上記のように第2電極22Fは、第1電極11F,12Fに対して、第2線分LS2に垂直な他方側にずれている。そこで、第2電極22Fにおける第2線分LS2に垂直な他方側の端部を通り第2線分LS2に平行な直線を第2直線L2とする。この場合、本実施形態では、第2配線としての配線15A,15B,15Dは第1直線L1と第2直線L2との間に配置されている。また、第2電極22Fを迂回する配線15Bは、第1電極12Fから第1電極11Fまで直線状に延在して、第2電極22Fの一方側を通っている。また、第1電極12Fを迂回する配線15Dは、少なくとも第1電極12Fの最も他方側の端部を迂回するまで第2電極22Fから直線状に延在している。このように第2配線のうち、第2帯部12Bに配置される電極を迂回する配線15B,15Dは、接続される電極から迂回する電極の端部を超えるまで直線状に延在している。
【0045】
他方の電極シートである第2電極シート20は、他方の絶縁シートとしての第2絶縁シート20Pと、第1電極11S,12Sと、第2電極21S,22Sと、配線25A~25Cを主な構成要素として備える。
【0046】
第2絶縁シート20Pは、第1絶縁シート10Pと同様に、絶縁性で可撓性を有するシートから成る。従って、第2絶縁シート20Pを構成する材料としては、例えば、第1絶縁シート10Pを構成する材料を挙げることができる。
【0047】
第2絶縁シート20Pは、第1絶縁シート10Pのメインブロック10MBと同一の形状のメインブロック20MBと、メインブロック20MBの一端に連結され、第1絶縁シート10Pのテールブロック10TBよりも短い形状のテールブロック20TBとから成る。従って、メインブロック20MBは、第1絶縁シートの第1帯部11Bと同一形状で所定の方向に延在する第1帯部21Bと、第1絶縁シートの第2帯部12Bと同一形状で第1帯部21Bの延在方向と垂直な方向に延在する第2帯部22Bとを含む。第1帯部21Bと第2帯部22Bとは、一方の端部を互いに共有して接続されている。
【0048】
第2電極シート20のそれぞれの第1電極11S,12S、及び第2電極21S,22Sは、第1電極シート10のそれぞれの第1電極11F,12F、及び第2電極21F,22Fと合同の形状とされ、メインブロック20MBの一方の面上に配置されている。この一方の面は、第1電極シート10と対向する面である。第1電極11S,12Sの配置位置は、第1電極シート10の第1電極11F,12Fに対応する位置とされ、第2電極21S,22Sの配置位置は、第1電極シート10の第2電極21F,22Fに対応する位置とされる。ところで、第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねて平面視する場合に、第1線分LS1は、図2に示すように、第1電極11Sと重なる位置に一方の端が位置し第1帯部21Bの延在方向に延在する。第1電極11S及び第2電極21Sの配置位置は、この第1線分LS1と重なる位置となる。また、第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねて平面視する場合に、第2線分LS2は、図2に示すように、第1電極11Sと重なる位置に一方の端が位置し第1線分LS1と垂直で第2帯部22Bの延在方向に延在する。第1電極11S、第2電極22S、及び第1電極12Sの配置位置は、この第2線分LS2と重なる位置とされる。
【0049】
第1電極12Sと第2電極22Sとは配線25Aにより電気的に接続され、第2電極22Sと第1電極11Sとは配線25Bにより電気的に接続され、第1電極11Sと第2電極21Sとは配線25Cにより電気的に接続されている。
【0050】
また、上記のようにそれぞれの電極が第1電極シート10の各電極と対応する位置に配置されるため、第1電極11Sは、第2電極21Sに対して、第1線分LS1に垂直な一方側にずれており、第2電極21Sは、第1電極11Sに対して、第1線分LS1に垂直な他方側にずれている。また、第1電極11S,12Sは、第2電極22Sに対して、第2線分LS2に垂直な一方側にずれており、第2電極22Sは、第1電極11S,12Sに対して、第2線分LS2に垂直な他方側にずれている。また、第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねて平面視する場合に、第1直線L1は、図2に示すように、第1電極11S及び第1電極12Sにおける第2線分LS2に垂直な一方側の端部を通り、第2直線L2は、第2電極22Sにおける第2線分LS2に垂直な他方側の端部を通る。そして、本実施形態では、配線25A,25Bは第1直線L1と第2直線L2との間に配置されている。
【0051】
スペーサ30は、可撓性を有する絶縁シートからなる。従って、絶縁シートを構成する材料としては、例えば、第1絶縁シート10P、第2絶縁シート20Pを構成する材料と同様の材料を挙げることができる。また、スペーサ30は、外形が第2絶縁シート20Pと概ね一致している。
【0052】
スペーサ30には、それぞれ同じ大きさである開口11H,12H,21H,22Hが形成されている。それぞれの開口は、周縁が略円形の形状であり、第1電極シート10及び第2電極シート20のそれぞれの電極の直径よりも僅かに小さい直径とされる。そして、スペーサ30を第1電極シート10及び第2電極シート20と重ね合わせる場合に、スペーサ30の開口11Hが第1電極11F及び第1電極11Sの周縁の内側に位置し、開口12Hが第1電極12F及び第1電極12Sの周縁の内側に位置し、開口21Hが第2電極21F及び第2電極21Sの周縁の内側に位置し、開口22Hが第2電極22F及び第2電極22Sの周縁の内側に位置する。
【0053】
なお、スペーサ30には、図示しないエアベンドであるスリットが形成されており、開口11H,12H,21H,22Hは、当該スリットにより互いに空間的に接続されており、さらにスペーサ30の外部の空間とも空間的に接続されている。
【0054】
なお、スペーサ30の両面には、第1電極シート10及び第2電極シート20と接着されるための図示しない接着材が塗布されている。
【0055】
以上の構成の第1電極シート10及び第2電極シート20をスペーサ30を介して一体化することで、図1の着座センサ1は構成される。このため、図1に示すように、着座センサ1は、略L字状のメインブロック1MBと、略長方形状のテールブロック1TBとからなる。
【0056】
メインブロック1MBは、第1電極シート10及び第2電極シート20の第1帯部11B,21Bと同一形状の第1帯部1Bと、第1帯部1Bの延在方向と垂直な方向に延在し第1電極シート10及び第2電極シート20の第2帯部12B,22Bと同一形状の第2帯部2Bとを含む。従って、第1帯部1Bと第2帯部2Bとは、一方の端部を互いに共有して接続されている。このため、本実施形態の着座センサ1は、全体として概ねL字状とされる。
【0057】
また、テールブロック1TBにおいて、第1電極シート10のテールブロック10TBの一部が露出しており、この露出した部分から一対の端子T1,T2が露出している。テールブロック1TBは、第2帯部2Bより狭い幅であり、第2帯部2Bの他方の端部に接続され、第2帯部2Bの延在方向と同じ方向に延在している。
【0058】
図3は、図1のIII-III線における断面図である。図3に示すように、第1電極シート10及び第2電極シート20がスペーサ30を介して一体化されることで、第1電極11Fと第1電極11Sとが開口11Hにおいて所定の間隔を空けて互いに対向して第1感圧スイッチSW11とされる。また特に図示しないが、同様に、第1電極12Fと第1電極12Sとが開口12Hにおいて所定の間隔を空けて互いに対向して第1感圧スイッチSW12とされ、第2電極21Fと第2電極21Sとが開口21Hにおいて所定の間隔を空けて互いに対向して第2感圧スイッチSW21とされ、第2電極22Fと第2電極22Sとが開口22Hにおいて所定の間隔を空けて互いに対向して第2感圧スイッチSW22とされる。
【0059】
感圧スイッチに荷重がかかる場合、それぞれの感圧スイッチにおける第1電極と第2電極とが接触する。このように第1電極と第2電極とが接触した感圧スイッチはオンとなる。このとき、スペーサ30の開口内の空気の一部は、スリットを通して移動して外部に排出される。
【0060】
図1に示すように、メインブロック1MBは、このような複数の感圧スイッチを備える。ここで、第1感圧スイッチSW11を第1の特定の感圧スイッチとすると、着座センサ1は、1つの第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチSW11,SW12と少なくとも2つの第2感圧スイッチSW21、SW22とを含む。また、第1帯部1Bに含まれる感圧スイッチを第1の感圧スイッチ群として、第2帯部2Bに含まれる感圧スイッチを第2の感圧スイッチ群とすると、この第1の特定の感圧スイッチは、上記第1帯部1Bと第2帯部2Bとが互いに共有される領域に配置されており、第1の感圧スイッチ群と第2の感圧スイッチ群とに共通に属することになる。従って、第1の感圧スイッチ群は、第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチSW11と少なくとも1つの第2感圧スイッチSW21とから成る。また、第2の感圧スイッチ群は、第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチSW11,SW12と少なくとも1つの第2感圧スイッチSW22とから成る。
【0061】
図4は、図1の着座センサ1の回路図である。図4に示すように、第1感圧スイッチSW11と第1感圧スイッチSW12とは互いに並列に電気的に接続されており、第2感圧スイッチSW21と第2感圧スイッチSW22とは互いに並列に電気的に接続されている。さらに第1感圧スイッチSW11及び第1感圧スイッチSW12と、第2感圧スイッチSW21及び第2感圧スイッチSW22とが直列に接続されている。このため、着座センサ1は、少なくとも1つの第1感圧スイッチと少なくとも1つの第2感圧スイッチとがオンすることで、一対の端子T1,T2間が導通する。
【0062】
図5は、着座センサ1が座席に配置された様子の一例を示す図である。本実施形態では、着座センサ1は、座席SEのシートクッションとシートクッションを包囲する表皮との間に配置される。本実施形態の座席SEのシートクッションには、座面側に左右方向に延在する溝GRが形成されている。そこで、本実施形態では、溝GRをまたがないように着座センサ1が配置されている。具体的には、着座センサ1は、座席SEにおける溝GRよりも後方において、第2帯部2Bの長手方向が座席SEの前後方向に延在し、第1帯部1Bの長手方向が座席SEの左右方向に沿って延在するように配置されている。なお、座席SEの前後方向とは、座席SEの幅方向の中心線CLから30度以内の方向であり、座席の左右方向とは、座席の幅方向の中心線CLに垂直な線から30度以内の方向である。図5では、第2帯部2Bの長手方向が座席SEの中心線CLの方向に延在し、第1帯部1Bの長手方向が座席SEの中心線CLに垂直な方向に沿って延在するように、着座センサ1が座席SEに配置された様子を示している。
【0063】
ここで、図1に示すように、着座センサ1を平面視する場合に、上記第1線分LS1は、第1の特定の感圧スイッチである第1感圧スイッチSW11と重なる位置に一方の端が位置し、第1帯部1Bの延在方向に延在する。第2感圧スイッチSW21は、この第1線分LS1の他方の端部と重なるように配置されている。そのため、第1帯部1Bにおいて、第1線分LS1と重なるように第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが互いに隣り合って配置されている。上記のように、第1帯部1Bの長手方向は座席SEの左右方向に沿う。従って、上記の第1のスイッチ群は、第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが互いに隣り合い座席SEの左右方向に沿って配置される。また、第2線分LS2は、第1の特定の感圧スイッチである第1感圧スイッチSW11と重なる位置に一方の端が位置し第1線分LS1と垂直で第2帯部2Bの延在方向に延在する。この第2線分LS2に重なるように、第2感圧スイッチSW22が第1感圧スイッチSW11に隣り合って配置され、第1感圧スイッチSW12が第2感圧スイッチSW22に隣り合って配置されている。その結果、第2帯部2Bにおいて、第2線分LS2と重なるように、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが互いに隣り合って交互に配置されている。上記のように、第2帯部2Bは座席SEの前後方向に沿う。従って、上記の第2のスイッチ群は、第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW21とが互いに隣り合い座席SEの前後方向に沿って配置される。
【0064】
また、上記のように第1電極11F,11Sと第2電極21F,21Sとが、互いに第1線分LS1に垂直な方向にずれているため、第1線分LS1と重なる第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とは、互いに第1線分LS1に垂直な方向にずれている。つまり、第1の感圧スイッチ群の感圧スイッチは、第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが座席SEの前後方向に互いにずれて配置されている。第1感圧スイッチSW11は、第2感圧スイッチSW21に対して、座席SEの前後方向の一方側にずれており、第2感圧スイッチSW21は、第1感圧スイッチSW11に対して、座席SEの前後方向の他方側にずれている。図5に示すように、本実施形態における座席SEの前後方向の一方側は前方側であり、座席SEの前後方向の他方側は後方側である。なお、第2感圧スイッチSW21は、第1感圧スイッチSW11に対して、第1線分LS1を基準とした第2線分LS2の延在方向側にずれている。
【0065】
また、上記のように第1電極11F,11S,12F,12Sと、第2電極22F,22Sとが、互いに第2線分LS2に垂直な方向にずれているため、第2線分LS2と重なる第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW22とは、互いに第2線分LS2に垂直な方向にずれている。つまり、第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチは、第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW22とが座席SEの左右方向に互いにずれて配置されている。第1感圧スイッチSW11,SW12は、第2感圧スイッチSW22に対して、座席SEの左右方向の一方側にずれており、第2感圧スイッチSW22は、第1感圧スイッチSW11,SW12に対して、座席SEの左右方向の他方側にずれている。図5に示すように、本実施形態における座席SEの左右方向の一方側は左側であり、座席SEの左右方向の他方側は右側である。なお、第2感圧スイッチSW22は、第1感圧スイッチSW11,SW12に対して、第2線分LS2を基準とした第1線分LS1の延在方向側にずれている。
【0066】
また、着座センサ1を平面する場合、上記第1直線L1は第1感圧スイッチSW11,SW12の左右方向における最も一方側の端部を通り座席SEの前後方向に延在し、上記第2直線L2は第2感圧スイッチSW22の左右方向における最も他方側の端部を通り第1直線L1と平行に延在する。従って、本実施形態では、第1直線L1、第2線分LS2、及び第2直線L2が互いに平行とされる。
【0067】
図6は、着座センサ1が量産時に面付けされた様子を示す図である。上記のように着座センサ1は概ねL字状の形状である。このため、図6に示すように、複数の着座センサ1を互い違いに配置することで、効率良く着座センサ1を面付けすることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の着座センサ1では、複数の感圧スイッチが、1つの第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチSW11,SW12と少なくとも2つの第2感圧スイッチSW21,SW22とから構成されると共に、第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチSW11と少なくとも1つの第2感圧スイッチSW21とから成る第1の感圧スイッチ群と、第1の特定の感圧スイッチを含む少なくとも1つの第1感圧スイッチSW11,SW12と第1の感圧スイッチ群における第2感圧スイッチSW21と異なる少なくとも1つの第2感圧スイッチSW22とから成る第2の感圧スイッチ群と、を含む。そして、第1の感圧スイッチ群は、第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが互いに隣り合い座席SEの左右方向に沿って配置され、第2の感圧スイッチ群は、第1の特定の感圧スイッチが端に位置し、第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW22とが互いに隣り合い座席SEの前後方向に沿って配置され、少なくとも1つの第1感圧スイッチと少なくとも1つの第2感圧スイッチとがオンすることで、一対の端子T1,T2間が導通する。
【0069】
このような着座センサ1によれば、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22が図5に示されるように、座席SEの前後方向に沿って配置されるため、座席SEの前後方向に分散して荷重がかかる場合に着座を適切に検知することができる。ここで、図5において、乗員が正規着座する場合における座席SEに荷重がかかる領域ST1を破線で示し、乗員が前座りする場合における座席SEに荷重がかかる領域ST2を一点鎖線で示す。図5に示すように、本実施形態の着座センサ1の前方側において第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11及び第2感圧スイッチSW21が座席SEの左右方向に沿って配置される。従って、図5のように乗員が前座りする場合であっても、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが同時にオンし得る。従って、本実施形態の着座センサ1は、全ての感圧スイッチが直線状に配置される着座検知装置と比べて、着座を適切に検知し得る。
【0070】
また、本実施形態の第1絶縁シート10P及び第2絶縁シート20Pは、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11及び第2感圧スイッチSW21と重なり座席SEの左右方向に沿って延在する第1帯部11B,21Bと、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22と重なり座席SEの前後方向に沿って延在する第2帯部12B,22Bと、を有する。
【0071】
このため、乗員の着座により、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが互いに離れる方向の応力がかかる場合であっても、第1帯部11B,21Bが座席SEの左右方向に沿って延在することで、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21が離れることが抑制される。また、着座により、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22が互いに離れる方向の応力がかかる場合であっても、第2帯部12B,22Bが座席SEの前後方向に沿って延在することで、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22が互いに離れることが抑制される。従って、感圧スイッチ同士の相対的な位置ずれが抑制される。
【0072】
また、着座センサ1において、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW22とは、座席SEの左右方向に互いにずれて配置されている。そして、第2配線である配線15B,15Dは、座席SEの左右方向の一方側に最もずれて配置される第1感圧スイッチSW11,SW12の当該一方側の端部を通り座席SEの前後方向に延在する第1直線L1と、座席SEの左右方向の他方側に最もずれて配置される第2感圧スイッチSW22の当該他方側の端部を通り第1直線L1に平行な第2直線L2との間に配置される。
【0073】
第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22が座席SEの前後方向に沿って左右方向にずれることなく一列に配置される場合、例えば、第1感圧スイッチSW11に接続される配線15Bが第2感圧スイッチSW22を迂回して延在する場合に、配線15Bは、座席SEの左右方向に盛り上がって第2感圧スイッチSW22に沿って延在しなければならない。しかし、本実施形態の着座センサ1によれば、座席SEの左右方向の上記の一方側にずれる第1感圧スイッチSW11,SW12に接続される第2配線である配線15Bが、座席SEの左右方向の他方側にずれる第2感圧スイッチSW22を迂回する場合であっても、第2感圧スイッチSW22の最も一方側に位置する部位を迂回するまで第2配線である配線15Bを直線状に配置することができる。同様に、座席SEの左右方向の上記の他方側にずれる第2感圧スイッチSW22に接続される第2配線である配線15Dが、座席SEの左右方向の一方側にずれる第1感圧スイッチSW12を迂回する場合であっても、第1感圧スイッチSW12の最も他方側に位置する部位を迂回するまで第2配線である配線15Dを直線状に配置することができる。従って、配線のデザインを簡易にし得る。
【0074】
また、本実施形態では、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数は、第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多い。座席SEに着座する乗員は、一般的に、座席SEの左右方向よりも前後方向にずれて着座する傾向にある。従って、本実施形態の着座センサ1のように、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数が第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多いことで、乗員が座席SEの前後方向にずれて着座しても、着座をより適切に検知し得る。
【0075】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態を説明するにあたり、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0076】
図7は、本実施形態の着座センサの平面図である。また、図8は、図7の着座センサの分解図である。図7図8に示すように、本実施形態の着座センサ1は、第1感圧スイッチSW13及び第2感圧スイッチSW23を有する第3帯部3Bを更に備え、第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21の距離が長くなる点において第1実施形態の着座センサ1と異なる。
【0077】
第1電極シート10は、第1絶縁シート10Pのメインブロック10MBが第3帯部13Bを備え、第3帯部13Bに第1電極13F及び第2電極23Fが配置される点において第1実施形態の第1電極シート10と主に異なる。第1帯部11Bと第3帯部13Bとは、第1帯部11Bの他方の端部と第3帯部13Bの一方の端部とを互いに共有して接続されている。こうして、メインブロック10MBは概ねU字状の形状とされる。なお、本実施形態では、第2帯部12Bと第3帯部13Bとの間の距離は、第2帯部12Bの幅及び第3帯部13Bの幅よりも大きくされる。
【0078】
第1電極シート10の第1電極13F及び第2電極23Fは、第1電極11F,12F及び第2電極21F,22Fと同様の構成とされ、第3帯部13Bの一方の面上に配置されている。本実施形態では、第2電極21Fは、上記の第1帯部11Bと第3帯部13Bとが互いに共有する領域に配置されている。また、第2電極21Fと重なる位置に一方の端が位置し第1線分LS1と垂直で第3帯部13Bの延在方向に延在する第3線分LS3に重なるようにして、第1電極13Fが第2電極21Fに隣り合って配置され、第2電極23Fが第1電極13Fに隣り合って配置されている。この第3線分LS3は、第1線分LS1を基準とした第2線分LS2側に延在する。
【0079】
第3線分LS3と重なる第1電極13Fと第2電極21F,23Fとは、互いに第3線分LS3に垂直な方向にずれて配置されている。本実施形態では、第2電極22F,23Fは、第1電極13Fに対して、第3線分LS3に垂直な一方側にずれている。従って、第1電極13Fは、第2電極22F,23Fに対して、第3線分LS3に垂直な他方側にずれていることになる。この一方側は、第3線分LS3を基準とした第1線分LS1の延在方向側である。
【0080】
第1電極13Fは、配線15Eにより第1電極11Fと電気的に接続され、第2電極23Fは配線15Fにより第2電極21Fに電気的に接続されている。ここで、第3線分LS3と重なるように配置される感圧スイッチに接続され第3帯部13Bに配置される配線を第3配線とすると、配線15Eの一部、配線15Fは、第3配線となる。なお、第1実施形態で説明した第1配線の定義より、配線15Eの他の一部は第1配線となる。
【0081】
上記のように第2電極21F,23Fは、第1電極13Fに対して、第3線分LS3に垂直な一方側にずれている。そこで、図8に示すように、第2電極21F,23Fにおける第3線分LS3に垂直な一方側の端部を通り第3線分LS3に平行な直線を第3直線L3とする。また、上記のように第1電極13Fは、第2電極21F,23Fに対して、第3線分LS3に垂直な他方側にずれている。そこで、第1電極13Fにおける第3線分LS3に垂直な他方側の端部を通り第3線分LS3に平行な直線を第4直線L4とする。この場合、本実施形態では、配線15Eの一部及び配線15Fは第3直線L3と第4直線L4との間に配置されている。また、第1電極13Fを迂回する配線15Fは、第2電極21Fから第2電極23Fまで直線状に延在して、第1電極13Fの一方側を通っている。また、第2電極21Fを迂回する配線15Eは、第1電極13Fから第1電極11Fまで延在して、第3帯部3Bにおいては第2電極21Fの他方側を通っている。このように第2配線のうち、第3帯部13Bに配置される第1電極13Fを迂回する配線15Fは、接続される電極から迂回する第1電極13Fの部位を超えるまで直線状に延在している。
【0082】
また、第1実施形態で説明したように、第1電極11Fは、第2電極21Fに対して、第1線分LS1に垂直な一方側にずれており、第2電極21Fは、第1電極11Fに対して、第1線分LS1に垂直な他方側にずれている。このため、上記の第2電極21Fを迂回する配線15Eは、第1帯部11Bにおいては、第2電極21Fの一方側を通っている。このように第1配線のうち、第1帯部11Bに配置される第2電極21Fを迂回する配線15Eの他の一部は、接続される電極から迂回する第2電極21Fの部位を超えるまで直線状に延在している。
【0083】
本実施形態の第2電極シート20は、第2絶縁シート20Pのメインブロック20MBが第3帯部23Bを備え、第3帯部23Bに第1電極13S及び第2電極23Sが配置される点において第1実施形態の第2電極シート20と主に異なる。第1帯部21Bと第3帯部23Bとは、第1帯部11Bの他方の端部と第3帯部13Bの一方の端部とを互いに共有して接続されている。
【0084】
第2電極シート20の第1電極13S及び第2電極23Sは、第1電極シート10の第1電極13F及び第2電極23Fと同様の構成とされ、第3帯部23Bの一方の面上に配置されている。第1電極13S及び第2電極23Sは、それぞれ第1電極シート10における第1電極13F及び第2電極23Fに対応する位置とされる。ところで、本実施形態の第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねて平面視する場合に、第3線分LS3は、図8に示すように、第2電極21Fと重なる位置に一方の端が位置し第1線分LS1と垂直で第3帯部23Bの延在方向に延在する。第2電極21S、第1電極13S、第2電極23Sの配置位置は、この第2線分LS2と重なる位置とされる。
【0085】
第2電極21Sと第1電極13Sとは配線25Dにより電気的に接続され、第1電極13Sと第2電極23Sとは配線25Eにより電気的に接続されている。
【0086】
また、上記のように、第1電極13S及び第2電極23Sは、それぞれ第1電極シート10における第1電極13F及び第2電極23Fに対応する位置に配置されるため、第2電極21S,23Sは、第1電極13Sに対して、第3線分LS3に垂直な一方側にずれており、第1電極13Sは、第2電極21S,23Sに対して、第3線分LS3に垂直な他方側にずれている。また、第1電極シート10と第2電極シート20とを重ねて平面視する場合に、第3直線L3は、図8に示すように、第2電極21S及び第2電極23Sにおける第3線分LS3に垂直な一方側の端部を通り、第4直線L4は、第1電極13Sにおける第3線分LS3に垂直な他方側の端部を通る。そして、本実施形態では、配線25D,25Eは第3直線L3と第4直線L4との間に配置されている。
【0087】
本実施形態のスペーサ30は、外形が第2絶縁シート20Pと概ね一致しており、開口13H,23Hが形成される点において、第1実施形態のスペーサ30と主に異なる。開口13H,23Hは、他の開口11H等と同様の形状とされ、第1電極シート10及び第2電極シート20のそれぞれの電極の直径よりも僅かに小さい直径とされる。そして、スペーサ30を第1電極シート10及び第2電極シート20と重ね合わせる場合に、スペーサ30の開口13Hが第1電極13F及び第1電極13Sの周縁の内側に位置し、開口23Hが第2電極23F及び第2電極23Sの周縁の内側に位置する。
【0088】
なお、スペーサ30には、第1実施形態のスペーサ30と同様に図示しないエアベンドであるスリットが形成されており、開口は互いに空間的に連通しており、さらにスペーサ30の外部の空間とも空間的に連通している。
【0089】
以上の構成の第1電極シート10及び第2電極シート20をスペーサ30を介して一体化することで、図7の着座センサ1は構成される。このため、図7に示すように、着座センサ1は、略U字状のメインブロック1MBと、略長方形状のテールブロック1TBとからなる。
【0090】
本実施形態のメインブロック1MBは、第1電極シート10及び第2電極シート20の第3帯部13B,23Bと同一形状の第3帯部3Bを備える点において、第1実施形態のメインブロック1MBと異なる。従って、第1帯部1Bの他方の端部と第3帯部3Bの一方の端部とは、互いに共有されている。このため、本実施形態の着座センサ1は、全体として概ねU字状とされる。なお、本実施形態では、上記のように、第2帯部12Bと第3帯部13Bとの間の距離は、第2帯部12Bの幅及び第3帯部13Bの幅よりも大きくされるため、着座センサ1の第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間の距離は、第2帯部2Bの幅及び第3帯部3Bの幅よりも大きくされる。
【0091】
本実施形態では、第1電極シート10の第1電極13Fと第2電極シート20の第1電極13Sとがスペーサ30の開口13Hにおいて所定の間隔をあけて互いに対向して第1感圧スイッチSW13とされ、第1電極シート10の第2電極23Fと第2電極シート20の第2電極23Sとがスペーサ30の開口23Hにおいて所定の間隔をあけて互いに対向して第2感圧スイッチSW23とされる。
【0092】
このため、図7に示すように、メインブロック1MBは、複数の感圧スイッチを備える。ここで、第2感圧スイッチSW21を第2の特定の感圧スイッチとして、第3帯部3Bに含まれる感圧スイッチを第3の感圧スイッチ群とすると、この第2の特定の感圧スイッチは、上記第1帯部1Bと第3帯部3Bとが互いに共有される領域に配置されており、第1の感圧スイッチ群と第3の感圧スイッチ群とに共通に属することになる。従って、第3の感圧スイッチ群は、第2の特定の感圧スイッチを含み、少なくとも1つの第1感圧スイッチSW13と少なくとも1つの第2感圧スイッチSW21,SW23とから成る。
【0093】
図9は、図7の着座センサ1の回路図である。図9に示すように、第1感圧スイッチSW11,SW12,SW13が互いに並列に電気的に接続されており、第2感圧スイッチSW21,SW22,SW23が互いに並列に電気的に接続されている。さらに第1感圧スイッチSW11,SW12,SW13と、第2感圧スイッチSW21,SW22,SW23とが互いに直列に接続されている。このため、本実施形態の着座センサ1においても、少なくとも1つの第1感圧スイッチと少なくとも1つの第2感圧スイッチとがオンすることで、一対の端子T1,T2間が導通する。
【0094】
図10は、着座センサ1が座席に配置された様子の一例を示す図である。本実施形態では、着座センサ1は、第1実施形態の着座センサ1と同様に、座席SEのシートクッションとシートクッションを包囲する表皮との間に配置される。また、本実施形態においても、溝GRをまたがないように着座センサ1が配置されている。具体的には、着座センサ1は、座席SEにおける溝GRよりも後方において、第2帯部2B及び第3帯部3Bが座席SEの前後方向に延在し、第1帯部1Bの長手方向が座席SEの左右方向に沿って延在するように配置されている。なお、図10では、第2帯部2B及び第3帯部3Bの長手方向が座席SEの中心線CLの方向に延在し、第1帯部1Bの長手方向が座席SEの中心線CLに垂直な方向に沿って延在するように、着座センサ1が座席SEに配置された様子を示している。
【0095】
ここで、図7に示すように、着座センサ1を平面視する場合に、第3線分LS3は、第2の特定の感圧スイッチである第2感圧スイッチSW21と重なる位置に一方の端が位置し、第1線分LS1と垂直で第3帯部3Bの延在方向に延在する。この第3線分LS3に重なるように、第1感圧スイッチSW13が第2感圧スイッチSW21に隣り合って配置され、第2感圧スイッチSW23が第1感圧スイッチSW13に隣り合って配置されている。その結果、第3帯部3Bにおいて、第3線分LS3と重なるように、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが互いに隣り合って交互に配置されている。上記のように、第3帯部3Bは座席SEの前後方向に沿う。従って、上記の第3のスイッチ群は、第2の特定の感圧スイッチが端に位置し、第1感圧スイッチSW13と第2感圧スイッチSW21、SW23とが互いに隣り合い座席SEの前後方向に沿って配置される。
【0096】
さらに本実施形態では、第3帯部3Bの第1感圧スイッチSW13と第2帯部2Bの第2感圧スイッチSW22との組が、座席SEの左右方向に沿った直線L5に重なるように位置しており、第2帯部2Bの第1感圧スイッチSW12と第3帯部3Bの第2感圧スイッチSW23との組が、座席SEの左右方向に沿った他の直線L6に重なるように位置している。第1帯部1Bの第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とは、上記説明のように座席SEの左右方向に沿った第1線分LS1に重なっている。従って、本実施形態の着座センサ1は、座席SEの左右方向に沿った直線と重なる第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとの組を複数有している。
【0097】
また、上記のように第2電極21F,21S,23F,23Sと、第1電極13F,13Sとが、互いに第3線分LS3に垂直な方向にずれているため、第3線分LS3と重なる第2感圧スイッチSW21,SW23と第1感圧スイッチSW13とは、互いに第3線分LS3に垂直な方向にずれている。つまり、第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチは、第1感圧スイッチSW13と第2感圧スイッチSW21,SW23とが座席SEの左右方向に互いにずれて配置されている。第2感圧スイッチSW21,SW23は、第1感圧スイッチSW13に対して、座席SEの左右方向の一方側にずれており、第1感圧スイッチSW13は、第2感圧スイッチSW21,SW23に対して、座席SEの左右方向の他方側にずれている。図10に示すように、第1実施形態と同様にして、本実施形態における座席SEの左右方向の一方側は左側であり、座席SEの左右方向の他方側は右側である。なお、第2感圧スイッチSW21,SW23は、第1感圧スイッチSW13に対して、第3線分LS3を基準とした第1線分LS1の延在方向側にずれている。
【0098】
また、着座センサ1を平面する場合、上記第3直線L3は第2感圧スイッチSW21,SW23の左右方向における最も一方側の端部を通り座席SEの前後方向に延在し、上記第4直線L4は第1感圧スイッチSW13の左右方向における最も他方側の端部を通り第3直線L3と平行に延在する。従って、本実施形態では、第3直線L3、第3線分LS3、及び第4直線L4が互いに平行とされる。
【0099】
図11は、着座センサ1が量産時に面付けされた様子を示す図である。上記のように、本実施形態の着座センサ1は概ねU字状の形状で、第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間の距離は、第2帯部2Bの幅及び第3帯部3Bの幅よりも大きくされる。このため、図11に示すように、複数の着座センサ1を互い違いに入れ子状に配置することで、効率良く着座センサ1を面付けすることができる。
【0100】
以上説明したように、本実施形態の着座センサ1は、第1実施形態の着座センサ1に対して、第3のスイッチ群を更に備え、第3の感圧スイッチ群は、第1の感圧スイッチ群のうち第1の特定の感圧スイッチと反対側の端に位置する第2感圧スイッチSW21が第2の特定の感圧スイッチとされ、第2感圧スイッチSW21が端に位置し、第1の特定の感圧スイッチを基準とした第2の感圧スイッチ群が配置される側と同じ側において、第2の特定の感圧スイッチを含み、少なくとも1つの第1感圧スイッチSW13と少なくとも1つの第2感圧スイッチSW21,SW23とが互いに隣り合って座席SEの前後方向に沿って配置される。
【0101】
この様な構成とされることで、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22と、第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21,SW23及び第1感圧スイッチSW13とが並列して配置されることになる。従って、乗員が座席の左右方向に位置ずれして着座する場合であっても、着座の検出感度をより高くすることができる。このことを図10を用いて説明する。図10において、図5と同様に、乗員が正規着座する場合における座席SEに荷重がかかる領域ST1を破線で示し、乗員が前座りする場合における座席SEに荷重がかかる領域ST2を一点鎖線で示し、乗員が左右方向にずれて着座する場合における座席SEに荷重がかかる領域ST3,ST4を点線で示す。図10に示すように、着座センサ1は、乗員が前座りする場合であっても、第1帯部に配置され、座席SEの左右方向に沿って配置される第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが同時にオンし得る。また、着座センサ1は、乗員が左右方向の一方側にずれて着座する場合であっても、第2帯部に配置され、座席SEの前後方向に沿って配置される第1感圧スイッチSW11,SW12の何れかと第2感圧スイッチSW22とが同時にオンし得る。また、着座センサ1は、乗員が左右方向の他方側にずれて着座する場合であっても、第3帯部に配置され、座席SEの前後方向に沿って配置される第2感圧スイッチSW21,SW23の何れかと第1感圧スイッチSW13とが同時にオンし得る。従って、本実施形態の着座センサ1は、より適切に着座を検知し得る。
【0102】
また、本実施形態では、第2の特定の感圧スイッチは第2感圧スイッチSW21とされる。上記のように第1の特定の感圧スイッチは第1感圧スイッチSW11である。従って、第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチと、第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチとでは、第1感圧スイッチSW12と第2感圧スイッチSW23とが座席SEの左右方向に並びやすくなり、また、第2感圧スイッチSW22と第1感圧スイッチSW13とが座席SEの左右方向に並びやすくなる。従って、座席SEの左右方向に沿って荷重がかかる場合に、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとがオンし易くなり、着座の検出感度をより高くし得る。
【0103】
更に本実施形態では、第2の感圧スイッチ群における1つの第1感圧スイッチSW12と、第3の感圧スイッチ群における1つの第2感圧スイッチSW23との組が、座席SEの左右方向に沿った直線L6と重なり、第2の感圧スイッチ群における1つの第2感圧スイッチSW22と、第3の感圧スイッチ群における1つの第1感圧スイッチSW13との組が、座席SEの左右方向に沿った他の直線L5と重なる。従って、座席SEの左右方向に沿って荷重がかかる場合に、第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとがよりオンし易くなり、着座の検出感度をより高くし得る。
【0104】
また、本実施形態では、第3の感圧スイッチ群の全ての感圧スイッチである第2感圧スイッチSW21,SW23及び第1感圧スイッチSW13と重なり座席SEの前後方向に沿って延在する第3帯部3Bを有する。従って、着座により第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21と第2感圧スイッチSW23と第1感圧スイッチSW13とが互いに離れる方向の応力が着座センサ1にかかる場合であっても、第3帯部3Bが座席の前後方向に沿って延在することで、これらの感圧スイッチが離れることが抑制される。従って、感圧スイッチ同士の相対的な位置ずれがより抑制され得る。
【0105】
また、本実施形態では、第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21,SW23と第1感圧スイッチSW13とが座席SEの左右方向に互いにずれて配置されている。そして、第3配線は、第3の感圧スイッチ群における座席SEの左右方向の一方側に最もずれて配置される第2感圧スイッチSW21,SW23の当該一方側の端部を通り座席SEの前後方向に延在する第3直線L3と、第3の感圧スイッチ群における座席SEの左右方向の他方側に最もずれて配置される第1感圧スイッチSW13の当該他方側の端部を通り第3直線L3に平行な第4直線L4との間に配置される。
【0106】
第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21,SW23及び第1感圧スイッチSW13が座席SEの前後方向に沿って左右方向にずれることなく一列に配置される場合、例えば、第2感圧スイッチSW21に接続される配線15Fが第1感圧スイッチSW13を迂回して延在する場合に、配線15Fは、座席SEの左右方向に盛り上がって第1感圧スイッチSW13に沿って延在しなければならない。しかし、本実施形態の着座センサ1によれば、座席SEの左右方向の一方側にずれる第2感圧スイッチSW21,SW23に接続される第3配線である配線15Fが、座席SEの左右方向の他方側にずれる第1感圧スイッチSW13を迂回する場合であっても、配線15Fを直線状に配置することができる。従って、配線のデザインを簡易にし得る。
【0107】
また、本実施形態の着座センサ1は、第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間の距離が、第2帯部2Bの幅及び第3帯部3Bの幅よりも大きい。従って、第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間の距離が、感圧スイッチの1個以上の大きさになる。このため、第2帯部2Bの感圧スイッチと第3帯部3Bの感圧スイッチとが近付き過ぎることを抑制し、荷物が置かれた際に、第2帯部2Bの感圧スイッチと第3帯部3Bの感圧スイッチとが共にオンして、荷物の配置が乗員の着座と誤検知されることを抑制できる。また、着座センサを量産する場合、一枚の絶縁性のシートに多数の上記絶縁シートが面付けされることが好ましい。そこで、本実施形態の着座センサ1によれば、図11で説明したように、着座センサ1の第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間に他の着座センサ1の第2帯部又は第3帯部が位置するように面付けを行うことができる。従って、上記構成によれば、量産に適した着座センサとし得る。
【0108】
また、本実施形態の着座センサ1は、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数及び第3の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数が、第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多い。上記のように、座席SEに着座する乗員は、一般的に、座席の左右方向よりも前後方向にずれて着座する傾向にある。従って、本実施形態の着座センサ1のように、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数及び第3の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数が第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多いことで、乗員が座席SEの前後方向にずれて着座しても、着座をより適切に検知し得る。なお、本実施形態と異なり、第2の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数及び第3の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数の一方のみが、第1の感圧スイッチ群における感圧スイッチの数よりも多くても良い。
【0109】
以上、本発明の着座センサについて上記実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0110】
例えば、上記実施形態では、第1帯部1Bにおいて第1線分LS1と重なるように1つの第1感圧スイッチSW11と1つの第2感圧スイッチSW21とが配置された。しかし、第1帯部1Bにおいて第1線分LS1と重なるように第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが互いに隣り合い配置される限りにおいて、3つ以上の感圧スイッチが配置されてもよい。つまり、第1の感圧スイッチ群が3つ以上の感圧スイッチを有しても良い。従って、上記実施形態のように第1の特定の感圧スイッチが第1感圧スイッチSW11であり、第1線分LS1と重なるように感圧スイッチが奇数個配置される場合には、第2の特定の感圧スイッチが第1感圧スイッチとなる。
【0111】
また、上記実施形態では、第2帯部2Bにおいて座席SEの前後方向に沿って2つの第1感圧スイッチSW11、SW12と1つの第2感圧スイッチSW22とが配置された。しかし、第2帯部2Bにおいて座席SEの前後方向に沿って第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが互いに隣り合って配置される限りにおいて、2つの感圧スイッチが配置されてもよく、4つ以上の感圧スイッチが配置されてもよい。また同様に、上記実施形態では、第3帯部3Bにおいて座席SEの前後方向に沿って2つの第2感圧スイッチSW21、SW23と1つの第1感圧スイッチSW13とが配置された。しかし、第3帯部3Bにおいて座席SEの前後方向に沿って第1感圧スイッチと第2感圧スイッチとが互いに隣り合って配置される限りにおいて、2つの感圧スイッチが配置されてもよく、4つ以上の感圧スイッチが配置されてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とは、座席SEの前後方向に互いにずれて配置された。しかし、第1の感圧スイッチ群の感圧スイッチが座席SEの左右方向に沿って直線的に配置されてもよい。同様に上記実施形態では第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW22とは、座席SEの左右方向に互いにずれて配置された。しかし、第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチが座席SEの前後方向に沿って直線的に配置されてもよい。また同様に上記実施形態では、第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21,SW23と第1感圧スイッチSW13とは、座席SEの左右方向に互いにずれて配置された。しかし、第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチが座席SEの前後方向に沿って直線的に配置されてもよい。図12は、感圧スイッチが直線的に配置された変形例における着座センサの平面図である。本変形例では、第1線分LS1と重なる第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とは、互いに第1線分LS1に垂直な方向にずれていない。このような構成にすることで、上記のように、第1の感圧スイッチ群の感圧スイッチを座席SEの左右方向に沿って直線的に配置させることができる。また、本変形例では、第2線分LS2と重なる第1感圧スイッチSW11,SW12と第2感圧スイッチSW22とは、互いに第2線分LS2に垂直な方向にずれていない。このような構成にすることで、上記のように、第2の感圧スイッチ群の感圧スイッチを座席SEの前後方向に沿って直線的に配置させることができる。また、本変形例では、第3線分LS3と重なる第1感圧スイッチSW13と第2感圧スイッチSW21,SW23とは、互いに第3線分LS3に垂直な方向にずれていない。このような構成にすることで、上記のように、第3の感圧スイッチ群の感圧スイッチを座席SEの前後方向に沿って直線的に配置させることができる。
【0113】
上記実施形態では、第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間の距離は、第2帯部2Bの幅及び第3帯部3Bの幅よりも大きくされたが、第2帯部2Bと第3帯部3Bとの間の距離は、第2帯部2Bの幅及び第3帯部3Bの幅以下であってもよい。
【0114】
また、第1の感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチは、座席SEの左右方向に沿って配置される限りにおいて、第1線分LS1と重ならなくても良い。同様に、第2の感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチは、座席SEの前後方向に沿って配置される限りにおいて、第2線分LS2と重ならなくても良く、第3の感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチは、座席SEの前後方向に沿って配置される限りにおいて、第3線分LS3と重ならなくても良い。
【0115】
また、上記実施形態では、第1の感圧スイッチ群のそれぞれの感圧スイッチが座席SEの左右方向に沿って配置され、第2の感圧スイッチ群における第1の特定の感圧スイッチを除くそれぞれの感圧スイッチが、第1の感圧スイッチ群よりも座席SEの後方に配置された。しかし、第2の感圧スイッチ群における第1の特定の感圧スイッチを除くそれぞれの感圧スイッチが、第1の感圧スイッチ群よりも座席SEの前方に配置されても良い。また、第3の感圧スイッチ群における第2の特定の感圧スイッチを除くそれぞれの感圧スイッチが、第1の感圧スイッチ群よりも座席SEの後方に配置された。しかし、第3の感圧スイッチ群における第2の特定の感圧スイッチを除くそれぞれの感圧スイッチが、第1の感圧スイッチ群よりも座席SEの前方に配置されても良い。これらの場合のように、第2の感圧スイッチ群における第1の特定の感圧スイッチが最も後方に位置する場合や、第3の感圧スイッチ群における第2の特定の感圧スイッチが最も後方に位置する場合には、少なくとも1つの第1感圧スイッチ及び少なくとも1つの第2感圧スイッチを含む第1のスイッチ群が座席の後方において左右方向に沿って配置される。このため、例えば、乗員が正規着座よりも臀部を後方にずらして後座りする場合であっても、第1の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11と第2感圧スイッチSW21とが同時にオンし得る。従って、第1の感圧スイッチ群が座席の後方に配置される場合であっても、着座を適切に検知し得る。
【0116】
また、上記実施形態では、着座センサ1は座席SEにおける溝GRよりも後方に配置された。しかし、着座センサ1は、溝GRよりも前方に配置されても良い。更に、上記実施形態では、座席SEに溝GRが形成されていた。しかし、着座センサ1が配置される座席SEに溝GRは形成されていなくても良い。従って、着座センサ1が座席SEに配置される位置は、第1の感圧スイッチ群が座席SEの左右方向に沿って配置され、第2の感圧スイッチ群及び第3の感圧スイッチ群が座席SEの前後方向に沿って配置される限り、上記実施形態に限定されない。
【0117】
また、上記実施形態では、テールブロック1TBは、第2帯部2Bに接続されていた。しかし、テールブロック1TBが接続される部位は特に限定されるものではない。例えば、テールブロック1TBは、第1帯部1Bに接続されてもよく、第3帯部3Bに接続されてもよい。
【0118】
また、上記第1実施形態では、着座センサ1は概ねL字状の形状とされ、上記第2実施形態では、着座センサ1は概ねU字状の形状とされた。しかし、着座センサの形状は特に限定されるものではない。例えば、図13に示すように、着座センサ1は概ねH字状の形状とされてもよい。図13は、概ねH字状の形状とされた変形例における着座センサの平面図である。本変形例では、第1帯部1Bと第2帯部2Bとが互いに共有される領域に第2のスイッチ群の第2感圧スイッチSW22が配置されている。また、第1帯部1Bと第3帯部3Bとが互いに共有される領域に第3のスイッチ群の第1感圧スイッチSW13が配置されている。また、テールブロック1TBは、第1帯部1Bにおける延在方向の概ね中央部に接続され、第2帯部2B及び第3帯部3Bの延在方向と同じ方向に延在している。そして、本変形例の着座センサ1は第1線分LS1に垂直な方向を基準とした概ね対称形状とされている。つまり、本変形例の着座センサ1は、上記第2実施形態と同様にして座席SEに配置される場合、概ね左右対称の形状となる。このように、着座センサ1を左右対称の形状とすることにより、着座センサ1の生産性を向上させることができる。
【0119】
また、本変形例では、上記第2実施形態と同様にして座席SEに配置される場合、第2帯部2B及び第3帯部3Bは座席SEの前後方向に延在する。そして、第1帯部1Bの一端部と第2帯部2Bとが接続され、第1帯部1Bの他端部と第3帯部3Bとが接続される。このため、本変形の第1絶縁シート10P及び第2絶縁シート20Pは、第1帯部11B,21Bと、第2の感圧スイッチ群の全ての感圧スイッチである第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22と重なり座席SEの前後方向に沿って延在する第2帯部12B,22Bと、第3の感圧スイッチ群の全ての感圧スイッチである第2感圧スイッチSW21,SW23及び第1感圧スイッチSW13と重なり座席SEの前後方向に沿って延在する第3帯部13B,23Bと、を有し、第1帯部11B,21Bの一端部と第2帯部12B,22Bとが接続され、第1帯部11B,21Bの他端部と第3帯部13B,23Bとが接続されていると理解できる。このため、乗員の着座により、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22が互いに離れる方向の応力がかかる場合であっても、第2帯部12B,22Bが座席SEの前後方向に沿って延在することで、第2の感圧スイッチ群の第1感圧スイッチSW11,SW12及び第2感圧スイッチSW22が互いに離れることが抑制される。また、着座により、第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21,SW23及び第1感圧スイッチSW13が互いに離れる方向の応力がかかる場合であっても、第3帯部13B,23Bが座席SEの前後方向に沿って延在することで、第3の感圧スイッチ群の第2感圧スイッチSW21,SW23及び第1感圧スイッチSW13が互いに離れることが抑制される。従って、感圧スイッチ同士の相対的な位置ずれが抑制される。
【0120】
なお、本変形例の着座センサ1では、一方の端子T1と第1電極12Fとが配線15Aにより電気的に接続され、第1電極12Fと第1電極11Fとが配線15Bにより電気的に接続され、第1電極11Fと第1電極13Fとが配線15Cにより電気的に接続され、第2電極21Fと第2電極23Fとが配線15Eにより電気的に接続され、第2電極22Fと第2電極23Fと他方の端子T2とが配線15Dにより電気的に接続されている。また、第1電極12Sと第2電極22Sとが配線25Aにより電気的に接続され、第2電極22Sと第1電極11Sとが配線25Bにより電気的に接続され、第2電極22Sと第1電極13Sとが配線25Cにより電気的に接続され、第1電極13Sと第2電極21Sとが配線25Dにより電気的に接続され、第1電極13Sと第2電極23Sとが配線25Eにより電気的に接続されている。また、本変形例の着座センサ1では、テールブロック1TBの第1帯部1B側と反対側の端は、第2帯部2B及び第3帯部3Bのテールブロック1TBが位置する側の端よりも第1帯部1B側と反対側に突出し、当該突出している部分に端子T1,T2が配置される。しかし、テールブロック1TBの第1帯部1B側と反対側の端は、第2帯部2B及び第3帯部3Bのテールブロック1TBが位置する側の端よりも第1帯部1B側と反対側に突出していなくてもよい。
【0121】
また、図示による説明は省略するが、着座センサ1は概ね円環状や多角環状の形状とされてもい。例えば、図7に示す第2実施形態の着座センサ1において、第2帯部2Bの第1帯部1B側と反対側の端部から第3帯部3Bの第1帯部1B側と反対側の端部まで第1帯部1Bの延在方向と同じ方向に延在する第4帯部を更に設けてもよい。このような構成にすることで、着座センサ1が概ね四角環状の形状となる。この場合、第2帯部2Bと第4帯部とが互いに共有される領域に第2のスイッチ群の第1感圧スイッチSW12を配置させることができ、第3帯部3Bと第4帯部とが互いに共有される領域に第3のスイッチ群の第2感圧スイッチSW23を配置させることができる。
【符号の説明】
【0122】
1・・・着座センサ
1B・・・第1帯部
2B・・・第2帯部
3B・・・第3帯部
10・・・第1電極シート
11B・・・第1帯部
12B・・・第2帯部
13B・・・第3帯部
10P・・・第1絶縁シート
11F,12F,13F・・・第1電極
11S,12S,13S・・・第1電極
15A~15F・・・配線
20・・・第2電極シート
21B・・・第1帯部
22B・・・第2帯部
23B・・・第3帯部
20P・・・第2絶縁シート
21F,22F,23F・・・第2電極
21S,22S,23S・・・第2電極
25A~25E・・・配線
30・・・スペーサ
11H,12H,13H,21H,22H,23H・・・開口
LS1・・・第1線分
LS2・・・第2線分
LS3・・・第3線分
SW11,SW12,SW13・・・第1感圧スイッチ
SW21,SW22,SW23・・・第2感圧スイッチ
T1,T2・・・端子

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