(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】カートリッジ受容部、カートリッジシステム、飲料調製機、及び飲料の製造方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20220131BHJP
B67D 3/00 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
A47J31/44 150
A47J31/44 510
B67D3/00 J
(21)【出願番号】P 2020528088
(86)(22)【出願日】2018-11-26
(86)【国際出願番号】 EP2018082553
(87)【国際公開番号】W WO2019101997
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-06-18
(31)【優先権主張番号】102017221214.4
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518245593
【氏名又は名称】フレーツィオ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エムプル,ギュンター
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-116386(JP,A)
【文献】特表2016-512187(JP,A)
【文献】特開2017-533868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
B67D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ(2)と前記カートリッジ(2)に接続されたカートリッジ受容部(10)とを備えたカートリッジシステム(1)を挿入可能な、可能飲料(70)を製造するための飲料調製機(3)であって、
前記カートリッジ(2)に接続されたカートリッジ受容部(10)を挿入可能である保持ユニット(90)を有し、
前記保持ユニット(90)が、前記保持ユニット(90)に受け入れた前記カートリッジ受容部(10)を少なくとも部分的に取り囲むように形成された光要素(92)を有していることを特徴とする、飲料調製機(3)。
【請求項2】
前記光要素(92)が、前記保持ユニット(90)に受け入れた前記カートリッジ受容部(10)を完全に取り囲み、前記カートリッジシステム(1)の長手方向軸に垂直な水平面内に延在している、請求項1に記載の飲料調製機(3)。
【請求項3】
前記光要素(92)が、複数のLED、特に異なる色のLEDを有している、請求項1又は2に記載の飲料調製機(3)。
【請求項4】
前記光要素(92)が、照明ストリップ、特に、LEDストリップを備えている、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項5】
前記カートリッジ(2)が、飲料物質(7)で充填されたリザーバ(6)を備え、
前記カートリッジ受容部(10)が、前記リザーバ(6)と流体接続する混合チャンバ(8)と前記混合チャンバ(8)に開口する流体供給部(12)とを有している、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項6】
前記カートリッジ受容部(10)が、圧縮空気ライン(40)の助けを借りて前記リザーバ(6)に圧縮空気を吹き込む圧縮空気接続部(42)を備えている、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項7】
前記流体供給部(12)に流体を供給する流体源(91)と前記圧縮空気接続部(42)に圧縮空気を吹き込む圧縮空気源(41)とが、設けられている、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項8】
前記保持ユニット(90)が、前記カートリッジ受容部(10)の穴あけ手段を後退位置から伸長位置へ移動するトリガ要素を有している、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項9】
前記保持ユニット(90)が、前記カートリッジシステム(1)のカートリッジ受容部(10)を前記保持ユニット(90)へ挿入する間又は挿入した後、前記カートリッジ受容部(10)の周囲に形状合致式に及び/又は圧力嵌め式に係合する固定用フランジを備している、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項10】
前記固定用フランジが、手動式又は電動式のトリガ機構に結合され、
前記手動式又は電動式のトリガ機構が、前記固定用フランジを変位するために、前記カートリッジ受容部(10)と、前記穴あけ手段と接触する前記トリガ要素との間の相対移動がもたらされ、
穴あけスパイク(73)が、前記後退位置から前記伸長位置へ移動されるような方法で提供されている、請求項8に記載の飲料調製機(3)。
【請求項11】
前記トリガ機構が、前記トリガ機構の手動作動用のハンドレバー(120)を備え、
前記ハンドレバー(120)が、前記カートリッジ(2)の長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りを回転可能に形成されている、請求項10に記載の飲料調製機(3)。
【請求項12】
前記トリガ機構が、動力伝達装置を備え、
前記動力伝達装置が、前記長手方向軸に平行な前記ハンドレバー(120)の回転運動を、前記長手方向軸に実質的に平行な並進運動に、特に、前記保持ユニット(90)及び/又は前記カートリッジ受容部(10)の上昇又は下降に変換する、請求項11に記載の飲料調製機(3)。
【請求項13】
前記カートリッジ(2)及び/又は前記カートリッジ受容部(10)上の製品識別子を読み取る識別子検出器が設けられている、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項14】
前記光要素(92)が、前記光要素(92)から発する光錐が前記識別子検出器の検出領域、及び、前記カートリッジ(2)及び/又は前記カートリッジ受容部(10)上に形成された前記製品識別子を照射するように、形成、配置、及び/又は整列されている、請求項13に記載の飲料調製機(3)。
【請求項15】
前記光要素(92)が、前記光要素(92)から発する光錐が前記カートリッジ(2)とリザーバ(6)とを照射するように、形成、配置、及び/又は整列されている、請求項14に記載の飲料調製機(3)。
【請求項16】
前記識別子検出器によって読み取られた製品識別子に従って前記光要素(92)を制御する制御ユニットが、設けられている、請求項13~請求項15のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)。
【請求項17】
請求項13~請求項16のいずれか一項に記載の飲料調製機(3)と、前記保持ユニット(90)に挿入可能で前記カートリッジ(2)と前記カートリッジ(2)とに接続されたカートリッジ受容部(10)を備えるカートリッジシステム(1)とを有しているシステム。
【請求項18】
前記カートリッジ受容部(10)が、スパイクガイド(80)と前記スパイクガイド(80)内に変位可能に取り付けられた穴あけスパイク(73)のような穴あけ手段(16)とを備え、
前記穴あけスパイク(73)が、前記穴あけスパイク(73)が前記カートリッジ(2)の密封要素(18)から距離を置いて保持される後退位置と前記穴あけスパイク(73)が前記密封要素(18)に穴をあけて前記リザーバ(6)に突出している伸長位置との間で変位可能であり、
前記穴あけスパイク(73)の外壁が、前記密封要素(18)が穴あけされると前記混合チャンバ(8)の方向に前記飲料物質(7)を導く少なくとも1つの側面流路を有している、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記穴あけスパイク(73)が、一体化された圧縮空気ライン(40)を有し、
前記圧縮空気ライン(40)が、前記穴あけスパイク(73)の第1の端部から第2の端部まで前記穴あけスパイク(73)に沿って延び、
圧縮空気源(41)に接続する前記圧縮空気接続部(42)が、前記第2の端部に形成され、
前記リザーバ(6)に圧縮空気を吹き込む圧縮空気出口が、前記第1の端部に形成されている、請求項17又は請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記穴あけスパイク(73)が、複数の側面流路を有し、
各側面流路が、前記穴あけスパイク(73)と平行に延在し、
前記側面流路が、それぞれ、片側で開いている溝の形態を取り、前記穴あけスパイク(73)の外面に形成されている、請求項17~請求項19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記混合チャンバ(8)が、前記飲料物質(7)を前記流体と混合することによって形成された前記飲料(70)が排出される飲料出口(11)を有し、
前記カートリッジ受容部(10)が、前記飲料(70)を飲料出口(11)から携帯用容器へ直接導入できるように形成されている、請求項17~請求項20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記カートリッジ受容部(10)が、バーコード、RFIDコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード又はホログラムコードに埋め込まれた製品識別子(38)を有している、請求項17~請求項21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
請求項17乃至請求項21のいずれか一項に記載のシステムを用いて飲料(70)を製造するための方法であって:
・前記カートリッジシステム(1)を前記飲料調製機(3)の保持ユニット(90)に挿入するステップ、
・前記光要素(92)で前記リザーバ及び/又は前記製品識別子を照射するステップ、
・前記飲料調製機(3)の流体源(91)と前記カートリッジ受容部(10)の流体供給部(12)との間の流体接続を確立するステップ、
・前記飲料調製機(3)の圧縮空気源(41)と前記カートリッジ受容部(10)の圧縮空気接続部(42)との間の圧縮空気接続を確立するステップ、
・前記穴あけスパイク(73)を前記後退位置から前記伸長位置に移動することにより前記密封要素(18)を穿孔するステップ、
・前記リザーバ(12)に圧縮空気を供給することによって前記リザーバ(6)から混合チャンバ(8)に前記飲料物質(7)を移すステップ、
・前記液体供給部(12)を介して前記混合チャンバ(8)に流体を供給するステップ、及び
・前記飲料物質(7)と流体の混合により前記混合チャンバ(8)内で作られた飲料(70)を飲料出口(11)によって排出するステップ、
を含む方法。
【請求項24】
前記製品識別子が、前記流体及び/又は圧縮空気接続が確立される前、及び/又は、前記密封要素(18)が穿孔される前に、識別子検出器によって読み取られ、制御ユニットによって評価され、特に検証され、
前記製品識別が、読み取られる間に、前記光要素(92)によって照射される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体が、前記混合チャンバ(8)に供給される前に冷却される及び/又は炭酸を加えられる、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記穴あけスパイク(73)が、前記飲料調製機(3)のトリガ要素によって前記後退位置から前記伸長位置に移動され、
前記カートリッジ受容部(10)が、前記穴あけスパイク(73)が前記後退位置から前記伸長位置へ移動されるように前記固定されたトリガ要素に対して移動される、請求項23~請求項25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記カートリッジシステム(1)が前記保持ユニット(90)に挿入される間又はその後に、前記カートリッジ受容部(10)が、前記保持ユニット(90)の固定用フランジによって周囲を取り囲まれ、
前記固定用フランジは、手動式又は電動式のトリガ機構によって操作され、
前記カートリッジ受容部(10)と、前記穴あけスパイク(73)と接触するトリガ要素との間の相対移動がもたらされ、
前記穴あけスパイク(73)が、前記後退位置から前記伸長位置に移動するような方法で変位される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記カートリッジシステム(1)が、前記保持ユニット(90)に挿入されたとき、又は、前記保持ユニット(90)内にロックされたときにのみ、前記光要素(92)が、オンに切り替えられるか、又は、特定の色又は輝度に切り替えられる、請求項23~請求項27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記光要素(92)、及び、前記光要素(92)の色及び/又は輝度が、前記制御ユニットによる製品識別子の評価に応じて切り替えられる、請求項23~請求項28のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料物質で充填されたリザーバを有するカートリッジと、カートリッジに可逆的に接続可能であり、カートリッジを可逆的に挿入可能なカートリッジ受容部とを有し、リザーバから混合チャンバへの飲料物質の少なくとも部分的な移送をもたらすカートリッジを空にする装置とを備えた、飲料、特に冷たい飲料を製造するための、飲料調製機に挿入可能なカートリッジシステムに基づく。
【背景技術】
【0002】
そのようなカートリッジシステムは、従来技術から知られており、予め小分けにされたカートリッジから飲料を製造するために使用される。
このようなカートリッジシステムによる飲料の製造は、カートリッジを挿入して開始ボタンを押すだけでよいため、ユーザにとって非常に便利である。
次に、飲料調製機は、完全に自動化された方法で飲料を作ることを引き継ぐ、すなわち、飲料物質が所定量の液体、特に冷水及び炭酸水と混合され、飲用容器に導入される。
このようにして、混合飲料を容易に迅速に、そして、ユーザの労力をほとんど必要とせずに製造することができる。
この場合、ユーザは、多数の異なるカートリッジから選択できるため、必要に応じて様々な飲料を製造することができる。
【0003】
このようなカートリッジシステムの課題は、カートリッジをカートリッジ受容部に正しく挿入することである。
ユーザが傾いた又は歪んだ位置でカートリッジをカートリッジ受容部に挿入しようとすると、カートリッジ、カートリッジ受容部の一部、又は、カートリッジを空にする装置の一部が損傷したり、飲料物質がカートリッジから流出したりするリスクがある。
さらに、カートリッジの挿入が迅速で問題がなければ、ユーザの満足度は、大幅に向上する。
【0004】
従来技術から知られている問題に対する解決策の場合、ユーザは、カートリッジ及びカートリッジ受容部の特別な幾何学的設計によって、カートリッジを正しく挿入することを強いられる。
特に、眺めが制限されている場合、これは、ユーザにとって扱いが難しく、思わしくない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、飲料調製機と、カートリッジシステムと、カートリッジシステムを飲料調製機に挿入することによって飲料を製造するための方法とを提供することであり、この方法では、カートリッジがユーザによってカートリッジ受容部に正しく配置されることがより簡単になり、起こり得る操作上のエラーが防止される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の飲料調製機によって達成される。
【0007】
本発明は、保持ユニットの光要素が、カートリッジ受容部がユーザによって挿入される保持ユニットの領域を照射するという従来技術に対する利点を有する。
これにより、ユーザは、カートリッジ受容部を保持ユニットに正しく挿入することがより簡単になる。
最適な照射により、ユーザが意図したとおりにカートリッジ受容部を保持ユニットに挿入しているかどうかを正確に確認することが可能になる。
これは、例えば、ディスコやバーなど、視界の悪い場所に飲料調製機を設置する場合に特に有利である。
そこでは、飲料調製機がしばしば操作され、操作上のエラーが起こる可能性がある。
保持ユニットの照射は、ここで、従来技術に対して明らかな利点を提供する。
良好な照射により、保持ユニットへのカートリッジ受容部の挿入に対して良好な視覚的チェックを維持することが可能になり、カートリッジ受容部を挿入する間の傾きや歪みの発生が大幅に少なくなる。
特に、カートリッジ受容部に反射マーキングを設けることにより、カートリッジ受容部を挿入する間に、光の反射によってカートリッジ受容部の正しい位置をユーザに示すことができる。
【0008】
さらに、カートリッジを透明にする可能性もある。
次に、光要素が、カートリッジ受容部を通してカートリッジを照射する。
これにより、ユーザは、カートリッジリザーバ内の飲料物質の充填レベルをチェックすることができる。
かくして、ユーザは、事前にカートリッジを交換しなくても、どれくらい量の飲料物質がまだ存在するかを確認し、どれくらいの量の飲料をまだ製造できるかを見積もることができる。
【0009】
さらに、飲料物質を照らすことにより、飲料物質の変化を検出することができる。
例えば、飲料物質の混濁又は凝集の例をよりよく検出することができ、飲料物質の貯蔵寿命に関して結論を出すことができる。
飲料物質のカビ形成又は他の汚染を、光要素による飲料物質の照射によって容易に見つけることができる。
カートリッジの照射の別の利点は、圧縮空気の吹き込みのチェックである。
圧縮空気が、飲料物質を通って上昇すると、気泡が、形成される。
飲料物質を介して気泡に入射する光は、気泡で屈折及び反射される。
その結果、リザーバへの圧縮空気の供給が機能しているかどうか、したがって、飲料調製機の衛生的な動作が保証されているかどうかが、飲料の調製から視覚的にはっきり分かる。
【0010】
本発明の構成は、従属請求項から、及び、図面の記載から見出される。
【0011】
本発明によれば、光要素は、保持ユニットに受け入れられたカートリッジ受容部を完全に取り囲み、取り囲んだ光要素は、この場合、カートリッジの長手方向軸に垂直な水平面内で延びることが提供される。
カートリッジ受容部を完全に取り囲むことにより、光要素が暗所なしでカートリッジ受容部を完全に360°にわたって照射することができる。
その結果、カートリッジ受容部は、均一に照らされ、ユーザは、カートリッジ受容部の保持ユニットへの挿入作業に関して、機械に対するあらゆる角度からの最適な視覚的チェックを有する。
カートリッジの長手方向軸に垂直な光要素の位置は、カートリッジ受容部を挿入するための平面を、この平面の法線方向にある光要素の主放射方向で明確に視覚化する。
この光要素は、挿入されたカートリッジ受容部を取り囲み、カートリッジ受容部を全ての側から照らすので、カートリッジ受容部を保持ユニットに挿入するための正しい方向が、光要素によってユーザに知らされる。
【0012】
本発明によれば、光要素が、複数のLED、特に、異なる色のLEDを有している。
LEDは、照明システムを設計する際に有利である。
それらは、柔軟に使用可能であり、耐久性があり、安価であり、他の照明手段と比較して、電力消費が非常に低い。
さらに、LEDは、比較的高い光度でわずかな熱しか発しないため、飲料の調製にLEDを使用すると非常に有利である。
このようにして、調製される飲料の不必要な加熱を回避することができる。
異なる色のLEDの設置は、特に有利である。
異なる色を特別に混合することにより、飲料調製機の動作パラメータをユーザに知らせることが可能になる。
したがって、例えば、カートリッジ受容部が正しく挿入されていない場合、又は、圧縮空気源の充填レベルが低い場合、赤色光を光要素から発することができる。
【0013】
本発明によれば、光要素は、照明ストリップ、特に、LEDストリップを含むことが提供される。
これは、保持要素、カートリッジ受容部、及び、場合によっては、カートリッジを均一に照射するか又は照らすことができる。
このようにして、望ましくない影の発生を回避することができる。
【0014】
本発明によれば、保持ユニットは、カートリッジ受容部の穴あけ手段を後退位置から伸長位置に移動するために、トリガ要素を有している。
伸長位置で、穴あけスパイクは、リザーバを密封する密封手段に穴あけ手段によって押し通され、それを穿孔する。
非使用時には、リザーバを密封したままにし、穴あけスパイクを損傷から保護するために、非使用時には穴あけスパイクは、穴あけ手段によって密封手段に押し通されず、保護された位置に後退させられる。
しかしながら、穴あけスパイクは、密封要素の穴あけ作業のために伸長されなければならない。
このために、穴あけ手段は、伸長され、穴あけスパイクを伸長位置に変位する。
ここで、穴あけ手段の伸長は、保持ユニットのトリガ要素によって開始される。
一方では、保持要素上のトリガ機構と、他方では、カートリッジ受容部上の穴あけスパイクを備えた穴あけ手段との分離は、カートリッジ受容部が保持ユニットに挿入されたときにのみ穴あけスパイクが伸長することを保証する。
トリガ機構の幾何学的コーディングも考えられ、その結果、穴あけ手段は、トリガ機構のコーディングに従ってコーディングされたカートリッジ受容部が挿入された場合にのみ伸長される。
さらに、カートリッジ受容部が正しい位置で保持要素に挿入された場合にのみ穴あけ手段が伸長されるように、トリガ機構を配置することができる。
さらに、カートリッジ受容部が意図された挿入方向に対して斜めでない場合、及び/又は、保持装置に十分に挿入されていない場合に穴あけ手段が伸びるように、トリガ機構が設計されることができる。
【0015】
本発明によれば、保持ユニットは、保持ユニットへの挿入時又は挿入後にカートリッジ受容部の周りに形状合致式に及び/圧力嵌め式に係合する固定用フランジを備えている。
固定用フランジを介した保持ユニットのカートリッジ受容部への形状合致式及び/又は圧力嵌め式の接続により、カートリッジ受容部が、保持ユニットに確実に嵌め込まれることが保証される。
固定用フランジは、カートリッジ受容部に作用する力を吸収して取り除くことができる。
飲料調製機の動作中に発生する力は、例えば、適用された圧縮空気によって引き起こされる。
しかしながら、固定用フランジは、カートリッジ受容部に外部から作用する力を吸収して取り除くこともできる。
これは、例えば、ユーザによる軽いひと突きである。
このようにして、保持ユニット内のカートリッジ受容部の正しい取り付けが保証されている。
【0016】
固定用フランジは、手動式又は電動式のトリガ機構に結合され、この手動式又は電動式のトリガ機構は、固定用フランジを変位させるためにカートリッジ受容部と、穴あけ手段と接触するトリガ要素との間の相対移動がもたらされ、穴あけスパイクが後退位置から伸長位置に移動される。
したがって、カートリッジ受容部は、固定されたトリガ要素に対して固定用フランジによって動かされ、固定されたトリガ要素は、穴あけスパイクを押し、それを後退位置から伸長位置に動かす。
その結果、密封フィルムが穿孔され、飲料製造プロセスが開始する。
このようにして、カートリッジ受容部が密封手段に穴をあけるように意図された位置にあるときに常に、穴あけスパイクが伸長される。
これにより、穴あけスパイクの損傷が回避される。
この損傷は、例えば、穴あけ時に密封手段を見失うことによって、又は、穴あけスパイクと穴あけに意図された場所との間の穴あけに意図されない角度での接触によって引き起こされる。
【0017】
トリガ機構は、その手動作動用のハンドレバーを備え、このハンドレバーは、カートリッジの長手方向軸に実質的に平行な回転軸の周りを回転可能であるように設計される。
トリガ機構の手動作動は、カートリッジ受容部を保持ユニットに挿入するために必要な力を低減する。
穴あけスパイクで密封手段に穴をあけるには、ある程度の力が必要である。
ハンドレバーの助けを借りて、この力は、ユーザによって快適且つ人間工学的に適用することができ、カートリッジ受容部を保持ユニットに挿入するだけで適用されなくてもよい。
カートリッジの長手方向軸に実質的に平行な回転軸上で回転可能にハンドレバーを提供することにより、ハンドレバーの作動中、トリガ機構で機械的なこの効果が可能になる。
ハンドレバーは、滑り止めの表面形状を備えることもできる。
これにより、トリガ機構は、有利な方法で操作することができる。
ユーザとトリガ機構との間に良好な機械的結合を提供することによって、トリガ機構を高レベルの感度で操作でき、穴あけ手段を損傷から保護することができる。
【0018】
トリガ機構は、動力伝達装置を備え、この動力伝達装置は、長手方向軸に平行な回転軸を中心とするハンドレバーの回転運動を、長手方向軸に実質的に平行な並進運動に、特に、保持ユニット及び/又はカートリッジ受容部の上昇又は下降に変換する。
これにより、ハンドレバーの作動から穴あけスパイクによる密封手段の穴あけへの力の伝達が有利な方法で可能になる。
ハンドレバーの回転運動は、密封手段と穴あけスパイクとの間の直線的な相対運動をもたらす。
この結果、穴あけ中の傾きがなくなる。
【0019】
本発明によれば、飲料調製機は、カートリッジ及び/又はカートリッジ受容部上の製品識別子を読み取るための識別子検出器を有し、識別子検出器は、ホルダの上又は後ろに配置される。
製品識別子は、バーコード、RFIDコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード、ホログラムコード又はそれらに類するものに埋め込まれる。
かくして、製品識別子の自動読み出しが、有利に可能になる。
識別子検出器は、カートリッジが飲料調製機に挿入されるとバーコード又はQRコード又はデータマトリックスコードを自動的に読み取る光学センサ、例えば、CCDカメラを備えている。
代替的に、識別子検出器は、RFIDコードを自動的に読み取るための送受信アンテナを備えている。
代替的に、製品識別子が、他の自動的に読み取り可能なコンピュータチップに埋め込まれることも考えられる。
本発明の文脈内で、QRコードという用語は、特に、あらゆるデータマトリックスコードを含む。
この点で、QRコードとデータマトリックスコードという用語は、同義語として使用されている。
代替的又は追加的に、製品識別子が、バーコード、ドットコード、バイナリコード、モールスコード、点字文字コード(点字)又はそれらに類するものを含む。
この場合、コードは、3次元構造、例えば、レリーフに埋め込むこともできる。
製品識別子は、製品識別番号、特に統一商品コード(UPC)、欧州商品コード(EAN)、GS1コード、国際取引商品番号(GTIN)又はそれらに類するものとして知られているものを含む。
このように、新しいコードシステムを導入する必要はない。
特に、製品識別子は、GS1標準でカバーされる。
【0020】
製品識別子は、カートリッジ内にある飲料物質を示す働きをする。
飲料調製プロセスの開始中又は開始前に、製品識別子が識別子検出器で読み取られる。
このようにして、飲料調製機は、どのタイプのカートリッジが飲料調製機に挿入されたかを認識する。
飲料調製機の評価及び制御ユニットは、異なる飲料の調製のために提供され、例えば、送達量、送達時間、送達の中断、温度、炭酸の程度、及び/又は供給された流体の圧力において互いに異なる多数の事前に保存された飲料製造プログラムを有している。
異なる圧縮空気の供給(例えば異なる圧力)が異なる飲料製造プログラムで使用されることも考えられる。
各飲料製造プログラムは、1つ又は複数の製品識別子に関連付けられている。
カートリッジが飲料調製機に挿入されると、カートリッジ上の製品識別子が、識別子検出器で読み取られ、事前に保存されたデータと比較される。
その結果、製品識別子に基づいて、飲料製造プログラムが、複数の事前に保存された飲料製造プログラムから選択され、次に、選択された飲料製造プログラムによる飲料製造プロセスが開始される。
送達量、送達時間、送達の中断、温度、炭酸の程度、及び/又は供給される流体の圧力などのパラメータは、選択された飲料製造プログラムによって指定又は制御され、それぞれの飲料物質により製造される飲料の最適な結果を達成する。
【0021】
製品識別子を識別できない場合、又は、識別された製品識別子が事前に保存された飲料製造プログラムと一致しない場合、飲料製造プロセスは、開始されない。
このようにして、飲料製造機での動作が認定されていない非システムカートリッジが飲料製造機で使用され、その結果、例えば、(より低い圧力での動作用に意図されていた場合の)カートリッジの破裂に起因する、飲料製造機が損傷するリスク又はユーザが危険にさらされるリスクが生じることが阻止される。
【0022】
製品識別子は、カートリッジの壁又はカートリッジ開口部を密封するための密封要素(特に密封フィルム)に印刷又は貼付される。
特に、製品識別子は、カートリッジが飲料調製機に挿入されたとき、製品識別子が飲料調製機の識別子検出器の検出範囲内に配置されるように、カートリッジ上に配置される。
代替的に、製品識別子は、カートリッジ上ではなく、対応してカートリッジ受容部の外壁上に配置されることも考えられる。
【0023】
飲料調製機の評価及び制御ユニットは、どのカートリッジあるいは特定のタイプのカートリッジが何個使用されたかを登録する。
飲料調製機は、インターネット接続によって飲料調製機と中央サービスプロバイダとの間の通信を提供する通信モジュールを有している。
中央サービスプロバイダは、例えば、飲料調製機の状態を遠隔で監視し、及び/又は飲料調製機を保守、監視及び/又は場合により修理する飲料調製機の製造業者のサーバである。
中央サービスプロバイダが、例えば、飲料調製機のファームウェア又はソフトウェアを試験し、場合により更新し、及び/又は飲料調製機を再始動することができる。
また、新しい飲料製造プログラムがダウンロードされること(例えば、新しいカートリッジが市場に出た場合)、及び/又は送達速度、送達時間、送達の中断、温度、炭酸の程度、及び/又は供給される流体の圧力などのパラメータが適応される。
飲料製造機は、中央サービスプロバイダが読み取ることができる複数のセンサを有し、それにより、例えば、汚染の程度、摩耗の程度、フィルタの状態、ポンプ圧力等を監視することができる。
また、既に実行された飲料製造プロセスの数の確認を可能にする飲料調製機の動作パラメータが読み取られる。
例えば、評価及び制御ユニットが中央サービスプロバイダにデータを送信し、それからどのカートリッジが、そして特定のタイプのカートリッジが何個使用されたかが明らかになるため、例えば、好ましい飲料について(例えば、飲料製造機のディスプレイ上に)的を絞った広告を起動することができ、及び/又は、使用済みカートリッジの自動再注文をアップロードすることができる。
飲料製造機のディスプレイはカートリッジの再注文に使用することができ、再注文は通信モジュールを介して中央サービスプロバイダに直接伝達される。
飲料製造機の音声制御が実装され、機械を制御するための音声データが飲料製造機のマイクロフォンによって記録され、次いで、データの評価のための通信モジュールを介して中央サービスプロバイダに伝達される。
飲料製造機が、例えば、個別に選択されたパラメータ又は飲料製造プログラムを含み、ユーザ選択がパスワード又は顔認識、虹彩スキャン若しくは指紋などの生体認証データに基づいて起こる、例えば、個人化されたメニュー又は設定を備えたユーザに敏感な動作モードを提供する。
収集されたデータは、暗号化された形式で中央サービスプロバイダに伝達されるか、又は認証若しくは対応する飲料製造機への伝達に関してそこで評価される。
したがって、ユーザは、常に個別のメニュー及び/又は個別の設定を異なる飲料製造機で自動的にローディングすることができる。
【0024】
光要素から発する光錐が、識別子検出器の検出領域、特に、カートリッジ及び/又はカートリッジ受容部に形成された製品識別子を照射するように、光要素が形成、配置、及び/又は整列されることが好ましい。
製品識別子は、光学的に読み取り可能な識別子である。
光学的な読み取りを有利な方法で能動的に支援するために、この場合の光要素は、読み取られるべき製品識別子を照射する。
これにより、光の条件が悪い場合に、読み取り時のエラーや混乱が減少する。
【0025】
本発明によれば、光要素から発する光錐がカートリッジ、特に、リザーバを照射するように、光要素が形成、配置、及び/又は整列される。
これにより、ユーザは挿入されたカートリッジをチェックし続けることが可能になる。
例えば、ディスコ又はバーの中で一般的な暗い環境でも、ユーザは、挿入されたカートリッジにどの飲料物質が含まれているかに関する情報、リザーバの充填レベルに関する情報、又は、飲料物質内を上昇する圧縮気泡の気泡による圧縮空気の供給の機能状態に関するフィードバックを得る。
特に、圧縮空気の供給のチェックとしての飲料物質中の気泡の形態の圧縮空気の発現は、圧縮された気泡での光の反射及び屈折に起因して、光要素からリザーバに光を照らすことによって可能である。
【0026】
本発明によれば、飲料調製機が、識別子検出器によって読み取られた製品識別子に従って光要素を制御する制御ユニットを有している。
光要素によって発せられた光の色によって挿入されたカートリッジのリザーバにどの飲料物質が含まれているかを表示することがここで考えられる。
製品識別子に含まれる可能性のある過ぎた賞味期限に関する情報を色又は時限光パルスによって表示する。
この結果、使用される飲料物質をユーザに能動的に光学的に通知することにより、ユーザが飲料調製機を操作することがより容易になる。
これにより、照明が不十分な環境での間違った又は使えない飲料の調製が防止される。
【0027】
最初に記載した目的を達成するための本発明の別の主題は、請求項1~請求項13のうちの1つに記載の飲料調製機と、保持ユニットに挿入可能であり、且つ、カートリッジ及びカートリッジに接続されたカートリッジ受容部を備えるカートリッジシステムとを有するシステムである。
【0028】
本発明によれば、カートリッジ受容部は、スパイクガイドと、スパイクガイド内に変位可能に取り付けられた穴あけスパイクの形態の穴あけ手段とを備え、穴あけスパイクは、穴あけスパイクがカートリッジの密封要素から距離を置いて保持される後退位置と、穴あけスパイクが密封要素に穴をあけてリザーバに突出している伸長位置との間で変位可能であり、穴あけスパイクの外壁は、密封要素が穴あけされると混合チャンバの方向に飲料物質を導くための少なくとも1つの側面流路を有している。
これにより、流体供給部がカートリッジのリザーバではなく、リザーバから分離された混合チャンバに開口している。
これは、簡単且つ安価に実現できる方法で、流体供給部による飲料調製機の逆汚染を防止する。
このために、リザーバ全体に流体は、流されず、代わりに、本発明によれば、飲料物質及び流体は、互いに別々に混合チャンバに入る。
流体は、混合チャンバに直接導入される一方、飲料物質は、流体から独立して、カートリッジを空にする装置を介して混合チャンバに移される。
この目的のために、本発明によるカートリッジ受容部は、スパイクガイドに変位可能に取り付けられた穴あけスパイクを有する。
穴あけスパイクは、カートリッジ受容部の初期状態では後退位置にあり、カートリッジの密封要素を開口するために後退位置から伸長位置に移動されることができる。
伸長位置で、密封要素は、穴あけスパイクによって穿孔されているので、飲料物質は、少なくとも1つの側面流路を介して、密封要素を越えて混合チャンバに入る。
これより前、リザーバは、密封要素によって気密及び液密式に密封される。
このようにして、予め香りを逃がさない方法で密封されたカートリッジの飲料調製機内での簡単且つ確実な開口が可能になる。
さらに、流体供給部に直接作用する正圧がリザーバ内で生成されないため、従来技術よりもはるかに効果的な方法で飲料調製機の逆汚染が防止されることが見いだされた。
飲料調製機に可逆的に挿入できるカートリッジ受容部内の混合チャンバの形成は、混合チャンバが交換可能なカートリッジシステムの一部である。
このようにして、交換可能な使い捨て又は再利用可能なカートリッジシステムの一部のみが、飲料物質と接触するので、飲料物質による飲料調製機の汚染が、効果的に回避される。
【0029】
本発明によれば、穴あけスパイクは、一体化された圧縮空気ラインを有し、圧縮空気ラインは、穴あけスパイクの第1の端部から穴あけスパイクの第2の端部まで穴あけスパイクに沿って延び、圧縮空気源に接続するための圧縮空気接続部が、第2の端部に形成され、圧縮空気をリザーバに吹き込むための圧縮空気出口が第1の端部に形成される。
【0030】
有利な方法で、3つの機能が、穴あけスパイクに一体化されている:
1.穴あけスパイクは、密封要素を穿孔し、それにより、カートリッジを開口する。
2.穴あけスパイクは、飲料物質を混合チャンバに移すことを可能にするために、少なくとも1つの側面流路を備えている。
3.穴あけスパイクは、一体化された圧縮空気ラインを備え、これは、カートリッジを空にする装置であり、圧縮空気をリザーバに吹き込むことにより、飲料物質を圧力下に混合チャンバに押し込む。
本発明の文脈内で、カートリッジ受容部に一体化されたカートリッジを空にする装置は、最初は、圧縮空気ラインだけ含み、それを通して、圧縮空気を外部からリザーバに導入することができる。
カートリッジ受容部は、飲料物質が圧縮空気によってリザーバから混合チャンバに押し込まれるように形成されている。
圧縮空気は、飲料調製機によって提供される。
カートリッジシステムが飲料調製機に挿入されるとすぐに、圧縮空気源が圧縮空気接続部に直接結合される。
これは、カートリッジを空にする装置は、カートリッジシステムが挿入されるとすぐに圧力下に置かれるため、飲料調製機の方向の逆汚染が、回避され、飲料物質が、圧縮空気ラインの方向及び特に飲料調製機の圧縮空気源の方向に移動することが回避される。
したがって、飲料物質は、リザーバから出発して、混合チャンバの方向に移動する。
【0031】
本発明によれば、穴あけスパイクは複数の側面流路を有し、各側面流路は、穴あけスパイクと平行に延在し、側面流路は、それぞれ、片側で開いている溝の形態を取り、穴あけスパイクの外面に作られている。
側面流路は、切り込み面に対して後方に向かう穴あけスパイクの周囲領域に少なくとも部分的に形成される。
これは、側面流路が、材料に切り込みが入れられた密封要素の穿孔の側に配置され、切り取られた材料が、残りの密封要素に依然として接続されている反対側には配置されないという利点を有する。
したがって、飲料物質は、妨害されずに側面流路に流入することができる。
【0032】
側面流路の断面及び/又は側面流路の数は飲料物質の粘度に適合されているため、側面流路は、混合チャンバの方向への飲料物質の流れを制御又は制限する。
粘度が高い場合は、複数の側面流路又は断面がより大きい側面流路が使用されるが、粘度が低い場合は、より少ない側面流路又は断面がより小さい側面流路が提供される。
その結果、カートリッジごとに適切なカートリッジ受容部が存在する。
【0033】
本発明によれば、混合チャンバは、飲料物質を流体と混合することによって形成された飲料が排出される飲料出口を有し、カートリッジ受容部は、飲料が飲料出口から携帯用容器へ直接導入できるように形成されている。
その結果、飲料物質も作られた飲料も飲料調製機のいかなる部分とも接触せず、飲料調製機のほとんど全ての(逆)汚染が防止される。
流体は、混合チャンバに個別に供給される。
流体は、圧力下に混合チャンバに導入される。
流体は、特に、飲料調製機によって提供される。
カートリッジシステムが、飲料調製機に挿入されるとすぐに、流体源が、カートリッジ受容部の対応する流体接続部に直接結合される。
この場合、流体接続部は、流体ラインを介して混合チャンバと流体接続している。
これは、流体接続部は、カートリッジシステムに挿入されるとすぐに圧力下に置かれるため、飲料調製機の方向の逆汚染が回避され、飲料物質が流体ラインの方向に、飲料調製機の流体源の方向に移動することが防止される。
したがって、混合チャンバから開始して、飲料物質及び飲料は、飲料出口の方向にしか移動できない。
特に、流体は、水、好ましくは、加圧され、冷却され及び/又は炭酸入りの飲料水を含む。
使用後に飲料出口を閉鎖する閉鎖部を飲料出口に設ける。
このようにして、製造された飲料が飲料出口から滴り落ちることを回避することができる。
飲料出口は、枢動可能に及び/又は高さを調整可能である。
これにより、飲料出口を携帯用容器の形状に合わせることができる。
【0034】
本発明によれば、カートリッジは、バーコード、RFIDコード、QRコード、データマトリックスコード、カラーコード又はホログラムコードに埋め込まれた製品識別子を有している。
かくして、製品識別子の自動読み取りが、有利に可能になる。
製品識別子は、カートリッジ内の飲料物質を示す働きをする。
例えば、送達量、送達時間、送達の中断、温度、炭酸の程度及び/又は供給される流体の及び/又は供給される圧縮空気の圧力など、飲料調製機の動作パラメータが、製品識別子に基づいて設定される。
これは、飲料調製機の評価及び制御ユニットで行われ、評価及び制御ユニットは、飲料調製機の動作パラメータが異なる、予め保存された多数の飲料製造プログラムを有している。
各飲料製造プログラムは、1つ又は複数の製品識別子に関連付けられている。
カートリッジが挿入されると、製品識別子が、識別子検出器で読み取られる。
次に、評価及び制御ユニットは、製品識別子に対応する飲料製造プログラムを選択する。
製造される飲料ごとに最適な動作パラメータを設定することができる。
【0035】
製品識別子を識別できない場合、又は、識別された製品識別子が予め保存されたいずれの飲料製造プログラムとも一致しない場合、飲料製造プロセスが開始されない。
このようにして、飲料製造機での動作について認証されない非システムカートリッジが飲料製造機で使用されること、及び、これにより、例えば、(より低い圧力での動作用に意図されていた場合の)カートリッジの破裂に起因する飲料製造機が損傷するリスク又はユーザが危険にさらされるリスクが生じることが回避される。
【0036】
製品識別子は、カートリッジの壁又はカートリッジ開口部を密封するための密封要素(特に密封フィルム)に印刷又は貼付されていることが好ましい。
特に、製品識別子は、カートリッジが飲料調製機に挿入されたとき、製品識別子が飲料調製機の識別子検出器の検出範囲内に配置されるように、カートリッジ上に配置される。
代替的に、製品識別子が、カートリッジ上ではなく、対応してカートリッジ受容部の外壁上に配置される。
【0037】
本発明の別の主題は、以下のステップを有する、請求項14~請求項19のうちの1つに記載のシステムを用いて飲料を製造する方法である:
・カートリッジシステムを飲料調製機の保持ユニットに挿入するステップ、
・光要素でリザーバ及び/又は製品識別子を照射するステップ、
・飲料調製機の流体源とカートリッジ受容部の流体供給部との間の流体接続を確立するステップ、
・飲料調製機の圧縮空気源とカートリッジ受容部の圧縮空気接続部との間の圧縮空気接続を確立するステップ、
・穴あけスパイクを後退位置から伸長位置に移動することにより密封要素を穿孔するステップ、
・リザーバに圧縮空気を供給することによってリザーバから混合チャンバに飲料物質を移すステップ、
・液体供給部を介して流体を混合チャンバに供給し、飲料物質と流体の混合により混合チャンバ内で作られた飲料を飲料出口によって排出するステップ。
【0038】
上記の方法ステップは、必須の時系列と見なされるべきではなく、同時に又は異なる順序で実行することもできる。
例えば、カートリッジを空にする装置の作動と流体の供給は、並行して実行される。
【0039】
本発明によれば、流体及び/又は圧縮空気接続が確立される前、及び/又は密封要素が穿孔される前、製品識別子が、識別子検出器によって読み取られ、制御ユニットによって評価され、特に検証され、製品識別子は、読み取られる間、光要素によって照射される。
製品識別子を読み取ることにより、例えば、流体の温度又は炭酸の程度又は圧縮空気接続部の動作圧力などの動作パラメータを設定する。
さらに、製品識別子を読み取ることにより、カートリッジが飲料調製機での使用に意図されているかどうかを識別子検出器が検出することができる。
万一、意図されていない場合、密封手段の穿孔は行われず、穴あけスパイクを、例えば、不適切な密封手段に起因する損傷から保護することができる。
また、製品識別子の照射は、光学的読み取りをより容易にする。
【0040】
本発明によれば、流体は、混合チャンバに供給される前に冷却される及び/又は炭酸を加えられる。
このようにして、冷たい飲料及び冷たい炭酸飲料を製造することができる。
【0041】
本発明によれば、穴あけスパイクが、飲料調製機のトリガ要素によって後退位置から伸長位置に移動される。
カートリッジ受容部は、穴あけスパイクが後退位置から伸長位置へ移動されるように、固定されたトリガ要素に対して移動される。
このようにして、穴あけスパイクは、密封手段を穿孔する。
かくして、リザーバは、自動的に開口されるので、飲料物質の混合チャンバへの移動が起こる。
圧縮空気及び流体は、開口作業中にカートリッジ受容部に既に導入されているため、飲料物質による飲料調製機の逆汚染が防止される。
【0042】
本発明によれば、カートリッジシステムが保持ユニットに挿入される間又はその後に、カートリッジ受容部は、保持ユニットの固定用フランジによって周囲を取り囲まれ、固定用フランジは、手動又は電動式のトリガ機構によって操作され、特に、カプセル受容部と、穴あけスパイクと接触するトリガ要素との間の相対移動がもたらされ、穴あけスパイクが後退位置から伸長位置に移動するように変位される。
これは、一方では、例えば、挿入作業の間にユーザによって及ぼされる圧力など、カートリッジシステムに作用する力が、固定用フランジによって吸収及び除去される。
他方、これは、カートリッジ受容部が正しい位置にあるときに、穴あけスパイクが、保護された後退位置から、リザーバの密封手段を穿孔するための伸長位置へ伸長される。
密封手段の穿孔により飲料の製造が開始される。
【0043】
本発明によれば、カートリッジシステムが、保持ユニットに挿入されたとき、又は、保持ユニット内にロックされたときにのみ、光要素が、オンに切り替えられるか、又は、特定の色又は輝度に切り替えられる。
このようにして、カートリッジシステムが保持ユニットに正しく挿入されたこと、及び飲料調製機が飲料を製造する準備ができたことがユーザに知らせられる。
光要素がオンに切り替わらない、又は、色や輝度を変えない場合、ユーザは、カートリッジシステムを再挿入してエラーを修正することができる。
さらに、非使用時には、このようにしてエネルギーを節約することができる。
カートリッジシステムを挿入する前に、カートリッジシステムの正しい挿入をより容易にするような方法で光要素が光を発する。
【0044】
本発明によれば、光要素、及び、光要素の色及び/又は輝度が、制御ユニットによる製品識別子の評価に応じて切り替えられる。
これにより、挿入されたカートリッジが飲料調製機での使用に意図されているかどうかをユーザに知らせることができる。
意図されていない場合、ユーザは、飲料調製機での使用に意図された異なるカートリッジを挿入し、飲料調製機への起こる損傷を防ぐことができる。
さらに、読み取られた製品識別子に基づいて選択された使用される飲料物質のタイプ及び/又は動作パラメータに関する情報は、このようにしてユーザに伝達される。
【0045】
本発明のさらなる詳細、特徴及び利点は、図面、並びに図面に基づく実施形態の以下の記載から明らかになる。
図面は、本発明の実施形態を示し、発明の概念を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1a】本発明の実施形態による、カートリッジ受容部が挿入されていない飲料調製機の概略図。
【
図1b】本発明の実施形態による、カートリッジ受容部が挿入されていない飲料調製機の概略図。
【
図2a】本発明の実施形態による、飲料を製造するための方法の基本原理を示し、カートリッジ受容部及びカートリッジシステムは飲料調製機に挿入されている。
【
図2b】本発明の実施形態による、飲料を製造するための方法の基本原理を示し、カートリッジ受容部及びカートリッジシステムは飲料調製機に挿入されている。
【
図2c】本発明の実施形態による、飲料を製造するための方法の基本原理を示し、カートリッジ受容部及びカートリッジシステムは飲料調製機に挿入されている。
【
図3a】本発明の実施形態による、カートリッジ受容部及びカートリッジシステムの概略図。
【
図3b】本発明の実施形態による、カートリッジ受容部及びカートリッジシステムの概略図。
【
図3c】本発明の実施形態による、カートリッジ受容部及びカートリッジシステムの概略図。
【
図4】本発明の実施形態による、飲料調製機の保持ユニットの概略図。
【
図5】本発明の実施形態のカートリッジ受容部の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図において、同じ部品は、同じ参照番号を付けられ、一度述べられているだけである。
【0048】
図1a及び
図1bは、本発明の実施形態によるカートリッジ受容部10が挿入されていない飲料調製機3の概略図を示す。
【0049】
飲料調製機3は、カートリッジシステム1(
図2参照)を受け入れるための保持ユニット90を有している。
保持ユニット90は、カートリッジ受容部10と、カートリッジ2と、飲料物質7を備えたリザーバ6とを照らすための光要素(92)を有している。
光要素92は、LEDストリップとして構成され、挿入されたカートリッジ受容部10を取り囲むように設計される。
光要素92によって発せられる光の色及び輝度は、制御可能である。
また、保持要素は、密封手段18に穴をあけるためのカートリッジ受容部10の穴あけスパイク73を伸ばすためのトリガ機構の手動操作のためのハンドレバー120を有している。
ハンドレバー120は、リングとして光要素92を取り囲み、リングの中心軸の周りを回転可能である。
ユーザがリングを回転させると、穴あけスパイクを伸ばすためのトリガ機構が作動される。
【0050】
図2は、一般的な機能原理を説明するために、飲料調製機3に挿入され、それによって飲料70が調製される、本発明によるカートリッジシステム1の断面図を示す。
【0051】
本カートリッジシステムは、交換可能なカートリッジシステム1を挿入できる飲料調製機3(概略的にのみ図示)を備えている。
各カートリッジシステム1は、特定の飲料物質7で充填されたカートリッジ2と、カートリッジ2に接続されたカートリッジ受容部10とを有している。
飲料調製機3内で、飲料物質7と、以下流体源91と呼ばれる追加の水源の助けを借りて、対応する飲料70は作られる。
カートリッジ2は、このケースでは、予め小分けにされた量の飲料物質7で充填され、これは、特定の飲料部分を作るために、例えば、飲用グラスを所望の飲料70で充填するために必要である。
特に、複数の異なるカートリッジシステム1が利用可能であり、そのカートリッジ2又はリザーバ6は、異なる飲料70を作るための異なる飲料物質7で充填される。
カートリッジシステム1のユーザが特定の飲料を飲みたい場合、ユーザは、所望の飲料70を作るための対応する飲料物質7を含むカートリッジシステム1を複数の異なるカートリッジシステムから選択し、それを飲料調製機3の保持ユニット90に挿入し、場合によっては、例えば、開始ボタンを押すことによって、対応して接触感知式ディスプレイに触れることによって、ジェスチャー若しくは音声制御によって、又は、携帯電話の適切なアプリを用いて、飲料調製機3で飲料製造プロセスを開始するだけでよい。
また、保持ユニット90への新しいカートリッジシステム1の挿入が検出されると、飲料製造プロセスが、自動的に開始する。
前述の各ケースでは、続いて所望の飲料70が自動的に作られ、飲用容器に導入され、それにより、ユーザに提供される。
次に、使用済みのカートリッジシステム1は取り除かれて廃棄される。
これで、飲料調製機3は、別の飲料70を作るために、任意の所望の新しいカートリッジシステム1で充填される準備が再び整う。
【0052】
保持ユニット90は、挿入されたカートリッジ受容部10を取り囲む光要素92(全体を明確にするために図示されていない)を有している。
光要素92によって放射された光は、カートリッジ2、リザーバ6及び飲料物質7を照らす。
保持ユニット90及びカートリッジシステム1は、カートリッジ受容部10の挿入中、カートリッジ受容部10を正しく挿入するように、ユーザが放射された光によって案内されるような方法で照らされる。
カートリッジ受容部10が挿入されると、ユーザが、凝固又は変色の例などの飲料物質7の望ましくない変化を検出できるように、光要素92は、リザーバ6を照らす。
【0053】
光要素92の詳細な表現は、
図4bに見ることができる。
【0054】
飲料物質7は、カフェイン入り、炭酸入り、果物及び/又は砂糖含有レモネード及びジュースなどのソフトドリンク用、(混合)ビール飲料又は他のアルコール若しくは非アルコール(混合)飲料用の液体プレミックス成分を含む。
【0055】
カートリッジシステム1は、角が丸い円筒形の容器の形態のカートリッジ2を備える。
この容器は、中空であり、飲料物質7のためのリザーバ6を含む。
カートリッジ2は、プラスチックから作られ、射出ブロー成形プロセスによって製造される。
また、カートリッジ2は、カートリッジ開口部63を有し、それを通して、リザーバ6は、液体飲料物質7で充填される。
例えば、リザーバ6の底は、漏斗形状であり、カートリッジ開口部63は、漏斗形状の底の中央に配置される。
カートリッジ2は、本発明によるカートリッジ受容部10に永続的に又は可逆的に接続される。
カートリッジ受容部10は、カートリッジ2が充填された後、ラッチ接続50によってカートリッジ開口部63でカートリッジ2に接続される。
このために、カートリッジ受容部10は、例えば、弾性保持アームのような横方向のラッチ要素又は円周方向のラッチストリップ51(
図5)を有し、これは、カートリッジ開口部63に配置されたカートリッジ2の1つ又は2つの円周方向の保持フランジ52の周囲に達する。
カートリッジ受容部10は、カートリッジ2の充填後、カートリッジ2にクリップ留めされる。
【0056】
カートリッジ受容部10は、飲料製造プロセス中にリザーバ6と流体連通する混合チャンバ8を有し、その結果、カートリッジ受容部10のカートリッジを空にする装置34の助けを借りて、飲料物質7を、少なくとも部分的にリザーバ6から混合チャンバ8に移すことができる。
この目的のために、カートリッジを空にする装置34は、圧縮空気ライン40を備えている。
圧縮空気ライン40の一端は、圧縮空気接続部42に接続され、この接続部は、圧縮空気を圧縮空気ライン40に導入するために、飲料調製機3の圧縮空気源41に接続することができ、圧縮空気ライン40の他端は、圧縮空気出口43に開口し、この出口は、リザーバ6の方向に開口し、圧縮空気をリザーバ6に導入する。
圧縮空気の導入により、飲料物質7が混合チャンバ8に押し遣られる。
【0057】
同じく混合チャンバ8に開口しているのは、飲料調製機3の流体源91によって供給されるカートリッジ受容部10の流体供給部12である。
流体供給部12は、急動継手を有し、流体供給部12を飲料調製機3の流体源91に接続することができる。
急動継手は、例えば、以下のように形成することができる。
すなわち、カートリッジシステム1が、保持ユニット90に挿入されると、流体供給源91と混合チャンバ8との間の流体接続が、流体供給部12を介して自動的に確立されるように、形成することができる。
飲料製造プロセス中、流体、特に、冷たい炭酸入りの飲料水が、この流体接続を介して、流体供給部12から混合チャンバ8に入る。
さらに、飲料製造プロセス中、上述のように、飲料物質7が、リザーバ6から混合チャンバ8に入る。
飲料物質7を混合チャンバ8内で流体と混合することにより、飲料70が形成され、次に、飲料出口11を通って混合チャンバ8を出る。
【0058】
カートリッジ受容部10は、飲料出口11を有し、これを介して、混合チャンバ8内で作られた飲料70が、混合チャンバ8を出て、飲用容器(図示せず)に直接導入される、すなわち、飲料調製機3の部品が飲料70と接触することがない。
このようにして、飲料調製機3の逆汚染が防止される。
特に、飲用容器は、飲料出口11の真下に配置される。
【0059】
飲料製造プロセスが終了した後、カートリッジシステム1は、保持ユニット90から取り外され、飲料製造機3に、新しい未使用のカートリッジシステム1を取り付けることができる。
カートリッジ受容部10は、使用済みカートリッジ2から分離し、新しいカートリッジ2にクリップ留めすることによって再利用することができる。
【0060】
図3a~
図3cに、本発明の実施形態によるカートリッジ受容部10及びカートリッジシステム1の概略図を示す。
【0061】
カートリッジ受容部10は、穴あけスパイク73が変位可能に取り付けられるスパイクガイド80を有する。
密封要素18は、変位可能な穴あけスパイク73が、穴あけスパイク73が密封要素18から距離を置いて維持される後退位置(
図3bを参照)と、穴あけスパイク73が密封要素18に穴をあけ(
図3c参照)、カートリッジ開口部63又はリザーバ6に突出する伸長位置との間で移動されることによって穿孔される。
【0062】
穴あけスパイク73の外壁には、密封要素18に穴があけられると、飲料物質7をリザーバ6から混合チャンバ8の方向に導くための複数の側面流路が設けられる。
側面流路は、片側が開いている相互に平行な溝の形を取る。
密封要素18に穴があけられた後、側面流路は、リザーバ6と流体連通し、その結果、飲料物質7は、穴あけされた密封要素18の縁の周りを混合チャンバ8の方向に流れることができる。
【0063】
側面流路の断面及び/又は側面流路の数は、このケースでは、飲料物質7の粘度に適合され、側面流路は、混合チャンバ8の方向への飲料物質7の流れを制御又は制限する。
粘度が高い場合、複数の側面流路及び/又はより大きな断面の側面流路が使用され、粘度が低い場合、より少ない側面流路及び/又はより小さな断面の側面流路が提供される。
【0064】
同じく穴あけスパイク73に一体化されるのは、圧縮空気ライン40であり、これは、カートリッジを空にする装置34として機能する。
圧縮空気ライン40は、穴あけスパイク73が伸長位置にあるとき、穴あけスパイク73の端部の固定圧縮空気先端を通してカートリッジ開口部63に開口する。
したがって、穴あけスパイク73が伸長位置に変位され、密封要素18に穴をあけると、圧縮空気先端は、自動的にカートリッジ開口部63に突出する。
【0065】
圧縮空気接続部42は、リザーバ6から離れた穴あけスパイク73の側に形成され、したがって、カートリッジ受容部10の外側からアクセス可能であり、飲料調製機3の圧縮空気源41に接続することができる。
穴あけスパイク73は、カートリッジシステム1が飲料調製機3に挿入される間又はその後、又は、飲料製造プロセスが開始された後に、穴あけスパイク73が押し付けられる保持ユニット90の固定されたトリガ要素によって、後退位置から伸長位置に移動される。
【0066】
カートリッジシステム1が飲料調製機3に挿入されるか、飲料製造プロセスが開始されるとすぐに、密封要素18に穴があけられる前に、流体源91と圧縮空気源41の両方が、それぞれ流体供給部12又は圧縮空気接続部42に直接結合される。
このようにして、飲料調製機3の方向の逆汚染が、回避される。
それというのも、カートリッジシステム1が挿入されると、流体供給部12と、カートリッジを空にする装置34とがすぐに正圧下に置かれ、飲料物質7が流体源91又は圧縮空気源41の方向に移動することが防止されるからである。
結果、飲料物質7は、密封要素18が開口されるとすぐに、リザーバ6から混合チャンバ8の方向にのみ移動することができる。
【0067】
図4は、カートリッジ2のためのカートリッジ受容部10と光要素92とからなり、カートリッジシステム1の流体供給部12への接続のために飲料調製機3の流体源91へと延びるラインも備える保持ユニット90の詳細図を示す。
【0068】
カートリッジ受容部10が挿入されたときにカートリッジ受容部10を取り囲む光要素92は、カートリッジ受容部10が挿入されたかどうかに応じて輝度及び色構成に関して制御される異なる色の複数のLEDを有している。
【0069】
保持ユニット90は、保持ユニット90に挿入された後、カートリッジ受容部10の周りに形状合致式に係合する固定用フランジ(図示せず)を有している。
保持ユニット90は、例えば、操作レバーを介して手動で操作することができる。
ユーザが操作レバーを操作すると、穴あけスパイク73の外端が、保持ユニット90の固定されたトリガ要素(図示せず)に押し付けられるように、カートリッジ受容部10が飲料調製機3に対して移動され、その結果、穴あけスパイク73は、後退位置から伸長位置へ移動され、密封要素が穿孔される。
【0070】
図5は、本実施形態のカートリッジ受容部10の概略図を示す。
カートリッジ受容部10は、両側に少なくとも部分的に円周方向のラッチストリップ51を有し、カートリッジ受容部10は、カートリッジ2の保持フランジ52にクリップ留めされる。
さらに、カートリッジ受容部10は、混合チャンバ8を有し、その中で流体供給部12は、カートリッジ受容部10の壁にある単純な貫通開口の形態で後側に形成されている。
その前側に、飲料出口11が、混合チャンバ8の底に形成されている。
混合チャンバ8の底は、飲料出口11の方向に連続的に深くなる窪みを形成するので、飲料製造プロセスが終了した後、液体残留物は、混合チャンバ8に残らない。
さらに、
図5において、スパイクガイド80を混合チャンバ8内のほぼ中央に見ることができる。
【0071】
スパイクガイド80は、穴あけスパイク73が変位可能に受け入れられるガイドチャネル110を備えたガイド部分を含む。
ガイドチャネル110は、実質的に円筒形であり、カートリッジ2の方向に混合チャンバ8の底からほぼ垂直に突出している。
カートリッジ2に面するガイド部分の端部に形成されているのは、直径が減少した円周方向ストッパ111であり、穴あけスパイク73が伸長位置に到達すると、穴あけスパイク73の円周方向肩部が、これに突き当たる。
したがって、円周方向ストッパ111は、穴あけスパイク73のリザーバ6の方向への移動を制限する。
任意選択的に、混合構造は、混合チャンバ8の底部に配置される。
【0072】
全体的に明確にするために、穴あけスパイク73は、
図5に示されていない。
【符号の説明】
【0073】
1 ・・・カートリッジシステム
2 ・・・カートリッジ
3 ・・・飲料調製機
6 ・・・リザーバ
7 ・・・飲料物質
8 ・・・混合チャンバ
10 ・・・カートリッジ受容部
11 ・・・飲料出口
12 ・・・流体供給部
18 ・・・密封要素
34 ・・・カートリッジを空にする装置
40 ・・・圧縮空気ライン
41 ・・・圧縮空気源
42 ・・・圧縮空気接続部
43 ・・・圧縮空気出口
50 ・・・ラッチ接続
51 ・・・ラッチ要素/ラッチストリップ
52 ・・・保持フランジ
63 ・・・カートリッジ開口部
70 ・・・飲料
73 ・・・穴あけスパイク
80 ・・・スパイクガイド
90 ・・・保持ユニット
91 ・・・流体源
92 ・・・光要素
110 ・・・ガイドチャネル
111 ・・・ストッパ
120 ・・・ハンドレバー