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  • 特許-カギの貸出機の機能向上 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】カギの貸出機の機能向上
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220201BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019083373
(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2020173749
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2019-05-15
【審判番号】
【審判請求日】2020-06-03
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505142757
【氏名又は名称】小野 芳男
(73)【特許権者】
【識別番号】518103282
【氏名又は名称】鈴木 美緒
(73)【特許権者】
【識別番号】598137191
【氏名又は名称】三浦 美陽児
(73)【特許権者】
【識別番号】515159903
【氏名又は名称】森井 直子
(73)【特許権者】
【識別番号】514272427
【氏名又は名称】藤田 有佑
(73)【特許権者】
【識別番号】521556679
【氏名又は名称】大脇 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】小野 芳男
(72)【発明者】
【氏名】三浦 美陽児
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】渡邊 聡
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224892(JP,A)
【文献】特開2015-141512(JP,A)
【文献】特開平11-154276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の貸出計画を業務とする運営会社において、
自社センターに配備するホストPCと、
各地に散在する駐輪スポットに、PCユニットを内蔵し、複数台の自転車を伴って、配置される自転車の貸出・返却の形態を創出する自転車用カギの排出と受入を掌る自転車用カギの貸出機とを備え、
前記PCユニットを内蔵する自転車用カギの貸出機が稼働するには、電力会社からの電力供給が必要であるとともに、
上記ホストPCと、専用アプリから利用者が初期登録を完了して固有のパスコードを有する携帯端末と、上記自転車用カギの貸出機に内蔵するPCユニットの三種の異なる機器が、相互の交信に利用する無線LANの通信回線が、正常に稼働していることが必要であるところ、
大型の地震による津波や、昨今の異常気象による水害などの大規模災害において生ずる停電や通信障害を想定した対策として、
先ずは、駐輪スポットに配置される自転車用カギの貸出機の停電対策として、
当該自転車用カギの貸出機には、太陽光や風力を利用する自然エネルギーの発電機材を連結し、内部に蓄電池を伴った蓄電システムを構築して、非常時対応の電源システムとして解決を生み、
次なる事項として、通信障害に対応するために、
利用者の携帯端末から専用アプリを介する初期登録において、個人認証が確認できた時点で配信がなされて情報伝達にも使用される固有のパスコードを、二次元コードであるQRコード(登録商標)に統一して、
当該QRコードを読み込ませた利用者認証と駐輪スポットの番号及びカギの貸出・返却による自転車用カギの貸出機の動作信号とが連動する形で、通信回線を介さずに、PCユニットの利用情報集積回路へデータとして、直接的に記録され、
災害のない日常的なシステムでは、自社センターに配備するホストPCと、それぞれの駐輪スポットに配備される自転車用カギに貸出機に内蔵されたPCユニットの利用情報集積回路との記録されたデータの交信は、通信回線の混雑しない夜間の時間帯や、初期登録する利用者の指定された決済の締切日に合わせた定期的な情報の集積に変更して、決済データへと変換されて、請求処理がなされ、
災害時に通信障害が発生した際の対応では、
上記した定期的なホストPCと、PCユニットの利用情報集積回路との無線LANを介する交信は、通信障害が解決するまで不可能であるために、回線の復旧を以って順次処理を進め、契約者である利用者への料金請求に関しては、決済の締結日を延期する主旨を記載した利用契約定款に沿って処理を行い、
通信障害が発生した際には自転車用カギの貸出機に内蔵するPCユニットに情報を保存し、自社センターの停電と無線LANの通信障害とが復旧された時点において、利用情報をホストPCに送信することで、カード会社を経由して利用者への請求と、利用料金の精算が可能とできるように、災害時にも稼働を継続できるカギの貸出機として機能向上を図れることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の貸出計画に於いて使用する自転車用カギの貸出機に関して、地震や水害などによる停電や通信障害が発生することを想定して、災害時にも無人対応にて稼働を可能とする操作端へと改良すべく、貸出機の機能向上に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車の貸出計画を実行する運営会社が自社センターに配備するホストPCと、
複数台の自転車と共に各地に散在する駐輪スポットにて、初期登録を完了した利用者の携帯端末からの入力信号を介して、専用ライナーをつけたカギの排出・受入の動作を掌り、すなわち自転車の貸出・返却の形態を創出するための操作端である自転車用カギの貸出機とは、双方ともに、電力会社からの電力供給と、利用する無線LANの通信回線とが、正常に稼働している時には課題はないが、大型の地震による津波や、昨今の異常気象による水害などの大規模災害発生下では、停電や通信障害を想定すべく対策が求められている。
【0003】
近年は、太陽光のソーラーパネルや、風力を利用する自然エネルギーと、蓄電システムを組み合わせ、街頭などの照明に加え、防犯カメラやUSB対応機能などを備えた製品が、災害発生時の非常時用電源としても多数提案されている。
【0004】
非常時を想定して、電力の供給源を自然エネルギーと組み合わせた蓄電システムへ変更することで、停電への対応を容易に可能とできるが、自転車の貸出・返却の利用情報であるカギの排出・受入の入力信号と情報伝達が、無線LANの通信回線を経由する貸出システムでは、通信基地局への被害による回線不通や、多くの利用者が殺到することで発生する通信障害などの現象下では、正常な運営が損なわれる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許登録第6318386号 自転車用カギの貸出機と貸出システム
【非特許文献】
【0006】
【文献】「NTN自然エネルギー商品・独立電源型ハイブリット街路灯」NTN株式会社 CAT.No.8407-11/J
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
仮に、津波などが予測される地震による大規模災害が発生した際には、停電に加えて、無線LANを介する通信回線も不通となる可能性があるが、自転車の貸出システムにおいては、配備された拠点にて、水没などの直接的被害がない限り、日常と変わらない自転車の貸出と返却が実施されるための機能が求められている。
【0008】
特に、無線LANの通信回線を介して、瞬時にて利用登録者の本人確認、駐輪スポット番号、利用情報、或いは利用料金の決済システムを以って、自転車の貸出業務を遂行するケースでは、通信障害は決定的なダメージであり、事業運営にも支障をきたすので、その解決策が望まれている。
【0009】
大きな災害が発生した際の避難において、自動車と自転車のそれぞれのケースを比較すると、道路の渋滞による影響を受けにくい自転車が優位であると見直されているが、その対象の貸出事業でもある自転車用カギの排出・貸出、即ち利用情報が、通信回線の不通により伝達されないシステムであってはならないことも重要であり、また災害時の緊急対応として、自転車を配備する拠点における人的な操作を伴ってカギの排出をして、自転車を貸出することには、返却のルールや、事前に情報の開示が必要であると判断する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
事業運営に当たり、駐輪スポットに配備される複数の自転車と、当該自転車の貸出に対応する自転車用カギの貸出機とが、地震による破壊や、増水による水没などが発生しないことを前提条件として、
まず上記した貸出機への供給電源は、自然エネルギーに転換するために、ソーラーパネルや風力による発電の機器を装備して、当該機器から得られた電力を留保するための蓄電池を新たに設定する蓄電システムを構築することで、停電対策は解決できる。
【0011】
その一方で、携帯端末から専用アプリを介して初期登録を完了すると、利用情報の伝達に使用される固有のパスコードが配信され、当該パスコードを基軸とする前記利用情報が、自社センターに配備するホストPCと、上記する自転車用カギの貸出機に内蔵されている固定端末であるPCユニットとの相互交信により、利用情報として集積されて、決済業務へと移行する通常のシステムにおいて、通信障害が発生しても決済業務が可能とできる機能の向上が要求されるので、
上記した固有のパスコードには、二次元コードであるQRコード(商標登録)を採用し、携帯端末の画面に表示させて、操作端であるカギの貸出機に前記QRコードの読取機能と、更に内蔵するPCユニットには、読取コードのデータ保存回路を設定する必要から、
固有のQRコードの読取による利用者の確認に合わせて、駐輪スポットの番号が、
更には、カギの排出及び受入の操作入力による操作端の一連の作動信号が、
上記した内蔵のPCユニットに利用情報として記録・保存できる機能を、アプリとして追加設定して、通信障害発生期間の利用情報は、通信回線が回復し、交信が可能となった時点で、前記のホストPCから利用者確認と、利用情報を集積する方式へと変更することで対応を可能とする。
【0012】
このような方式へ変換する第一ステップは、
利用者の携帯端末を介して実行する初期登録の方法として、上記した如く、個人認証が確認できた時点で返却する固有のパスコードをQRコード(登録商標)に統一して、当該コードの読み取り機能増設して、利用者認証と駐輪スポットの番号が、更に、カギの貸出及び返却による操作端への動作信号とが連動する形で、通信回線を介さずに、内蔵するPCユニットへデータとして、直接的に記録を残すためのアプリを創設することから始める。
【0013】
次なる第二ステップでは、
災害がない日常的なシステムでは、自社センターに配備するホストPCと、それぞれの駐輪スポットに配備されるカギの貸出機に内蔵されたPCユニットに記録されたデータの交信は、従来の利用情報を随時交信してホストPCに集積する方法から、通信回線の混雑しない夜間の時間帯や、初期登録する利用者の指定された決済の締切日に合わせた定期的な情報の集積に変更して、決済データへと変換されて、請求処理がなされる運用とする。
【0014】
災害時に通信障害が発生した際の対応を第三ステップとして、
上記した定期的なホストPCと、内蔵するPCユニットとの交信は、通信障害が解決するまで不可能であるために、回線の復旧を以って順次処理を進めて、契約者である利用者への料金請求に関しても、決済の締切日を延期する形にて、変更をお願いする主旨を利用契約定款に記載しておき、手続きの手法も当該定款に沿って処理をする。
【0015】
ここで、注記すべき事項は、
決済方法にクレジットカードによる決済を基本としている本システムでは、運営会社の自社センターに配備するホストPCでは、個人情報を保全・管理するセキュリティゾーンのサーバーと、登録された二次元コードを介して利用情報を集積・管理するサーバーとを、それぞれ別枠での管理を徹底する観点から、
災害発生時で、通信回線が不通となると、未登録である利用者が、初期登録に必要なクレジットカードの確認が不可能となるので、新規登録者には提供できなくなるが、非常時対応として、通常時には、ホストPCとの交信が認められ、メンテナンス用などにも利用する移動可能な責任者用PC端末では、対面による非常時限定の専用二次元コードの発行を、免許証などの本人確認書類を照合することで可能とできるシステムも計画に含めることとする。
【発明の効果】
【0016】
従来の携帯端末から固有のパスコードを入力するシステムと比較して、携帯端末の画面へ固定表示できる二次元のQRコード(登録商標)に変更して、カギの貸出機には、前記QRコードの読取機機構を、そして内蔵するPCユニットに直結する利用情報集積回路を新たに設けて、当該PCユニットには、利用する貸出機の識別と、利用者認証と、カギの貸出及び返却による操作端への動作信号とが連動する形にてデータとして記録・保存できるように機能向上を図ることで、駐輪スポットの番号入力も省略でき、操作のすべてが簡略化されて、利用者の入力操作ミスや、通信回線の不安定における通信エラーも軽減されることが判明された。
【0017】
地震による津波情報や、ゲリラ豪雨による浸水予報が発信された場合には、安全な地域への避難が優先される中で、自転車は、交通渋滞が想定される自動車に代わる避難ツールとしての注目がされており、無料の専用アプリから初期登録を完了した携帯端末を所持することで、自転車が配備される拠点の駐輪スポットにおいて、優先的に貸出を受けることができる。
【0018】
本システムは、電源供給がない地域でも、自然エネルギーと、蓄電システムがを組み合わせることで、操作端となってカギの排出・受入を伴うあらゆる事業の貸出機として提供が可能であり、特に、設置場所の選択も容易となった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明におけるカギの貸出機3基以上を事例として、電源供給と、決済事項に関する信号及びデータの伝達概要を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1において本発明に係る実施例を示す。
【実施例
【0021】
日常的には、自社センターに配備するホストPC1のセキュリティゾーンにて個人情報を保全・管理するサーバー2に、無線LANの通信回路を介して専用アプリにて、初期登録を完了している携帯端末5から、登録時に返却された二次元コードであるQRコードを表示して、カギの貸出機6に備え付けたQRコード読取機構8に提示して、読み込ませて利用者認証を受け、操作端へは、カギの排出・貸出と、受入・返却を適宜入力して自転車の利用をするが、その情報は、利用情報集積回路でもある貸出機に内蔵されたPCユニット9に、QRコードを基軸に利用情報として記録・留保されて、当該利用情報は、定期的に無線LANの通信回線を介して、ホストPC1の利用情報を集積・管理するサーバー3に集積されて、個人情報を保全・管理するサーバー2との照合を経て、利用者が登録したクレジットカード会社との契約日に準じて利用情報として提供されて、請求処理明細10が転送されるのが一般的な処理の概要である。
【0022】
通常、上記したホストPC1には、非常時用の電源ユニットが装備されることで、仮に電源供給が遮断されても、大きな問題とはならないが、貸出用の自転車が配備される各拠点に設置されるカギの貸出機には装備されていないので、外部に自然エネルギーであるソーラーパネル4を配置すると共に、内蔵する形態で蓄電池7を導入し、上記するPCユニット9に接続させることで、停電対策に備えて対応する。
【0023】
ここで、停電対策は可能とできても、大規模災害で発生する通信障害を防止する必要があり、カギの貸出機に破損や水没などの障害が発生しないことと、上記する停電対策が実行されて、電源供給が確保されることを前提に、
自転車の貸出・返却を可能とできる条件として、
利用者認証が可能なQRコードが携帯端末5に表示され、当該コードを貸出機のQRコード読取機構8を介して読み取られ、カギの排出・受入を選択して入力することで、
利用情報集積回路でもある貸出機に内蔵されたPCユニット9からの信号が伝達されて操作端であるカギの貸出機として連動するが、
無線LANの通信回線に通信障害が発生した場合には、上記するホストPC1及びPCユニット9との相互交信による利用情報の送受信できない状況となるので、
上記QRコードを基軸とするPCユニット9に記録された利用情報をホストPC1の集積・管理するサーバー3に送信する作業は、通常時においても通信量が多く、通信エラーの発生率が高い時間帯を避ける夜間交信などの手法にアプリを転換して、
災害時には、その事例に沿って、障害が排除されるまで交信を待機できるアプリの増設も図り、利用情報を集積することで、解決を可能とするシステムとする。
【0024】
また、復旧に長期的な時間が必要であれば、携帯が可能で、メンテナンスなどにも利用する責任者専用のPCユニットからの読み取りも可能とできるシステムを構築すると共に、前記責任者専用のPCユニットには、非常時限定で、対面にて免許証などの本人確認書類を照合することで発行された専用のQRコードを対象とする初期登録も追加できるシステムとする。
【0025】
一方で、自然エネルギーを利用するソーラーパネルには、外径が660x960mmのサイズを採用し、貸出機に内蔵する蓄電システムの電圧はDC12Vとして、その他関連機器の仕様も変更して、操作端とする貸出機の機能向上を計画する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
自然エネルギーを導入することで、電力の供給に課題がある地域での運営にも有効であることや、仮に通信障害が発生した場合には、内蔵するPCユニットに利用データを保存できるメリットもあることから、水没しない高台に設置するなどの活用で、災害に強い貸出機としても提案できる。
【0027】
本発明における自転車用カギの貸出機は、原則として無人対応でのカギの排出・貸出と、受入・返却であるので、同様なパターンのあらゆる産業に対応が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1、 自社センターに配備するホストPC
2、 セキュリティゾーンにて個人情報を保全・管理するサーバー
3、 二次元コードを介して利用情報を集積・管理するサーバー
4、 ソーラーパネル
5、 携帯端末
6、 カギの貸出機
7、 貸出機に内蔵された蓄電池
8、 二次元のQRコード読取機構
9、 貸出機に内蔵されたPCユニット(利用情報集積回路)
10、請求処理情報
図1