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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】橋梁用排水桝の取付構造
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/08 20060101AFI20220201BHJP
   E03F 5/10 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
E01D19/08
E03F5/10 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017026526
(22)【出願日】2017-02-16
(65)【公開番号】P2018131823
(43)【公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000133294
【氏名又は名称】株式会社ダイクレ
(73)【特許権者】
【識別番号】000107044
【氏名又は名称】ショーボンド建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597165629
【氏名又は名称】株式会社ノナガセ
(74)【代理人】
【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 佳尚
(72)【発明者】
【氏名】家久 侑大
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 開道
(72)【発明者】
【氏名】平木 洋輔
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-294853(JP,A)
【文献】特開2001-132083(JP,A)
【文献】特開平08-184012(JP,A)
【文献】特開2015-129420(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02093328(EP,A2)
【文献】特開2005-248426(JP,A)
【文献】特許第3145674(JP,B2)
【文献】特開2015-105486(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 19/08
E03F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を備えた排水用下桝16と、該下桝16の数か所に下桝16と一体をなして設けら れるナット27にそれぞれ捩じ込んで開口部内に縦設される第2のボルト44と、前記下桝16 の開口部内に嵌着され、底部において前記第2のボルト44に支持される受枠17と、該受枠 17に装着される排水蓋18とよりなる排水桝の橋梁への取付構造であって、前記下桝16が埋 設される橋梁のコンクリート製床版53と、該床版上に形成される防水層54と、該防水層上 に前記受枠17の側壁17aと接し、かつ受枠上端以上の高さのレベルまで形成されるアスファルト層55よりなり、前記受枠17と排水蓋18のうち、受枠17は下桝16に第1のボルト46に て連結し一体化される一方、前記排水蓋18は受枠17に第3のボルト38にて連結し一体化される橋梁用排水桝の取付構造において、 前記下桝16には上端より外側方に先端に向かって上向きに傾斜し、表面に前記防水層54 が形成されるフランジ24が突設され、前記受枠17の側壁17aには受枠外の水を受枠内に通す通水孔37が形成されると共に、前記フランジ上には前記通水孔37に当てがわれる水透過性フィルター51が装着され、しかも前記受枠17の側壁17aは垂直をなし、外側方への突出部を有しないことを特徴とする橋梁用排水桝の取付構造。
【請求項2】
前記排水蓋はグレーチング18であり、受枠17はグレーチング18を支持するフランジ32を内側方に向けて突出形成し、フランジ間が開口することを特徴とする請求項1記載の橋梁用排水桝の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁用排水桝の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、下記特許文献1に開示された橋梁用排水桝の要部構造を示すもので、橋梁のコンクリート製床版1の上端が床版1とほぼ面一となる程度まで埋設されるFRP製の下桝2と、該下桝2の肉厚部2aに埋設され、数か所に袋状の長ナット3を縦向きに溶接して固着した鋼製のリング枠4と、各長ナット3にそれぞれ高さ調整して捩じ込まれるボルト5と、下桝2の開口7内に嵌め込まれ、上端より外側方に突出するフランジ6aで下桝2の数か所より突出するボルト5上に支持される鋼製の上桝6と、該上桝6の開口9内に装着される図示しない排水蓋(グレーチング)と、前記下桝2の下部に接続される図示しない排水パイプと、下桝周囲の水を下桝内に導く樹脂製のフィルターチューブ(水透過性フィルター)7とよりなっている。図中、8は床版1上に下枠上端面に至るまで被せて敷設される防水シートであり、11は上桝付後、防水シート8上に形成される透水性のアスファルト層で、該アスファルト層上面は図示するように排水桝に向け雨水が流入し易いように勾配が付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3145674号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示す排水桝には、次のような問題がある。
(1)ボルト5は、透水性のアスファルト層11を浸透した水との接触により腐食し易く、腐食すると交換する必要があるが、ボルト5は上桝6のフランジ6a下に位置してアスファルト層11に埋め込まれているため、腐食の確認ができない。定期的に交換するにしても、上桝6を取外してから所要部のアスファルト層11をはつって除去せねばならない。またアスファルト層11の形成や除去もボルト5が邪魔となりがちで、除去に際しては防水シート8も損傷され易くなり、損傷されるとコンクリート製床版1への浸水が生じ易くなる。
【0005】
(2)防水シート8の施工時、防水シート8を下枠上端面に至るまで敷設するには、ボルト5に当たる箇所の防水シート8を切欠く必要があり、手間がかかるうえ、防水シート8が敷かれる下桝上面は平坦であるため、防水シート8と下桝下端面との間より侵入した水がコンクリート製床版1に達し、該床版1に浸透して床版1を劣化させるおそれがある。
【0006】
(3)上桝6はフィルターチューブ7を下桝上端面に装着後、下桝2の開口内に嵌め込まれるが、この際、フィルターチューブ7が下桝2の開口内にはみ出して上桝嵌着時の邪魔となるおそれがあり、またフィルターチューブ7の交換は、上桝6を取外すと共に、フィルターチューブ7に接するアスファルト層11を除去する必要がある。
【0007】
(4)排水蓋が装着される上桝6はボルト5上に載置して支持されているだけであるため、上桝6や該上桝6に装着の排水蓋は盗難のおそれがあるうえ、排水桝上を車両が走行する際、上桝6が排水蓋と共に跳ね上がって飛び出すおそれがあり、飛び出さないまでも上下動や横方向にずれてガタガタし、騒音を生じ易い。
【0008】
本発明は上記の問題を解消すべく改良された橋梁用排水桝の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、上部に開口部を備えた排水用下桝16と、該下桝16の数か所に下桝16と一体をなして設けら れるナット27にそれぞれ捩じ込んで開口部内に縦設される第2のボルトと、前記下桝16 の開口部内に嵌着され、底部において前記第2のボルト44に支持される受枠17と、該受枠 17に装着される排水蓋18とよりなる排水桝の橋梁への取付構造であって、前記下桝16が埋 設される橋梁のコンクリート製床版53と、該床版上に形成される防水層54と、該防水層上 に前記受枠17の側壁17aと接し、かつ受枠上端以上の高さのレベルまで形成されるアスファルト層55よりなり、前記受枠17と排水蓋18のうち、受枠17は下桝16に第1のボルト46に て連結し一体化される一方、前記排水蓋18は受枠17に第3のボルト38にて連結し一体化される橋梁用排水桝の取付構造において、前記下桝16には上端より外側方に先端に向かって上向きに傾斜し、表面に前記防水層54 が形成されるフランジ24が突設され、前記受枠17の側壁17aには受枠外の水を受枠内に通す通水孔37が形成されると共に、前記フランジ上には前記通水孔37に当てがわれる水透過性フィルター51が装着され、しかも前記受枠17の側壁17aは垂直をなし、外側方への突出部を有しないことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記排水蓋はグレーチング18であり、受枠17はグレーチング18を支持するフランジ32を内側方に向けて突出形成し、フランジ間が開口することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、下桝の開口部内に嵌着される受枠の底部を支持する第2のボルトは受枠の内側に位置し、受枠外にないため、アスファルト層及び防水層の形成時 に第2のボルトが邪魔となることがなく、したがってアスファルト形成時及び防水層形成 時の作業性がよくなる。また第2のボルトの交換は、受枠を取り外すことにより比較的容 易に行うことができる。また受枠と排水蓋は第1及び第3のボルトを介して下桝に固定さ れるため、盗難防止となり、また車両の走行により受枠と共に排水蓋が跳ね上がって飛び 出す危険性が解消され、跳ね上がってガタ付いたり、受枠が下枠内でずれ動いたり、排水 蓋が受枠内でずれ動いて受枠に衝突することによる騒音も防止される。しかも下桝のフランジは内側が下向きに傾斜しているため、フランジやフランジ上に形成される防水層上に達した水が下桝内に流入し易くなり、またフランジと防水層、とりわけ防水層を防水シートで構成する場合のフランジと防水シートとの間より侵入した水がコンクリート製床版に達し難くなり、コンクリート製床版の水との接触による劣化を解消することができる。また受枠外側面には水透過性フィルターを脱着する際の障害となりがちな突出部がないため、水透過性フィルターを受枠の周りに装着したり取り外すのが容易となり、水透過性フィルターの交換もアスファルト層の一部を除去するだけで受枠を取り外すことなく行うことができる。
【0014】
【0015】
【0016】
請求項2に係る発明によると、第1及び第2のボルトはグレーチング及び受枠のフランジ間の開口を通して視認することができ、腐食の有無やその程度を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】既知の橋梁用排水桝の取付構造の要部の断面図。
図2】本発明に係る排水桝の平面図。
図3】同正面図。
図4】同側面図。
図5図3の断面図。
図6図5に示す断面と直交し、かつ図1のA-A線で示す断面図。
図7】鉄筋を取付けた下桝の要部構造の断面図。
図8】受枠の平面図。
図9】同受枠の正面図。
図10】排水桝取付構造の要部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、橋梁に設置される排水桝の構造について図面により説明する。
図2は、全体を符号15で示す排水桝の平面図、図3は同正面図、図4は同側面図、図5は同断面図、図6図2のA-A線での断面図で、排水桝15は下桝16と、該下桝16に嵌着される受枠17と、該受枠17に装着される排水蓋としてのグレーチング18を基本構造とし、以下これら下桝16、受枠17及びグレーチング18について詳述する。
【0019】
下桝16は鋼製であってもよいが、好ましくは軽量化のため全体をFRP製としたもので、上部は漏斗状で、矩形の開口部21を備え、下部が図3図6には図示していないが
、橋梁のコンクリート製床版を通って該床板下に突出する横断面円形の排水部22となり、該排水部22は図3及び図5に示すように開口部21の一側寄り(図3及び図5に示す例においては右側寄り)に偏寄して一体形成されている。図示する例において、排水部22は全体が一体形成されているが、下側部を分割して別体の排水パイプとし、上側部に例えば接着により連結して一体に接続した構成をなすようにしてもよい。
【0020】
前記開口部21は図5に示すように、底が一側端より矩形の平坦部16a(図2参照)に向かって下向きに傾斜し、平坦部16aに排水部上端の排水口22aが開口し、開口部内に流入した水が排水口22aを経て排水部22に流出できるようにしてある。
【0021】
開口部上端の下桝上端には、前後左右に外側方に突出するフランジ24が一体形成され(図2図3及び図5において、右側のフランジ24は巾狭になっているが、他のフランジ24と同一巾に形成されていてもよい)、フランジ24はいずれも先端に向かって上向きに傾斜して形成されている。
【0022】
開口部21はまた、長辺側(図5においては前後、図6においては左右)に内側に突出する段25を形成し、該段下には、段25の両端部と中央部の三か所に肉厚部26を形成し、各肉厚部26に鋼製の長ナット27が縦向きに埋設されている(図6及び図7参照)。図示する例において長ナット27は下面がFRP材で覆われ、上面はネジ孔が肉厚部26に形成の差込孔28を通じて開口しているが、少なくとも上面を段25と面一にするか、段25より突出させておいてもよい。長ナット27にはまた、図1に示すような袋状のナットを用いてもよい。
【0023】
肉厚部26に埋設される長ナット27にはまた、外側方に横向きに突出するナット29が溶接にて固着され、該ナット29はネジ孔が開口し、後述のコンクリート製床版に配筋される鉄筋30の端部がネジ孔に捩じ込まれ(図7)、或いは差込んで取付けられるようにしてある。
【0024】
受枠17は鋼製で、前記下桝16の開口部21に若干の遊びを存して嵌着される平面視で、開口部21と相似形の矩形をなし、対向する長辺側の側壁17aの下側部にはそれぞれ内側方に突出し、互いに向き合って形成され、受枠底部に相当するフランジ32を有し(図及び図)、両フランジ32には長手方向の中央に側壁17aに沿った形状の長孔33が、両側にボルト通し孔34がそれぞれ形成され、フランジ32下にはネジ孔をボルト通し孔34と合致させたナット35が固着されている(図5参照)。そしてフランジ32上の前記側壁17aには、外部の水を受枠内に流入させるための通水孔である長孔37が定間隔で複数、縦向きに形成されている(図9)。
【0025】
受枠17に装着されるグレーチング18は図に示すように、短辺と平行に間隔で配置されるベアリングバー18aと、該ベアリングバー18aの両端に連結される端板18bと、該端板18bと平行で、かつ前記ベアリングバー18aと直交して等間隔でベアリングバー18aに固着のツイストバー18cよりなり、グレーチング下面の端板側縁には鋼製のフラットバー39が溶接にて固着されると共に、フラットバー下の長手方向両サイドにフラットバー39と同一巾の硬質ゴム板41が接着にて取付けてある(図5及び図6参照)。両側の硬質ゴム板41はフラットバー中央で一定の隙間を存して引離され、また硬質ゴム板41の肉厚が第1のボルト46のボルト頭部46aの高さと同一ないし若干厚く形成されていることから、両側のゴム板41端面と、フラットバー39とで形成された凹所42に前記ボルト頭部46aが納まりうるようにしてある。
【0026】
フラットバー39と硬質ゴム板41の両側には、受枠17のフランジ32両側に形成されるボルト通し孔34と対応する箇所にスリーブ36が密嵌して取付けてあり、スリーブ
36には後述のボルト38が通され、図2に示すようにグレーチング18の第3のボルト38のボルト頭部38aが納まる箇所のベアリングバー18aは部分的に切除されている。図2に示す40はフラットバー側端面に溶接されて立ち上がり、ベアリングバー18aの両端を固着する取付板である。
【0027】
前記フラットバー39と、ゴム板41はグレーチング18の嵩上げ材としての機能を果たし、ゴム板41は緩衝材としての機能を果たすが、グレーチング18は後述するように受枠17に第3のボルト38にて連結され、受枠17は更に下桝16に第1のボルト46にて連結され、跳ね上がりや横ずれが防止されるため、本来ガタ付いて騒音を生ずることはないが、ゴム板41を設けたのはボルトやナットの緩みによりグレーチング18が上下動して受枠17に対しガタつきを生じた場合のことを考慮したもので、ゴム板41に代え、鋼板を用いて嵩上げしても支障はない。鋼板を用いる場合、フラットバー39と一体形成し、前記凹所42と同様、中央にボルト頭部が納まる凹所が形成される。
【0028】
排水桝15の基本構造をなす下桝16、受枠17及びグレーチング18は以上のように構成され、橋梁での施工は次のようにして行われる。
【0029】
橋梁の床版形成箇所に設定された所要部に下桝16を設置し、床版形成箇所に配筋された鉄筋30の端部を下桝16の前記肉厚部26に埋設されるナット29に捩じ込み(図7図10)、或いは差込む。その後図5図6及び図10に示すように、下四隅の肉厚部26に埋設の長ナット27に第2のボルト44の下側部を捩じ込み、捩込量の調整によりボルト頭部44aの高さを調整して段25より上向きに縦設させる。そしてボルト頭部上に下桝開口部21に若干の遊びを存して嵌着した受枠17の受枠底部としてのフランジ32を載せて支持させる。
【0030】
次に受枠17のフランジ32中央部に形成の長孔33に第1のボルト46を通し、フランジ32よりフランジ下に突出するボルト下端からナット47を適当量捩じ込んでおき、前記第1のボルト46を長孔内で位置調整して段25中央部の肉厚部26に埋設のナット27にボルト頭部46aがフランジ32に当たるまで捩じ込む。その後、ナット47を捩じ込み、ボルト頭部46aとナット47とでフランジ32を挟み込み固定する。これによりフランジ32がボルト頭部44aに当たって四隅が第2のボルト44により支持される受枠17が下桝16に連結され固定される(図5参照)。
【0031】
次に端板側下側縁にフラット39と硬質ゴム板41を積層して取付けたグレーチング18が凹所42内にボルト頭部46aが納まるようにして受枠内に若干の遊びを存して装着され、装着後、グレーチング四隅のスリーブ36に挿入した第3のボルト38のフランジ32より向きに突出するボルト端にはナット35が捩じ込まれ、ボルト頭部38aとナット35とでフラットバー39と硬質ゴム板41と受枠17のフランジ32とを上下より挟み込んで固定する。これによりグレーチング18と受枠17が連結されて一体化され、かつ受枠17が前述するように、下桝16に前記第1のボルト46により連結されて一体化されることにより、排水桝15全体が一体化されるようになっている。
【0032】
前述するようにして排水桝15が組付けられたのち、透水性フィルターであるフィルターチューブ51が受枠17の周囲に長孔37を塞ぎ、かつ下桝16のフランジ24に当たるようにして取付けられ、フランジ24上に達した水がフィルターチューブ51及び図9に示す長孔37を通り、下桝内に流入されるようにしてある。なお、フィルターチューブ51は中空状をなしているが中実であってもよい。
【0033】
排水桝埋設後、フランジ24の先端レベルまでコンクリートが打設され養生により、コンクリート製床版53を形成したのち、該床版53とフランジ24上にフィルターチューブ51に達するまで防水シート54を被せて防水層を形成し、その上に透水性のアスファルト層55を形成する(図10)。アスファルト層55の形成は路面のレベルが受枠17よりも高く、路面が排水桝15に向かって排水桝側が下がるように傾斜し、排水桝側端のエッジのアスファルトは損傷を防ぐため図示するように面取りされている。
【0034】
前述の例では、コンクリート製床版53と、アスファルト層55は排水桝組付後に形成されるようになっているが、排水桝15の組付時に組み込んで、例えば下桝16の設置後にコンクリートを打設してコンクリート製床版53を形成し、その後受枠17を下桝16に嵌着し、フィルターチューブ51を取付けたのち、アスファルト層55を形成するようにしてもよい。この場合、グレーチング18はアスファルト層55の形成に前後して受枠17に装着される。
【0035】
前記実施形態では、受枠17と下桝16は第1のボルト46により連結され、グレーチング18と受枠17第3のボルト38により連結されているが、第3のボルト38をグレーチング18と一体のフラットバー39及び硬質ゴム板41のスリーブ36に通し、更に受枠17のフランジ32に通したのち、下桝16の肉厚部26に埋設の長ナット27に捩じ込むように構成することも可能である。
【0036】
前記実施形態では、コンクリート製床版53上の防水層は防水シート54により形成されているが、コンクリート製床版53上に防水塗装により形成することもできる。
【符号の説明】
【0037】
15・・排水桝
16・・下桝
17・・受枠
18・・グレーチング
21・・開口部
22・・排水部
24、32・・フランジ
25・・段
26・・肉厚部
27・・長ナット
29、35、47・・ナット
30・・鉄筋
33、37・・長孔
34・・ボルト通し孔
36・・スリーブ
38・・第3のボルト
44・・第2のボルト
46・・第1のボルト
39・・フラットバー
41・・硬質ゴム板
42・・凹所
51・・フィルターチューブ
53・・コンクリート製床版
54・・防水シート
55・・アスファルト層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10