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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20220201BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20220201BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220201BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20220201BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220201BHJP
   H02J 9/08 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J7/34 G
H02J7/35 K
H02J9/06 120
H02J9/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018075837
(22)【出願日】2018-04-11
(65)【公開番号】P2019187107
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】西村 荘治
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 吉則
(72)【発明者】
【氏名】宇田 怜史
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-055508(JP,A)
【文献】特開2016-208586(JP,A)
【文献】特開2016-059168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00 - 5/00
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 9/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力系統と重要負荷との間に設けられ、前記重要負荷に電力を供給する電源システムであって、
前記商用電力系統から前記重要負荷に給電するための電力線に接続された分散型電源と、
前記電力線において前記分散型電源よりも前記商用電力系統側に設けられ、前記電力線を開閉する切替スイッチと、
前記電力線において前記切替スイッチに並列接続されたインピーダンス素子と、
前記切替スイッチよりも前記商用電力系統側の電圧を検出する系統側電圧検出部と、
前記系統側電圧検出部の検出電圧から前記商用電力系統側の系統異常を検出する系統異常検出部と、
前記系統異常検出部により検出された系統異常に基づいて前記切替スイッチを開放し、前記分散型電源と前記商用電力系統とを前記インピーダンス素子を介して接続する制御部とを備え、
前記分散型電源と前記商用電力系統とが前記インピーダンス素子を介して接続された状態で、前記分散型電源が逆潮流を含む運転を継続するものであり、
前記系統異常検出部は、瞬時電圧低下及び周波数変動に加えて、その他の系統異常を検出するものである、電源システム。
【請求項2】
前記系統異常検出部は、前記その他の系統異常として電圧上昇、位相変動、電圧不平衡、高調波異常又はフリッカの少なくとも1つを検出するものである、請求項1記載の電源システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記重要負荷又は前記分散型電源の瞬時電圧低下耐量が所定の整定範囲を満たさない場合において、前記系統異常検出部により検出された瞬時電圧低下が前記瞬時電圧低下耐量以上であり且つ前記所定の整定範囲内に含まれる場合に前記切替スイッチを開放し、前記重要負荷又は前記分散型電源の周波数変動耐量が所定の整定範囲を満たさない場合において、前記系統異常検出部により検出された周波数変動が前記周波数変動耐量以上であり且つ前記所定の整定範囲内に含まれる場合に前記切替スイッチを開放する、請求項1又は2記載の電源システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記系統異常検出部により検出されたその他の系統異常が前記重要負荷又は前記分散型電源の前記その他の系統異常に対する耐量以上である場合に前記切替スイッチを開放する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項5】
前記分散型電源と前記商用電力系統とが前記インピーダンス素子を介して接続された状態で、前記分散型電源を系統異常耐量の範囲内で逆潮流を含む運転を継続する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項6】
前記分散型電源と前記商用電力系統とが前記インピーダンス素子を介して接続された状態で、前記分散型電源を前記重要負荷又は前記分散型電源の系統異常耐量の小さい方の範囲内で逆潮流を含む運転を継続する、請求項5記載の電源システム。
【請求項7】
前記電力線において前記分散型電源よりも前記商用電力系統側に設けられた解列用スイッチをさらに備え、
前記制御部は、前記系統側電圧検出部の検出電圧が所定の解列条件を満たす場合に前記解列用スイッチを開放するものであり、
前記解列用スイッチが開放された状態で、前記分散型電源は前記重要負荷に給電する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の電源システム。
【請求項8】
前記電力線において前記解列用スイッチよりも前記分散型電源側の電圧を検出する電源側電圧検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記系統側電圧検出部の検出電圧が前記所定の解列条件を解消し、且つ前記系統側電圧検出部の検出電圧及び前記電源側電圧検出部の検出電圧が同期検定条件を満たす場合に前記解列用スイッチを投入するものである、請求項7記載の電源システム。
【請求項9】
前記電力線において前記解列用スイッチよりも前記商用電力系統側に設けられた系統連系用保護装置と、
前記電力線において前記解列用スイッチよりも前記分散型電源側の電圧を検出する電源側電圧検出部とをさらに備え、
前記制御部は、前記系統連系用保護装置が不動作状態となり、且つ前記系統側電圧検出部の検出電圧及び前記電源側電圧検出部の検出電圧が同期検定条件を満たす場合に前記解列用スイッチを投入するものである、請求項7記載の電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源システムは、停電や瞬時電圧低下(以下、瞬低とも言う。)に対して、商用電力系統から解列して重要負荷を補償する無停電電源システムと、蓄電池を充放電させることによって、ピークカット/ピークシフトなどの負荷平準化を実現する分散型電源システムとに分類される。
【0003】
近年、蓄電池の高性能化等により、特に大容量(500kW容量クラス以上)の蓄電池システムにおいて、無停電電源機能及び負荷平準化機能を両立するものが考えられつつある。例えば、特許文献1に示すように、無停電電源機能及び負荷平準化機能を両立した二次電池システムが考えられている。このシステムは、停電や瞬低に対しては解列して重要負荷に電力を供給するように構成されている。
【0004】
ところで、商用電力系統に連系される分散型電源が増大しており、瞬低時にそれらの分散型電源を一斉に解列してしまうと、商用電力系統全体の電圧や周波数の維持に大きな影響を与える可能性がある。このため、瞬低時においても分散型電源を商用電力系統から解列することなく継続運転することが求められている(事故時運転継続(FRT)要件)。
【0005】
しかしながら、上述した電源システムでは、瞬低時に解列しているので、FRT要件を満たすことができない。また、特許文献2に示すように、電源システムにおいて無停電電源用途の蓄電池と負荷平準化用途の蓄電池とを用いて個別に各機能を発揮するシステムとすることも考えられるが、コスト及びサイズが増大してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3402886号公報
【文献】特開2004-289980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、FRT要件を満たしつつ、常時商用給電方式の無停電電源機能及び負荷平準化機能を共通の分散型電源を用いて両立する新規の電源システムを提供することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る電源システムは、商用電力系統と重要負荷との間に設けられ、前記重要負荷に電力を供給する電源システムであって、前記商用電力系統から前記重要負荷に給電するための電力線に接続された分散型電源と、前記電力線において前記分散型電源よりも前記商用電力系統側に設けられ、前記電力線を開閉する切替スイッチと、前記電力線において前記切替スイッチに並列接続されたインピーダンス素子と、前記切替スイッチよりも前記商用電力系統側の電圧を検出する系統側電圧検出部と、前記系統側電圧検出部の検出電圧から前記商用電力系統側の系統異常を検出する系統異常検出部と、前記系統異常検出部により検出された系統異常に基づいて前記切替スイッチを開放し、前記分散型電源と前記商用電力系統とを前記インピーダンス素子を介して接続する制御部とを備え、前記分散型電源と前記商用電力系統とが前記インピーダンス素子を介して接続された状態で、前記分散型電源が逆潮流を含む運転を継続するものであり、前記系統異常検出部は、瞬時電圧低下及び周波数変動に加えて、その他の系統異常を検出するものであることを特徴とする。
【0009】
このような電源システムであれば、電力線において分散型電源よりも商用電力系統側に切替スイッチを設けるとともに、当該切替スイッチに対してインピーダンス素子を並列接続しており、系統異常検出部により検出された系統異常に基づいて切替スイッチを開放するので、系統異常においても需要側設備はインピーダンス素子を介して商用電力系統と連系された状態となる。
特に本発明では、瞬時電圧低下及び周波数変動に対して需要側設備はインピーダンス素子を介して商用電力系統と連系された状態となり、分散型電源のFRT要件を満たしつつ、系統異常時における重要負荷への電圧低下及び周波数変動を防止することができる。その結果、FRT要件を満たしつつ、無停電電源機能及び負荷平準化機能を共通の分散型電源を用いて両立する新規の電源システムを提供することができる。
【0010】
また、本発明では、瞬時電圧低下及び周波数変動に加えて、その他の系統異常に対しても需要側設備はインピーダンス素子を介して商用電力系統と連系された状態となり、分散型電源システムの不要解列を防止すると共に系統異常時における重要負荷への悪影響を防止することができる。ここで、系統異常検出部は、その他の系統異常として位相変動、電圧不平衡、高調波異常又はフリッカの少なくとも1つを検出するものであることが考えられる。
【0011】
ここで、系統異常要素として上記位相変動、電圧不平衡、高調波異常又はフリッカが考えられることは連系規程から読み取ることができるが、さらに三相系統電圧を三相-二相変換(α-β-0変換)した複素数において、そのα成分(これを実数成分とする)、β成分(これを虚数成分とする)を表現すると、数1で表現される。
【0012】
【数1】
ここで各要素は以下である。
v:系統電圧
:系統電圧振幅
f:系統電圧周波数
θ:系統電圧位相、位相跳躍との位相変動はこの要素の変化である。
Σn≠1:基本波正相分以外の成分、n=-1の逆相成分と|n|≠1の高調波成分がある。
なお、フリッカはVの数~数十Hzの低周期変動である。
【0013】
この考察による系統異常要素の追加の結果、一般に無停電電源システムにおいて、常時商用給電方式の無停電電源システムでは対応できない位相変動、電圧不平衡、高調波異常又はフリッカについて、「電力線にインピーダンス素子と切替スイッチの並列回路部を設けた両立電源システム」により、安価に、より高価である常時インバータ給電方式の無停電電源システムと同じようにこれらの系統異常要素についても対応できる。その一例として、後述する<第1実施形態のシミュレーション>で示すように電源システムの異常(このシミュレーションでは分散型電源の過電流異常)を未然に防止することができる。
【0014】
さらに、本発明では、電力線にインピーダンス素子と切替スイッチの並列回路部を設けるだけで良いので、装置の回路構成を簡単にすることができるとともに、通常運用時には切替スイッチに電流が流れるのでリアクトル等のインピーダンス素子に生じる損失を無くすことができる。
【0015】
瞬時電圧低下における制御部の具体的な制御内容としては、前記重要負荷又は前記分散型電源の瞬時電圧低下耐量が所定の整定範囲を満たさない場合において、前記系統異常検出部により検出された瞬時電圧低下が前記瞬時電圧低下耐量以上であり且つ前記所定の整定範囲内に含まれる場合に前記切替スイッチを開放することが考えられる。
ここで、重要負荷又は分散型電源の瞬時電圧低下耐量は、重要負荷又は分散型電源が動作可能である許容電圧低下範囲である。また、瞬時電圧低下における所定の整定範囲は、FRT要件の電圧範囲である。例えば、残電圧20%以上かつ継続時間0.3秒以内の範囲である。
【0016】
また、周波数変動における制御部の具体的な制御内容としては、前記重要負荷又は前記分散型電源の周波数変動耐量が所定の整定範囲を満たさない場合において、前記系統異常検出部により検出された周波数変動が前記周波数変動耐量以上であり且つ前記所定の整定範囲内に含まれる場合に前記切替スイッチを開放することが考えられる。
ここで、重要負荷又は分散型電源の周波数耐量は、重要負荷又は分散型電源が動作可能である許容周波数変動範囲である。また、周波数変動における所定の整定範囲は、FRT要件の周波数範囲である。周波数変動がステップ上昇の場合には、例えば正常周波数(50Hz又は60Hz)から所定の変動値(50.8Hz又は61.0Hz)までの範囲(50Hz~50.8Hz、60Hz~61.0Hz)である。また、周波数変動がランプ上昇・下降の場合には、正常周波数(50Hz又は60Hz)に対して所定の変化率(±2Hz/秒)の範囲内であって、所定量変動した上限整定値又は下限整定値までの範囲である。
【0017】
このとき、前記分散型電源と前記商用電力系統とが前記インピーダンス素子を介して接続された状態で、前記分散型電源が前記系統異常耐量の範囲内で逆潮流を含む運転を継続することが望ましい。
この構成であれば、系統異常が発生した場合であっても、分散型電源を商用電力系統から解列することなく継続運転することができ、重要負荷に電力を供給することができる。
例えば、周波数変動の場合には、分散型電源のFRT要件を満たしつつ、重要負荷の脱落を防止することができる。具体的には、分散型電源はインピーダンス素子を介して商用電力系統と接続される形となり、分散型電源側の電圧を周波数耐量における限界周波数未満で運転を継続すると、商用電力系統側の電圧と周波数及び位相が異なる。これに対して、インピーダンス素子により、それらの電位差による横流とそれに伴う電圧変動を抑制することで、重要負荷側の電圧を限界周波数に維持したまま、重要負荷への電圧・電流を安定させることができる。
【0018】
具体的な分散型電源の運転態様としては、前記分散型電源と前記商用電力系統とが前記インピーダンス素子を介して接続された状態で、前記分散型電源が前記重要負荷又は前記分散型電源の系統異常耐量の小さい方の範囲内で逆潮流を含む運転を継続することが望ましい。
【0019】
また、電源システムは、前記電力線において前記分散型電源よりも前記商用電力系統側に設けられた解列用スイッチをさらに備えており、前記制御部は、前記系統側電圧検出部の検出電圧が所定の解列条件を満たす場合に前記解列用スイッチを開放するものであり、前記解列用スイッチが開放された状態で、前記分散型電源は前記重要負荷に給電して自立運転モードとなる。
【0020】
さらに、電源システムは、前記電力線において前記解列用スイッチよりも前記分散型電源側の電圧を検出する電源側電圧検出部をさらに備えており、前記制御部は、前記系統側電圧検出部の検出電圧が前記所定の解列条件を解消し、且つ前記系統側電圧検出部の検出電圧及び前記電源側電圧検出部の検出電圧が所定の同期検定条件を満たす場合に前記解列用スイッチを投入するものであることが望ましい。ここで、所定の同期検定条件とは、系統側電圧検出部の検出電圧の大きさ、周波数及び位相と、電源側電圧検出部の検出電圧の大きさ、周波数及び位相がそれぞれ一致していることである。
【0021】
その他、電源システムは、前記電力線において前記解列用スイッチよりも前記商用電力系統側に設けられた系統連系用保護装置と、前記電力線において前記解列用スイッチよりも前記分散型電源側の電圧を検出する電源側電圧検出部とをさらに備えており、前記制御部は、前記系統連系用保護装置が不動作状態となり、且つ前記系統側電圧検出部の検出電圧及び前記電源側電圧検出部の検出電圧が同期検定条件を満たす場合に前記解列用スイッチを投入するものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
このように構成した本発明によれば、FRT要件を満たしつつ、無停電電源システムとしての機能及び分散型電源としての機能を共通の分散型電源を用いて両立する新規の電源システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態の電源システムの構成を示す模式図である。
図2】第1実施形態の瞬低及び周波数変動における動作状態の一覧を示す表である。
図3】第1実施形態のその他の系統異常における動作状態の一覧を示す表である。
図4】第1実施形態の通常時の電源システムの状態を示す模式図である。
図5】第1実施形態の系統異常時の電源システムの状態を示す模式図である。
図6】位相跳躍時の補償動作のシミュレーションモデルを示す図である。
図7】切替スイッチが動作しない場合のシミュレーション結果を示す図である。
図8】切替スイッチが動作した場合のシミュレーション結果を示す図である。
図9】第2実施形態の電源システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下に、本発明に係る電源システムの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の電源システム100は、図1に示すように、商用電力系統10と重要負荷30との間に設けられ、商用電力系統10の異常時に重要負荷30に電力を供給する無停電電源システムとしての機能(無停電電源機能)と、商用電力系統に対して順潮流及び逆潮流することで負荷平準化する分散型電源システムとしての機能(負荷平準化機能)を発揮するものである。
【0025】
ここで、商用電力系統10は、電力会社(電気事業者)の電力供給網であり、発電所、送電系統及び配電系統を有するものである。また、重要負荷20は、停電や瞬低などの系統異常時においても電力を安定して供給すべき負荷であり、図1では1つであるが、複数あっても良い。
【0026】
具体的に電源システム100は、分散型電源2と、商用電力系統10と分散型電源2及び重要負荷30とを接続する切替スイッチ3と、切替スイッチ3に並列接続されたインピーダンス素子4と、切替スイッチ3よりも商用電力系統10側の電圧を検出する系統側電圧検出部5と、系統側電圧検出部5の検出電圧から系統異常を検出する系統異常検出部6と、系統異常検出部6の検出信号により切替スイッチ3を開放する制御部7とを備えている。
【0027】
分散型電源2は、商用電力系統10から重要負荷30に給電するための電力線L1に接続されている。この分散型電源2は、商用電力系統10に連系されるものであり、例えば太陽光発電や燃料電池などの直流発電設備21aと電力変換装置22とを有するもの、二次電池(蓄電池)などの電力貯蔵装置(蓄電デバイス)21bと電力変換装置22とを有するもの、風力発電やマイクロガスタービンなどの交流で出力された電気エネルギを直流に整流したうえで、電力変換装置を用いて系統連系をされる発電設備(不図示)、又は、同期発電機や誘導発電機などの交流発電設備21cである。なお、電源システム100は、少なくとも電力貯蔵装置21bを備えており、その他上記何れか分散型電源2を有するものであっても良い。
【0028】
切替スイッチ3は、電力線L1において分散型電源2の接続点よりも商用電力系統10側に設けられて電力線L1を開閉するものであり、例えば半導体スイッチ、又は、半導体スイッチと機械式スイッチとを組み合わせたハイブリッドスイッチなどの高速切り替えが可能な切替スイッチを用いることができる。例えば半導体スイッチを用いた場合には、切替時間を2ミリ秒以下にすることができ、ゼロ点関係なく遮断することができる。また、ハイブリッドスイッチを用いた場合には、切替時間を2ミリ秒以下にすることができ、ゼロ点関係なく遮断できるだけでなく、通電損失をゼロにすることができる。なお、この切替スイッチ3は、制御部7により開閉制御される。
【0029】
インピーダンス素子4は、前記電力線L1において切替スイッチ3に並列接続されたものであり、本実施形態では、限流リアクトルである。
【0030】
系統側電圧検出部5は、電力線L1において切替スイッチ3よりも商用電力系統10側の電圧を、計器用変圧器51を介して検出するものである。具体的に系統側電圧検出部5は、切替スイッチ3及びインピーダンス素子4からなる並列回路よりも商用電力系統10側に計器用変圧器51を介して接続されている。
【0031】
系統異常検出部6は、系統側電圧検出部5により検出された検出電圧から、切替スイッチ3よりも商用電力系統10側の各系統異常を検出するものである。本実施形態の系統異常は、瞬低を含む電圧低下、電圧上昇、周波数変動、位相変動、電圧不平衡、異常高調波、フリッカである。
【0032】
このため、系統異常検出部6は、瞬低を含む電圧低下を検出する電圧低下検出部61と、周波数変動を検出する周波数変動検出部62と、電圧上昇を検出する電圧上昇検出部63と、位相変動を検出する位相変動検出部64と、電圧不平衡を検出する電圧不平衡検出部65と、異常高調波を検出する異常高調波検出部66と、フリッカを検出するフリッカ検出部67とを有する。
【0033】
電圧低下検出部61は、系統側電圧検出部5の検出電圧と所定の整定値とを比較することにより電圧低下を検出するものである。ここで、電圧低下を検出するための整定値は、瞬低を検出するための電圧値であり、例えば残電圧20%である。
【0034】
周波数変動検出部62は、系統側電圧検出部5の検出電圧から周波数変動(周波数上昇(OF)、周波数低下(UF))を検出するものである。なお、周波数変動は、例えばステップ上昇や、ランプ上昇・下降である。
【0035】
電圧上昇検出部63は、系統側電圧検出部5の検出電圧と所定の整定値とを比較することにより電圧上昇を検出するものである。ここで、電圧上昇を検出するための整定値は、系統電圧に対して例えば107%の電圧である。
【0036】
位相変動検出部64は、系統側電圧検出部5の検出電圧の位相から例えば10°の位相跳躍等の位相変動を検出するものである。
【0037】
電圧不平衡検出部65は、系統側電圧検出部5の検出電圧から三相間の振幅の大きさ又は位相差120°が異なる状態となっていることを検出するものである。
【0038】
異常高調波検出部66は、系統側電圧検出部5の検出電圧から高調波電圧を検出するものである。フリッカ検出部67は、系統側電圧検出部5の検出電圧から電圧変動(フリッカ)を検出するものである。
【0039】
制御部7は、系統異常検出部6により検出された各検出信号に基づいて、切替スイッチ3に制御信号を出力して切替スイッチ3を開放するものである。本実施形態の制御部7は、各検出部61~67からの検出信号を受け付けて何れか1つの検出信号が条件(OR条件)を満たす場合に、切替スイッチ3を開放する。
【0040】
具体的に制御部7は、重要負荷30又は分散型電源2の瞬低耐量が所定の整定範囲を満たさない場合において、電圧低下検出部61により検出された瞬低が瞬低耐量以上であり且つ、所定の整定範囲内に含まれる場合に切替スイッチ3を開放する。これにより、商用電力系統10と分散型電源2及び重要負荷30とはインピーダンス素子4を介して接続された状態となる。この状態で、分散型電源2は逆潮流を含む運転を継続する。
【0041】
また、制御部7は、重要負荷30又は分散型電源2の周波数変動耐量が所定の整定範囲を満たさない場合において、周波数変動検出部62により検出された周波数変動が周波数変動耐量以上であり、且つ所定の整定範囲内に含まれる場合に切替スイッチ3を開放する、これにより、商用電力系統10と分散型電源2及び重要負荷30とはインピーダンス素子4を介して接続された状態となる。この状態で、分散型電源2は逆潮流を含む運転を継続する。
【0042】
さらに、制御部7は、系統異常検出部63~67により検出されたその他の系統異常が重要負荷30又は分散型電源2のその他の系統異常に対する耐量以上である場合に切替スイッチ3を開放する。これにより、商用電力系統10と分散型電源2及び重要負荷30とはインピーダンス素子4を介して接続された状態となる。この状態で、分散型電源2は逆潮流を含む運転を継続する。
【0043】
制御部7の具体的な切替スイッチ3の開閉制御とともに分散型電源2の動作について、図2図5を参照して説明する。
【0044】
電源システム100は、通常時には、図4に示すように、切替スイッチ3を閉じており、分散型電源2及び重要負荷30は切替スイッチ3を介して商用電力系統10に接続された状態である。なお、リアクトル4は切替スイッチ3に並列接続されているが、切替スイッチ3のインピーダンスは、リアクトル4のインピーダンスよりも小さいため、商用電力系統10と分散型電源2及び重要負荷30とは切替スイッチ3側で電力をやり取りする。分散型電源2による逆潮流によってピークカット・ピークシフトを実現することができる。
【0045】
以下、(A)系統連系規程のFRT要件に記載されている要素(瞬低及び周波数変動)に対する切替スイッチ3の開閉制御及び分散型電源2の動作(図2参照)と、(B)系統連系規程のFRT要件に記載されていない要素(瞬低を除く電圧低下、電圧上昇、位相跳躍、電圧不平衡、高調波異常、フリッカ)に対する切替スイッチ3の開閉制御及び分散型電源2の動作(図3参照)とに分けて説明する。
【0046】
(A)系統連系規程のFRT要件に記載されている要素(瞬低及び周波数変動)に対する切替スイッチ3の開閉制御及び分散型電源2の動作(図2参照)
【0047】
(1)分散型電源2及び重要負荷30の系統異常耐量(瞬低耐量、周波数変動耐量)がFRT要件の範囲(所定の整定範囲)を満足する場合であって、商用電力系統10の系統異常(瞬低、周波数変動)がFRT要件の範囲内の場合(図2の(1))、制御部7は、切替スイッチ3を投入した状態を維持する。このとき、分散型電源2は商用電力系統10の系統異常(瞬低、周波数変動)に追従して継続運転される(図4参照)。
【0048】
(2)分散型電源2又は重要負荷30の少なくとも一方の系統異常耐量(瞬低耐量、周波数変動耐量)がFRT要件の範囲を満足しない場合であって、商用電力系統10の系統異常(瞬低、周波数変動)が、重要負荷30又は分散型電源2の系統異常耐量のうち小さい方の系統異常耐量よりも小さい場合(図2の(2))、制御部7は、切替スイッチ3を投入した状態を維持する。このとき、分散型電源2は商用電力系統10の系統異常(瞬低、周波数変動)に追従して継続運転される(図4参照)。
【0049】
(3)分散型電源2又は重要負荷30の少なくとも一方の系統異常耐量(瞬低耐量、周波数変動耐量)がFRT要件の範囲を満足しない場合であって、商用電力系統10の系統異常(瞬低、周波数変動)が小さい方の系統異常耐量以上であり、且つFRT要件の範囲内の場合(図2の(3))、制御部7は、切替スイッチ3を開放する。そうすると、分散型電源2及び重要負荷30はリアクトル4を介して商用電力系統10に接続された状態となる。この状態で、分散型電源2は、重要負荷30又は分散型電源2の系統異常耐量が小さい方の限界耐量の範囲で運転継続する(図5参照)。
【0050】
なお、電圧低下検出部61及び周波数変動検出部62は、切替スイッチ3の開閉に関係なく、商用電力系統10の瞬低及び周波数変動を検出しており、制御部7は、商用電力系統10の瞬低及び周波数変動が前記小さい方の系統異常耐量(瞬低耐量、周波数変動耐量)未満になった場合に、切替スイッチ3を閉じる。
【0051】
(B)系統連系規程のFRT要件に記載されていない要素(瞬低を除く電圧低下、電圧上昇、位相跳躍、電圧不平衡、高調波異常、フリッカ)に対する切替スイッチ3の開閉制御及び分散型電源2の動作(図3参照)
【0052】
(1)商用電力系統10の系統異常(瞬低を除く電圧低下、電圧上昇、位相跳躍、電圧不平衡、高調波異常、フリッカ)が、重要負荷30又は分散型電源2の系統異常耐量のうち小さい方の系統異常耐量よりも小さい場合(図3の(1))、制御部7は、切替スイッチ3を投入した状態を維持する。このとき、分散型電源2は商用電力系統10の系統異常(瞬低を除く電圧低下、電圧上昇、位相跳躍、電圧不平衡、高調波異常、フリッカ)に追従して継続運転される(図4参照)。
【0053】
(2)商用電力系統10の系統異常(瞬低を除く電圧低下、電圧上昇、位相跳躍、電圧不平衡、高調波異常、フリッカ)が小さい方の系統異常耐量以上の場合(図3の(2))、制御部7は、切替スイッチ3を開放する。そうすると、分散型電源2及び重要負荷30はリアクトル4を介して商用電力系統10に接続された状態となる。この状態で、分散型電源2は、重要負荷30又は分散型電源2の系統異常耐量が小さい方の限界耐量の範囲で運転継続する(図5参照)。
【0054】
なお、各検出部62、64~67は、切替スイッチ3の開閉に関係なく、商用電力系統10の各系統異常を検出しており、制御部7は、商用電力系統10の各系統異常が前記小さい方の系統異常耐量未満になった場合に、切替スイッチ3を閉じる。
【0055】
<第1実施形態のシミュレーション>
系統異常の一例として商用電力系統に位相跳躍(10°の位相跳躍)があった場合の分散型電源への影響をシミュレーションした。このシミュレーションの系統モデル、及び分散型電源電圧vの位相跳躍Δθの監視制御モデルを図6に示す。
【0056】
切替スイッチを動作させない場合の分散型電源の電圧v、電流i及び位相跳躍Δθを図7に示す。
時刻0.5秒で商用電力系統に10°の位相跳躍が発生しており、直後に分散型電源の電流に定常振幅の2.5倍の過電流が発生している。
【0057】
切替スイッチを動作させた場合の分散型電源の電圧v、電流i及び位相跳躍Δθを図8に示す。
時刻0.5秒で商用電力系統に10°の位相跳躍が発生しており、この位相跳躍検出により2ミリ秒後に切替スイッチを開放する。時刻0.6秒に切替スイッチを投入する。過渡現象として分散型電源の電流iに定常振幅の約1.5倍の過渡電流(スイッチ投入による正常な過渡電流)が発生する。なお、切替スイッチ開放中の分散型電源の位相制御(商用電力系統の位相に順次合わせる制御)や切替スイッチ投入による位相変動では検出しない制御とする。
【0058】
以上のシミュレーション結果により、位相跳躍発生時の電圧変動は電圧振幅の10%程度であるが、過電流が発生することが分かる。このような場合、位相跳躍を監視して大きく位相跳躍する前に切替スイッチを開放(インピーダンス素子を挿入)すれば、仮に分散型電源の過電流耐量が2.5倍の場合には、分散型電源が過電流で解列することを防止することができる。
【0059】
<第1実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の電源システム100によれば、電力線L1において分散型電源2よりも商用電力系統10側に切替スイッチ3を設けるとともに、当該切替スイッチ3に対してインピーダンス素子4を並列接続しており、系統異常検出部6により検出された系統異常に基づいて切替スイッチ3を開放するので、系統異常においても需要側設備(重要負荷30)はインピーダンス素子4を介して商用電力系統10と連系された状態となる。
【0060】
特に本実施形態では、瞬時電圧低下及び周波数変動に対して需要側設備はインピーダンス素子4を介して商用電力系統と連系された状態となり、分散型電源2のFRT要件を満たしつつ、系統異常時における重要負荷30への電圧低下及び周波数変動を防止することができる。その結果、FRT要件を満たしつつ、無停電電源機能及び負荷平準化機能を共通の分散型電源2を用いて両立する新規の電源システム100を提供することができる。
【0061】
また、本実施形態では、瞬時電圧低下及び周波数変動に加えて、その他の系統異常に対しても需要側設備はインピーダンス素子4を介して商用電力系統10と連系された状態となり、系統異常時における重要負荷30への悪影響を防止することができる。
【0062】
さらに、本実施形態では、電力線L1にインピーダンス素子4と切替スイッチ3の並列回路部を設けるだけで良いので、装置の回路構成を簡単にすることができるとともに、通常運用時には切替スイッチ3に電流が流れるのでリアクトル等のインピーダンス素子4に生じる損失を無くすことができる。
【0063】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る電源システムの第2実施形態について、図面を参照して説明する。
前記第1説明を省略したが、電源システム100では、図9に示すように、電力線L1において分散型電源2よりも商用電力系統10側に解列用スイッチ(受電点スイッチ)8が設けられている。また、本実施形態の電源システム100では、電力線L1において解列用スイッチ8よりも分散型電源2側の電圧を検出する電源側電圧検出部9が設けられている。
【0064】
本実施形態の解列用スイッチ8は、商用電力系統10と分散型電源2とを解列するための開閉スイッチであり、例えば機械式スイッチである。図9では、切替スイッチ3よりも商用電力系統10側に設けられているが、切替スイッチ3よりも分散型電源2側に設けてもよい。この解列用スイッチ8は、制御部7により開閉制御される。
【0065】
そして、制御部7は、系統側電圧検出部5の検出電圧が所定の解列条件を満たす場合に解列用スイッチ8を開放する。ここで、所定の解列条件は、系統電圧の電圧低下(検出電圧が整定値以下となっている状態)の継続時間が所定値以上(瞬低継続時間よりも長い時間)となることである。解列用スイッチ8が開放された状態で、分散型電源2は自立運転モードとなり重要負荷30に給電する。なお、切替スイッチ3は既に解放されているので、解列用スイッチ8の開放による過電流はリアクトル4によって抑制される。
【0066】
また、制御部7は、系統側電圧検出部5の検出電圧が所定の解列条件を解消し、且つ系統側電圧検出部5の検出電圧及び電源側電圧検出部9の検出電圧が同期検定条件を満たす場合に解列用スイッチ8を投入するものである。ここで、同期検定条件は、例えば、分散型電源2の電圧の大きさ、周波数及び位相と商用電力系統10の電圧の大きさ、周波数及び位相とが一致することである。
【0067】
その他、制御部7は、周波数変動等のその他の系統異常が所定の解列条件を満たす場合にも解列用スイッチ8を開放する。このとき、制御部7は、検出される系統異常が正常範囲内となった場合に解列用スイッチ8を投入する。
【0068】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0069】
例えば、前記実施形態では、系統異常の何れか1つが条件を満たした場合に切替スイッチを開放するものであったが、2つ以上の系統異常の組み合わせが所定の条件を満たした場合に切替スイッチを開放するようにしても良い。
【0070】
また、インピーダンス素子4としてコンデンサを用いても良いし、リアクトル、抵抗又はコンデンサの何れかを組み合わせたものであっても良い。
【0071】
さらに、前記実施形態の系統側電圧検出部は、系統連系用保護装置が備えるものであってもよい。系統連系規程に定められた系統連系用保護装置としては、例えば過電圧継電器(OVR)、不足電圧継電器(UVR)、短絡方向継電器(DSR)、地絡過電圧継電器(OVGR)、過周波数継電器(OFR)、不足周波数継電器(UFR)、転送遮断装置等を挙げることができる。この場合、制御部は、何れか1つの連係保護機器が動作した場合に、解列用スイッチを開放することが考えられる。また、制御部は、全ての系統連系用保護装置が不動作状態となり、且つ系統側電圧検出部の検出電圧及び電源側電圧検出部の検出電圧が同期検定条件を満たす場合に解列用スイッチを投入することもできる。この構成であれば、連係保護機器が備える電圧検出部を用いているので、別途系統側電圧検出部を設ける必要がなく、装置構成を簡単にすることができる。
【0072】
その上、前記実施形態の電源側電圧検出部は、解列用スイッチ及び切替スイッチの間に設けられたものであってが、分散型電源の系統接続点電圧の計測機能で代用してもよい。
【0073】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
100・・・電源システム
10 ・・・商用電力系統
30 ・・・重要負荷
L1 ・・・電力線
2 ・・・分散型電源
3 ・・・切替スイッチ
4 ・・・インピーダンス素子
5 ・・・系統側電圧検出部
6 ・・・系統異常検出部
61 ・・・電圧低下検出部
62 ・・・周波数変動検出部
63 ・・・電圧上昇検出部
64 ・・・位相変動検出部
65 ・・・電圧不平衡検出部
66 ・・・異常高調波検出部
67 ・・・フリッカ検出部
7 ・・・制御部
8 ・・・解列用スイッチ
9 ・・・電源側電圧検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9