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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】組立式模型玩具とそのパーツ
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/16 20060101AFI20220201BHJP
   A63H 3/04 20060101ALI20220201BHJP
   A63H 3/46 20060101ALI20220201BHJP
   A63H 33/08 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
A63H3/16
A63H3/04 Z
A63H3/46 A
A63H3/46 B
A63H33/08 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017086227
(22)【出願日】2017-04-25
(65)【公開番号】P2017200573
(43)【公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2016090383
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596130152
【氏名又は名称】株式会社壽屋
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】亀井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】亀山 直幸
(72)【発明者】
【氏名】丸山 裕介
(72)【発明者】
【氏名】青木 将利
(72)【発明者】
【氏名】飯嶋 瑞生
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-210187(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151407(WO,A1)
【文献】特表2000-513600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形の嵌合孔を1つ以上備えたフレームパーツと、
前記嵌合孔に相応する多角形の角柱部を備え、該角柱部を前記嵌合孔に嵌め込んで使用するジョイントパーツと、
を少なくとも含んだ組立式模型玩具であって、
前記嵌合孔と前記角柱部とが相応する多角形であることにより、前記嵌合孔へ前記角柱部を嵌め込むときには、前記多角形により決まる角度差をもって、前記嵌合孔に対する前記角柱部の嵌合角度調節が可能である一方、前記嵌合孔へ前記角柱部を嵌め込んだ後は、両者の相互回転が阻止され、
このような前記嵌合孔と前記角柱部との嵌合により前記ジョイントパーツが前記フレームパーツに組み付けられ、前記フレームパーツに組み付けられた前記ジョイントパーツに、他のパーツを組み付けることが可能であり、
前記ジョイントパーツは、前記角柱部と接続された張出部を含み、
前記張出部と前記角柱部との間に、前記フレームパーツの前記嵌合孔の周囲の壁に嵌め込むことを可能にする間隔が設けられている、組立式模型玩具。
【請求項2】
多角形の嵌合孔を1つ以上備えたフレームパーツと、
前記嵌合孔に相応する多角形の角柱部を備え、該角柱部を前記嵌合孔に嵌め込んで使用するジョイントパーツと、
を少なくとも含んだ組立式模型玩具であって、
前記嵌合孔と前記角柱部とが相応する多角形であることにより、前記嵌合孔へ前記角柱部を嵌め込むときには、前記多角形により決まる角度差をもって、前記嵌合孔に対する前記角柱部の嵌合角度調節が可能である一方、前記嵌合孔へ前記角柱部を嵌め込んだ後は、両者の相互回転が阻止され、
このような前記嵌合孔と前記角柱部との嵌合により前記ジョイントパーツが前記フレームパーツに組み付けられ、前記フレームパーツに組み付けられた前記ジョイントパーツに、他のパーツを組み付けることが可能であり、
前記ジョイントパーツは、前記角柱部を突出させ、該角柱部よりも大径の四角柱部を含み、
前記四角柱部には、前記角柱部の形成されていない面に、ボール継手を多方向に可動できるように係合させる継手孔が凹設されている、組立式模型玩具。
【請求項3】
前記嵌合孔の内径に対する前記角柱部の外径の寸法差が0mm±0.03mmに設定されている、請求項1又は請求項2に記載の組立式模型玩具。
【請求項4】
前記嵌合孔及び前記角柱部の多角形が六角形で、これにより決まる前記角度差が60°である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組立式模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示するのは、人、動物、機械等を模した模型玩具であって、様々なパーツを組み立てて作成する組立式の模型玩具に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
一例としてあげた特許文献1に開示されているように、専用に設計した樹脂製パーツのキットからアニメ等のキャラクターを模した人形を組み立てる、組立式模型玩具が広く知られている。各パーツは、それぞれ組み付け先がすべて決められており、説明書通りに組み付けていくことで当該模型玩具は組み立てられる。
【0003】
このような組立式模型玩具では、使用するパーツはすべて専用設計されたものであり、これを購入した消費者が独自色を出すには、色の塗り方、パーツの加工といった特殊技術のスキルが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-327841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記背景に鑑みれば、当該分野の技術に習熟していなくとも、もっと気軽に、自分好みの模型玩具を組み立てられるような、拡張性の高いキットがあると良い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
当課題に対して提案する本発明の組立式模型玩具は、多角形の嵌合孔を1つ以上備えたフレームパーツと、前記嵌合孔に相応する多角形の角柱部を備え、該角柱部を前記嵌合孔に嵌め込んで使用するジョイントパーツと、を少なくとも含む。前記嵌合孔と前記角柱部とが相応する多角形であることにより、前記嵌合孔へ前記角柱部を嵌め込むときには、前記多角形により決まる角度差をもって、前記嵌合孔に対する前記角柱部の嵌合角度調節が可能である一方、前記嵌合孔へ前記角柱部を嵌め込んだ後は、両者の相互回転が阻止される。このような前記嵌合孔と前記角柱部との嵌合により前記ジョイントパーツが前記フレームパーツに組み付けられ、そして、前記フレームパーツに組み付けられた前記ジョイントパーツには、他のパーツを組み付けることが可能である。
【0007】
好ましい態様によれば、前記嵌合孔の内径と前記角柱部の外径とは中間ばめに設計するのがよい。これにより、パーツの組み付けやすさと取り外しやすさとがちょうど良い具合に調和する。また、好ましい態様によれば、前記多角形は六角形とする。六角形とすることにより、相互回転の阻止力が強く嵌合保持が確実である一方、嵌め込み時の嵌合角度を角度差60°をもって調節することができ、組み上がった模型玩具において多様な姿勢を設定することが可能になる。
【0008】
本発明では、上記の角柱部を備えたジョイントパーツの態様として、前記角柱部を少なくとも2つ、同じ向きか又は反対向きに備えているジョイントパーツ、そして、前記角柱部から延設された軸部を備え、該軸部が他のパーツの回転軸として使用されるジョイントパーツを提案する。また、上記の嵌合孔を備えたフレームパーツの態様として、人又は動物を模した人形の胴、腕又は足(あるいは武器などを模した付属物品)としての形状をもち、前記嵌合孔を複数備えているフレームパーツを提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明で提案する上記組立式模型玩具によれば、フレームパーツとジョイントパーツの同じキットであっても、パーツの組み付け角度を変えるだけで自分好みに組み立てることが可能であり、消費者独自の好みの姿勢に組み上げることが簡単にできる。また、規格化したフレームパーツ及びジョイントパーツを別売り部品として提供すれば、当該別売りパーツを購入し、別購入したジョイントパーツを利用して別購入したフレームパーツを付加的に組み付けることも可能となり、模型玩具の拡張性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の組立式模型玩具に含まれるフレームパーツとジョイントパーツの一実施形態を示す。
図2A】フレームパーツにおける嵌合孔及びその周壁の寸法とジョイントパーツの寸法に関する最適例の1つを示す。
図2B】フレームパーツにおける嵌合孔及びその周壁の寸法とジョイントパーツの寸法に関する別の最適例を示す。
図3】ジョイントパーツの第1実施形態を示す。
図4】ジョイントパーツの第2実施形態を示す。
図5】ジョイントパーツの第3実施形態を示す。
図6】ジョイントパーツの第4実施形態を示す。
図7】ジョイントパーツの第5実施形態を示す。
図8】ジョイントパーツの第6実施形態を示す。
図9】ジョイントパーツの第7実施形態を示す。
図10】ジョイントパーツの第8実施形態を示す。
図11】ジョイントパーツの第9実施形態を示す。
図12】ジョイントパーツの第10実施形態を示す。
図13】ジョイントパーツの第11実施形態を示す。
図14】ジョイントパーツの第12実施形態を示す。
図15】本発明に係る組立式模型玩具の組立完成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る組立式模型玩具の一実施形態として図1に、形状の異なる2つフレームパーツ1,2とこれらを連結するジョイントパーツ10を分解斜視図で示している。
フレームパーツ1は、射出成形される樹脂製の異形輪郭平板で、その厚さを貫通して複数の嵌合孔1aが形成されている。フレームパーツ2も同じく樹脂製の異形輪郭平板で、厚さを貫通する複数の嵌合孔2aをもつ。各嵌合孔1a,2aはいずれも同一規格で形成され、多角形の一例として六角形に形成される。
これらフレームパーツ1,2を連結するために使用するジョイントパーツ10は、嵌合孔1a,2aに相応する多角形、すなわち本実施形態では六角形の角柱部11,12を2つ備えている。ジョイントパーツ10は、角柱部11,12をフレームパーツ1,2の嵌合孔1a,2aに適宜嵌め込んで使用する。ジョイントパーツ10の角柱部11,12は、鍔部13を境にして互いに反対向きに形成されている。これに加えて本実施形態の場合、ジョイントパーツ10の中心軸に沿って軸支孔14が貫通形成されており、他のパーツの回転軸などを挿入、保持することができるようにしてある。
【0012】
嵌合孔1a,2a及び角柱部11,12のなす多角形は、四角形や八角形など六角形以外の他の角形でもよいが、例えば四角形では、ジョイントパーツ10を嵌め込むときの後述する角度差が90°と大きくなって、パーツ組み付け角度の選択肢が少なくなってしまう。また、例えば八角形では、ジョイントパーツ10を嵌め込むときの角度差が45°でパーツ組み付け角度の選択肢は広がるが、嵌合孔1a,2aに対する角柱部11,12の相対回転を阻止する力、すなわち、八角形の角どうしの係合力が弱くなる。この観点において、本実施形態の六角形断面が一番優れている。
【0013】
嵌合孔1aと角柱部11との嵌合によりジョイントパーツ10がフレームパーツ1に組み付けられる。そして、フレームパーツ1に組み付けられたジョイントパーツ10の角柱部12を、他のパーツであるフレームパーツ2の嵌合孔2aに組み付けることで、フレームパーツ1,2が相互に連結される。フレームパーツ2の組み付けに際しては、ジョイントパーツ10の角柱部12に対し、嵌合孔2aの嵌合角度を、六角形であることにより決まる60°の角度差(図2参照)をもって調節することが可能である。この嵌合角度調節により、両フレームパーツ1,2の連結角度を好みに応じて選択することができる。
【0014】
図2A及び図2Bに、フレームパーツ1,2における嵌合孔1a,2aまわりの寸法(両フレームパーツ共通)、ジョイントパーツ10における角柱部11,12及び軸支孔14の寸法、そして、嵌合孔1a,2aと角柱部11,12との嵌合角度調節に係る角度差に関して示す。嵌合孔1a,2aの内径と角柱部11,12の外径とは、パーツの組み付けやすさと取り外しやすさとがちょうど良い具合に調和した嵌合が設定されるように、中間ばめに設計するのが好ましい。その数値例を図2A及び図2Bに示してある。
【0015】
図2Aの例において、嵌合孔1a,2aは内径が5.2mm(設計値)であり、これに嵌合する角柱部11,12は、外径5.1mm(設計値)として形成される。すなわち、嵌合孔1a,2aの内径に対する角柱部11,12の外径の寸法差は-0.1mmに設計され、パーツの組み付けやすさと取り外しやすさとがちょうど良い具合に調和した中間ばめが設定される。角柱部11,12に設けられる軸支孔14は、内径が3.1mmに設計され、この軸支孔14に挿入される軸の外径は3.0mmに設計される(その差同じく0.1mm)。隣り合った嵌合孔1a,2aは最低1.2mmの間隔をもって形成されており、フレームパーツ1の側縁からも最低1.2mmの間隔離して各嵌合孔1a,2aは形成されている。これらの寸法は樹脂パーツとしての取り扱いやすさ、組み立てやすさを考慮して採用された値である。
【0016】
図2Bの例において、嵌合孔1a,2aは内径が5.2mm(設計値)であり、これに嵌合する角柱部11,12は、外径5.2mm(設計値)として形成される。この寸法5.2mm(=寸法差0mm)には、±0.03mの寸法差が許容される。例えば、嵌合孔内径5.2mmには±0.02mmの公差、角柱部外径5.2mmには±0.01mmの公差をそれぞれ許容することで、嵌合孔1a,2aの内径に対する角柱部11,12の外径の寸法差は0mm±0.03mmに設定される。この設定によれば、樹脂の弾性により、高い嵌合力を保持しつつ、パーツの組み付けやすさと取り外しやすさとがちょうど良い具合に調和した中間ばめが設定される。角柱部11,12に設けられる軸支孔14は、内径が3.0mmに設計され、この軸支孔14に挿入される軸の外径も3.0mmに設計される(同じく寸法差0mm±0.03mmの公差許容)。隣り合った嵌合孔1a,2aは最低1.2mmの間隔をもって形成されており、フレームパーツ1の側縁からも最低1.2mmの間隔離して各嵌合孔1a,2aは形成されている。これらの寸法は樹脂パーツとしての取り扱いやすさ、組み立てやすさを考慮して採用された値である。
【0017】
嵌合孔1a,2a及び角柱部11,12は相応する六角形で形成されるので、図中に示すように360°÷6=60°の角度差をもって嵌め込み時の嵌合角度を調節することができる。例えば、角柱部11,12の基準面Aについて見ると、当該基準面Aは、角柱部11,12を嵌合孔1a,2aへ嵌め込むときに、嵌合孔1a,2aの壁面Aと合わせる、ここから60°回転させて壁面Bと合わせる、さらに60°回転させて壁面C、同様にして壁面D,Eと合わせるなど、角度差60°ずつ嵌合角度を調節することができる。これにより、ジョイントパーツ10で連結するフレームパーツ1,2の連結角度を自分好みにするなど、組み上がった模型玩具において多様な姿勢を設定することが可能になる。
【0018】
図3図14に、ジョイントパーツの多様な実施形態を例示する。
【0019】
図3の第1実施形態は、図1のジョイントパーツ10であり、顎部13を境にして互いに反対向きに突出した角柱部11,12を備える。該ジョイントパーツ10は、中心軸に沿って軸支孔14を備えている。図示のように、角柱部11,12の先端角部分は、嵌合孔1a,2aへ嵌め込みやすいように面取り加工してある。第1実施形態のジョイントパーツ10は、2つのフレームパーツを適宜の角度で連結したい場合等に用いることができる。
【0020】
図4の第2実施形態は、例えば別パーツの回転軸を回転可能に受け入れて軸支するために使用可能なジョイントパーツ20である。上記同様の六角形とした角柱部21の端部に鍔部22が形成されていて、フレームパーツ1,2の嵌合孔1a,2aに角柱部21を嵌め込んだときに、鍔部22が嵌合孔1a,2aの開口縁部に係止してストッパの役割を担う。ジョイントパーツ20は中心軸に沿って軸支孔23を有する。
【0021】
図5の第3実施形態も、例えば別パーツの回転軸を回転可能に受け入れて軸支するために使用可能なジョイントパーツ30であって、第2実施形態のジョイントパーツ20から鍔部22を取り除いた形状を有する。第3実施形態のジョイントパーツ30は、上記同様の六角形とした角柱部31から全体が構成されているので、フレームパーツ1,2の嵌合孔1a,2aに嵌め込むと、パーツ全体が嵌合孔1a,2a内に隠れる。このジョイントパーツ30もは中心軸に沿って軸支孔32を有する。
【0022】
図6の第4実施形態に係るジョイントパーツ40は、角柱部41の端面中央から突き出すようにして、例えば上記第1~第3実施形態のジョイントパーツ10,20,30の軸支孔14,23,32へ挿入し軸支させる軸部42を延設した形態である。軸部42の外径は3.0mm(設計値)で、その先端角部分は差し入れやすいように面取り加工してある。例えば、図1のフレームパーツ1に第3実施形態のジョイントパーツ30を嵌め込み、且つフレームパーツ2には第4実施形態のジョイントパーツ40を嵌め込むと、両者のジョイントパーツ30,40は、軸支孔32に軸部42を軸支させて互いに組み付けることができ、フレームパーツ1,2を関節のごとく相互回動可能に連結することができる。
【0023】
図7の第5実施形態に係るジョイントパーツ50は、角柱部51の側方へ突き出るように軸部52を延設した形態である。角柱部51の一端部分から鉤形の張出部53がマグカップの取っ手のように張り出して形成され、この張出部53から軸部52が横向きに突設されている。鉤形張出部53の内側には、角柱部51との間に1.3mm(設計値)の間隔が設けられており、図2に示したフレームパーツ1,2における嵌合孔1a,2a周囲の壁厚1.2mm(設計値)に嵌め込めるように設計してある。軸部52は上記同様3.0mm(設計値)の外径を有する。このジョイントパーツ50は、例えば図7Bに示すように、フレームパーツ2などの端にある嵌合孔2aに角柱部51を嵌め込み、軸部52を側方へ突出させるようにして使用できる。このとき、角柱部51の嵌合孔2aに対する嵌合角度を上述のとおり角度差60°ずつ変えることで、軸部52の突出方向を思い通りに調節することができる。角柱部51には中心軸に沿って軸支孔54が設けられており、別のパーツの回転軸などを軸支できる。
【0024】
図8の第6実施形態に係るジョイントパーツ60は、2つの角柱部61,62を所定の間隔を置いて同じ向きに備えた形態である。2つの角柱部61,62は、前記所定の間隔を決める長さのブリッジ部63を介して端部どうしが接続されており、このブリッジ部63の中央部分から角柱部61,62と同じ方向へ、張出部64が突設されている。この張出部64と各角柱部61,62との間には1.3mm(設計値)の間隔が設定され、上記第5実施形態同様に、嵌合孔1a,2a周囲の壁厚1.2mm(設計値)に嵌め込めるように設計してある。角柱部61,62は両方とも、中心軸に沿った軸支孔65,66を有する。上述した角度差60°の嵌合角度調節機能を利用して角柱部61,62をフレームパーツ1,2の嵌合孔1a,2aへ嵌め込めるので、フレームパーツ1,2、あるいはその他のパーツを所望の角度をもって連結することができる。
【0025】
図9の第7実施形態に係るジョイントパーツ70は、2つの角柱部71,72を所定の間隔を置いて反対向きに備えた形態である。2つの角柱部71,72は、前記所定の間隔を決める長さのブリッジ部73を介して、互いに反対側の端部どうしが接続されており、このブリッジ部73の中央部分から各角柱部61,62とそれぞれ同じ方向へ、張出部74,75が反対向きに突設されている。この張出部74,75と対応する角柱部71,72との間には1.3mm(設計値)の間隔が設定され、上記第5実施形態同様に、嵌合孔1a,2a周囲の壁厚1.2mm(設計値)に嵌め込めるように設計してある。角柱部71,72は両方とも、中心軸に沿った軸支孔76,77を有する。上述した角度差60°の嵌合角度調節機能を利用して角柱部71,72をフレームパーツ1,2の嵌合孔1a,2aへ嵌め込めるので、フレームパーツ1,2、あるいはその他のパーツを所望の角度をもって連結することができる。
【0026】
図10の第8実施形態に係るジョイントパーツ80は、角柱部81を1つと、この角柱部81と同じ向きに突出した軸部82とを備えた形態である。角柱部81と軸部82とは、ブリッジ部83を介し所定の間隔でつながれている。軸部82の根本部分は、角柱部81と同じ六角形のプレート状に形成される。ブリッジ部83の中央部分から角柱部81及び軸部82と同じ方向へ、張出部84が突設されている。この張出部84と角柱部81との間には1.3mm(設計値)の間隔が設定され、上記第5実施形態同様に、嵌合孔1a,2a周囲の壁厚1.2mm(設計値)に嵌め込めるように設計してある。角柱部81には、中心軸に沿った軸支孔85が形成される。上述した角度差60°の嵌合角度調節機能を利用して角柱部81をフレームパーツ1(2)の嵌合孔1a(2a)へ嵌め込むことができ、他方の軸部82は、他のパーツの軸支孔などに挿入し、保持させて使用する。
【0027】
図11の第9実施形態に係るジョイントパーツ90は、角柱部91を1つと、この角柱部91と反対向きに突出した軸部92とを備えた形態である。上記第8実施形態同様に、角柱部91と軸部92とは、ブリッジ部93を介し所定の間隔でつながれている。軸部92の根本部分は、角柱部91と同じ六角形のプレート状に形成される。ブリッジ部93の中央部分から角柱部91と同じ方向へ、張出部94が突設されている。この張出部94と角柱部91との間には1.3mm(設計値)の間隔が設定され、上記第5実施形態同様に、嵌合孔1a,2a周囲の壁厚1.2mm(設計値)に嵌め込めるように設計してある。角柱部91には、中心軸に沿った軸支孔95が形成される。上述した角度差60°の嵌合角度調節機能を利用して角柱部91をフレームパーツ1(2)の嵌合孔1a(2a)へ嵌め込むことができ、他方の軸部92は、他のパーツの軸支孔などに挿入し、保持させて使用する。
【0028】
以上の各実施形態のジョイントパーツは、互いに組み合わせて使用することも可能である。
【0029】
図12の第10実施形態に係るジョイントパーツ100は、嵌合孔1a,2aへ嵌め込む角柱部101と、この角柱部101よりも大径の四角柱部102(角部面取り加工済み)とを備えた形態である。ジョイントパーツ100は、角柱部101が四角柱部102の端面から突出する形状に形成され、四角柱部102の反対側の端面から内部に、棒の頭部に球状膨出部を形成したこけし形(右下拡大図参照)のボール継手103を係合させる継手孔104を凹設してある。継手孔104に嵌め入れたボール継手103は、多方向へ動かせる自由度の高いボールジョイントとして機能する。ボール継手103(外径3.0mm設計)は、上記各実施形態にある軸支孔などに嵌入される。
【0030】
図13の第11実施形態に係るジョイントパーツ110は、嵌合孔1a,2aへ嵌め込む角柱部111と、この角柱部111よりも大径の四角柱部112(角部面取り加工済み)とを備えた形態であり、角柱部111が四角柱部112の側面から突出する形状に形成されている。四角柱部112の端面から内部には、上記第10実施形態同様のボール継手113を係合させる継手孔114が凹設される。継手孔114に嵌め入れたボール継手113は、多方向へ動かせる自由度の高いボールジョイントとして機能し、このボール継手113(外径3.0mm設計)が、上記各実施形態にある軸支孔などに嵌入される。
【0031】
図14の第12実施形態に係るジョイントパーツ120は、図7のジョイントパーツ50と同様に側方へ突き出した軸部の頭部に、球状膨出部を形成した形態で、つまり、角柱部121の側方へ突き出るようにボール継手122を延設した形態である。角柱部121の一端部分から鉤形の張出部123が張り出して形成され、この張出部123からボール継手122が横向きに突設されている。鉤形張出部123の内側には、上記同様、角柱部121との間に1.3mm(設計値)の間隔が設けられている。角柱部121には中心軸に沿って軸支孔124が設けられており、別のパーツの回転軸などを軸支できる。ボール継手122は、例えば、図12及び図13の第10及び第11実施形態のジョイントパーツ100,110の継手孔104,114へ嵌め入れて使用することができる。
【0032】
図15に、以上のようなフレームパーツとジョイントパーツを多種類使用して組み立てた組立式模型玩具(変形ロボット型模型玩具)の完成例を示す。この完成例において、足や首、胴の関節角度、あるいは武器などの取り付け角度は、ジョイントパーツの嵌合角度調節によって適宜変更することができ、様々な姿勢を作り出すことができる。
【0033】
実施形態を例示して説明した上記組立式模型玩具によれば、ジョイントパーツによりパーツの組み付け角度を変えるだけで自分好みに組み立てることが可能であり、自分好みの姿勢に組み上げることが簡単にできる。また、規格化したフレームパーツ及びジョイントパーツを別売り部品として提供することにより、当該別売りパーツを購入して付加的に組み付けることも可能となり、模型玩具の拡張性が格段に向上する、といった利点がある。
【符号の説明】
【0034】
1,2 フレームパーツ
1a,2a 嵌合孔
10 ジョイントパーツ
11,12 角柱部
13 鍔部
14 軸支孔
20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120 ジョイントパーツの各種実施形態
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15