(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】3D印刷によってロボット部材を、特にグリッパを製造する方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/10 20170101AFI20220201BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220201BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20220201BHJP
【FI】
B29C64/10
B33Y10/00
B33Y80/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020016801
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】10 2019 102 913.9
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520042489
【氏名又は名称】ホッホシューレ オッフェンブルク
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ ハンスト
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ジュンク
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ベント
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-528661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0331949(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット工学で適用するためのロボット部材
を3D印刷する方法において、
マルチマテリアル印刷によって少なくとも1つのセンサ(7)が前記ロボット部材の印刷中に同時印刷される方法。
【請求項2】
複数のセンサ(9,11,13,15)の組み合わせが前記ロボット部材の印刷中に同時印刷されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
端子、配線(7a,9a,11a,b,13a,15a,25a,b,26a,b)、コネクタ、および/または接続部材が同時印刷されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
複合材
料が同時印刷または埋設されることを特徴とする、先行請求項
1から3のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記センサ(9,11,13,15)と強化繊維が印刷中にそれぞれ異なる平面に配分されることを特徴とする、先行請求項
1から4のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ロボット部材に少なくとも1つのカメラ(19)が印刷中の埋設によって統合されることを特徴とする、先行請求項
1から5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
1つのフィンガ(5)全体が一体として印刷されることを特徴とする、先行請求項
1から6のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
先行請求項
1から7のうちいずれか1項に記載の方法によっ
てロボットのための操作部材または把持部材
を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D印刷によってロボット部材を、特にグリッパを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような種類の方法は、たとえばグリッパ、操作部材、フィンガなどを製造するためにロボット工学で適用される。
【0003】
しかしロボット工学における把持システムには、拡大する応用プロフィルとともに高まる一方の要求事項が課せられている。ところが、たとえば相応の鋳型を用いる鋳造、切削方法などの従来式の製造方式は適用分野を部分的にしかカバーしておらず、そのため、1つのロボットで把持システムを取り替えなければならず、ロボットの装備時間が長くなるのみならず、相応に異なる複数の把持システムを製造しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、多機能的に適用可能であり、ロボットの装備時間を短縮するロボット部材を、特にグリッパを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は本発明により、請求項1の構成要件を有する方法によって解決される。
【0006】
把持フィンガまたは操作フィンガ、把持ジョーまたは操作ジョーなどの(把持のため、操作のため、行動するためなどの)1つのロボット部材の全体が3D印刷により製作されることで、普通であれば必要となる他の製造プロセス、たとえば別個のセンサや(多くの場合に柔軟な)材料での被覆などの取付けが不要となる。
【0007】
本発明によると、このような種類のロボット部材の製造はマルチマテリアル印刷によって行われ、それにより、把持部材や操作部材の多くの場合に柔軟な特別な外側面ないし外側層を臨機応変に構成できるだけでなく、少なくとも1つのセンサ(容量性、誘導性、抵抗性、ホール効果)もロボット部材の製造中に一緒に統合され、特にロボット部材の印刷中に同時印刷され、すなわちそれ自体が印刷によって製作される。
【0008】
さらに本発明による製造方法は、必要な耐荷重性、耐摩耗性、曲げ強さ、剛性、硬度などを、特に把持部材や操作部材の下側ないし内側の層の相応の材料選択によって保証するという可能性を提供し、さまざまに異なる層を製作するためにさまざまに異なる材料を使用することができる。このようにして、さまざまに異なる所望の材料特性を、同一の部材ないしコンポーネントにただ1つの製造方法で統合することができ、他の加工ステップが必要になることがない。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、複数の(同種類の、またはそれぞれ異なる)センサの組み合わせがロボット部材の印刷中に同時印刷される。このようにして、冗長的および/または多機能のセンサ機能が可能となり、本発明に基づいて製造されたコンポーネントの後加工が必要になることがない。
【0010】
本発明の別の実施形態では、端子、配線、コネクタ、および/または結合部材が同時印刷され、本発明に基づいて製造されたコンポーネントの後加工が必要になることがない。
【0011】
本発明の特別に好ましい実施形態では、複合材料、特に強化繊維が同時印刷され(マイクロファイバ)、または同じく印刷中に埋設される(エンドレスファイバ)。たとえば非常に短い繊維成分、いわゆるマイクロファイバ(特に炭素繊維、ポリアミドなど)がすでに印刷材料の中にあってよく、このようにしてノズルによりプリントベッドに、ないしはすでに存在する層に塗布する(同時印刷する)ことができる。他方では、繊維をエンドレスファイバ(特に炭素繊維)として第2のノズルによって各々の任意の層の中へ印刷中に、または印刷休止中に挿入することができる。
【0012】
本発明の別の実施形態では、センサと強化繊維が印刷中にそれぞれ異なる平面へ分配される。それにより、導電性の強化繊維がセンサに影響を及ぼしたり、さらには短絡を生起するのを防止することができる。このとき、センサを含んでいる1つの層ないし複数の層と、導電性の繊維を有する層との間の移行部に絶縁層が追加的に設けられていてよく、それにより、センサへの(電気的な)機能面の悪影響を排除することができる。
【0013】
本発明の別の実施形態では、少なくとも1つのカメラが挿入および/または埋設によって印刷中に(場合により次の層の印刷前の休止中にも)統合される。
【0014】
本発明の特別に好ましい実施形態では、ロボットの1つの操作部材または把持部材の全体が、特にフィンガがただ1つの(印刷)素材で、場合によりジョイント部材を含めて、3D印刷により印刷される。
【0015】
上記の実施形態により、従来式の把持システムや操作システムと比較して重量も削減できるという利点がある。センサ、配線、コネクタ、結合部材などの各部材が同時印刷され、および/または埋設されるからである。3Dマルチマテリアル印刷による本発明に基づく強化繊維も重量の削減に貢献し、それは、材料のいっそう高い耐荷重性、耐摩耗性、曲げ強さ、剛性、硬度などが、材料の量の増大によってではなく上記の強化繊維によって実現されることによる。さらに本発明の方法により、生物工学的な形態を簡単な仕方で具体化することができ、すなわち、たとえば強度上の理由から必要であるところでのみ当該材料が使用される。
【0016】
本発明のその他の好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0017】
次に、図面に示されている実施形態を参照しながら本発明について詳しく説明する。
図面には次のものが示されている:
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1a】本発明に基づいて製造されたロボットの把持システムの模式図を示す正面図である。
【
図1b】
図1aの把持システムを示す側面図である。
【
図1c】
図1bの切断線A-Aに沿った断面図である。
【
図2a】容量性のセンサを有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図2b】
図2aの線A-Aに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【
図3a】誘導性のセンサを有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図3b】
図3aの線A-Aに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【
図4a】抵抗性のセンサを有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図4b】
図4aの線A-Aに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【
図5a】ホールセンサを有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図5b】
図5aの線A-Aに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【
図6a】容量性、誘導性、および抵抗性のセンサからなる組み合わせを有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図6b】
図6aの線A-Aに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【
図7a】容量性、誘導性、抵抗性のセンサ、ならびにホールセンサをそれぞれ異なる層に有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図7b】
図7aの線A-A,B-BおよびD-Dに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【
図8a】マルチセンサを有する
図1aから
図1dの把持フィンガを示す側面図である。
【
図8b】
図6aの線A-Aに沿って把持フィンガを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1aから
図1dに示すロボットの把持システム1は、制御ユニット3と、複数の、たとえば2つの、フィンガ5として構成された把持部材または操作部材とで成り立っている。ここでは制御ユニット3は、フィンガ5とロボットとの間の機械的な結合部材を形成し、さらに、これら両方のコンポーネントの間の電気的な接続も成立させるのが好ましい。各々のフィンガ5は、フィンガ5の任意の回転ならびにその迅速な設備拡充や設備変更を保証するために、独自のアクチュエータを備えているのが好ましい。これに加えてフィンガは、さまざまに異なる対象物での把持経路ないし把持時間の短縮を可能にするために、長軸に対して両方の方向へ-たとえば7°だけ-傾くことができるのが好ましい。
【0020】
把持をするために、好ましくは把持システム1の中心軸Mに対して回転対称に構成されるフィンガ5は、把持システム1の中心軸に対して横向きの軸に沿って(
図1aの紙面で水平方向に)、(図面に示すような)最大の間隔と(各フィンガが相互に接触するまでの)最小の間隔との間で相互に動くことができる。
【0021】
当然ながら、2つのフィンガ5を有する図示した把持システム1は、本発明に基づく全般的な把持システムの例示であるにすぎず、これ以上のフィンガを有する把持システム、たとえば中心軸Mを中心として半径方向に等しく配分された3つのフィンガを有する把持システムなども考えられる。
【0022】
このときフィンガ5の回転、傾動、および運動は、相応の装置(特に電気式の調節モータ)によって、制御ユニット3とフィンガ5の間の結合部の領域で、またはフィンガ5そのものの中で(たとえばそれぞれ異なるフィンガ区域で、または追加的に存在するフィンガジョイントで)具体化されていてよい。
【0023】
図1aから
図1dに示す2つのフィンガ5は、それぞれの内面にセンサ7を有しており、これらのセンサは両方の層23のうちの1つに、または一番上の層に、中心軸Mの方向で(マルチマテリアル印刷により)組み込まれるとともに、好ましくは外皮として機能する一番外側の層の下方に位置する。このようにして、センサ7が外部との機械的な接触に対して防護される。センサの種類として、ここでは一例として容量性、抵抗性、誘導性のセンサさらにはホールセンサが考慮の対象となる。
【0024】
センサ7は、フィンガ5の内部でセンサ7と同様に同時印刷された、制御システムないしその中に格納されたエレクトロニクスへと通じる供給配線7aを有している。センサ7はそれぞれの供給配線7aを介して、詳しくは図示しない仕方で、場合により相応の接続部材(コネクタ、ブッシュなど)を介して外部からアクセス可能であるとともに、ロボットの相応の端子に接続可能である。このとき接続部材も、同じく同時印刷ないし埋設される。
【0025】
センサ7は、そのさまざまに異なる構成(コンデンサ、コイル、抵抗、歪みゲージ、ホールセンサなど)において、それ自体として電気絶縁性の層として構成される(たとえば上側の外側の)層の内部で同一平面上に位置するのが好ましい。
【0026】
それに対して、センサ7を含むこの層の下方あるいは上方には、強化繊維が(印刷材料中のファイバによって、またはプリントベッドへのエンドレスファイバの挿入によって)、たとえそれが導電性の材料(たとえば炭素)でできている場合でさえ存在していてよい。
【0027】
それぞれのフィンガ5の間の中央領域に位置するように、制御ユニット3にカメラ19が埋設されており、その対物レンズ21がフィンガ5の方向に、ないしはフィンガによって把持されるべき物体の方向に向いており、把持または操作されるべき物体を画像として検出するために、それぞれのフィンガ5の間の領域をカバーする。
【0028】
カメラ19は、印刷された切欠きの中に挿入されることによって、または位置決めされたカメラの周囲に印刷がなされることによって印刷中断中に埋設することができ、それにより、そのレンズまたは対物レンズが所望の焦点を有する所望の個所にくるようにされる。
【0029】
このときにカメラの接続をするための接続配線(端子)と接続部材が同時印刷され、または同じく埋設されるのが好ましく、それによりカメラの接触を外部から、ないしは外面を通して行わなくてよくなる。このような種類の統合された設計形態は、設計高さを削減し、望ましくない外側でのケーブル案内を回避することに寄与する。
【0030】
図2から
図8には、
図1ないし
図1aから1dに全般的に示しているセンサ7のさまざまに異なる実施形態が説明されている。
【0031】
たとえば
図2aおよび
図2bに単独部品として示されているフィンガ5は、フィンガ先端部の端部領域ないし把持面に、第1の実施例において容量性のセンサ9を供給配線9aとともに有している。
図2aから明らかなように、センサ9の両方のプレートは紙面で水平方向に相並んで位置しているが、当然ながら、相上下しての配置(紙面で垂直方向)も考えられる。それによって具体化される容量性のセンサ(コンデンサ)の両方のプレートは同じ(外側の)層で同一平面に位置し、この層がさらに各プレートの間の絶縁部(誘電体)としての役目を果たす。
【0032】
図3aおよび
図3bに示す第2の実施例では、フィンガ5は1つの層の内部に(層平面に対して同一平面上に)あるコイル11を(容量性のセンサ9に代わる)誘導性のセンサとして、供給配線11a(端部タップ)および11b(中央タップ)として有している。平面図で示しているこの層は、誘導式に影響を受けることができる任意の層である。これはセンサの感度を高めるために上側の層のうちの1つであるか、あるいはさらにフィンガの一番外側の層であるのが好ましい。
【0033】
図4aおよび
図4bに示す第3の実施例は、コイル11に代えて歪みゲージ13(抵抗性のセンサ)が供給配線13aと同一平面でどのように1つの平面に印刷されるかを
図3aおよび
図3bに準ずる仕方で示しており、図示している層も、このケースでは機械式に影響を受ける、必ずしも一番外側の層でなくてもよい任意の層であってよい。歪みゲージ13はフィンガ5の長軸Lの方向で、長軸Lに対して横向きの幅よりも大きい伸長(長さ)を有するのが好ましく、それにより、荷重のもとで生じるフィンガ5の撓曲の結果としての長さ変化をいっそう容易に検知することができる。
【0034】
図5aおよび
図5bに示す第4の実施例は、歪みゲージ13に代えてホールセンサ15が、供給配線15a,b,cと同一平面でどのように1つの平面に印刷されるかを-
図4aおよび
図4bに準ずる仕方で-示しており、図示している層も、このケースでは磁気式に(誘導式に)影響を受ける、必ずしも一番外側の層でなくてもよい任意の層であってよい。
【0035】
図6aおよび
図6bに示す第5の実施例からは、複数のセンサからなる組み合わせを、すなわちたとえば容量性のセンサ9、誘導性のセンサ11、および抵抗性のセンサ13からなる組み合わせを、1つの層の内部に印刷することもできることが明らかである。
【0036】
同種類の、あるいはそれぞれ異なるセンサ9,11,13,15、ならびにこれらからなる任意の組み合わせを1つの層の内部に印刷する代わりに、
図7aおよび
図7bから明らかとなる第6の実施例に示すように、センサ9,11,13,15をそれぞれ異なる層にわたって配分することも可能である。
図7bの右側の図(断面A-A)に示すものに代えて、紙面で水平方向に相並んで位置する容量性のセンサ9の両方のプレートが、当然ながら垂直方向に相上下して、あるいは互いにオフセットして配置されていてもよい。断面B-Bに示すコイル11の円形の模式的な構成は、任意の螺旋状の、特に角形の構成の一例であるにすぎない。
【0037】
さらに、マルチマテリアル印刷(3D)を用いた層ごとの構造により、種々の支持材料を組み合わせることが可能である。たとえば把持部材の、特にフィンガ5の安定性を高めるために、把持面から(フィンガ長軸Lに対して垂直方向に)離れた層では硬質の支持材料を使用することができる。それに対して把持面17の領域では、特に端部領域(フィンガ先端部)では、フィンガ5と物体の間の摩擦を高めるとともに把持されるべき物体の損傷を回避するために、外側の層(および場合により追加的にその下に位置する層)の印刷にたとえばゴムなどの弾性的な材料を使用することができる。
【0038】
図8aおよび
図8bに示す第6の実施例は、紙面で相上下して配置される長方形に構成された2つの螺旋25(第1のマルチセンサ素子)および26(第2のマルチセンサ素子)を有するマルチセンサ、特に4in1センサを示している。螺旋25および26がそれぞれの端子25a,bおよび26a,bを介してどのように接続ないし配線されるかに応じて、このマルチセンサは誘導性、容量性、または抵抗性のセンサ(DMS)として作動することができる。
【0039】
両方の端部タップ25aおよび26a(または25bおよび26b)が使用されると、このマルチセンサは容量性のセンサとして作用し、両方のセンサ素子25および26がコンデンサプレートとしての役目を果たす。
【0040】
また、外側および内側の端子ないしタップ25aおよび25bないし26aおよび26bが使用されると、各々のセンサ素子25および26が抵抗性または誘導性のセンサとして作用する。これらのセンサの二重の構成に代えて、当然ながら、各センサ素子を直列につなぐことも考えられ、それにより、各センサ素子が拡大された誘導性または抵抗性のセンサとして作用する。
【0041】
センサ素子25および26が2つのセンサとして作用するとき、得られた両方の測定値を相互チェックのために(単純な冗長性)、または外乱要因の除去のために(たとえば測定結果への加熱の影響の除去)利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 把持システム
3 制御ユニット
5 フィンガ
7 センサ
7a センサ7の供給配線
9 コンデンサプレートないし容量性のセンサ
9a センサ9の供給配線
11 コイルないし誘導性のセンサ
11a センサ11の供給配線 外側の端子(端部タップ)
11b センサ11の供給配線 内側の端子(中央タップ)
13 歪みゲージないし抵抗性のセンサ
13a センサ供給配線
15 ホールセンサ
15a センサ供給配線
17 把持面
19 カメラ
21 対物レンズ
23 強化繊維
25 第1のマルチセンサ素子
25a 供給配線 センサ25の外側の端子(端部タップ)
25b 供給配線 センサ25の内側の端子(内側のタップ)
26 第2のマルチセンサ素子
26a 供給配線 センサ26の外側の端子(端部タップ)
26b 供給配線 センサ26の内側の端子(内側のタップ)
M 把持システム1の中心軸
L フィンガ5の長軸
Z 詳細部