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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】半導体処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220201BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20220201BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
H01L21/304 642Z
H01L21/304 648A
H01L21/304 648K
H01L21/68 N
H01L21/306 K
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020566719
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2019101143
(87)【国際公開番号】W WO2020048306
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2020-11-27
(31)【優先権主張番号】201811040519.7
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811040534.1
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516206071
【氏名又は名称】无錫華瑛微電子技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAYING RESEARCH CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】A-1 Floor,Cetus Building No.18 Zhenze Road,New District Wuxi,Jiangsu 214135(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】温 子瑛
(72)【発明者】
【氏名】王 致凱
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/088221(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/088324(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107845586(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108426758(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108426978(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/683
H01L 21/306
B08B 3/04
B08B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置であって、第一キャビティと第二キャビティを含み、
前記第二キャビティは第一キャビティに相対してオン位置とオフ位置との間で移動することができ、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しているとき、第一キャビティと第二キャビティとの間にはマイクロキャビティが形成され、1つまたは複数の半導体ウェハは前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納され、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオン位置に位置しているとき、前記半導体ウェハを前記マイクロキャビティから取り出すかまたは送入することができ、
前記第一キャビティは該第一キャビティから前記マイクロキャビティの内壁表面側に窪んで形成される第一凹型通路を具備し、前記第二キャビティは該第二キャビティから前記マイクロキャビティの内壁表面側に窪んで形成される第二凹型通路を具備し、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しておりかつ前記半導体ウェハが前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第一凹型通路と前記第二凹型通路は連通しかつ第一凹型通路と第二凹型通路により辺縁部処理空間が形成され、前記半導体ウェハの辺縁部は前記辺縁部処理空間内に挿入され、前記辺縁部処理空間は辺縁部処理用貫通孔により外部と連通し、処理流体は辺縁部処理用貫通孔により前記マイクロキャビティ内に注入されるかまたは前記マイクロキャビティから流出することを特徴とする半導体処理装置。
【請求項2】
前記半導体ウェハの辺縁部の第一側表面、第二側表面および外端面は前記マイクロキャビティ内に露出し、前記辺縁部処理用貫通孔において、1個または複数個の辺縁部処理用貫通孔は流体の入口になり、1個または複数個の辺縁部処理用貫通孔は流体の出口になることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項3】
前記辺縁部処理空間は環状であり、前記半導体ウェハの辺縁部全体は前記辺縁部処理空間内に挿入され、前記辺縁部処理空間は密閉の空間でありかつ辺縁部処理用貫通孔により外部と連通しており、
前記第一凹型通路の内壁の頂部は前記第一キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第一側表面に当接し、前記第二凹型通路の内壁の頂部は前記第二キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第二側表面に当接することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記半導体処理装置は1個または複数個の円形スペーサーを更に含み、前記円形スペーサーの直径は前記半導体ウェハの直径より小さく、
前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しているとき、前記マイクロキャビティ内には複数の半導体ウェハが収納され、2つの前記半導体ウェハの間には円形スペーサーが1つずつ取り付けられ、
前記マイクロキャビティ内に収納されている各半導体ウェハの辺縁部は前記辺縁部処理空間内に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記辺縁部処理空間は環状であり、各半導体ウェハの辺縁部全体は前記辺縁部処理空間内に挿入され、各半導体ウェハの辺縁部の上表面、下表面および外端面はいずれも前記辺縁部処理空間内に露出していることを特徴とする請求項4に記載の半導体処理装置。
【請求項6】
前記円形スペーサーと前記半導体ウェハは同軸に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の半導体処理装置。
【請求項7】
前記半導体処理装置は第一キャビティおよび/または第二キャビティ上に設けられる高さ調節構造を更に含み、高さ調節構造は前記マイクロキャビティの高さを調節することによりそのマイクロキャビティ内にいろいろな数量の半導体ウェハを収納させることを特徴とする請求項4に記載の半導体処理装置。
【請求項8】
前記高さ調節構造は着脱可能なスペーサーを含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体処理装置。
【請求項9】
前記第二キャビティは当該第二キャビティから前記マイクロキャビティの内壁表面側へ窪んで形成される1個または複数個の凹入部を含み、前記1個または複数個の凹入部は前記第二凹型通路の裏側に位置しており、
前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しておりかつ前記半導体ウェハが前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第二キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第二側表面が前記1個または複数個の凹入部の頂部を覆うことにより1個または複数個の裏側処理空間が形成され、各前記裏側処理空間は裏側面処理用貫通孔により外部と連通し、流体は裏側面処理用貫通孔により各前記裏側処理空間に流入するかまたは各前記裏側処理空間から流出することを特徴とする請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項10】
前記裏側面処理用貫通孔において、1個または複数個の裏側面処理用貫通孔は流体の入口になり、1個または複数個の裏側面処理用貫通孔は流体の出口になり、前記裏側処理空間は密閉の空間でありかつ裏側面処理用貫通孔により外部と連通していることを特徴とする請求項9に記載の半導体処理装置。
【請求項11】
半導体処理装置であって、第一キャビティと第二キャビティを含み、
前記第二キャビティは第一キャビティに相対してオン位置とオフ位置との間で移動することができ、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しているとき、第一キャビティと第二キャビティとの間にはマイクロキャビティが形成され、1つまたは複数の半導体ウェハは前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納され、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオン位置に位置しているとき、前記半導体ウェハを前記マイクロキャビティから取り出すかまたは送入することができ、
前記第一キャビティは前記マイクロキャビティと対向する内壁表面を具備し、前記第二キャビティは前記マイクロキャビティと対向する内壁表面を具備し、
前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しておりかつ前記半導体ウェハが前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第一キャビティの内壁表面は少なくとも、前記第一キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第一側表面の辺縁部に当接し、前記第二キャビティの内壁表面は少なくとも、前記第二キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第二側表面の辺縁部に当接し、前記第一キャビティの内壁表面と前記第二キャビティの内壁表面との間には前記半導体ウェハの外側に位置する外端面処理空間が形成され、前記外端面処理空間は外端面処理用貫通孔により外部と連通し、処理流体は前記外端面処理用貫通孔により前記マイクロキャビティ内に注入されるかまたは前記マイクロキャビティから流出することを特徴とする半導体処理装置。
【請求項12】
前記半導体ウェハの外端面は前記外端面処理空間内に露出し、前記外端面処理用貫通孔において、1個または複数個の外端面処理用貫通孔は流体の入口になり、1個または複数個の外端面処理用貫通孔は流体の出口になることを特徴とする請求項11に記載の半導体処理装置。
【請求項13】
前記外端面処理空間は環状であり、前記外端面処理空間は密閉の空間でありかつ外端面処理用貫通孔により外部と連通していることを特徴とする請求項11に記載の半導体処理装置。
【請求項14】
前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しているとき、前記マイクロキャビティ内には複数の半導体ウェハが重畳状態に収納され、
前記マイクロキャビティ内に収納される複数の半導体ウェハの各外端面はいずれも前記外端面処理空間内に露出していることを特徴とする請求項11に記載の半導体処理装置。
【請求項15】
前記外端面処理空間は環状であり、前記半導体ウェハは同軸に取り付けられることを特徴とする請求項14に記載の半導体処理装置。
【請求項16】
前記半導体処理装置は第一キャビティおよび/または第二キャビティ上に設けられる高さ調節構造を更に含み、高さ調節構造は前記マイクロキャビティの高さを調節することによりそのマイクロキャビティ内にいろいろな数量の半導体ウェハを収納させることを特徴とする請求項14に記載の半導体処理装置。
【請求項17】
前記高さ調節構造は着脱可能なスペーサーを含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体処理装置。
【請求項18】
前記第二キャビティは当該第二キャビティから前記マイクロキャビティの内壁表面側へ窪んで形成される凹入部を含み、前記凹入部は前記外端面処理空間の裏側に位置しており、
前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しておりかつ前記半導体ウェハが前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第二キャビティに近づいている前記半導体ウェハの1つの側表面が前記凹入部の頂部を覆うことにより裏側処理空間が形成され、前記裏側処理空間は裏側面処理用貫通孔により外部と連通し、流体は裏側面処理用貫通孔により各前記裏側処理空間に流入するかまたは各前記裏側処理空間から流出することを特徴とする請求項11に記載の半導体処理装置。
【請求項19】
前記裏側面処理用貫通孔において、1個または複数個の裏側面処理用貫通孔は流体の入口になり、1個または複数個の裏側面処理用貫通孔は流体の出口になり、前記裏側処理空間は密閉の空間でありかつ裏側面処理用貫通孔により外部と連通していることを特徴とする請求項18に記載の半導体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハまたは類似している部品の表面処理技術に関し、特に、半導体処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許番号が201210171681.9である中国特許と201210088237.0である中国特許には半導体ウェハの処理に用いられるマイクロキャビティ処理装置が公開されている。前記マイクロキャビティ処理装置はいずれも第一キャビティと第二キャビティを含み、前記第一キャビティと第二キャビティは駆動装置の駆動により前記半導体ウェハを搭載し、かつ/または除去するオン位置と前記半導体ウェハを収納させるとともに処理するオフ位置との間で移動することができる。第一キャビティと第二キャビティがオフ位置に位置しているときマイクロキャビティが形成され、半導体ウェハは前記マイクロキャビティ内に収納される。前記第一キャビティおよび/または前記第二下キャビティは、処理用流体が前記マイクロキャビティ内に流入する1個または複数個の入口と、処理用流体を前記マイクロキャビティから排出する1個または複数個の出口とを含む。処理をするとき、前記マイクロキャビティ内には処理用流体一杯に注入され、半導体ウェハ全体は処理用流体に浸くので、前記マイクロキャビティ処理装置により半導体ウェハ全体を処理することができるが、半導体ウェハの所定の部分のみを処理することができない。
【0003】
しかしながら、所定の半導体部品を製造するとき、半導体ウェハの辺縁部のみを処理し、半導体ウェハの他の部分に影響を与えることを防止する必要がある。
【0004】
例えば、半導体部品を製造するとき、エッチングにより半導体ウェハの辺縁部の薄膜層を除去する必要があるが、他の薄膜層を破損してはいけない場合がある。以下、図面にその工程を説明する。
【0005】
図1a~図1dにおいて、図1aは半導体ウェハ400の構造を示す図であり、図1bは図1a中のA-A線に沿う断面を示す断面図であり、図1cは外縁処理前の半導体ウェハの辺縁部を示す断面図であり、図1dは外縁処理後の半導体ウェハの辺縁部を示す断面図である。図1a~図1dに示すとおり、半導体ウェハ400は基材層401と基材層401の第一側表面および第二側表面に集積される薄膜層402とを含む。半導体ウェハ400の辺縁部の所定の部分を腐食させることにより半導体ウェハ400の辺縁部の薄膜層402を除去し、基材層401の第一側表面と第二側表面を露出させる。現在、半導体ウェハの辺縁部の所定の部分を腐食させるため通常、乾式処理方法を採用する。乾式処理方法において、プラズマ発生器(Plasma generator)を半導体ウェハの辺縁部に向くようにした後、プラズマを所定の部分に発射することにより辺縁部の薄膜層を除去することができるが、乾式処理方法はコストが多くかかり、操作が複雑であるという欠点を有している。
【0006】
そのため、従来技術のマイクロキャビティ処理装置を改良することにより半導体ウェハの辺縁部のみを処理することができる半導体処理装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は半導体ウェハの辺縁部のみを処理することができる半導体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の実施例において下記半導体処理装置を提供する。その半導体処理装置は第一キャビティと第二キャビティを含む。前記第二キャビティは第一キャビティに相対してオン位置とオフ位置との間で移動することができ、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しているとき、第一キャビティと第二キャビティとの間にはマイクロキャビティが形成され、1つまたは複数の半導体ウェハは前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納され、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオン位置に位置しているとき、前記半導体ウェハを前記マイクロキャビティから取り出すかまたは送入することができる。前記第一キャビティは該第一キャビティから前記マイクロキャビティの内壁表面側に窪んで形成される第一凹型通路を具備し、前記第二キャビティは該第二キャビティから前記マイクロキャビティの内壁表面側に窪んで形成される第二凹型通路を具備し、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しておりかつ前記半導体ウェハが前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、第一凹型通路と第二凹型通路は連通しかつ第一凹型通路と第二凹型通路により辺縁部処理空間が形成され、前記半導体ウェハの辺縁部は前記辺縁部処理空間内に挿入され、前記辺縁部処理空間は辺縁部処理用貫通孔により外部と連通し、処理流体は辺縁部処理用貫通孔により前記マイクロキャビティ内に注入されるかまたは前記マイクロキャビティから流出する。
【0009】
従来技術と比較してみると、本発明の第一キャビティと第二キャビティの内壁表面側には対応する第一凹型通路と第二凹型通路が形成され、第一凹型通路および第二凹型通路と処理待ち半導体ウェハにより密閉の外端面処理空間が形成され、処理流体は前記外端面処理空間内で流動するとともに前記処理待ち半導体ウェハの辺縁部のみを処理することができる。
【0010】
本発明の他の実施例において下記半導体処理装置を更に提供する。その半導体処理装置は第一キャビティと第二キャビティを含む。前記第二キャビティは第一キャビティに相対してオン位置とオフ位置との間で移動することができ、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しているとき、第一キャビティと第二キャビティとの間にはマイクロキャビティが形成され、1つまたは複数の半導体ウェハは前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納され、前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオン位置に位置しているとき、前記半導体ウェハを前記マイクロキャビティから取り出すかまたは送入することができる。前記第一キャビティは前記マイクロキャビティと対向する内壁表面を具備し、前記第二キャビティは前記マイクロキャビティと対向する内壁表面を具備する。前記第二キャビティが第一キャビティに相対してオフ位置に位置しておりかつ前記半導体ウェハが前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第一キャビティの内壁表面は少なくとも、前記第一キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第一側表面の辺縁部に当接し、前記第二キャビティの内壁表面は少なくとも、前記第二キャビティに近づいている前記半導体ウェハの第二側表面の辺縁部に当接し、前記第一キャビティの内壁表面と前記第二キャビティの内壁表面との間には前記半導体ウェハの外側に位置する外端面処理空間が形成され、前記外端面処理空間は外端面処理用貫通孔により外部と連通し、処理流体は前記外端面処理用貫通孔により前記マイクロキャビティ内に注入されるかまたは前記マイクロキャビティから流出する。
【0011】
従来の事項と比較してみると、本発明は処理待ち半導体ウェハによりマイクロキャビティの外部に密閉された外端面処理空間を形成し、処理流体は前記外端面処理空間内で流動するとともに前記処理待ち半導体ウェハの辺縁部のみを処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
下記図面と明細書の詳細な説明により本発明の事項を容易に理解することができる。図面において同一の符号は同一の構造または部品を示す。
図1a】半導体ウェハの構造を示す図である。
図1b図1a中のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
図1c】外縁処理前の半導体ウェハの辺縁部を示す断面図である。
図1d】外縁処理後の半導体ウェハの辺縁部を示す断面図である。
図2a】本発明の第一実施例に係る半導体処理装置の断面を示す図である。
図2b】図2a中のA部分を示す拡大図である。
図2c】図2a中のB部分を示す拡大図である。
図3a】本発明の第二実施例に係る半導体処理装置の断面を示す図である。
図3b】図3a中のC部分を示す拡大図である。
図3c】図3a中のD部分を示す拡大図である。
図4】本発明の第三実施例に係る半導体処理装置の断面を示す図である。
図5a】本発明の第四実施例に係る半導体処理装置の断面を示す図である。
図5b図5a中のE部分を示す拡大図である。
図5c図5b中のH部分を示す拡大図である。
図6a】本発明の第五実施例に係る半導体処理装置の断面を示す図である。
図6b】図6a中のI部分を示す拡大図である。
図6c】図6b中のJ部分を示す拡大図である。
図7】本発明の第六実施例に係る半導体処理装置の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、特徴および発明の効果をより詳細に理解してもらうため、以下、図面と具体的な実施例により本発明をより詳細に説明する。
【0014】
この明細書の「1つの実施例」または「実施例」ということは、本発明の実施例に係る所定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。この明細書の色々な箇所に記載されている「1つの実施例」とは、同一の実施例を指すものでなく、他の実施例または所定の実施例を排斥する実施例を指すものでもない。この明細書中の「複数個」、「若干」という用語は2個または2個以上を意味し、この明細書中の「および/または」という用語は「および」と「または」を意味する。
【0015】
第一実施例
図2a~図2cを参照すると、その図面には本発明の第一実施例に係る半導体処理装置100の構造が示されている。その図面において、図2aは本発明の半導体処理装置100の断面を示す図であり、図2bは図2a中のA部分を示す拡大図であり、図2cは図2a中のB部分を示す拡大図である。
【0016】
図2a~図2cに示すとおり、前記半導体処理装置100は第一キャビティ110と第二キャビティ120を含む。前記第一キャビティ110は第一キャビティ板体111と当該第一キャビティ板体111の周辺から下へ延伸して形成される突出部112とを含む。前記第二キャビティ120は第二キャビティ板体121と当該第二キャビティ板体121の周辺から下へ窪んで形成される凹部122とを含む。
【0017】
前記第一キャビティ110は前記第二キャビティ120に相対してオン位置とオフ位置との間で移動することができる。前記第一キャビティ110が前記第二キャビティ120に相対してオフ位置に位置しているとき、前記突出部112が凹部122に結合されることにより第一キャビティ板体111と第二キャビティ板体121との間には密閉のマイクロキャビティが形成される。処理待ち半導体ウェハを前記マイクロキャビティ内に収納させた後、所定の処理を待つことができる。前記第一キャビティ110が前記第二キャビティ120に相対してオン位置に位置しているとき、前記突出部112と前記凹部122が分離するので、前記処理待ち半導体ウェハを前記マイクロキャビティから取り出すか或いはマイクロキャビティに送入することができる。
【0018】
本実施例において、前記第一キャビティ110が前記第二キャビティ120に相対してオフ位置に位置しているとき、前記第一キャビティ板体111の内壁表面と前記第二キャビティ板体121の内壁表面との間の距離、すなわち前記マイクロキャビティの高さは1つの処理待ち半導体ウェハ400の厚さに対応する。したがって、本実施例の前記半導体処理装置100が一回作動することにより処理待ち半導体ウェハ400を1つしか処理することができない。
【0019】
前記第一キャビティ110は該第一キャビティ110から前記マイクロキャビティの内壁表面側に窪んで形成される第一凹型通路113を具備し、前記第二キャビティ120は該第二キャビティ120から前記マイクロキャビティの内壁表面側に窪んで形成される第二凹型通路123を具備する。前記第二キャビティ120が第一キャビティ110に相対してオフ位置に位置しておりかつ前記処理待ち半導体ウェハ400が前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第一凹型通路113と前記第二凹型通路123は連通しかつ第一凹型通路113と第二凹型通路123により辺縁部処理空間130が形成され、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部は前記辺縁部処理空間130内に挿入される。
【0020】
図2a~図2cに示すとおり、本実施例において前記第一凹型通路113と前記第二凹型通路123は環状の凹型通路である。前記第二キャビティ120が第一キャビティ110に相対してオフ位置に位置しておりかつ前記処理待ち半導体ウェハ400が前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第一凹型通路113の内壁の頂部は前記処理待ち半導体ウェハ400の第一側表面に当接し、前記第二凹型通路123の内壁の頂部は前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面に当接する。その場合、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部、前記第一凹型通路113の内壁および前記第二キャビティ120の内壁により密閉されかつ環状の前記辺縁部処理空間130が形成され、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部全体は前記辺縁部処理空間130内に挿入される。
【0021】
したがって、本実施例において、前記辺縁部処理空間130により前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部のみを処理することができる。
【0022】
前記第一凹型通路113と前記第二凹型通路123を弧度が360度より小さい円弧形の凹型通路に形成することができる。その場合、前記第一凹型通路113と前記第二凹型通路123との間には密閉されかつ弧度が360度より小さい円弧形の前記辺縁部処理空間130が形成される。処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の一部分のみを前記辺縁部処理空間130内に挿入することができる。その場合、前記辺縁部処理空間130により前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の一部分のみを処理することができる。
【0023】
前記第二キャビティ120は外部から当該第二キャビティ120を貫通することにより前記辺縁部処理空間130と連通する少なくとも2個の辺縁部処理用貫通孔を具備する。少なくとも1個の辺縁部処理用貫通孔を流体の入口にし、少なくとも1個の辺縁部処理用貫通孔を流体の出口にすることができる。本実施例には2個の前記辺縁部処理用貫通孔が形成され、1つは流体の入口として用いられる第一辺縁部処理用貫通孔124であり、他の1つは流体の出口として用いられる第二辺縁部処理用貫通孔125である。前記辺縁部処理空間130は前記第一辺縁部処理用貫通孔124と第二辺縁部処理用貫通孔125により外部と連通する。
【0024】
本発明を用いるとき、処理流体を第一辺縁部処理用貫通孔124から前記辺縁部処理空間130内に注入することができる。前記辺縁部処理空間130内に注入される処理流体は前記辺縁部処理空間130内で流動し、前記処理流体が前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部と接触することにより処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部を処理することができる。前記処理待ち半導体ウェハ400を処理した処理流体は第二辺縁部処理用貫通孔125から流出する。
【0025】
前記処理において、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部を腐食させることにより前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の一部分の薄膜層を除去するか或いは前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の所定の部分のみを洗浄することができる。
【0026】
以下、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の一部分の薄膜層を腐食させることを例として説明する。図1a~図1dと図2a~図2cに示すとおり、処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面の薄膜層を腐食させるとともに除去するとき、薄膜層を腐食させる処理流体を前記第一辺縁部処理用貫通孔124から前記辺縁部処理空間130内に注入する。前記辺縁部処理空間130内に注入される処理流体は前記辺縁部処理空間130内で流動し、かつ前記処理流体が前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面と直接に接触する。図2cの矢印が示すとおり、処理流体は前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面に垂直である方向に第一側面と第二側面を腐食させることにより処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面の薄膜層402を腐食させるとともに除去する。図1dに示すとおり、処理が終わると、処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側表面と第二側表面の薄膜層402は腐食するとともに除去され、処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面は露出する。前記処理待ち半導体ウェハ400を処理した処理流体は前記第二辺縁部処理用貫通孔125から流出する。
【0027】
以上のとおり、前記辺縁部処理空間130を採用する場合、本実施例の半導体処理装置100は少量の処理流体により前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の所定の部位を腐食させることができ、処理のコストを大幅に低減することができる。従来の乾式処理装置と比較してみると、本実施例の半導体処理装置100は、構造が簡単であり、使用が簡単であり、使用者の操作に対する要求が低いという利点を有している。
【0028】
以上のとおり、本実施例に係る半導体処理装置100により前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の所定の部分を処理することができる。
【0029】
前記処理流体が前記処理待ち半導体ウェハ400で流動する流速を制御することにより処理流体の使用量を低減することができる。
【0030】
図2a~図2cに示すとおり、本実施例において前記第二キャビティ120は当該第二キャビティ120から前記マイクロキャビティの内壁表面側へ窪んで形成される凹入部を更に含み、前記凹入部は前記第二凹型通路123の裏側に位置する。前記第二キャビティ120が第一キャビティ110に相対してオフ位置に位置しておりかつ前記処理待ち半導体ウェハ400が前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の区域が前記凹入部の頂部を覆うことにより裏側処理空間140が形成される。前記裏側処理空間140は前記辺縁部処理空間130の裏側に位置する。
【0031】
前記第二キャビティ120は外部から当該第二キャビティ120を貫通することにより前記裏側処理空間140と連通する少なくとも2個の裏側面処理用貫通孔を具備する。2個の裏側面処理用貫通孔において、少なくとも1個の裏側面処理用貫通孔を流体の入口にし、少なくとも1個の裏側面処理用貫通孔を流体の出口にすることができる。本実施例には3個の裏側面処理用貫通孔が形成され、3個の裏側面処理用貫通孔は流体の入口として用いられる1つの第一裏側面処理用貫通孔126と流体の出口として用いられる2つの第二裏側面処理用貫通孔127とを含む。前記第一裏側面処理用貫通孔126は前記凹入部の中央位置に位置し、2つの第二裏側面処理用貫通孔127は前記凹入部の辺縁部にそれぞれ位置している。前記裏側処理空間140は前記第一裏側面処理用貫通孔126と第二裏側面処理用貫通孔127により外部と連通する。
【0032】
本発明を用いるとき、処理流体を第一裏側面処理用貫通孔126から前記裏側処理空間140内に注入することができる。前記裏側処理空間140内に注入される処理流体は前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の前記凹入部の頂部を覆う一部分の区域と接触するとともに処理する。前記処理待ち半導体ウェハ400を処理した処理流体は第二裏側面処理用貫通孔127から流出する。
【0033】
以上のとおり、本実施例の前記裏側処理空間140により前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の区域のみを処理することができる。本実施例において、前記凹入部の数量は1個であり、その凹入部は前記第二キャビティ120の内壁表面123の中央に位置しているので、前記裏側処理空間140により前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の中部を処理することができる。
【0034】
他の具体的な実施例において、具体的な需要により2個または複数個の前記凹入部を形成することもできる。その凹入部の数量は裏側処理空間140の数量に対応し、各前記裏側処理空間140は少なくとも2個の裏側面処理用貫通孔にそれぞれ対応する。具体的な需要により前記凹入部の位置およびサイズを調節することができる。それにより前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の複数の区域の所定の位置を所定のサイズに処理することができる。
【0035】
前記処理により前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の所定の区域の薄膜層を腐食させるとともに除去するか或いは前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の所定の区域を洗浄することができる。
【0036】
第二実施例
図3a~図3cを参照すると、その図面には本発明の第二実施例に係る半導体処理装置200の構造が示されている。その図面において、図3aは半導体処理装置200の断面を示す図であり、図3bは図3a中のC部分を示す拡大図であり、図3cは図3a中のD部分を示す拡大図である。
【0037】
図3a~図3cに示すとおり、第二実施例の半導体処理装置200の構造、作動過程は前記第一実施例の半導体処理装置100の構造、作動過程と類似している。相違点は、前記半導体処理装置200のマイクロキャビティの高さが1つの処理待ち半導体ウェハ400の厚さより上回ることにある。したがって、マイクロキャビティ内に重畳する3つの処理待ち半導体ウェハ400を同時に処理することができる。
【0038】
説明を簡単にするため、この明細書において前記半導体処理装置200と前記半導体処理装置100の相違点のみについて説明する。
【0039】
本実施例において、各前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側表面、第二側表面を前記辺縁部処理空間130内に露出させることにより処理の効果を確保することができる。前記半導体処理装置200は複数個の円形スペーサー50を更に含み、前記円形スペーサー50の直径は前記処理待ち半導体ウェハ400の直径より小さい。
【0040】
処理をするとき、隣接している2つの前記処理待ち半導体ウェハ400の間に円形スペーサー50を1つずつ取り付けることにより、隣接している2つの前記処理待ち半導体ウェハ400の間に高さが前記円形スペーサー50の厚さに対応する隙間をそれぞれ形成し、これにより処理流体が前記隙間内にスムーズに流入できるようにし、その処理流体により処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側表面と第二側表面を垂直に処理することを実現することができる。
【0041】
本実施例において、前記マイクロキャビティの高さは3つの処理待ち半導体ウェハ400と処理待ち半導体ウェハ400の間に取り付けられる2つの円形スペーサー50を積み重ねる厚さに対応し、本実施例の半導体処理装置200により3つの処理待ち半導体ウェハ400を同時に処理することができる。
【0042】
図3cに示すとおり、本実施例において、前記第二キャビティ120が第一キャビティ110に相対してオフ位置に位置しておりかつ前記処理待ち半導体ウェハ400と複数の前記円形スペーサー50が前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納されているとき、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部、円形スペーサー50の外端面、第一凹型通路113の内壁および前記第二凹型通路123の内壁により密閉されかつ環状の前記辺縁部処理空間130が形成される。また、前記凹入部と接触する前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の区域が前記凹入部の頂部を覆うことにより裏側処理空間140が形成される。
【0043】
他の実施例において、前記半導体処理装置200のマイクロキャビティの高さを調節することができる(例えば増加させることができる)。その場合、前記半導体処理装置200により2個、4個等の処理待ち半導体ウェハ400を同時に処理することができる。処理の効率を向上させるため、処理の過程において、各前記処理待ち半導体ウェハ400と各前記円形スペーサー50を前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納させることができる。
【0044】
第三実施例
前記2つの実施例の半導体処理装置のマイクロキャビティの高さはいずれも固定し、それを自由に調節することができない。したがって、前記2つの実施例の半導体処理装置が一回作動することにより所定の数量の処理待ち半導体ウェハしか処理することができない。
【0045】
半導体処理装置の適用性を向上させ、いろいろな数量の処理待ち半導体ウェハを処理するため、半導体処理装置の構造を更に改良する必要がある。
【0046】
図4を参照すると、その図面は本発明の第三実施例に係る半導体処理装置300を示す断面図である。図4に示すとおり、第三実施例の半導体処理装置300の構造、作動過程は前記第一実施例の半導体処理装置100と第二実施例の半導体処理装置200の構造、作動過程と類似している。相違点は、第三実施例の半導体処理装置300が高さ調節構造を更に含み、前記高さ調節構造により前記マイクロキャビティの高さを調節することにある。
【0047】
本実施例において、高さ調節構造は前記第一キャビティ110の突出部112と前記第二キャビティ120の凹部122との間に取り付けられる着脱可能なスペーサー150である。前記着脱可能なスペーサー150は、前記第一キャビティ110の突出部112と前記第二キャビティ120の凹部122との間に取り付けられるか或いは、前記突出部112に直接に取り付けられるか或いは、前記凹部122の所定の位置決め構造内に取り付けられることができるが、本発明はそれを限定しない。
【0048】
他の実施例において、他の高さ調節構造により前記マイクロキャビティの高さを調節することもできる。
【0049】
本実施例において、厚さが異なっている前記着脱可能なスペーサー150を使用することにより、前記マイクロキャビティの高さを所定の高さに調節し、いろいろな数量の前記処理待ち半導体ウェハ400を処理することができる。
【0050】
本実施例の半導体処理装置300において、着脱可能なスペーサー150を取り付けなくてもよい。その場合、前記マイクロキャビティの元の高さは1つの前記処理待ち半導体ウェハ400の高さに対応し、前記半導体処理装置300が一回作動することにより1つの処理待ち半導体ウェハ400を処理することができる。
【0051】
注意されたいことは、他の実施例において、前記マイクロキャビティの元の高さは、2つ、3つまたは複数の処理待ち半導体ウェハ400が重畳する高さに対応することもできる。
【0052】
以上のとおり、本実施例の半導体処理装置300のマイクロキャビティの高さを自由に調節することができるので、前記半導体処理装置300が一回作動することによりいろいろな数量の処理待ち半導体ウェハを処理し、半導体処理装置の適用性を大幅に向上させることができる。
【0053】
第四実施例
図5a~図5cを参照すると、その図面には本発明の第四実施例に係る半導体処理装置500の構造が示されている。その図面において、図5aは第四実施例の半導体処理装置500の断面を示す図であり、図5bは図5a中のE部分を示す拡大図であり、図5cは図5b中のH部分を示す拡大図である。
【0054】
図5a~図5cに示すとおり、第四実施例の半導体処理装置500は第一キャビティ510と第二キャビティ520を含む。前記第一キャビティ510は第一キャビティ板体511と当該第一キャビティ板体511の周辺から下へ延伸して形成される突出部512とを含む。前記第二キャビティ520は第二キャビティ板体521と当該第二キャビティ板体521の周辺から下へ窪んで形成される凹部522とを含む。
【0055】
前記第一キャビティ510は第二キャビティ520に相対してオン位置とオフ位置との間で移動することができる。前記第一キャビティ510が前記第二キャビティ520に相対してオフ位置に位置しているとき、前記突出部512が凹部522に結合されることにより第一キャビティ板体511と第二キャビティ板体521との間には密閉のマイクロキャビティが形成される。処理待ち半導体ウェハを前記マイクロキャビティ内に収納させた後、所定の処理を待つことができる。前記第一キャビティ510が前記第二キャビティ520に相対してオン位置に位置しているとき、前記突出部512と前記凹部522が分離するので、前記処理待ち半導体ウェハ400を前記マイクロキャビティから取り出すか或いはマイクロキャビティに送入することができる。
【0056】
前記第一キャビティ510は前記マイクロキャビティと対向する内壁表面513を具備し、前記第二キャビティ520は前記マイクロキャビティと対向する内壁表面523を具備する。
【0057】
本実施例において、前記第二キャビティ520が前記第一キャビティ510に相対してオフ位置に位置しているとき、前記第一キャビティ510の内壁表面513と前記第二キャビティ520の内壁表面523との間の距離、すなわち前記マイクロキャビティの高さは1つの処理待ち半導体ウェハ400の厚さに対応する。したがって、本実施例の前記半導体処理装置500が一回作動することにより処理待ち半導体ウェハ400を1つしか処理することができない。
【0058】
図5cに示すとおり、前記第二キャビティ520が前記第一キャビティ510に相対してオフ位置に位置しておりかつ前記処理待ち半導体ウェハ400が前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記第一キャビティ510の内壁表面513は前記処理待ち半導体ウェハ400の第一側表面の辺縁部に当接し、前記第二キャビティ520の内壁表面523は前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の辺縁部に当接する。その場合、前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面、前記第一キャビティ510の内壁表面513の辺縁部、一突出部512の裏側表面5121の上部辺縁部および前記第二キャビティ520の内壁表面523の辺縁部により密閉されかつ環状の前記外端面処理空間530が形成される。
【0059】
各前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面全体は前記外端面処理空間530内に露出しているので、前記外端面処理空間530に処理流体を満タンまたは定量に注入することにより前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面の所定の部分を処理することができる。
【0060】
前記第二キャビティ520は外部から当該第二キャビティ520を貫通することにより前記外端面処理空間530と連通する少なくとも2個の外端面処理用貫通孔を具備する。少なくとも1個の外端面処理用貫通孔を流体の入口にし、少なくとも1個の外端面処理用貫通孔を流体の出口にすることができる。本実施例には2個の前記外端面処理用貫通孔が形成され、1つは流体の入口として用いられる第一外端面処理用貫通孔524であり、他の1つは流体の出口として用いられる第二外端面処理用貫通孔525である。前記外端面処理空間530は前記第一外端面処理用貫通孔524と第二外端面処理用貫通孔525により外部と連通する。
【0061】
本発明を用いるとき、処理流体を第一外端面処理用貫通孔524から前記外端面処理空間530内に注入することができる。前記外端面処理空間530内に注入される処理流体は前記外端面処理空間530内で流動し、前記処理流体が前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面と接触することにより処理待ち半導体ウェハ400を処理する。前記処理待ち半導体ウェハ400を処理した処理流体は第二外端面処理用貫通孔525から流出する。
【0062】
前記処理において、前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面を腐食させることにより前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の一部分の薄膜層を除去するか或いは前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面の所定の部分のみを洗浄することができる。
【0063】
以下、前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の一部分の薄膜層を腐食させることを例として説明する。図1a~図1dと図5a~図5cに示すとおり、処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面の薄膜層を腐食させるとともに除去するとき、薄膜層を腐食させる処理流体を前記第一外端面処理用貫通孔524から前記外端面処理空間530内に注入する。前記外端面処理空間530内に注入される処理流体は前記外端面処理空間530内で流動し、かつ前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面処理空間530と接触する。図5cの矢印が示すとおり、処理流体は外端面に垂直である方向に沿って前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面の薄膜層402を腐食させる。図1dに示すとおり、処理が終わると、処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側表面と第二側表面の薄膜層402は腐食するとともに除去され、処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の第一側面と第二側面は露出する。前記処理待ち半導体ウェハ400を処理した処理流体は前記第二外端面処理用貫通孔525から流出する。
【0064】
以上のとおり、前記外端面処理空間530を採用する場合、本実施例の半導体処理装置500は少量の処理流体により前記処理待ち半導体ウェハ400の辺縁部の所定の部位を腐食させることができ、処理のコストを大幅に低減することができる。従来の乾式処理装置と比較してみると、本実施例の半導体処理装置500は、構造が簡単であり、使用が簡単であり、使用者の操作技能に対する要求が低いという利点を有している。
【0065】
図5a~図5cに示すとおり、本実施例において前記第二キャビティ520は当該第二キャビティ520から前記マイクロキャビティの内壁表面524側へ窪んで形成される凹入部を更に含む。前記第二キャビティ520が前記第一キャビティ510に相対してオフ位置に位置しておりかつ前記処理待ち半導体ウェハ400が前記マイクロキャビティ内に収納されているとき、前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の区域が前記凹入部の頂部を覆うことにより裏側処理空間540が形成される。前記裏側処理空間540は前記外端面処理空間530の裏側に位置する。
【0066】
前記第二キャビティ520は外部から当該第二キャビティ520を貫通することにより前記裏側処理空間540と連通する少なくとも2個の裏側面処理用貫通孔を具備する。2個の裏側面処理用貫通孔において、少なくとも1個の裏側面処理用貫通孔を流体の入口にし、少なくとも1個の裏側面処理用貫通孔を流体の出口にすることができる。本実施例には2個の裏側面処理用貫通孔が形成され、2個の裏側面処理用貫通孔は流体の入口として用いられる第一裏側面処理用貫通孔526と流体の出口として用いられる第二裏側面処理用貫通孔527とを含む。前記裏側処理空間540は前記第一裏側面処理用貫通孔526と第二裏側面処理用貫通孔527により外部と連通する。
【0067】
本発明を用いるとき、処理流体を第一裏側面処理用貫通孔526から前記裏側処理空間540内に注入することができる。前記裏側処理空間540内に注入される処理流体は前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の前記凹入部の頂部を覆う一部分の区域と接触するとともに処理する。前記処理待ち半導体ウェハ400を処理した処理流体は第二裏側面処理用貫通孔527から流出する。
【0068】
以上のとおり、本実施例の前記裏側処理空間540により前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の区域のみを処理することができる。本実施例において、前記凹入部の数量は1個であり、その凹入部は前記第二キャビティ520の内壁表面523の中央に位置しているので、前記裏側処理空間540により前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の中部を処理することができる。
【0069】
他の具体的な実施例において、具体的な需要により2個または複数個の前記凹入部を形成することもできる。その凹入部の数量は裏側処理空間540の数量に対応し、各前記裏側処理空間540は少なくとも2個の裏側面処理用貫通孔にそれぞれ対応する。具体的な需要により前記凹入部の位置およびサイズを調節することができる。それにより前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の複数の区域の所定の位置を所定のサイズに処理することができる。
【0070】
前記処理により前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の所定の区域の薄膜層を腐食させるとともに除去するか或いは前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の所定の区域を洗浄することができる。
【0071】
第五実施例
図6a~図6cを参照すると、その図面には本発明の第五実施例に係る半導体処理装置600の構造が示されている。その図面において、図6aは第五実施例の半導体処理装置600の断面を示す図であり、図6bは図6a中のI部分を示す拡大図であり、図6cは図6b中のJ部分を示す拡大図である。
【0072】
図6a~図6cに示すとおり、第五実施例の半導体処理装置600の構造、作動過程は前記第四実施例の半導体処理装置500の構造、作動過程と類似している。相違点は、第五実施例の半導体処理装置600のマイクロキャビティの高さは4つの処理待ち半導体ウェハ400が重畳している高さに対応する。第五実施例の半導体処理装置600により重畳している4つの処理待ち半導体ウェハ400を同時に処理することができる。
【0073】
説明を簡単にするため、この明細書において前記半導体処理装置600と前記半導体処理装置500の相違点のみについて説明する。
【0074】
図6cに示すとおり、本実施例において、前記第一キャビティ510が前記第二キャビティ520に相対してオフ位置に位置しておりかつ4つの前記処理待ち半導体ウェハ400が前記マイクロキャビティ内に重畳状態に収納されているとき、4つの前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面、前記第一キャビティ510の内壁表面513の辺縁部、前記第一突出部512の裏側表面5121の上部辺縁部および前記第二キャビティ520の内壁表面523の辺縁部により密閉されかつ環状の前記外端面処理空間530が形成される。また、前記凹入部と接触する前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の一部分の区域が前記凹入部の頂部を覆うことにより前記裏側処理空間540が形成される。
【0075】
前記半導体処理装置600のマイクロキャビティの元の高さは、2つ、3つまたは複数の処理待ち半導体ウェハ400が重畳する高さに対応することもできる。その場合、前記半導体処理装置600により重畳している2つ、3つまたは複数の処理待ち半導体ウェハ400を同時に処理することができる。処理の効果を向上させるため、処理をするとき、前記複数の処理待ち半導体ウェハ400を同軸の重畳状態に前記マイクロキャビティ内に収納させ、前記複数の処理待ち半導体ウェハ400の外端面を同高に揃えることができる。
【0076】
以上のとおり、本実施例の半導体処理装置600の外端面処理空間530により2つ以上の前記処理待ち半導体ウェハ400の外端面を同時に処理することができる。また、半導体処理装置600の裏側処理空間540により前記凹入部と接触する前記処理待ち半導体ウェハ400の第二側表面の所定の区域を処理することができる。
【0077】
第六実施例
前記2つの実施例の半導体処理装置のマイクロキャビティの高さはいずれも固定し、それを自由に調節することができない。したがって、前記2つの実施例の半導体処理装置が一回作動することにより所定の数量の処理待ち半導体ウェハしか処理することができない。
【0078】
半導体処理装置の適用性を向上させ、いろいろな数量の処理待ち半導体ウェハを処理するため、半導体処理装置の構造を更に改良する必要がある。
【0079】
図7を参照すると、その図面は本発明の第六実施例に係る半導体処理装置700を示す断面図である。図7に示すとおり、第六実施例の半導体処理装置700の構造、作動過程は前記第四実施例の半導体処理装置500と第五実施例の半導体処理装置600の構造、作動過程と類似している。相違点は、第六実施例の半導体処理装置700が高さ調節構造を更に含み、前記高さ調節構造により前記マイクロキャビティの高さを調節することにある。
【0080】
本実施例において、高さ調節構造は前記第一キャビティ510の突出部512と前記第二キャビティ520の凹部522との間に取り付けられる着脱可能なスペーサー550である。前記着脱可能なスペーサー550は、前記第一キャビティ510の突出部512と前記第二キャビティ520の凹部522との間に取り付けられるか或いは、前記突出部512に直接に取り付けられるか或いは、前記凹部522の所定の位置決め構造内に取り付けられることができるが、本発明はそれを限定しない。他の実施例において、他の高さ調節構造により前記マイクロキャビティの高さを調節することもできる。
【0081】
本実施例において、厚さが異なっている前記着脱可能なスペーサー550を使用することにより、前記マイクロキャビティの高さを所定の高さに調節し、いろいろな数量の前記処理待ち半導体ウェハ400を処理することができる。
【0082】
本実施例の半導体処理装置700において、着脱可能なスペーサー550を取り付けなくてもよい。その場合、前記マイクロキャビティの元の高さは1つの前記処理待ち半導体ウェハ400の高さに対応し、前記半導体処理装置700が一回作動することにより1つの処理待ち半導体ウェハ400を処理することができる。
【0083】
重畳している2つの処理待ち半導体ウェハ400を処理するとき、1つの前記処理待ち半導体ウェハ400の高さに対応する前記着脱可能なスペーサー550を前記第一キャビティ510の突出部512と前記第二キャビティ520の凹部522との間に取り付けることができる。同様に、重畳している複数の処理待ち半導体ウェハ400を処理するとき、複数の前記処理待ち半導体ウェハ400の高さに対応する前記着脱可能なスペーサー550を前記第一キャビティ510の突出部512と前記第二キャビティ520の凹部522との間に取り付けることができる。
【0084】
注意されたいことは、他の実施例において、前記マイクロキャビティの元の高さは、2つ、3つまたは複数の処理待ち半導体ウェハ400が重畳する高さに対応することもできる。
【0085】
以上のとおり、本実施例の半導体処理装置700のマイクロキャビティの高さを自由に調節することができるので、前記半導体処理装置300が一回作動することによりいろいろな数量の処理待ち半導体ウェハを処理し、半導体処理装置の適用性を大幅に向上させることができる。
【0086】
以上、本発明の具体的な実施例を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものでない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計の変更、改良等をすることができ、そのような設計の変更、改良等があっても本発明に含まれることは勿論である。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7