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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】メロキシカムを含む固体医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5415 20060101AFI20220201BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20220201BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220201BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220201BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220201BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20220201BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220201BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
A61K31/5415
A61K47/69
A61K9/20
A61K47/02
A61K45/00
A61K31/4439
A61P29/00
A61P43/00 121
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021016747
(22)【出願日】2021-02-04
(62)【分割の表示】P 2019074133の分割
【原出願日】2016-04-11
(65)【公開番号】P2021066749
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】62/259,993
(32)【優先日】2015-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517279805
【氏名又は名称】アクスサム セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】タビュトー、ヘリオット
【審査官】古閑 一実
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-543843(JP,A)
【文献】特表2010-530897(JP,A)
【文献】特開2015-91857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61K 47/00-47/69
A61K 41/00-45/08
A61K 9/00- 9/72
A61P 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療を必要とするヒトにおける疼痛の治療で使用するための固体医薬組成物であって、前記固体医薬組成物は、1)スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)およびメロキシカムの包接複合体と、2)重炭酸塩とを含み、前記ヒトに経口投与される、固体医薬組成物。
【請求項2】
前記重炭酸塩は、NaHCOまたはKHCOである、
請求項1に記載の固体医薬組成物。
【請求項3】
前記SBEβCDが、β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、請求項1または2に記載の固体医薬組成物。
【請求項4】
前記メロキシカムの前記SBEβCD1モルに対するモル比が約0.8~約1.2である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項5】
前記メロキシカムの前記SBEβCD1モルに対するモル比が約1である、請求項4に記載の固体医薬組成物。
【請求項6】
約50mg~約200mgのSBEβCDが固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項7】
約100mg~約120mgのSBEβCDが固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項8】
前記重炭酸塩は、NaHCOまたはKHCOであって、前記NaHCOまたはKHCOが、約400mg~約1000mgの量で存在する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項9】
前記重炭酸塩は、NaHCOまたはKHCOであって、前記NaHCOまたはKHCOが、約400mg~約600mgの量で固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項10】
前記重炭酸塩は、NaHCOであって、前記NaHCOが、約500mgの量で固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項11】
約5mg~約50mgのメロキシカムが固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項12】
約10mg~約20mgのメロキシカムが固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項13】
約20mgのメロキシカムが固体医薬組成物中に存在する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項14】
さらにプロトンポンプ阻害剤を含む、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項15】
前記プロトンポンプ阻害剤がエソメプラゾールである、請求項14に記載の固体医薬組成物。
【請求項16】
メロキシカム単独よりも高いメロキシカムの経口バイオアベイラビリティを有し、前記ヒトへの経口投与は、メロキシカム単独の経口投与よりもメロキシカムのTmaxを減少させる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項17】
約30mg~約50mgのエソメプラゾールが固体医薬組成物中に存在する、請求項15に記載の固体医薬組成物。
【請求項18】
前記疼痛は、神経因性疼痛である、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項19】
前記疼痛は、炎症性疼痛である、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【請求項20】
固体医薬組成物の経口投与は、メロキシカム単独の経口投与と比較してメロキシカムを速く放出させる、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の固体医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年2月10日に出願された米国仮出願62/114,215号及び2015年11月25日に出願された米国仮出願62/259,993号に基づくものであり、その明細書、特許請求の範囲、図面および要約書を含むものである。上記日本国特許出願における開示は、その全体が本明細書中に参照として含まれる。
【背景技術】
【0002】
下記構造を有するメロキシカムは、抗炎症、鎮痛および解熱活性を示す非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。メロキシカムの作用機序は、アラキドン酸カスケードの初期段階に関与するプロスタグランジンシンテターゼ(シクロオキシゲナーゼ、COX)阻害に関連し得、プロスタグランジン、トロンボキサンおよびプロスタサイリンの形成を減少させる。
【0003】
【化1】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
メロキシカムおよびいくつかの他のNSAIDは、水溶性に乏しく、それによって生物学的利用能を低下させ、その使用に起因する疼痛の緩和の開始を遅らせる可能性がある。メロキシカムの溶解性およびバイオアベイラビリティを増加させる1つの手段は、シクロデキストリンの使用によるものである。シクロデキストリン(シクロアミロースとしても知られている)は、一般に、バケット様の形状を形成する環状多糖類である。シクロデキストリンは、シクロデキストリンが内部で疎水性であり、分子の輸送を促進するのに役立つ内部で親水性であるため、他の分子のバイオアベイラビリティを増加させるのに役立つ。天然に存在するシクロデキストリンには、6個、7個および8個のグルコース単位(それぞれα、βおよびγ-シクロデキストリン)が含まれる。しかし、多かれ少なかれグルコース単位を含む合成シクロデキストリンが可能である。水溶液中では、シクロデキストリンは、薬物をシクロデキストリン環の中心/疎水性部分に組み込むことによって、薬物と複合体(すなわち、包接複合体)を形成することができる。シクロデキストリン化合物は、ミセル型構造の薬物の周囲に凝集することも知られている。シクロデキストリンのこの能力は、それらが担体として作用して、より可溶性の低い薬物のバイオアベイラビリティを増加させる可能性がある。
【0005】
いくつかの実施形態は、シクロデキストリン中のメロキシカムの包接複合体を含む。
【0006】
いくつかの実施形態は、1)メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体、または2)メロキシカムおよび炭酸塩もしくは重炭酸塩、を含む剤形を含む。
【0007】
いくつかの実施形態は、治療を必要とする患者に本明細書に記載の剤形を経口投与することを含む、メロキシカムを経口投与する方法を含む。
【0008】
いくつかの実施形態は、治療を必要とする患者に本明細書に記載の剤形を静脈内投与することを含む、メロキシカムを静脈内投与する方法を含む。
【0009】
シクロデキストリンとメロキシカムとの包接複合体を重炭酸塩と共に製剤化した製剤およびその使用方法が本明細書中に開示される。
【0010】
経口、経腸、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内または他の非経口手段による、対象へシクロデキストリンと共にメロキシカムを送達するための製剤および方法が本明細書中に開示される。
【0011】
被験体への、経口、経腸、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内または他の非経口手段による、メロキシカム、シクロデキストリンおよび重炭酸塩を含む剤形を送達することによる、疼痛および疼痛に関連する状態を治療する方法も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の図である。
図2】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図3】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図4】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図5】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図6】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図7】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図8】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図9】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
図10】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書では、NSAID(例えば、メロキシカム)およびシクロデキストリン(場合により包接複合体中に)、および/または重炭酸塩を含む剤形ならびにその剤形を使用する治療方法が提供される。
【0014】
剤形は、これらに限定されないが、経口、舌下もしくは直腸送達を含む経腸的、またはこれらに限定されずに静脈内、筋肉内、鼻腔内または皮下送達を含む非経口的に投与されてもよい。
【0015】
いくつかの方法は、a)シクロデキストリンおよび/またはb)緩衝剤とともに製剤化されたNSAIDを組み合わせた製品の投与を含む。いくつかの実施形態において、該方法は、患者を、メロキシカムおよびシクロデキストリンならびに/または炭酸塩/重炭酸塩を含む医薬製剤で治療することを含む。方法の実施形態はまた、患者におけるメロキシカムのバイオアベイラビリティを増加させる、またはメロキシカムが生体利用可能になる割合を増加させるために患者を治療することを含むことができる。
【0016】
「治療する」または「治療」という用語は、ヒトまたは他の動物における疾患の診断、治癒、軽減もしくは予防を含む任意の種類の治療活性、または、治療活性ではないが、ヒトまたは他の動物の体の構造もしくは任意の機能に影響を与える任意の活性を広く含む。
【0017】
剤形は、炎症性疼痛、筋骨格痛、神経因性疼痛、慢性疼痛、急性疼痛、限局性疼痛、全身性疼痛、癌関連痛、急性疼痛、傷害による疼痛、病気による疼痛(例えば、発熱)、術後疼痛などが含まれるがこれらに限定されない任意の種類の疼痛を治療する、またはそれらの緩和を提供するために使用され得る。いくつかの場合において、疼痛の緩和は、一時的であり得、あるいは疼痛の緩和は、疾患もしくは状態、または疾患もしくは状態の根底にある原因の改善とは無関係に提供され得る。例えば、根底にある疾患は改善しないかもしれない、または進行し続けるかもしれないが、疾患を患っている個人が疼痛の緩和を感じることがある。いくつかの実施形態において、疼痛は、筋肉、神経、軟骨、骨、靭帯、腱、腱鞘、鼓膜または関節に影響を及ぼす。
【0018】
いくつかの実施形態では、剤形は、関節炎の疼痛を和らげるために投与され得る。いくつかの実施形態において、剤形は、関節炎の他の徴候および/または症状を緩和するために投与され得る。関節炎の例は、これに限定されることはないが、関節リウマチ、若年性関節リウマチ(小関節および多関節)、骨関節炎、びらん性変形性関節症、血清陰性(非リウマチ様)、関節症、非関節リウマチ、関節周囲障害、軸索脊椎関節炎、股関節部の一過性変形性関節症、脊椎挫傷骨折、骨粗鬆症、およびシャルコー足を含む神経因性関節症、強直性脊椎炎を含む脊椎関節症ならびにSAPHO症候群を含む。他の実施形態において、関節炎の疼痛は、慢性または急性であり得る。いくつかの実施形態において、剤形は、変形性関節症を含むがこれに限定されない関節炎の徴候および/または症状を緩和するために投与され得る
【0019】
いくつかの方法では、剤形の投与は、少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、少なくとも約8時間、約8時間~約24時間または約24時間続く疼痛の軽減を達成することができる。他の実施形態では、剤形の投与は、剤形の投与後、約10分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、15分未満、20分未満、30分、1時間未満、2時間未満、3時間未満、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50もしくは60分、またはこれらの範囲によって境界づけられる他の期間で観察される疼痛の軽減を達成することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、剤形は、糖尿病性末梢ニューロパチー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、単尖神経痛、幻肢痛、坐骨神経痛、陰部神経痛および中枢痛を含む神経因性疼痛を緩和するために投与され得る。神経因性疼痛の他の原因としては、限定されることなく、癌関連疼痛、腰神経根圧迫、脊髄損傷、脳卒中後疼痛、中枢性多発性硬化症疼痛、HIV関連神経障害および放射線療法または化学療法治療に関連するニューロパチーを含み得る。治療される神経因性疼痛は、慢性または急性であり得る。
【0021】
いくつかの方法では、剤形は、炎症性筋骨格痛、傷害による疼痛、関節炎痛および複雑な局所疼痛症候群を含む炎症性疼痛を緩和するために投与され得る。他の実施形態において、炎症性疼痛は、慢性または急性であり得る。
【0022】
関節炎は、疼痛と関連し得る炎症性関節疾患を指す。関節炎の疼痛の例には、限定されることなく、変形性関節症、びらん性変形性関節症、慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、血清陰性(非リウマチ性)関節症、非関節リウマチ、関節周囲障害、シャルコー足を含む神経障害性関節症、強直性脊椎炎を含む軸索状脊椎関節症、およびSAPHO症候群に関連する疼痛が挙げられる。治療される炎症性関節疾患は、慢性または急性であり得る。
【0023】
いくつかの方法では、メロキシカムを投与して筋骨格痛を緩和することができる。筋骨格痛の例には、限定されることなく、腰痛、背下部痛(例えば、腰仙痛)、頸部痛、感染、痙攣、腱炎、甲状腺炎、手根管症候群、関節痛、線維筋痛、傷害による疼痛、手根管症候群、骨折に関連する疼痛、捻挫、線維性異形成、骨形成不全、骨のパジェット病、一過性骨粗鬆症および股関節の一過性骨粗鬆症が含まれ得る。他の実施形態において、筋骨格痛は、慢性または急性であり得る。
【0024】
本明細書に記載の剤形で疾患または状態の治療を受けるヒトは、任意の年齢であり得る。例えば、約10歳~約90歳、約20歳~約80歳、約30歳~約75歳、約40歳~約70歳、約1歳~約16歳、約80歳~約95歳、約18歳以上、約20歳以上、約25歳以上、約30歳以上、約40歳以上、約45歳以上、約50歳以上、約55歳以上、約60歳以上、約65歳以上、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他の年齢であり得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、メロキシカムまたは別のNSAIDを含む剤形で疾患または状態の治療を受けているヒトは、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも6週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年間、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の期間、疼痛に関連する疼痛または状態を患っている。
【0026】
メロキシカムを含む剤形で使用されるシクロデキストリンは、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体および/またはその塩を含むことができる。メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体は、非複合体化メロキシカムに比してより水溶性であり得る。シクロデキストリンは、天然のシクロデキストリン(例えば、α、βまたはγ-シクロデキストリン)または合成シクロデキストリンであり得る。 いくつかの実施形態では、α-シクロデキストリン、その誘導体または塩が使用され得る。α-シクロデキストリンには、限定されることなく、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-α-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-α-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-オクチル)-α-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-α-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-α-シクロデキストリン、(6-O-tertブチル-ジメチルシリル)-α-シクロデキストリン、ブチル-α-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-α-シクロデキストリン、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、β-シクロデキストリン、その誘導体または塩が使用され得る。β-シクロデキストリンは、限定されることなく、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、6-モノデオキシ-6-モノアミノ-β-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-D-グルコシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシル-β-シクロデキストリン、6-アジド-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、(2,3-ジ-O-アセチル-6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン(DMβCD)、トリメチル-β-シクロデキストリン(TMβCD)、(2,3-ジ-O-メチル-6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、(2 、6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-エチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-ベンゾイル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-エチル)-β-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、6-(ジメチル-tert-ブチルシリル)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、モノアセチル-β-シクロデキストリン、ジアセチル-β-シクロデキストリン、トリアセチル-β-シクロデキストリン、(3-O-アセチル-2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(6-O-マルトシル)-β-シクロデキストリン、(6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、(6-O-t-ブチルジメチルシリル-2,3-ジ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-)エチル-β-シクロデキストリン、(2-カルボキシエチル)-β-シクロデキストリン(CMEβCD)、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン(HEβCD)、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(HPβCD)、(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(3HPβCD)、(2,3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(DHPβCD)、ブチル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、シリル(6-O-tert-ブチルジメチル)-2,3,-ジ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシイソブチル)-β-シクロデキストリン、ランダムにメチル化されたβ-シクロデキストリン、分枝-β-シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせを含み得る。
【0028】
他の実施形態において、β-シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、その誘導体または塩であり得る。スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体の例は、限定されることなく、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(例えば、SBEβCD、ベータデックス、CAPTISOL(登録商標))を含み得る。いくつかの実施形態において、SBEβCDは、シクロデキストリン分子当たり約4~8個、約5~8個、約4~7個、約6~7個または約6.5個のスルホブチルエーテル基を有し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、γ-シクロデキストリン、その誘導体または塩が使用され得る。γ-シクロデキストリンは、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-γ-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-γ-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-ペンチル)-γ-シクロデキストリン、6-(ジメチル-tert-ブチルシリル)-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、(6-O-t-ブチルジメチルシリル)-γ-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン(2-ヒドロキシプロピル)-γ-シクロデキストリン、アセチル-γ-シクロデキストリン、ブチル-γ-シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、剤形は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸マグネシウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムまたはそれらの組み合わせなどの重炭酸塩を含み得る。重炭酸塩は、メロキシカムのバイオアベイラビリティを増加させるのに役立ち得る。
【0031】
他の実施形態において、剤形は、炭酸塩、その誘導体または塩を含み得る。炭酸塩の例は、炭酸アルミニウム、炭酸アンモニウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸コバルト(II)、炭酸ランタン、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン(II)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたはそれらの組み合わせを含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、剤形の増強されたバイオアベイラビリティは、メロキシカムの塩形態を含む剤形を投与することによって、メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体を生成することによって、および/または重炭酸塩を含むことによって、これらの状態の1つの治療において、達成され得る。これにより、他のメロキシカム剤形と比較して、使用するメロキシカムのモル量を低減することができる。
【0033】
他に示されない限り、構造、名称または他の任意の手段による本明細書の化合物、例えばメロキシカムまたはシクロデキストリンは、医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、互変異性体、重水素修飾形態または本明細書に記載の化合物が使用される条件下で、本明細書に記載の化合物に迅速に変換され得る任意の他の化学種といった他の固体形態を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、シクロデキストリン、炭酸塩または重炭酸塩の使用は、メロキシカムの経口バイオアベイラビリティを、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40% 少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、最大約100%、最大約200%、またはメロキシカム単独の投与と比較したこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量だけ向上させ得る。
【0035】
改善されたバイオアベイラビリティに起因して、投薬形態は、別の方法で投与されるであろうメロキシカムよりも少ないモル基準で、メロキシカムを含有するか、または対象に投与することができる。例えば、剤形は、別の方法で投与されるであろうメロキシカムに比べて、少なくとも約10モル%少ない、少なくとも約20モル%少ない、少なくとも約30モル%少ない、少なくとも約40モル%少ない、少なくとも約50モル%少ない、少なくとも約60モル%少ない、少なくとも約70モル%少ない、少なくとも約80モル%少ない、少なくとも約85モル%少ない、および/または最大約90モル%少ない、95モル%少ない、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量のメロキシカムを含有するか、または哺乳動物に投与することができる。
【0036】
他の実施形態では、他のNSAID、オピオイド、または他の鎮痛薬の使用は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、最大約100%まで、シクロデキストリン、炭酸塩および/または重炭酸塩と共にメロキシカムを投与しない、他のNSAID、オピオイドまたは他の鎮痛薬の使用と比較して、低減され得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、剤形は、約1~50mg、約1~10mg、約1~5mg、約10~40mg、約1~35mg、約1~25mg、約1~15mg、約5~20mg、約5~10mg、約5~15mg、約10~20mg、約20~30mg、約30~40mg、約40~50mg、約5mg、約7.5mg、約10mg、約15mg、約30mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量のメロキシカムを含み得る。これらの用量は、1時間に1回投与~1回投与、1日2回投与、1日1の~12回投与、1日3回、4回、5回または6回など、反復投与のための安全な用量であり得る。いくつかの実施形態において、メロキシカムは、1日2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15回、1日約3から約10回、1日1回またはより少ない頻度、例えば1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回などで安全に投与することができる。
【0038】
いくつかの剤形では、メロキシカムは、置換βシクロデキストリンまたは固体剤形に製剤化することができる他のシクロデキストリンと複合体を形成する。そのような剤形は、経口投与に適し得る。メロキシカム-シクロデキストリン包接複合体はまた、水または別の溶媒に溶解して、非経口製剤を形成してもよい。しかし、メロキシカムと置換β-シクロデキストリンまたは他のシクロデキストリンとの物理的混合物もまた、経口または非経口剤形で使用され得る。
【0039】
メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体の形成は、剤形の特性を改善するのに役立ち得る。いくつかの包接複合体について、メロキシカムおよびシクロデキストリン(例えば、SBEβCD)は、約0.5-2(0.5のモル比はシクロデキストリン1モルに対してメロキシカム0.5モル)、約0.5-0.7、約0.6-0.8、約0.7-0.9、約0.8-1、約0.9-1.1、約1-1.2、約1.1-1.3、約1.2-1.4、約1.3-1.5、約1.4-1.6、約1.5-1.7、約1.6-1.8、約1.7-1.9、約1.8-2、約0.8-1.2、約1、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のモル比を有し得る。
【0040】
いくつかの剤形では、シクロデキストリン(例えば、SBEβCD)を約1~1000(例えば、1gのメロキシカム当たり1gのシクロデキストリンは1の重量比)、約1~20、約1~10、約1~15、約2~4、約3~5、約4~6、約5~7、約6~8、約7~9、約8~10またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のメロキシカムに対する重量比で使用され得る。いくつかの剤形では、シクロデキストリン(例えば、SBEβCD)を、約0.001~1(例えば、1gのメロキシカム当たり0.1gのシクロデキストリンが0.1の重量比)、約0.01-1、約0.05-1、約0.1-1、約0.2-1、約0.3-1、約0.4-1、約0.5-1、約0.6-1、約0.7-1、約0.8-1またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のメロキシカムに対する重量比で使用され得る。使用される各種類のシクロデキストリンは、異なる比を有し得る。
【0041】
いくつかの剤形では、シクロデキストリンは、約1~200mg、約25~175mg、約50~150mg、約25~100mg、約75~150mg、約100~175mg、約20~80mg、約25~50mg、約60~100mg、約80~100mg、約80~120mg、約100~120mg、約100~140mg、約120~160mg、約140~180mg、約30~90mg、約40~80mg、約50~70mg、約55~65mg、約60~62mgまたはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量で存在し得る。
【0042】
いくつかの方法では、メロキシカムおよびシクロデキストリン(例えば、置換β-シクロデキストリン)の包接複合体は、経口的に(例えば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤などによって)送達される。他の可能性のある投与経路には、静脈内、筋肉内、鼻腔内、凍結乾燥非経口、皮下、経皮、経粘膜または他の非経口手段が含まれる。メロキシカムは、単独で、またはシクロデキストリンとの非複合体として送達されてもよい。
【0043】
いくつかの剤形は、約1~2000mg、約1~1000mg、約100~1000mg、約200~800mg、約1~500mg、約1~200mg、約1~100mg、約50~750mg、約500~1000mg、約100~500mg、約100~300mg、約500~1000mg、約300~700mg、約400~600mg、約50~250mg、約250~750mg、約100~200mg、約200~300mg、約300~400mg、約400~500mg、約500~600mg、約600~700mg、約700~800mg、約800~900mg、約150~650mg、約350~850mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量の重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム)を含む。
【0044】
いくつかの剤形は、約1~1000mg、約1~500mg、約1~200mg、約1~100mg、約50~750mg、約500~1000mg、約100~500mg、約100~300mg、約200~800mg、約500~1000mg、約300~700mg、約400~600mg、約50~250mg、約250~750mg、約100~200mg、約200~300mg、約300~400mg、約400~500mg、約500~600mg、約600~700mg、約700~800mg、約800~900mg、約150~650mg、約350~850mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量の炭酸塩を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、メロキシカムの毎日の用量(例えば、経口用量、非経口用量など)は、約2-5mg、約2-6mg、約2-7mg、約2-8mg、約2-9mg、約2-10mg、約2-11mg、約2-12mg、約2-13mg、約2-14mg、約2-15mg、約2-16mg、約2-17mg、約2-18mg、約2-19mg、約2-20mg、約2-21mg、約2-22mg、約2-23mg、約2-24mg、約2-25mg、約2-26mg、約2-27mg、約2-28mg、約2-29mg、約2-30mg、約2-35mg、約2-40mg、約5-10mg 約10-15mg、約15-20mg、約20-25mg、約25-30mg、約30-35mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。
【0046】
いくつかの実施形態において、メロキシカムの毎週の用量(例えば、経口用量)は、約1~1000mg、約1~500mg、約10~250mg、約100~300mg、約10~100mg、約10~150mg、約10~300mg、約20~150mg、約20~60mg、約30~70mg、約40~60mg、約50~70mg、約70~90mg、約90~110mg、約50mg、約55mg、約100~150mg、約30~100mgまたはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。毎週の用量は、週に1回与えられる単回用量として与えられてもよく、または週に2,3,4,5,6または7回の別個の用量で与えられてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、メロキシカムの毎月の用量(例えば、経口用量)、または1ヶ月の期間にわたって投与される用量は、約5000mg以下、約4000mg以下、約3000mg以下、約2000mg以下、約1000mg以下、約700mg以下、約600mg以下、約1~4000mg、約1~1000mg、約10~1000mg、約50~1000mg、約10~600mg、約40~600mg、約50~600mg、約40~400mg、約50~200mg、約200~240mg、約240~280mg、約280~320mg、約320~360mg、約360~400mg、約400~450mg、約450~500mg、約500~600mg、約250~350mg、約100~600mg、約40~2000mg、約40~800mg、約100~900mg、約100~800mg、約40~1000mg、約50~1000mg、約100~1000mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。毎月の用量は、単回投与として、またはその月に投与される2回以上の別個の投与として与えられ得る。いくつかの実施形態では、毎月の用量は、2回または3回の隔週毎の用量で投与される。いくつかの実施形態では、毎月の用量は、4回または5回の週用量で投与される。いくつかの実施形態では、毎月の用量は、28~31の毎日の用量で、または56~62の毎日の用量以上で投与される。いくつかの実施形態において、月間の用量は、月に5~15の別個の用量で投与される。毎月の用量は、1ヶ月間だけ投与してもよいし、2ヶ月以上繰り返し投与してもよい。
【0048】
他の実施形態では、剤形は、毎週約1,2,3,4またはそれ以上の連続週、1週おき、すなわち隔週、または3週間に1回、投与することができる。このレジメンは、毎週1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、または医療従事者の指示に従って繰り返すことができる。
【0049】
特定の実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムを含有するがシクロデキストリン、酸阻害剤または緩衝剤(例えば、重炭酸塩)を含有しない剤形と比較して、剤形からのメロキシカムの向上したバイオアベイラビリティ(例えば、Tmaxの低下、Cmaxの増加、AUCの増加など)をもたらす。いくつかの実施形態では、メロキシカムのバイオアベイラビリティは複数回投与で増加する。例えば、剤形中のメロキシカムのバイオアベイラビリティは、シクロデキストリン、酸阻害剤または緩衝剤(例えば、重炭酸塩)を含有しない剤形中のメロキシカムのバイオアベイラビリティと比較して、投与の約1~10日後、投与の約2~6日、投与の約3~5日、投与の約4~6日、投与の約5~8日、投与の約5日、投与の約6日、投与の約7日、投与の約8日、投与の約10日、投与の約15日後、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の期間の後に増加し得る。
【0050】
剤形のいくつかは、メロキシカムの血漿濃度曲線(AUC)下の領域の所望の範囲をもたらし得る。例えば、メロキシカムの用量は、約1~150μg・hr/mL、約10~30μg・hr/mL、約20~40μg・hr/mL、約30~50μg・hr/mL、約40~60μg・hr/mL、約50~70μg・hr/mL、約60~80μg・hr/mL、約70~90μg・hr/mL、約80~100μg・hr/mL、約10~100μg・hr /mL、約50~150μg・hr/mL、約25~125μg・hr/mL、約75~150μg・hr/mL、約20~50μg・hr/mL、約40~70μg・hr/mL、約60~90μg・hr/mL、約80~110μg・hr/mL、約100~130μg・hr/mL、約120~150μg・hr/mLのメロキシカムのAUC、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のAUCをもたらし得る。
【0051】
別段の指示がない限り、AUCは、最後に測定された濃度(AUC0-t)に計算されたAUC、24時間(AUC0-24)の期間に渡るAUC、または無限大に外挿された(AUC0-inf)AUCを指す。
【0052】
いくつかの実施形態において、剤形は、約10~2500ng/mL、約100-2250ng/mL、約500~2000ng/mL、約1000~2500ng/mL、約1000~2000ng/mL、約100~900ng /mL、約750~1500ng/mL、約1250~2000ng/mL、 約1500~2300ng/mL、約800-1200ng/mL、約1900~2400ng/mL、約50~500ng/mL、約400-950ng /mL、約900~1500ng/mL、約1100~2200ng/mL、約1300~1600ng/mL、約1200~1500ng/mL、約1400~2100ng/mL、約1500~1900ng/mL、約1600~2100ng/mL、約1700~2000ng/mL、約1800~2000ng/mL、約1900~2500ng/mL、約150~1700ng/mL、約1600-1800ng/mL、約1700~1900ng/mL、約1800~2000ng/mL、約1900~2100ng/mL、約2000~2200ng/mL、約2100~2300ng/mL、約2200~2400ng/mL、約2300~2500ng/mL、約2500~3000ng/mLのメロキシカムのCmax、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のCmaxをもたらし得る。
【0053】
例えば、本明細書に記載の方法は、メロキシカムのTmaxを低下させることができる。いくつかの実施形態では、この方法は、約10分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分、約70分、約80分、約90分、約100分、約110分、約120分、約180分、約1~10時間、約2~9時間、約3~7時間、約4~6時間、約1~5時間、約2~7時間、約3~8時間、約4~9時間、約1~4時間、約2~5時間、約3~6時間、約4~7時間、約5~8時間、約6~9時間、約7~10時間以内もしくはその投与後のメロキシカムのTmax、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のTmaxを達成するために患者を治療することを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、メロキシカムを含む剤形は、約0.01~0.5μg/ mL、約0.5~0.7μg/mL、約0.6~0.8μg/mL、約0.7~0.9μg/mL、約0.8~1μg/mL、約0.9~1.1μg/mL、約1~1.2μg/mL、約1.1~1.3μg/mL、約1.2~1.4μg/mL、約1.3~1.5μg/mL、約1.4~1.6μg/mL、約1.5~1.7μg/mL、約1.6~1.8μg/mL、約1.7~1.9μg/mL、約1.8~2μg/mL、約1.9~2.1μg/mL、約2-2.2μg/mL、約2.1~2.3μg/mL、約2.2~2.4μg/mL、 約2.3~2.5μg/mL、約2.4~2.6μg/mL、約2.5~2.7μg/mL、約2.6~2.8μg/mL、約2.7~2.9μg/mL、約2.8~3μg/mL、約2.9~3.1μg/mL、約3~3.2μg/mL、約3.1-3.3μg/mL、約3.2~3.4μg/mL、約3.3-3.5μg/mL、約3.4-3.6μg/mL、約3.5~3.7μg/mL、約3.6~3.8μg/mL、約3.7~3.9μg/mL、約3.8~4μg/mL、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の血漿濃度である、12時間でのメロキシカムの血漿濃度をもたらし得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、メロキシカムは、約0.01~0.5μg/mL、約0.5~0.7μg/mL、約0.6~0.8μg/mL、約0.7~0.9μg/mL、約0.8~1μg/mL、約0.9~1.1μg/mL、約1~1.2μg/mL、約1.1~1.3μg/mL、約1.2~1.4μg/mL、約1.3~1.5μg/mL、約1.4~1.6μg/mL、約1.5~1.7μg/mL、約1.6~1.8μg/mL、約1.7~1.9μg/mL、約1.8~2μg/mL、約1.9~2.1μg/mL、約2~2.2μg/mL、約2.1~2.3μg/mL、約2.2~2.4μg/mL、約2.3~2.5μg/mL、約2.4~2.6μg/mL、約2.5~2.7μg/mL、約2.6~2.8μg/mL、約2.7~2.9μg/mL、約2.8~3μg/mL、約2.9~3.1μg/mL、約3~3.2μg/mL、約3.1~3.3μg/mL、約3.2~3.4μg/mL、約3.3~3.5μg/mL、約3.4~3.6μg/mL、約3.5~3.7μg/mL、約3.6~3.8μg/mL、約3.7~3.9μg/mL、約3.8~4μg/mL、約0.1~20μg/mL、約0.5~15μg/mL、約0.5~10μg/mL、約5~15μg/mL、約10~20μg/mL、約7.5~15μg/mL、約2~10μg/mL、約1~8μg/mL、約1~6μg/mL、約1~2μg/mL、約0.5~3.5μg/mL、約0.5~7μg/mL、約12~20μg/mL、約8~12μg/mL、約1~4μg/mL、約4~7μg/mL、約7~11μg/mL、約11~15μg/mL、約15~19μg/mL、約16~20μg/mL、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のメロキシカム血漿レベル(例えば、Caveまたは平均血漿レベル)をもたらす用量で投与される。
【0056】
1つの実施形態は、疼痛の緩和のために、および他の状態、特に慢性治療中にNSAIDを服用している人々における胃腸の副作用のリスクを低減し、NSAIDのバイオアベイラビリティを改善する方法である。一実施形態では、この方法は、a)胃内pHを能動的に上昇させる薬剤、およびb)シクロデキストリンと製剤化されたNSAIDを組み合わせた製品の投与に関する。別の実施形態において、この方法は、a)胃内pHを能動的に上昇させる薬剤、b)シクロデキストリンと製剤化されたNSAID、およびc)緩衝剤を組み合わせた製品の投与に関する。短時間または長時間作用型の酸阻害剤のいずれも剤形に効果的に使用され得る。この方法は、NSAID療法に起因する胃保護的なプロスタグランジンの崩壊によってその効果が増強され得る他の胃腸潰瘍源から患者を保護することができるという追加の利点を有する。
【0057】
水性非経口形態のメロキシカム製剤は、水性製剤のpHを約2~約5、約3.5~約5、約5~約11、約6~約9、約6~約8、約6~約7、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他のpHに調整するための緩衝剤を含み得る。経口形態のメロキシカム製剤は、約2~約5、約3.5~約5、約5~約11、約6~約9、約6~約8、約6~約7、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他のpHの胃液のpHを調整するための緩衝剤を含み得る。本明細書での使用に適した緩衝液の例には、硫酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液などが含まれる。
【0058】
いくつかの実施形態では、剤形は、例えば不活性希釈剤または食用担体と共に経口投与用に製剤化され得、または硬質または軟質シェルゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、あるいは食餌療法食に直接含められていてもよい。経口治療用投与の場合、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、摂取可能な錠剤、頬側錠剤、被覆錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、分散液、懸濁液、溶液、シロップ、ウエハー、パッチなどの形態で使用され得る。
【0059】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、以下の1つ以上、すなわち、トラガカントゴム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤、リン酸二カルシウムのような賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、スクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤、あるいはペパーミント、ウィンターグリーン油またはチェリー香味料のような香味剤の1つ以上を含有してもよい。単位剤形がカプセルである場合、それは、上記タイプの材料に加えて、液体担体を含有してもよい。様々な他の材料がコーティングとして存在してもよく、例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、シェラック、糖または両方でコーティングされてもよい。シロップまたはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、チェリーフレーバーまたはオレンジフレーバーのような色素および香味料を含み得る。剤形または医薬組成物中の物質は、薬学的に純粋であり、使用される量において実質的に非毒性であることが望ましい場合がある。
【0060】
いくつかの組成物または剤形は、液体であり得るか、または液体中に分散された固体相を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、剤形は、1つ以上の単位剤形が投与される場合、患者の胃のpHを少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも3.5、少なくとも4およびより高い少なくとも5に上昇させるのに有効な量で存在する酸阻害剤をさらに含むことができる。用語「酸阻害剤」は、胃酸分泌を阻害し、胃のpHを上昇させる薬剤を指す。特定のHブロッカーは、H拮抗薬またはヒスタミンHブロッカーもしくは拮抗薬とも呼ばれ、限定されることなく、シメチジン、ラニチジン、エブロチジン、パブチジン、ラフチジン、ロクスチジン、ファモチジンまたはそれらの組み合わせが含まれる。
【0062】
酸阻害剤として効果的に使用され得る他の薬剤は、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、ラベプラゾール、パリプラゾール、レミノプラゾールおよびテナトプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤である。いくつかの実施形態において、酸阻害剤の毎日の用量は、約1~200mg、約1~100mg、約1~50mg、約40~80mg、約5~50mg、約20~40mg、約10~50mg、約10~20mg、約20~40mg、約15~50mg、約30~60mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mgまたはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。
【0063】
特定のプロトンポンプ阻害剤の例は、5mgと50mgとの間の量の単位剤形中に存在するエソメプラゾール、5mgと50mgとの間の量の単位剤形で存在するオメプラゾール、5mgと150mgとの間(好ましくは5mgと30mgとの間)の量の単位剤形で存在するランソプラゾール、および10mgと200mgとの間の量の単位剤形中に存在するパントプラゾールを含む。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、約10~30mg、約20~40mg、約30~50mg、約40~60mg、約50~70mg、約60~80mg、約70~90mg、または約80~100mgの量の剤形中に存在する。最近、酸ポンプでカリウムと競合する、より新しい種類の酸阻害剤が開発されている。このクラスの化合物は、「可逆性プロトンポンプ阻害剤」または「酸ポンプ拮抗薬」と呼ばれ、使用されてもよい。例には、AZD-0865、AR-H047108、CS-526、プマプラゾール、レバプラザンおよびソラプラザンが含まれる(国際公開第96/05177号および国際公開第96/05199号参照)。この群の他の化合物は、H-335/25(アストラゼネカ、ダイアログファイル128、受託番号020806)、Sch-28080(シェリングプラウ、ダイアログファイル128、受託番号009663)、 Sch-32651(シェリングプラウ、ダイアログファイル128、受託番号006883)およびSK&F-96067(CAS登録番号115607-61-9)である。
【0064】
いくつかの実施形態では、剤形または治療はまた、疼痛または炎症を軽減または排除するのに有効な量の第2の非ステロイド系抗炎症薬を投与することをさらに含む。NSAIDには、限定されることなく、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ルミラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、CS-502、JTE-522、L-745,337、NS398、アスピリン、アセトアミノフェン(本開示の目的のためにNSAIDとみなされる)、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、エトドラク、インドメタシン、ケトロラク、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、ドロキシカム、テノキシカム、ナブメトン、ジクロフェナク、メクロフェナム酸塩、メフェナム酸、ジフルニサル、スリンダク、トルメチン、フェノプロフェン、スプロフェン、ベノキサプロフェン、アセクロフェナク、トルフェナミン酸、オキシフェンブタゾン、アザプロパゾン、フェニルブタゾン、またはそれらの組み合わせが含まれる。本開示の目的のために、酸阻害剤、NSAIDまたは鎮痛剤は、これらの化合物の一般的形態のすべて、特にその薬学的に許容される塩を含むことが理解される。治療上有効なNSAIDの量は、酸阻害剤の存在下で、または緩衝剤の存在下で、潜在的な正の速度論的相互作用およびNSAID吸収のために、実際に他で見られるものよりも現在の実施形態においてはより低くなり得る。
【0065】
他の実施形態では、剤形または治療はさらに、疼痛または炎症を軽減または排除するのに有効な量のオピオイドを投与することをさらに含むことができる。オピオイドは、限定されることなく、(デキストロ)プロポキシフェン、A-メチルフェンタニル、アルフェンタニル、アリルプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、デスメチルプロジン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイノン、ジヒドロエトルフィン、ジモルホン、ジフェノキシレート、ジピパノン、エトルフィン、フェンタニル、ケトベミドン、レフェタミン、レバセチルメタドール、レボメトルファン、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン、メプタジノール、メタドン、メチルモルフィン、モルヒネ、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、ニコモルヒネ、オメフェンタニル、オリパビン、オキシコドン、オキシモルフォン、PEPAP、パラモルヒネ、ペンタゾシン、フェナタゾシン、ピリトラミド、プロジン、レミフェンタニル、スフェンタニル、タペンタドール、チリジン、トラマドール、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0066】
医薬組成物は、(a)酸阻害剤、および/または(b)緩衝剤、(c)前記単位剤形の1以上の投与時に患者の疼痛または炎症を軽減または排除するのに有効な量で存在する非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を有する錠剤またはカプセルの形態であり得る。医薬組成物の成分は、個々にまたは全体として即時放出形態または持続放出形態であり得る。
【0067】
本明細書で使用される「単位剤形」という用語は、薬物投与のための単一の実体を指す。例えば、酸阻害剤およびNSAIDの両方を組み合わせた単一の錠剤またはカプセル剤は、単位剤形であろう。「単位剤形」(または「単位用量剤形」)は、「固定剤形」(または「固定用量剤形」)または「固定剤形の組み合わせ」(または「固定用量剤形の組み合わせ」)とも呼ばれ、他の文献では交換可能である。一実施形態では、単位剤形は多層錠剤である。
【0068】
他の実施形態では、単位剤形は、患者への経口投与に適している。さらに別の実施形態において、単位剤形は錠剤である。さらに別の実施形態において、単位剤形は、単一のコアと、コアの外側の1つ以上の層とを含む多層錠剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムのバイオアベイラビリティを高めるために有効量のメロキシカム、シクロデキストリン、および炭酸塩または重炭酸塩を有することができる。他の実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムのバイオアベイラビリティを増加させるか、またはメロキシカムのTmaxを低下させるために、有効量のメロキシカム、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBEβCD)、および重炭酸ナトリウムを有し得る。
【0069】
いくつかの経口剤形は、腸溶性コーティングまたはフィルムコーティングを有し得る。いくつかの実施形態では、剤形は、腸溶コーティングを有する錠剤またはカプセルを含み得る。いくつかの実施形態では、剤形は、フィルムコーティングを有する錠剤またはカプセルを含み得る。
【0070】
本開示の一実施形態は、患者への投与に適した単位剤形中の医薬組成物であって、
(a)腸溶性コーティングによって囲まれていてもいなくてもよいエソメプラゾール、
(b)重炭酸ナトリウムもしくは重炭酸カリウムおよび/または炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、ならびに
(c)シクロデキストリンと製剤化されていてもいなくてもよく、腸溶コーティングによって囲まれていてもいなくてもよいメロキシカム
を含む医薬組成物に関する。
【0071】
特定の実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムを含有するが、酸阻害剤を含まないか、または緩衝剤を含まない剤形と比較して、剤形からのメロキシカムの放出または溶解を速くする。
【0072】
以下の実施形態が意図される。
実施形態1.シクロデキストリン中のメロキシカムの包接複合体。
実施形態2.1)実施形態1の包接複合体、または2)メロキシカムと炭酸塩または重炭酸塩とを含む剤形。
実施形態3.シクロデキストリンが置換β-シクロデキストリンを含む、包接複合体を含む実施形態2の剤形。
実施形態4.置換β-シクロデキストリンがスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)またはヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(HPBCD)である、実施形態3の剤形。
実施形態5.シクロデキストリンがSBEβCDである、実施形態4の剤形。
実施形態6.SBEβCDが、β-シクロデキストリンの各分子について約6~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、実施形態5の剤形。
実施形態7.メロキシカムおよびSBEβCDが約0.8~約1.2のモル比を有する、実施形態6の剤形。
実施形態8.メロキシカムおよびSBEβCDが約1のモル比を有する、実施形態6の剤形。
実施形態9.重炭酸塩を含む、実施形態2,3,4,5,6,7または8の剤形。
実施形態10.重炭酸塩が重炭酸ナトリウムを含む、実施形態9の剤形。
実施形態11.経口剤形である、実施形態2,3,4,5,6,7,8,9または10の剤形。
実施形態12.約50mg~約200mgのSBEβCDが剤形中に存在する、実施形態2,3,4,5,6,9,10または11に記載の剤形。
実施形態13.炭酸塩または重炭酸塩が、約400mg~約600mgの範囲の量で存在する、実施形態2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,または12の剤形。
実施形態14.メロキシカムのTmaxが、炭酸塩、重炭酸塩またはシクロデキストリンを有さない剤形と比較して減少する、実施形態2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12、または13の剤形。
実施形態15.メロキシカムのTmaxが、投与後約10分~約180分の範囲の時点で患者において達成される、実施形態14の方法。
実施形態16.炭酸塩、重炭酸塩またはシクロデキストリンを有さない剤形よりも高いメロキシカムの経口バイオアベイラビリティを有する実施形態2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14、または15の剤形。
実施形態17.さらに酸阻害剤を含む、実施形態2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19または20の剤形。
実施形態18.酸阻害剤がプロトンポンプ阻害剤である、実施形態17の剤形。
実施形態19.プロトンポンプ阻害剤がエソメプラゾールである、実施形態18の剤形。
実施形態20.約30mg~約50mgのエソメプラゾールが剤形中に存在する、実施形態19の剤形。
実施形態21.実施形態2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19または20の剤形を、治療を必要とする患者に経口投与することを含む、メロキシカムを経口投与する方法。
実施形態22.剤形が疼痛を治療するために投与される、実施形態21の方法。
実施形態23.剤形が炎症性疼痛を治療するために投与される、実施形態21の方法。
実施形態24.剤形が、変形性関節症、関節リウマチまたは若年性関節リウマチを治療するために投与される、実施形態21の方法。
実施形態25.実施形態2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,13,14または15の剤形を、治療の必要な患者に静脈内投与することを含む、メロキシカムを静脈内投与する方法。
【0073】
(実施例1)
酸性媒体のpHに対する種々の量の炭酸カリウム(KCO)および重炭酸ナトリウム(NaHCO)の効果を試験した。酸性媒体は、胃の状態をシミュレートするように選択した。KCOまたはNaHCOを0.01N HCl溶液(pH2)50mLに加えた。KCOまたはNaHCOの添加後、溶液のpHを測定した。次いで、脱イオン水(240mL)を混合物に加え、pHを再び測定した。結果を表1~4に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
(実施例2)
メロキシカムおよびシクロデキストリン、KCOまたはNaHCOの組み合わせを含有する錠剤を製造し、溶解について試験した。メロキシカム単独(MOBIC(登録商標))を含有する錠剤を購入し、溶解についても試験した。試験した錠剤を表5に列挙する。メロキシカム/シクロデキストリン包接複合体の形態のメロキシカムを、メロキシカムおよびシクロデキストリンを含有する錠剤において使用した。包接複合体は、pH調整した水溶液中でメロキシカムとシクロデキストリンとを混合することによって形成された。緩衝剤を用いて溶液のpHを調整した。得られた可溶性メロキシカム/シクロデキストリン包接複合体をその後噴霧乾燥した。この噴霧乾燥した分散液を、シクロデキストリンを含有する錠剤の製造に使用した。
【0079】
【表5】
【0080】
(胃の状態をシミュレートするように選択された)酸性媒体での溶解試験は、錠剤を0.01N HCl溶液中、75RPMの攪拌速度および約37℃の容器温度に置くことによって行われた。 結果を表6および図1-10に示す。種々の時点(0,15,30,45,60,90および120分)における結果は、溶解したメロキシカムのパーセント(%)として示される。
【0081】
【表6】
【0082】
メロキシカムの溶解は、メロキシカムのみを含む錠剤と比較して、メロキシカムおよびシクロデキストリン、KCO、またはNaHCOの様々な組み合わせを含有する錠剤で大きかった。例えば、120分後、NaHCOを含有するメロキシカム錠剤の溶解は、メロキシカム単独を含有する錠剤の2%と比較して、95%であった。
【0083】
メロキシカムの溶解は、シクロデキストリンの非存在下でのKCOの量の増加と共に増加した。しかしながら、シクロデキストリンの存在下では、KCOの量の増加は、メロキシカムの溶解を増加させないようであった。試験した重炭酸カリウムの最高用量では、シクロデキストリンの存在下でのメロキシカムの溶解は、120分でのシクロデキストリンの非存在下でのメロキシカムの溶解と比較して、約50%減少した。
【0084】
メロキシカムのNaHCOでの溶解は、15分間(50%対30%)および120分(92%対23%)で最高用量のKCOで観察されたものよりも有意に大きかった。シクロデキストリンの存在下でのメロキシカムの溶解も、15分(85%対26%)および120分(86%対12%)の最高用量のKCOと比較して、NaHCOで有意に大きかった。シクロデキストリンの存在下でのNaHCOは、溶解が減少した重炭酸カリウムと比較して、15分でメロキシカムの溶解を増加させた。
【0085】
他に指示がない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量、反応条件などの特性を表すすべての数字は、すべての場合において、示されているとおりの正確な値および「約」との用語により修飾されているものと理解されるべきである。従って、反対に示されない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限、クレームの範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数および通常の周辺技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0086】
(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)本発明を説明する文脈で使用される用語「a」、「an」、「the」および同様の指示対象は、単数形および複数形の両方を包含するものと解釈されるべきであり、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をよりよく説明するためのものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な任意の請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0087】
本明細書に開示された代替要素または実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるべきではない。各グループのメンバーは、個別に、またはグループ内の他のメンバーまたはここに記載されている他の要素と任意の組み合わせで参照され、請求されることがある。利便性および/または特許性の理由から、1つまたは複数のグループのメンバーがグループに含まれるか、グループから削除されることが予想される。そのような包含または削除が生じた場合、明細書は修正されたグループを含むとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの記述を満たすものとみなされる。
【0088】
本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含む特定の実施形態を本明細書に記載する。当然のことながら、これらの記載された実施形態の変形は、上記の説明を読むことによって当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図する。したがって、特許請求の範囲は、適用法によって許容されるように、特許請求の範囲に記載された主題のすべての改変および均等物を含む。さらに、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、すべての可能な変形例における上記要素の任意の組み合わせが企図される。
【0089】
最後に、本明細書に開示された実施形態は、特許請求の範囲の原理を例示するものであることを理解されたい。使用され得る他の改変は、請求項の範囲内である。したがって、限定ではなく例として、代替の実施形態を本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、特許請求の範囲は、図示および説明したように、正確に実施形態に限定されない。
【0090】
(付記)
(付記1)
シクロデキストリン中のメロキシカムの包接複合体。
【0091】
(付記2)
1)付記1に記載の包接複合体、または2)メロキシカムおよび炭酸塩もしくは重炭酸塩、を含む剤形。
【0092】
(付記3)
前記包接複合体を含み、前記シクロデキストリンが置換β-シクロデキストリンを含む、付記2に記載の剤形。
【0093】
(付記4)
前記置換β-シクロデキストリンが、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)またはヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(HPBCD)である、付記3に記載の剤形。
【0094】
(付記5)
前記シクロデキストリンがSBEβCDである、付記4に記載の剤形。
【0095】
(付記6)
前記SBEβCDが、β-シクロデキストリンの各分子について約6~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、付記5に記載の剤形。
【0096】
(付記7)
前記メロキシカムおよび前記SBEβCDが約0.8~約1.2のモル比を有する、付記6に記載の剤形。
【0097】
(付記8)
前記メロキシカムおよび前記SBEβCDが約1のモル比を有する、付記6に記載の剤形。
【0098】
(付記9)
重炭酸塩をさらに含む、付記5に記載の剤形。
【0099】
(付記10)
前記重炭酸塩が重炭酸ナトリウムを含む、付記9に記載の剤形。
【0100】
(付記11)
重炭酸塩をさらに含む、付記7に記載の剤形。
【0101】
(付記12)
前記重炭酸塩が重炭酸ナトリウムを含む、付記11に記載の剤形。
【0102】
(付記13)
経口剤形である、付記2に記載の剤形。
【0103】
(付記14)
前記包接複合体を含み、約50mg~約200mgのSBEβCDが剤形中に存在する、付記2に記載の剤形。
【0104】
(付記15)
前記メロキシカムおよび炭酸塩または重炭酸塩を含み、前記炭酸塩または重炭酸 塩が、約400mg~約600mgの範囲の量で存在する、付記2に記載の剤形。
【0105】
(付記16)
前記メロキシカムのTmaxが、炭酸塩、重炭酸塩、またはシクロデキストリンを有しない剤形と比較して減少する、付記2に記載の剤形。
【0106】
(付記17)
メロキシカムのTmaxが、投与後約10分~約180分の範囲の時点で患者において達成される、付記2に記載の方法。
【0107】
(付記18)
メロキシカムの経口バイオアベイラビリティが、炭酸塩、重炭酸塩、またはシクロデキストリンを有さない剤形よりも高い、付記2に記載の剤形。
【0108】
(付記19)
メロキシカムおよび炭酸塩または重炭酸塩を含む、付記2に記載の剤形。
【0109】
(付記20)
前記炭酸塩または前記重炭酸塩が重炭酸ナトリウムであり、重炭酸ナトリウムが約400mg~約600mgの範囲の量で存在する、付記19に記載の剤形。
【0110】
(付記21)
酸阻害剤をさらに含む、付記9に記載の剤形。
【0111】
(付記22)
前記酸阻害剤がプロトンポンプ阻害剤である、付記21に記載の剤形。
【0112】
(付記23)
前記プロトンポンプ阻害剤がエソメプラゾールである、付記22に記載の剤形。
【0113】
(付記24)
約30mg~約50mgのエソメプラゾールが剤形中に存在する、付記23に記載の剤形。
【0114】
(付記25)
メロキシカムを経口投与する方法であって、付記2に記載の剤形を治療を必要とする患者に経口投与することを含む方法。
【0115】
(付記26)
前記剤形が、SBEβCD中にメロキシカムの包接複合体を含有し、重炭酸塩を含有する、付記25に記載の方法。
【0116】
(付記27)
前記重炭酸塩が重炭酸ナトリウムである、付記25に記載の方法。
【0117】
(付記28)
前記剤形が、約300mg~約600mgの重炭酸ナトリウムを含有する、付記27に記載の方法。
【0118】
(付記29)
前記剤形が疼痛を治療するために投与される、付記25に記載の方法。
【0119】
(付記30)
前記剤形が疼痛を治療するために投与される、付記26に記載の方法。
【0120】
(付記31)
前記剤形が炎症性疼痛を治療するために投与される、付記30に記載の方法。
【0121】
(付記32)
前記剤形が、変形性関節症、慢性関節リウマチ、または若年性関節リウマチを治療するために投与される、付記30に記載の方法。
【0122】
(付記33)
前記剤形が、メロキシカムおよび炭酸塩または重炭酸塩を含む、付記25に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10