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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】ワークポジショナ
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/04 20060101AFI20220201BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20220201BHJP
   B23Q 1/64 20060101ALI20220201BHJP
   B23Q 1/52 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
B23Q3/04
B23P19/00 304E
B23Q1/64 D
B23Q1/52
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2016206110
(22)【出願日】2016-10-20
(65)【公開番号】P2018065224
(43)【公開日】2018-04-26
【審査請求日】2019-09-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】島本 光
(72)【発明者】
【氏名】沖村 隆行
(72)【発明者】
【氏名】中村 江児
(72)【発明者】
【氏名】前川 高広
【審査官】中里 翔平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05887733(US,A)
【文献】特表2008-521633(JP,A)
【文献】特開2005-028482(JP,A)
【文献】特表2011-518053(JP,A)
【文献】実開昭51-102324(JP,U)
【文献】実開昭61-078534(JP,U)
【文献】特開平04-315535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/04
B23P 19/00
B23Q 1/25
B23Q 1/64
B23Q 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ワークを保持する第1ワーク保持部を有するワークポジショナであって、
所定の第1回転軸周りの第1回転力を出力し、前記第1ワーク保持部に前記第1回転軸周りの第1角運動を与える第1駆動部と、
前記第1駆動部と協働して前記第1ワーク保持部を支持する軸受部と、
前記第1回転軸から離間した位置に配設されたベースと、
前記ベースから前記第1回転軸に向けて延びる第1支軸に沿って延び、前記第1駆動部を支持する第1支柱と、
前記ベースと前記第1回転軸との間で前記第1支軸に平行に延びる第2支軸に沿って延び、前記軸受部を支持する第2支柱と、を備え、
前記第1駆動部は前記第1支柱の上に配置され、前記軸受部は前記第2支柱の上に配置され、
前記第1支柱は、前記第1支軸に沿って並べられた複数の第1支柱片を含み、
前記第2支柱は、前記第2支軸に沿って並べられた複数の第2支柱片を含み、
前記ベースは、前記第1支軸と交差する位置に配置された第1ベース部と、前記第2支軸と交差する位置に配置された第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、且つ、互いに並行する2つの中間ベース部と、を含み、
前記第1ベース部は、前記第1支軸と交差する方向に配設された第1ベース板と、当該第1ベース板における前記第1支柱が延びるのとは反対側の主面である下面に取り付けられる一対の第1アーム及び第1リブと、を有し、
前記第2ベース部は、前記第2支軸と交差する方向に配設された第2ベース板と、当該第2ベース板における前記第2支柱が延びるのとは反対側の主面である下面に取り付けられる一対の第2アーム及び第2リブと、を有し、
前記第1リブは、前記第1支軸が延びる方向及び前記第1ベース板と前記第2ベース板とが対向する方向の双方に交差する方向に延び、
前記第2リブは、前記第2支軸が延びる方向及び前記第1ベース板と前記第2ベース板とが対向する方向の双方に交差する方向に延び、
前記2つの中間ベース部のそれぞれは、当該中間ベース部の両端面が、前記一対の第1アームの各端面及び前記一対の第2アームの各端面に対して突き合わされた状態で、前記第1ベース部及び前記第2ベース部に取り付けられているとともに、前記第1ベース部及び前記第2ベース部から分離可能であり、
前記第1支柱に第1支柱片を追加するとともに前記第2支柱に第2支柱片を追加することにより、前記第1回転軸と前記ベースとの間の距離が長くなり、前記第1支柱から一部の前記第1支柱片を取り除くとともに前記第2支柱から一部の前記第2支柱片を取り除くことにより、前記第1回転軸と前記ベースとの間の距離が短くなる
ワークポジショナ。
【請求項2】
前記第1ベース部に据え付けられ、且つ、前記第1回転軸と平行に延びるレールを備え、
前記第1支柱は、前記レールに沿って位置調整可能である
請求項1に記載のワークポジショナ。
【請求項3】
前記複数の第2支柱片は、形状及び大きさにおいて、前記複数の第1支柱片とそれぞれ同一である
請求項1または2に記載のワークポジショナ。
【請求項4】
前記中間ベース部は、前記第1回転軸の延設方向に延びる棒材である
請求項1乃至のいずれか1項に記載のワークポジショナ。
【請求項5】
第2ワークを保持する第2ワーク保持部と、
前記第1回転軸周りの第2回転力を出力し、前記第2ワーク保持部に前記第1回転軸周りの第2角運動を与える第2駆動部と、
前記ベースから前記第1回転軸に向けて延びる第3支軸に沿って延び、前記第2駆動部を支持する第3支柱と、を備え、
前記軸受部は、前記第2駆動部と協働して、前記第2ワーク保持部を支持する
請求項1乃至のいずれか1項に記載のワークポジショナ。
【請求項6】
第1ワークを保持する第1ワーク保持部と、
第2ワークを保持する第2ワーク保持部と、
所定の第1回転軸周りの第1回転力を出力し、前記第1ワーク保持部に前記第1回転軸周りの第1角運動を与える第1駆動部と、
前記第1回転軸に対して平行な第2回転軸周りの第2回転力を出力し、前記第2ワーク保持部に前記第2回転軸周りの第2角運動を与える第2駆動部と、
前記第1駆動部と協働して前記第1ワーク保持部を支持する第1軸受部と、
前記第2駆動部と協働して前記第2ワーク保持部を支持する第2軸受部と、
前記第1回転軸から離間した位置に配設されたベースと、
前記ベースから前記第1回転軸に向けて延びる第1支軸に沿って延び、前記第1駆動部を支持する第1支柱と、
前記ベースと前記第1回転軸との間で前記第1支軸に平行に延びる第2支軸に沿って延び、前記第1軸受部および前記第2軸受部を支持する第2支柱と、
前記ベースから前記第2回転軸に向けて延びる第3支軸に沿って延び、前記第2駆動部を支持する第3支柱と、
前記第1支柱と前記第3支柱との間に配置されたスペーサ片と、
を備え、
前記第1支柱は、前記第1支軸に沿って並べられた複数の第1支柱片を含み、
前記第3支柱は、前記第3支軸に沿って並べられた複数の第3支柱片を含み、
前記スペーサ片及び前記複数の第3支柱片それぞれは、形状及び大きさにおいて、前記複数の第1支柱片と同一であり、
前記スペーサ片は、前記複数の第1支柱片間に形成された第1空隙に介挿される第1部位と、前記複数の第3支柱片間に形成された第2空隙に介挿される第2部位と、を含み、
前記スペーサ片、前記第1部位を挟む前記複数の第1支柱片及び前記第2部位を挟む前記複数の第3支柱片は、市松模様を形成する
ワークポジショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工対象のワークを適切な位置や適切な姿勢に設定するワークポジショナに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークポジショナは、加工対象のワークを適切な位置や適切な姿勢に設定するために用いられる(特許文献1を参照)。ワークは、ワークポジショナによって、工具に対して適切な位置や適切な姿勢に保持されるので、ワークは、精度よく加工される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-47880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のワークポジショナは、加工対象のワークの形状及び大きさに適合するように設計される。したがって、形状及び大きさにおいて異なる複数のワークが存在するならば、これらのワークに適した複数のワークポジショナが必要とされる。このことは、ワークポジショナの多数の設計作業が必要とされることを意味する。
【0005】
形状及び大きさにおいて異なる複数のワークを保持することができるように設計されたワークポジショナも存在する。しかしながら、このようなワークポジショナを利用可能なワークの種類は、あまり多くない。あるいは、ワークポジショナが、保持されたワークより過度に大きく、加工精度や加工効率に悪影響を及ぼすこともある。
【0006】
本発明は、形状及び大きさにおいて異なる多数のワークに対して利用可能なワークポジショナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係るワークポジショナは、第1ワークを保持する第1ワーク保持部を有する。ワークポジショナは、所定の第1回転軸周りの第1回転力を出力し、前記第1ワーク保持部に前記第1回転軸周りの第1角運動を与える第1駆動部と、前記第1駆動部と協働して前記第1ワーク保持部を支持する軸受部と、前記第1回転軸から離間した位置に配設されたベースと、前記ベースから前記第1回転軸に向けて延びる第1支軸に沿って延び、前記第1駆動部を支持する第1支柱と、前記ベースと前記第1回転軸との間で前記第1支軸に平行に延びる第2支軸に沿って延び、前記軸受部を支持する第2支柱と、を備える。前記第1駆動部は前記第1支柱の上に配置され、前記軸受部は前記第2支柱の上に配置される。前記第1支柱は、前記第1支軸に沿って並べられた複数の第1支柱片を含み、前記第2支柱は、前記第2支軸に沿って並べられた複数の第2支柱片を含む。前記ベースは、前記第1支軸と交差する位置に配置された第1ベース部と、前記第2支軸と交差する位置に配置された第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、且つ、互いに並行する2つの中間ベース部と、を含み、前記第1ベース部は、前記第1支軸と交差する方向に配設された第1ベース板と、当該第1ベース板における前記第1支柱が延びるのとは反対側の主面である下面に取り付けられる一対の第1アーム及び第1リブと、を有し、前記第2ベース部は、前記第2支軸と交差する方向に配設された第2ベース板と、当該第2ベース板における前記第2支柱が延びるのとは反対側の主面である下面に取り付けられる一対の第2アーム及び第2リブと、を有し、前記第1リブは、前記第1支軸が延びる方向及び前記第1ベース板と前記第2ベース板とが対向する方向の双方に交差する方向に延び、前記第2リブは、前記第2支軸が延びる方向及び前記第1ベース板と前記第2ベース板とが対向する方向の双方に交差する方向に延び、前記2つの中間ベース部のそれぞれは、当該中間ベース部の両端面が、前記一対の第1アームの各端面及び前記一対の第2アームの各端面に対して突き合わされた状態で、前記第1ベース部及び前記第2ベース部に取り付けられているとともに、前記第1ベース部及び前記第2ベース部から分離可能である。前記第1支柱に第1支柱片を追加するとともに前記第2支柱に第2支柱片を追加することにより、前記第1回転軸と前記ベースとの間の距離が長くなり、前記第1支柱から一部の前記第1支柱片を取り除くとともに前記第2支柱から一部の前記第2支柱片を取り除くことにより、前記第1回転軸と前記ベースとの間の距離が短くなる。
【0008】
上記の構成によれば、第1駆動部は、所定の第1回転軸周りの第1回転力を出力し、第1ワーク保持部に第1回転軸周りの第1角運動を与えるので、第1ワークは、適切な位置及び適切な姿勢に設定される。軸受部は、第1駆動部と協働して第1ワーク保持部を支持するので、第1ワーク保持部は、第1回転軸周りに安定的に回転することができる。したがって、第1ワークに対する加工精度は、高いレベルに維持される。
【0009】
第1支柱は、ベースから第1回転軸に向けて延びる第1支軸に沿って延び、第1駆動部を支持し、且つ、第2支柱は、ベースと第1回転軸との間で第1支軸に平行に延びる第2支軸に沿って延び、軸受部を支持するので、第1ワーク保持部は、ベースから適切な距離だけ離間して保持される。第1支柱は、第1支軸に沿って並べられた複数の第1支柱片を含むので、ワークポジショナを用いて作業する作業者は、第1ワークの大きさ及び/又は形状に適するように、いくつの第1支柱片を第1支柱として用いるかを決定することができる。
また、第1支軸と交差する位置に配置された第1ベース部と、第2支軸と交差する位置に配置された第2ベース部と、の間に配置された2つの中間ベース部は、それぞれが第1ベース部及び第2ベース部から分離可能であるので、第1支柱と第2支柱との間の距離が長すぎる、或いは、短すぎるならば、作業者は、2つの中間ベース部を、第1ベース部及び第2ベース部から取り外し、第1ベース部と第2ベース部との間の距離を適切な値に設定することができる。作業者は、その後、第1ベース部と第2ベース部との間の調整された距離に適合する他の中間ベース部を第1ベース部と第2ベース部とに取り付け、ベースを新たに構築することができる。したがって、作業者は、第1回転軸の延設方向におけるワークの長さに適するように、第1支柱と第2支柱との間の距離を調整することができる。
したがって、ワークポジショナは、様々な大きさの第1ワークを保持するために利用可能である。
上記の構成に関して、ワークポジショナは、前記第1ベース部に据え付けられ、且つ、前記第1回転軸と平行に延びるレールを備えてもよい。前記第1支柱は、前記レールに沿って位置調整可能であってもよい。
上記の構成によれば、第1支柱は、レールに沿って位置調整可能であるので、作業者は、長さにおいて異なる多数の中間ベース部を保有していなくとも、第1支柱と第2支柱との間の距離を様々な値に設定することができる。
【0010】
記の構成に関して、前記複数の第2支柱片は、形状及び大きさにおいて、前記複数の第1支柱片とそれぞれ同一であってもよい。
【0011】
上記の構成によれば、第2支柱は、第2支軸に沿って並べられた複数の第2支柱片を含むので、作業者は、第1ワークの大きさ及び/又は形状に適するように、いくつの第2支柱片を第2支柱として用いるかを決定することができる。したがって、ワークポジショナは、様々な大きさの第1ワークを保持するために利用可能である。複数の第2支柱片は、形状及び大きさにおいて、複数の第1支柱片とそれぞれ同一であるので、ワークポジショナは、少ない種類の部品によって構築され得る。
【0012】
上記の構成に関して、前記ベースは、前記第1支軸と交差する位置に配置された第1ベース部と、前記第2支軸と交差する位置に配置された第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置される中間ベース部と、を含んでもよい。前記中間ベース部は、前記第1ベース部及び前記第2ベース部から分離可能であってもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第1支軸と交差する位置に配置された第1ベース部と、第2支軸と交差する位置に配置された第2ベース部と、の間に配置された中間ベース部は、第1ベース部及び第2ベース部から分離可能であるので、第1支柱と第2支柱との間の距離が長すぎる、或いは、短すぎるならば、作業者は、中間ベース部を、第1ベース部及び第2ベース部から取り外し、第1ベース部と第2ベース部との間の距離を適切な値に設定することができる。作業者は、その後、第1ベース部と第2ベース部との間の調整された距離に適合する他のもう1つの中間ベース部を第1ベース部と第2ベース部とに取り付け、ベースを新たに構築することができる。したがって、作業者は、第1回転軸の延設方向におけるワークの長さに適するように、第1支柱と第2支柱との間の距離を調整することができる。
【0014】
上記の構成に関して、前記中間ベース部は、前記第1回転軸の延設方向に延びる棒材であってもよい。
【0015】
上記の構成によれば、中間ベース部は、第1回転軸の延設方向に延びる棒材であるので、作業者は、中間ベース部を、第1ベース部及び第2ベース部から容易に取り外し、且つ、第1ベース部及び第2ベース部に容易に取り付けることができる。
【0018】
上記の構成に関して、ワークポジショナは、第2ワークを保持する第2ワーク保持部と、前記第1回転軸周りの第2回転力を出力し、前記第2ワーク保持部に前記第1回転軸周りの第2角運動を与える第2駆動部と、前記ベースから前記第1回転軸に向けて延びる第3支軸に沿って延び、前記第2駆動部を支持する第3支柱と、を備えてもよい。前記軸受部は、前記第2駆動部と協働して、前記第2ワーク保持部を支持してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、ワークポジショナは、第2ワーク保持部を有するので、作業者は、第1ワークだけでなく、第2ワークもワークポジショナに取り付けることができる。第2駆動部は、第1回転軸周りの第2回転力を出力するので、第2ワーク保持部は、第1ワーク保持部と同様に、第1回転軸周りに角運動することができる。第3支柱は、ベースから第1回転軸に向けて延びる第3支軸に沿って延び、第2駆動部を支持するので、第2ワーク保持部は、ベースから適切な距離だけ離間して保持される。第1ワーク保持部だけでなく第2ワーク保持部も軸受部によって保持されるので、第2ワーク保持部を支持するための支持構造は、ベース上の過度に大きな領域を占有しない。
【0020】
本発明の他の一局面に係るワークポジショナは、第1ワークを保持する第1ワーク保持部と、第2ワークを保持する第2ワーク保持部と、所定の第1回転軸周りの第1回転力を出力し、前記第1ワーク保持部に前記第1回転軸周りの第1角運動を与える第1駆動部と、前記第1回転軸に対して平行な第2回転軸周りの第2回転力を出力し、前記第2ワーク保持部に前記第2回転軸周りの第2角運動を与える第2駆動部と、第1駆動部と協働して前記第1ワーク保持部を支持する第1軸受部と、前記第2駆動部と協働して前記第2ワーク保持部を支持する第2軸受部と、前記第1回転軸から離間した位置に配設されたベースと、前記ベースから前記第1回転軸に向けて延びる第1支軸に沿って延び、前記第1駆動部を支持する第1支柱と、前記ベースと前記第1回転軸との間で前記第1支軸に平行に延びる第2支軸に沿って延び、前記第1軸受部および前記第2軸受部を支持する第2支柱と、前記ベースから前記第2回転軸に向けて延びる第3支軸に沿って延び、前記第2駆動部を支持する第3支柱と、前記第1支柱と前記第3支柱との間に配置されたスペーサ片と、を備える前記第1支柱は、前記第1支軸に沿って並べられた複数の第1支柱片を含み、前記第3支柱は、前記第3支軸に沿って並べられた複数の第3支柱片を含む。前記スペーサ片及び前記複数の第3支柱片それぞれは、形状及び大きさにおいて、前記複数の第1支柱片と同一である。前記スペーサ片は、前記複数の第1支柱片間に形成された第1空隙に介挿される第1部位と、前記複数の第3支柱片間に形成された第2空隙に介挿される第2部位と、を含む。前記スペーサ片、前記第1部位を挟む前記複数の第1支柱片及び前記第2部位を挟む前記複数の第3支柱片は、市松模様を形成する
【0021】
上記の構成によれば、ワークポジショナは、第2ワーク保持部を有するので、作業者は、第1ワークだけでなく、第2ワークもワークポジショナに取り付けることができる。第2駆動部は、第1回転軸に対して平行な第2回転軸周りの第2回転力を出力するので、第2ワークは、第1ワークの隣で回転し、適切な位置及び適切な姿勢に設定される。第3支柱は、ベースから第2回転軸に向けて延びる第3支軸に沿って延び、第2駆動部を支持するので、第2ワーク保持部は、ベースから適切な距離だけ離間して保持される。スペーサ片及び複数の第3支柱片それぞれは、形状及び大きさにおいて、複数の第1支柱片と同一であるので、ワークポジショナは、少ない種類の部品によって構築され得る。スペーサ片の第1部位は、複数の第1支柱片間に形成された第1空隙に介挿される一方で、スペーサ片の第2部位は、複数の第3支柱片間に形成された第2空隙に介挿されるので、スペーサ片、第1部位を挟む複数の第1支柱片及び第2部位を挟む複数の第3支柱片は、市松模様を形成することができる。作業者は、少ない部品を用いて、第1支柱及び第3支柱を構築することができる。
【発明の効果】
【0022】
上述のワークポジショナは、形状及び大きさにおいて異なる多数のワークを適切に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態のワークポジショナの概略的な正面図である。
図2図1に示されるワークポジショナの概略的な平面図である。
図3A図1に示されるワークポジショナに用いられるベース部材の概略的な平面図である。
図3B図3Aに示されるベース部材の概略的な側面図である。
図4図1に示されるワークポジショナに用いられる2つの棒材の概略的な正面図である。
図5図1に示されるワークポジショナに用いられるレールの概略的な側面図である。
図6A図1に示されるワークポジショナに用いられる支柱片の概略的な平面図である。
図6B図6Aに示される支柱片の概略的な平面図である。
図7】第2実施形態のワークポジショナの概略的な正面図である。
図8図7に示されるワークポジショナの第2ベース部の概略的な平面図である。
図9】第3実施形態のワークポジショナの概略的な断面図である。
図10図9に示されるワークポジショナの第1支持体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
支柱が、複数の部材に分割されるならば、回転軸とベースとの間の距離は、ワークの大きさや形状に適合するように調整され得る。第1実施形態において、分割構造を有する支柱を備えるワークポジショナが説明される。
【0025】
図1は、第1実施形態のワークポジショナ100の概略的な正面図である。図1を参照して、ワークポジショナ100が説明される。
【0026】
ワークポジショナ100は、ワーク保持部110と、駆動部120と、軸受部130と、ベース140と、第1支柱150と、第2支柱160と、を備える。ワーク保持部110は、ワーク(図示せず)を保持するために用いられる。ワーク保持部110は、駆動部120(及び第1支柱150)と軸受部130(及び第2支柱160)との間の空間内に配置される。本実施形態において、第1ワークは、ワーク保持部110によって保持されるワークによって例示される。
【0027】
ワーク保持部110は、第1側壁111と、第2側壁112と、保持板113と、シャフト114と、を含む。図1は、回転軸RAXを示す。第1側壁111及び第2側壁112は、回転軸RAXに略直交する。第1側壁111は、駆動部120に固定される。第2側壁112は、軸受部130及び第2支柱160の隣に位置する。保持板113は、第1側壁111の下端と第2側壁112の下端との間で回転軸RAXに略平行に延びる。ワークは、保持板113に載置及び固定される。シャフト114は、第2側壁112から軸受部130に向けて、回転軸RAXに沿って延びる。本実施形態において、第1ワーク保持部は、ワーク保持部110によって例示される。第1ワーク保持部は、ワークを保持することができる他の構造(たとえば、チャック構造)を有してもよい。本実施形態の原理は、第1ワーク保持部の特定の構造に限定されない。
【0028】
駆動部120は、モータ121と、減速機122と、フランジ123と、を含む。モータ121は、フランジ123に取り付けられる。モータ121は、減速機122に連結される回転シャフト(図示せず)を有する。モータ121は、ワーク保持部110を駆動するための駆動力を生成する。駆動力は、モータ121の回転シャフトの回転として、出力される。
【0029】
減速機122は、外筒124と、キャリア125と、を含む。外筒124は、略円筒形状である。キャリア125の大部分は、外筒124内に収容される。キャリア125の端面は、外筒124から露出する。キャリア125の端面は、ワーク保持部110の第1側壁111に固定される。
【0030】
減速機122は、外筒124内で構築された歯車機構(図示せず)を含む。モータ121の回転シャフトは、減速機122の歯車機構に連結される。モータ121の回転シャフトが回転すると、駆動力は、歯車機構によって定められる減速比に応じて増大され、モータ121の回転シャフトの回転速度よりも小さな回転速度のキャリア125の回転として出力される。外筒124は、フランジ123に固定されているので、キャリア125が回転している間、外筒124は静止している。
【0031】
フランジ123は、外筒124を取り囲む。外筒124は、フランジ123によって固定される。キャリア125の回転中心が、回転軸RAXに略一致するように、フランジ123は、外筒124を保持する。したがって、モータ121が生成した駆動力は、回転軸RAX周りのキャリア125の回転としてワーク保持部110に出力される。この結果、ワーク保持部110は、回転軸RAX周りの角運動をする。本実施形態において、第1回転軸は、回転軸RAXによって例示される。第1回転力は、キャリア125から出力される回転力によって例示される。第1角運動は、回転軸RAX周りのワーク保持部110の回転によって例示される。
【0032】
軸受部130は、軸受131と、フランジ132と、を含む。軸受131の中心は、回転軸RAXに略一致する。フランジ132は、軸受131を取り囲む。軸受131のアウターレースは、フランジ132に固定される。軸受131のインナーレースは、回転軸RAX周りに回転することができる。軸受部130は、一般的なピローブロックであってもよい。
【0033】
ワーク保持部110のシャフト114は、軸受131に嵌入される。したがって、軸受部130は、駆動部120と協働して、ワーク保持部110を支持することができる。
【0034】
ベース140は、回転軸RAXから下方に離間する。図1は、第1支軸FSXと、第2支軸SSXと、を示す。第1支軸FSXは、駆動部120に対応する位置に描かれている。第2支軸SSXは、軸受部130に対応する位置に描かれている。第1支軸FSXは、ベース140から延び、駆動部120内で回転軸RAXに直交する。第2支軸SSXは、ベース140から第1支軸FSXに平行に延び、軸受部130内で回転軸RAXに直交する。
【0035】
図1に示される第1支柱150は、3つの第1支柱片151を含む。3つの第1支柱片151は、ベース140上で、第1支軸FSXに沿って積み重ねられる。駆動部120は、第1支柱150の上端に固定され、第1支柱150によって支持される。
【0036】
図1に示される第2支柱160は、3つの第2支柱片161を含む。3つの第2支柱片161は、ベース140上で、第2支軸SSXに沿って積み重ねられる。軸受部130は、第2支柱160の上端に固定され、第2支柱160によって支持される。
【0037】
第2支柱片161は、第1支柱片151と形状及び大きさにおいて同一である。第2支柱片161は、第1支柱片151と共通の図面から作成されてもよい。したがって、第1支柱150及び第2支柱160は、少ない種類の部品から構築可能である。「第2支柱片161が、第1支柱片151と形状及び大きさにおいて同一である」との文言は、第1支柱片151と第2支柱片161との間での加工誤差の存在下においても適用可能である。
【0038】
大きなワークが、ワーク保持部110に載置されるならば、回転軸RAXとベース140との間の距離は、不十分であることもある。この場合、作業者は、追加的な第1支柱片151及び第2支柱片161を用いて、第1支柱150及び第2支柱160をそれぞれ構築してもよい。第1支柱150及び第2支柱160は、3を超える数の第1支柱片151及び第2支柱片161からそれぞれ形成されるので、回転軸RAXとベース140との間の距離は、長くなり、大きなワークに適したものになる。
【0039】
小さなワークが、ワーク保持部110に載置されるならば、回転軸RAXとベース140との間の距離は、長すぎることもある。この場合、作業者は、1若しくは2つの第1支柱片151及び1若しくは2つの第2支柱片161を第1支柱150及び第2支柱160からそれぞれ取り除いてもよい。この結果、回転軸RAXとベース140との間の距離は、短くなり、小さなワークに適したものになる。
【0040】
<他の特徴>
設計者は、ワークポジショナ100に様々な特徴を組み込むことができる。以下の特徴は、上述の実施形態の原理を限定しない。しかしながら、以下の特徴は、ワークポジショナ100に有利な機能を与えることができる。
【0041】
(ベースの分割構造)
ベースは、単一の板材から形成されてもよい。しかしながら、ベースが、複数の部材に分割されるならば、第1支柱と第2支柱との間の距離は、ワークの大きさや形状に適合するように調整され得る。分割構造を有するベースが説明される。
【0042】
図2は、ワークポジショナ100の概略的な平面図である。ワーク保持部110は、図2に示されるワークポジショナ100から取り除かれている。図1及び図2を参照して、ワークポジショナ100が更に説明される。
【0043】
ベース140は、第1ベース部141と、第2ベース部142と、2つの中間ベース部143と、を含む。第1ベース部141は、第1支軸FSXと交差する位置に配置される。第2ベース部142は、第2支軸SSXと交差する位置に配置される。2つの中間ベース部143は、第1ベース部141と第2ベース部142との間で回転軸RAXに略平行に延びる棒状の部材である。2つの中間ベース部143それぞれは、複数のネジSCWによって、第1ベース部141と第2ベース部142とに連結される。作業者は、これらのネジSCWを取り外し、2つの中間ベース部143を、第1ベース部141と第2ベース部142とから分離することができる。
【0044】
第1ベース部141及び第2ベース部142は、共通の図面から作成されてもよい。したがって、ベース140は、少ない種類の部品から構築可能である。
【0045】
図3Aは、ベース部材240の概略的な平面図である。図3Bは、ベース部材240の概略的な側面図である。図2乃至図3Bを参照して、ベース部材240が説明される。ベース部材240は、第1ベース部141及び第2ベース部142それぞれとして利用可能である。ベース部材240に関する説明は、第1ベース部141及び第2ベース部142に適用される。
【0046】
ベース部材240は、ベース板241と、2つのアーム242,243と、リブ244と、を含む。図3Aに示される如く、ベース板241は、略矩形状の上面を有する。ベース板241は、第1縁面245と、第2縁面246と、第3縁面247と、第4縁面248と、を含む。第1縁面245、第2縁面246、第3縁面247及び第4縁面248は、ベース板241の矩形状の上面の輪郭を形成する。第1縁面245は、回転軸RAXに対して略直角の方向に細長い面である。第2縁面246は、第1縁面245の反対側に位置し、回転軸RAXに対して略直角の方向の細長い面である。第3縁面247は、第1縁面245と第2縁面246との間で回転軸RAXに対して略平行に延びる。第4縁面248は、第3縁面247とは反対側に位置し、第1縁面245と第2縁面246との間で回転軸RAXに対して略平行に延びる。
【0047】
リブ244は、第1縁面245に沿って延び、且つ、ベース板241の下面から突出する。アーム242は、ベース板241の下面に取り付けられる。アーム242は、リブ244から第3縁面247に沿って延び、第2縁面246から突出する。アーム243は、ベース板241の下面に取り付けられる。アーム243は、リブ244から第4縁面248に沿って延び、第2縁面246から突出する。
【0048】
アーム242は、支持部341と、連結部342と、を含む。支持部341は、ベース板241の下面からの突出量において、リブ244と略等しい。支持部341の大部分は、ベース板241の下方に位置し、アーム243及びリブ244と協働して、ベース板241を支持する。連結部342は、回転軸RAXの延設方向に、支持部341の先端から突出する。連結部342は、支持部341よりも薄い。連結部342の下面は、支持部341の下面と略面一である。
【0049】
図3Aに示される如く、4つのネジ穴SCHは、連結部342に形成される。図2に示される2つの中間ベース部143のうち一方の一端部を貫通する4つのネジSCWは、4つのネジ穴SCHにそれぞれ螺合される。
【0050】
アーム243は、支持部343と、連結部344と、を含む。支持部343は、ベース板241の下面からの突出量において、リブ244と略等しい。支持部343の大部分は、ベース板241の下方に位置し、アーム242の支持部341及びリブ244と協働して、ベース板241を支持する。連結部344は、回転軸RAXの延設方向に、支持部343の先端から突出する。連結部344は、支持部343よりも薄い。連結部344の下面は、支持部341の下面と略面一である。
【0051】
図3Aに示される如く、4つのネジ穴SCHは、連結部344に形成される。図2に示される2つの中間ベース部143のうち他方の一端部を貫通する4つのネジSCWは、4つのネジ穴SCHにそれぞれ螺合される。
【0052】
図4は、2つの棒材441,442の概略的な正面図である。図2図3A及び図4を参照して、2つの棒材441,442が説明される。2つの棒材441,442それぞれは、中間ベース部143として利用可能である。2つの棒材441,442それぞれに関する説明は、中間ベース部143に適用される。
【0053】
棒材441は、中間部443と、第1端部444と、第2端部445と、を含む。中間部443は、図3Aを参照して説明されたアーム242,243の支持部341,343と厚さにおいて略等しい。第1端部444は、棒材441の一端部を形成する。第2端部445は、棒材441の他端部を形成する。第1端部444及び第2端部445それぞれは、中間部443より薄い。
【0054】
第1端部444は、第1ベース部141又は第2ベース部142として用いられるベース部材240のアーム242,243のうち一方に連結される。第1端部444は、連結部342,344のうち一方に重ねられる。第1端部444の厚さと連結部342,344のうち一方の厚さとの和は、中間部443に略等しい。第1端部444には、図3Aを参照して説明された4つのネジ穴SCHにそれぞれ連通する4つの貫通孔(図示せず)が形成される。図2に示される2つの中間ベース部143のうち一方の一端部を貫通する4つのネジSCWは、第1端部444に形成された4つの貫通孔に挿通され、4つのネジ穴SCHにそれぞれ螺合される。
【0055】
第2端部445は、第2ベース部142又は第1ベース部141として用いられるベース部材240のアーム242,243のうち一方に連結される。第2端部445は、連結部342,344のうち一方に重ねられる。第2端部445の厚さと連結部342,344のうち一方の厚さとの和は、中間部443に略等しい。第2端部445には、図3Aを参照して説明された4つのネジ穴SCHにそれぞれ連通する4つの貫通孔(図示せず)が形成される。図2に示される2つの中間ベース部143のうち一方の他端部を貫通する4つのネジSCWは、第2端部445に形成された4つの貫通孔に挿通され、4つのネジ穴SCHにそれぞれ螺合される。
【0056】
棒材441と同様に、棒材442は、第1端部444と第2端部445とを含む。棒材442は、中間部446を更に含む。中間部446は、第1端部444と第2端部445との間で、回転軸RAX(図2を参照)の延設方向に延びる。棒材442の中間部446は、厚さにおいて、棒材441の中間部443と等しい。棒材442の中間部446は、棒材441の中間部443よりも長い。
【0057】
棒材441が、2つの中間ベース部143それぞれとしてワークポジショナ100に取り付けられているとき、第1支軸FSXと第2支軸SSXとの間の距離が、ワーク(図示せず)に対して短すぎるならば、作業者は、複数のネジSCWを取り外し、棒材441を、第1ベース部141及び第2ベース部142から分離してもよい。作業者は、その後、第1ベース部141と第2ベース部142との間の距離をワークに適するように長くしてもよい。最後に、作業者は、棒材442を、第1ベース部141と第2ベース部142とに連結してもよい。
【0058】
棒材442が、2つの中間ベース部143それぞれとしてワークポジショナ100に取り付けられているとき、第1支軸FSXと第2支軸SSXとの間の距離が、ワーク(図示せず)に対して長すぎるならば、作業者は、複数のネジSCWを取り外し、棒材442を、第1ベース部141及び第2ベース部142から分離してもよい。作業者は、その後、第1ベース部141と第2ベース部142との間の距離をワークに適するように短くしてもよい。最後に、作業者は、棒材441を、第1ベース部141と第2ベース部142とに連結してもよい。
【0059】
(レール)
第1支柱及び/又は第2支柱は、ベースに直接的に固定されてもよい。しかしながら、第1支柱及び/又は第2支柱が、ベース上に据え付けられたレールから立設されるならば、作業者は、第1支柱及び/又は第2支柱をレールに沿って移動させ、第1支柱と第2支柱との間の距離を調整することができる。この場合、作業者は、長さにおいて異なる多数の中間ベース部を用意しなくとも、ワークの大きさ及び形状に適するように第1支柱と第2支柱との間の距離を調整することができる。
【0060】
図2に示される如く、ワークポジショナ100は、4つのレール171,172,173,174を備える。レール171,172は、第1ベース部141に固定される。レール173,174は、第2ベース部142に固定される。
【0061】
レール溝175,176,177,178は、レール171,172,173,174にそれぞれ形成される。レール溝175,176,177,178それぞれは、回転軸RAXと略平行に延びる。
【0062】
第1支柱150の下端を形成する第1支柱片151(図1を参照)は、ボルト(図示せず)及びナットNT1(図1を参照)を用いて、レール171,172に固定される。作業者は、ナットNT1を緩め、第1支柱150をレール溝175,176に沿って移動することができる。第1支柱150が適切な位置に到達した後、作業者は、ナットNT1を締め、第1支柱150をレール171,172に固定することができる。
【0063】
第2支柱160の下端を形成する第2支柱片161(図1を参照)は、ボルト(図示せず)及びナットNT2(図1を参照)を用いて、レール173,174に固定される。作業者は、ナットNT2を緩め、第2支柱160をレール溝177,178に沿って移動することができる。第2支柱160が適切な位置に到達した後、作業者は、ナットNT2を締め、第2支柱160をレール173,174に固定することができる。
【0064】
図5は、レール270の概略的な側面図である。レール270は、図2を参照して説明されたレール171,172,173,174それぞれとして利用可能である。レール270に関する説明は、レール171,172,173,174それぞれに適用される。図1乃至図3A及び図5を参照して、レール270が説明される。
【0065】
レール270は、底板部271と、2つの側壁部272,273と、を含む。底板部271の下面は、第1ベース部141又は第2ベース部142の上面に当接される。複数のボルト穴274(図5は、1つのボルト穴274を示す)は、底板部271に形成される。複数のボルト穴274は、回転軸RAX(図2を参照)の延設方向に略一定の間隔で形成される。複数のボルトBLT(図2を参照)は、複数のボルト穴274に挿通され、第1ベース部141又は第2ベース部142に形成された複数のネジ穴SCI(図3Aを参照)にそれぞれ螺合される。
【0066】
側壁部272,273は、底板部271から立設される。側壁部272は、側壁部273から回転軸RAXの延設方向とは略直交する方向に離間する。この結果、底板部271と側壁部272,273とによって囲まれたレール溝371が形成される。レール溝371は、上方に開口する。レール溝371は、レール溝175,176,177,178それぞれに対応する。
【0067】
側壁部272は、細壁部275と、太壁部276と、を含む。細壁部275は、太壁部276よりも細い。細壁部275は、太壁部276と底板部271との間に位置する。側壁部273は、細壁部277と、太壁部278と、を含む。細壁部277は、太壁部278よりも細い。細壁部277は、太壁部278と底板部271との間に位置する。
【0068】
レール溝371は、太溝部372と細溝部373とを含む。太溝部372は、細溝部373よりも太い。太溝部372は、細壁部275,277の間に形成される。細溝部373は、太壁部276,278の間に形成される。第1支柱150又は第2支柱160の下端を形成する第1支柱片151又は第2支柱片161(図1を参照)を固定するためのボルト(図示せず)の頭部は、太溝部372内に配置される。頭部よりも細いボルトの胴部は、細溝部373を貫通し、レール270から上方に突出する。図1に示されるナットNT1,NT2は、ボルトの胴部に形成されたネジ部に螺合される。
【0069】
(支柱片)
上述の如く、第1支柱片及び第2支柱片は、共通の図面から形成される。ワークポジショナを設計する設計者は、第1支柱片及び第2支柱片として用いられる支柱片に様々な形状を与えることができる。例示的な支柱片が、説明される。
【0070】
図6Aは、支柱片250の概略的な平面図である。図6Bは、支柱片250の概略的な側面図である。支柱片250は、第1支柱片151(図1を参照)及び第2支柱片161(図1を参照)それぞれとして利用可能である。支柱片250に関する説明は、第1支柱片151及び第2支柱片161それぞれに適用される。図1図2図6A及び図6Bを参照して、支柱片250が説明される。
【0071】
支柱片250は、4つの連結アーム251,252,253,254と、これらの連結アーム251,252,253,254を連結する連結壁255と、を含む。連結壁255は、第1面256と、第1面256とは反対側の第2面257と、を含む。支柱片250が、第1支柱片151として用いられるならば、第1面256は、ワーク保持部110又は第2支柱160に対向する。支柱片250が第2支柱片161として用いられるならば、第1面256は、ワーク保持部110又は第1支柱150に対向する。連結アーム251,252,253,254それぞれは、回転軸RAX(図1を参照)の延設方向において、第1面256及び第2面257から突出する。第1面256からの連結アーム251,252,253,254それぞれの突出量は、第2面257からの連結アーム251,252,253,254それぞれの突出量よりも小さい。
【0072】
図6Aに示される如く、連結アーム251の両端部には、鉛直に延びるネジ穴351,352が形成される。連結アーム252の両端部には、鉛直に延びるネジ穴353,354が形成される。支柱片250が、第1支柱150の最も上の第1支柱片151として用いられるならば、ネジ穴351,352,353,354は、駆動部120(図1を参照)のフランジ123(図1を参照)の固定に利用される。他の場合には、ネジ穴351,352,353,354は、支柱片250の上方に配置された第1支柱片151の固定に用いられる。支柱片250が、第2支柱160の最も上の第2支柱片161として用いられるならば、ネジ穴351,352,353,354は、軸受部130(図1を参照)のフランジ132(図1を参照)の固定に利用される。他の場合には、ネジ穴351,352,353,354は、支柱片250の上方に配置された第2支柱片161の固定に用いられる。
【0073】
連結アーム253の両端部それぞれには、ネジ穴351,352それぞれに略同軸に形成された2つの貫通孔(図示せず)が形成される。連結アーム254の両端部それぞれには、ネジ穴353,354それぞれに略同軸に形成された2つの貫通孔(図示せず)が形成される。支柱片250が、第1支柱150の最も下の第1支柱片151として用いられるならば、これらの貫通孔は、レール171,172との連結に利用される。他の場合には、支柱片250と、支柱片250の下方に配置された第1支柱片151と、の間の連結に利用される。支柱片250が、第2支柱160の最も下の第2支柱片161として用いられるならば、これらの貫通孔は、レール173,174との連結に利用される。他の場合には、支柱片250と、支柱片250の下方に配置された第2支柱片161と、の間の連結に利用される。
【0074】
(ワークの重量の変更に伴う調整)
非常に重いワークが、ワーク保持部110に搭載されるならば、作業者は、減速機122を、減速機122よりも大きな回転力を出力することができる他のもう1つの減速機(図示せず)に変更する必要がある。大きな回転力を出力することができる減速機は、多くの場合、減速機122よりも大きい。したがって、フランジ123も、大きな減速機に適合する他のもう1つのフランジ(図示せず)に交換される必要がある。減速機122に代えて用いられる大きな減速機の回転中心が、減速機122の回転軸RAXに略一致するように、大きな減速機とともに用いられるフランジが設計されているならば、作業者は、部品をほとんど交換することなく、大きな重量のワークに適した新たなワークポジショナを形成することができる。代替的に、減速機122から大きな減速機への交換に伴う回転中心の位置変化に適合するように、軸受部130として用いられるピローブロックが選択及び使用されてもよい。この場合にも、作業者は、部品をほとんど交換することなく、大きな重量のワークに適した新たなワークポジショナを形成することができる。したがって、第1実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて設計されたワークポジショナは、ワークの様々な形状及び様々な大きさに対応できるだけでなく、ワークの様々な重量にも対応することができる。
【0075】
<第2実施形態>
設計者は、第1実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、複数のワークを保持することができるワークポジショナを設計することができる。第2実施形態において、複数のワークを保持することができるように設計された例示的なワークポジショナが説明される。
【0076】
図7は、第2実施形態のワークポジショナ100Aの概略的な正面図である。図1図3A及び図7を参照して、ワークポジショナ100Aが説明される。第1実施形態と同一の要素は、第1実施形態と同一の符号によって表される。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0077】
第1実施形態と同様に、ワークポジショナ100Aは、ワーク保持部110と、駆動部120と、第1支柱150と、を備える。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0078】
ワークポジショナ100Aは、軸受部130Aと、ベース140Aと、第2支柱160Aと、ワーク保持部210と、駆動部220と、第3支柱190と、を更に備える。ワーク保持部210は、ワーク保持部110に搭載されるワークとは別のワーク(図示せず)を保持するために用いられる。ワーク保持部210は、駆動部220(及び第3支柱190)と軸受部130A(及び第2支柱160A)との間の空間内に配置される。本実施形態において、第2ワークは、ワーク保持部210が保持するワークによって例示される。
【0079】
ワーク保持部210は、第1側壁211と、第2側壁212と、保持板213と、シャフト214と、を含む。第1側壁211及び第2側壁212は、回転軸RAXに略直交する。第1側壁211は、駆動部220に固定される。第2側壁212は、軸受部130A及び第2支柱160Aの隣に位置する。保持板213は、第1側壁211の下端と第2側壁212の下端との間で回転軸RAXに略平行に延びる。ワークは、保持板213に載置及び固定される。シャフト214は、第2側壁212から軸受部130Aに向けて、回転軸RAXに沿って延びる。本実施形態において、第2ワーク保持部は、ワーク保持部210によって例示される。第2ワーク保持部は、ワークを保持することができる他の構造(たとえば、チャック構造)を有してもよい。本実施形態の原理は、第2ワーク保持部の特定の構造に限定されない。
【0080】
駆動部220は、モータ221と、減速機222と、フランジ223と、を含む。モータ221は、フランジ223に取り付けられる。モータ221は、減速機222に連結される回転シャフト(図示せず)を有する。モータ221は、ワーク保持部210を駆動するための駆動力を生成する。駆動力は、モータ221の回転シャフトの回転として、出力される。
【0081】
減速機222は、外筒224と、キャリア225と、を含む。外筒224は、略円筒形状である。キャリア225の大部分は、外筒224内に収容される。キャリア225の端面は、外筒224から露出する。キャリア225の端面は、ワーク保持部210の第1側壁211に固定される。
【0082】
減速機222は、外筒224内で構築された歯車機構(図示せず)を含む。モータ221の回転シャフトは、減速機222の歯車機構に連結される。モータ221の回転シャフトが回転すると、駆動力は、歯車機構によって定められる減速比に応じて増大され、モータ221の回転シャフトの回転速度よりも小さな回転速度のキャリア225の回転として出力される。外筒224は、フランジ223に固定されているので、キャリア225が回転している間、外筒224は静止している。
【0083】
フランジ223は、外筒224を取り囲む。外筒224は、フランジ223によって固定される。キャリア225の回転中心が、回転軸RAXに略一致するように、フランジ223は、外筒224を保持する。したがって、モータ221が生成した駆動力は、回転軸RAX周りのキャリア225の回転としてワーク保持部210に出力される。この結果、ワーク保持部210は、回転軸RAX周りの角運動をする。本実施形態において、第1回転軸は、回転軸RAXによって例示される。第2回転力は、キャリア225から出力される回転力によって例示される。第2角運動は、回転軸RAX周りのワーク保持部210の回転によって例示される。
【0084】
軸受部130Aは、ピローブロック231,232を含む。ピローブロック231,232それぞれは、図1を参照して説明された軸受部130と構造的に同一であってもよい。したがって、軸受部130の説明は、ピローブロック231,232それぞれに援用される。
【0085】
ワーク保持部110のシャフト114は、ピローブロック231に嵌入される。ワーク保持部210のシャフト214は、ピローブロック232に嵌入される。したがって、軸受部130Aは、駆動部120,220と協働して、ワーク保持部110,220を支持することができる。
【0086】
第1実施形態と同様に、ベース140Aは、第1ベース部141と、2つの中間ベース部143(図7は、2つの中間ベース部143のうち一方を示す)と、を含む。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0087】
ベース140Aは、第2ベース部142Aと、第3ベース部144と、2つの中間ベース部145(図7は、2つの中間ベース部145のうち一方を示す)と、を含む。図7は、駆動部220に対応する位置に描かれた第3支軸TSXを示す。第3支軸TSXは、ベース140Aから延び、駆動部220内で回転軸RAXに直交する。第2支軸SSXは、第1支軸FSXと第3支軸TSXとの間に位置する。第3支軸TSXは、第1支軸FSX及び第2支軸SSXと平行である。第2ベース部142Aは、第2支軸SSXと交差する位置に配置される。第3ベース部144は、第3支軸TSXと交差する位置に配置される。
【0088】
図3Aを参照して説明されたベース部材240は、第3ベース部144として利用可能である。したがって、ベース部材240に関する説明は、第3ベース部144に援用される。図4を参照して説明された棒材441,442それぞれは、中間ベース部145として利用可能である。したがって、棒材441,442に関する説明は、中間ベース部145に援用される。
【0089】
図8は、第2ベース部142Aの概略的な平面図である。図2図3A図5乃至図8を参照して、ワークポジショナ100Aが更に説明される。
【0090】
第2ベース部142Aは、ベース板541と、2つのアーム542と、を含む。ベース板541は、図3Aを参照して説明されたベース部材240のベース板241よりも回転軸RAXの延設方向において長い矩形状の板材であってもよい。ベース板541は、回転軸RAXの延設方向と直交する方向において、ベース板241と略同じ幅を有してもよい。2つのアーム542は、回転軸RAXの延設方向に延び、ベース板541から第1ベース部141及び第3ベース部144に向けて突出する。
【0091】
2つのアーム542それぞれは、支持部543と、2つの端部544,545と、を含む。端部544,545それぞれは、支持部543よりも薄い。端部544は、支持部543の一端部から第1ベース部141に向けて突出する。端部545は、支持部543の他端部から第3ベース部144に向けて突出する。中間ベース部143の一端部は、端部544に重ね合わせられ、複数のネジSCW(図7を参照)によって連結される。中間ベース部145の一端部は、端部545に重ね合わせられ、複数のネジSCWによって連結される。
【0092】
アーム542と中間ベース部143,145との間の連結構造は、ベース部材240のアーム242,243(図3Aを参照)と、棒材441,442(図4を参照)と、の間の連結構造と同一である。したがって、ベース部材240のアーム242,243と棒材441,442との間の連結構造に関する説明は、アーム542と中間ベース部143,145との間の連結構造に適用される。
【0093】
ワークポジショナ100Aは、レール171,172,173,174(図2を参照)を更に備える(図7は、これらのうちレール171,173を示す。第1実施形態と同様に、レール171,172は、第1ベース部141に据え付けられる。レール173,174は、レール171,172に回転軸RAXの延設方向において整列する。レール173,174は、第2支軸SSXを包含し、且つ、回転軸RAXに直交する仮想平面によって2等分されるようにベース板541に据え付けられてもよい。
【0094】
ワークポジショナ100Aは、2つのレール179を更に備える(図7は、2つのレール179のうち一方を示す)。図7に示される2つのレール179は、第3ベース部144に据え付けられる。第2支軸SSXを包含し、且つ、回転軸RAXに直交する仮想平面について、レール171,172と鏡像の位置関係にある。図5を参照して説明されたレール270は、2つのレール179それぞれとして利用可能である。したがって、レール270に関する説明は、2つのレール179それぞれに援用される。
【0095】
図7に示される第3支柱190は、2つの第3支柱片191を含む。2つの第3支柱片191のうち1つは、2つのレール179に固定される。2つの第3支柱片191のうち他方は、駆動部220と2つのレール179に固定された第3支柱片191とによって挟まれる。この結果、2つの第3支柱片191は、第3支軸TSXに沿って延び、駆動部220を支持する第3支柱190を形成することができる。図6A及び図6Bを参照して説明された支柱片250は、2つの第3支柱片191それぞれとして利用可能である。したがって、支柱片250に関する説明は、2つの第3支柱片191に援用される。
【0096】
作業者は、ワーク保持部110,210に保持されるワークの形状や大きさに適合するように回転軸RAXとベース140Aとの間の距離を決定してもよい。作業者は、決定された距離が達成されるように、いくつの第3支柱片191を第3支柱190の形成に利用するかを決定することができる。したがって、本実施形態の原理は、第3支柱190がいくつの第3支柱片191を含むかによっては何ら限定されない。
【0097】
図7に示される第2支柱160Aは、2つの第2支柱片161Aを含む。2つの第2支柱片161Aは、レール173,174上で、第2支軸SSXに沿って積み重ねられる。2つの第2支柱片161Aそれぞれの上面は、2つのピローブロック231,232の下面よりも回転軸RAXの延設方向において長い。したがって、第2支柱160Aは、軸受部130Aを安定的に支持することができる。第1実施形態とは異なり、第2支柱片161Aは、回転軸RAXの延設方向において、第1支柱片151よりも長くてもよい。2つのピローブロック231,232が安定的に支持されるならば、第1支柱片151と同様に、図6A及び図6Bを参照して説明された支柱片250が、第2支柱片161Aとして用いられてもよい。
【0098】
第3支柱190と同様に、作業者は、回転軸RAXとベース140との間の距離に適合するように、第1支柱150及び第2支柱160Aが、いくつの第1支柱片151及び第2支柱片161Aを含むかを決定することができる。したがって、本実施形態の原理は、第1支柱150及び第2支柱160Aが、いくつの第1支柱片151及び第2支柱片161Aを含むかによっては何ら限定されない。
【0099】
<第3実施形態>
第2実施形態に関連して説明されたワークポジショナは、共通の回転軸周りの角運動をする2つのワーク保持部を有する。代替的に、ワークポジショナは、平行な2つの回転軸周りにそれぞれ角運動する2つのワーク保持部を有してもよい。第3実施形態において、平行な2つの回転軸周りにそれぞれ角運動する2つのワーク保持部を有する例示的なワークポジショナが説明される。
【0100】
図9は、第3実施形態のワークポジショナ100Bの概略的な断面図である。図1及び図9を参照して、ワークポジショナ100Bが説明される。上述の実施形態と同一の要素は、上述の実施形態と同一の符号によって表される。上述の実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0101】
第1実施形態と同様に、ワークポジショナ100Bは、ベース140を備える。第1実施形態の説明は、ベース140に援用される。
【0102】
ワークポジショナ100Bは、2つのワーク保持部110と、2つの駆動部120と、2つの軸受部130と、を備える。図9は、2つのワーク保持部110のうち一方、2つの駆動部120のうち一方及び2つの軸受部130のうち一方を示す。2つのワーク保持部110それぞれは、図1を参照して説明されたワーク保持部110と同一である。2つの駆動部120それぞれは、図1を参照して説明された駆動部120と同一である。2つの軸受部130それぞれは、図1を参照して説明された軸受部130と同一である。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。本実施形態に関して、第1ワーク保持部は、2つのワーク保持部110のうち一方によって例示される。第2ワーク保持部は、2つのワーク保持部110のうち他方によって例示される。第1駆動部は、2つの駆動部120のうち一方によって例示される。第2駆動部は、2つの駆動部120のうち他方によって例示される。
【0103】
ワークポジショナ100Bは、第1支持体710と、第2支持体720と、を更に備える。第1支持体710は、第1支軸FSX上で、ベース140に直接的に固定される。第2支持体720は、第2支軸SSX上で、ベース140に直接的に固定される。第1支持体710は、2つの駆動部120を支持する。第2支持体720は、2つの軸受部130を支持する。第2支持体720は、構造において、第1支持体710と同一である。したがって、第1支持体710に関する説明は、第2支持体720に援用される。
【0104】
図10は、第1支持体710の側面図である。図9及び図10を参照して、第1支持体710が説明される。
【0105】
図10は、2つの回転軸RX1,RX2を示す。回転軸RX1は、回転軸RX2と平行である。2つの駆動部120のうち一方は、回転軸RX1周りの回転力を出力する。2つの駆動部120のうち他方は、回転軸RX2周りの回転力を出力する。本実施形態に関して、第1回転軸は、回転軸RX1によって例示される。第2回転軸は、回転軸RX2によって例示される。第1回転力は、回転軸RX1周りの回転力によって例示される。第2回転力は、回転軸RX2周りの回転力によって例示される。第1駆動部は、回転軸RX1周りの回転力を出力する駆動部120によって例示される。第2駆動部は、回転軸RX2周りの回転力を出力する駆動部120によって例示される。
【0106】
図10は、第1支軸FSXと第3支軸TSYとを示す。第1支軸FSXは、ベース140から上方に延び、回転軸RX1と直交する。第3支軸TSYは、ベース140から上方に延び、回転軸RX2と直交する。第1支軸FSX及び第3支軸TSYは、回転軸RX1,RX2、第1支軸FSX及び第3支軸TSYに直交する直線の延設方向に整列する。
【0107】
第1支持体710は、5つの支柱片250と2つのI字片730とによって形成される。2つの支柱片250は、所定の間隔をおいて、第1支軸FSXに沿って並べられ、2つのI字片730のうち一方と協働して、第1支柱150Bを形成する。第1支柱150Bは、回転軸RX1周りの回転力を出力する駆動部120を支持する。5つの支柱片250のうち他のもう2つは、所定の間隔をおいて、第3支軸TSYに沿って並べられ、2つのI字片730のうち他方と協働して、第3支柱190Bを形成する。第3支柱190Bは、回転軸RX2周りの回転力を出力する駆動部120を支持する。本実施形態において、複数の第3支柱片は、第3支軸TSYに沿って並べられた2つの支柱片250によって例示される。
【0108】
5つの支柱片250のうち残りの1つは、第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置される。本実施形態において、スペーサ片は、第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250によって例示される。
【0109】
第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250は、第1支柱150Bを形成する2つの支柱片250の間の空隙に部分的に介挿される。すなわち、第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250の連結アーム251,253の組は、第1支柱150Bを形成する2つの支柱片250によって挟まれる。本実施形態に関して、第1部位は、第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250の連結アーム251,253の組によって例示される。第1空隙は、第1支柱150Bを形成する2つの支柱片250の間の空隙によって例示される。
【0110】
第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250は、第3支柱190Bを形成する2つの支柱片250の間の空隙に部分的に介挿される。すなわち、第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250の連結アーム252,254の組は、第3支柱190Bを形成する2つの支柱片250によって挟まれる。本実施形態に関して、第2部位は、第1支柱150Bと第3支柱190Bとの間に配置された支柱片250の連結アーム252,254の組によって例示される。第2空隙は、第3支柱190Bを形成する2つの支柱片250の間の空隙によって例示される。
【0111】
2つのI字片730は、正面視において、略I字形状をなす(図9を参照)。第1支柱150Bを形成するI字片730は、上側の支柱片250の連結アーム253と下側の支柱片250の連結アーム251とによって挟まれる。この結果、第1支柱150Bを形成する上側の支柱片250は、下側の支柱片250上で安定的に支持される。第3支柱190Bを形成するI字片730は、上側の支柱片250の連結アーム254と下側の支柱片250の連結アーム252とによって挟まれる。この結果、第3支柱190Bを形成する上側の支柱片250は、下側の支柱片250上で安定的に支持される。
【0112】
第1支持体710は、形状及び大きさにおいて等しい2つのI字片730と、形状及び大きさにおいて等しい5つの支柱片250と、によって形成される。したがって、第1支持体710は、少ない種類の部品を用いて形成される。
【0113】
図10に示されるように、5つの支柱片250は、市松模様を形成する。したがって、第1支持体710は、少ない部品を用いて形成される。
【0114】
作業者は、追加的な支柱片250及び追加的なI字片730を用いて、回転軸RX1,RX2のうち一方を、回転軸RX1,RX2のうち他方よりも高い位置に設定してもよい。作業者は、追加的な支柱片250及び追加的なI字片730を用いて、市松模様を水平方向に拡げてもよい。この場合、作業者は、駆動部及びワーク保持部を追加することができるので、ワークポジショナは、2を超える数のワークを保持することができる。
【0115】
上述の様々な実施形態に関連して説明された設計原理は、様々なワークポジショナに適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明されたワークポジショナに適用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
上述の実施形態の原理は、ワークの位置決めや姿勢変更が必要とされる様々な加工現場に好適に利用される。
【符号の説明】
【0117】
100,100A,100B・・・・ワークポジショナ
110・・・・・・・・・・・・・・ワーク保持部(第1及び/又は第2ワーク保持部)
120・・・・・・・・・・・・・・駆動部(第1及び/又は第2駆動部)
130,130A・・・・・・・・・軸受部
140,140A・・・・・・・・・ベース
141・・・・・・・・・・・・・・第1ベース部
142,142A・・・・・・・・・第2ベース部
143・・・・・・・・・・・・・・中間ベース部
150,150B・・・・・・・・・第1支柱
151・・・・・・・・・・・・・・第1支柱片
160,160A・・・・・・・・・第2支柱
161,161A・・・・・・・・・第2支柱片
171,172・・・・・・・・・・レール
190・・・・・・・・・・・・・・第3支柱
210・・・・・・・・・・・・・・ワーク保持部(第2ワーク保持部)
220・・・・・・・・・・・・・・駆動部(第2駆動部)
250・・・・・・・・・・・・・・支柱片(第1支柱片,第3支柱片,スペーサ片)
251,253・・・・・・・・・・連結アーム(第1部位)
252,254・・・・・・・・・・連結アーム(第2部位)
441,442・・・・・・・・・・棒材
FSX・・・・・・・・・・・・・・第1支軸
RAX・・・・・・・・・・・・・・回転軸(第1回転軸)
RX1・・・・・・・・・・・・・・回転軸(第1回転軸)
RX2・・・・・・・・・・・・・・回転軸(第2回転軸)
SSX・・・・・・・・・・・・・・第2支軸
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10