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  • 特許-外装下地材取付用金具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】外装下地材取付用金具
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20220201BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
E04F13/08 101B
E04F13/08 101S
E04G23/02 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017073293
(22)【出願日】2017-03-31
(65)【公開番号】P2018172954
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390018463
【氏名又は名称】アイジー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤淳二
(72)【発明者】
【氏名】吉田文隆
(72)【発明者】
【氏名】田崎良一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木明広
(72)【発明者】
【氏名】福久和寛
(72)【発明者】
【氏名】山口力
(72)【発明者】
【氏名】平野淳
(72)【発明者】
【氏名】早崎弘
(72)【発明者】
【氏名】湯本剛
【審査官】津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-107018(JP,U)
【文献】実開昭63-184828(JP,U)
【文献】米国特許第08938927(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0018147(KR,A)
【文献】特開2013-204341(JP,A)
【文献】特開2005-213882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直平面上の取付部と、取付部の前方側に向かって垂直方向下方に且つ取付部の後方側に向かって垂直方向上方に傾斜した第一支持片と、第一支持片の傾斜の下端部側で接地する前方支持端部と、第一支持片の傾斜面には固定具を取り付けるための固定孔と、第一支持片の傾斜上方側の端部には支持片頂部を設け、支持片頂部の取付部の後方側端部の先には、垂直下方よりも後方側で接地する後方支持端部を有する第二支持片とを形成すると共に、取付部は第一支持片の前方支持端部から垂直方向上方に延びていることを特徴とする外装下地材取付用金具。
【請求項2】
請求項1に記載の外装下地材取付用金具において、前方支持端部および/または後方支持端部に凸状の支持突起を形成したことを特徴とする外装下地材取付用金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外装下地材取付用金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁の改修において、古くなった既存外壁を撤去することなく、既存外壁上に新規胴縁を配し、その新規胴縁上に新規外壁を施工する改修方法いわゆるカバー工法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-107535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、既存外壁上に配した胴縁と、胴縁上に固定して既存外壁を覆うように配した新規外壁材から構成され、胴縁を固定する固定具は既存外壁を貫通して既存外壁を支持する下地(アングル材やH型鋼等)に打ち込まれている外壁改修構造である。
【0005】
しかしながら、このような既存外壁を支持する下地(アングル材やH型鋼等)に胴縁を固定する外壁改修構造を採用しようとした際に、建物によっては、建物の基礎部に固定具を固定するための適当な下地(アングル材やH型鋼等)が存在しない場合があり、建物基礎の土台部においてこのような構造が採用できず、十分な取付強度を得ることが難しい場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するために、以下の手段を提供している。
【0007】
垂直平面上の取付部と、取付部の前方側に向かって垂直方向下方に且つ取付部の後方側向かって垂直方向上方に傾斜した第一支持片と、第一支持片の傾斜の下端部側で接地する前方支持端部と、第一支持片の傾斜面には固定具を取り付けるための固定孔と、第一支持片の傾斜上方側の端部には支持片頂部を設け、支持片頂部の取付部の後方側端部の先には、垂直下方よりも後方側で接地する後方支持端部を有する第ニ支持片とを形成すると共に、取付部は第一支持片の前方支持端部から垂直方向上方に延びている外装下地材取付用金具を提供する。
【0008】
なお、前方支持端部および/または後方支持端部には凸状の支持突起を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る外装下地材取付用金具によれば、建物の基礎の土台部おいて、十分な取付強度を得ることができ、施工性も良好な外装下地材取付用金具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る外装下地材取付用金具の実施例1を示す参考斜視図である。
図2】本発明に係る外装下地材取付用金具の実施例2を示す参考斜視図である。
図3】本発明に係る外装下地材取付用金具のその他の実施例を示す参考斜視図である。
図4】本発明に係る外装下地材取付用金具に施工する胴縁取付用金具の例を示す参考斜視図である。
図5】本発明に係る外装下地材取付用金具に施工する胴縁の例を示す参考斜視図である。
図6】本発明に係る外装下地材取付用金具の施工状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて、本発明に係る外装下地材取付用金具の実施例について説明する。
【0012】
図1に示す実施例1の外装下地材取付用金具1は、胴縁取付用金具Aや胴縁Bを取り付ける垂直平面上の取付部2と、外装下地材取付用金具1を基礎の土台部Kに固定する際に固定具αを外装材取付用金具1の前方斜め上方から挿入し留め付けることができる固定孔3を有した第一支持片4と、取付部2と第一支持片4とを有する外装下地材取付用金具1を自立するように支える第二支持片5とからなる。
【0013】
固定孔3を有する第一支持片4は、固定孔3に固定具αを前方斜め上方から挿入できるように、固定孔3が起き上がるように、第一支持片の後方側が垂直方向上方に傾斜している。つまり取付部2の前方側に向かって垂直方向下方に且つ取付部2の後方側に向かって垂直方向上方に傾斜するように第一支持片4が形成されている。
【0014】
前方支持端部6は、第一支持片4の前方側の端部(第一支持片4の傾斜下方の端部)(壁面Hの前方側の端部)であり、外装下地材取付用金具1の自立安定性や、グリップ性向上のために、外装下地材取付用金具1を置いた際に接地するように形成されている。
【0015】
第二支持片5は、第一支持片4の後方側端部に、支持片頂部8を設け、支持片頂部8の取付部2の後方側端部は、垂直方向斜め下方に向けて屈曲して形成され、第二支持片5の端部である後方支持端部7は接地することで外装下地材取付用金具1を支えて、外装下地材取付用金具1が自立するように形成されている。
【0016】
ここで、第ニ支持片5の後方支持端部7は、第一支持片4の斜面上方端部である支持片頂部8の垂直下方よりも後方側に存在するように形成されており、第ニ支持片5が外装下地材取付用金具1の後方側斜め下方の傾斜を持つようになり、このような傾斜を持つ第ニ支持片5の後方支持端部7が接地した場合には、外装下地材取付用金具1の自立安定性の向上と、後方支持端部7の接地部分でのグリップ性の向上、外装下地材取付用金具1に固定具αを留め付ける時などのずれを防止する効果等が得られる。
【0017】
さらに、図2に示す実施例2のように、本発明の外装下地材取付用金具1は、第一支持片4の前方支持端部6や、第ニ支持片5の後方支持端部7に、接地部が点接触するような又は接地部が食い込むような、凸状の支持突起9を設けることで、外装下地材取付用金具1の接地部に対するグリップ性が向上し、施工時の外装下地材取付用金具1のずれを防止する効果が得られる。
【0018】
また、本発明の外装下地材取付用金具1の形状については、実施例1、実施例2に挙げた以外にも各種の形状が考えられる。例えば、図3に示すように、第二支持片5は第一支持片4の側端部を屈曲することで形成してもよい。
【0019】
図4に、胴縁取付用金具Aの例を示す。
【0020】
図5に、胴縁Bの例を示す。
【0021】
外装下地材取付用金具1や胴縁取付用金具A、胴縁Bの材質は、各種の鋼材、例えば溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板等の高耐蝕性のめっき鋼板、ステンレス、といったものがあるが、特に材質は限定されるものではない。
【0022】
図6に本発明の外装下地材取付用金具1の使用例を示す。本発明の外装下地材取付用金具1は、建物の基礎の土台部K近辺の壁材の一部を削って除去することで壁材除去部Jを設け、その壁材除去部Jに外装下地材取付用金具1を設置し、固定孔3へ固定具αを挿入し基礎の土台部Kへの固定を行って使う。
【0023】
なお、外装下地材取付用金具1を施工するために設けた壁材除去部Jは、例えば壁材がALC外壁であれば、ALC補修材にて埋め戻しを行っておくことが好ましい。
【0024】
そして、基礎の土台部Kへ固定した外装下地材取付用金具1の取付部2に胴縁材等を固定する。このように本発明の外装下地材取付用金具1を用いることで、基礎の土台部K付近において十分な取付強度を得たいときに、胴縁B等を外装下地材取付用金具1を介して強固な基礎の土台部Kへ固定することができ、必要な取付強度を確保することができる。
【0025】
例えば外壁のカバー改修の際に、既存壁面Hへの取り付けでは壁面Hの劣化等の問題などの理由から新規外装材や新規外装下地材の取付強度の確保が十分にできない場合があるが、そのような場合に本発明の外装下地材取付用金具1を活用することで取付強度の確保が可能となる。
【0026】
また、特に、建物の基礎の土台部K付近に固定具を強固に固定するための適当な既存外壁の下地(アングル材やH型鋼等)が存在しない場合(例えばALC外壁の縦壁挿入筋構法等の場合)であっても、本発明の外装下地材取付用金具1を活用することで取付強度の確保が可能となる。
【0027】
もちろん、本発明の外装下地材取付用金具1の活用方法はこれらのケースに限定されるものではなく、各種の構造、改修、新築に用いて良いし、基礎の土台部K以外の場所に用いても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 外装下地材取付用金具
2 取付部
3 固定孔
4 第一支持片
5 第ニ支持片
6 前方支持端部
7 後方支持端部
8 支持片頂部
9 支持突起
A 胴縁取付用金具
B 胴縁
K 土台部
α 固定具
H 壁面
S スペーサー
J 壁材除去部
図1
図2
図3
図4
図5
図6