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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220201BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220201BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220201BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220201BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/30 308A
H05B33/14 A
H01L27/32
G02F1/1333
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2017110210
(22)【出願日】2017-06-02
(65)【公開番号】P2017219843
(43)【公開日】2017-12-14
【審査請求日】2020-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2016-0068856
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 相 月
(72)【発明者】
【氏名】姜 盛 球
(72)【発明者】
【氏名】金 辰 奎
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0093685(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0036300(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111682(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G02F 1/1333
H01L 51/50
H01L 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ領域及び前記ディスプレイ領域の外側の周辺領域を有する基板と、
前記ディスプレイ領域に対応するように前記基板の上面上に配置されたディスプレイ部と、
保護フィルムベース及び粘着層を含み、前記粘着層によって前記基板の下面に付着された保護フィルムと、を具備し、
前記保護フィルムベースは、
少なくとも前記ディスプレイ領域に対応する第1保護フィルムベースと、
前記第1保護フィルムベースから離隔するように位置して前記周辺領域の少なくとも一部に対応する第2保護フィルムベースと、を含み、
前記第2保護フィルムベースは、前記第1保護フィルムベースの光透過度よりも高い光透過度を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1保護フィルムベースの耐熱性は、前記第2保護フィルムベースの耐熱性よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1保護フィルムベースの熱変形温度は、前記第2保護フィルムベースの熱変形温度よりも高いことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記周辺領域に属する電子素子領域に対応するように前記基板の上面上に配置された電子素子又は印刷回路基板を更に具備し、
前記第2保護フィルムベースは、少なくとも前記電子素子領域に対応することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第2保護フィルムベースは、前記基板のエッジのうちの前記電子素子領域から前記ディスプレイ領域側の反対側に位置するエッジまで延長されることを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1保護フィルムベースの前記電子素子領域側の第1端部は、前記第2保護フィルムベースの前記ディスプレイ領域側の第2端部に面接触することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1端部及び前記第2端部の位置は、前記ディスプレイ領域の前記電子素子領域側のエッジに対応することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1端部及び前記第2端部の位置は、前記電子素子領域の前記ディスプレイ領域側のエッジに対応することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1保護フィルムベースの前記電子素子領域側の第1端部の位置は、前記ディスプレイ領域の前記電子素子領域側のエッジに対応することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第2保護フィルムベースの前記ディスプレイ領域側の第2端部の位置は、前記電子素子領域の前記ディスプレイ領域側のエッジに対応することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1保護フィルムベースの前記電子素子領域側の第1端部と前記第2保護フィルムベースの前記ディスプレイ領域側の第2端部とは、相互に離隔されることを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記粘着層は、
前記第1保護フィルムベースに対応する第1粘着層と、
前記第2保護フィルムベースに対応する第2粘着層と、を含み、
前記第1粘着層の前記電子素子領域側のエッジ部と前記第2粘着層の前記ディスプレイ領域側のエッジ部とは、相互に離隔されることを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記粘着層は、
前記第1保護フィルムベースに対応する第1粘着層と、
前記第1粘着層の物性と異なる物性を有して前記第2保護フィルムベースに対応する第2粘着層と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記周辺領域は、ベンディング領域を含み、
前記基板は、前記ベンディング領域でベンディングされることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応することを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分で少なくとも一部が除去されることを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分に複数個の開口部又は複数個のグルーブを有することを特徴とする請求項15に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブは、それぞれ前記ベンディングされた基板の上面に沿って前記ディスプレイ領域から前記周辺領域側に延長された形状を有することを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域の中央部に位置する開口部又はグルーブの面積は、前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域のエッジに位置する開口部又はグルーブの面積よりも広いことを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブの内側面は、前記基板の上面に垂直でないことを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブが位置する前記第1保護フィルムベースの部分の広さは、前記ベンディング領域の広さよりも狭いことを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブが位置する前記第1保護フィルムベースの部分の広さは、前記ベンディング領域の広さと同じであることを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブが位置する前記第1保護フィルムベースの部分の広さは、前記ベンディング領域の広さよりも広いことを特徴とする請求項17に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域及び前記ベンディング領域に隣接する部分に対応することを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分で少なくとも一部が除去されることを特徴とする請求項24に記載のディスプレイ装置。
【請求項26】
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分に複数個の開口部又は複数個のグルーブを有することを特徴とする請求項24に記載のディスプレイ装置。
【請求項27】
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブは、それぞれ前記ベンディングされた基板の上面に沿って前記ディスプレイ領域から前記周辺領域側に延長された形状を有することを特徴とする請求項26に記載のディスプレイ装置。
【請求項28】
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域の中央部に位置する開口部又はグルーブの面積は、前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域のエッジに位置する開口部又はグルーブの面積よりも広いことを特徴とする請求項26に記載のディスプレイ装置。
【請求項29】
前記粘着層は、前記ベンディング領域に対応する開口を有することを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項30】
前記開口は、空気で充填されることを特徴とする請求項29に記載のディスプレイ装置。
【請求項31】
前記保護フィルムベースは、前記開口に対応する開口部を有することを特徴とする請求項29に記載のディスプレイ装置。
【請求項32】
前記粘着層は、前記ベンディング領域に対応する複数個の開口を有することを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項33】
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応し、前記複数個の開口に対応する複数個の開口部又は複数個のグルーブを有することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ装置。
【請求項34】
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域及び前記ベンディング領域に隣接する部分に対応し、前記複数個の開口に対応する複数個の開口部又は複数個のグルーブを有することを特徴とする請求項32に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に係り、より詳細には、製造過程及び使用過程における不良発生率を低下させるディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ディスプレイ装置は、基板上に位置するディスプレイ部を有する。そして、基板の下面には、保護フィルムが付着される。
【0003】
しかし、従来のディスプレイ装置の場合、下面に付着された保護フィルムによって、製造過程や製造後の使用過程において、不良が発生したり、ディスプレイ装置の寿命が短くなったりするというような問題点が生じた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、製造過程及び使用過程における不良発生率を低下させるディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるディスプレイ装置は、ディスプレイ領域及び前記ディスプレイ領域の外側の周辺領域を有する基板と、前記ディスプレイ領域に対応するように前記基板の上面上に配置されたディスプレイ部と、保護フィルムベース及び粘着層を含み、前記粘着層によって前記基板の下面に付着された保護フィルムを具備し、前記保護フィルムベースは、少なくとも前記ディスプレイ領域に対応する第1保護フィルムベースと、前記第1保護フィルムベースの物性と異なる物性を有して前記周辺領域の少なくとも一部に対応する第2保護フィルムベースと、を含む。
【0006】
前記第2保護フィルムベースの光透過度は、前記第1保護フィルムベースの光透過度よりも高くあり得る。
前記第1保護フィルムベースの耐熱性は、前記第2保護フィルムベースの耐熱性よりも高くあり得る。
前記第1保護フィルムベースの熱変形温度は、前記第2保護フィルムベースの熱変形温度よりも高くあり得る。
前記周辺領域に属する電子素子領域に対応するように前記基板の上面上に配置された電子素子又は印刷回路基板を更に具備し、前記第2保護フィルムベースは、少なくとも前記電子素子領域に対応し得る。
前記第2保護フィルムベースは、前記基板のエッジのうちの前記電子素子領域から前記ディスプレイ領域側の反対側に位置するエッジまで延長され得る。
前記第1保護フィルムベースの前記電子素子領域側の第1端部は、前記第2保護フィルムベースの前記ディスプレイ領域側の第2端部に面接触し得る。
前記第1端部及び前記第2端部の位置は、前記ディスプレイ領域の前記電子素子領域側のエッジに対応し得る。
前記第1端部及び前記第2端部の位置は、前記電子素子領域の前記ディスプレイ領域側のエッジに対応し得る。
前記第1保護フィルムベースの前記電子素子領域側の第1端部の位置は、前記ディスプレイ領域の前記電子素子領域側のエッジに対応し得る。
前記第2保護フィルムベースの前記ディスプレイ領域側の第2端部の位置は、前記電子素子領域の前記ディスプレイ領域側のエッジに対応し得る。
前記第1保護フィルムベースの前記電子素子領域側の第1端部と前記第2保護フィルムベースの前記ディスプレイ領域側の第2端部とは、相互に離隔され得る。
前記粘着層は、前記第1保護フィルムベースに対応する第1粘着層と、前記第2保護フィルムベースに対応する第2粘着層と、を含み、前記第1粘着層の前記電子素子領域側のエッジ部と前記第2粘着層の前記ディスプレイ領域側のエッジ部とは、相互に離隔され得る。
前記粘着層は、前記第1保護フィルムベースに対応する第1粘着層と、前記第1粘着層の物性と異なる物性を有して前記第2保護フィルムベースに対応する第2粘着層と、を含み得る。
【0007】
前記周辺領域は、ベンディング領域を含み、前記基板は、前記ベンディング領域でベンディングされ得る。
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応し得る。
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分で少なくとも一部が除去され得る。
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分に複数個の開口部又は複数個のグルーブを有し得る。
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブは、それぞれ前記ベンディングされた基板の上面に平行な仮想の曲面で前記ディスプレイ領域から前記周辺領域側に延長された形状を有し得る。
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域の中央部に位置する開口部又はグルーブの面積は、前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域のエッジに位置する開口部又はグルーブの面積よりも広くあり得る。
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブの内側面は、前記基板の上面に垂直でなくあり得る。
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブが位置する前記第1保護フィルムベースの部分の広さは、前記ベンディング領域の広さよりも狭くあり得る。
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブが位置する前記第1保護フィルムベースの部分の広さは、前記ベンディング領域の広さと同じであり得る。
前記複数個の開口部又は前記複数個のグルーブが位置する前記第1保護フィルムベースの部分の広さは、前記ベンディング領域の広さよりも広くあり得る。
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域及び前記ベンディング領域に隣接する部分に対応し得る。
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分で少なくとも一部が除去され得る。
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応する部分に複数個の開口部又は複数個のグルーブを有し得る。
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブは、それぞれ前記ベンディングされた基板の上面に平行な仮想の曲面で前記ディスプレイ領域から前記周辺領域側に延長された形状を有し得る。
前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域の中央部に位置する開口部又はグルーブの面積は、前記複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちの前記ベンディング領域のエッジに位置する開口部又はグルーブの面積よりも広くあり得る。
前記粘着層は、前記ベンディング領域に対応する開口を有し得る。
前記開口は、空気で充填され得る。
前記保護フィルムベースは、前記開口に対応する開口部を有し得る。
前記粘着層は、前記ベンディング領域に対応する複数個の開口を有し得る。
前記第1保護フィルムベースは、前記ベンディング領域に対応し、前記複数個の開口に対応する複数個の開口部又は複数個のグルーブを有し得る。
前記第2保護フィルムベースは、前記ベンディング領域及び前記ベンディング領域に隣接する部分に対応し、前記複数個の開口に対応する複数個の開口部又は複数個のグルーブを有し得る。
上述以外の他の側面、特徴、利点は、以下の発明を実施するための具体的な内容、特許請求の範囲、及び図面から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明のディスプレイ装置によれば、製造過程及び使用過程における不良発生率を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第1例を概略的に示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第2例を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第3例を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第4例を概略的に示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第5例を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第6例を概略的に示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第7例を概略的に示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第8例を概略的に示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第9例を概略的に示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第10例を概略的に示す断面図である。
図11】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の一例の一部を概略的に示す斜視図である。
図12図11のディスプレイ装置の一例の一部を概略的に変形して示す断面図である。
図13】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムの一部の第1例を概略的に示す平面図である。
図14】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムの一部の第2例を概略的に示す平面図である。
図15】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムの一部の第3例を概略的に示す平面図である。
図16】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムベースの一部の第4例を概略的に示す平面図である。
図17】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムベースの一部の第5例を概略的に示す平面図である。
図18】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムベースの一部の第6例を概略的に示す平面図である。
図19図13のXIX-XIX線に沿って切り取った断面を概略的に示す断面図である。
図20】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の他の例の一部を概略的に変形して示す断面図である。
図21】本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の更に他の例の一部を概略的に変形して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有するが、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書で詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照することで明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で具現される。
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。図面を参照して説明する際、同一であるか又は対応する構成要素には同一図面符号を付し、それに関する重複説明を省略する。
【0012】
以下の実施形態において、層、膜、領域、板のような各種構成要素が他の構成要素の「上に」あるとするとき、それは他の構成要素の「真上に」ある場合だけではなく、その間に他の構成要素が介在する場合も含む。また、説明の便宜のために、図面では構成要素の大きさを誇張したり縮小したりする。例えば、図面に示す各構成の大きさ及び厚みを、説明の便宜のために任意に示しており、本発明は、必ずしも図示したものに限定されるものではない。
【0013】
以下の実施形態において、x軸、y軸、及びz軸は、直交座標系上の3つの軸に限定されるものではなく、それらを含む広い意味に解釈される。例えば、x軸、y軸、及びz軸は、互いに直交することもあるが、互いに直交せずにそれぞれ異なる方向を指すこともある。
【0014】
図1図10は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の多様な例を概略的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態によるディスプレイ装置は、基板100、ディスプレイ部DU、及び保護フィルム170を具備する。
【0015】
基板100は、ディスプレイ領域(DA:display area)と、ディスプレイ領域DAの外側の周辺領域(PA:peripheral area)と、を有する。基板100は、フレキシブル又はベンダブルな特性を有する多様な物質を含み、例えばポリエーテルスルホン(PES)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)のような高分子樹脂を含む。また、基板100は、必要に応じて多層構造を有する。
【0016】
ディスプレイ部DUは、ディスプレイ領域DAに対応するように、基板の上面上(+z方向)に配置される。ディスプレイ部DUは、有機発光素子のようなディスプレイ素子や薄膜トランジスタなどを含む。ディスプレイ部DUの詳細な例示的な構成は、後述する実施形態で説明する。
【0017】
保護フィルム170は、保護フィルムベース171及び粘着層172を含む。保護フィルム170は、粘着層172によって基板100の下面(-z方向)に付着される。即ち、保護フィルム170は、基板100のディスプレイ部DUが位置する方向(+z方向)の反対側(-z方向)の面である下面上に位置する。保護フィルム170の粘着層172は、例えば感圧性接着物質(PSA:pressure sensitive adhesive)を含む。
【0018】
保護フィルム170及び粘着層172を共に含む保護フィルムベース171は、第1保護フィルムベース171a及び第2保護フィルムベース171bを含む。第1保護フィルムベース171a及び第2保護フィルムベース171bは、同一平面に位置する。そして、図1に示すように、第1保護フィルムベース171aは少なくともディスプレイ領域DAに対応し、第2保護フィルムベース171bは周辺領域PAの少なくとも一部に対応する。即ち、第1保護フィルムベース171aの面積は、ディスプレイ領域DAの面積以上である。図1では、第1保護フィルムベース171aが、ディスプレイ領域DA以外の、周辺領域PAのディスプレイ領域DAの隣接部分にまで対応するように示している。
【0019】
保護フィルムベース171において、第1保護フィルムベース171a及び第2保護フィルムベース171bは、互いに異なる物性を有する。具体的に、第2保護フィルムベース171bの光透過度は、第1保護フィルムベース171aの光透過度よりも高い。また、第1保護フィルムベース171aの耐熱性は、第2保護フィルムベース171bの耐熱性よりも高い。具体的に、第1保護フィルムベース171aで変形が発生する温度である熱変形温度は、第2保護フィルムベース171bで変形が発生する温度である熱変形温度よりも高い。
【0020】
図1に示すように、ディスプレイ装置は、ドライバIC(integrated circuit)のような電子素子800を更に具備する。電子素子800は、基板100の周辺領域PA上に配置される。具体的に、電子素子800は、基板100の周辺領域PAに属する電子素子領域(EDA:electronic device area)に対応するように、基板100の上面上(+z方向)に配置される。なお、図1では、図示の便宜のために、基板100の上面上(+z方向)に位置する配線及び/又はパッドなどを図示していないが、電子素子800は、図示していない配線及び/又はパッドに電気的に連結されるように配置される。
【0021】
電子素子800は、異方性導電フィルム(ACF:anisotropic conductive film)によって、基板100上に付着される。即ち、異方性導電フィルムに含まれる導電ボール700が、基板100上の配線及び/又はパッドにコンタクトし、電子素子800の本体820下端のバンプ810にコンタクトすることにより、配線及び/又はパッドとバンプ810とを電気的に連結させる。それにより、電子素子800が配線及び/又はパッドに電気的に連結される。このとき、電子素子800が配線及び/又はパッドに正確に電気的に連結されたか否かということを検査するために、圧痕(pressure mark)検査などを実施する必要がある。電子素子800が配線及び/又はパッドに正しく電気的に連結されない場合、それはディスプレイ装置の不良を引き起こす。
【0022】
圧痕検査は、例えば電子素子800が基板100上に実装されるときの圧力によって導電ボール700が崩れた程度などを検査するものである。導電ボール700が崩れたということは、電子素子800のバンプ810と基板100上の配線及び/又はパッドとの間に導電ボール700が介在して圧力を受けたということを意味することから、圧痕検査を介して電子素子800が基板100上の配線及び/又はパッドに電気的に連結された状態であると推定することができる。
【0023】
圧痕検査を実施するためには、保護フィルム170の電子素子800に対応する部分が透光性特性を有する必要がある。即ち、保護フィルム170の電子素子800に対応する部分の透光性が高い必要がある。これにより、保護フィルム170及び基板100などを介して導電ボール700の状態を確認することができる。そのために、電子素子800が位置する電子素子領域EDAに少なくとも第2保護フィルムベース171bを対応させ、電子素子領域EDAに対応する保護フィルム170の部分、即ち第2保護フィルムベース171bの透光性を高くすることが望ましい。従って、第2保護フィルムベース171bの光透過度は、第1保護フィルムベース171aの光透過度よりも高くすることを考慮する必要がある。なお、それは、基板100も透光性であるということを前提にしている。
【0024】
一方、ディスプレイ装置は、製造過程で多様な信頼性評価を経ることになる。それは、製造完了後、多様な環境でディスプレイ装置が使用される過程において問題が発生しないか否かということを、製造過程で予め評価することである。信頼性評価は、例えば高温環境におけるディスプレイ装置の故障の有無の評価や、多湿環境におけるディスプレイ装置の故障の有無の評価などを含む。従って、高温環境における評価や、多湿環境における評価などにおいて、ディスプレイ装置の構成要素の個別的特性が変わらずにそのまま維持することが必要である。特に、ディスプレイ装置がディスプレイ領域DAにおいてフレキシブル特性又はベンダブル特性を有する場合、その特性が信頼性評価を経ながら低下しないようにする必要がある。
【0025】
そのために、少なくともディスプレイ領域DAに対応する第1保護フィルムベース171aの耐熱性を高めることが望ましい。従って、第1保護フィルムベース171aの耐熱性は、第2保護フィルムベース171bの耐熱性よりも高くすることを考慮する必要がある。具体的に、第1保護フィルムベース171aで変形が発生する温度である熱変形温度は、第2保護フィルムベース171bで変形が発生する温度である熱変形温度よりも高くすることを考慮する必要がある。高温環境を介して、信頼性評価のうち、保護フィルム170のディスプレイ領域DAに対応する部分で変形が発生しないようにする。
【0026】
第2保護フィルムベース171bの場合は、ディスプレイ領域DAの外側に対応する。従って、信頼性評価などの過程において、第2保護フィルムベース171bが変形されて第2保護フィルムベース171bの可撓性(flexibility)が低下したとしても、ディスプレイ領域DAにおけるフレキシブル特性やベンダブル特性は低下せず、そのまま維持される。従って、使用過程において、主にディスプレイ領域DAのみを観察するユーザは、ディスプレイ装置の全体的なフレキシブル特性やベンダブル特性がそのまま維持されるものと認識する。
【0027】
保護フィルム170の保護フィルムベース171は、ポリイミド及びポリエチレンを含む。具体的に、第1保護フィルムベース171aはポリイミドを含み、第2保護フィルムベース171bはポリエチレンを含む。ポリエチレンの透光性は一般的なポリイミドの透光性よりも高い。従って、ポリエチレンを含む第2保護フィルムベース171bの透光性は、ポリイミドを含む第1保護フィルムベース171aの透光性よりも高い。また、ポリエチレンの熱変形温度は略80℃に留まるが、ポリイミドの熱変形温度はそれよりもはるかに高い。従って、ポリイミドを含む第1保護フィルムベース171aの耐熱性は、ポリエチレンを含む第2保護フィルムベース171bの耐熱性よりも高い。
【0028】
保護フィルム170は、基板100の下面(-z方向)を可能な限り殆ど覆う必要がある。これは基板100の下面(-z方向)を十分に保護するためである。従って、図1に示すように、第2保護フィルムベース171bが、基板100のエッジのうちの電子素子領域EDAからディスプレイ領域DA側の反対側(+x方向)に位置するエッジまで延長されるようにすることが望ましい。図1では、基板100の電子素子領域EDAからディスプレイ領域DA側の反対側(+x方向)の端部面(end surface)と第2保護フィルムベース171bの端部面とが一致するように示している。
【0029】
一方、図1に示すように、第1保護フィルムベース171aの電子素子領域EDA側(+x方向)の第1端部は、第2保護フィルムベース171bのディスプレイ領域DA側(-x方向)の第2端部と面接触する。この位置関係を介して、基板100の下面の殆どが保護フィルム170によって保護される。その場合、第1端部及び第2端部の位置は、図1に示すように周辺領域PA内に位置する。しかし、本発明は、それに限定されるものではなく、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第2例を概略的に示す断面図である図2に示すように、第1端部及び第2端部は、ディスプレイ領域DAと周辺領域PAとの境界に位置する。その場合、第1端部及び第2端部がディスプレイ領域DAの電子素子領域EDA側のエッジに対応する。また、図2では、ディスプレイ領域DAの面積がディスプレイ部DUの面積よりも更に広いように図示しているが、ディスプレイ領域DAのエッジがディスプレイ部DUのエッジと一致する本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第3例を概略的に示す断面図である図3に示すような場合に、第1端部及び第2端部は、ディスプレイ領域DAと周辺領域PAとの境界に位置する。
【0030】
なお、透光性が高い第2保護フィルムベース171bは、少なくとも電子素子領域EDAに対応すればよい。従って、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第4例を概略的に示す断面図である図4に示すように、第1端部及び第2端部の位置が電子素子領域EDAのディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジに対応することもできる。特に、その場合、電子素子800の実装状態を検査する圧痕検査が透光性に優れる第2保護フィルムベース171bを介して円滑に行われながらも、基板100の下面(-z方向)において可能な限り広い面積が耐熱性に優れる第1保護フィルムベース171aによって保護される。
【0031】
一方、以上では、ディスプレイ装置が電子素子800を有する場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第5例を概略的に示す断面図である図5に示すように、ディスプレイ装置は印刷回路基板900を具備する。印刷回路基板900も異方性導電フィルムによって基板100上に付着される。即ち、異方性導電フィルムに含まれる導電ボール700が、基板100上の配線及び/又はパッドにコンタクトし、印刷回路基板900の本体920下端のバンプ910にコンタクトすることにより、配線及び/又はパッドとバンプ910とを電気的に連結させる。それによって、印刷回路基板900が配線及び/又はパッドに電気的に連結される。
【0032】
その場合にも、印刷回路基板900が配線及び/又はパッドに正確に電気的に連結されたか否かということを検査するために圧痕検査などを実施する必要があり、そのために、印刷回路基板900が位置する電子素子領域EDAに少なくとも第2保護フィルムベース171bを対応させ、電子素子領域EDAに対応する保護フィルム170の部分、即ち第2保護フィルムベース171bの透光性を高くすることが望ましい。従って、第2保護フィルムベース171bの光透過度が第1保護フィルムベース171aの光透過度よりも高くすることを考慮する必要がある。印刷回路基板900は、基板100の外側に延長されてもよい。従って、印刷回路基板900が電子素子領域EDAに位置するということは、印刷回路基板900の基板100に電気的に連結される部分が電子素子領域EDAに位置することである。
【0033】
このような本実施形態によるディスプレイ装置の場合にも、図2図4を参照して説明したような変形が適用される。即ち、第1保護フィルムベース171aの電子素子領域EDA側(+x方向)の第1端部と第2保護フィルムベース171bのディスプレイ領域DA側(-x方向)の第2端部とが面接触し、第1端部及び第2端部は、図2に示すように、ディスプレイ領域DAと周辺領域PAとの境界に位置する。また、図5では、ディスプレイ領域DAの面積がディスプレイ部DUの面積よりも更に広いように図示しているが、ディスプレイ領域DAのエッジがディスプレイ部DUのエッジと一致するようにすることもでき、その場合にも、図3に示すように、第1端部及び第2端部がディスプレイ領域DAと周辺領域PAとの境界に位置する。なお、透光性が高い第2保護フィルムベース171bは、少なくとも電子素子領域EDAに対応すればよい。従って、図4に示すように、第1端部及び第2端部の位置が電子素子領域EDAのディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジに対応する。
【0034】
ディスプレイ装置は、上述のような電子素子800及び印刷回路基板900をいずれも有することができ、その場合、電子素子800及び印刷回路基板900を、いずれも電子素子領域EDA内に位置させる。ここで、印刷回路基板900が電子素子領域EDA内に位置するということは、印刷回路基板900の基板100に電気的に連結される部分が電子素子領域EDA内に位置することである。
【0035】
以上では、保護フィルムベース171が第1保護フィルムベース171a及び第2保護フィルムベース171bを含む場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部分の第6例を概略的に示す図6に示すように、粘着層172も第1粘着層172a及び第2粘着層172bを含む。その場合、第1粘着層172aは第1保護フィルムベース171aに対応し、第2粘着層172bは第2保護フィルムベース171bに対応する。そして、第1粘着層172a及び第2粘着層172bの物性は、互いに異なる。
【0036】
例えば、第2粘着層172bの光透過度は、第1粘着層172aの光透過度よりも高い。また、第1粘着層172aの耐熱性は、第2粘着層172bの耐熱性よりも高い。具体的に、第1粘着層172aで変形が発生する温度である熱変形温度は、第2粘着層172bで変形が発生する温度である熱変形温度よりも高い。それは、上述の実施形態及びその変形例はもとより、後述する実施形態及びその変形例にも適用される。
【0037】
一方、図1図6では、第1保護フィルムベース171aの電子素子領域EDA側(+x方向)の第1端部と、第2保護フィルムベース171bのディスプレイ領域DA側(-x方向)の第2端部とが面接触するように図示しているが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第7例を概略的に示す断面図である図7に示すように、第1保護フィルムベース171a及び第2保護フィルムベース171bは、少なくとも一部分で相互に離隔されている。即ち、第1保護フィルムベース171aの電子素子領域EDA側(+x方向)の第1端部と、第2保護フィルムベース171bのディスプレイ領域DA側(-x方向)の第2端部とが相互に離隔されている。なお、その場合にも、第1保護フィルムベース171aの第2保護フィルムベース171b側の第1端部は、周辺領域PA内に位置するか、或いはディスプレイ領域DAと周辺領域PAとの境界に位置する。この位置関係を介して、ディスプレイ領域DAにおける基板100の下面(-z方向)が、第1保護フィルムベース171aによって保護される。
【0038】
また、図7では、ディスプレイ領域DAの面積がディスプレイ部DUの面積よりも更に広く図示しているが、ディスプレイ領域DAのエッジがディスプレイ部DUのエッジと一致する本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第8例を概略的に示す断面図である図8に示すように、第1端部がディスプレイ領域DAと周辺領域PAとの境界に位置することができる。
【0039】
なお、透光性が高い第2保護フィルムベース171bは、少なくとも電子素子領域EDAに対応すればよい。従って、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第9例を概略的に示す断面図である図9に示すように、第1端部が周辺領域PA内に位置して第2端部の位置が電子素子領域EDAのディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジに対応することもできる。特に、その場合、電子素子800の実装状態を検査する圧痕検査が透光性に優れる第2保護フィルムベース171bを介して円滑に行われるようにしながらも、基板100の下面(-z方向)で可能な限り広い面積が耐熱性に優れる第1保護フィルムベース171aによって保護される。
【0040】
図7図9では、保護フィルムベース171の第1保護フィルムベース171aと第2保護フィルムベース171bとが少なくとも一部分で互いに離隔され、同一の粘着層172を有しているが、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部の第10例を概略的に示す断面図である図10に示すように、粘着層172も第1粘着層172a及び第2粘着層172bを含み、第1粘着層172a及び第2粘着層172bも少なくとも一部分で互いに離隔される。
【0041】
即ち、第1保護フィルムベース171aの電子素子領域EDA側(+x方向)の第1端部と、第2保護フィルムベース171bのディスプレイ領域DA側(-x方向)の第2端部とが相互に離隔され、第1保護フィルムベース171aに対応する第1粘着層172aの電子素子領域EDA側の端部と、第2保護フィルムベース171bに対応する第2粘着層172bのディスプレイ領域DA側の端部とが相互に離隔される。
【0042】
以上では、基板100が略平らな状態のディスプレイ装置について説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の一例の一部を概略的に示す斜視図である図11に示すように、ディスプレイ装置の一部である基板100の一部がベンディングされ、ディスプレイ装置の一部分が基板100と同様にベンディングされた形状を有する。
【0043】
図11に示すように、本実施形態によるディスプレイ装置が具備する基板100は、第1方向(+y方向)に延長されたベンディング領域BAを有する。ベンディング領域BAは、第1方向と交差する第2方向(+x方向)で、第1領域1Aと第2領域2Aとの間に位置する。第1領域1Aは、少なくとも上述のようなディスプレイ領域DAを含む。そして、基板100は、図1に示したように、第1方向(+y方向)に延長されたベンディング軸BAXを中心にベンディングされる。
【0044】
図12は、図11のディスプレイ装置の一例の一部を概略的に変形して示す断面図である。上述のように、基板100などがベンディング領域BAでベンディングされた状態であるが、図12では、図示の便宜上、ベンディングされていないように図示している。それは、後述する実施形態及びその変形例においても同様である。
【0045】
図12に示すように、基板100の第1領域1Aは、ディスプレイ領域DAを含む。なお、第1領域1Aは、図12に示すように、ディスプレイ領域DA以外にディスプレイ領域DAの外側の周辺領域PAの一部を含む。第2領域2Aも周辺領域PAを含む。第1領域1Aには、有機発光素子300のようなディスプレイ素子や薄膜トランジスタ210などを含むディスプレイ部DU(図1)が配置される。なお、ディスプレイ部DUは、ディスプレイ領域DA内に配置される構成要素のみを含み、第1領域1Aに属するが周辺領域PA内に配置される構成要素も含んでもよい。基板100は、第1領域1Aと第2領域2Aとの間にのみベンディング領域BAを有し、基板100は、その後、ベンディング領域BAでベンディングされ、図1に示したような形状を有する。
【0046】
ディスプレイ領域DAには、有機発光素子300のようなディスプレイ素子以外にも、有機発光素子300が電気的に連結される薄膜トランジスタ210も位置する。有機発光素子300が薄膜トランジスタ210に電気的に連結されるということは、画素電極310が薄膜トランジスタ210に電気的に連結されることである。なお、必要に応じて、基板100のディスプレイ領域DAの外側の周辺領域にも薄膜トランジスタ(図示せず)が配置されてもよい。周辺領域に位置する薄膜トランジスタは、例えばディスプレイ領域DA内に印加される電気的信号を制御するための回路部の一部である。
【0047】
薄膜トランジスタ210は、非晶質シリコン、多結晶シリコン、又は有機半導体物質を含む半導体層211、ゲート電極213、ソース電極215a、及びドレイン電極215bを含む。半導体層211とゲート電極213との絶縁性を確保するために、シリコンオキサイド、窒化ケイ素、及び/又は酸窒化ケイ素などの無機物を含むゲート絶縁膜120が、半導体層211とゲート電極213との間に介在する。また、ゲート電極213の上部には、シリコンオキサイド、窒化ケイ素、及び/又は酸窒化ケイ素などの無機物を含む層間絶縁膜130が配置され、ソース電極215a及びドレイン電極215bは層間絶縁膜130上に配置される。無機物を含む絶縁膜は、CVD(chemical vapor deposition)法又はALD(atomic layer deposition)法を介して形成される。それは、後述する実施形態及びその変形例においても同様である。
【0048】
薄膜トランジスタ210と基板100との間には、バッファ層110が介在する。バッファ層110は、シリコンオキサイド、窒化ケイ素、及び/又は酸窒化ケイ素のような無機物を含む。バッファ層110は、基板100上面の平滑性を高めたり、基板100などからの不純物が薄膜トランジスタ210の半導体層211に浸透したりすることを防止又は最小化する役割を担う。
【0049】
薄膜トランジスタ210上には、平坦化層140が配置される。例えば、図12に示すように、薄膜トランジスタ210の上部に有機発光素子300が配置される場合、平坦化層140は、薄膜トランジスタ210を覆う保護膜上部を略平坦化する役割を担う。平坦化層140は、例えばアクリル、BCB(benzocyclobutene)、又はHMDSO(hexamethyldisiloxane)のような有機物で形成される。図12では、平坦化層140が単層として図示しているが、多層であるというように多様な変形が可能である。そして、図12に示すように、平坦化層140がディスプレイ領域DAの外側で開口を有し、ディスプレイ領域DAの平坦化層140の部分と、第2領域2Aの平坦化層140の部分とが物理的に分離される。それは、外部から浸透した不純物などが、平坦化層140の内部を介してディスプレイ領域DAの内部にまで達することを防止するためである。
【0050】
ディスプレイ領域DA内において、平坦化層140上には、画素電極310、対向電極330、及びその間に介在して発光層を含む中間層320を有する有機発光素子が位置する。画素電極310は、図12に示すように、平坦化層140などに形成された開口部を介して、ソース電極215a及びドレイン電極215bのうちのいずれか一つとコンタクトし、薄膜トランジスタ210に電気的に連結される。
【0051】
平坦化層140の上部には、画素定義膜150が配置される。画素定義膜150は、各副画素に対応する開口、即ち少なくとも画素電極310の中央部が露出される開口を有することにより、画素を定義する役割を担う。また、図12に示すような場合、画素定義膜150は、画素電極310のエッジと画素電極310上部の対向電極330との距離を増大させることにより、画素電極310のエッジにおけるアークなどの発生を防止する役割を担う。画素定義膜150は、例えばポリイミド又はHMDSO(hexamethyldisiloxane)のような有機物で形成される。
【0052】
有機発光素子300の中間層320は、低分子物質又は高分子物質を含む。低分子物質を含む場合、ホール注入層(HIL:hole injection layer)、ホール輸送層(HTL:hole transport layer)、発光層(EML:emission layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)、電子注入層(EIL:electron injection layer)などが単一又は複合構造に積層された構造を有し、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ジフェニル-ベンジジン(NPB)、トリス-8-ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを含む多様な有機物質を含む。このような層は、真空蒸着法によって形成される。
【0053】
中間層320が高分子物質を含む場合、略ホール輸送層(HTL)及び発光層(EML)を含む構造を有する。このとき、ホール輸送層はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含み、発光層はPPV(poly-phenylenevinylene)系及びポリフルオレン(polyfluorene)系などの高分子物質を含む。中間層320は、スクリーン印刷、インクジェット印刷方法、レーザ熱転写法(LITI:laser induced thermal imaging)などによって形成される。
【0054】
なお、中間層320は、必ずしもそれらに限定されるものではなく、多様な構造を有する。そして、中間層320は、複数個の画素電極310に亘って一体である層を含み、複数個の画素電極310にそれぞれ対応するようにパターニングされた層を含む。
【0055】
対向電極330は、ディスプレイ領域DAの上部に配置され、図12に示すように、ディスプレイ領域DAを覆うように配置される。即ち、対向電極330は、複数個の有機発光素子において一体に形成され、複数個の画素電極310に対応する。
【0056】
有機発光素子は、外部からの水分や酸素などによって容易に損傷するため、封止層400が有機発光素子を覆ってそれらを保護する。封止層400は、ディスプレイ領域DAを覆い、ディスプレイ領域DAの外側まで延長される。封止層400は、図12に示すように、第1無機封止層410、有機封止層420、及び第2無機封止層430を含む。
【0057】
第1無機封止層410は、対向電極330を覆い、シリコンオキサイド、窒化ケイ素、及び/又は酸窒化ケイ素などを含む。なお、必要に応じて、第1無機封止層410と対向電極330との間にキャッピング層などの他の層が介在してもよい。第1無機封止層410は、その下部の構造物に沿って形成されるため、図12に示すように、その上面が平坦ではなくなる。有機封止層420は、第1無機封止層410を覆うが、第1無機封止層410と異なり、その上面が略平坦になる。具体的に、有機封止層420は、ディスプレイ領域DAに対応する部分では、上面が略平坦になる。有機封止層420は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ヘキサメチルジシロキサンからなる群から選択された1以上の材料を含む。第2無機封止層430は、有機封止層420を覆い、シリコンオキサイド、窒化ケイ素、及び/又は酸窒化ケイ素などを含む。第2無機封止層430は、ディスプレイ領域DAの外側に位置するエッジで第1無機封止層410とコンタクトすることにより、有機封止層420を外部に露出させない。
【0058】
このように、封止層400は、第1無機封止層410、有機封止層420、及び第2無機封止層430を含み、このような多層構造を介して、封止層400内にクラックが発生したとしても、第1無機封止層410と有機封止層420との間、又は有機封止層420と第2無機封止層430との間で、このようなクラックが連結されないようにする。このような構造を介して、外部からの水分や酸素などがディスプレイ領域DAに浸透する経路形成を防止したり最小化したりする。
【0059】
なお、必要に応じて、封止層400上に、タッチスクリーン機能のための多様なパターンのタッチ電極や、タッチ電極を保護するためのタッチ保護層が配置されてもよい。そして、封止層400上には、透光性接着剤(OCA:optically clear adhesive)510によって、偏光板520が付着される。封止層400上にタッチ電極やタッチ保護層が存在する場合、このような構成要素上に透光性接着剤510及び偏光板520が位置する。そして、印刷回路基板(図示せず)や電子チップ(図示せず)などが第2領域2Aに付着される。なお、図12では、基板100などのディスプレイ領域DAの反対側(+x方向)部分の図示を省略した。また、ディスプレイ領域DAの外側に、ベンディング保護層(BPL:bending protection layer)600を形成することができる。
【0060】
偏光板520は、外光反射を低下させる役割を担う。例えば、外光が偏光板520を通過し、対向電極330の上面で反射した後、更に偏光板520を通過する場合、偏光板520を2回通過することにより、その外光の位相が変わる。その結果、反射光の位相が偏光板520に進入する外光の位相と異なることにより、消滅干渉が発生し、結果として、外光反射を低下させて視認性を向上させることができる。透光性接着剤510及び偏光板520は、例えば図12に示すように、平坦化層140の開口を覆うように位置する。なお、必要に応じて、偏光板520を他の構成で代替することもできる。例えば、偏光板520を付着せず、ブラックマットリックス及びカラーフィルタを利用して外光反射を低下させることもできる。
【0061】
一方、無機物を含むバッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130を総称して無機絶縁層という。無機絶縁層は、図12に示すように、ベンディング領域BAに対応する開口を有する。即ち、バッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130が、それぞれベンディング領域BAに対応する開口(110a、120a、130a)を有する。開口がベンディング領域BAに対応するということは、開口がベンディング領域BAと重畳することである。このとき、開口の面積は、ベンディング領域BAの面積よりも広くてもよい。そのために、図12では、開口の幅OWがベンディング領域BAの幅よりも広いように図示している。ここで、開口の面積は、バッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130の開口(110a、120a、130a)において、最も狭い面積の開口の面積として定義され、図12では、バッファ層110の開口110aの面積によって開口の面積が定義されるように図示している。
【0062】
図12では、バッファ層110の開口110aの内側面と、ゲート絶縁膜120の開口120aの内側面とが一致するように図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、バッファ層110の開口110aの面積よりも、ゲート絶縁膜120の開口120aの面積が更に広くてもよい。その場合にも、開口の面積は、バッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130の開口(110a、120a、130a)のうちの最も狭い面積の開口の面積として定義される。
【0063】
本実施形態によるディスプレイ装置は、無機絶縁層の開口の少なくとも一部を充填する有機物層160を具備する。図12では、有機物層160が開口をいずれも充填するように図示している。そして、本実施形態によるディスプレイ装置は、第1導電層215cを具備し、第1導電層215cは、第1領域1Aからベンディング領域BAを経て第2領域2Aに延長され、有機物層160上に位置する。なお、有機物層160が存在しないところでは、第1導電層215cは、層間絶縁膜130などの無機絶縁層上に位置する。第1導電層215cは、ソース電極215aやドレイン電極215bと同一物質で同時に形成される。
【0064】
上述のように、図12では、便宜上、ディスプレイ装置がベンディングされていない状態で図示しているが、本実施形態によるディスプレイ装置は、実際には、図11に示したように、ベンディング領域BAから基板100などがベンディングされた状態である。そのため、製造過程において、図12に示すように、基板100が略平坦な状態でディスプレイ装置を製造し、その後、ベンディング領域BAで基板100などをベンディングし、ディスプレイ装置が略図11に示したような形状を有するようにする。このとき、基板100などがベンディング領域BAでベンディングされる過程において、第1導電層215cには引っ張りストレスが印加されるが、本実施形態によるディスプレイ装置の場合、ベンディング過程において第1導電層215cで不良が発生することを防止したり最小化したりすることができる。
【0065】
仮にバッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び/又は層間絶縁膜130のような無機絶縁層がベンディング領域BAで開口を有さず、第1領域1Aから第2領域2Aに至るまで連続的な形状を有し、第1導電層215cが無機絶縁層上に位置する場合、基板100などがベンディングされる過程において第1導電層215cに大きい引っ張りストレスが印加される。特に、無機絶縁層は、その硬度が有機物層より高いために、ベンディング領域BAにおいて無機絶縁層にクラックなどが発生する確率が非常に高くなり、無機絶縁層にクラックが発生すると、無機絶縁層上の第1導電層215cにもクラックなどが発生し、第1導電層215cの断線などの不良発生確率が非常に高くなる。
【0066】
しかし、本実施形態によるディスプレイ装置の場合、上述のように、無機絶縁層がベンディング領域BAで開口を有し、第1導電層215cのベンディング領域BAの部分が無機絶縁層の開口の少なくとも一部を充填する有機物層160上に位置する。無機絶縁層は、ベンディング領域BAで開口を有するため、無機絶縁層にクラックなどの発生確率が極めて低くなり、有機物層160の場合、有機物を含む特性上、クラック発生確率が低い。従って、有機物層160上に位置する第1導電層215cのベンディング領域BAの部分におけるクラックなどの発生を防止したり発生確率を最小化したりすることができる。なお、有機物層160は、その硬度が無機物層より低いため、基板100などのベンディングによって発生する引っ張りストレスを有機物層160が吸収し、第1導電層215cに引っ張りストレスが集中することを効果的に最小化することができる。
【0067】
本実施形態によるディスプレイ装置は、第1導電層215c以外に、第2導電層(213a、213b)も具備する。第2導電層(213a、213b)は、第1導電層215cが位置する層と異なる層に位置するように、第1領域1A又は第2領域2Aに配置されて第1導電層215cに電気的に連結される。図12では、第2導電層(213a、213b)が薄膜トランジスタ210のゲート電極213と同一物質で同一層に、即ちゲート絶縁膜120上に位置するように図示している。そして、第1導電層215cが層間絶縁膜130に形成されたコンタクトホールを介して、第2導電層(213a、213b)にコンタクトするように図示している。また、第2導電層213aが第1領域1Aに位置し、第2導電層213bが第2領域2Aに位置するように図示している。
【0068】
第1領域1Aに位置する第2導電層213aは、ディスプレイ領域DA内の薄膜トランジスタなどに電気的に連結されたものであり、それによって、第1導電層215cが第2導電層213aを介してディスプレイ領域DA内の薄膜トランジスタなどに電気的に連結される。なお、第1導電層215cによって、第2領域2Aに位置する第2導電層213bも、ディスプレイ領域DA内の薄膜トランジスタなどに電気的に連結される。このように、第2導電層(213a、213b)は、ディスプレイ領域DAの外側に位置しながらディスプレイ領域DA内に位置する構成要素に電気的に連結され、ディスプレイ領域DAの外側に位置しながらディスプレイ領域DA側に延長され、少なくとも一部がディスプレイ領域DA内に位置する。
【0069】
上述のように、図12では、便宜上、ディスプレイ装置がベンディングされていない状態で図示しているが、本実施形態によるディスプレイ装置は、実際には、図11に示したように、ベンディング領域BAで基板100などがベンディングされた状態である。そのために、製造過程において、図12に示すように、基板100が略平坦な状態でディスプレイ装置を製造し、その後、ベンディング領域BAで基板100などをベンディングし、ディスプレイ装置が略図11に示したような形状を有するようにする。このとき、基板100などがベンディング領域BAでベンディングされる過程において、ベンディング領域BA内に位置する構成要素には、引っ張りストレスが印加される。
【0070】
従って、ベンディング領域BAを横切る第1導電層215cの場合、延伸率が高い物質を含むようにすることにより、第1導電層215cにクラックが発生したり、第1導電層215cが断線されたりするような不良が発生しないようにする。また、第1領域1Aや第2領域2Aなどでは、第1導電層215cよりは延伸率が低いが、第1導電層215cと異なる電気的/物理的特性を有する物質で第2導電層(213a、213b)を形成することにより、ディスプレイ装置において、電気的信号伝達の効率性が高くなるか、或いは製造過程での不良発生率が低くなる。例えば、第2導電層(213a、213b)はモリブデンを含み、第1導電層215cはアルミニウムを含む。また、第1導電層215cや第2導電層(213a、213b)は、必要に応じて、多層構造を有する。
【0071】
なお、第2領域2Aに位置する第2導電層213bの場合、図12に示すものと異なり、その上部の少なくとも一部が平坦化層140などによって覆われずに外部に露出するようにし、各種電子素子や印刷回路基板などに電気的に連結されるようにすることもできる。
【0072】
一方、図12に示すように、有機物層160は、上面(+z方向)の少なくとも一部に、凹凸面160aを有する。有機物層160が凹凸面160aを有することにより、有機物層160上に位置する第1導電層215cは、その上面及び/又は下面が有機物層160の凹凸面160aに対応する形状を有する。
【0073】
上述のように、製造過程において、基板100などをベンディング領域BAでベンディングすることにより、第1導電層215cに引っ張りストレスが印加されるが、第1導電層215cの上面及び/又は下面が有機物層160の凹凸面160aに対応する形状を有することにより、第1導電層215cに印加される引っ張りストレスの量を最小化することができる。即ち、ベンディング過程で発生する引っ張りストレスを、強度が低い有機物層160の形状変形を介して減らすことができる。このとき、少なくともベンディングの前に、凹凸形状を有する第1導電層215cの形状がベンディングによって変形された有機物層160の形状に対応するように変形されることにより、第1導電層215cにおける断線などの不良発生を効果的に防止することができる。
【0074】
また、有機物層160の上面(+z方向)の少なくとも一部に凹凸面160aが形成されることにより、有機物層160の上面の表面積と、開口内での第1導電層215cの上下面の表面積とが広くなる。有機物層160の上面及び第1導電層215cの上下面で表面積が広いということは、基板100などのベンディングによる引っ張りストレスを低下させるためにその形状が変形される余裕が多くなるということを意味する。
【0075】
第1導電層215cが有機物層160上に位置するため、第1導電層215cの下面は、有機物層160の凹凸面160aに対応する形状を有するようになる。しかし、第1導電層215cの上面は、有機物層160の凹凸面160aに対応しない独自の形状の凹凸面を有することもできる。
【0076】
有機物層160の上面(+z方向)の凹凸面160aは、多様な方法を介して形成される。例えば、有機物層160を形成する際、フォトレジスト物質を利用し、製造過程において、まだ上面が略平坦な状態の有機物層160の様々な部分でスリットマスクやハーフトーンマスクなどを利用し、露光量を異ならせることにより特定部分が他の部分より相対的により多くエッチングされるように(除去されるように)する。ここで、より多くエッチングされる部分は、有機物層160の上面で凹状に入り込んだ部分である。なお、本実施形態によるディスプレイ装置を製造する際に使用する方法は、このような方法に限定されるものではない。例えば、上面が略平坦な状態の有機物層160を形成した後、特定部分だけ乾式エッチングなどの方法で除去することもできるなど、多様な方法を利用することができる。
【0077】
有機物層160が上面(+z方向)に凹凸面160aを有するようにするために、有機物層160は、上面(+z方向)に、第1方向(+y方向)に延長された複数個のグルーブを有する。このとき、第1導電層215cの有機物層160上の上面の形状は、有機物層160の上面の形状に対応する。
【0078】
有機物層160は、無機絶縁層の開口内でのみ凹凸面160aを有する。図12では、有機物層160の凹凸面160aが形成された部分の幅UEWが無機絶縁層の開口の幅OWよりも狭いように図示している。仮に有機物層160が無機絶縁層の開口内外に亘って凹凸面160aを有する場合、バッファ層110の開口110aの内側面や、ゲート絶縁膜120の開口120aの内側面や、層間絶縁膜130の開口130aの内側面の近辺でも、有機物層160が凹凸面160aを有するようになる。凹凸面160aの凹状部分での有機物層160は、突出した部分における有機物層160よりもその厚みが相対的に薄いため、凹状部分がバッファ層110の開口110aの内側面や、ゲート絶縁膜120の開口120aの内側面や、層間絶縁膜130の開口130a内側面の近辺に位置するようになると、有機物層160が連続的に続かずに途切れるようになる。従って、有機物層160が無機絶縁層の開口内でのみ凹凸面160aを有するようにすることにより、バッファ層110の開口110aの内側面や、ゲート絶縁膜120の開口120aの内側面や、層間絶縁膜130の開口130a内側面の近辺において、有機物層160の途切れを防止することができる。
【0079】
なお、上述のように、ベンディング領域BAで第1導電層215cの断線などが発生しないようにするため、有機物層160は、ベンディング領域BAで凹凸面160aを有するようにすることが望ましい。従って、結果として、有機物層160の凹凸面160aを有する部分の面積は、ベンディング領域BAの面積よりも広いが、開口の面積よりは狭いようにする。それは、図12において、有機物層160の凹凸面160aを有する部分の幅UEWがベンディング領域BAの幅よりも広く、開口の幅OWよりは狭いように示している通りである。
【0080】
バッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130のうちの少なくともいずれか一つが有機絶縁物を含む場合、有機絶縁物を含む層を形成する際に有機物層160を同時に形成することができ、従って、有機絶縁物を含む層と有機物層160とが互いに一体に形成されるようにすることもできる。有機絶縁物としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンスルホネート、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、又はヘキサメチルジシロキサンを含む。
【0081】
一方、ディスプレイ領域DAの外側には、ベンディング保護層(BPL:bending protection layer)600が位置する。即ち、ベンディング保護層600が少なくともベンディング領域BAに対応して第1導電層215c上に位置する。
【0082】
ある積層体をベンディングするとき、その積層体内には、ストレス中性平面(stress neutral plane)が存在する。仮にベンディング保護層600が存在しない場合、基板100などのベンディングによって、ベンディング領域BA内で第1導電層215cに過度な引っ張りストレスなどが印加される。それは、第1導電層215cの位置がストレス中性平面に対応しないからである。しかし、ベンディング保護層600が存在し、その厚み及びモジュラスなどを調節することにより、基板100、第1導電層215c、及びベンディング保護層600などをいずれも含む積層体において、ストレス中性平面の位置を調整することができる。従って、ベンディング保護層600を介して、ストレス中性平面が第1導電層215c近辺に位置することにより、第1導電層215cに印加される引っ張りストレスを最小化することができる。
【0083】
ベンディング保護層600は、図12に示すものと異なり、ディスプレイ装置の基板100のエッジ端まで延長され得る。例えば、第2領域2Aにおいて、第1導電層215c、第2導電層213b、及び/又はそれらから電気的に連結されたその他の導電層などは、その少なくとも一部が層間絶縁膜130や平坦化層140などによって覆われずに、各種電子素子や印刷回路基板などに電気的に連結される。それにより、第1導電層215c、第2導電層213b、及び/又はそれらから電気的に連結されたその他の導電層が、各種電子素子や印刷回路基板などと互いに電気的に連結される部分が存在することになる。そのとき、電気的に連結される部分を外部の水分などの不純物から保護する必要があり、ベンディング保護層600が電気的に連結される部分まで覆うようにすることにより、ベンディング保護層600が保護層の役割を担う。そのために、ベンディング保護層600が、例えばディスプレイ装置の基板100エッジ端まで延長されるようにする。
【0084】
一方、図12では、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)の上面が偏光板520の上面(+z方向)と一致するように図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジが、偏光板520のエッジの上面の一部を覆うこともある。或いは、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジが、偏光板520及び/又は透光性接着剤510とコンタクトしないこともある。特に、後者の場合、ベンディング保護層600を形成する過程又はその形成後、ベンディング保護層600で発生したガスがディスプレイ領域DA側(-x方向)に移動して有機発光素子300のようなディスプレイ素子などを劣化させることを防止することができる。
【0085】
仮に図12に示すように、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)の上面が偏光板520の上面(+z方向)と一致したり、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジが偏光板520のエッジの上面の一部を覆ったり、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)のエッジが透光性接着剤510とコンタクトしたりする場合、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)の部分の厚みがベンディング保護層600の他の部分の厚みより厚くなる。ベンディング保護層600を形成する際、液状又はペースト状の物質を塗布してそれを硬化させるが、硬化過程においてベンディング保護層600の体積が小さくなる。そのとき、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)の部分が偏光板520及び/又は透光性接着剤510とコンタクトしている場合、ベンディング保護層600の当該部分の位置が固定されるために、ベンディング保護層600の残余部分において体積減少が発生してしまう。その結果、ベンディング保護層600のディスプレイ領域DA側(-x方向)の部分の厚みがベンディング保護層600の他の部分の厚みよりも厚くなる。
【0086】
以上では、バッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130が、それぞれベンディング領域BAに対応する開口(110a、120a、130a)を有する場合について説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、バッファ層110は、開口を有さず、第1領域1A、ベンディング領域BA、及び第2領域2Aに亘って一体に形成され、ゲート絶縁膜120及び層間絶縁膜130だけが開口(120a、130a)を有することもできる。その場合、バッファ層110、ゲート絶縁膜120、及び層間絶縁膜130を総称する無機絶縁層が開口ではないグルーブを有し、有機物層160は、このようなグルーブを充填する。即ち、上述の説明における無機絶縁層の開口は、開口ではないグルーブで代替される。
【0087】
本実施形態によるディスプレイ装置の場合にも、保護フィルム170を具備する。保護フィルム170は、保護フィルムベース171及び粘着層172を含み、その細部的な構成については、図1図9を参照して説明した通りである。
【0088】
図11及び図12を参照して説明した構成の殆どは、後述する実施形態及びその変形例にも適用される。
【0089】
一方、ベンディング領域BAで基板100などがベンディングされる場合、保護フィルム170もベンディング領域BAでベンディングされてしまう。このとき、保護フィルムベース171の機械的強度によって、保護フィルム170が正しくベンディングされないこともあり、場合によっては、保護フィルム170によって誘発されたストレスが基板100などに作用し、基板100などにクラックが発生するような不良が発生することがある。従って、このような問題点の発生を防止するため、保護フィルムベース171がベンディング領域BAに対応する部分で、複数個の開口部又はグルーブを有するようにする。保護フィルムベース171が複数個の開口部又はグルーブを有する場合、当該部分でのベンディングが円滑に行われるからである。以下では、便宜上、保護フィルムベース171が複数個の開口部を有する場合について説明するが、本発明は、それに限定されるものではなく、保護フィルムベース171の複数個の開口部は、複数個のグルーブで代替される。
【0090】
具体的には、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムの一部、即ち保護フィルムベース171の一部の第1例を概略的に示す平面図である図13に示すように、第1保護フィルムベース171aの一部は、ベンディング領域BAに対応する。即ち、第1保護フィルムベース171aは、ディスプレイ領域DAはもとより、ベンディング領域BA、そして第2領域2Aの一部にまで対応する。なお、その場合にも、図13に示すように、電子素子800が配置された部分には、第1保護フィルムベース171aが対応せずに第2保護フィルムベース171bが対応する。また、図13では、ウィンドウビュー領域WVA(window view area)も表示しているが、それは、ディスプレイ領域DAを含む領域としてディスプレイ部DUを保護するために、ディスプレイ部DUの上方に配置されるウィンドウの透光領域として理解される。
【0091】
この場合、第1保護フィルムベース171aは、ベンディング領域BAに対応する部分に複数個の開口部171a’を有する。なお、本実施形態によるディスプレイ装置は、基板100及び保護フィルムベース171などがベンディング領域BAでベンディングされた形状を有するが、図13では、図示の便宜上、保護フィルムベース171がベンディングされていない状態で図示している。それは、後述する実施形態及びその変形例においても同様である。
【0092】
複数個の開口部171a’が位置する第1保護フィルムベース171aの部分P1の広さは、図13に示すように、ベンディング領域BAの広さよりも狭い。それは、基板100などのベンディングよりも基板100などの保護がより重要な場合である。なお、基板100などの保護よりも基板100などのベンディングがより優先視されなければならない場合は、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムの一部の第2例を概略的に示す平面図である図14に示すように、複数個の開口部171a’が位置する第1保護フィルムベース171aの部分P1の広さがベンディング領域BAの広さと同じであり、更に、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる保護フィルムの一部の第3例を概略的に示す平面図である図15に示すように、複数個の開口部171a’が位置する第1保護フィルムベース171aの部分P1の広さは、ベンディング領域BAの広さよりも広くてもよい。
【0093】
一方、図13図15に示したように、第1保護フィルムベース171aが有する開口部171a’は、ベンディング軸が延長される方向(y軸方向)、即ち第1領域1Aと第2領域2Aとを連結する軸(x軸)に直交する方向(y軸方向)に延長された形状を有さない。ベンディング領域BA内でy軸を含みながらx軸に直交する平面(yz平面)における断面を考慮すると、第1保護フィルムベース171aは、不連続的な形状を有する。
【0094】
仮に第1保護フィルムベース171aが有する開口部171a’が、ベンディング軸が延長された方向(y軸方向)に延長された形状を有する場合、第1保護フィルムベース171aがベンディングされる過程において、ベンディング自体は容易に行われるとしても、第1保護フィルムベース171aによって、基板100などに印加されるストレスは、ベンディング領域BA内で均一ではなくなる。それは、結局、基板100などにおけるクラック発生などの不良を引き起こしてしまう。また、ベンディング保護層(BPL)600が均一な厚みを有さない場合、ベンディング保護層(BPL)600によって引き起こされるストレスによって、ベンディング領域BA内の第1導電層215cなどにクラックが発生する。しかし、第1保護フィルムベース171aが有する開口部171a’が、ベンディング軸が延長される方向(y軸方向)に延長された形状を有さないようにし、第1保護フィルムベース171aがベンディング領域BAでベンディングが容易に行われながらも、基板100などを十分に支持するようにすることにより、第1導電層215cや基板100などが不均一な厚みのベンディング保護層(BPL)600によって引き起こされるストレスの影響を受けることを最小化することができる。
【0095】
第1保護フィルムベース171aが有する開口部171a’は、それぞれ、具体的には、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる第1保護フィルムベース171aの一部の第4例を概略的に示す平面図である図16に示すように、ベンディングされた基板100の上面に平行な仮想の曲面で、ディスプレイ領域DAから周辺領域PA側に延長された形状を有する。図16では、便宜上、第1保護フィルムベース171aがベンディングされていない状態に図示しているため、開口部171a’がx軸方向に延長されているように図示している。
【0096】
なお、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる第1保護フィルムベース171aの一部の第5例を概略的に示す平面図である図17に示すように、複数個の開口部171a’は、それぞれ、円形又はそれと類似した形状を有し、ジグザグ状に位置することもできる。そして、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置に含まれる第1保護フィルムベース171aの一部の第6例を概略的に示す平面図である図18に示すように、第1保護フィルムベース171aの複数個の開口部171a’のうちのベンディング領域BAの中央部に位置する開口部171a’の面積が、複数個の開口部171a’のうちのベンディング領域BAのエッジに位置する開口部171a’の面積よりも広いようにすることもできる。後者の場合、ベンディング領域BAの中央部では、第1保護フィルムベース171aのベンディングが円滑に行われ、ベンディング領域BA内のそれ以外の部分では、第1保護フィルムベース171aのベンディングが容易に行われながらも基板100などを十分に支持することができる。
【0097】
一方、図13のXIX-XIX線に沿って切り取った断面を概略的に示す断面図である図19に示すように、複数個の開口部171a’の内側面は、基板100の上面(+z方向)に垂直ではない。
【0098】
上述のように、図12及び図13では、便宜上、ディスプレイ装置がベンディングされていない状態で図示しているが、本実施形態によるディスプレイ装置は、図11に示したように、ベンディング領域BAでベンディングされた状態である。なお、保護フィルムベース171も、ベンディング領域BAでベンディングされることにより、複数個の開口部171a’を有するとしても、内部にストレスが存在する。このようなストレスの存在は、保護フィルム170が基板100から剥離される現象を誘発する。しかし、本実施形態によるディスプレイ装置の場合、複数個の開口部171a’の内側面が基板100の上面(+z方向)に垂直でないようにすることにより、内部ストレスの大きさを画期的に減らすことができる。即ち、第1保護フィルムベース171aの開口部171a’の近くで第1保護フィルムベース171aの厚みを低下させることにより、第1保護フィルムベース171a内の内部ストレスの大きさを画期的に減らすことができる。
【0099】
図12図19では、第1保護フィルムベース171aがベンディング領域BAにまで対応するように図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、本発明の他の実施形態によるディスプレイ装置の他の例の一部を概略的に変形して示す断面図である図20に示すように、第2保護フィルムベース171bがベンディング領域BA及びベンディング領域BAに隣接する部分にも対応する。そして、第2保護フィルムベース171bがベンディング領域BAに対応する部分に複数個の開口部又は複数個のグルーブを有する。なお、その場合にも、複数個の開口部又は複数個のグルーブは、それぞれベンディングされた基板100の上面に平行な仮想の曲面でディスプレイ領域DAから周辺領域PA側に延長された形状を有することができる(図16に示したものに類似した形状)。また、図18に示すものに類似して、その場合にも、複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちのベンディング領域BAの中央部に位置する開口部又はグルーブの面積は、複数個の開口部又は複数個のグルーブのうちのベンディング領域BAのエッジに位置する開口部又はグルーブの面積よりも広くてもよい。
【0100】
一方、図13図19では、第1保護フィルムベース171aが複数個の開口部171a’を有するように図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。例えば、第1保護フィルムベース171aは、ベンディング領域BAに対応する部分で少なくとも一部が除去され、ベンディング領域BAに対応する1個の開口部又は1個のグルーブを有することもできる。なお、図20に示すように、第2保護フィルムベース171bがベンディング領域BA及びベンディング領域BAに隣接する部分に対応する場合にも、第2保護フィルムベース171bがベンディング領域BAに対応する部分で少なくとも一部が除去され、ベンディング領域BAに対応する1個の開口部又は1個のグルーブを有することもできる。
【0101】
図21は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の更に他の例の一部を概略的に変形して示す断面図である。図21に示すように、本実施形態によるディスプレイ装置の場合、保護フィルム170の粘着層172がベンディング領域BAに対応する開口172’を有する。その場合、開口172’は、空気で充填される。或いは、保護フィルムベース171も粘着層172の開口172’に対応する開口部を有する。
【0102】
なお、保護フィルム170の粘着層172は、ベンディング領域BAに対応する複数個の開口を有することもできる。そして、第1保護フィルムベース171aがベンディング領域BAに対応する場合、図19に示すように、粘着層172は、第1保護フィルムベース171aの複数個の開口部171a’に対応する複数個の開口を有する。なお、それは、第1保護フィルムベース171aが粘着層172の複数個の開口に対応する複数個の開口部171a’を有するものと理解される。
【0103】
保護フィルム170の粘着層172がベンディング領域BAに対応する複数個の開口を有する場合、第1保護フィルムベース171aではない第2保護フィルムベース171bがベンディング領域BAに対応する。その場合にも、粘着層172は、第2保護フィルムベース171bの複数個の開口部に対応する複数個の開口を有する。なお、それは、第2保護フィルムベース171bが粘着層172の複数個の開口に対応する複数個の開口部を有するものと理解される。
【0104】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のディスプレイ装置は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
1A 第1領域
2A 第2領域
100 基板
110 バッファ層
110a、120a、130a、172’ 開口
120 ゲート絶縁膜
130 層間絶縁膜
140 平坦化層
150 画素定義膜
160 有機物層
160a 凹凸面
170 保護フィルム
171 保護フィルムベース
171a 第1保護フィルムベース
171a’ 開口部
171b 第2保護フィルムベース
172 粘着層
172a 第1粘着層
172b 第2粘着層
210 薄膜トランジスタ
211 半導体層
213 ゲート電極
213a,213b 第2導電層
215a ソース電極
215b ドレイン電極
215c 第1導電層
300 有機発光素子
310 画素電極
320 中間層
330 対向電極
400 封止層
410 第1無機封止層
420 有機封止層
430 第2無機封止層
510 透光性接着剤
520 偏光板
600 ベンディング保護層
700 導電ボール
800 電子素子
810、910 バンプ
820 電子素子の本体
900 印刷回路基板
920 印刷回路基板の本体
BA ベンディング領域
BAX ベンディング軸
DA ディスプレイ領域
DU ディスプレイ部
EDA 電子素子領域
OW 開口の幅
P1 第1保護フィルムベースの部分
PA 周辺領域
UEW 凹凸面が形成された部分の幅
WVA ウィンドウビュー領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21