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特許7017408血管からの血管血栓の抜去のための血栓除去デバイスおよびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】血管からの血管血栓の抜去のための血栓除去デバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20220201BHJP
【FI】
A61B17/22
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017536579
(86)(22)【出願日】2015-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2015079400
(87)【国際公開番号】W WO2016113047
(87)【国際公開日】2016-07-21
【審査請求日】2018-12-11
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】P201530028
(32)【優先日】2015-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】517237377
【氏名又は名称】アナコンダ ビオメッド, エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】ANACONDA BIOMED,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アラッド ハダー,オフィア
【合議体】
【審判長】千壽 哲郎
【審判官】井上 哲男
【審判官】佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5102415(US,A)
【文献】特表2005-515797(JP,A)
【文献】特表2005-500138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22-17/221
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デリバリーカテーテル(1)と、
遠位端および近位端を定義する、自己拡張可能なファネル(3)であって、前記自己拡張可能なファネル(3)は、格納された位置および延長された位置に位置決め可能であり、前記自己拡張可能なファネル(3)はまたカバー(4)を備え、前記拡張可能なファネル(3)の前記遠位端の直径は、前記格納された位置におけるよりも前記延長された位置におけるほうが大きい、自己拡張可能なファネル(3)と、を備え、
前記自己拡張可能なファネル(3)は、前記格納された位置において、前記デリバリーカテーテル(1)の内部を移動可能に配置されるように構成され、前記延長された位置において、少なくとも部分的に前記デリバリーカテーテル(1)の外部に位置決めされることを特徴とし、
前記カバー(4)、1つの生体適合性エラストマーポリマーまたは2つ以上の生体適合性エラストマーポリマーの組み合わせで作られる非透過性フィルムを有し、
前記自己拡張可能なファネル(3)は、金属又は金属合金を含む形状記憶材料を含み、
前記自己拡張可能なファネル(3)は、血管(6)内で拡張されたときに血を遮し、狭い血管(6)の中を通過している間、比例的に狭まりながら長くなり、それにより、血栓(7)全体が前記自己拡張可能なファネル(3)の中に確実に残ることを可能にするように、その形状およびその長さを周囲の前記血管(6)に自己拡張して適応させることが可能であることを特徴とする血栓除去デバイスであって、
前記血栓除去デバイスは、前記自己拡張可能なファネル(3)の近位端に接続され、血栓(7)全体が前記自己拡張可能なファネル(3)の中に確実に残ることを可能にするように前記自己拡張可能なファネル(3)が血栓(7)を吸引して捕捉するように構成された吸引ファネルカテーテル(2)をさらに備えることを特徴とする、血栓除去デバイス
【請求項2】
前記形状記憶材料は、ニチノールで作られる、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項3】
前記自己拡張可能なファネル(3)は、約2ミリメートルと15ミリメートルの間の直径まで拡張できる、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項4】
前記自己拡張可能なファネル(3)及び/又は前記デリバリーカテーテル(1)は、滑らかな親水性または疎水性コーティング(8、9)を備える、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項5】
前記自己拡張可能なファネル(3)は、血栓を保持するための保持手段を備える、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項6】
前記保持手段は、スパイキ、スキュア、ソー、クランプ、またはそれらの任意の組み合わせといった鋭利な物理的要素である、請求項に記載の血栓除去デバイス。
【請求項7】
前記自己拡張可能なファネル(3)、前記吸引ファネルカテーテル(2)および前記デリバリーカテーテル(1)は、同一軸に沿って方向づけられる、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項8】
自己拡張可能なファネル(3)を前記デリバリーカテーテル(1)の中に再導入するためのリシース要素(11)をさらに備える、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項9】
前記リシース要素は、カヌラ(11)、クランプ、ファネル、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項に記載の血栓除去デバイス。
【請求項10】
前記デリバリーカテーテル(1)内を移動可能に配置されるように構成されるダイレーターカテーテル(5)をさらに備える、請求項1に記載の血栓除去デバイス。
【請求項11】
前記自己拡張可能なファネル(3)は、前記ダイレーターカテーテル(5)が除去された後に、前記デリバリーカテーテル(1)内に留まるように構成される、請求項10に記載の血栓除去デバイス。
【請求項12】
前記自己拡張可能なファネル(3)は、滑らかな親水性または疎水性コーティング(8)を備え、前記デリバリーカテーテル(1)は、滑らかな親水性または疎水性コーティング(9)を備え、および/または、前記ダイレーターカテーテル(5)は、滑らかな親水性または疎水性コーティング(10)を備える、請求項10に記載の血栓除去デバイス。
【請求項13】
血管から血管血栓を取り出すためのシステムであって、請求項1~12のいずれか一項に記載の血栓除去デバイスを含み、前記システムは、通信チャネル(22)、制御モジュール(24)、データストレージデバイス(26)、および誘導システム(30)を備え、前記制御モジュール(24)は、コンピュータ支援型コントローラ(28)によって誘導される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管血栓の抜去を可能にする血栓除去デバイスと、血管からの血管血栓の抜去のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
血管内治療は1990年代以降、脳卒中の症例で用いられてきている。それが使用されてきた患者数は緩やかにではあるが確実に増えてきている。非常に複雑なこれらの治療の汎用性にとっての主な障害は、さまざまなレベルでのより協調的な医療システムの必要性である。これらの医療ネットワークの主な目標は、患者が発症の6~8時間以内に、必要とされる機能を有するセンターに確実に到着できるようにすることである。
【0003】
近年、脳卒中の3か月後の平均被病日数を減じることによる、より従来型の医学的治療と比較した場合の血栓除去治療の効果を論証する、初の肯定的な無作為研究が発表された(非特許文献1)。加えて、他の医学的治療と比較して機能障害を減じることによる最新世代のデバイスによる血栓除去治療の優位性を明確に裏づける、4つの他の主要な同様の臨床治験が、2015年に発表された。
【0004】
血管内治療に関し、戦略は当初、血栓中への直接的なマイクロカテーテルによる線維素溶解酵素剤の局所灌流であった。2000年代初頭、動脈内線維素溶解よりも効果的であると思われた新たなデバイスが導入された。それは、血栓の周囲で開かれ、その抜去を促進する、スパイラルであった(MERCi(登録商標))。
【0005】
2006年、血栓を吸引するためにそのごく近傍まで大きなゲージのカテーテルを運ぶことに基本的に基づいたシステムが普及した。カテーテルは、連続的な吸引ポンプ(Penumbra(登録商標))に接続される。このシステムは、血栓の近くまで進行することができるますます大きな直径を有するカテーテルを得ようと努めながら、長年にわたり進化してきている。
【0006】
いわゆるステントリトリーバーの使用は2009年頃に始まった。それらの使用は、血栓にマイクロカテーテルを交差させること、続いてマイクロカテーテルの中にステントを進入させることからなる。ひとたびシースデバイスの遠位端が血栓の最遠位部に到達すると、ステントがアンシースされ、血栓レベルで自己拡張し、血栓を捕捉する。血栓の絡め合いを増大させるようにステントを拡張させた状態で数分間待ち、続いて拡張されたステントに血栓を引きずらせるつもりでそれを引き出すことが望ましい。この最終ステップは、流れを逆行させようと試み、かくして血栓を取り出す可能性を増大させるために、カテーテルを通して吸引しながら行われ得る。ステントリトリーバーは、それらの高い効果、使い易さ、および減じられた手技時間ゆえに、上述された第一世代デバイスに全体的に取って代わってきている。
【0007】
加えて、ステントリトリーバーを使用する際には、ガイドバルーンカテーテルが使用されることが多い。このカテーテルは、(頭蓋内動脈の中に位置している血栓から隔たったところにある)頭蓋外頸動脈にしか進入しない。カテーテルの端に設けられたバルーンが膨張すると、カテーテルは、抜去されるべき血栓が位置している場所である、バルーンに対し遠位の動脈セグメントにおける流れを停止させることができる。それを通して吸引することにより、バルーンに対し遠位の動脈セグメントにおける流れは、ステントリトリーバーと一緒に血栓を除去するのを促進するために、逆行させられ得る。
【0008】
要するに、血栓除去デバイスの使用には現在2つの傾向、すなわち、一方では(バルーンカテーテルを伴うまたは伴わない)いわゆるステントリトリーバー、他方では(シリンジによる手動吸引または吸引ポンプによる自動吸引による)吸引カテーテルに基づいたデバイスが存在する。2つの技法は組み合わせられることができる。
【0009】
血栓除去手技中の外科医のニーズに応じた交換可能なさまざまな先端を有する血栓除去デバイスの例が、特許文献1で説明される。いずれの場合においても、この文献で説明されるデバイスは、拡張される前に、血栓の内部を横断するか、または血栓と動脈壁との間を通過しなくてはならない。さらに、いずれの場合においても、血栓は、自然のまたは人工的な手段によって溶解されるように断片化されなくてはならない。これらの手術的な原理の結果として、このデバイスは、血塊断片の放出による遠位塞栓形成が存在しないことを保証する手法での血栓の除去を可能にしない。
【0010】
さらに、本発明のデバイスとは異なり、それはカバーされた遠位端を有しないので、それは、動脈の流れを停止させること、ましてやそれを逆行させることはできない。
【0011】
加えて、本技術のステントリトリーバーは展開時に、血栓の破砕を最小化するために血栓を回収する前に血栓に順応する時間(最大3分まで)を必要とする。潜在的な脳卒中に対処する際、時間は極めて重要であり、現在のデバイスは、吸引により到着次第直ちに血栓を回収するために使用できる。
【0012】
したがって、本発明に係るデバイスは、動脈の閉鎖を可能にし、流れを停止させ、血栓を断片化せずに血栓全体を吸引しながらの、血栓の至極近傍からの、大きな口による吸引を可能にするので、それは、吸引デバイスの有効性を改良しながら、それらに取って代わることを意図する。
【0013】
本発明は、血流を遮断し、血栓を吸引し、血栓を除去するために単独で使用されることができ、それは、医師がこれらのタスクを完了するために追加のデバイスを必要としないことを意味する。
【0014】
本発明の自動化された実施形態はまた、本発明のより幅広い展開と使用を可能にし、血栓の除去を迅速化することができ、かくして、血流が脳の重要な部位においてはるかにより短時間のうちに回復させられ得るので患者の結果を著しく改良する、伝統的な(病院)および非伝統的な(老人ホーム、支援ケア施設)環境の両方で使用されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】国際特許出願公開第2011/082319号公報
【非特許文献】
【0016】
【文献】Berkhemer O.A. et al. "A randomized trial of intraarterial treatment for acute ischemic stroke." N Engl J Med. January 2015; 372: 11-20. doi: 10.1056/NEJMoa1411587. Epub 17 December 2014. PubMed PMID: 25517348
【発明の概要】
【0017】
本発明のデバイスおよびシステムは、以下に説明される他の利点を提供しながら、上述された不利点を首尾よく解決しようとする。
【0018】
本発明に係るEI血栓除去デバイスは、遠位端および近位端を定義する、デリバリーカテーテルと、ダイレーターカテーテルと、ファネルとを備え、前記ファネルは、格納された位置および延長された位置に位置決め可能であり、それは、前記ファネルがまたカバーを備えること、前記ファネルの遠位端の直径が前記格納された位置におけるよりも前記延長された位置におけるほうが大きいことを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記カバーは、たとえば多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)で作られた、非透過性フィルムであり、前記カバーはまた、ダイレーターカテーテルの長さ方向と平行に方向づけられた高分子ファイバーを備え得る。
【0020】
さらに、前記ファネルは好ましくは、格納された位置ではダイレーターカテーテルの内部に位置決めされ、延長された位置では少なくとも部分的にはダイレーターカテーテルの外部に位置決めされる。
【0021】
前記ファネルは好ましくは、たとえばニチノールのような、形状記憶材料で作られる。
【0022】
必要であれば、前記ファネルは、その遠位端に少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを備え得る。
【0023】
好ましい実施形態によれば、前記カバーは、滑らかな親水性または疎水性コーティングを備える。
【0024】
さらに、前記ファネルは好ましくは、ファネルの直径が拡張するにつれて短くなり、デリバリーカテーテル、ダイレーターカテーテル、およびファネルは、同一軸に沿って方向づけられる。
【0025】
本発明に係るデバイスはまた、デリバリーカテーテルの中にファネルを再導入するための、たとえばカヌラのような、リシース要素を備え得る。
【0026】
前記ファネルは、近位の流れの閉鎖およびデバイスを通した吸引による流れの逆行さえも可能にするために血管の直径まで拡張され、かくして、非常に短い引きずり距離および断片化なしにその内部に血栓全体を捕捉する能力による、血栓の抜去を促進する。
【0027】
本発明はまた、前述された血栓除去デバイス、通信チャネル、制御モジュール、データストレージデバイス、および誘導システムを備える、血管からの血管血栓の抜去のためのシステムを含む。
【0028】
前記システムはまた、撮像デバイスと、第1の放射線マーカーおよび第2の放射線マーカーであって、ファネルの遠位端の場所を示す前記第1の放射線マーカーおよび血管血栓の場所を示す前記第2の放射線マーカーと、コンピュータ支援型コントローラとを備え得る。
【0029】
上述したことのより良い理解のために、いくつかの図面が添付され、それは、模式的に、かつ単に非限定的な例として、実施形態の実際的なケースを表す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】血管中の進路を清浄し、血栓が位置している動脈に到達するために使用される、本発明に係る血栓除去デバイスの、その接近中の構成における模式的な立面図である。
図2】血栓の表面までデリバリーカテーテルを進行させる(その内部で吸引ファネルカテーテルを運搬する)ために使用される、本発明に係る血栓除去デバイスの、その格納された構成または進行構成における模式的な立面図である。
図3】吸引ファネルを送出する準備が完了した、本発明に係る血栓除去デバイスの、そのアラインメントされた構成または拡張準備完了構成における模式的な立面図である。
図4】血栓が吸引される前に、ファネルがそれ自身を血管の形状に適応させ、血栓に対向する際の、本発明に係る血栓除去デバイスの、その拡張された構成または吸引準備完了構成における模式的な立面図である。
図5】すべてのデバイスコンポーネントを含み、親水性コーティングを有するポイントが描かれた、本発明に係る血栓除去デバイスの、その展開中の構成におけるデバイス全体を描いた、模式的な立面図である。
図6】すべてのデバイスコンポーネントを含み、親水性コーティングを有するポイントが描かれた、本発明に係る血栓除去デバイスの、その拡張された構成におけるデバイス全体を描いた、模式的な立面図である。
図7A】本発明に係るレトラクターを有する血栓除去デバイスの模式的な立面図であって、デバイスがいくつかの異なる位置のうちの1つにあるデバイスを描いた図である。
図7B】本発明に係るレトラクターを有する血栓除去デバイスの模式的な立面図であって、デバイスがいくつかの異なる位置のうちの1つにあるデバイスを描いた図である。
図7C】本発明に係るレトラクターを有する血栓除去デバイスの模式的な立面図であって、デバイスがいくつかの異なる位置のうちの1つにあるデバイスを描いた図である。
図8】本発明に係る自動化された血栓除去システムを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係る血栓除去デバイスは、血栓の断片化を引き起こすこともなく、および頭蓋内動脈への損傷を引き起こすことなく、かくして追加の血栓の発生を回避しながら、頭蓋内動脈から血栓を除去するのに特に適している。デバイスは頭蓋内動脈血栓の除去に特に適しているが、それはいずれの動脈または静脈における血栓を除去するのにも使用され得る。
【0032】
本発明に係る血栓除去デバイスは、テーパードダイレーターカテーテル5、吸引ファネルカテーテル2(カバーされたステント3およびプッシャー要素、および好ましい実施形態ではハイポチューブシャフトで構成される)、およびデリバリーカテーテル1を備え、各々が遠位端および近位端の定義を有する。このデバイスは、4つの異なる構成、すなわち、1)図1に描かれているように、テーパードダイレーターカテーテル5がデバイスの他の要素よりもかなり前方にあり、血管中を進行し、除去されるべき血栓7に到達しつつある接近中の構成と、2)図2に描かれているように、吸引ファネル2がデリバリーカテーテル1の内部に格納されていて(拡張していない)、デリバリーカテーテル1の遠位端からある距離のところで近位に固定されている、格納された構成または進行構成であって、そのような構成ではデバイスは血栓7に到達するための高められた進行可能性および押出し可能性を示す構成と、3)図3に描かれているように、カバーされたファネル3の遠位端とデリバリーカテーテル1の遠位端とがアラインメントされて血栓7に接触している、アラインメントされた構成または拡張準備完了構成と、4)図4に描かれているように、カバーされたファネル3が血管6の直径まで拡張されて血栓7に緊密に接触し、デリバリーカテーテル1がファネル3の遠位端からある距離のところで近位に固定され、テーパードダイレーターカテーテル5が除去された、拡張された構成または吸引準備完了構成であって、そのような構成ではファネル3の遠位端の直径は先の構成より大きく、吸引時に血栓7を確保する準備が完了している構成を有する。
【0033】
有利には、前記ファネル3は、格納された構成または進行構成において、およびアラインメントされた構成または拡張準備完了構成において、デリバリーカテーテル1の内部に位置決めされ、拡張された構成または吸引準備完了構成では、少なくとも部分的にはデリバリーカテーテル1の外部に位置決めされる。
【0034】
好ましい実施形態によれば、ファネル3は、非透過性フィルムによってカバーされたステントである。このステントは、可変の直径を有し、血栓7に近位のポイントで血管6の直径まで拡張でき、かくして、流れを停止させ、血栓7を断片化することなく、その内部に血栓7全体を捕捉することができる。ステントは好ましくは自己拡張可能であるが、その内部の膨張させたバルーンのような他のメカニズムによって拡張されることもできる。
【0035】
ファネル3の骨格は、好ましくは形状記憶材料、すなわち、適切な機械的特性を有する金属(金属合金を含む)、ポリマー、セラミックス、またはそれらのいかなる組み合わせでも作られる。好ましい実施形態によれば、前記骨格は、ニチノール(登録商標)(50パーセントニッケル/50パーセントチタン合金、NiTi)で作られたステントである。この骨格は、蛍光透視法を使用している間にデバイスの精確な場所を知ることを医師に可能にさせる放射線不透過性マーカー13を、その遠位端および他の戦略的ポイントに含み得る。
【0036】
ファネル3はカバーを有し得、前記ファネルカバー4は、1つの生体適合性材料または2つ以上の生体適合性材料の組み合わせで作られた非透過性フィルムである。好ましい実施形態によれば、前記ファネルカバー4は、生体適合性ポリマー、エラストマー、または他の適切なプラスチック材料である。1つの好ましい実施形態において、前記ポリマーは、エラストマーの挙動を有する耐久性のある生体適合性ポリウレタンであり、それは、必要とされるときにファネル3のリシースを可能にする。別の好ましい実施形態において、前記ファネルカバー4は、カテーテル1の長さ方向と平行に方向づけられた高分子ファイバーを有し、かくして、外力の印加なしでは拡張に対する減じられたまたはほぼ無の抵抗および減じられたまたはほぼ無のファネルの反動を有する、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。
【0037】
本発明に係るデバイスの拡張可能なカバーされた遠位端は、動脈の血流を停止させること、およびバキュームと組み合わせた場合には逆行させることさえ可能にする。それにより、血栓7全体を吸引すること、手技中またはデバイスの引き出し中の断片のはく離を最小化することおよび阻止することさえ可能である。
【0038】
個々の血栓除去の特性に依存して、本発明で説明されるデバイスのファネル3は、血栓7の除去前、除去中、および除去後、デリバリーカテーテル1内にリシースされ得る。すなわちデバイスは、手技中いつでも、血栓7が抜去されている間でさえ、ファネル3のリシースを可能にする。
【0039】
本発明のデバイスの別の関連する特徴は、血栓7を横断するかまたは圧縮することを意図していないことである。かくしてそれは、血栓7の全体の除去を保証し、かくして可能な遠位塞栓形成を回避するという利点を有する。
【0040】
さらに、前記ファネル3は、その形状およびその長さを周囲の血管6に適応させることを意図し、可能にするので、血栓7を運搬しながらのデバイス除去中に狭い通路に遭遇するケースで、ファネル3の形状の変化が血栓物質のいかなる漏出も回避しながら血栓7上での任意の寸法上の変化を達成する。狭い通路の中を通過している間、ファネル3は比例的に狭まりながら、それはまた、血栓7全体がファネル3の中に確実に残ることを可能にするように長くなる。
【0041】
図5は、本発明に係る血栓除去デバイスを示す。血栓除去デバイスは、テーパードダイレーターカテーテル5、吸引ファネル3、およびデリバリーカテーテル1を備える。
【0042】
説明を容易にするために、デバイスの端は遠位端および近位端として定義され、遠位端は、本発明にしたがってデバイスを操作するユーザから最も遠く、したがって除去されるべき血栓7にもっとも近く、近位端は、ユーザに最も近い端であり、したがって血栓7から最も遠い。
【0043】
本発明に係る血栓除去デバイスは、4つの異なる構成、すなわち、接近中の構成(図1に示す)、格納された構成または進行構成(図2に示す)、アラインメントされた構成または拡張準備完了構成(図3に示す)、および拡張された構成または吸引準備完了構成(図4に示す)にあることができ、以下において説明されるように、ファネル3の遠位端の直径は、拡張された構成においてはいずれの他の構成におけるより大きい。
【0044】
格納された構成およびアラインメントされた構成において、前記ファネル3は、デリバリーカテーテル1の内部に位置決めされる一方で、拡張された構成においてそれは、少なくとも部分的にはデリバリーカテーテル1の外部に位置決めされる。
【0045】
好ましい実施形態によれば、前記ファネル3は、非透過性フィルムのカバーを有するステントである。
【0046】
ステントファネル3は、好ましくは自己拡張可能であるが、その内部の膨張させたバルーンのような他のメカニズムによって拡張されることもできる。
【0047】
ファネル3は好ましくは、適切な機械的特性を有する金属(金属合金も)、ポリマー、セラミックス、またはそれらの組み合わせを含む、形状記憶特性を有する任意の材料で作られ、前記ファネル3は、その遠位端および他の戦略的ポイントに放射線不透過性マーカー13を有し得る。好ましい実施形態によれば、ファネル3はニチノール(登録商標)で作られる。かくして、ファネル3の遠位端は、それが形状記憶を有し、それが自己拡張可能であるので、アンシースと同時に拡張し、ファネル3がデリバリーカテーテル1を出る際、体温ではその自然な傾向が拡張しようとするであろう。しかしながら、この拡張は、他のシステムによって、たとえば、必要とされる直径のバルーンをその内部で膨張させることによって、もたらされ得ることに注意すべきである。
【0048】
さらに、前記ファネルカバー4は、1つの生体適合性材料、または2つ以上の生体適合性材料の組み合わせで作られた非透過性フィルムである。好ましい実施形態によると、前記カバー4は、生体適合性ポリマー、エラストマー、または他の適切なプラスチック材料である。1つの好ましい実施形態において、前記ポリマーは、エラストマーの挙動を有する耐久性のある生体適合性ポリウレタンであり、それは、必要とされるときにファネル3のリシースを可能にする。別の好ましい実施形態において、前記カバー4は、カテーテル1の長さ方向と平行に方向づけられたePTFE高分子ファイバーを有し、かくして、外力の印加なしでは拡張に対する減じられたまたはほぼ無の抵抗および減じられたまたはほぼ無のファネル3の反動を有する、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。
【0049】
本発明の好ましい実施形態において、前記カバー4は、滑らかなコーティング8(親水性または疎水性)を有することができ、したがって、たとえばカテーテルチップ9、10(図5に示す)などの、あらゆるデバイス構成要素の他の戦略的なポイントを有することができる。
【0050】
再び図4を参照すると、発明の1つの好ましい実施形態において、遠位ファネル3は自己拡張する。本発明の他の実施形態において、ファネル3の拡張は、バルーンの使用を含むさまざまな機械的手段によって達成され得る。有利に、ファネル3の拡張は、近位の流れの閉鎖と、吸引による遠位の動脈セグメントでの流れの逆行と、非常に短い血栓の引きずり距離と、断片化なしに血栓7全体をその内部に捕捉する能力を可能にし、その抜去を促進するであろう。
【0051】
図3および図4に描かれているように、自己拡張可能なステントファネル3の別の特徴は、ファネル3が血管6の直径まで拡張するにつれてファネル3が短くなることである。ファネル3の長さのこの減少は、動脈の直径に反比例し、すなわち、ファネル3の長さは2ミリメートルの直径の動脈におけるより5ミリメートルの直径の動脈におけるほうが短い。さらに、より有利には、自己拡張可能なステントファネル3は、自己拡張可能なファネル3とそのストラット間の生体適合性非透過性フィルムとの精確な組み合わせにより、動脈壁にわたりその長さ全体にわたり荷重される半径方向力を広げる。そのようにして、動脈壁に及ぼされる合計圧力が、約2mmと15mmとの間(両方を含む)、好ましくは約2mmと6mmとの間の直径を有する、すべての動脈において一定のままであることが保証され得る。
【0052】
本発明のデバイスは、その汎用性の高い吸引ファネルのおかげで、卓越した吸引力を有し、複数のサイズ、形状、および寸法の血栓の回収を可能にする。事実、前記ファネルの予見される構成のいずれも、血管壁およびそのジオメトリに調節されるように、また血管の直径(最大5.9mm(0.232インチ)まで)に適合するように意図される。デバイスのこの特定の特徴は、より大きい血栓を他の市販のデバイス(たとえば、Navien 0.064インチ、Penumbra 0.072インチ)より高いバキューム力により吸引することを可能にする。本発明の好ましい実施形態において、吸引ファネルカテーテル2は、膜でカバーされたステントと、血栓除去介入全体を実行するために必要とされる時間を減らしながら、血栓7を吸引している間およびデバイス除去手技中にファネル3の操作を可能にする、(近位端に適切なコネクタを有する)ハイポチューブとで構成される。
【0053】
血栓除去デバイスは、好ましくは中くらいのゲージ、たとえば6F(2ミリメートル(mm))であり、血管6の異なる種類および直径に関連するデバイス寸法の異なるニーズに応じた他のサイズの限定はない。明確であるべきなのは、デバイスは、自己拡張可能なファネル3が到達できる最大の直径を変更することにより、これらの異なるニーズを満たすために異なる体裁を有し得る。いずれの場合においても、デリバリーカテーテル1の外側に移動させられると、ファネル3の遠位端は、そのポイントで動脈6の直径まで拡張するであろう。
【0054】
図5に描かれているように、同一軸に沿って方向づけられたテーパードダイレーターカテーテル5、吸引ファネルカテーテル2、およびデリバリーカテーテル1を有することが好ましい。この配置は、ファネル3、および吸引ファネルカテーテル2とデリバリーカテーテル1との組み合わせにわたる、軸横断力を最小化する。その上、この配置は、すべてのデバイスコンポーネントの同時操作を可能にする。
【0055】
デバイスの位置決めおよび操作は蛍光透視法によって支援されるので、デバイスはいくつかの放射線不透過性マーカーを含む。
【0056】
図6を参照すると、血栓7を吸引するために、バキュームが、吸引ファネルカテーテル2およびデリバリーカテーテル3、すなわち、それらのうちの1つまたは両方を通じて適用される。前記吸引は、カテーテルの近位端のところのシリンジまたは吸引ポンプであり得る吸引デバイスによって行われる。バキュームを適用すると、血流が逆行し、血栓7がデバイスの中に吸引される。
【0057】
血栓7の物質のいずれの漏出をも回避するために、デバイスに沿って適用されるバキュームに加えて、吸引ファネル2の内側は、手技中のいずれの状況においても血栓7を保持することができる任意の物理的、化学的、生化学的、機械的要素またはそれらの組み合わせを有し得る。1つの好ましい実施形態において、前記把持システムは、スパイキ、スキュア、ソー、クランプ、またはそれらの任意の組み合わせといった鋭利な物理的要素で作られ得る。
【0058】
この時点で、残るすべては、デバイスにおけるバキュームを維持しながら血栓7とともにデバイスを引きずることである。これが可能であるのは、動脈系は下へ(たとえば、大脳動脈から大動脈へ)行くにつれてその直径を増大させるが、狭い通路に遭遇した場合にファネル3は血栓物質のいずれの漏出も回避しながら血栓7上で任意の寸法の変更を達成するように設計されるからである。狭い通路を通過している間、ファネル3が比例的に狭まるにつれ、それはまた、血栓7全体がファネル3内に確実にとどまることを可能にする長さになる。
【0059】
吸引ファネルカテーテル2がデリバリーカテーテル1から、その近位端のそばで除去される際、オプションのリシース要素が、さらなる使用の前にファネル3をデリバリーカテーテル1の中に再導入することをユーザに可能にさせ得る。そのようなリシース要素は、デリバリーカテーテル1または剛性あるいはプラスチックであり得るスタンドアロン要素に付加される、任意の特別な取付け具であり得る。1つの好ましい実施形態において、この要素は、止血弁の直径まで吸引ファネル2を閉じるための適切な円錐形の閉じ具を有する、デリバリーカテーテル1の止血弁の変形である。別の好ましい実施形態において、リシース要素は、剛性またはプラスチックであり得る適切な円錐形の閉じ具および直径を有する、カヌラ11またはファネルである。そのような要素がプラスチックの挙動を有する場合、それは、止血弁の直径に調節されることができ、リシースを促進するためにその口に挿入されることさえできる。
【0060】
図8は、血管系の中での血栓除去デバイスの自動化された操縦を可能にする本発明の血栓除去デバイスを描く。システムは、動脈6における血栓7の場所を示す放射線マーカー12と、血管系における血栓除去デバイスの場所を示す放射線マーカー13と、放射線マーカーを検出する撮像デバイス20と、制御モジュール24に画像を転送するための手段を提供する通信チャネル22と、血栓除去デバイスの展開の誘導とデータストレージデバイス26でのデータのストレージとを可能にするようにプログラムされた制御モジュール24と、制御モジュールと血栓除去デバイスとの間で通信するための手段と、血栓除去デバイスを展開するための誘導システムを提供する自動化された近位デバイス30を備える。制御モジュールは、プログラマブルロジックコントローラ、コンピュータ等であり得る。1つの好ましい実施形態において、制御モジュール24は、コンピュータ支援型コントローラ28によって誘導される。通信チャネル22は、イーサネット(登録商標)、WIFI(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、等であり得る。制御モジュール24は、血栓除去デバイスが老人ホームまたは支援ケア生活施設といった病院でない設定において使用されることを可能にする血栓除去デバイスを動作させる医師または技師を誘導するようにプログラムされる。血栓除去デバイスが「現場で」使用されることを可能にすることにより、患者の結果を著しく改善しながら、血栓除去を実行するために必要とされる時間が大幅に短縮される。
【0061】
制御はまた、他の現在の医療デバイスにおいて使用されるものといったコントローラを介してであり得る。別の好ましい実施形態において、システムは手動で制御され得る。
【0062】
当業者に容易に理解されるべきであるように、本発明のデバイスは、1つの好ましいアクションシーケンスで一意のデバイスとして組み合わせられて使用されるように設計された、異なるカテーテルのセットである。しかしながら、そのコンポーネントまたはそれらの特定のサブセットは、好ましいシーケンスとは異なるシーケンスで、また他のデバイスと別個に、または組み合わせで使用され得る。
【0063】
たとえば、テーパードダイレーターカテーテルは、本発明で説明されたもの以外の他のデバイスを使用する前に、任意の病変までの血管の中の進路を清浄するために使用され得る。同様に、デリバリーカテーテルおよび吸引ファネルカテーテルのサブセットは、血栓の固定を確実にし、その物質の任意の漏出を回避する、ステントリトリーバーとして知られている種類の血栓除去デバイスと組み合わせて使用され得る。
【0064】
デバイスの製造
本発明の個々の構成要素は、当業者に周知の技法を使用して組み立てられ得る。本発明のデバイスのために使用される材料は、当業者に一般的に使用されているものである。デバイスの特定のパーツのコーティングおよびカバーリングもまた、一般的に使用されているものであり、当業者に周知の技法とともに適用される。
【0065】
使用方法
血管血栓を抜去するための血栓除去デバイスを使用するための方法は、血管の中に血栓除去デバイスを導入するステップと、ダイレーターカテーテルによって血栓からの近位距離に血栓除去デバイスを誘導するステップと、血栓に隣接するようにガイドカテーテルを位置決めするステップと、ファネルを展開するステップと、血栓を吸引するステップと、血栓を実質的に無傷の状態に保ちながら血栓をファネルの中に包囲するステップと、血管から血栓除去デバイスおよび血栓を除去するステップを備える。
【0066】
本発明のある特定の特徴および実施形態のみが示され説明されてきたが、多くの変形および変容(たとえば、さまざまな要素のサイズ、寸法、構造、形状、およびバランス、パラメータの値(たとえば、温度、圧力、等)、取り付け方法、材料の使用、色、向き、等の変更)が、請求項において列挙される主題の新規な教示および利点から実質的に逸脱せずに、当業者によって想起され得る。いずれの工程または方法ステップの順番も順序も、代替の実施形態に応じて変えられることも並べ直されることもできる。したがって、添付の請求項はそのようなすべての変形および変容を本発明の真の精神に属するものとして網羅するように意図されていることが理解されるべきである。
【0067】
さらに、例示的な実施形態の簡潔な説明を提供しようとして、実際の実現のすべての特徴(すなわち、現在熟慮されている本発明を実行するベストモードに関連しないもの、または特許請求された発明を可能にすることに関連しないもの)が説明されてきていないかもしれない。そのようないずれの実際の実現の開発においても、任意のエンジニアリングまたはデザインプロジェクトにおけるように、数多くの実現固有の決定がなされ得る、ということが理解されるべきである。そのような開発努力は、複雑かつ時間を要するものであるかもしれないが、それでもなお、本開示の恩恵を有する当業者にとっては過度の実験なしの設計、製作、および製造の日常業務であろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【図 】
図7C
図8