(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20220201BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2018117952
(22)【出願日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【氏名又は名称】岡野 大和
(72)【発明者】
【氏名】刀祢 太輔
(72)【発明者】
【氏名】キン シン
(72)【発明者】
【氏名】久保 敦司
(72)【発明者】
【氏名】花井 三晴
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-061578(JP,A)
【文献】特開2016-004478(JP,A)
【文献】特開2012-251954(JP,A)
【文献】特開2009-186219(JP,A)
【文献】特開2004-287807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得する予定地名称取得部と、
前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する記憶部と、
ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を車載機器に提供する提供部と、
前記車載機器から滞在地に関する情報を取得する滞在地取得部と、
前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける管理部と、
を有する情報提供装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記管理部は、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるときに、前記滞在
地付近に前記予定地名称に対応する地点が位置することを条件として、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける、
情報提供装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記管理部は、前記推定目的地と前記滞在地とが異なる回数が所定回数に達したことを条件として、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける、
情報提供装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記滞在地取得部は、前記車載機器の停止時と起動時の滞在地に関する情報から滞在地を導出する、
情報提供装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記滞在地取得部は、前記車載機器の停止時から起動時までの経過時間が所定時間以上であることを条件に、前記滞在地を導出する、
情報提供装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記滞在地に関する情報は、前記車載機器が搭載される車両の運動状態を用いて導出される当該車両の位置を含む、
情報提供装置。
【請求項7】
情報提供装置のプロセッサに、
ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得する工程と、
前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する工程と、
ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を車載機器に提供する工程と、
前記車載機器から滞在地に関する情報を取得する工程と、
前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける工程と、
を実行させる、プログラム。
【請求項8】
情報提供装置と車載機器とを有する情報提供システムにおいて、
前記情報提供装置は、ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得する予定地名称取得部と、前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する記憶部と、ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を前記車載機器に提供する提供部とを有し、
前記車載機器は、前記推定目的地までの経路を出力する出力部と、滞在地に関する情報を前記情報提供装置に送信する通知部とを有し、
前記情報提供装置は、さらに、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける管理部を有する、
情報提供システム。
【請求項9】
情報提供装置と車載機器とによる情報提供方法において、
前記情報提供装置は、
ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得し、
前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶し、
ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を前記車載機器に提供し、
前記車載機器は、
前記推定目的地までの経路を出力し、
滞在地に関する情報を前記情報提供装置に送信し、
さらに、前記情報提供装置は、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、行動予定に基づき目的地を推定する情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のナビゲーションシステムにおいて、ユーザの利便性を向上させるべく、目的地を自動的に設定して経路案内を行う技術が提案されている。たとえば、特許文献1には、ユーザが行動予定記入媒体に予定地を記入すると、ナビゲーションシステムが予定地を読み取ってその予定地までの経路案内を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの行動予定から予定地に関する情報を取得する技術において、ユーザが携帯端末、媒体等に行動予定を入力する際に予定地名称を略称または通称で入力する場合がある。すると、予定地名称に対応する名称の地点を地図上で特定できず、目的地の設定に支障を来たすおそれがある。
【0005】
そこで、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、予定地名称に対応する目的地を好適に推定して目的地設定・経路案内に資する情報提供装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報提供装置は、ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得する予定地名称取得部と、前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する記憶部と、ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を車載機器に提供する提供部と、前記車載機器から滞在地に関する情報を取得する滞在地取得部と、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける管理部とを有する。
【0007】
本開示の別の態様に係る情報提供システムは、情報提供装置と車載機器とを有する。そして、前記情報提供装置は、ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得する予定地名称取得部と、前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する記憶部と、ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を前記車載機器に提供する提供部とを有する。また、前記車載機器は、前記推定目的地までの経路を出力する出力部と、滞在地に関する情報を前記情報提供装置に送信する通知部とを有する。さらに、前記情報提供装置は、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける管理部を有する。
【0008】
本開示の別の態様に係る情報提供方法では、前記情報提供装置が、ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得し、前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶し、ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を前記車載機器に提供する。また、前記車載機器が、前記推定目的地までの経路を出力し、滞在地に関する情報を前記情報提供装置に送信する。そして、さらに、前記情報提供装置が、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける。
【0009】
本開示の別の態様に係るプログラムは、情報提供装置のプロセッサに、ユーザの行動予定情報から予定地名称を取得する工程と、前記予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する工程と、ユーザに対し前記推定目的地までの経路を提示するための情報を車載機器に提供する工程と、前記車載機器から滞在地に関する情報を取得する工程と、前記推定目的地と前記滞在地とが異なるとき、当該滞在地を新たな推定目的地として前記予定地名称に対応付ける工程とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示における情報提供装置等によれば、予定地名称に対応する目的地を好適に推定してユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】情報提供装置が行動予定情報を取得する手順を示すシーケンス図である。
【
図4】情報提供装置が行動予定情報を処理する手順を示すシーケンス図である。
【
図5】情報提供装置が行動予定地名称に対応づける推定目的地を変更する手順を示すシーケンス図である。
【
図6】情報提供装置が行動予定地名称に対応づける推定目的地を変更する手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0013】
図1は、一実施形態に係る情報提供システム1の構成を示す。情報提供システム1は、情報提供装置10と、車載機器12とを有する。情報提供システム1は、さらに、端末14、データベースサーバ16を含んでもよい。情報提供装置10、車載機器12、端末14、及びデータベースサーバ16は、ネットワーク18に接続され、互いにネットワーク18を介して有線・無線でデータを送受信する。情報提供装置10は、たとえば、サーバコンピュータである。また、端末14は、たとえば、スマートフォン、タブレットなどの、ユーザが携行する可搬型の電子機器である。車載機器12は、たとえば、カーナビゲーション装置である。車載機器12は、端末14のユーザが運転する車両に搭載される。データベースサーバ16は、たとえば、サービスプロバイダが提供するサーバコンピュータである。ネットワーク18は、たとえば移動体通信網及びインターネットである。
【0014】
ユーザは、たとえば、端末14に行動予定を入力し、情報提供装置10は端末14からユーザの行動予定情報を取得する。または、行動予定情報は端末14からデータベースサーバ16に一旦送信されて格納され、情報提供装置10はデータベースサーバ16からユーザの行動予定情報を取得する。そして、情報提供装置10は、行動予定情報から、行動が予定される予定地名称を取得し、予定地名称に対応する地図上の目的地を推定し、推定目的地を予定地名称に対応付けて記憶する。そして、情報提供装置10は、予定地名称に対応付けた推定目的地の情報を車載機器12に送信する。すると、車載機器12は、推定目的地までの経路をユーザに提示して、経路案内を行う。情報提供装置10は、推定目的地までの経路を検索して経路情報を車載機器12に提供し、車載機器12にて経路案内してもよいし、推定目的地を車載機器12に提供し、車載機器12にて経路検索・案内を行ってもよい。かかる構成において、情報提供装置10は、後述する手順に従い、車載機器12からの滞在地に関する情報に基づいて予定地名称に対応付ける推定目的地を修正し、目的地の推定制度を向上させる。
【0015】
情報提供装置10は、通信部101、記憶部102、及び制御部103を有する。
【0016】
通信部101は、ネットワーク18に接続する1以上の通信モジュールを有する。通信モジュールは、たとえば、所定の有線規格または無線規格に対応するモジュールを含んでもよい。本実施形態において、情報提供装置10は、通信部101を介してネットワーク18に接続される。
【0017】
記憶部102は、1以上のメモリを有する。各メモリは、たとえば、半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等である。各メモリは、たとえば、主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部102は、情報提供装置10の制御・処理動作に関する制御・処理プログラムを格納する。また、記憶部102は、情報提供装置10の制御・処理動作における種々の情報を一時的に記憶する。また、記憶部102は、行動予定情報111、語彙データベース112、地図情報113を記憶する。
【0018】
ここで、
図2A、2Bを参照して、行動予定情報111及び語彙データベース112の例を示す。
図2Aに示すように、行動予定情報111は、ユーザの行動予定を含む。行動予定は、たとえば、日時、予定地名称、及び行動内容といったデータ項目の組合せを含む。ユーザは、予定地名称を、必ずしも地図情報113における地点の名称ではなく、たとえば「Aホテル」、「B社」といった略称、または「会社」、「客先」といった通称で入力する場合がある。そこで、
図2Bに示すように、語彙データベース112は、略称または通称を含む予定地名称と地図情報113で特定される地図上の地点を推定目的地として対応付けて格納する。推定目的地は、地図上の地点を特定するために、たとえば施設名または地名、及び位置を含む。
【0019】
かかる語彙データベース112は、たとえば、情報提供装置10による情報提供を行う事業者が、汎用的な予定地名称と推定目的地との組合せを予め人為的にまたは機械学習により登録することで、設定される。または、たとえば、情報提供装置10が、行動予定情報111を端末14またはデータベースサーバ16から取得するときに、予定地名称と地図情報113の施設名または地名とを照合し、一部または全部一致する施設名または地名を抽出し推定目的地として予定地名称に対応づけて登録してもよい。さらに、たとえば、端末14からユーザが任意の予定地名称に対し推定目的地として地図上の施設名または地名を対応付ける操作により、語彙データベース112に予定地名称と推定目的地とを登録してもよい。
【0020】
情報提供装置10は、このような行動予定情報111と語彙データベース112とを有することにより、予定地名称に地図上の推定目的地を対応付けて記憶する。すなわち、情報提供装置10は、ユーザの行動予定に含まれる予定地名称に対応する推定目的地を語彙データベース112により推定し、推定目的地の位置情報(たとえば、緯度・経度情報など)を地図情報113から抽出する。または、語彙データベース112は、推定目的地に対しそれぞれの位置情報を対応付けて格納してもよい。そうすることで、情報提供装置10は、予定地名称に対応付けられた推定目的地までの経路を提示するための情報を車載機器12に提供することができる。
【0021】
図1に戻ると、制御部103は、1以上のプロセッサを有する。各プロセッサは、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部103は、制御・処理プログラムに従って情報提供装置10の動作を制御する。制御部103の制御・処理動作によって、予定地名称取得部114、管理部115、提供部116、及び滞在地取得部117が構成される。各部の動作については、後述する。
【0022】
車載機器12は、通信部121、記憶部122、位置情報取得部123、出力部124、入力部125、及び制御部126を有する。
【0023】
通信部121は、ネットワーク18に接続する1以上の通信モジュールを有する。通信モジュールは、たとえば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでもよい。通信部121は、DCM(Data Communication Module)等の通信機を有してもよい。車載機器12は、通信部121を介してネットワーク18に接続される。
【0024】
記憶部122は、1以上のメモリを有する。各メモリは、たとえば、半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等である。各メモリは、たとえば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部122は、車載機器12の制御・処理動作に関する制御・処理プログラム、地図情報等を格納する。また、記憶部122は、車載機器12の制御・処理動作に用いられる、位置、制動、速度等の種々の情報を一時的に記憶する。
【0025】
位置情報取得部123は、任意の衛星測位システムに対応する受信機を有する。たとえば、位置情報取得部123は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。また、位置情報取得部123は、車速、舵角、ヨーレート等を検知する各種センサから車両の運動状態を取得する。位置情報取得部123は、たとえば、測位情報と車両の運動状態に関する情報を、制御部126に送る。
【0026】
出力部124は、制御部126が生成したり記憶部122から読み出したりする情報を、ユーザに対して出力する出力インタフェースを有する。かかる出力インタフェースは、たとえば、情報を画像・映像で出力するパネルディスプレイ、ヘッドアップディスプレイまたは情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られず、任意の出力インタフェースであってもよい。
【0027】
入力部125は、ユーザ入力を検出し、入力情報を制御部126に送る入力インタフェースを有する。かかる入力インタフェースは、たとえば、物理キー、静電容量キー、出力部124のパネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、または音声入力を受け付けるマイクロフォン等であるが、これらに限られず、任意の入力インタフェースであってもよい。
【0028】
制御部126は、1以上のプロセッサを有する。プロセッサは、たとえば、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部126は、制御・処理プログラムに従って車載機器12の経路探索・案内といった運転支援動作を制御する。また、制御部126は、位置情報取得部123から送られる測位情報と車両の運動状態に関する情報に基づいて、車両の現在位置を導出する。そして、制御部126は、車両の現在位置を示す位置情報を、通信部121を介して情報提供装置10に送信する。かかる制御部126の動作により、位置情報通知部131が構成される。位置情報通知部131は、車載機器12の停止を検知したときと、車載機器12の起動直後とに、すなわちアクセサリー電源のオフ時(ACC-OFF時)とオン時(ACC-ON時)とに位置情報の導出及び送信を実行する。
【0029】
端末14は、通信部141、記憶部142、出力部144、入力部145、及び制御部146を有する。
【0030】
通信部141は、ネットワーク18に接続する1以上の通信モジュールを有する。通信モジュールは、たとえば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでもよい。端末14は、通信部141を介してネットワーク18に接続される。
【0031】
記憶部142は、1以上のメモリを有する。各メモリは、たとえば半導体メモリであるが、これに限られない。記憶部142に含まれる各メモリは、たとえば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部142は、端末14の制御・処理動作に関する制御・処理プログラムを格納する。また、記憶部142は、端末14の制御・処理動作に用いられる種々の情報を一時的に記憶する。さらに、記憶部142は、ユーザが入力する行動予定に対応する行動予定情報111を格納する。
【0032】
出力部144は、制御部146が生成したり記憶部142から読み出したりする情報を、ユーザに対して出力する出力インタフェースを有する。かかる出力インタフェースは、たとえば、情報を画像・映像で出力するパネルディスプレイ、または情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られず、任意の出力インタフェースであってもよい。
【0033】
入力部145は、ユーザ入力を検出し、入力情報を制御部146に送る入力インタフェースを有する。かかる入力インタフェースは、たとえば、物理キー、静電容量キー、出力部144のパネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、または音声入力を受け付けるマイクロフォン等であるが、これらに限られず、任意の入力インタフェースであってもよい。
【0034】
制御部146は、1以上のプロセッサを有する。プロセッサは、たとえば、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部146は、制御・処理プログラムに従って端末14の動作の制御、及び端末14にインストールされたアプリケーションを実行する。たとえば、制御部146は、行動予定管理アプリケーション150を実行することで、ユーザの行動予定の入力を受け付けて記憶部142に行動予定情報111を格納し、ユーザの指示入力に応答して行動予定情報111をユーザに対し出力する。また、制御部146は、行動予定情報111を通信部141によりネットワーク18を介してデータベースサーバ16に送信し、ユーザの指示入力に応答して行動予定情報111をデータベースサーバ16から通信部141により受信してユーザに対し出力する。
【0035】
データベースサーバ16は、通信部161、記憶部162、及び制御部163を有する。
【0036】
通信部161は、ネットワーク18に接続する1以上の通信モジュールを有する。通信モジュールは、たとえば、所定の有線規格又は無線規格に対応するモジュールを有してもよい。データベースサーバ16は、通信部161を介してネットワーク18に接続される。
【0037】
記憶部162は、1以上のメモリを有する。各メモリは、たとえば、半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等である。各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部162は、データベースサーバ16の制御・処理動作に関する制御・処理プログラムを格納する。また、記憶部162は、データベースサーバ16の制御・処理動作における種々の情報を一時的に記憶する。また、記憶部162は、行動予定情報111を記憶する。行動予定情報111は、たとえば端末14から受信して記憶部162に格納される。
【0038】
制御部163は、1以上のプロセッサを有する。プロセッサは、たとえば、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部163は、制御・処理プログラムに従ってデータベースサーバ16の動作を制御する。また、制御部163は、たとえば、端末14から送信される行動予定情報111を受信して記憶部162に格納する。また、たとえば、制御部163は、行動予定情報111を記憶部162から読み出して端末14に送信したり、情報提供装置10に送信したりする。
【0039】
図3~6は、情報提供システム1の動作手順を示す図である。
【0040】
図3は、情報提供装置10が行動予定情報111を取得する手順を示すシーケンス図である。
【0041】
ユーザが端末14の行動予定管理アプリケーション150を起動し(ステップS302)、行動予定を入力すると(手順S304)、端末14は行動予定情報111を記憶部142に格納し(手順S306)、行動予定情報111を情報提供装置10に送信する(手順S308)。情報提供装置10は、行動予定情報111を受信すると記憶部102に格納する(手順S310)。
【0042】
または、端末14は、行動予定情報111をデータベースサーバ16に送信する(手順S312)。すると、データベースサーバ16は、行動予定情報111を受信すると記憶部162に格納し(手順S314)、行動予定情報111を情報提供装置10に送信する(手順S316)。情報提供装置10は、行動予定情報111を受信すると記憶部102に格納する(手順S318)。
【0043】
図4は、情報提供装置10が、行動予定情報111を処理する手順を示す。
図4は、たとえば、ユーザが運転を開始する際、車載機器12が起動(ACC-ON)されたときに実行される。
【0044】
車載機器12がACC-ONを検知すると(手順S400)、車載機器12は情報提供装置10に情報提供要求を送信する(手順S401)。
【0045】
情報提供装置10は、行動予定情報111から予定地名称を取得する(手順S402)。かかる動作が、「予定地名称取得部114」に対応する。そして、たとえば、行動予定に予定地名称が未入力の場合など、予定地名称が取得できないときには(手順S404のNo)、情報提供装置10は、端末14に行動予定情報111を要求する。すると、
図3の手順S308以降が再度実行される。
【0046】
手順S402において予定地名称が取得できたときには(手順S404のYes)、情報提供装置10は、予定地名称に対応する地図上の推定目的地を記憶部102の語彙データベース112から読み出す(手順S408)。予定地名称に対応する推定目的地を読み出せた場合(手順S410のYes)、情報提供装置10は、車載機器12に、ユーザに対し推定目的地までの経路を提示するための情報を送信する(手順S412)。かかる手順S412の動作が、「提供部116」に対応する。そして、車載機器12は、情報提供装置10から提供された情報に基づいて、推定目的地までの経路案内を開始する(手順S414)。
【0047】
一方、手順S408において予定地名称に対応する推定目的地が読み出せなかった場合(手順S410のNo)、たとえば、予定地名称に対応しうる推定目的地が語彙データベース112に格納されていない場合、情報提供装置10は、車載機器12に、滞在地を示す情報を要求する(手順S416)。かかる手順S416の動作は、「滞在地取得部117」の動作の一部に対応する。この場合、車載機器12は、ユーザが車載機器12に直接入力する目的地までの経路を検索し、経路案内を開始する(手順S418)。
【0048】
図5は、情報提供装置10が、行動予定地名称に対応づける推定目的地を変更する場合の手順を示すシーケンス図である。
図5の手順は、
図4において車載機器12が情報提供装置10からの情報提供(手順S412)に基づいて経路案内を開始した場合(手順S414)、または、情報提供装置10から情報提供を受けずに滞在地を示す情報の要求を受け(手順S416)、ユーザ入力に基づいて経路案内を開始した場合(手順S418)に実行される。
【0049】
車載機器12は、ユーザが運転する車両が推定目的地または入力した目的地に到着し、ACC-OFFを検知すると(手順S502)、その時点での位置情報を情報提供装置10に送信する(手順S504)。すると、情報提供装置10は、ACC-OFF時の位置情報を記憶部102にて記憶する(手順S506)。次いで、車載機器12は、ACC-ONを検知すると(手順S508)、その時点での位置情報を情報提供装置10に送信する(手順S510)。すると、情報提供装置10は、ACC-ON時の位置情報を記憶部102にて記憶する(手順S512)。そして、情報提供装置10は、ACC-OFF時の位置とACC-ON時の位置が一致しているときに、その位置をユーザが行動予定のために滞在した地点、すなわち滞在地として特定する。滞在地は、位置に加え、地図上で対応するたとえば施設名または地名を含んでもよい。なお、ACC-OFF時からACC-ON時までの経過時間が所定時間(たとえば、15分以上の任意に設定される時間)以上であることを、滞在地特定の条件としてもよい。そうすることで、ユーザが経路途上で何処かに立ち寄った場合の誤判断を回避することができる。
図4の手順S416及び
図5の手順506、S512~S514の動作が、「滞在地取得部117」に対応する。
【0050】
次いで、語彙データベース112に予定地名称に対応する推定目的地が記憶されていた場合(手順S516のYes)、つまり、
図4の手順S410においてYesだった場合、情報提供装置10は、予定地名称と推定目的地との対応付けの検証を、推定目的地と滞在地との比較において行う(手順S518)。
【0051】
一方、予定地名称に対応する推定目的地が読み出されていなかった場合(手順S516のNo)、つまり、
図4の手順S410においてNoだった場合、情報提供装置10は、予定地名称に対し滞在地を対応付けて記憶する(手順S520)。すなわち、情報提供装置10は、語彙データベース112に、予定地名称と滞在地とを対応づけて格納する。
【0052】
ここにおける手順S518、S520の動作は、「管理部115」に対応する。
【0053】
図6は、
図5における手順S518の詳細な手順を説明するフローチャート図である。
【0054】
情報提供装置10は、推定目的地と滞在地とを比較し、両者が一致する場合(手順S600のNo)、本処理を終了する。この場合、予定地名称に対応付けた推定目的地に車両が到着して滞在したので、推定目的地がユーザの意図に合致していたことが確認される。
【0055】
一方、推定目的地と滞在地とが不一致の場合(手順S600のYes)、情報提供装置10は、滞在地付近(任意に設定される距離範囲、たとえば半径1km内)で予定地名称と一致する(かならずしも全部一致でなくてもよい)施設名または地名を有する地図上の地点を検索し、かかる地点が検索された場合(手順S602のYes)、予定地名称に滞在地を新たな推定目的地として対応付けて記憶する(手順S604)。すなわち、語彙データベース112において、予定地名称に対応付けられた推定目的地が、滞在地により書き換えられる。そして、情報提供装置10は、本処理を終了する。たとえば、予定地が広大な敷地を有する施設の一部であって、予定地とその施設内で車両を駐車した地点とが離間している場合、または、予定地が市街地の一角であって、予定地と市街地内で車両を駐車した駐車施設とが離間している場合などに、予定地名称と駐車した地点、すなわち滞在地とが一致しない場合がある。そのような場合において、予定地名称に新たな推定目的地として滞在地を対応づけて記憶することで、ユーザがその予定地を再度訪問する際に利便性の高い地点にユーザを案内することができる。
【0056】
手順S602において、滞在地付近で予定地名称と一致する地点が検索されなかった場合(手順S602)、情報提供装置10は、当該予定地名称にかかる推定目的と滞在地の不一致の回数を積算する(手順S606)。不一致回数が所定回数に達しなければ(手順S608のNo)、予定地名称に対応付けた推定目的地と滞在地の不一致は偶発的な事象とみなされるので、情報提供装置10は、本処理を終了する。一方、不一致回数が所定回数に達したとき(手順S608のYes)、情報提供装置10は、予定地名称に滞在地を対応付けて記憶し(手順S610)、すなわち、語彙データベース112を書き換えて、本処理を終了する。この場合、たとえ予定地名称と一致する地点が滞在地付近に存在しなくても、当該予定地名称の訪問を意図したユーザが当該滞在地に高い頻度で滞在しているので、当該予定地名称に当該滞在地を対応付けて記憶することで、ユーザがその予定地を再度訪問する際にユーザの意図に適った地点にユーザを案内することができる。なお、手順S608で不一致回数を検証する所定回数は、滞在地がユーザの意図に適っていることの信憑性を担保しうる任意の回数(たとえば5回以上)とすることができる。
【0057】
本実施形態における予定地名称に対応する目的地の推定は、ユーザごとに行ってもよい。たとえば、情報提供装置10がユーザごとの行動予定情報111と語彙データベース112とをユーザの識別情報とともに記憶する一方、車載機器12がユーザの識別情報を記憶しておく。そして、車載機器12が起動後の情報提供要求(
図4の手順S401)とともにユーザの識別情報を情報提供装置10に送り、情報提供装置10が受信した識別情報と行動予定情報111の識別情報を照合する。そして、識別情報が合致したときに、情報提供装置10は、当該ユーザの行動予定における予定地名称に対応する目的地を推定し、推定目的地と滞在地とが異なる場合は、当該ユーザに対応する不一致回数の積算値を更新して、積算値に応じて予定地名称に対応する推定目的地を滞在地で更新する。そうすることで、ユーザごとに予定地名称のネーミングが異なる場合であっても、より個々のユーザの利便性に合致するように目的地を推定することが可能になる。
【0058】
以上述べたように、本実施形態によれば、予定地名称に対応する目的地を好適に推定してユーザに提示することができる。また、車載機器12では、位置情報通知部131が測位情報と車両の運動状態に関する情報に基づいて車両の現在位置を導出するので、たとえば、測位情報のみから現在位置を導出する場合と較べ、測位信号の建造物による乱反射等に起因する誤差を抑制でき、よってより正確な現在位置を導出することができる。よって、かかる位置情報に基づいて滞在地を特定して予定地名称に滞在地を新たな推定目的地として対応付けることで、より精度よく目的地を推定することが可能になる。
【0059】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。たとえば、各手段または各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段またはステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0060】
たとえば、上述した実施形態において、情報提供装置10の構成及び機能の一部を任意の他の装置が有してもよい。たとえば、情報提供装置10の構成及び機能の一部を、車載機器12が有してもよい。
【0061】
また、たとえば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、またはモバイルコンピュータ等の汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報提供装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報提供装置10と端末14を一体として構成してもよい。その場合、情報提供装置10と車載機器12は、たとえばBluetooth(登録商標)などの近距離無線によりデータ通信を行う。
【0062】
さらに、本実施形態におけるネットワーク18には、上述した例以外にも、アドホックネットワーク、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、セルラーネットワーク、WPAN(Wireless Personal Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network)、地上波無線ネットワーク(Terrestrial Wireless Network)、光ネットワークもしくは他のネットワークまたはこれらいずれかの組合せが含まれる。無線ネットワークの構成要素には、たとえば、アクセスポイント(たとえば、Wi-Fiアクセスポイント)、フェムトセル等が含まれる。さらに、無線通信器機は、Bluetooth以外にも、Wi-Fi(登録商標)、セルラー通信技術またはその他の無線技術及び技術標準を用いた無線ネットワークに接続することができる。
【0063】
このように、本開示内容の種々の側面は、多くの異なる態様で実施することができ、それらの態様はすべて本実施形態の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1:情報提供システム、 10:情報提供装置、 12:車載機器、 14:端末、
102:記憶部、 111:行動予定情報、 114:予定地名称取得部、
115:管理部、 116:提供部、 117:滞在地取得部