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  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図1
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図2A
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図2B
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図3
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図4
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図5
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図6
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図7
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図8
  • 特許-変圧装置およびその電源投入方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】変圧装置およびその電源投入方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/54 20060101AFI20220201BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20220201BHJP
   H01H 33/59 20060101ALI20220201BHJP
   H01H 33/16 20060101ALI20220201BHJP
   H02H 9/02 20060101ALI20220201BHJP
   H01F 30/12 20060101ALN20220201BHJP
【FI】
H01H9/54 F
H01F27/00 J
H01H33/59 H
H01H33/16
H02H9/02 D
H01F30/12 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019084446
(22)【出願日】2019-04-25
(65)【公開番号】P2020181729
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮島 和宏
(72)【発明者】
【氏名】土肥 学
(72)【発明者】
【氏名】御子柴 諒介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 辰則
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-244680(JP,A)
【文献】実開平04-015711(JP,U)
【文献】実開昭59-182915(JP,U)
【文献】実開昭53-138127(JP,U)
【文献】特開2001-135204(JP,A)
【文献】実開昭52-134622(JP,U)
【文献】特開2009-177958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/54
H01F 27/00
H01H 33/59
H01H 33/16
H02H 9/02
H01F 30/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器と、電力系統と前記変圧器のコイルとの接続を切り換える操作回路と、前記操作回路の切り換えを制御する制御部を備え、励磁突入電流を抑制する変圧装置であって、
前記変圧器は、鉄心を共用する高圧側コイルと、低圧側コイルと、補助コイルを有し、
前記操作回路は、
前記高圧側コイルと電力系統との間に接続され、接続を開閉する主接点と、
一端が前記高圧側コイルに接続された前記補助コイルの他端と電力系統との間に接続され、接続を開閉する投入接点と、を有し、
前記制御部は、変圧装置への電源投入時に、前記主接点を開路、前記投入接点を閉路の状態で電力系統と接続し、その後、前記主接点を閉路し、前記投入接点を開路するように制御する変圧装置。
【請求項2】
請求項1に記載の変圧装置において、
前記制御部は、励磁突入電流が発生している過渡状態が定常状態に移行した後に前記主接点を閉路することを特徴とする変圧装置。
【請求項3】
請求項1に記載の変圧装置において、
前記操作回路がユニット化されていることを特徴とする変圧装置。
【請求項4】
請求項1に記載の変圧装置において、
前記操作回路と系統の高圧遮断器がユニット化されていることを特徴とする変圧装置。
【請求項5】
請求項1に記載の変圧装置において、
前記制御部が、前記主接点および前記投入接点の開閉の動作時間を調整するタイマを備えることを特徴とする変圧装置。
【請求項6】
請求項1に記載の変圧装置において、
前記制御部が、前記主接点および前記投入接点の開閉の動作時間を熱動継電器によって調整することを特徴とする変圧装置。
【請求項7】
請求項1に記載の変圧装置において、
前記主接点および前記投入接点は、動力操作負荷開閉器により開閉されることを特徴とする変圧装置。
【請求項8】
鉄心を共用する高圧側コイル、低圧側コイル、補助コイルを有する変圧器と、前記高圧側コイルと電力系統との間に接続され、接続を開閉する主接点と、一端が前記高圧側コイルに接続された前記補助コイルの他端と電力系統との間に接続され、接続を開閉する投入接点とを有する変圧装置の電源投入方法であって、
変圧装置への電源投入時に、前記主接点と前記投入接点の開閉を制御する制御部により、
前記主接点が開路状態で、前記投入接点を閉路するステップと、
電力系統と接続して、前記高圧側コイルおよび前記補助コイルに電源を供給するステップと、
前記主接点を閉路して、前記高圧側コイルに直接電源を供給するステップと、
前記投入接点を開路して、前記補助コイルを切り離すステップと、
を備える変圧装置の電源投入方法。
【請求項9】
請求項8に記載の変圧装置の電源投入方法において、
前記主接点を閉路して、前記高圧側コイルに直接電源を供給するステップは、励磁突入電流が発生している過渡状態が定常状態に移行した後に前記主接点を閉路することを特徴とする変圧装置の電源投入方法。
【請求項10】
鉄心と、前記鉄心に巻回された高圧側コイルと低圧側コイルとを有する変圧器を備える変圧装置であって、
前記鉄心には、第3のコイルが巻回されており、
電力系統側配線と前記高圧側コイルとの間に直列に接続される第1の接点と、
前記電力系統側配線と前記第3のコイルの一端に接続される第2の接点と、を有し、
前記第3のコイルの他端は前記第1の接点と前記高圧側コイルとの間に接続されており、
前記電力系統側配線に電源が供給される際に、制御部により、前記第2の接点を閉じ、前記第1の接点を閉じ、前記第2の接点を開く順に制御することを特徴とする変圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧装置および変圧装置の電源投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変圧器に電源を投入すると、鉄心内の磁束は、投入前の鉄心残留磁束を初期値として、印加電圧の積分値に応じて変化する。このため投入後しばらくの間、鉄心内磁束は定常状態と異なり、残留磁束と電源の投入位相に応じてシフトされた状態で推移する為、飽和磁束密度を超える場合があり、過渡的に大きな電流が流入する。この電流を励磁突入電流と呼び、その波高値は定格負荷電流の数倍~数十倍に至ることもある。
【0003】
変圧器を含む系統に於ける保護協調を検討する場合、保護機器は励磁突入電流を考慮して選定される。保護機器の一例として配線用遮断器を挙げると、変圧器の励磁突入電流より大きい遮断容量を選定する必要があり、保護機器の大形化によるコスト増となる。そのため、変圧器の励磁突入電流の低減や励磁突入電流を抑制する装置の需要が高まっている。
【0004】
一般的な励磁突入電流対策として抵抗投入方式がある。この方式は、主接点と並列に大型の電力用抵抗器が接続された投入接点を有する遮断器を用いて、一定時間抵抗を介した通電の後に主接点による直入れを行う方式であり、この技術は例えば特許文献1(特開2009-177958号公報)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-177958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
抵抗投入方式は、励磁突入電流を数十~数百分の1まで低減可能である一方、大型の電力用抵抗器と投入抵抗接点を有する為に本体が大きく、その分設置スペースが必要になると共に高価である。
【0007】
また、変圧器から発生する励磁突入電流は、通電時の鉄心内磁束密度が疎になる程減少するが、そのためには鉄心の断面積やコイル導体の巻回数を増加させることが必要である為、変圧器本体が大形化して据え付け面積が大きくなる。
【0008】
変圧器はキュービクル式高圧受電設備やスペースの限られた場所に設置されることが多く、コンパクト性を求められる製品である為、大形化するデメリットは大きい。
【0009】
本発明は、変圧器を大型化することなく、励磁突入電流を抑制できる変圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の変圧装置は、変圧器が励磁突入電流低減用の補助コイルを備え、操作回路は主接点と投入接点を有する開閉器を備え、主接点と投入接点の投入、解放時間を定めるタイマを備え、電源投入時は、変圧器の補助コイルを投入接点により閉回路とし、励磁突入電流が発生している過渡状態が定常状態に移行した後、主接点を投入して投入接点を解放するものである。
【0011】
上記課題を解決するための、本発明の「変圧装置」の一例を挙げるならば、
変圧器と、電力系統と前記変圧器のコイルとの接続を切り換える操作回路と、前記操作回路の切り換えを制御する制御部を備え、励磁突入電流を抑制する変圧装置であって、前記変圧器は、鉄心を共用する高圧側コイルと、低圧側コイルと、補助コイルを有し、前記操作回路は、前記高圧側コイルと電力系統との間に接続され、接続を開閉する主接点と、一端が前記高圧側コイルに接続された前記補助コイルの他端と電力系統との間に接続され、接続を開閉する投入接点と、を有し、前記制御部は、変圧装置への電源投入時に、前記主接点を開路、前記投入接点を閉路の状態で電力系統と接続し、その後、前記主接点を閉路し、前記投入接点を開路するように制御するものである。
【0012】
また、本発明の「変圧装置の電源投入方法」の一例を挙げるならば、
鉄心を共用する高圧側コイル、低圧側コイル、補助コイルを有する変圧器と、前記高圧側コイルと電力系統との間に接続され、接続を開閉する主接点と、一端が前記高圧側コイルに接続された前記補助コイルの他端と電力系統との間に接続され、接続を開閉する投入接点とを有する変圧装置の電源投入方法であって、変圧装置への電源投入時に、前記主接点と前記投入接点の開閉を制御する制御部により、前記主接点が開路状態で、前記投入接点を閉路するステップと、電力系統と接続して、前記高圧側コイルおよび前記補助コイルに電源を供給するステップと、前記主接点を閉路して、前記高圧側コイルに直接電源を供給するステップと、前記投入接点を開路して、前記補助コイルを切り離すステップと、を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、変圧器を大型化することなく、励磁突入電流を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例の変圧装置の一例を示す回路図である。
図2A】変圧装置を構成する変圧器の一例を示す正面図である。
図2B図2Aの変圧器のA-A断面図である。
図3】実施例の変圧装置の電源投入方法を示すフロー図である。
図4】操作回路の動作前の状態を説明する回路図である。
図5】投入接点の閉路動作とその状態を説明する回路図である。
図6】系統の高圧遮断器の閉路動作とその状態を説明する回路図である。
図7】主接点の閉路動作とその状態を説明する回路図である。
図8】投入接点の開路動作とその状態を説明する回路図である。
図9】実施例の変圧装置の各接点の状態の時間変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【実施例
【0016】
図1に、本発明の実施例の励磁突入電流抑制機構を有する、変圧器と操作回路からなる変圧装置の一例を示す。本実施例の変圧装置100は、変圧器101と操作回路105と制御部115から構成されている。図1に於いて、変圧装置100は系統の高圧遮断器108、主通電回路母線112を介して電力系統109に接続されている。なお、図1は、三相3線式の例である。
【0017】
図2Aおよび図2Bに、変圧器の一例を示し、図2Aは変圧器の正面図、図2B図2Aの変圧器のA-A断面図である。変圧器101は、内鉄心2aおよび外鉄心2bからなる鉄心2に、コイル1を巻き回して構成される。コイル1は、低圧側コイル104、高圧側コイル103、補助コイル102から構成され、例えば図2Bに示すように、鉄心側から低圧側コイル104、高圧側コイル103、補助コイルの順に巻き回される。なお、コイルを巻き回す順番は、この例に限られるものではない。
【0018】
図1に示すように、操作回路105は主接点106と投入接点107を有している。主接点106は、主通電回路母線112に設けられており、一端は高圧遮断器108に接続され、他端は変圧器の高圧側コイル103に接続されている。
【0019】
投入接点107は補助コイル102と直列に接続されており、その一端は電力側分岐110で主通電回路母線112に、すなわち主接点106の一端および高圧遮断器108と接続している。補助コイル102の他端は、変圧器側分岐111で主通電回路母線112に、すなわち高圧側コイル103および主接点106の他端に接続されている。つまり、投入接点107と補助コイル102の直列接続は、主接点106に並列に接続されている。なお、図では、高圧側コイルと103と補助コイル102とは操作回路105で接続されているが、変圧器101内で接続し、変圧器に主接点と接続される1つの端子を設けてもよい。また、図では、高圧遮断器108を操作回路105の外部に記載したが、高圧遮断器108を操作回路105に含めてもよい。そして、操作回路105は、ユニット化するのが好ましい。
【0020】
主接点106は、例えばタイマによって開閉のタイミングを調整する、動力操作負荷開閉器によって構成されている。また、投入接点107は、例えばタイマによって開閉のタイミングを調整する、動力操作負荷開閉器によって構成されている。
【0021】
変圧装置100は、主接点106や投入接点107の開閉を制御する制御部115を備え、制御部は内部にタイマ116を有している。タイマ116は、主接点106、投入接点107、高圧遮断器108の開閉のタイミングを調整する。なお、タイマ116は、機械式タイマでも電子タイマでもよい。電子タイマは、単独のものや、タイマに限らず電流監視できるものでもよい。電流値を見ながら所定時間後に接点を切り換える構成でもよい。これらの機能は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)でも達成できる。機械式タイマは、熱動継電器(バイメタル)を用いるものでもよい。
【0022】
次に、操作回路105の回路動作を、図3の電源投入方法を示すフロー図および図4図8の各接点の状態を示す回路図に沿って説明する。なお、図4~8は、図1の三相回路のうちの一相を示している。
【0023】
先ず、図4は、スタート時(S201)の操作回路105の動作前の状態を示しており、主接点106は開路、投入接点107は開路、高圧遮断器108は開路の状態である。
【0024】
図5は、S202の投入接点を閉路する状態を示しており、タイマ116に基づく制御部115の制御により、動力操作負荷開閉器を動作させて投入接点107を閉路する。投入接点107を閉路することにより、変圧器101の高圧側コイル103と補助コイル102とが電力系統側分岐110に接続される。
【0025】
図6は、S203の系統の高圧遮断器108を投入する状態を示しており、タイマ116に基づく制御部115の制御により、操作回路105と変圧器101に系統の高圧遮断器108を投入する。高圧遮断器を投入することにより、電力系統109から変圧器101が受電開始し、励磁突入電流が発生するが、補助コイル102の巻回数分励磁突入電流が低減される。これにより、高圧側コイル103のみで受電する場合と比較し、励磁突入電流を抑制できる。
【0026】
図7は、S204の主接点106を閉路する状態を示しており、タイマ116に基づく制御部115の制御により、動力操作負荷開閉器を動作させて主接点106を閉路する。主接点106を閉路するタイミングは、励磁突入電流が発生している過渡状態が定常状態に移行した後とする。主接点106の閉路に伴い、電力系統109と高圧側コイル103は直接接続される。このとき補助コイル102は、主通電回路母線112に対し並列回路となる。
【0027】
図8は、S205の投入接点107を開路する状態を示しており、タイマ116に基づく制御部115の制御により、動力操作負荷開閉器を動作させて投入接点107を開路する。このとき、電力系統109から主通電回路112を流れる電流の多くは、補助コイル102を通過せず高圧側コイル103に流入する為、投入接点107を開閉する為に使用する動力操作負荷開閉器は、コンパクト化可能である。また、投入接点の開路に伴うサージ電圧の発生を抑えることができる。
【0028】
図9に、図3の電源投入方法を示すフロー図に対応する、変圧装置の各接点の状態の時間変化を示す。
【0029】
t0の主接点106が開路、投入接点107が閉路の状態において、t1で系統の高圧遮断器108を閉路して、直列接続した高圧側コイル103および補助コイル102に電源を供給する。次に、t2で主接点106を閉路して、高圧側コイル103へ直接電源を供給する。次に、t3で投入接点107を開路して、補助コイル102を切り離す。
【0030】
以下に、補助コイルによる励磁突入電流の抑制作用を説明する。
まず、変圧器の励磁突入電流の最大値は次の(1)式によって求められる。
【0031】
【数1】
【0032】
ここで、各符号は次のように定義される。
Imax:励磁突入電流最大値(波高値)
h :巻線高さ
N :電圧印加側巻線の巻数
BM :定常状態磁束密度
BR :残留磁束密度
BS :飽和磁束密度
QW :巻線の内径及び幅
QC :鉄心断面積。
【0033】
(1)式から、励磁突入電流最大値(波高値)Imaxは電圧印加側巻線の巻数Nに反比例しており、電圧印加側巻線の巻数Nが増加すればImaxは減少することが分かる。
また、定常状態磁束密度BMは次の(2)式により求めることが可能であり、定常状態磁束密度BMも電圧印加側巻線の巻数Nに反比例していることが分かる。
【0034】
【数2】
ここで、
Em:印加電圧最大値
f :定格周波数
【0035】
ここで、補助コイルを接続した場合の励磁突入電流最大値Imaxと定常状態磁束密度BMを求めると、次の(3)式及び(4)式となる。
【0036】
【数3】
【0037】
【数4】
ここで、
n’: 補助コイルの巻数
【0038】
つまり、補助コイルの有無による励磁突入電流の大きさの比較は次の(5)式となり、補助コイルを接続することで励磁突入電流最大値Imaxを低減できる。
【0039】
【数5】
【0040】
本実施例によれば、電源投入時は、投入接点により変圧器の高圧側コイルと補助コイルを直列に接続して電源を供給することで、電源投入を高圧側コイルに直入れする場合と比較して、励磁突入電流を抑制することができる。
【0041】
また、変圧器本体のコイルと別に補助コイルを有しており、励磁突入電流を低減させる目的で変圧器の鉄心断面積を拡大する方法や、高圧側コイルや低圧側コイルの巻線回数を増加させる方法を実施する必要が無い為、変圧器本体の大形化を抑制できる。
【0042】
更に、抵抗投入方式と比較し、大型の電力用抵抗器を必要とせず、また、投入接点を開閉する負荷開閉器に於いても、回路操作によって主通電回路母線に流れる大電流を直接遮断しないので、バイパスされた比較的小さな電流を開閉するコンパクトな負荷開閉器を選定すればよい。主接点を開閉する負荷開閉器に於いては述べるまでもなく、操作回路はコンパクト化可能である為、キュービクル式高圧受電設備や所定の設置場所に於いても省スペース化を図ることができる。
【0043】
なお、本実施例では、三相3線式を例に説明したが、本発明は三相4線式、単相式など何れの方式にも適用できる。
【符号の説明】
【0044】
100…変圧装置
101…変圧器
102…補助コイル
103…高圧側コイル
104…低圧側コイル
105…操作回路
106…主接点
107…投入接点
108…系統の高圧遮断器
109…電力系統
110…電力系統側分岐
111…変圧器側分岐
112…主通電回路母線
115…制御部
116…タイマ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9