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特許7017550レールブラケット(rail bracket)を有するコンピュータシャーシ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】レールブラケット(rail bracket)を有するコンピュータシャーシ
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20220201BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20220201BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
G06F1/16 312N
H05K7/12 J
H05K5/02 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019200925
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2020144836
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2019-11-05
(31)【優先権主張番号】16/291,913
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
【住所又は居所原語表記】No.188,Wenhua 2nd Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】倪 孝祖
(72)【発明者】
【氏名】叢 耀宗
(72)【発明者】
【氏名】張 鈞
(72)【発明者】
【氏名】呉 東憲
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0291645(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0059172(US,A1)
【文献】特表2015-507256(JP,A)
【文献】特表2015-501051(JP,A)
【文献】特開2018-005487(JP,A)
【文献】特開2000-307275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16-1/18
H05K5/02;7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシャーシであって、
複数の対のレールブラケットを有するシャーシ本体を備え、
前記複数の対のレールブラケットのうち一対のレールブラケットの第1レールブラケットは、前記シャーシ本体の第1側に位置し、前記複数の対のレールブラケットのうち前記一対のレールブラケットの第2レールブラケットは、前記シャーシ本体の第2側に位置し、前記第2側と前記第1側とは、前記シャーシ本体の反対側であり、
前記第1レールブラケット及び前記第2レールブラケットは、前記シャーシ本体の底面から設定高さに位置し、異なる対のレールブラケット間の距離は前記設定高さと異なっており、
前記コンピュータシャーシは、少なくとも1つのスレッドを備え、前記少なくとも1つのスレッドは、少なくとも1つの後部ブラケットを備え、前記少なくとも1つの後部ブラケットの端部の高さは、シャーシベースと前記少なくとも一対のレールブラケットとの間の距離よりも低く、前記少なくとも1つの後部ブラケットの中間部分の高さは、前記設定高さよりも高い、ことを特徴とするコンピュータシャーシ。
【請求項2】
前記シャーシ本体は、少なくとも2つのパーティションを備え、前記少なくとも一対のレールブラケットは、各パーティションの側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシャーシ。
【請求項3】
記少なくとも1つのスレッドの各々は、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントを搭載し、前記少なくとも1つのスレッドの各々は、前記少なくとも1つのコンピュータコンポーネントに対応するサイズを有することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータシャーシ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスレッドのうち第1スレッドのサイズは、前記少なくとも1つのスレッドのうち第2スレッドのサイズと異なることを特徴とする請求項3に記載のコンピュータシャーシ。
【請求項5】
シャーシ本体と、少なくとも1つのスレッドと、を備えるシャーシアセンブリであって、
前記シャーシ本体は、複数の対のレールブラケットを有し、前記複数の対のレールブラケットのうち一対のレールブラケットの第1ブラケットは、前記シャーシ本体の第1側に位置し、前記複数の対のレールブラケットのうち前記一対のレールブラケットの第2ブラケットは、前記シャーシ本体の第2側に位置し、前記第2側と前記第1側とは、前記シャーシ本体の反対側であり、前記一対のレールブラケットと前記シャーシ本体の底面との間の距離は、前記一対のレールブラケットと前記複数の対のうち他の対のレールブラケットとの間の距離と異なっており、
前記少なくとも1つのスレッドの各々は、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントを搭載し、前記少なくとも1つのスレッドの各々は、前記少なくとも1つのコンピュータコンポーネントに対応するサイズを有しており、
前記少なくとも1つのスレッドは、少なくとも1つの後部ブラケットを備え、前記少なくとも1つの後部ブラケットの端部の高さは、シャーシベースと前記少なくとも一対のレールブラケットとの間の距離よりも低く、前記少なくとも1つの後部ブラケットの中間部分の高さは、前記設定高さよりも高い、ことを特徴とするシャーシアセンブリ。
【請求項6】
前記シャーシ本体は、2つ以上のパーティションを備え、前記少なくとも一対のレールブラケットは、各パーティションの側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項7】
記少なくとも1つの後部ブラケットの各々は、前記少なくとも1つのスレッドのうち1つのスレッドと接続されていることを特徴とする請求項に記載のシャーシアセンブリ。
【請求項8】
複数のコンピュータシャーシを収容するラックシステムであって、
複数のシャーシ本体と、複数のスレッドと、を備え、
前記複数のシャーシ本体の各々は、複数の対のレールブラケットを有し、前記複数の対のレールブラケットのうち一対のレールブラケットの第1ブラケットは、各シャーシ本体の第1側に位置し、前記複数の対のレールブラケットのうち前記一対のレールブラケットの第2ブラケットは、各シャーシ本体の第2側に位置し、前記第1側と前記第2側とは、各シャーシ本体の反対側であり、各シャーシ本体は、少なくとも1つのスレッドを収容するように構成されており、前記一対のレールブラケットと前記シャーシ本体の底面との間の距離は、前記一対のレールブラケットと前記複数の対のうち他の対のレールブラケットとの間の距離と異なっており、
前記複数のスレッドの各々は、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントを搭載し、前記複数のスレッドの各々は、前記少なくとも1つのコンピュータコンポーネントに対応するサイズを有しており、
前記少なくとも1つのスレッドは、少なくとも1つの後部ブラケットを備え、前記少なくとも1つの後部ブラケットの端部の高さは、シャーシベースと前記少なくとも一対のレールブラケットとの間の距離よりも低く、前記少なくとも1つの後部ブラケットの中間部分の高さは、前記設定高さよりも高い、ことを特徴とするラックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるサイズのスレッド(sleds)を搭載するように構成されたコンピュータシャーシに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシャーシをラックシステムで使用すると、様々なサイズの様々なコンピュータコンポーネントを搭載することができる。例えば、1つのコンピュータシャーシは、複数のスレッドを搭載することができ、各スレッドは、特定のコンピュータコンポーネントを搭載するようにサイズ調整されている。従来のコンピュータシャーシは、例えば、1Uスレッド、2Uスレッド及び/又は3Uスレッドを搭載することができる。
【0003】
異なるサイズのスレッドを1つのコンピュータシャーシに搭載するために、従来のシャーシは、スレッドのサイズに従ったパーティションを用いて恒久的に構成される必要がある。パーティションは、コンピュータシャーシが複数のスレッドを搭載するための構造的なサポートを提供する。例えば、1つのコンピュータシャーシを3つの独立した恒久的なパーティションで構成して、3つの1Uスレッドをサポートすることができる。別の例では、1つのコンピュータシャーシを2つの独立した恒久的なパーティションで構成して、1つの1Uスレッドと1つの2Uスレッドとをサポートすることができる。第3の例では、1つのコンピュータシャーシをパーティション無しで構成して、1つの3Uスレッドをサポートすることができる。コンピュータシャーシ内の恒久的なパーティションの構成によって、同じコンピュータシャーシが、第1サイズのスレッドを搭載した後に第2サイズのスレッドを搭載するのを抑制する。
【0004】
例えば、2Uスレッドは1Uスレッドの約2倍の大きさであり、3Uスレッドは1Uスレッドの約3倍の大きさである。よって、3つの1Uスレッドを搭載するように構成されたコンピュータシャーシは、2Uスレッド又は3Uスレッドを収容することができない。同様の問題において、単一の3Uスレッドを搭載するように構成されたコンピュータシャーシは、3つの1Uスレッドの各々をサポートするパーティションを有していないので、3つの1Uスレッドを搭載することができない。
【0005】
これらのシャーシ設計では、スレッドサイズのあらゆる組み合わせをサポートするように構成された多種多様なシャーシ本体をユーザに維持させる。1つのスレッドを異なるサイズの別のスレッドに交換する必要がある場合には、コンピュータシャーシ全体を交換する必要がある。これにより、可能なシャーシサイズの全てをサポートする必要があるため、コストが高くなる。また、搭載されている機器のサイズを変更すると、コンピュータシャーシ全体を交換する必要があるため、追加の負担が生じる。
【0006】
よって、第1スレッドを異なるサイズの第2スレッドに交換する場合に、シャーシ全体を交換する必要のないコンピュータシャーシ設計が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コンピュータシャーシを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1実施形態において、コンピュータシャーシは、少なくとも一対のレールブラケットを有するシャーシ本体とすることができる。一対のレールブラケットの第1レールブラケットをシャーシ本体の第1側に配置し、第2レールブラケットをシャーシ本体の第2側に配置することができ、第2側と第1側とは、シャーシ本体の反対側である。第1レールブラケット及び第2レールブラケットは、シャーシ本体の底面から設定高さにすることができる。
【0009】
いくつかの例において、シャーシ本体は、少なくとも2つのパーティションを含むことができる。いくつかの対のレールブラケットを、各パーティションの側面に沿って配置することができる。
【0010】
いくつかの例において、コンピュータシャーシは、少なくとも1つのスレッドを含むことができる。スレッドは、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントを搭載することができる。スレッドのサイズは、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントのサイズに対応することができる。
【0011】
いくつかの例において、各スレッドは、少なくとも1つの後部ブラケットを含むことができる。例示的な後部ブラケットは、スレッドと接続することができる。後部ブラケットの端部の高さは、シャーシベースと少なくとも一対のレールブラケットとの間の距離(レールブラケットの設定高さ)より低くすることができる。後部ブラケットの中央部分の高さは、レールブラケット設定高さより高くすることができる。
【0012】
いくつかの例において、少なくとも1つのスレッドのうち第1スレッドは、少なくとも1つのスレッドのうち第2スレッドと異なるサイズを有することができる。いくつかの例において、少なくとも1つのスレッドは、1Uスレッド、2Uスレッド又は3Uスレッドとすることができる。いくつかの例において、各スレッドは、シャーシ本体の残りのスレッドに関係なく、シャーシ本体に出入りすることがでいる。
【0013】
本発明の第2実施形態は、シャーシアセンブリを提供することができる。シャーシアセンブリは、シャーシ本体と、少なくとも1つのスレッドと、少なくとも1つの後部ブラケットと、を含むことができる。シャーシ本体は、少なくとも一対のレールブラケットを含むことができる。一対のレールブラケットのうち第1レールブラケットはシャーシ本体の第1側に位置し、前記一対のレールブラケットのうち第2ブラケットは、シャーシ本体の第2側に位置してもよい。第1側と第2側とは、シャーシ本体の反対側であってもよい。少なくとも1つのスレッドは、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントを搭載することができる。スレッドは、スレッド内の少なくとも1つのコンピュータコンポーネントに対応するサイズを有することができる。第2実施形態の別の例は、第1実施形態に関して上述した通りであってもよい。
【0014】
本発明の第3実施形態は、複数のコンピュータシャーシを収容するラックシステムを提供することができる。ラックシステムは、複数のシャーシ本体と、複数のスレッドと、複数の後部ブラケットと、を含むことができる。各シャーシ本体は、少なくとも一対のレールブラケットを含むことができる。少なくとも一対のブラケットのうち第1ブラケットは各シャーシ本体の第1側に位置し、前記一対のブラケットのうち第2ブラケットはシャーシ本体の第2側に位置してもよい。第1側と第2側とは、シャーシ本体の反対側であってもよい。各シャーシ本体は、少なくとも1つのスレッドを収容するように構成されてもよい。複数のスレッドの各々は、少なくとも1つのコンピュータコンポーネントを搭載することができる。各スレッドは、スレッドに搭載されている少なくとも1つのコンピュータコンポーネントのサイズに従ってサイズ調整されてもよい。複数の後部ブラケットの各々は、複数のスレッドのうち1つのスレッドと接続するように構成されてもよい。第3実施形態の追加の例は、第1実施形態に関して上述した通りであってもよい。
【0015】
上述した概要は、本発明の各実施形態又は各実施態様を表すことを意図していない。むしろ、上述した概要は、本明細書に記載されたいくつかの新規な態様及び特徴の例を提供するに過ぎない。本発明の上記の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面及び特許請求の範囲と合わせて、本発明を実施するための代表的な実施形態及びモードの以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スレッド交換が簡単になる。
【0017】
添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、説明と共に本発明の原理を説明及び例示するのに役立つ。図面は、例示的な実施形態の主要な特徴を図式的に示すことを意図している。図面は、実際の実施形態の全ての特徴及び示された要素の相対的な寸法を示すことを意図しておらず、縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来技術によるコンピュータシャーシの従来の設計を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による、様々なスレッド構成を有するコンピュータシャーシの例示的な設計を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による、シャーシに搭載(loading into)されるスレッドのセットを示す図である。
図4A】本発明の一実施形態による、例示的な区分化されたコンピュータシャーシの正面図である。
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、例示的な2Uスレッド及び後部ブラケットの側面図である。
図4C】本発明のいくつかの実施形態による、1Uスレッド及び後部ブラケットの側面図である。
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、搭載された構成(ロード構成)における例示的な区分化されたシャーシを示す図である。
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、部分的なロード構成における例示的なシャーシを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照しながら本発明を説明し、同様の又は同等の要素を示すために、図面全体を通して同様の符号が用いられている。図面は縮尺通りに描かれておらず、単に本発明を説明するために提供されている。本発明のいくつかの態様は、例示的な用途を参照して以下に説明される。本発明の十分な理解を提供するために、いくつかの特定の詳細、関係及び方法が記載されていることを理解されたい。しかし、当業者であれば、1つ以上の特定の詳細無しに又は他の方法を用いて本発明を実施し得ることを容易に認識するであろう。他の例では、本発明を曖昧にすることを避けるために、周知の構造又は動作を詳細に示していない。いくつかの動作が異なる順序で及び/又は他の動作やイベントと同時に発生し得るため、本発明は、動作やイベントの図示された順序によって限定されない。さらに、本発明による方法を実施するために、例示された全ての動作やイベントが必要とされているわけではない。
【0020】
本発明は、レールブラケットを有するコンピュータシャーシに関し、レールブラケットは、コンピュータシャーシの側面に沿って配置されており、スレッドを、コンピュータシャーシの内外にスライドさせるのを可能にする。また、この設計により、任意のサイズのスレッドを例示的なシャーシにおいて使用することができる。特定のスレッドの高さのみを許可する恒久的なパーティションをシャーシが有していないので、このような特徴が提供されている。よって、本発明の一実施形態による例示的なシャーシは、スレッドが異なるサイズを有することができる様々なスレッド構成を提供することができる。
【0021】
図1は、従来技術によるコンピュータシャーシの従来の設計を示す図である。図1は、第1設計102(アンロード(unloaded)位置102a及びロード(loaded)位置102b)と、第2設計104(アンロード位置104a及びロード位置104b)と、第3設計106(アンロード位置106a及びロード位置106b)と、第4設計108(アンロード位置108a及びロード位置108b)と、におけるシャーシを示す図である。また、図1は、第1サイズのスレッド110と、第2サイズのスレッド112と、第3サイズのスレッド114と、を示している。
【0022】
第1設計102は、3つの第1サイズのスレッド110を収容するように構成された3パーティションのシャーシを提供する。第2設計104は、第1サイズのスレッド110の上方で第2サイズのスレッド112を収容するように構成された2パーティションのシャーシを提供する。第3設計106は、第1サイズのスレッド110の下方で第2サイズのスレッド112を収容するように構成された2パーティションのシャーシを提供する。第4設計108は、第3サイズのスレッド114を収容するように構成された単一パーティションのシャーシを提供する。
【0023】
ロード位置102b,104b,106b,108bと、アンロード位置102a,104a,106a,108aと、の両方で示すように、コンピュータシャーシ102,104,106,108は、これらの所定のサイズに従って、スレッド110,112,114のみを収容することができる。例えば、第2サイズのスレッド112及び第3サイズのスレッド114では、3つのパーティションには大きすぎるので、シャーシ102に収まらない。別の例では、シャーシ108には、別のスレッド110,112,114を収容する他のサポートがないので、シャーシ108は、スレッドサイズに関係なく、スレッド110,112,114のうち1つのスレッドのみを収容することができる。
【0024】
よって、従来のシャーシ設計は、これらの所定の設計に柔軟性がないので、柔軟なスレッド管理を可能にしない。ユーザがシャーシ102を有しており、3つの第1サイズのスレッド110のうち2つのスレッドを第2サイズのスレッド112と交換したい場合、ユーザは、全ての第1サイズのスレッド110を取り外し、シャーシ102をシャーシ104と交換し、選択されたスレッドを交換する必要がある。
【0025】
従来のシャーシ設計の制限に応じて、本発明は、様々なスレッド構成を収容することができる単一のシャーシ設計を提供するレールブラケットを備えたシャーシ設計を提供する。図2は、スレッド110,112,114の様々なロード構成(202c,202d,202e,202f)をサポートすることができる例示的なシャーシ202を示す図である。
【0026】
シャーシ202は、数対のレールブラケット204を有する。各シャーシ202は、二対のレールブラケット204を有するように示されているが、本発明は、少なくとも一対のレールブラケット204があれば、任意の数の対のレールブラケット204を例示的なシャーシ202に提供することができると考えられる。各対のレールブラケット204は、シャーシの底面206から同じ高さに位置する。コンピュータシャーシに2対以上のレールブラケット204が存在するいくつかの例では、各対のレールブラケット204は、(図2に示すように)設定高さ206aに存在することができる。別の例(図示省略)では、高さ206aは、各対のレールブラケット204で可変であってもよい。例えば、設定高さ206aは、第1サイズのスレッド110の高さとすることができる。各レールブラケット204は、(図3に示すように)シャーシ202の幅に沿って延在する。よって、各対のレールブラケット204によって、シャーシ202がスレッド110,112,114のうち何れかを収容することができる。
【0027】
第1ロード構成202cでは、シャーシ202は、3つの第1サイズのスレッド110を搭載することができ、2つの第1サイズのスレッド110を二対のレールブラケット204a,204bの上部に載せ、3つ目の第1サイズのスレッド110をシャーシ202の底面206上に載せることができる。第2ロード構成202dでは、シャーシ202は、2番目の対のレールブラケット204bの上部に第2サイズのスレッド112を搭載し、第1サイズのスレッド110を底面206上に載せることができる。第3ロード構成202eでは、シャーシ202は、第2サイズのスレッド112を底面206上に載せ、第1サイズのスレッド110を1番目の対のレールブラケット204a上に載せることができる。第4ロード構成202fでは、シャーシ202は、第3サイズのスレッド114を底面206に載せることができる。
【0028】
シャーシ202は、システムのニーズに応じて、様々なロード構成202c,202d,202e,202fを提供することができる。シャーシ202は、シャーシ202を交換することなく、個々のスレッド110,112,114を交換することができる。例えば、シャーシ202は、レールブラケット204a,204b上に載せられた第1サイズのスレッド110を取り外し、第2サイズのスレッド112をレールブラケット204b上に搭載することにより、構成202cから構成202dに容易に移行することができる。このシャーシ202は、スレッドの容易な交換ができない従来の設計を超える実質的な利点を提供する。
【0029】
本発明のいくつかの例では、第1サイズのスレッド110は1Uスレッドであってもよく、第2サイズのスレッド112は2Uスレッドであってもよく、第3サイズのスレッド114は3Uスレッドであってもよい。1Uスレッド、2Uスレッド及び3Uスレッドが特別に定義されているが、本発明は、任意のスレッドが使用可能であると想定している。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態による例示的なシステム300を示す図である。システム300は、多くのコンポーネントと、図1及び図2と同様の符号と、を含む。また、システム300は、シャーシ302と、トレイベース306と、第1後部ブラケット308と、第2後部ブラケット310と、メインボード312と、を含むことができる。
【0031】
システム300は、2つのパーティション302a,302bを有するシャーシ302を含み、各パーティション302a,302bは、スレッド110又はスレッド112を収容することができる。各パーティション302a,302bは、パーティション302a,302bの長さに沿って延在する一対のレールブラケット204を有する。各対の単一のレールブラケット204が示されているが(例えば、側面302d,302e)、各レールブラケットは、パーティション302a,302bの反対側(例えば、側面302f,302gの各々)に対応する部材を有することができる。システム300は、パーティション302a,302b毎に一対のレールブラケット204のみを示しているが、パーティション302a,302bは、(例えば、図2に関して説明したように)任意の数の対のレールブラケット204を有してもよい。システム300は、2つのパーティション302a,302bのみを示しているが、シャーシ302は、任意の数のパーティションを有してもよい。
【0032】
システム300は、スレッド110,112をさらに設けることができ、各スレッドは、トレイベース306と、メインボード312と、を有する。トレイベース306は、メインボード312及びメインボード312上の任意のコンピュータコンポーネントに対して構造的なサポートを提供する。メインボード312は、1Uスレッドサイズを超えるコンピュータコンポーネントを搭載することができる。システム300は、第1サイズのスレッド110用の第1後部ブラケット308と、第2サイズのスレッド112用の第2後部ブラケット310と、をさらに含むことができる。後部ブラケット308,310は、プラグインされた追加のコンポーネントをサポートして、電磁干渉シールドを提供し、ユーザがプリント回路基板に直接接触するのを防止する。本発明のいくつかの例では、後部ブラケット308,310は、トレイベース306に直接取り付けられ、他の例では、後部ブラケット308,310は、メインボード312上のコンピュータコンポーネントに取り付けられてもよい。
【0033】
例えば、シャーシ302は、第2サイズのスレッド112を第1パーティション302aに収容し、第1サイズのスレッド110を第2パーティション302bに収容することができる。第1サイズのスレッド110は、シャーシ302の底面302c上に、又は、一対のレール204に沿って載置することができる。第2サイズのスレッド112は、シャーシ302の高さ316と同じ高さ314を有してもよい。図3は、パーティションが同じ設計を有し、任意のサイズのスレッドを収容することができるので、スレッド110又はスレッド112がパーティション302a,302bに適合可能であることを示している。よって、システム300は、何れのスレッドがシャーシの何れの部分に入るかを柔軟に管理することができない従来のシャーシ設計よりも優れた利点を提供する。
【0034】
図4Aは、本発明の一実施形態による例示的なシステム400Aの正面図である。システム400Aは、多くのコンポーネントと、図1図3と同じ符号と、を含む。また、システム400Aは、後部ブラケット310の端部402と、中間部分404と、を示している。端部402の高さは、レールブラケット204の設定高さ406より低くてもよく、中間部分404の高さは、設定高さ406より高くてもよい。端部402の高さが低いことにより、後部ブラケット310をシャーシ302内にスライドすることができ、後部ブラケット310は、スレッド及びスレッド上のコンピュータコンポーネント(図示省略)を保護することができる。
【0035】
よって、シャーシ302は、第1サイズのスレッド110及び第2サイズのスレッド112を収容することができる。本発明は、スレッドの高さがシャーシ302の高さよりも高くなければ、シャーシ302が任意のサイズのスレッドを収容することができると考えられる。
【0036】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、2Uスレッド及び後部ブラケット400Bの側面図であり、図4Cは、本発明のいくつかの実施形態による、1Uスレッド及び後部ブラケット400Cの側面図である。図4B及び図4Cは、多くのコンポーネントと、図1図3と同じ符号と、を含む。また、図4B及び図4Cは、後部ブラケット308,310の前部308a,310aを示している。図4B及び図4Cは、スレッド110,112毎に同じトレイベース306及びメインボード312を使用可能であることを示している。
【0037】
図5Aは、本発明の実施形態による、ロード構成500Aにおける例示的な区分化されたシャーシを示す図であり、図5Bは、部分的なロード構成500Bにおける例示的なシャーシを示す図である。図5A図5Bは、多くのコンポーネントと、図1図4Cと同じ符号と、を含む。図5A図5Bは、シャーシ302が、第2サイズのスレッド112をパーティション302aにどのように搭載し、2つの第1サイズのスレッド110をパーティション302b内にどのように搭載することができるかを示している。図5Bは、各スレッド110a,110b,112を、互いに独立してシャーシにどのように出し入れするかを示している。例えば、スレッド112は、シャーシ302から半分引き出され、底部スレッド110は、シャーシ302から少し引き出され、上部スレッド110は、ロード構成のままである。
【0038】
よって、図5A図5Bは、シャーシ302全体を交換してシャーシ302から他の既存のスレッド(例えば、パーティション302b内の2つのスレッド110)を取り外す必要なく、第2サイズのスレッド112を2つの第1サイズのスレッド110に交換することができる方法を示している。
【0039】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、これらの実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。開示された実施形態に対する多くの変更は、本発明の趣旨及び精神から逸脱することなく、本明細書の開示に従って行うことができるよって、本発明の広さや範囲は、上述した何れの実施形態によっても限定されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びこれらの均等物に従って定義されるべきである。
【0040】
本発明は、1つ以上の実施形態に関して図示及び説明されているが、当業者であれば、本明細書及び添付の図面を読んで理解すれば、同等の変更及び修正を行うことができるであろう。また、本発明の特定の特徴は、いくつかの実施形態のうち1つの実施形態のみに関して開示されてもよいが、かかる特徴は、他の実施形態の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよく、所定の又は特定の用途に望まれ、有利になり得る。
【0041】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されているように、「一」、「1つの」、「この」という単数形は、文脈が他のことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含む」、「有する」やこれらの変化形が、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲に用いられており、このような用語の意味は、「備える」という用語と同様に包括的であることを意図している。
【0042】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書において定義されるような用語は、関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【符号の説明】
【0043】
102…第1設計
104…第2設計
106…第3設計
108…第4設計
102a,104a,106a,108a…アンロード位置
102b,104b,106b,108b,500A,500B…ロード位置
110…第1サイズのスレッド
112…第2サイズのスレッド
114…第3サイズのスレッド
202…シャーシ
202c…第1ロード構成
202d…第2ロード構成
202e…第3ロード構成
202f…第4ロード構成
204…レールブラケット
204a…1番目の対のレールブラケット
204b…2番目の対のレールブラケット
206,302c…底面
206a,406…設定高さ
300,400A…システム
302a,302b…パーティション
302d,302e,302f,302g…側面
306…トレイベース
308…第1後部ブラケット
310…第2後部ブラケット
308a,310a…前部
312…メインボード
314,316…高さ
400B,400C…後部ブラケット
402…端部
404…中間部分
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B