(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】バイオ3次元プリンター
(51)【国際特許分類】
B29C 64/336 20170101AFI20220201BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20220201BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20220201BHJP
B29C 64/245 20170101ALI20220201BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20220201BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220201BHJP
B33Y 40/10 20200101ALI20220201BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20220201BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20220201BHJP
B29C 64/25 20170101ALI20220201BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20220201BHJP
B29C 64/35 20170101ALI20220201BHJP
【FI】
B29C64/336
B29C64/165
B29C64/386
B29C64/245
B29C64/295
B33Y30/00
B33Y40/10
B33Y70/00
B33Y50/00
B29C64/25
B29C64/209
B29C64/35
(21)【出願番号】P 2019520747
(86)(22)【出願日】2017-10-18
(86)【国際出願番号】 KR2017011527
(87)【国際公開番号】W WO2018074838
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】10-2016-0135665
(32)【優先日】2016-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519134452
【氏名又は名称】ロキット ヘルスケア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ソク ファン
【審査官】田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-011237(JP,A)
【文献】特開2015-205455(JP,A)
【文献】特開2015-112751(JP,A)
【文献】特開平05-034184(JP,A)
【文献】特開2016-144868(JP,A)
【文献】国際公開第2015/060923(WO,A1)
【文献】特開平11-83270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/174824(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/263827(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00ー64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に作業空間が設けられたケース;
前記ケースの内部に設置され、
前後方向及び左右方向にスライディング移動する出力板が備えられるステージユニット;
前記ケースの内部に設置され、固体状態のバイオ材料を前記出力板に吐出する第1ノズル;
前記ケースの内部に設置され、流体状態のバイオ材料を前記出力板に吐出する第2ノズル;
前記ケースに連結されて前記出力板および前記第2ノズルのうち少なくとも一つの温度を調節する温度調節部;および
前記第1ノズルおよび前記第2ノズルの吐出を制御する制御部;を含み、
前記第1ノズルと前記第2ノズルを使用して固体状態のバイオ材料と流体状態のバイオ材料を積層させて一つの構造物として出力
し、
前記温度調節部は、
冷却水を保管する水槽;
一面の温度が上昇するほど他面は温度が低くなるペルチェ部材;および
前記出力板と前記第2ノズルの温度を上げるヒーティング部材;を含む、バイオ3次元プリンター。
【請求項2】
前記制御部は前記温度調節部を制御する、請求項1に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項3】
前記制御部は、
前記温度調節部を通じて前記出力板および前記第2ノズルの温度を独立的に制御可能に提供される、請求項2に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1ノズルおよび前記第2ノズルを独立的に制御可能に提供される、請求項2に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項5】
前記制御部は、
流体状態の前記バイオ材料を段階的に吐出するように前記第2ノズルを制御し、
前記段階的吐出は第2ノズルと連結されたステッピングモーターによって行われる、請求項3または請求項4に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項6】
前記第2ノズルの外部を取り囲み、前記第2ノズルを断熱させる断熱カバーをさらに含む、請求項5に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項7】
前記温度調節部は、
前記冷却水を前記ペルチェ部材と接触させる移送部材;および
前記冷却水を移送させるポンプ;をさらに含み、
前記ペルチェ部材は、
前記出力板と前記第2ノズルにそれぞれ付着されて前記出力板と前記第2ノズルの温度を下げる、請求項
1に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項8】
前記ケースは、
前記作業空間を開放または密閉させるドアを提供する、請求項1に記載のバイオ3次元プリンター。
【請求項9】
前記ケースの内部には、
前記作業空間を浄化する浄化部材が備えられる、請求項1に記載のバイオ3次元プリンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオ3次元プリンターに関するものであって、具体的には、固体状態のバイオ材料と液体状態のバイオ材料とを積層させて一つの構造物として出力できるバイオ3次元プリンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近組織工学と再生医学の研究分野およびオーダーメイド医療サービスに対する需要の増加につれて、バイオ材料を利用した3次元プリンターに対する研究が活発に進行されている。
【0003】
3次元プリンターは、xzy軸を構成するフレームと、バイオ材料の吐出のためのディスペンサ(dispense)形態のノズルを含む。このような従来の3次元プリンターは、ノズルにコラーゲン、ゼラチンなどのような粘性のある流体形態のバイオ材料を入れる。流体形態のバイオ材料が満たされたノズルに空圧システムを連結してバイオ材料を押し出しながら吐出する方式を使用した。
【0004】
しかし、前記のような吐出方式は、バイオ材料が流体形態ではない場合(例:パウダー、ペレット粒などの固体)、ノズルを高温に加熱してバイオ材料を流体形態に変換した後に吐出しなければならない。したがって、流体バイオ材料と固体バイオ材料を共に使用するためには、ノズルを加熱後に冷やす過程を繰り返さなければならないため、ノズルの過負荷による問題点が発生する可能性があった。
【0005】
また、温度環境に敏感なバイオ材料の場合、吐出後に一定時間の間隔をおいて固まらなければならないが、温度環境が合わないため吐出後にすぐに固まってしまう問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、流体形態のバイオ材料と固体状態のバイオ材料を共に使用して一つの構造物として出力できるバイオ3次元プリンターを提供するためのものである。
【0007】
また、バイオ材料を吐出するノズルと構造物が積層される出力板の温度を調節できるバイオ3次元プリンターを提供するためのものである。
【0008】
本発明の目的はこれに制限されず、言及されていないさらに他の目的は下記の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はバイオ3次元プリンターを提供する。
【0010】
本発明の一実施例によると、内部に作業空間が設けられたケース;前記ケースの内部に設置され、上下左右にスライディング移動する出力板;前記ケースの内部に設置され、固体状態のバイオ材料を前記出力板に吐出する第1ノズル;前記ケースの内部に設置され、流体状態のバイオ材料を前記出力板に吐出する第2ノズル;および前記第1ノズルおよび前記第2ノズルの吐出を制御する制御部;を含み、前記第1ノズルと前記第2ノズルを使用して固体状態のバイオ材料と流体状態のバイオ材料を積層させて一つの構造物として出力する。
【0011】
一実施例によると、前記ケースに連結されて前記出力板および前記第2ノズルのうち少なくとも一つの温度を調節する温度調節部をさらに含み、前記制御部は前記温度調節部を制御する。
【0012】
一実施例によると、前記制御部は、前記温度調節部を通じて前記出力板および前記第2ノズルの温度を独立的に制御可能に提供される。
【0013】
一実施例によると、前記制御部は、前記第1ノズルおよび前記第2ノズルを独立的に制御可能に提供される。
【0014】
一実施例によると、前記制御部は、流体状態の前記バイオ材料を段階的に吐出するように前記第2ノズルを制御し、前記段階的吐出は第2ノズルと連結されたステッピングモーターによって行われる。
【0015】
一実施例によると、前記第2ノズルの外部を取り囲み、前記第2ノズルを断熱させる断熱カバーをさらに含む。
【0016】
一実施例によると、前記温度調節部は、冷却水を保管する水槽;一面の温度が上昇するほど他面は温度が低くなるペルチェ部材;および前記出力板と前記第2ノズルの温度を上げるヒーティング部材;を含む。
【0017】
一実施例によると、前記温度調節部は、前記冷却水を前記ペルチェ部材と接触させる移送部材;および前記冷却水を移送させるポンプ;をさらに含み、前記ペルチェ部材は、前記出力板と前記第2ノズルにそれぞれ付着されて前記出力板と前記第2ノズルの温度を下げる。
【0018】
一実施例によると、前記ケースは、前記作業空間を開放または密閉させるドアが提供される。
【0019】
一実施例によると、前記ケースの内部には、前記作業空間を浄化する浄化部材が備えられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一実施例によると、流体形態のバイオ材料と固体状態のバイオ材料を共に使用して一つの構造物として出力できる効果がある。
【0021】
また、バイオ材料を吐出するノズルと構造物が積層される出力板の温度を調節して、外部は固体で内部は流体状態である構造物を製造できる効果がある。
【0022】
本発明の効果は前述した効果に限定されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明によるバイオ3次元プリンターを示した斜視図。
【
図2】本発明によるバイオ3次元プリンターを示した正面図。
【
図3】
図1に図示された第1ノズルおよび第2ノズルを示した斜視図。
【
図4】
図1に図示されたステージユニットの移動構造を示した斜視図。
【
図5】本発明の実施例による浄化部材および換気部材を示した斜視図。
【
図6】本発明の実施例による温度調節部を示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を添付された図面を参照してさらに詳細に説明する。本発明の実施例は多様な形態に変形することができ、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本実施例は当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されたものである。
【0025】
以下、
図1~
図6を参照して本発明の一例を詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明によるバイオ3次元プリンター100を示した斜視図であり、
図2は本発明によるバイオ3次元プリンター100を示した正面図である。
図1および
図2を参照すると、本発明によるバイオ3次元プリンター100は、ケース110と、ステージユニット120と、第1ノズル130と、第2ノズル140と、制御部150と、そして温度調節部160を含む。
【0027】
ケース110は内部に作業空間が設けられた円筒状に提供され得る。ケース110は作業空間を開放または密閉させるドア111が提供され得る。作業空間にはケース110の内部の温度が表示される温度計113が備えられ得る。
【0028】
ステージユニット120は上下左右にスライディング可能に提供される。
図4は、
図1に図示されたステージユニット120の移動構造を示した斜視図である。
図4を参照すると、ステージユニット120は、出力板121、結合部材122、前後ガイド部材123、そして左右ガイド部材124を具備する。結合部材122はケース110の下部に位置し、出力板121と結合固定される。前後ガイド部材123は、結合部材122と連結されて出力板121の前後スライディングが可能に提供される。左右ガイド部材124は前後ガイド部材123と連結されて出力板121の左右スライディングが可能に提供される。
【0029】
第1ノズル130は固体状態のバイオ材料1を出力板121に吐出する。固体バイオ材料1は、フィラメント(断面が円形のワイヤー)タイプの高分子バイオ材料であり得る。第1ノズル130はケース110の内部の作業空間に設置される。
【0030】
図3は、
図1に図示された第1ノズル130および第2ノズル140を示した斜視図である。
図3を参照すると、第1ノズル130は、流入口131と吐出口132を含む。流入口131は第1ノズル130の上部に備えられて固体バイオ材料1が投入される。吐出口132は流入口131を通じて投入された固体バイオ材料1を押出して吐出する。第1ノズル130の押出時の過負荷を防止するために、第1ノズル130の一側にはファン133が提供され得る。
【0031】
図2に図示された通り、第1ノズル130を通じて吐出される固体バイオ材料1は、平常時は作業空間の一側に備えられた巻き取り部材134に巻き取られて保管され、使用時はガイド部材135を貫通して固体バイオ材料1が離脱しないようにした後、流入口131に投入される。
【0032】
第1ノズル130はエクストルーダー(extruder)ノズルとして提供され得る。一例として、エクストルーダーノズルの吐出口のサイズは0.2~0.4mmで提供され得る。第1ノズル130の押出方式は熱可塑性樹脂押出積層方式(Fused Filament Fabrication)が使用され得る。
【0033】
第2ノズル140は流体状態のバイオ材料を出力板121に吐出する。第2ノズル140はディスペンサ(dispense)ノズルとして提供され得る。
【0034】
第2ノズル140はケース110の内部の作業空間に設置される。
図3を参照すると、第2ノズル140は、ハウジング141、断熱カバー142、そしてステッピングモーター143を含む。ハウジング141には流体状態のバイオ材料が貯蔵される。ハウジング141は注射器の形態で提供され得る。
【0035】
断熱カバー142はハウジング141の外部を取り囲み、温度変化に敏感な流体状態のバイオ材料を外部から断熱させる。
【0036】
ステッピングモーター143は電気的信号制御によりハウジング141を上部から下部に押し出して流体状態のバイオ材料を吐出させる。ステッピングモーター143は分解能(最小限の電気的信号で移動する距離)で1.5micron移動可能である。したがって、流体状態のバイオ材料を1.5micron単位で段階的に吐出することができる。一例として、ディスペンサノズルの吐出口のサイズは0.05~0.8mmで提供され得る。これに伴い、ハイドロゲルのようなゲル形態の流体バイオ材料を1.5micron単位で吐出することができる。
【0037】
第2ノズル140の下部には光源モジュール116が設置され得る。光源モジュール116は、光硬化性流体状態のバイオ材料を硬化させるために紫外線波長を発生させることができる。一例として、第2ノズル140から光硬化性流体状態のバイオ材料が吐出されると、光源モジュール116を利用して流体状態のバイオ材料を吐出と同時に硬化させることができる。これに伴い、光源モジュール116は吐出された流体状態のバイオ材料が崩れないようにすることができる。
【0038】
制御部150は第1ノズル130および第2ノズル140の吐出を制御する。一例として、第1ノズル130は固体バイオ材料1で構造物の外部を硬組織で吐出し、第2ノズル140は液体状態のバイオ材料で構造物の内部を満たす。したがって、構造物はコアシェル(core-shell)構造で積層が可能である。すなわち、固体と液体状態のバイオ材料を共に使用して一つの構造物として混合積層が可能である。制御部150は後述する温度調節部160を制御する。
【0039】
図5は、本発明の実施例による浄化部材112および換気部材115を示した斜視図である。
図5を参照すると、ケース110の作業空間の上部には少なくとも一つ以上の殺菌用浄化部材112が設置され得る。また、ケース110の作業空間の上部には、作業空間の内部空気を循環させる換気部材115が設置され得る。浄化部材112は殺菌用UVランプで提供され得る。浄化部材112は作業空間の上部に多数個設置され得る。浄化部材112は作業空間の有害な微生物などを殺菌する。換気部材115は作業空間に流入する空気の清浄化を維持し、作業空間から外部に有害な微生物が放出されないように提供される。換気部材115はHEPAフィルター(Hepa Filter)で提供され得る。
【0040】
図6は、本発明の実施例による温度調節部160を示した図面である。
図6を参照すると、温度調節部160は、温度調節部ケース161と、水槽162と、ペルチェ部材163と、ヒーティング部材164と、そして熱伝導板167を含む。温度調節部160はケース110に連結されて、出力板121および第2ノズル140のうち少なくとも一つ以上の温度を調節する。このような温度調節部160は制御部150を通じて制御される。
【0041】
温度調節部ケース161は内部空間を提供する。温度調節部ケース161は金属材質で形成され得る。一例として、アルミニウムで形成され得る。
【0042】
水槽162は冷却水を保管することができる。水槽162は温度調節部ケース161の内部に提供される。
【0043】
ペルチェ部材163は出力板121と第2ノズル140の温度を下げることができる。一例として、制御部150を利用して出力板121と第2ノズル140の温度を-10度まで下げることができる。ペルチェ部材163は、電源供給装置(SMPS)から電源の供給を受けて一面の温度が上昇すると、他面の温度は低くなる。ペルチェ部材163は出力板121と第2ノズル140の一側にそれぞれ付着される。出力板121と第2ノズル140と接触するそれぞれのペルチェ部材163の断面は多面である。
【0044】
ヒーティング部材164は出力板121の一側に付着される。また、ヒーティング部材164は第2ノズル140の一側に付着される。このように、ヒーティング部材164は一対で提供され得る。ヒーティング部材164は電源供給装置(SMPS)から電源の供給を受けて出力板121と第2ノズル140の温度を上げることができる。一例として、制御部150を利用して出力板121と第2ノズル140の温度を80度まで上げることができる。
【0045】
熱伝導板167はペルチェ部材163およびヒーティング部材164にそれぞれ付着される。それぞれの熱伝導板167は、ペルチェ部材163およびヒーティング部材164から発生する熱エネルギーを出力板121および第2ノズル140に伝達する。それぞれの熱伝導板167は熱伝達率を高めるために、出力板121および第2ノズル140に接触する面積が広いことが好ましい。
【0046】
温度調節部160は移送部材165とポンプ166およびラジエーターを含む。
【0047】
移送部材165は冷却水をペルチェ部材163およびヒーティング部材164に移送させることができる。この時、ポンプ166およびラジエーターは移送される冷却水の速度を調節することができる。
【0048】
第2ノズル140とペルチェ部材163の間には熱伝導固定部材124が備えられ得る。熱伝導固定部材124は第2ノズル140をケース110の一側に固定させることができる。熱伝導固定部材124は温度調節部160から伝達される熱エネルギーを第2ノズル140に伝達することができる。
【0049】
以下では、前述したバイオ3次元プリンター100を利用して流体状態のバイオ材料を3次元構造物として積層する方法を説明する。
【0050】
常温で流体状態を維持し、設定温度範囲でのみ硬化するバイオ材料「A」がある。「A」を利用して3次元構造物を積層するために、温度調節部160を利用して「A」が注入される第2ノズル140の温度を常温に維持する。温度調節部160を利用して出力板121の温度を前記特定の温度に維持する。第2ノズル140に注入されたバイオ材料「A」を設定温度範囲の出力板121に吐出する。流体状態のバイオ材料「A」は吐出されながら出力板121上で硬化するため、3次元構造物の積層が可能である。このように設定温度範囲で硬化または流体化するバイオ材料を3次元構造物として積層することができる。
【0051】
このように、温度調節が可能な出力板121および第2ノズル140を使用することによって、設定温度範囲で硬化または流体化する多様なバイオ材料を3次元構造物の材料として使用することができる。
【0052】
使用者の便宜性のために、第2ノズル140および出力板121の温度を調節する機能は、ケース110の上部に備えられたタッチスクリーン114を通じて温度を設定することもできる。また、Android基盤のモバイル端末機と連結されて遠隔コントロールも可能である。
【0053】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を示して説明するものであって、本発明は多様な他の組み合わせ、変更および環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲および/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。前述した実施例は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野および用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された特許請求の範囲は他の実施状態も含むものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0054】
1:固体バイオ材料
100:バイオ3次元プリンター
110:ケース
111:ドア
112:浄化部材
113:温度計
114:タッチスクリーン
115:換気部材
116:光源モジュール
120:ステージユニット
121:出力板
122:結合部材
123:前後ガイド部材
124:左右ガイド部材
125:熱伝導固定部材
130:第1ノズル
131:流入口
132:吐出口
133:ファン
134:巻き取り部材
135:ガイド部材
140:第2ノズル
141:ハウジング
142:断熱カバー
143:ステッピングモーター
150:制御部
160:温度調節部
161:温度調節部ケース
162:水槽
163:ペルチェ部材
164:ヒーティング部材
165:移送部材
166:ポンプ
167:熱伝導板