(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】レキュペレータ
(51)【国際特許分類】
F28F 3/04 20060101AFI20220201BHJP
F23L 15/00 20060101ALI20220201BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
F28F3/04 B
F23L15/00 A
F28D9/00
(21)【出願番号】P 2019530810
(86)(22)【出願日】2017-11-27
(86)【国際出願番号】 NL2017050783
(87)【国際公開番号】W WO2018106102
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-07-17
(32)【優先日】2016-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】519378285
【氏名又は名称】リケア ビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン カステレン、 マリヌス ヘンリキュス ヨハンネス
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-011456(JP,A)
【文献】特開昭63-140295(JP,A)
【文献】特開昭59-173687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/04,3/08
F28D 9/00-9/04
F23L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に延びかつその間に空気のための流路が形成される隣接シートを含み、該シートはそれぞれ波形プロファイルを備え、該波形プロファイルは少なくとも延在する山、谷及び直線側面を有し、各側面は山と谷とを相互接続し、関連するシートと平行に延びる中心面と交差し、シートの山と谷はシートの中心面から等距離に配置され、隣接する側面が山又は谷を介して互いに直接接続され、隣接する側面間に第1の通路ダクト部分が形成され、隣接する側面が山を介して互いに接続され、通路ダクト部分はそれぞれ一端でそれぞれの山によって区切られ、山の反対側に位置する端で開いており、第2の通路ダクト部分が、互いに谷によって直接接続された隣接する側面の間に形成され、第2の通路ダクト部分は、それぞれ一端でそれぞれの谷によって区切られ、かつ谷の反対側に位置する端で開いており、その上、中心面に対して直角な方向では、シートの第1の通路ダクト部分と、隣接するシートの第2の通路ダクト部分が、1つのシートに関連する谷と他のシートに関連する山の間に延びる連結通路部分を介して互いに連通するように隣接するシートに関連する山は互いに整列し、隣接するシートに関連する谷は互いに整列し、第1の通路ダクト部分、第2の通路ダクト部分、及び2つのシートの間の連結通路部分は、共に流路を形成するレキュペレータにおいて、
前記連結通路部分を画定するそれぞれの山と谷との間の最小距離は、関連する中心面の位置における隣接する側面間の距離の40%より大き
く、
前記第1の通路ダクト部分と前記第2の通路ダクト部分とが蛇行パターンに従い、
前記蛇行パターンが直線部分を含み、その長さに沿ってシートに関連する第1の通路ダクト部分及び第2の通路ダクト部分が、隣接するシートに関連する第1の通路ダクト部分及び第2の通路と平行に延びるレキュペレータ。
【請求項2】
前記連結通路部分を画定する山と谷の間の最小距離は、隣接する側面間の距離の60%よりも大きい、請求項1に記載のレキュペレータ。
【請求項3】
前記連結通路部分を画定する山と谷の間の最小距離は、隣接する側面間の距離の85%よりも小さい、請求項1又は2に記載のレキュペレータ。
【請求項4】
前記連結通路部分を画定する山と谷の間の最小距離は、隣接する側面間の距離の80%よりも小さい、請求項1又は2に記載のレキュペレータ。
【請求項5】
中心面と関連する山又は谷の端部との間の距離と、中心面が2つの隣接側面と交差する場所で測定された2つの隣接側面との間の距離との間の比が少なくとも1である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【請求項6】
山及び/又は谷が、尖った縁部を介して互いに隣接しかつ角度を成す2つの尖った側面を備える、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【請求項7】
シートの山は、隣接するシートの谷を圧迫する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【請求項8】
第1の通路ダクト部と第2の通路ダクト部とが隣接するシートに対して鏡面対称にシート蛇行する、請求項
1に記載のレキュペレータ。
【請求項9】
側面が断面において互いに平行に延びる、請求項
1乃至8のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【請求項10】
側面、又は少なくともその延長部が、横断面において互いに最大でも20度の角度を囲む、請求項
1乃至9のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【請求項11】
隣接するシートの中心面間の距離が2mm~20mmである、請求項
1乃至10のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【請求項12】
波形の単一周期が1mmから10mmの間の長さを有する、請求項
1乃至11のいずれか1項に記載のレキュペレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行に延びかつその間に空気のための流路が形成される隣接シートを含み、該シートはそれぞれ波形プロファイルを備え、該波形プロファイルは少なくとも延在する山、谷及び直線側面を有し、各側面は山と谷とを相互接続し、関連するシートと平行に延びる中心面と交差し、シートの山と谷はシートの中心面から等距離に配置され、隣接する側面が山又は谷を介して互いに直接接続され、隣接する側面間に第1の通路ダクト部分が形成され、隣接する側面が山を介して互いに接続され、通路ダクト部分はそれぞれ一端でそれぞれの山によって区切られ、山の反対側に位置する端で開いており、第2の通路ダクト部分が、互いに谷によって直接接続された隣接する側面の間に形成され、第2の通路ダクト部分は、それぞれ一端でそれぞれの谷によって区切られ、かつ谷の反対側に位置する端で開いており、その上、中心面に対して直角な方向では、シートの第1の通路ダクト部分と、隣接するシートの第2の通路ダクト部分が、1つのシートに関連する谷と他のシートに関連する山の間に延びる連結通路部分を介して互いに連通するように隣接するシートに関連する山は互いに整列し、隣接するシートに関連する谷は互いに整列し、第1の通路ダクト部分、第2の通路ダクト部分、及び2つのシートの間の連結通路部分は、共に流路を形成するレキュペレータに関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO2013/093375A1は、そのような熱交換器の説明を提供している。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、効率が向上したレキュペレータを提供することである。この目的のために、連結通路部分を画定するそれぞれの山と谷との間の最小距離は、関連する中心面の位置における隣接する側面間の距離の40%より大きい。隣接する側面間の距離が一般的に後述されるが、これは関連する中心面の位置における隣接する側面間の距離を意味すると理解される。本発明は、一方では連結通路部分を画定する山と谷との間の距離と隣接する側面間の距離との間の比と他方では効率との間に関係があり、他方ではこれを使って、レキュペレータを操作できるという驚くべき洞察に基づく。この場合、本発明は、第1に、2枚の隣接シート間の空気の最大速度が減少するにつれて、通過ダクト部分及び2枚の隣接シート間の連結通路部分を通る空気流の均一性が増加するという洞察に基づく。一般に、2枚の隣接するシート間の空気の最大速度が、シートまでの距離が比較的大きい場合に達成されることは十分に有効である。シートに直接隣接している領域では、空気速度は実際には遅い、又はゼロでさえある。本発明は第2に、2つの隣接するシート間の空気流の均一性が増すにつれてレキュペレータの効率が増すという洞察に基づいている。これは、レキュペレータの2枚の隣接するシートの間の空気の最大速度とレキュペレータの効率との間に反比例の関係があることを意味する。コンピュータシミュレーションにより、連結通路部分を画定する山と谷との間の距離と隣接する側面間の距離との間の比が20%~40%である領域における2枚のシート間の最大空気速度は、ほぼ同じままであることが決定された。それぞれの比率が40%より大きくなると、最大空気速度の減少が見られ、それは効率の向上をもたらす。
【0004】
上記割合がさらに60%を超えて増加すると、最大空気速度がさらに減少し、その結果効率が増加する。
【0005】
さらに、前述の比率が85%である場合、最大速度は比較的高く、その結果、レキュペレータの効率は比較的低いことが分かった。比率が85%から増加すると、最大速度も急速に増加する。しかし、比率が85%より減少すると、最高速度も最初は急速に減少し、その結果効率が上がる。この点に関して、連結通路部分を画定する山と谷との間の最小距離が、隣接する側面間の距離の80%より小さいことが好ましい場合がある。
【0006】
上記に照らして、最大の効率は比率が、一方では連結通路部分を画定するそれぞれの山と谷との間の最小距離が、他方では隣接する側面の間の距離が、40%~85%の間、より具体的には60%~80%の間にある領域のときに達成される。さらに、連結通路部分に予期せぬ局所凍結現象が発生した場合、空気が流路内の氷を容易に回避することができ、それによって閉塞の危険性が低減される。
【0007】
特に、中心面と関連する山又は谷の端部との間の距離と、中心面が2つの隣接側面と交差する場所で測定された2つの隣接側面との間の距離との間の比が少なくとも1、好ましくは少なくとも1.5であれば、シートの製造可能性、レキュペレータにわたって低い圧力降下を達成すること、及びレキュペレータの所望の効率のようなレキュペレータが満たすべきさまざまな要件の間で満足のいく妥協が達成され得ることが分かった。
【0008】
山及び/又は谷が、尖った縁部を介して互いに隣接しかつ角度を成す2つの尖った側面を備える場合、実際に製造され得る実施形態を得ることができる。2つの尖った側面の使用は、本発明による連結通路部分を画定する山と谷の間の距離と隣接する側面の間の距離との間の比を決定するための良い機会を提供する。以下の実施形態の場合のように、シートが互いの上に積み重ねられる場合、本実施形態はさらに、山と谷の尖った端部を介した隣接するシート間の接触が点接触であるという利点を提供する。シートの頂部が隣接シートの谷を圧迫する場合には、隣接シートの相互の正確な位置決めを簡単な方法で達成することができる。このようにして、シートを互いの上に積み重ねることができる。
【0009】
このような積層は、第1の通路ダクト部と第2の通路ダクト部とが蛇行パターンに従い、特に第1の通路ダクト部と第2の通路ダクト部とが隣接するシートに対して鏡面対称にシート蛇行する場合に特に効率的に達成することができる。
【0010】
蛇行パターンが直線部分を含み、その長さに沿ってシートに関連する第1の通路ダクト部分及び第2の通路ダクト部分が、隣接するシートに関連する第1の通路ダクト部分及び第2の通路と平行に延びる場合、レキュペレータの効率にとって有利であり得る。直線部分の領域では、連結通路部分は一定の形状及び大きさを有する。
【0011】
高い効率を達成するためには、側面が断面において互いに平行に延びることが好ましい。
【0012】
シートの製造性は、特にダイによって実施される場合、側面、又は少なくともその延長部が、横断面において互いに最大でも20度の角度を囲む場合に有益であり得る。
【0013】
一般に、例えば隣接するシートの中心面間の距離が2mm~20mmである場合、及び/又は波形の単一周期が1mmから10mmの間の長さを有する場合、例えば製造性及び効率に関して、レキュペレータが満たさなければならない様々な要件の間で満足のいく妥協点が達成され得ることは十分に有効である。
【0014】
以下の図面を参照しながら、本発明による復熱装置の可能な実施形態の説明によって、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1a】本発明によるレキュペレータの一部を形成する2枚のシートの一部の分解図をアイソメで示す。
【
図1b】互いの上に横たわっている、
図1aによる2枚のシートの2つの尖った端部の平面図を示す。
【
図2】互いの上に横たわっている
図1aによるシートの断面の一部を示す図である。
【
図3】水平方向の百分率でのDに対する縦横比のメートル当たりの最大流速を示す比dを示すグラフである。
【
図4a】
図3によるグラフの実線で示されているように、それぞれ1から6の番号が付けられた6つの断面を示している。
【
図4b】
図3によるグラフの実線で示されているように、それぞれ1から6の番号が付けられた6つの断面を示している。
【
図4c】
図3によるグラフの実線で示されているように、それぞれ1から6の番号が付けられた6つの断面を示している。
【
図4d】
図3によるグラフの実線で示されているように、それぞれ1から6の番号が付けられた6つの断面を示している。
【
図4e】
図3によるグラフの実線で示されているように、それぞれ1から6の番号が付けられた6つの断面を示している。
【
図4f】
図3によるグラフの実線で示されているように、それぞれ1から6の番号が付けられた6つの断面を示している。
【
図5】本発明による代替のレキュペレータの一部を形成することができるようなシートの代替の実施形態の
図2と同様の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1aは、トップシート1及びボトムシート2、より具体的にはそれらの2つの部分の分解図を示す。シート1,2は積み重ねられたシートの集まりの一部を形成し、それは今度はレキュペレータの一部を形成する。シートの集まりは、典型的には、10枚から200枚の間、さらには400枚のシートを含む。シート間には流路が形成され、その形状はより詳細に説明される。使用時には、空気は流路を通って流れ方向21に流れ、逆に反対方向に流れる。隣接する流路内の空気は反対の流れ方向に流れる。
【0017】
各シートは波形の輪郭を有する。波形プロファイルは、山3、谷4、及び直線側面5からなる。側面5は、
図2の断面において互いに平行に延びている。側面5は、頂部3と谷部4とを互いに接続する。各側面は、関連するシートと平行に延びる仮想の中心面6(
図2参照)によって、その長手方向の延長部の中央で切断される。山3と谷4は中心面の両側に等間隔で配置されている。本発明の文脈において、側面5が正確に平行ではなく、例えば鏡面対称に、互いに最大でも20度の比較的小さい角度を囲むことも可能である。このようなプロファイリングは、シートの製造工程中にシート1をダイから分離するのを容易にする。
【0018】
第1の通路ダクト部7は、頂部3を介して互いに直接接続されている隣接した側面の間に位置している。それぞれの山3の反対側に位置する端部において、各第1の通路ダクト部7は断面が開いている。第2の通路ダクト部8は、トラフ4を介して互いに直接接続された隣接する側面面5の間に形成され、この第2の通路ダクト部8もまた、トラフ4の反対側に位置する端部で開口する。
【0019】
頂部3は、中心面6に対して直角に延びる鏡面に対して鏡面対称である2つの尖った側面3a、3b(
図2参照)を含む。長手方向縁部3c、3dの一方において、尖った側面は側面5に隣接する。長手方向縁部3c、3dの反対側に位置する縁部では、尖端面3a、3bは尖端縁3eの位置で互いに隣接している。同様に、トラフ4は2つの尖端側面4a、4bを含み、それらの長手方向縁4c、4dはそれぞれ側面5に隣接し、尖端4eを介して互いに隣接している。
【0020】
特に
図2に見られるように、中心面6に対して直角の方向で見ると、シートの山3とシートの谷4の両方は互いに対して整列している。この配置は、トップシート1の第1の通路ダクト部7とボトムシート2に関連する第2の通路ダクト8とが連結通路部9を介して互いに連通するようになっている。これらの連結通路部分9は、トップシート1に関連する谷4とボトムシート2に関連する山3との間に延びる。既に述べたように、すべての第1の通路ダクト部7、第2の通路ダクト部8、及び隣接する2枚のシート1,2間の連結通路部9は一緒になって流路を形成する。したがって、流路は、実質的にシートの全幅にわたって延びており、これは、流れ方向21に対して直角で中心面6に平行な方向から見たシートの寸法を意味すると理解される。上記の幅方向で見て、シートの端部において、隣接するシート1,2は気密に隣接している。流路の端部は開口しており、流れ方向21から見て互いに向かい合って位置していることは当業者には明らかであろう。
【0021】
平面視において、第1の通路ダクト部7と第2の通路ダクト部8とは蛇行している。この蛇行パターンは、蛇行部11a、11bを介して互いに接続された直線部10を含む。
図1bに示すように、隣接するシートと関連する第1の通路ダクト7と第2の通路ダクト部分8とは互いに鏡面対称に蛇行する。
図1bは、より具体的には、底部シート2の頂部3の尖端部3e及び頂部シート1に関連する谷部4の尖端部4eを示す。トップシート1の尖端4eは、ボトムシート2の尖端3e上に点接触を介して横たわっており、これは隣接する2枚のシートの全ての組み合わせに当てはまる。当業者には理解されるように、尖った縁部3e及び4eは、関連する第1の通路ダクト部分7及び第2の通路ダクト部分8と同じ蛇行パターンを有する。直線部分10の長さ内では、
図2に部分的に示されているように(チェックが付された部分を参照)流路の横断面は一定であり、それはd及びDの値も前記長さ内で一定であることを意味する。
【0022】
図2からの断面は、明らかに一定の縮尺で、幅と高さが4から10の比にある長方形の領域の正しい比率で表されている。この領域の幅は波形の2周期に相当する。領域の高さは、隣接するシート1,2の2つのプロファイルの高さに対応する。4×10の面積は実際には4mm×10mmの面積に対応する。
【0023】
隣接する2つの側面5間の距離は「D」で示されている。山3と谷4が連結通路部分9を画定する、最後に命名された山3と谷4の間の最小距離は、「d」で示される。
図3は、
図1aの2つの部分のプロファイルを有するシートのレキュペレータに対する数値シミュレーションの結果であるグラフを示す。横軸は、距離Dに対する距離dの百分率での比を示す。この比は、
図4a~4fに示すように、尖端側面3aと3bとの間及び尖頭側面4aと4bとの間の角度を変えることによって変えることができ、これらの図は、
図2のものと同様に6つの異なる断面を示している。
図4aの断面1から
図4fの断面6まで、それぞれの比率は約20%からほぼ90%に増加する。
【0024】
図3の縦軸は流路内の空気の最大流速をメートル毎秒で示す。この場合の出発点は、2つの隣接するシート1、2の間のダクトを通る空気流が層流であり、1m/sの平均速度で進むことである。抵抗により、シートに近い空気は流路内でシートからより遠くに位置する空気よりも遅い速度を有する。
図4a~4fのそれぞれの断面1~6において、流速が毎秒1メートルに等しい等流速線が示されている。一方ではそれぞれのシートによって、言い換えればその側面、山及び谷によって、そして他方では等流速線によって画定される領域では、流速は毎秒1メートル未満である。このようにして等流速線の内側に位置する流れ通過面の残りの部分については、流速はしたがって、毎秒1メートルよりも大きい。
【0025】
図3のグラフ中の実線は、
図2に示されるように、4×10の面積に関する。しかしながら、距離dと距離Dとの間の比率は、前の段落で説明したように変化する。実線が示すように、最大流速は20%から40%の範囲でほぼ同じである。最大速度は40%から前述の比率が70%になるまで減少します。70%から、最大流速は比較的急速に増加し、最大流速は20%の値よりも約78%以上大きい。
【0026】
最大速度はそれぞれの空気流の均一性の指標である。この最大空気速度が低いほど、流路内の空気流がより均一になり、空気が流路の流れ通過面にわたってより良好に分配される。空気が流れ通過面を横切ってより良く分配されるほど、レキュペレータはシートの両側の2つの空気流の間でよりよく熱交換することができるようになる。
【0027】
図3のグラフはまた、上述の輪郭の寸法とは異なる寸法を有する輪郭に関する4本の線を示している。4mm×6mmの寸法の場合、波形の高さは4mm×10mmの寸法の場合よりも小さいが、波形の高さは実際には4mm×14mmの寸法の場合より高い。
しかしながら、それぞれの波形の周期の長さは変化しないままである。3mm×10mm及び5mm×10mmの寸法では、最後に述べた距離は実際には変化する、すなわち、それぞれより小さくそしてより大きくなる。しかし、波形の高さは変わらない。
【0028】
そのような変種の4本のグラフ線は、4mm×10mmの状況での連続したグラフ線とほぼ同じ絵を示し、20%から、65%と72%の間の領域にある谷まで減少し、それよりも上では急激な増加を示す。このグラフによれば、この変形では最大流速が最も低いという意味で、3mm×10mmの寸法を有する波形が好ましい像を示している。
【0029】
最終的には、レキュペレータのための最適デザイン、より具体的には例えばあるプロファイルのシートの製造性及び流路の開口の間での限定的な圧力低下を達成する要望のような、シートのプロファイルの最適デザインを決定するときにより多くの側面が役割を果たす。
【0030】
図5は、別の実施形態による2つの隣接するシート31、32の一部を断面図で示している。シート31、32のプロファイリングは、上述のシートのプロファイリングとは異なる。各シート31、32は、頂部33、谷部34及び側面35を有する。山33又は谷34に隣接する隣接側面35は、それぞれの山33又は谷34の方向に10度の角度で互いに向かって傾斜している。頂部33と谷部34は同一で非対称である。ピーク33は、横断面で長さが等しくなく、尖端部33eの位置で互いに隣接する尖端面33a及び33bを有する。尖端側面34aは、側面35に連続して延びる。谷34は、同様に長さが等しくない尖った側面34a及び34bと、尖った側面34a及び34bが互いに隣接する尖ったエッジ34eとを有する。尖端側面34bは、側面35に連続して延びる。
図5はまた、シート31、32に関連する中心面36、関連する中心面36の位置で測定された隣接する側面35間の距離D、及びシートの山33と隣接するシートの反対側の谷34との間の最小距離dも示す。