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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】低粘度リン酸ポリオール
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20220201BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20220201BHJP
   C08G 18/08 20060101ALI20220201BHJP
   C08G 18/16 20060101ALI20220201BHJP
   C08G 65/04 20060101ALI20220201BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20220201BHJP
【FI】
C08G18/00 J
C08G18/40 018
C08G18/08 038
C08G18/16
C08G18/00 H
C08G65/04
C08G101:00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019543188
(86)(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017058108
(87)【国際公開番号】W WO2018081139
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-05-11
(31)【優先権主張番号】62/412,476
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519151046
【氏名又は名称】エル・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ELE’ CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100088801
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 宗雄
(72)【発明者】
【氏名】ヨギ・パテル
(72)【発明者】
【氏名】フロイ・ペルティエ
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・エル・ユーバンク
(72)【発明者】
【氏名】マーク・リストマン
【審査官】内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105218782(CN,A)
【文献】特開昭48-047992(JP,A)
【文献】特開2011-202120(JP,A)
【文献】特表2016-521269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00
C08G 18/40
C08G 18/08
C08G 18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルポリオール、リン酸ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤、芳香族イソシアネートおよびリン酸トリアルキルを含有し、
リン酸ポリオールとして、15.0pphp(前記ポリエステルポリオール100質量部に対して15.0質量部)以下の量でリン酸ポリオールを含有するハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項2】
リン酸トリアルキルが、リン酸トリエチルを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項3】
リン酸ポリオール:リン酸トリエチルの重量比が、約90:10である、請求項2記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項4】
リン酸ポリオール:リン酸トリエチルの重量比が、約80:20である、請求項2記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項5】
リン酸ポリオール:リン酸トリエチルの重量比が、約70:30である、請求項2記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項6】
リン酸ポリオールとして、7.5pphp(前記ポリエステルポリオール100質量部に対して7.5質量部)の量でリン酸ポリオールを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項7】
リン酸ポリオールとして、15.0pphp(前記ポリエステルポリオール100質量部に対して15.0質量部)の量でリン酸ポリオールを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項8】
ポリエステルポリオールが、芳香族ポリエステルポリオールを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項9】
触媒が、オクタン酸カリウムおよびペンタメチルジエチレントリアミンを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項10】
触媒が、ジエチレングリコール中のオクタン酸カリウムおよびペンタメチルジエチレントリアミンを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項11】
発泡剤が、水、ペンタンおよびブタンの少なくとも1種である、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項12】
界面活性剤が、シリコーンポリエーテルを含有する、請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項13】
香族ポリエステルポリオール、
リン酸ポリオール、
水、ペンタンおよびブタンの少なくとも1種を含有する発泡剤、
オクタン酸カリウムおよびペンタメチルジエチレントリアミンを含有する触媒、
シリコーンポリエーテルを含有する界面活性剤、
芳香族イソシアネート、および
リン酸トリアルキル
を含有し、
リン酸ポリオールとして、15.0pphp(前記芳香族ポリエステルポリオール100質量部に対して15.0質量部)以下の量でリン酸ポリオールを含有するハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤。
【請求項14】
請求項13記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤を含有するポリウレタンフォーム。
【請求項15】
請求項1記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤を含有するポリウレタンフォーム。
【請求項16】
請求項2記載のハロゲンフリーリン酸ポリオール配合剤を含有するポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
本出願は2016年10月25日に出願した米国仮特許出願番号62/412,476号の優先権を主張し、その出願の記載をここに参考として導入する。
【0002】
ポリウレタンおよび他の合成および天然ポリマーは可燃性であり、これらの材料の実際の適用において危険を有する。難燃剤は典型的にはポリマー材料用の燃焼性基準を満たすことを必要とする。多くの難燃剤はハロゲンを含有するが、より環境にフレンドリーな非ハロゲン代替物に大きな興味が注がれている。本発明の態様は、難燃剤としてポリマーに容易に導入されうる改善されたハロゲンフリーのリンポリオール組成物を包含する。本発明の他の態様では、ポリオールそれ自体に関して改良された難燃性能を提供する改善されたリン酸ポリオールに基づく配合を包含する。更に本発明の他の態様は、改善されたリン‐ポリオール含有配合剤から形成されたポリウレタン発泡体を包含し、それが火炎に晒された時の質量ロスを減少および改善されたチャー(焦げ)の形成を示す。
【背景技術】
【0003】
従来技術はリン酸ポリオールから得られたポリウレタン発泡体が所望の火炎特性を有していることを示すが、この特性を達成するには発泡体の形成に最初に使用されたポリオールの全てがリン酸ポリオールに代替されることを必要とする。この高レベルの代替は非経済的であり、発泡体の物理的特性に悪影響を与えるかもしれない。従来技術はまた、リン酸ポリオールが難燃性ポリウレタン被膜の成分として水性エマルジョン中に導入されうることを示している。リン含有難燃剤はポリウレタンの分野ではよく知られているが、現在の難燃剤と比較し得る使用レベルで効果的である低粘度材料であり、現在のハロゲン化難燃剤と比較し得る燃焼性および熱安定性の両方を備えた非ハロゲン化低粘度材料が求められている。
【0004】
剛性ポリウレタン発泡体用の多くの非ハロゲン化リン含有難燃剤が知られているが、便利な取り扱い特性および現在のハロゲン化リン酸塩の使用レベルに比較できる使用レベルを維持して、燃焼性能およびチャー性能の両方を難燃剤ついて適正化する方法について本質的に何の示唆も提供しない。
【0005】
以下の米国特許が本発明の背景として提供される。
【0006】
温度を95°F(35℃)より下に制御しながらプロピレンオキシドをリン酸に添加してリン酸エステルを得る(米国特許2372244号)。
【0007】
リン酸ヒドロキシルに付きアルキレンオキシドを平均3モル以上添加することは、ホウ素および錫触媒を必要とする(米国特許3317638号)
【0008】
水12~28%含有するリン酸からリン酸ポリオールを製造することは、剛性ポリウレタン発泡体用途に好適化するには後に水を除去することが必要である(米国特許3317639号)
【0009】
リン酸およびエピクロロヒドリンを含むハロゲン化エポキシドからリン酸ポリオールを調製することが記載されている(米国特許3281502号)。リン酸ポリオールの使用レベルは全体のポリオール質量の40~85重量%で高い。
【0010】
ポリウレタン難燃剤としての使用についてのリン酸をアルキレンオキシドに添加することは、高い発熱反応を含み、工業的スケールで扱うのが難しい(米国特許3393254号)。
【0011】
リン酸ポリオールはポリエーテルポリオールの存在下にリン酸とアルキレンオキシドから調製され得るが、長い反応時間が必要でありかつリン含有量は非常に低く、約2%未満である(米国特許3639543号)。
【0012】
エチレンオキシドとリン酸との反応から誘導されたリン酸ポリオールは難燃性剛性ポリウレタン発泡体の成分として知られている(米国特許4051082号)。本発明のリン酸ポリオールから調製されたポリウレタン発泡体は高いイソシアネートインデックスと総ポリオールに関して15~80重量%のリン酸ポリオールを必要とする。
【0013】
ヒドロキシル官能性の無いリン酸エステルはポリウレタン発泡体に容易に反応しない(米国特許6512133号)
【0014】
リン酸ポリオールは難燃性被膜として用いられるポリウレタンプレポリマーベースの水性エマルジョンに導入されうる(米国公開特許出願2013/02303936)。
【0015】
本発明のポリオールはリンベースの難燃剤と組み合わせることができる。難燃剤に使用されるリン化合物の例は、米国特許9,023,925(キ(Qi)等)のポリウレタン発泡体用のリン含有難燃剤、米国特許9,718,937(ダイ)の本質的に難燃性剛性ポリウレタン発泡体、米国特許8,846,967(ハンセル)のリン酸アルキルの調製方法および米国特許8,703,853(カソウスキー)の難燃剤およびそれを含有する組成物(これら各々の記載をここに導入する。)が包含される。
【発明の概要】
【0016】
本発明の好ましい態様のリン酸ポリオールは、必要に応じて従来技術に記載されているようなアルキレンオキシドベースのポリオールの存在下に、リン酸とアルキレンオキシド、特にプロピレンオキシドとの反応から製造される。
【0017】
本発明の別の態様の新規なリン酸ポリオール配合剤はリン酸ポリオール、ポリエステルポリオールおよび発泡剤、触媒、界面活性剤および芳香族イソシアネートとの混合物から形成される。他の態様では、リン酸ポリオール配合剤はまたイソシアネート反応官能性を有さないリン化合物、例えばリン酸エステルを有する。
【0018】
一つの観点では、本発明の好ましい態様は、リン酸を加熱し、プロピレンオキシドを配合し、難燃特性を有する非イソシアネート反応性化合物、例えばリン酸塩を配合し、窒素を散布する工程を含む方法により調製されたリン酸ポリオールを含有する。別の好ましい態様では、本発明は変性芳香族ポリエステル、リン酸ポリオール、発泡剤、触媒、界面活性剤、芳香族イソシアネートおよびリン化合物を含有するリン酸ポリオール配合剤を含有する。別の態様では、本発明はリン酸ポリオール配合剤を含有する発泡体を包含する。
[記載した態様の詳細な説明]
【0019】
本発明は異なった形態における態様を受け入れ得るが、本明細書の記載が本発明の本質的な零時であると考えられる特定の態様を詳細に記載する。本発明はここに記載し説明した態様に限定されるものと解してはならない。
【0020】
本発明は、低粘度で、高リン含量で一般に使用されるポリオールと同様のヒドロキシ数を有するリン酸ポリオールを提供する。本発明は、発泡体形成プロセスおよび発泡体物理特性に置けえるインパクトを最小にし、存在する配合剤への導入を簡素化する。使用レベルは炎に晒された時に物質および形状の保持があるように、既存の難燃剤と比較し得る。
【0021】
本発明の好ましい態様の配合したリン酸ポリオールは火炎状態に晒された時にポリウレタン発泡体についての許容し得る重量損失および改善された形状保持性を提供し、炎の広がりを制限する。リン酸ポリオール組成物はまた、改善された熱安定性を提供し、炎に対して燃料の追加を提供し得る揮発種の生成を制限する。
【0022】
本発明は、可撓性発泡体および他の合成および天然ポリマーに対して適用性を有する剛性ポリウレタン発泡体に有用である。
【0023】
本発明は、低粘度リン酸ポリオール組成物を提供し、発泡体配合プロセスへのインパクトを最小にしつつ剛性発泡体火炎性能およびチャー形成の同時の最適化を可能にする。使用レベルは炎に晒された時にチャー形成、質量保持および形状の保持があるように、既存の難燃剤のそれと比較できる。
【0024】
リン酸ポリオール組成物は以下の実施例に従って製造される。
【0025】
実施例1
リン酸1480gを20L反応容器に配合し、撹拌下に35~40℃に加熱し、1時間加熱する。プロピレンオキシド5200gを配合し、窒素スパージして未反応プロピレンオキシドを除去する。
【0026】
最終ポリオール生成物はOH#362、カラーカードナー5.5、粘度820cpsおよびリン%6.7を有する。
【0027】
要すれば、上述したような従来の方法で調製されたリン酸ポリオールを、難燃特性を有する非イソシアネート反応性化合物、好ましくはリン酸塩、より好ましくはリン酸トリアルキル、最も好ましくはリン酸トリエチルの適当量と混合することによってより改善された難燃特性を有する配合剤を製造して、本発明の組成物(以下の表3)を製造する。
【0028】
実勢例2
ポリウレタン発泡体を表1の配合剤から調製した。
【0029】
【表1】

Stepanpol PS-2352:ポリエステルポリオールHO#237、Stepanから市販
Fyrol PCF:ICLから市販
PEL-CAT 9540-A、PEL-CAT 9749-A及びPEL-SIL 9920:Ele’コーポレイションから市販
Mondur 489:(30.8%NCO):Covestroから市販
【0030】
燃焼テスト用発泡体を以下のように調製した。ポリオール、難燃剤、水、触媒および界面活性剤(B側)を予備混交して、25℃で少なくとも24時間インキュベートして、発泡調整剤を得た。イソシアネートおよびペンタン発泡剤(A側)を蓋つきジャーに秤量し、少なくとも1時間インキュベートして発泡体調整剤を得た。B側混合をタール化32オンス紙コップに秤量した。A側混合を25秒間激しく振り、素早く前記紙コップに秤量した。コップを3000rpmで6秒間混合し、発泡をさせ自由に盛り上がった。発泡体を25℃で24時間硬化して、ASTM D‐635で規定された燃焼テストの試料にカットした。
【0031】
燃焼テストをASTM D-632に基づく方法により行った。方法は天然ガス炎(空気中でのメタン炎温度1950℃)をプロパン炎(空気中炎温度1967℃)に変更した。3個から4個のサンプルを30秒間燃焼し、重量損失を平均した。結果を表2に示す。全てのサンプルは30秒後に炎を取り除くまでに自己消火性であった。
【0032】
【表2】
【0033】
実験1はTCPPコントロールである。難燃剤を用いない実験2は比較的質量損失が大きい。実験3および4はリン酸ポリオールがハロゲン化コントロールと比べて効果的でないが、難燃剤を用いない例(実験2)と比べて明らかにより効果的である。リン酸ポリオールはハロゲンフリーであり、ポリマーネットワークに導入され、物理的特性の維持を助長する。
【0034】
リン酸ポリオールの性能は、難燃特性を有する非イソシアネート反応性化合物、例えば表1の配合によるリン化合物を添加することによってより改善されうる。非イソシアネート反応性化合物はリン酸塩、リン酸エステルまたはリン酸アルキル、例えばリン酸トリアルキルでありうる。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
リン酸トリエチルの添加はコントロールのそれと同等の質量損失をもたらす。全てのサンプルは自己消火性であり、30秒後に炎が消える。
【0037】
熱重量分析(TGA)は広く用いられている分析技術であり、いくつかの材料の比較熱安定性の指標を提供する。TGAは直接の火炎接触を伴わないで熱安定性およびチャー形成をよりよく理解するために行われた。
【0038】
この検討では、発泡体の既知量を40ml/分の窒素下20℃/分の安定速度で30℃から750℃に加熱した。(熱安定性は30℃での発泡体の初期重量に対する特定の温度での発泡体の重量の保持%として表現される。例えば、米国特許8,916,620号、改善された熱安定性を有するポリウレタン‐変性ポリイソシアヌレート発泡体についての方法を参照。この記載を参考としてここに導入する。)
【0039】
【表4】
【0040】
TCPPコントロール(表4、実験1)は500℃まで良好な質量保持を示すが、500℃を超えると質量損失が加速する。TCPPコントロール(表2および表3、実験1)は直接火炎に晒された時に低い質量損失を示すので、火炎抵抗と熱安定性の良好なバランスを示す。
【0041】
本発明のリン酸ポリオール/リン酸トリエチル組成物(表4、実験2)は500℃まではコントロールのそれと比較できる質量損失を示し、500℃を超えると優れた質量損失を示す。このリン酸ポリオール/リン酸トリエチル組成物(表3、実験4)は火炎に晒された時にコントロールに近い質量損失を示すので、火炎抵抗および熱安定性の良好なバランスを示す。
【0042】
リン酸トリエチル単独(表4、実験3)は非常に悪い質量保持性、特に400℃超える場合には悪く、745℃では完全に質量を損失してしまう。しかし、リン酸トリエチル(表3、実験5)は直接火炎に晒された時に低い質量損失を示す。
【0043】
リン酸ポリオール単独(表4、実験4)は全ての温度で良好な質量保持性を示すが、直接火炎に晒された時に高い質量損失を示す(表3、実験3および4)。
【0044】
所望の目標とする性能を有する複数成分の組成物を配合するときに、通常のやり方は特性の範囲を有する個々の成分を、組成物では平均の性能が受け入れられると期待で、用いる。直接火炎および熱抵抗条件の両方で良好な質量保持性を提供する組成物を開発するという目標があるならば、TGA実験でリン酸トリエチルが非常に悪い質量保持性を示すという観察は、当業者にとってリン酸トリエチルのレベルを上げてリン酸ポリオールの全体の性能を改善するという動機につながらないだろう。
【0045】
火炎に晒された時の質量保持性を改善するためにリン酸トリエチルを増加することは、熱安定性条件化において質量保持性に非常に悪い影響を与えることが予想されるだろう。この予想に反して、我々は個々の成分の性能に対して熱安定性に関するリン酸トリエチルおよびリン酸ポリオールの間に非常に積極的な相乗効果を見いだす。多くのリンベースの既知の難燃剤が検討されて、所望の目的を達成することは、単に常套の最適化ではなく、むしろ相乗効果を確認する発明的な洞察力が必要である。
【0046】
本発明の好ましい態様が示され記載されているが、当業者は添付した請求項の範囲および精神を逸脱することなく本発明の種々の変更は認められるだろう。