(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法、およびエッジコンピューティングデバイスとシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 4/50 20180101AFI20220201BHJP
H04W 36/32 20090101ALI20220201BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20220201BHJP
G06F 11/20 20060101ALI20220201BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
H04W4/50
H04W36/32
H04W88/18
G06F11/20 633
G06F13/00
(21)【出願番号】P 2020041270
(22)【出願日】2020-03-10
【審査請求日】2020-03-10
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェイチェン
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-046682(JP,A)
【文献】中国実用新案第204272157(CN,U)
【文献】国際公開第2016/152610(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/068863(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/086624(WO,A1)
【文献】特開2008-015857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
G06F 13/00
G06F 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエッジコンピューティングプラットホームと第2のエッジコンピューティングプラットホームに適用される、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法であり、前記第1のエッジコンピューティングプラットホームは前記第2のエッジコンピューティングプラットホームと情報送信を行い、前記ネットワーク通信制御方法は、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報を取得すること、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、端末装置に対象サービスを提供すること、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、サービス異常事態が存在していると判断すること、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの前記動作情報に従って、前記対象サービスを前記第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てし、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、前記オフロード情報を前記第2のエッジコンピューティングプラットホームに送信すること、および
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、前記対象サービス位置を前記端末装置に送信することで、前記対象サービス位置に従って前記端末装置が前記第2のエッジコンピューティングプラットホームとの通信接続を備えることができるようにすることを含み、
前記オフロード情報は、少なくとも前記端末装置の
IDと前記対象サービスの
IDを含
み、前記対象サービス位置は、前記対象サービスを提供可能なサービスモジュールのIPアドレスである、ネットワーク通信制御方法。
【請求項2】
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの前記動作情報に従って、前記対象サービスを前記第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てすることは、
前記対象サービス、および一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補のそれぞれの動作情報に従い、前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補から前記第2のエッジコンピューティングプラットホームを選択すること、および
前記サービス異常事態と前記選択の結果に従ってリダイレクション情報を生成することを含む、請求項1に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項3】
前記オフロード情報は、前記第1のエッジコンピューティングプラットホームの
IDをさらに含み、前記ネットワーク通信制御方法はさらに、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、前記リダイレクション情報に従って前記第2のエッジコンピューティングプラットホームとの接続を構築することを含む、請求項2に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項4】
前記サービス異常事態は、前記第1のエッジコンピューティングプラットホームの前記対象サービスがスワップアウトしていることを示し、前記ネットワーク通信制御方法はさらに、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、優先順位に従って前記対象サービスをスワップアウトすることを決定することを含む、請求項1に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項5】
前記サービス異常事態は、前記第1のエッジコンピューティングプラットホームの前記対象サービスが停止したことを示す、請求項1に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項6】
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの前記動作情報に従って、前記対象サービスを前記第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てすることは、
前記対象サービスを提供可能な一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補を選択すること、および
前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの前記動作情報が最適な動作情報であると判断し、前記第2のエッジコンピューティングプラットホームを前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補から選択することを含み、
前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補のそれぞれは動作情報を有し、前記第2のエッジコンピューティングプラットホームは前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補に含まれ、前記動作情報は資源情報および前記対象サービスに対応する通信遅延時間を含む、請求項1に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項7】
前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報を前記第1のエッジコンピューティングプラットホームによって取得する前に、前記第1のエッジコンピューティングプラットホームによって前記第2のエッジコンピューティングプラットホームを含む隣接関係リストを構築することをさらに含む、請求項1に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項8】
第1のエッジコンピューティングプラットホーム、第2のエッジコンピューティングプラットホーム、および中央制御プラットホームに適用される、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法であり、前記中央制御プラットホームは、前記第1のエッジコンピューティングプラットホームと前記第2のエッジコンピューティングプラットホームと情報送信を行い、前記ネットワーク通信制御方法は、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、端末装置に対象サービスを提供すること、および
前記中央制御プラットホームまたは前記第1のエッジコンピューティングプラットホームによって複数のステップを実行することを含み、前記複数のステップは、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホーム内にサービス異常事態が存在していると判断すること、
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報に従って、前記対象サービスを前記第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てし、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること、
前記オフロード情報を前記第2のエッジコンピューティングプラットホームに送信すること、および
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームまたは前記第2のエッジコンピューティングプラットホームにより、前記対象サービス位置を前記端末装置に送信することで、前記対象サービス位置に従って前記端末装置が前記第2のエッジコンピューティングプラットホームとの通信接続を備えることができるようにすることを含み、
前記オフロード情報は、少なくとも前記端末装置の
IDと前記対象サービスの
IDを含
み、
前記対象サービス位置は、前記対象サービスを提供可能なサービスモジュールのIPアドレスである、ネットワーク通信制御方法。
【請求項9】
前記中央制御プラットホームまたは前記第1のエッジコンピューティングプラットホームによりって複数のステップを実行することは、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームが前記中央制御プラットホームから確認応答メッセージを受信していないことを前記第1のエッジコンピューティングプラットホームが判断した場合においては、前記第1のエッジコンピューティングプラット
ホームによって前記複数のステップを実行することを含む、請求項8に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項10】
前記中央制御プラットホームまたは前記第1のエッジコンピューティングプラットホームによりって複数のステップを実行することは、
前記第1のエッジコンピューティングプラットホームが前記中央制御プラットホームから情報収拾要求を受信した場合においては、前記中央制御プラットホームによって前記複数のステップを実行することを含む、請求項8に記載のネットワーク通信制御方法。
【請求項11】
メモリとプロセッサを備えるエッジコンピューティングデバイスであり、前記メモリは複数の命令を格納し、前記プロセッサは前記メモリと電気的に接続されて複数のステップを行うための前記複数の命令を実行し、前記複数のステップは、
他のエッジコンピューティングデバイスの動作情報を取得すること、
対象サービスを端末装置に提供すること、
サービス異常事態が存在していると判断すること、
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記他のエッジコンピューティングデバイスの記動作情報に従って、前記対象サービスを前記他のエッジコンピューティングデバイスに再割り当てし、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること、
前記オフロード情報を前記他のエッジコンピューティングデバイスに送信すること、および
前記対象サービス位置を前記端末装置に送信することで、前記対象サービス位置に従って前記端末装置が前記他のエッジコンピューティングデバイスとの通信接続を備えることができるようにすることを含み、
前記オフロード情報は、少なくとも前記端末装置の
IDと前記対象サービスの
IDを含
み、
前記対象サービス位置は、前記対象サービスを提供可能なサービスモジュールのIPアドレスである、エッジコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記他のエッジコンピューティングデバイスの前記動作情報に従って、前記プロセッサによって実行される、前記対象サービスを前記他のエッジコンピューティングデバイスに再割り当てする前記ステップは、
前記対象サービス、および一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補のそれぞれの動作情報に従って、前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補から前記他のエッジコンピューティングデバイスを選択すること、および
前記サービス異常事態と前記選択の結果に従ってリダイレクション情報を生成することを含む、請求項11に記載のエッジコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記オフロード情報は、前記エッジコンピューティングデバイスの
IDをさらに含み、前記プロセッサは、前記リダイレクション情報に従って前記他のエッジコンピューティングデバイスとの接続を構築することをさらに実行する、請求項12に記載のエッジコンピューティングデバイス。
【請求項14】
前記サービス異常事態は、前記エッジコンピューティングデバイスの前記対象サービスがスワップアウトしたことを示し、前記プロセッサは、優先順位に従って前記対象サービスをスワップアウトすることの決定をさらに行う、請求項11に記載のエッジコンピューティングデバイス。
【請求項15】
前記サービス異常事態は、前記エッジコンピューティングデバイスの前記対象サービスが停止したことを示す、請求項11に記載のエッジコンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記他のエッジコンピューティング
デバイスの前記動作情報に従って、前記プロセッサによって実行される、前記対象サービスを前記他のエッジコンピューティングデバイスに再割り当てする前記ステップは、
前記対象サービスを提供可能な一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補を選択すること、および
前記他のエッジコンピューティングデバイスの前記動作情報が最適な動作情報であると判断し、前記他のエッジコンピューティングデバイスを前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補から選択することを含み、
前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補のそれぞれは動作情報を有し、前記他のエッジコンピューティングデバイスは前記一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングプラットホームの候補に含まれ、前記動作情報は資源情報および前記対象サービスに対応する通信遅延時間を含む、請求項11に記載のエッジコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記他のエッジコンピューティングデバイスの前記動作情報を取得する前に、前記他のエッジコンピューティングデバイスを含む隣接関係リストを構築することを実行する、請求項11に記載のエッジコンピューティングデバイス。
【請求項18】
第1のネットワーク通信制御方法を実行するように構成される、請求項11に記載のエッジコンピューティングデバイス、および
前記エッジコンピューティングデバイスとの通信接続を備え、第2のネットワーク通信制御方法を実行するように構成される中央制御装置を備え、
前記第1のネットワーク通信制御方法は、前記プロセッサによって前記複数の命令を実行することで行われる前記複数のステップを含み、
前記第2のネットワーク通信制御方法は、
前記エッジコンピューティングデバイスにサービス異常事態が存在していると判断すること、
前記サービス異常事態、前記対象サービス、および前記他のエッジコンピューティングデバイスの前記動作情報に従って、前記対象サービスを前記他のエッジコンピューティングデバイスに再割り当てし、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること、
前記オフロード情報を前記他のエッジコンピューティングデバイスに送信すること、および
前記エッジコンピューティングデバイスまたは前記他のエッジコンピューティングデバイスに対し、対象サービス位置を前記端末装置へ送信するよう命令し、前記対象サービス位置に従って前記端末装置が前記他のエッジコンピューティングデバイスとの通信接続を備えることができるようにすることを含む、エッジコンピューティングシステム。
【請求項19】
前記エッジコンピューティングデバイスが前記中央制御装置から確認応答メッセージを受信していないことを前記エッジコンピューティングデバイスが判断した場合において、前記エッジコンピューティングシステムは前記第1のネットワーク通信制御方法を実行する、請求項18に記載のエッジコンピューティングシステム。
【請求項20】
前記エッジコンピューティングデバイスが前記中央制御装置から情報収拾要求を受信した場合において、前記エッジコンピューティングシステムは前記第2のネットワーク通信制御方法を実施する、請求項18に記載のエッジコンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はネットワーク通信制御方法に関連し、特に複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイスの大衆化、ビデオストリーミングや仮想現実、自動運転などのインターネットサービスの広範な使用、様々な業界におけるインターネットサービスに対して拡張するビジネスサービスの増大に伴い、モバイルネットワークトラフィックのための要求が増大している。このため、一般的なバックホールネットワークのロードトラフィックは十分ではなく、リモートクラウドコンピューティングセンターでは膨大な量の計算を取り扱うことができない。従来のネットワークアーキテクチャーは、益々発展する通信技術において大きな課題に直面している。
【0003】
上記状況に対する対応として、増大するトラフィック要求と計算の複雑化の問題を解決することを目的とし、モバイルエッジコンピューティング(MEC)アーキテクチャーが提案されている。文言的には、モバイルエッジコンピューティングでは、モバイルネットワークの端部にクラウドコンピューティングと情報技術(IT)サービス環境が提供される。モバイルエッジコンピューティングの主なコンセプトは、コアネットワークデバイスの計算負荷を減少させること、および顧客のための特定のモバイル体験を創り出すためにモバイルオペレーターに対してプラットホームを提供することである。しかしながら、モバイルエッジコンピューティングアーキテクチャーにおいて異常事態が発生すると、長い時間が要求される通信環境全体の再構成が要求されることがあり、このため、ユーザー体験が悪いものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本開示は、上述した課題を解決するため、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法、エッジコンピューティングデバイス、およびエッジコンピューティングシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一つによると、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法が第1のエッジコンピューティングプラットホームと第2のエッジコンピューティングプラットホームに適用される。ここで、第1のエッジコンピューティングプラットホームは第2のエッジコンピューティングプラットホームと情報送信を行う。このネットワーク通信制御方法は、第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、以下のステップを実行する:第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報を取得すること;対象サービスを端末装置に提供すること;サービス異常事態が存在していると判断すること;サービス異常事態、対象サービス、および第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報に従って、第2のエッジコンピューティングプラットホームに対象サービスを割り当て、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること;オフロード情報を第2のエッジコンピューティングプラットホームに送信すること;および対象サービス位置を端末装置に送信することで、対象サービス位置に従って端末装置が第2のエッジコンピューティングプラットホームと通信接続を備えることができるようにすること。
【0006】
本開示の他の実施形態によると、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法が第1のエッジコンピューティングプラットホーム、第2のエッジコンピューティングプラットホーム、および中央制御プラットホームに適用される。ここで、中央制御プラットホームは、第1のエッジコンピューティングプラットホームと第2のエッジコンピューティングプラットホームと情報送信を行う。ネットワーク通信制御方法は、第1のエッジコンピューティングプラットホームによって端末装置に対象サービスを提供すること、中央制御プラットホームまたは第1のエッジコンピューティングプラットホームによって複数のステップを実行することを含む。ここで複数のステップは、第1のエッジコンピューティングプラットホームにサービス異常事態が存在していると判断すること;サービス異常事態、対象サービス、および第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報に従って、対象サービスを第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てし、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること;オフロード情報を第2のエッジコンピューティングプラットホームに送信すること;および、第1のエッジコンピューティングプラットホームまたは第2のエッジコンピューティングプラットホームによって対象サービス位置を端末装置に送信することで、対象サービス位置に従って端末装置が第2のエッジコンピューティングプラットホームとの通信接続を備えることができるようにすることを含む。オフロード情報は、少なくとも端末装置のアイデンティティーと対象サービスのアイデンティティーを含む。
【0007】
本開示の実施形態の一つによると、エッジコンピューティングデバイスはメモリとプロセッサを備える。メモリは複数の命令を格納する。プロセッサはメモリと電気的に接続され、複数のステップを行うための複数の命令を実行する。複数のステップは、他のエッジコンピューティングデバイスの動作情報を取得すること;対象サービスを端末装置に提供すること;サービス異常事態が存在していると判断すること;サービス異常事態、対象サービス、および当該他のエッジコンピューティングデバイスの動作情報に従って、対象サービスを当該他のエッジコンピューティングデバイスに割り当て、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること;オフロード情報を当該他のエッジコンピューティングデバイスに送信すること;および対象サービス位置を端末装置に送信することで、対象サービス位置に従って端末装置が当該他のエッジコンピューティングデバイスとの通信接続を備えることができるようにすることを含む。オフロード情報は、少なくとも端末デバイスのアイデンティティーと対象サービスのアイデンティティーを含む。
【0008】
本開示の他の実施形態によると、エッジコンピューティングシステムは、上記実施形態に係るエッジコンピューティングデバイスと中央制御装置を含む。中央制御装置はエッジコンピューティングデバイスとの通信接続を備える。エッジコンピューティングデバイスは、第1のネットワーク通信制御方法を実行するように構成される。第1のネットワーク通信制御方法は、上記実施形態で述べたプロセッサによって複数の命令を実行することによって行われる複数のステップを含む。中央制御装置は、第2のネットワーク通信制御方法を実行するように構成される。第2のネットワーク通信制御方法は、エッジコンピューティングデバイスにサービス異常事態が存在していると判断すること;当該他のエッジコンピューティングデバイスに対象サービスを再割り当てし、サービス異常事態、対象サービス、および当該他のエッジコンピューティングデバイスの動作情報に従ってオフロード情報と対象サービス位置を生成すること;オフロード情報を当該他のエッジコンピューティングデバイスに送信すること;およびエッジコンピューティングデバイスまたは当該他のエッジコンピューティングデバイスに対して端末装置へ対象サービス位置を送信するよう命令し、対象サービス位置に従って端末装置が当該他のエッジコンピューティングデバイスとの通信接続を備えることができるようにすることを含む。
【0009】
このように、本開示で提供される複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法、エッジコンピューティングデバイス、およびエッジコンピューティングシステムは、種々のサービス異常事態の応答において、サービスを提供するエッジコンピューティングプラットホームを再割り当てすることができる。したがって、サービス異常事態が発生した際、通信環境全体を再構成する必要がない。本開示で提供されるエッジコンピューティングシステム、エッジコンピューティングデバイス、および複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法は、サービス中断が無い動的割り当て機能を有することができ、負荷分散機能と遠隔バックアップ機能をも有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、以下の詳細な記述と添付図面からより完全に理解されよう。添付図面は単に例示するためのものであり、本開示を制限するものではない。
【0011】
【
図1】本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングシステムの通信環境の模式図。
【
図2】本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングシステムの機能ブロック図。
【
図3】本開示の実施形態の一つに係る複数のクラウドのネットワーク通信制御方法のフローチャート。
【
図4】本開示の実施形態の一つに係る複数のクラウドのネットワーク通信制御方法における信号送信の模式図。
【
図5】本開示の他の実施形態に係る複数のクラウドのネットワーク通信制御方法における信号送信の模式図。
【
図6】本開示の実施形態の一つに係る複数のクラウドのネットワーク通信制御方法の部分フローチャート。
【
図7】本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングデバイスの通信環境の模式図。
【
図8】本開示の他の実施形態に係るエッジコンピューティングデバイスの機能ブロック図。
【
図9】本開示のさらなる他の実施形態に係る複数のクラウドのネットワーク通信制御方法のフローチャート。
【
図10】本開示のさらなる他の実施形態に係る複数のクラウドのネットワーク通信制御方法における信号送信の模式図。
【
図11】本開示の他の実施形態に係るエッジコンピューティングシステムの通信環境の模式図。
【
図12】本開示の他の実施形態に係るエッジコンピューティングデバイスの機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な記述では、説明を目的とし、多くの具体的細部は開示される実施形態の理解のために示されるものである。しかしながら、一つ以上の実施形態がこれらの具体的細部にかかわらず実施することができることは明らかである。他の例では、公知の構造や装置は、図面の簡素化のため、模式的に示されている。
【0013】
本開示はエッジコンピューティングシステムを提供するものであり、
図1、
図2を参照すると、
図1は本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングシステムの通信環境の模式図であり、
図2は本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングシステムの機能ブロック図である。
図1に示すように、エッジコンピューティングシステム1は第1のエッジコンピューティングデバイス11と中央制御装置13を有し、これらは互いに通信接続を有することができる。エッジコンピューティングシステム1は、端末装置21との通信接続を有することができ、第2のエッジコンピューティングデバイス31とも通信接続を有することができる。より詳細には、第1のエッジコンピューティングデバイス11は端末装置21との通信接続を有することができ、中央制御装置13は第2のエッジコンピューティングデバイス31との通信接続を有することができる。注意すべき点は、
図1に示される、エッジコンピューティングシステム1と接続される端末装置21の数とエッジコンピューティングシステム1と接続される第2のエッジコンピューティングデバイス31の数は、単に例示されたものである。エッジコンピューティングシステム1は複数の端末装置21と接続されてもよく、さらに/または複数の第2のエッジコンピューティングデバイス31と接続されてもよい。また、第2のエッジコンピューティングデバイス31は一つまたはそれ以上の端末装置21と接続されても良い。
【0014】
第1のエッジコンピューティングデバイス11はモバイルエッジコンピューティング(MEC)クラウドであってよく、これはエッジクラウドと略称される。第1のエッジコンピューティングデバイス11は、端末装置21に一つまたはそれ以上のタイプのサービスを提供する。第1のエッジコンピューティングデバイス11はベースステーションを介して端末装置21と接続されることができる。ネットワークアーキテクチャーの観点からは、第1のエッジコンピューティングデバイス11はネットワーク端に位置し、ユーザー側の端末装置21に対して比較的近い。より具体的には、クラウドサーバーまたはインターネットは、ネットワークアーキテクチャーにおいてネットワークのコアであることができ、端末装置21はネットワークアーキテクチャーの周辺に位置し、ネットワークを介してクラウドサーバーまたはインターネットと接続されることができる。ネットワーク端はインターネットと端末装置が位置するローカルエリアネットワーク(LAN)との間の境界を表すことができるが、これに限られない。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11は、計算能力を有する単一のサーバーでもよく、あるいは異なる機能を有し、互いに接続された複数のサーバーによって構成されてもよい。端末装置21は、スマートフォンやタブレット、ラップトップなどの携帯電子機器であるが、本開示ではこれに限られない。
【0015】
より具体的には、
図2に示すように、第1のエッジコンピューティングデバイス11はユーザープラン機能(UPF)モジュール111、ドメイン名サービス(DNS)モジュール112、資源管理モジュール113、サービス管理モジュール114、第1のサービスモジュール115、および第2のサービスモジュール116を備えることができる。第1のエッジコンピューティングデバイス11のユーザープラン機能モジュール111は、N6インターフェースを介してそれぞれ第1のサービスモジュール115と第2のサービスモジュール116と接続されることができ、さらにN3インターフェースを介してベースステーションと、ベースステーションを介して端末装置21と接続されることもできる。ドメイン名サービスモジュール112は端末装置21からのサービス位置要求に応答することができ、対応するサービスを起動する。例えば、ユーザーが端末装置21を介して「www.youtube.com」のサービス位置の要求を送信するときには、ドメイン名サービスモジュール112は端末装置に対して「10.14.188.xxx」と応答し、ユーチューブのサービスを起動する。資源管理モジュール113は、第1のエッジコンピューティングデバイス11の資源条件をモニターし、組織し、管理することができる。サービス管理モジュール114は第1のサービスモジュール115と第2のサービスモジュール116の動作状態をモニターし、サービスの進行状態をモニターし、エラーが生じた場合には報告し、さらに新たなサービスモジュール(すなわち、本実施形態のための第1と第2のサービスモジュール115、116以外のサービスモジュール)を創成または動作可にすることができる。第1のサービスモジュール115と第2のサービスモジュール116はそれぞれ一つまたはそれ以上のネットワークサービスを提供することができる。
【0016】
上述したモジュールは、独立して設置されるものの互いに接続される複数のサーバーによって実現されてもよく、または一つまたはそれ以上のサーバー上で動く複数のアプリケーションによって実現されてもよい。本開示は、上記モジュールの実現のためのーバーの物理的な数を限定するものではない。さらに、注意すべき点は、
図2は、第1のエッジコンピューティングデバイス11が二つのサービスモジュール(第1のサービスモジュール115と第2のサービスモジュール116)を備える例を示すが、他の実施形態では第1のエッジコンピューティングデバイス11は一つまたは二つ以上のモジュールサービスモジュールを含んでもよく、サービスモジュールの動作可能状態は動的に調整することができる。ここで、動作可能状態とは、例えばサービスが提供できるか否かを示す。第1のエッジコンピューティングデバイス11のサービスモジュールによって端末装置21にサービスを提供することで、第1のエッジコンピューティングデバイス11によってより複雑な動作を実行することができ、そのため、端末装置21における計算負荷を軽減することができる。さらに、第1のエッジコンピューティングデバイス11は、端末装置21がアクセスできる情報を格納または処理するためのサービスも提供してもよい。上記サービスは単に例示的なものであり、第1のエッジコンピューティングデバイス11が提供可能なサービスはこれらに限られない。
【0017】
例えば、中央制御装置13は、第1のエッジコンピューティングデバイス11と第2のエッジコンピューティングデバイス31による情報伝送のためのオーケストレーター、特に5Gコアのデータ中心である。第2のエッジコンピューティングデバイス31は上記第1のエッジコンピューティングデバイス11と同一の構成と機能を有することができる。第2のエッジコンピューティングデバイス31は、端末装置に一つまたはそれ以上のサービスを提供するように構成されるモバイルエッジコンピューティングクラウドであってよい。さらに、第2のエッジコンピューティングデバイス31は、計算能力を有する単一のサーバーでもよく、あるいは異なる機能を有し、互いに接続される複数のサーバーによって構成されていてもよい。第2のエッジコンピューティングデバイス31は、上述したユーザープラン機能モジュール、ドメイン名サービスモジュール、資源管理モジュール、サービス管理モジュール、および一つまたはそれ以上のサービスモジュールを含むことができる。第2のエッジコンピューティングデバイス31は、資源条件(例えば、資源の量)や提供可能なサービスの数やタイプ、およびある端末装置へサービスを提供する際に生じる通信遅延時間が第1のエッジコンピューティングデバイス11と異なっていてもよい。
【0018】
中央制御装置13は、第1と第2のエッジコンピューティングデバイス11、31との通信接続を有するだけでなく、より多くのエッジコンピューティングデバイスとの通信接続を有してもよく、これにより、装置のアイデンティティー(ID)や装置の位置(例えばエッジコンピューティングデバイスのIP)、提供可能なサービスのID、提供可能なサービスの位置(例えば、対応するサービスモジュールのIP)、接続された端末装置のID、資源条件、通信遅延時間などの各エッジコンピューティングデバイスの情報を収集し、特にこれらのタイプの情報を周期的に収集することができる。中央制御装置13は、収集された情報に従って複数の端末装置と複数のエッジコンピューティングデバイス間の通信関係の環境設定を行うことができる。さらに、本開示の中央制御装置13は、端末装置の要求に従って端末装置を特定のエッジコンピューティングデバイスに割り当てることができ、エッジコンピューティングデバイスの動作条件に従って再割り当てを実行することができる。さらなる実施態様は後述する。
【0019】
中央制御装置13の構成についてさらに説明すると、
図2に示すように、中央制御装置13は、ユーザープラン機能モジュール131、ドメイン名サービスモジュール132、サービス位置管理モジュール133、サービスリダイレクションモジュール134、および資源管理モジュール135を備えることができる。中央制御装置13のユーザープラン機能モジュール131は、N9インターフェースを介して第1のエッジコンピューティングデバイス11のユーザープラン機能モジュール111に接続することができる。同様に、ユーザープラン機能モジュール131は、N9インターフェースを介して他の一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングデバイスと接続することができる。ドメイン名サービスモジュール132は上記ドメイン名サービスモジュール112と同一の機能を有することができるため、ここではこの機能の詳細については繰り返さない。サービス位置管理モジュール133は、中央制御装置13に接続された各エッジコンピューティングデバイスが提供可能なサービスを記録するためのデータベースを有することができ、記録方法としては、例えば各サービスのIDを記録することであってよい。サービス位置管理モジュール133は、サービスリダイレクションモジュール134または資源管理モジュール135と協働してサービスの再割り当てを実行することができる。再割り当てのさらなる実施態様については後述する。上記モジュールは、独立して設置され、互いに接続される複数のサーバーでもよく、一つまたはそれ以上のサーバー上で動く複数のアプリケーションでもよい。本開示は、上記モジュールを動かすためのサーバーの物理的数を制限するものではない。換言すると、中央制御装置13は単一のサーバーによって実施することができ、あるいは異なる機能を有する複数のサーバーによって構成されていてもよい。他の実施形態では、中央制御装置13は、中央制御機能を備える携帯エッジコンピューティングクラウドでもよく、ベースステーションを介して端末装置21に接続されて端末装置21に一つまたはそれ以上のサービスを提供してもよい。本実施形態では、上記複数のモジュールの他に、中央制御装置13はさらにサービス管理モジュールと一つまたはそれ以上のサービスモジュールを備えてもよい。
【0020】
本開示は、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法も提供する。
図1から3を参照すると、
図3は、本開示の実施形態の一つに係る複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法のフローチャートである。
図3に示すように、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法は、ステップS11:第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、端末装置に対象サービスを提供すること;ステップS12:第1のエッジコンピューティングプラットフォーム内にサービス異常事態が存在することを中央制御プラットホームによって判断すること;ステップS13:サービス異常事態、対象サービス、および第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作状況に従い、央制御プラットホームにより、対象サービスを第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てし、オフロード情報と対象サービスの位置を生成すること;ステップS14:中央制御プラットホームにより、第2のエッジコンピューティングプラットホームにオフロード情報を送信すること;およびステップS15:第1のエッジコンピューティングプラットホームまたは第2のエッジコンピューティングプラットホームにより、対象サービスの位置を端末装置に送信することで、端末装置が対象サービスの位置に従って第2のエッジコンピューティングプラットホームとの通信接続を有するようにすること、を含むことができる。
【0021】
一つの実施形態では、上記第1のエッジコンピューティングプラットホーム、第2のエッジコンピューティングプラットホーム、および中央制御プラットホームは、
図1と2中の上述した第1のエッジコンピューティングデバイス11、第2のエッジコンピューティングデバイス31、および中央制御装置13によってそれぞれ実現することができる。他の実施形態では、第1のエッジコンピューティングプラットホーム、第2のエッジコンピューティングプラットホーム、および中央制御プラットホームは、それぞれサーバー中の仮想装置によって実行されるアプリケーションでもよい。以下、
図3に示される複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法において、第1のエッジコンピューティングプラットホーム、第2のエッジコンピューティングプラットホーム、および中央制御プラットホームがそれぞれ第1のエッジコンピューティングデバイス11、第2のエッジコンピューティングデバイス31、および中央制御装置13によって実現されるケースを説明する。
【0022】
ステップS11では、第1のエッジコンピューティングデバイス11は端末装置21に対して対象サービスを提供する。例えば、対象サービスには、人工知能、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、自動運転、または他のアプリケーションサービスが含まれる。本開示は、対象サービスのタイプを限定しようとするものではない。さらに、第1のエッジコンピューティングデバイス11と端末装置21間の通信接続は、第1のエッジコンピューティングデバイス11の動作情報に応じて中央制御装置13によって前もって決定されている。ここで、動作情報は、対象サービスを提供する際の資源条件や第1のエッジコンピューティングデバイス11の動作の通信遅延時間を含む。ステップS12では、中央制御装置13は、第1のエッジコンピューティングデバイス11において生じたサービス異常事態が存在していると判断する。ここで、サービス異常事態とは、対象サービスが停止している(「サービスダウン」と呼ばれる)、対象サービスがスワップアウトされる(「サービススワップアウト」と呼ばれる)、またはプラットホームが無効となっている(「MECダウン」と呼ばれる)を意味してもよい。サービス異常事態に対する応答において、ステップS13からS15では、中央制御装置13は再割り当てを行い、他のエッジコンピューティングデバイス(第2のエッジコンピューティングデバイス31)に対し、対象サービス(すなわち、第1のエッジコンピューティングデバイス11によって元々提供されていたサービス)を端末装置21に提供するよう命令する。
【0023】
異なるサービス異常事態に対する応答におけるステップS12からS13をさらに説明するにあたり、
図1から4を参酌する。ここで、
図4は、本開示の実施形態に係る複数のエジクラウドのネットワーク通信制御方法における信号送信の模式図である。サービス異常事態がサービスダウンまたはサービススワップアウトを示す動作状況においては、
図4のステップA11に示すように、中央制御装置13は、サービス異常事態に関連するサービス無効化信号を第1のエッジコンピューティングデバイス11から受信することができ、これにより、第1のエッジコンピューティングデバイス11において異常事態が発生したことを判断することができる。
【0024】
より具体的には、サービスダウンとは、サービスモジュールが無効となっているため端末装置21に対象サービスを元々提供していたサービスモジュールがそれ以上対象サービスを提供できないという状況を意味することができる。この状況下では、サービス管理モジュール114は、対応するサービス無効化信号を生成して中央制御装置13のサービス位置管理モジュール133に提供する。一方、サービススワップアウトとは、第1のエッジコンピューティングデバイス11の資源管理モジュール113が資源が不十分であると判断した際、第1のエッジコンピューティングデバイス11のサービス管理モジュール114が優先順序の低いサービスをスワップアウトすることを意味することができる。例えば、サービスに対応するサービスモジュールを無効にすることによって、またはこのサービスモジュールに対して他のサービスを提供するよう命令することによって、サービス管理モジュール114はサービスをスワップアウトすることができる。優先順位は実際の要求に従って設定することができ、本開示では制限されない。サービス管理モジュール114がスワップアウトすることを決定したサービスが端末装置21に元々提供されていた対象サービスである場合、サービス管理モジュール114は対応するサービス無効化信号を生成し、中央制御装置13のサービス位置管理モジュール133へ送信する。サービスダウンまたはサービススワップアウトに対応するサービス無効化信号には、第1のエッジコンピューティングデバイス11のID、対象サービスのID、および異常事態が生じたエッジコンピューティングプラットホームに元々接続されていた端末装置21のIDが含まれてもよい。
【0025】
中央制御装置13のサービス位置管理モジュール133がサービス無効化信号を受信し、第1のエッジコンピューティングデバイス11内でサービス異常事態が発生したことを知ると、サービス位置管理モジュール133とサービスリダイレクションモジュール134はそれに応じて再割り当てを行う。本実施形態では、再割り当は再配置手続きとリダイレクション手続きを含む。再配置手続き(ステップA12)は、エッジコンピューティングプラットホームに対象サービスを提供することができるエッジコンピューティングデバイスを選択すること、および候補となるエッジコンピューティングプラットホームの各々の動作情報に従って対象エッジコンピューティングプラットホームを決定することを含むことができる。上述したように、中央制御装置13は、中央制御装置13に接続されているエッジコンピューティングデバイスの資源条件、各サービスを提供する際に発生する通信遅延時間などの情報を周期的に収集することができる。さらに述べると、中央制御装置13のサービス位置管理モジュール133は、サービス無効化信号から対象サービスのIDを取得し、対象サービスのIDを有するサービスモジュールを備えるエッジコンピューティングデバイスをエッジコンピューティングプラットホームの候補として選択し、そして最適な動作情報を有するエッジコンピューティングプラットホームの候補を対象エッジコンピューティングデバイスとして選択することができる。ここで、対象エッジコンピューティングデバイスとは、端末装置21に対して対象サービスを提供するという仕事を引き継ぐと期待されるエッジコンピューティングプラットホームである。
【0026】
最適な動作情報の判断では、対象サービスのタイプによって異なる基準を用いることができる。例えば、仮想現実サービスでは、帯域幅資源の条件を第一に考慮することができるが、本開示はこれに限られない。さらに、対象サービスを要求する端末装置21の数も重要な考慮対象の一つである。サービス位置管理モジュール133は、サービス無効化信号に含まれる端末装置21のIDから対象サービスを要求する端末装置21の数を獲得し、候補となる各エッジコンピューティングプラットホームの資源条件が対象サービスを端末装置21に提供できるために十分であるか否かを判断することができる。より具体的には、モバイルエッジコンピューティング環境において、対象サービスを提供する際に生じる通信遅延時間を第一の条件とすることができる。さらに述べると、サービス位置管理モジュール133は、資源条件がある基準を満たすエッジコンピューティングプラットホームの候補から最短通信遅延時間を有するエッジコンピューティングプラットホームを候補として選択することができる。より詳しくは、対象サービスを端末装置21に提供するための最小閾値を当該基準として参照することができる。
【0027】
サービス位置管理モジュール133が上記再配置手続きによって対象エッジコンピューティングプラットホームを決定すると、サービス位置管理モジュール133はリダイレクション要求を生成し、サービスリダイレクションモジュール134に送信する(ステップA13)。リダイレクション要求は対象エッジコンピューティングプラットホームのID、対象サービスのID、および端末装置21のIDを含む。上述した
図3の実施形態では、サービス位置管理モジュール133によって第2のエッジコンピューティングデバイス31が対象エッジコンピューティングプラットホームとして選択される。したがって、本実施形態では、リダイレクション要求は第2のエッジコンピューティングデバイス31のIDを含む。サービスリダイレクションモジュール134は、リダイレクション要求に従ってリダイレクション情報を第1のエッジコンピューティングデバイス11に送信する(ステップA14)。これは上述したリダイレクション手続きである。リダイレクション情報は第2のエッジコンピューティングデバイス31のID、端末装置21のID、および対象サービスのIDを含むことができる。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11のユーザープラン機能モジュール111は、リダイレクション情報に応じて、第2のエッジコンピューティングデバイス31のユーザープラン機能モジュールに対し、端末装置21のための第1と第2のエッジコンピューティングデバイス11と31間の接続を構築する要求を提案することができる。ここで接続とは、具体的には、端末装置21のためにN9インターフェースを介して第1と第2のエッジコンピューティングデバイス11と31間に構築されるセッション接続である。より詳細には、第1のエッジコンピューティングデバイス11は、リダイレクション情報が成功裏に送信されたことを示すため、リダイレクション情報を受信すると確認応答(ACK)メッセージをサービスリダイレクションモジュール134に返送する。
【0028】
上述した手続きを通じ、中央制御装置13は対象サービスを第2のエッジコンピューティングデバイス31に再割り当てし、オフロード情報と対象サービスの位置(「対象サービス位置」と呼ばれる)を生成し、オフロード情報を第2のエッジコンピューティングデバイス31に送信し、対象サービス位置を端末装置21に送信する。さらに述べると、中央制御装置13のサービスリダイレクションモジュール134はオフロード情報を第2のエッジコンピューティングデバイス31に送信する(ステップA15)。より詳細には、サービスリダイレクションモジュール134は、第1のエッジコンピューティングデバイス11がステップA14に対応する確認応答メッセージを返送するまでステップA15を実行しない。本実施形態では、オフロード情報は第1のエッジコンピューティングデバイス11のID、端末装置21のID、および対象サービスのIDを含む。第2のエッジコンピューティングデバイス31は、オフロード情報に従い、端末装置21のために第1と第2のエッジコンピューティングデバイス11と31間の接続を構築するための上記要求に同意することができる。簡潔に述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11と第2のエッジコンピューティングデバイス31は、中央制御装置13からそれぞれリダイレクション情報とオフロード情報を取得することができ、これによって互いに接続を構築する。ここで、接続は端末装置21と対象サービスに関連する。さらに、オフロード情報を受信すると、第2のエッジコンピューティングデバイス31は、オフロード情報中の対象サービスのIDに対応するサービスモジュールの位置情報(例えばIP)を取得し、その位置情報を対象サービス位置と認識し、オフロード情報が成功裏に送信されたことを示すために確認応答メッセージをサービスリダイレクションモジュール134へ返送することができる。より詳細には、ステップA15に対応するこの確認応答メッセージは、対象サービス位置を含む。
【0029】
中央制御装置13のサービスリダイレクションモジュール134は、第1のエッジコンピューティングデバイス11を通して対象サービス位置を端末装置21へ送信する。さらに述べると、サービスリダイレクションモジュール134は、第2のエッジコンピューティングデバイス31がステップA15に対応する確認応答メッセージを返送するまで待機することができ、そして確認応答メッセージから対象サービス位置を取得し、その後第1のエッジコンピューティングデバイス11に端末装置21のIDと対象サービス位置を送信する(ステップA16)。第1のコンピューティングデバイス11は、中央制御装置13から対象サービス位置を取得し、端末装置21のIDに従って端末装置21に対象サービス位置を送信する(ステップA17)。より具体的には、上記ステップA16とA17の情報送信は、ドメイン名サービス通知(DNS通知)、HTTP301、あるいはHTTP302によって実行することができる。対象サービス位置を取得したのち、端末装置21は、それに応じ、第1のエッジコンピューティングデバイス11と第2のエッジコンピューティングデバイス31間の接続を通して第2のエッジコンピューティングデバイス31の対象サービスを提供可能なサービスモジュールと接続することができる(ステップA18、A19)。
【0030】
サービスダウンまたはサービススワップアウトのサービス異常事態を取り扱うことに加え、
図3に示すネットワーク通信制御方法はさらに、MECダウンのサービス異常事態を取り扱うことができる。
図1から3、5を参照すると、
図5は、本開示の他の実施形態に係る、複数のエッジクラウドのネットワーク制御方法における信号送信の模式図である。
図5の実施形態では、中央制御装置13の資源管理モジュール135は、第1のエッジコンピューティングデバイス11から第1のエッジコンピューティングデバイス11の情報を周期的に取得することができる。資源管理モジュール135は、一定期間第1のエッジコンピューティングデバイス11から情報を受信していないと判断すると(ステップA21)、第1のエッジコンピューティングデバイスが無効にされていると判断する。その後、中央制御装置13は再割り当てを実行することができる。本実施形態では、資源管理モジュール135は、サービス異様事態に応じて再配置要求を生成し、サービス位置管理モジュール133に送信する(ステップA22)。さらに述べると、再配置要求は、第1のエッジコンピューティングデバイス11のID、および第1のエッジコンピューティングデバイス11に元々接続されていた端末装置21のIDを含むことができる。
【0031】
サービス位置管理モジュール133は、再配置要求に従い、再配置手順を実行し、再配置回答を生成し、資源管理モジュール135に送信する(ステップA23)。上述したように、サービス位置管理モジュール133は、中央制御装置13に接続されるエッジコンピューティングデバイスがそれぞれ有するサービスのIDを記録することができる。したがって、再配置手順は、第1のエッジコンピューティングデバイス11が元々保有するサービスを第1のエッジコンピューティングデバイス11のIDに応じて決定すること、および各サービスを対象サービスと認識することを含むことができる。引き続くエッジコンピューティングプラットホームの候補と対象エッジコンピューティングプラットホームの選択は、上述した
図4の実施形態のそれらと同じであり、ここでは繰り返し述べない。サービス位置管理モジュール133によって生成される再配置回答は、対象エッジコンピューティングプラットホームのID、対象サービスのID、および端末装置21のIDを含むことができる。上述した
図3の実施形態では、第2のエッジコンピューティングデバイス31がサービス位置管理モジュール133によって対象エッジコンピューティングプラットホームとして選択されるので、本実施形態における再配置回答は、第2のエッジコンピューティングデバイス31のIDを含む。
【0032】
上述した手順を通し、中央制御装置13は対象サービスを第2のエッジコンピューティングデバイス31に再割り当てし、オフロード情報と対象サービスの位置(対象サービス位置と呼ぶ)を生成し、その後第2のエッジコンピューティングデバイス31にオフロード情報を送信し、対象サービス位置を端末装置21に送信する。さらに述べると、中央制御装置13の資源管理モジュール135は、再配置回答に応じ、端末装置21のIDと対象サービスのIDを含むオフロード情報を生成し、第2のエッジコンピューティングデバイス31に送信する(ステップA24)。したがって、第2のエッジコンピューティングデバイス31は、オフロード情報に従って対象サービが端末装置21へ提供されることになることを知ることができ、オフロード情報を受信すると、第2のエッジコンピューティングデバイス31は、オフロード情報内の対象サービスのIDに対応するサービスモジュールの位置情報(例えばIP)を取得し、この位置情報を対象サービス位置と認識し、オフロード情報が成功裏に送信されたことを示すために確認応答メッセージを資源管理モジュール135に返送することができる。より具体的には、この確認応答メッセージは、対象サービス位置を含む。
【0033】
中央制御装置13の資源管理モジュール135は、第2のエッジコンピューティングデバイス31を介して対象サービス位置を端末装置21へ送信する。さらに述べると、資源管理モジュール135は、第2のエッジコンピューティングデバイス31が確認応答メッセージを返送するまで待機し、その後確認応答メッセージから対象サービス位置を獲得し、そして第2のエッジコンピューティングデバイス31に対して端末装置21のIDと対象サービス位置を送信することができる(ステップA25)。第2のエッジコンピューティングデバイス31は、中央制御装置13から対象サービス位置を取得し、その後端末装置21のIPに応じて端末装置21へ対象サービス位置を送信することができる(ステップA26)。より具体的には、上記ステップA25、A26の情報送信は、DNS通知、HTTP301、またはHTTP302によって実行することができる。対象サービス位置を取得すると、端末装置21は、それに応じ、第2のエッジコンピューティングデバイス31の対象サービスを提供可能なサービスモジュールと接続することができる(ステップA27)。より具体的には、本実施形態では、対象サービスを提供するためのエッジコンピューティングプラットホームが変更される前に、端末装置21はすでに第1のエッジコンピューティングデバイス11と第2のエッジコンピューティングデバイス31に接続される。より具体的には、端末装置21と接続されるベースステーションは、元々第1のエッジコンピューティングデバイス11と第2のエッジコンピューティングデバイス31と接続されている。ここでは第1のエッジコンピューティングデバイス11が主たるエッジコンピューティングプラットホームとして働き、第2のエッジコンピューティングデバイス31は、主たるエッジコンピューティングプラットホームが停止した際にベースステーションを引き継ぐためのバックアップエッジコンピューティングプラットホームとして働く。
【0034】
一つの実施形態では、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法はさらに、第1のエッジコンピューティングデバイス11が端末装置21に対象サービスを提供する(すなわち、
図3のステップS11)前に、エッジコンピューティングプラットホーム/デバイスを登録する手続き、および端末装置21からのサービス要求を割り当てる手続きを含むことができる。
図1、3、6を参照すると、
図6は、本開示の実施形態の一つに係る複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法の部分的なフローチャートである。
図3に示すステップS11の前に、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法はさらに、
図6に示すステップ、すなわち、ステップS21:第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、中央制御プラットホームに登録要求を提出すること;ステップS22:第1のエッジコンピューティングプラットホームにより、第1のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報を中央制御プラットホームに提供すること;ステップS23:中央制御プラットホームにより、端末装置からサービス要求を受信し、サービス要求が対象サービスに対応していると判断すること;およびステップS24:中央制御プラットホームにより、対象サービスと第1のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報に従い、対象サービスを第1のエッジコンピューティングプラットホームに割り当てること、を含むことができる。
【0035】
さらに述べると、
図1に示す通信環境をステップS21からS24によって構築することができる。
図1で図示されるように、ステップS21とS22では、第1のエッジコンピューティングデバイス11は中央制御装置13に登録要求を提出し、中央制御装置13はそれに従って第1のエッジコンピューティングデバイスと中央制御装置13間の通信を構築することができる。第1のエッジコンピューティングデバイス11が登録されたのち、第1のエッジコンピューティングデバイス11は、その資源条件、通信遅延時間などの動作情報を中央制御装置13に提供することができる。より具体的には、第1のエッジコンピューティングデバイス11は、その動作情報を周期的に中央制御装置13に提供する。さらに、再割り当て手続きが実行される前において、第2のエッジコンピューティングデバイス31も中央制御装置13に対して登録要求を提出し、登録後その動作情報を中央制御装置13に提供することができる。さらに、より多くのエッジコンピューティングデバイスが登録要求とそれらの動作情報を中央制御装置13に提出することができるが、これは本開示において制限されない。
【0036】
エッジコンピューティングシステム1が端末装置21からサービス要求を受信すると、ステップS23とS24において、中央制御装置13は、サービス要求が対象サービスに対応していると判断し、対象サービスおよび既に登録された各エッジコンピューティングデバイスの動作情報に基づき、対象サービスに対して割り当てを実行する。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11のドメイン名サービスモジュール、第2のエッジコンピューティングデバイス31、または中央制御装置13に登録されている他のエッジコンピューティングデバイスは、サービス要求(例えば、サービス位置の問い合わせ)を通信範囲内の端末装置21から受信することができ、そして上記受信ステップを実行するエッジコンピューティングデバイスは、そのID、そのサービスのID、および端末装置21のIDを中央制御装置13のサービス位置管理モジュール133に送信することができる。本実施形態では、第1のエッジコンピューティングデバイス11の動作情報が対象サービスに対応する最適の動作情報であるため、中央制御装置13は第1のエッジコンピューティングデバイス11に対象サービスを割り当てる。最適な動作情報の判断に関する例と記述は、前の実施形態における再割り当て手続きにおける最適な動作情報の判断と同じであるため、ここでは繰り返さない。
【0037】
さらに、上述したように、一つの実施形態では、中央制御装置13は、中央制御機能を備える携帯エッジコンピューティングクラウドでもよく、ベースステーションを介して端末装置21と接続されることができ、端末装置21に対して一つまたはそれ以上のサービスを提供することができる。本実施形態では、中央制御装置13が前の実施形態で述べたような割り当て手続きまたは再割り当て手続きを実行する際、中央制御装置13は、自身を対象エッジコンピューティングプラットホームの選択の一つと認識することができる。より具体的には、中央制御装置13は、その優先順位を最後として設定することができる。すなわち、中央制御装置13は、すべてのエッジコンピューティングデバイスが対象サービスを提供するには適切ではないと判断したのちに、自身が対象サービスを提供するに適しているか否かを判断する。また、中央制御装置13は、いずれのエッジコンピューティングデバイスも対象サービスを提供できないと判断すると、割り当て失敗信号を生成して端末装置21に送信することができる。
【0038】
上記実施形態で述べたエッジコンピューティングシステムと複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法は、中央制御プラットホームの設定と制御に関連し、一元化された通信環境に適用される。本開示はまた、分散された通信環境に適用されるエッジコンピューティングデバイスも提供する。
図7と8を参照すると、
図7は本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングデバイスの通信環境の模式図であり、
図8は本開示の実施形態の一つに係るエッジコンピューティングデバイスの機能ブロック図である。
図7は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´、端末装置21、および第2のエッジコンピューティングデバイス31´を含む、分散された通信環境を例示的に示す。ここで、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、それぞれ端末装置21と第2のエッジコンピューティングデバイス31´との通信接続を有することができる。注意すべき点は、
図7に示される、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続される端末装置21の数、および第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続される第2のエッジコンピューティングデバイス31´の数は単に一例としてあげられたに過ぎないことである。第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、複数の端末装置21、および/または複数の第2のエッジコンピューティングデバイス31´と接続することもできる。さらに、第2のエッジコンピューティングデバイス31´は一つまたはそれ以上の端末装置21と接続することができる。
【0039】
第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、「エッジクラウド」と略称される携帯エッジコンピューティング(MEC)クラウドであってもよい。第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、端末装置21に対して一つまたはそれ以上のタイプのサービスを提供するように構成され、他の一つまたはそれ以上の隣接するエッジコンピューティングデバイス(
図7における第2のエッジコンピューティングデバイス31´など)を見付け出し、(資源条件や通信遅延時間を含む)動作情報を取得し、一つまたはそれ以上のサービスを割り当てることができる。換言すると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、上述した
図1、2に示される第1のエッジコンピューティングデバイス11と同じ機能を有し、一つまたはそれ以上の隣接するエッジコンピューティングデバイスの情報を管理する機能、および一つまたはそれ以上のサービスを割り当てる機能をさらに備えることができる。同様に、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、計算能力を備える単一のサーバーでもよく、あるいは異なる機能を有し、互いに接続される複数のサーバーから構成されていてもよい。端末装置21は、例えばスマートホンやタブレット、ラップトップなどのモバイル電子デバイスでよいが、これに限られない。
【0040】
さらに述べると、
図8に示すように、
図2に示すようなユーザープラン機能モジュール111、ドメイン名サービスモジュール112、資源管理モジュール113、サービス管理モジュール114、第1のサービスモジュール115、および第2のサービスモジュール116の他に、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、さらに隣接管理モジュール117、参照信号管理モジュール118、サービス位置管理モジュール119、およびサービスリダイレクションモジュール120を備えることができる。
図2中の第1のエッジコンピューティングデバイス11と同一のモジュールの操作については、ここでは繰り返さない。
【0041】
第1のエッジコンピューティングデバイス11´の隣接管理モジュール117は、他の一つまたはそれ以上の隣接エッジコンピューティングデバイスを見出すことができる。より詳しくは、隣接管理モジュール117は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続されるベースステーションの通信範囲と重複する通信範囲を備えるベースステーションと接続されるエッジコンピューティングデバイスを表す。二つの通信範囲が互いに重複するということは、端末装置21が二つの通信範囲の交差部分(すなわち、重複部分)に位置する際、隣接エッジコンピューティングデバイスと接続されるベースステーションと第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続されるベースステーションがともに端末装置21と通信できることを意味する。隣接管理モジュール117は、自動隣接関係(ANR)、特に隣接関係テーブル(NRT)に基づいて隣接関係リストを構築することができる。ここで、隣接関係リストは、第2のエッジコンピューティングデバイス31´の情報を含む。隣接関係が構築されたエッジコンピューティングデバイスのユーザープラン機能モジュール同士は、N9インターフェースを介して互いに接続されることができる。
【0042】
第1のエッジコンピューティングデバイス11´の参照信号管理モジュール118は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´が他のエッジコンピューティングデバイスと接続しているベースステーションから信号を受信したか否かを確認することができ、受信している場合には、当該他のエッジコンピューティングデバイスが第1のエッジコンピューティングデバイス11´と隣接関係を有していると判断する。第1のエッジコンピューティングデバイス11´のサービス位置管理モジュール119とサービスリダイレクションモジュール120は、それぞれ
図3の中央制御装置13のサービス位置管理モジュール133とサービスリダイレクションモジュール134と同様の機能を備える。第1のエッジコンピューティングデバイス11´のサービス位置管理モジュール119とサービスリダイレクションモジュール120は、一つまたはそれ以上のサービスの再割り当てを行うように構成される。再割り当ての実施については後述する。上述したモジュールは、独立して設置されるものの互いに接続される複数のサーバーによって実施されてもよく、あるいは一つまたはそれ以上のサーバー上で動く複数のアプリケーションによって実施されてもよい。本開示は、上記モジュールの実施のためのサーバーの物理的数を制限するものではない。第2のエッジコンピューティングデバイス31´は、上記第1のエッジコンピューティングデバイス11´と同様の構造と機能を有し、関連する詳細についてはここでは繰り返さない。
【0043】
本開示はまた、分散した通信環境に適用される複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法を提供する。
図7から9を参照すると、
図9は、本開示のさらなる他の実施形態に係る、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法のフローチャートである。
図9に示すように、分散した通信環境に適用される複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法は、第1のエッジコンピューティングプラットホームを用い、以下のステップを行うことを含む:ステップS31:第2のエッジコンピューティングプラットフォームの動作情報を取得すること;ステップS32:端末装置に対象サービスを提供すること;ステップS33:サービス異常状態があると判断すること;ステップS34:サービス異常事態、対象サービス、および第2のエッジコンピューティングプラットホームの動作情報に従い、対象サービスを第2のエッジコンピューティングプラットホームに再割り当てし、オフロード情報と対象サービス位置を生成すること;ステップS35:オフロード情報を第2のエッジコンピューティングプラットホームに送信すること;およびステップS36:対象サービス位置を端末装置に送信し、これによって端末装置が対象サービス位置に従って第2のエッジコンピューティングプラットホームと通信接続を有するようにすること。
【0044】
一つの実施形態では、上記第1のエッジコンピューティングプラットホームと第2のエッジコンピューティングプラットホームは、それぞれ
図7と8に示した上記第1のエッジコンピューティングデバイス11´と第2のエッジコンピューティングデバイス31´によって実現されてもよい。他の実施形態では、第1のエッジコンピューティングプラットホームと第2のエッジコンピューティングプラットホームは、各々サーバー中の仮想装置によって動くアプリケーションであってもよい。以下、
図9に示す複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法における第1のエッジコンピューティングプラットホームと第2のエッジコンピューティングプラットホームについて、これらがそれぞれ第1のエッジコンピューティングデバイス11´と第2のエッジコンピューティングデバイス31´によって実現されるケースについて例示的に記述する。
【0045】
ステップS31では、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続される(第2のエッジコンピューティングデバイス31´を含む)他の一つまたはそれ以上のエッジコンピューティングデバイスの動作情報を取得することができる。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´の隣接管理モジュール117は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´の隣接管理モジュール117と他のエッジコンピューティングデバイスの隣接管理モジュール間の管理ネットワークを介してこの動作状況を取得することができる。動作情報は、例えば資源条件、各サービスを提供する際の通信遅延時間などを含む。より詳細には、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続されるエッジコンピューティングデバイスの資源条件、各サービスを提供する際の通信遅延時間などの情報を周期的に収集することができる。さらに、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続されるエッジコンピューティングデバイス(第2のエッジコンピューティングデバイス31´を含む)は、その隣接管理モジュールを用いて第1のエッジコンピューティングデバイス11´の動作情報を取得することもできる。換言すると、互いに隣接関係を有する上記エッジコンピューティングデバイスは、それぞれの動作情報を互いに送信し、互いの動作情報を格納することができる。本開示は、エッジコンピューティングデバイスがそれぞれの動作情報を送信する順序を制限しようとするものではない。
【0046】
ステップS32では、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、端末装置21に対象サービスを提供する。例えば、対象サービスには人工知能、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、自動運転、または他のアプリケーションサービスが含まれる。本開示は、対象サービスのタイプを制限しようとするものではない。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´と端末装置21間の通信接続は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´、第2のエッジコンピューティングデバイス31´、または通信環境においてサービス割り当て機能を有する他のエッジコンピューティングデバイスによって、第1のエッジコンピューティングデバイス11の動作情報に従って前もって決定される。ここで、動作情報は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´の動作の資源条件と対象サービスを提供するときにおける通信遅延時間を含む。注意すべき点は、上記ステップS32はステップS31の前に実行してもよく、あるいはステップS31と同時に実行してもよく、本開示ではこれは制限されない点である。ステップS33では、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´においてサービス異常事態が存在すると判断する。ここで、サービス異常事態とは、対象サービスが停止している(「サービスダウン」と呼ばれる)またはスワップアウトされている(「サービススワップアウト」と呼ばれる)ことを意味することができる。サービス異常事態に対する応答では、ステップS34からS36において、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は再割り当てを実行し、他のエッジコンピューティングデバイス(第2のエッジコンピューティングデバイス31´)に対して対象サービス(すなわち、第1のエッジコンピューティングデバイス11´によって元々提供されていたサービス)を端末装置21に提供するよう命令する。
【0047】
より具体的には、
図7から10を参照すると、
図10は、本開示のさらなる他の実施形態に係る、複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法における信号送信の模式図である。
図10のステップA31に示すように、第1のエッジコンピューティングデバイス11´内で対象サービスを元々提供していたサービスモジュールにおいて「サービスダウン」または「サービススワップアウト」の異常事態が発生すると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´のサービス管理モジュール114は対応するサービス無効化信号を生成し、サービス位置管理モジュール119に提供する。「サービスダウン」と「サービススワップアウト」に関連する詳細は、上述した
図4の実施形態のそれらと同一であるので、ここでは繰り返さない。サービス位置管理モジュール119がサービス無効化信号を受信すると、サービス位置管理モジュール119とサービスリダイレクションモジュール120はそれに応じて再割り当てを実行する。
【0048】
再割り当ては、再配置手続きとリダイレクション手続きを含むことができる。再配置手続きは、第1のエッジコンピューティングデバイス11´が元々保有していたサービスを第1のエッジコンピューティングデバイス11´のIDに従って決定すること、および各サービスを対象サービスと認識することを含むことができる。上述したように、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に接続されているエッジコンピューティングデバイスの資源条件や各サービスを提供する際の通信遅延時間などの情報を周期的に収集できる。さらに述べると、サービス位置管理モジュール119は、対象サービスのIDを有するサービスモジュールを備えるエッジコンピューティングデバイスをエッジコンピューティングプラットホームの候補として選択し、最適な動作情報を有するエッジコンピューティングプラットホームの候補を対象エッジコンピューティングデバイスとして選択することができる。ここで、対象エッジコンピューティングデバイスとは、端末装置21に対象サービスを提供する仕事を引き継ぐと期待されるエッジコンピューティングプラットホームである。最適な動作情報の判断に関する例と記述は、前述の実施形態における最適な動作情報の判断のそれと同じであるので、ここでは繰り返さない。
【0049】
サービス位置管理モジュール119が上記再配置手続きによって対象エッジコンピューティングプラットホームを決定すると、サービス位置管理モジュール119は、リダイレクション要求を生成し、サービスリダイレクションモジュール120に送信することができる。リダイレクション要求は、対象エッジコンピューティングプラットホームのID、対象サービスのID、および端末装置21のIDを含む。上述した
図9の実施形態では、第2のエッジコンピューティングデバイス31´が対象エッジコンピューティングプラットホームとしてサービス位置管理モジュール119によって選択される。したがって、本実施形態では、リダイレクション要求は第2のエッジコンピューティングデバイス31´のIDを含む。サービスリダイレクションモジュール120は、リダイレクション要求に従ってリダイレクション情報をユーザープラン機能モジュール111へ送信することができる。ここで、リダイレクション情報は、第2のエッジコンピューティングデバイス31´のID、端末装置21のID、および対象サービスのIDを含む。ユーザープラン機能モジュール111は、第2のエッジコンピューティングデバイス31´のユーザープラン機能モジュールに対し、端末装置21のために第1と第2のエッジコンピューティングデバイス11´、31´間の通信を構築する要求を提案することができる。ここで、接続とは、具体的にはN9インターフェースを介して接続される、端末装置21のためのセッション接続である。
【0050】
上述した手続きを介し、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、第2のエッジコンピューティングデバイス31´に対象サービスを割り当て、オフロード情報と対象サービスの位置(「対象サービス位置」と呼ばれる)を生成し、オフロード情報を第2のエッジコンピューティングデバイス31´に送信し(ステップA32)、対象サービス位置を端末装置21へ送信する(ステップA33)。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、サービスリダイレクションモジュール120を用いてオフロード情報を第2のエッジコンピューティングデバイス31´に送信することができる。本実施形態では、オフロード情報は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´のID、端末装置21のID、および対象サービスのIDを含む。第2のエッジコンピューティングデバイス31´は、オフロード情報に従って、端末装置21のための第1と第2のエッジコンピューティングデバイス11´、31´間の接続を構築するための上記要求に同意することができる。簡潔に述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´と第2のエッジコンピューティングデバイス31´は、サービスリダイレクションモジュール120からそれぞれリダイレクション情報とオフロード情報を取得し、それに従って互いに接続を構築することができる。ここで、接続は、端末装置21と対象サービスに関連付けられる。第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、サービスリダイレクションモジュール120を用いて端末装置21に対象サービス位置を送信することもできる。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´のサービスリダイレクションモジュール120が第2のエッジコンピューティングデバイス31´に対象サービスを再割り当てする際、サービスリダイレクションモジュールは、第2のエッジコンピューティングデバイス31´において対象サービスを提供するサービスモジュールの位置情報(例えばIP)を取得し、この位置情報を対象サービス位置と認識することができる。より詳細には、サービスリダイレクションモジュール120は、DNS通知、HTTP301、HTTP302によって対象サービス位置を端末装置21に送信することができる。対象サービス位置を受信すると、端末装置21はそれに従って、第1のエッジコンピューティングデバイス11´と第2のエッジコンピューティングデバイス31´間の接続を介し、第2のエッジコンピューティングデバイス31´の対象サービス提供可能なサービスモジュールと接続することができる(ステップA35、A35)。
【0051】
本開示は、一元化された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法または分散した通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法を実行するために切り替えが可能な統合化されたネットワーク通信制御方法をも提供することができる。
図2、8、11を参照すると、
図11は本開示の他の実施形態に係るエッジコンピューティングシステムの通信環境の模式図である。
図11に示すように、統合化されたエッジコンピューティングシステム1´は、互いに通信接続を有する第1のエッジコンピューティングデバイス11´と中央制御装置13を備えることができる。エッジコンピューティングシステム1´は、端末装置21との通信接続を備えることができ、さらに第2のエッジコンピューティングデバイス31´との通信接続を備えることができる。さらに述べると、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、それぞれ端末装置21と第2のエッジコンピューティングデバイス31´との通信接続を備えることができ、中央制御装置13は第2のエッジコンピューティングデバイス31´との通信接続を備えることができる。注意すべき点は、ず11に示される、エッジコンピューティングシステム1´に接続される端末装置21の数、およびエッジコンピューティングシステム1´に接続され第2のエッジコンピューティングデバイス31´の数は単に例示されテイルに過ぎないことである。エッジコンピューティングシステム1´は、複数の端末装置21および/または複数の第2のエッジコンピューティングデバイス31´と接続されていてもよい。さらに、第2のエッジコンピューティングデバイス31´は、一つまたはそれ以上の端末装置21と接続されることができる。
【0052】
中央制御装置13は、上述した
図2の実施形態で述べた中央制御装置と同様のモジュールと機能を有し、同様の操作ができる。第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、上述した
図8の実施形態で述べたエッジコンピューティングデバイスと同様のモジュールと機能を有し、同様の操作ができる。従って、エッジコンピューティングシステム1´は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´と協働して中央制御装置13を使用して前述の実施形態(
図3から6の実施形態を含む)で述べた一元化された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法を実行することができ、第1のエッジコンピューティングデバイス11´を使用して前述の実施形態(
図9と10の実施形態を含む)で述べた分散された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法を実行することができる。さらに述べると、第2のエッジコンピューティングデバイス31´も、上述した
図8の実施形態で述べたエッジコンピューティングデバイスと同様のモジュールと機能を有し、同様の操作ができる。
【0053】
本実施形態では、正常動作をしている間、エッジコンピューティングシステム1´は、一元化された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法を実行する。第1のエッジコンピューティングデバイス11´が中央制御装置13との接続が切断されたと判断すると、切り替えが行われ、エッジコンピューティングシステム1´によって分散された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法が実行される。例えば、一元化された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法においては、エッジコンピューティングシステム1´の中央制御装置13は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´から動作情報を受信すると確認応答メッセージを第1のエッジコンピューティングデバイス11´に返送する。したがって、第1のエッジコンピューティングデバイス11´が中央制御装置13によって返送された確認応答メッセージを受信しない場合には、第1のエッジコンピューティングデバイス11´は、中央制御装置13との通信が切断されたと判断することができ、これと同時に、エッジコンピューティングシステム1´は分散された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法(第1のネットワーク通信制御方法)を実行するよう切り替える。特に、本実施形態は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´が分散された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法を実行するエッジコンピューティングデバイスであることを例示的に記述する。他の実施形態では、エッジコンピューティングシステム1´はより多くのエッジコンピューティングデバイスを備え、端末装置からサービス要求を受信したエッジコンピューティングデバイスによって分散された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法が実行される。中央制御装置13がオンラインに戻ると、中央制御装置13は、第1のエッジコンピューティングデバイス11´に対して情報収拾要求を送信することになる。第1のエッジコンピューティングデバイス11´が情報収拾要求を受信すると、エッジコンピューティングシステム1´は元化された通信環境に適用されるネットワーク通信制御方法(第2のネットワーク通信制御方法)を実行するためにスイッチバックする。
【0054】
本開示はさらに、エッジコンピューティングデバイスの構造を提供する。より具体的には、第1のエッジコンピューティングデバイス11、中央制御装置13、および第1のエッジコンピューティングデバイス11´はそれぞれこの装置構造を備えることができる。本開示他の実施形態に係るエッジコンピューティングデバイスの機能ブロック図である
図12を参照されたい。
図12に示すように、エッジコンピューティングデバイス10はメモリ101とプロセッサ103を有し、ここでプロセッサ103はメモリ101と電気的に接続される。例えば、メモリ101はフラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、磁気メモリ、あるいは他の不揮発性格納媒体である。メモリ101は複数の命令を格納する。さらに述べると、この複数の命令は、少なくとも、前述の実施形態で述べた第1のエッジコンピューティングデバイス11/中央制御装置13/第1のエッジコンピューティングデバイス11´によって実行されるステップに対応する命令を含む。プロセッサ103は、例えば中央演算ユニット、マイクロコントローラ、プログラミング可能なロジックコントローラなどである。プロセッサ103は、メモリ101内に格納された命令を実行し、前述の実施形態で述べた第1のエッジコンピューティングデバイス11/中央制御装置13/第1のエッジコンピューティングデバイス11´によって行われるステップを実行する。
【0055】
このように、本開示は、種々のサービス異常事態に対する応答においてサービスを提供するエッジコンピューティングプラットホームの再割り当てのための、エッジコンピューティングシステム、エッジコンピューティングデバイス、一元化された通信環境に適用される複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法、および分散された通信環境に適用される複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法を提供する。このため、サービス異常事態が発生した際、通信環境全体を再構成する必要がない。本開示のエッジコンピューティングシステム、エッジコンピューティングデバイス、および複数のエッジクラウドのネットワーク通信制御方法は、サービス中断が無い動的割り当て機能を有することができ、負荷分散機能と遠隔バックアップ機能をも有することができる。