(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】抗TrkA抗体
(51)【国際特許分類】
C07K 16/28 20060101AFI20220201BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20220201BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220201BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20220201BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P25/04
C12N15/13
(21)【出願番号】P 2020544503
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 US2019018869
(87)【国際公開番号】W WO2019168730
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-08-21
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【氏名又は名称】植田 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】バイドラー,キャサリン ブラウティガム
(72)【発明者】
【氏名】ギラルド,ダニエル スコット
(72)【発明者】
【氏名】パテル,チェタンクマール ナツヴァルラル
【審査官】長谷川 強
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520182(JP,A)
【文献】国際公開第2016/087677(WO,A1)
【文献】PNAS, 2007, Vol.104, No.8, p.2985-2990
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/28
A61K 39/395
A61P 25/04
C12N 15/13
CAplus/REGISTRY(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含むトロポミオシン受容体キナーゼ(TrkA)に結合する抗体であって、前記HCVRが、相補性決定領域(CDR)HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCVRが、CDR LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR1のアミノ酸配列が、配列番号3であり、HCDR2のアミノ酸配列が、配列番号4であり、HCDR3のアミノ酸配列が、配列番号5であり、LCDR1のアミノ酸配列が、配列番号7であり、LCDR2のアミノ酸配列が、配列番号8であり、LCDR3のアミノ酸配列が、配列番号9である、抗体。
【請求項2】
配列番号7の残基10のX
aaがAである、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
配列番号7の残基10のX
aaがQである、請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
前記HCVRのアミノ酸配列が、配列番号10であり、前記LCVRのアミノ酸配列が、配列番号11である、請求項1に記載の抗体。
【請求項5】
配列番号11の残基33のX
aaがAである、請求項4に記載の抗体。
【請求項6】
配列番号11の残基33のX
aaがQである、請求項4に記載の抗体。
【請求項7】
重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含むトロポミオシン受容体キナーゼ(TrkA)に結合する抗体であって、前記HCのアミノ酸配列が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択され、前記LCのアミノ酸配列が、配列番号6である、抗体。
【請求項8】
各々が配列番号1のアミノ酸配列を有する2つのHCが存在し、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つのLCが存在する、請求項7に記載の抗体。
【請求項9】
配列番号6の残基33のX
aaがAである、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
配列番号6の残基33のX
aaがQである、請求項8に記載の抗体。
【請求項11】
各々が配列番号2のアミノ酸配列を有する2つのHCが存在し、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つのLCが存在する、請求項7に記載の抗体。
【請求項12】
配列番号6の残基33のX
aaがAである、請求項11に記載の抗体。
【請求項13】
配列番号6の残基33のX
aaがQである、請求項11に記載の抗体。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項15】
疼痛を治療する
ための、請求項1~13のいずれか1項に記載の抗体
を含む
組成物。
【請求項16】
前記疼痛が、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛のうちの1つである、請求項15に記載の
組成物。
【請求項17】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項15に記載の
組成物。
【請求項18】
疼痛の治療のための薬剤の製造における請求項1~13のいずれか1項に記載の抗体の使用。
【請求項19】
前記疼痛が、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛のうちの1つである、請求項
18に記載の使用。
【請求項20】
前記疼痛が慢性疼痛である、請求項
18に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の分野に属する。特に、本発明は、トロポミシン受容体キナーゼA(TrkA)に対する抗体、そのような抗TrkA抗体を含む組成物、およびそのような抗体を疼痛の治療に使用する方法に関する。抗体およびそれを使用する方法は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性(nociplastic)、または混合病因の急性または慢性の疼痛を治療し得る。他の実施形態では、抗体および方法は、起源が筋骨格性または神経障害性である急性または慢性の疼痛を治療するために使用され得る。疼痛の具体的で非限定的な例としては、例えば、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、変形性関節症疼痛、神経障害性疼痛、糖尿病性神経障害性疼痛(DNP)、ならびに非神経根性(非神経障害性)および神経根性腰痛(腰仙部神経根症(LSR)または坐骨神経痛と呼ばれることもある)を含む慢性腰痛(CLBP)、ならびに内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2013/0336964号は、ヒト疼痛系におけるTrkAおよび神経成長因子(NGF)の役割を説明している。具体的には、ある特定の状況において、NGFは身体における疼痛経路の一部としてTrkAタンパク質に結合し、活性化する。この結合は、複数の機構を介して疼痛のシグナル伝達を増強する。(WO2016/087677を参照されたい)。したがって、NGFを標的化することは、潜在的に疼痛の治療に有用であり得、炎症に関連する疼痛は、動物モデルにおいてNGFの生物活性を中和することによって大幅に低減され得る。(例えば、WO2016/087677、および米国特許第7,449,616号を参照されたい)。米国特許出願公開第2013/0336961号、米国特許第7,601,818号、WO2000/73344およびWO2016/087677には、TrkAに結合するように設計された様々な抗体が列挙されている。ヒトTrkAのタンパク質配列は、米国特許出願公開第2013/0336961号に提供されている。
【0003】
持続性疼痛は主要な健康問題であり、生活の質を大幅に低下させる。持続性疼痛は、異なるレベルの重症度を示す場合があり、背部損傷または変性椎間板疾患、片頭痛、関節炎、糖尿病性神経障害、癌、および他の疾患などの様々な病状に関連している。軽度の疼痛は現在、アセトアミノフェン、アスピリン、および他の(典型的には市販の)薬剤で治療されている。中程度の疼痛は、コルチゾールおよびプレドニゾンなどのコルチコステロイド薬を使用して制御することができる。既存の治療の有効性および/または忍容性に関する問題は周知であり、例えば、コルチコステロイドは、体重増加、不眠症、および免疫系衰弱を含む顕著な悪影響を示す。中程度または重度の疼痛は、モルヒネおよびフェンタニルなどのオピオイドで治療され得るが、アヘン剤の長期使用は、依存症、耐性、および身体依存症の発症を含む、いくつかの重大な欠点によって制限される。オピオイドの過剰使用の可能性は、オピオイドを使用し、中毒になっている可能性のある人々の数の増加を考慮して、「オピオイド蔓延」として特徴付けられている。
【0004】
現在の疼痛療法は効果が不十分であることが多く、かつ/または重大な望ましくない副作用があるため、新しい分子標的に向けられ、かつ安全性、効力、有効性、および忍容性を含む、改善された薬理学的特性の組み合わせ、特に慢性疼痛の治療を提供し得る薬物を開発することが急務である。今日まで、TrkAシグナル伝達を標的とする薬剤は、疼痛の治療のために承認されていない。したがって、代替の抗TrkA抗体などの、TrkAシグナル伝達を阻害することができる薬剤の必要性が残存する。治療効果を提供するそのような薬剤の必要性も存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含むTrkAに結合する抗体を提供し、HCVRは、相補性決定領域(CDR)HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、LCVRは、CDR LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR1のアミノ酸配列は、配列番号3であり、HCDR2のアミノ酸配列は、配列番号4であり、HCDR3のアミノ酸配列は、配列番号5であり、LCDR1のアミノ酸配列は、配列番号7であり、LCDR2のアミノ酸配列は、配列番号8であり、LCDR3のアミノ酸配列は、配列番号9である。下記のように、配列番号7のLCDR1のアミノ酸配列は、残基10に、N、A、またはQのうちの1つであるXaaを含む。現在好ましい実施形態のいくつかでは、配列番号7の10位のXaaはAである。現在好ましい実施形態の他では、配列番号7の10位のXaaはQである。
【0006】
本発明の実施形態は、HCVRおよびLCVRを含むTrkAに結合する抗体を提供し、HCVRのアミノ酸配列は、配列番号10であり、LCVRのアミノ酸配列は、配列番号11である。下記のように、配列番号11のLCVRのアミノ酸配列は、残基33に、N、A、またはQのうちの1つであるXaaを含む。現在好ましい実施形態のいくつかでは、配列番号11の残基33のXaaはAである。他の現在好ましい実施形態では、配列番号11の残基33のXaaはQである。
【0007】
さらなる実施形態では、本発明は、重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含むTrkAに結合する抗体を提供し、HCのアミノ酸配列は、配列番号1および配列番号2からなる群から選択され、LCのアミノ酸配列は、配列番号6である。下記のように、配列番号6で定義されるLCのアミノ酸配列は、残基33に、N、A、またはQのうちの1つであるXaaを含む。現在好ましい態様のいくつかでは、配列番号6の残基33のXaaはAである。他の現在好ましい実施形態では、配列番号6の残基33のXaaはQである。いくつかの実施形態では、2つのHCおよび2つのLCが存在し、LCの各々は、配列番号6のアミノ酸配列を有し、HCの各々は、配列番号1または配列番号2のいずれかのアミノ酸配列を有する。
【0008】
配列番号6のLCの様々な実施形態は、配列番号1のHCまたは配列番号2のHCのいずれかとともに使用され得る。一実施形態では、HCは、配列番号1によって定義され、配列番号6のLCは、配列番号6の残基33のXaaがQであるように構築される。別の実施形態では、HCは、配列番号1によって定義され、配列番号6のLCは、配列番号6の残基33のX aaがAであるように構築される。さらなる実施形態では、HCは、配列番号2によって定義され、配列番号6のLCは、配列番号6の残基33のXaaがQであるように構築される。さらに追加の実施形態では、HCは、配列番号2によって定義され、配列番号6のLCは、配列番号6の残基33のXaaがAであるように構築される。
【0009】
本発明はさらに、本発明の抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、薬学的組成物を提供する。さらに、本発明は、治療を必要とする患者に、本発明の薬学的組成物を投与することを含む、疼痛を治療する方法を提供する。なおもさらなる実施形態では、本発明は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性、または混合病因の急性または慢性の疼痛を治療する方法を提供する。他の実施形態では、疼痛は、起源が筋骨格性または神経障害性である急性または慢性の疼痛である。本実施形態によって治療され得る疼痛の具体的で非限定的な例としては、例えば、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、神経障害性疼痛、および変形性関節症疼痛が挙げられる。(本明細書で使用される場合、変形性関節症疼痛は、非神経根性(非神経障害性)疼痛を明確に含む。本明細書で使用される場合、神経障害性疼痛は、神経根性疼痛CLBP、DNP、およびLSRを明確に含む。)いくつかの実施形態では、疼痛は、例えば、筋骨格性および神経障害性起源の両方の慢性疼痛などの慢性疼痛である。他の実施形態では、疼痛の内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)。
【0010】
なおもさらなる実施形態では、本発明は、治療を必要とする患者に、本発明の薬学的組成物を投与することを含む、疼痛を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疼痛は、例えば、筋骨格性および神経障害性起源の両方の慢性疼痛などの慢性疼痛である。
【0011】
加えて、本発明は、治療を必要とする患者に、本発明の有効量の抗体を投与することを含む、疼痛を治療する方法を提供する。より特定の実施形態では、本発明は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性、または混合病因の急性または慢性の疼痛を治療する方法を提供する。他の実施形態では、疼痛は、起源が筋骨格性または神経障害性である急性または慢性の疼痛である。疼痛の具体的で非限定的な例としては、例えば、非神経根性(非神経障害性)および神経根性CLBP、DNP、およびLSRを含む、術後疼痛、慢性関節リウマチ疼痛、神経障害性疼痛、および変形性関節症疼痛が挙げられ、治療を必要とする患者に、本発明の有効量の抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療方法は、例えば、筋骨格性および神経障害性起源の両方の慢性疼痛などの慢性疼痛である疼痛の治療を伴う。他の実施形態では、治療方法は、内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)である疼痛の治療を伴う。
【0012】
本発明はまた、療法における使用のための本発明の抗体も提供する。より具体的には、本発明は、疼痛の治療に使用するための本発明の抗体を提供する。特定の実施形態では、本発明は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性、または混合病因(これらに限定されないが、例えば、非神経根性(非神経障害性)ならびに神経根性CLBP、DNP、およびLSRを含む、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛を含む)の急性または慢性の疼痛の治療に使用するための本発明の抗体を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、例えば、筋骨格性および神経障害性起源の両方の慢性疼痛などの慢性または急性の疼痛である疼痛の治療に使用するためのものである。他の実施形態では、本発明の抗体は、内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)である疼痛の治療に使用するためのものである。
【0013】
さらに、本発明は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性、または混合病因(これらに限定されないが、例えば、非神経根性(非神経障害性)ならびに神経根性CLBP、DNP、およびLSRを含む、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛を含む)の急性または慢性の疼痛の治療のための薬剤の製造に使用される本発明の抗体の使用を提供する。いくつかのそのような実施形態では、本発明の抗体は、例えば、筋骨格性および神経障害性起源の両方の慢性疼痛などの急性または慢性の疼痛である疼痛の治療のための薬剤の製造に使用される。他の実施形態では、本発明の抗体は、疼痛の内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)の治療のための薬剤の製造に使用される。
【0014】
本実施形態は、疼痛を治療するための薬剤の製造のための、重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含むTrkAに結合する抗体(HCVRは、相補性決定領域(CDR)HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、LCVRは、CDR LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR1のアミノ酸配列は、配列番号3であり、HCDR2のアミノ酸配列は、配列番号4であり、HCDR3のアミノ酸配列は、配列番号5であり、LCDR1のアミノ酸配列は、配列番号7であり、LCDR2のアミノ酸配列は、配列番号8であり、LCDR3のアミノ酸配列は、配列番号9である)、またはそのような抗体を含む薬学的組成物の使用も提供する。いくつかの実施形態では、抗体(またはそのような抗体を含む薬学的組成物)は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性、または混合病因(これらに限定されないが、例えば、非神経根性(非神経障害性)ならびに坐骨神経痛としても知られる神経根性CLBP、DNP、およびLSRを含む、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、神経障害性疼痛、および変形性関節症疼痛を含む)の急性または慢性の疼痛を治療するための薬剤の製造に使用される。他の実施形態では、抗体(またはそのような抗体を含む薬学的組成物)は、慢性疼痛を治療するための薬剤の製造に使用される。他の実施形態では、抗体(またはそのような抗体を含む薬学的組成物)は、内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)を治療するための薬剤の製造に使用される。他の実施形態では、抗体(またはそのような抗体を含む薬学的組成物)は、起源が筋骨格性および神経障害性の急性または慢性の疼痛を治療するための薬剤の製造に使用される。
【0015】
本抗体はTrkAに結合する。より具体的には、本抗体は、NGFがTrkAへの結合を遮断または防止されるように、TrkAに結合することができる。一般に、NGFはTrkA受容体のドメイン5に結合する。しかしながら、本抗体は、TrkAに結合し、それにより、NGFがドメイン5の全てもしくは一部またはTrkAの別の部分に結合するのを遮断/防止し得る。
【0016】
以下は、本実施形態の範囲内のいくつかの例示的な抗体の配列である:
【0017】
配列番号6のLC(配列番号6の残基33のXaaがNである)および配列番号1のHCを有する抗体(以下、「mAb A」と称する):
軽鎖
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRNGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
重鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【0018】
配列番号6のLC(配列番号6の残基33のXaaがAである)および配列番号1のHCを有する抗体(以下、「mAb B」と称する):
軽鎖
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRAGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
重鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【0019】
配列番号6のLC(配列番号6の残基33のXaaがQである)および配列番号1のHCを有する抗体(以下、「mAb C」と称する):
軽鎖
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRQGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
重鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【0020】
配列番号6のLC(配列番号6の残基33のXaaがAである)および配列番号2のHCを有する抗体(以下、「mAb D」と称する):
軽鎖
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRAGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
重鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAEGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0021】
配列番号6のLC(配列番号6の残基33のXaaがQである)および配列番号2のHCを有する抗体(以下、「mAb E」と称する):
軽鎖
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRQGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
重鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAEGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0022】
配列番号6のLC(配列番号6の残基33のXaaがNである)および配列番号2のHCを有する抗体(以下、「mAb F」と称する):
軽鎖
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRNGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
重鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAEGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0023】
さらに、本発明は、プロセスに従って調製された抗体を提供し、該プロセスは、本発明のポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を、抗体が発現されるような条件下で培養することと、該宿主細胞から本発明の抗体を回収することとを含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「抗体」は、ジスルフィド結合により相互接続された2つのHCおよび2つのLCを含む免疫グロブリン分子である。各LCおよびHCのアミノ末端部分は、その中に収容されるCDRを介した抗原認識を主に担う約100~120個のアミノ酸の可変領域を含む。CDRには、フレーム領域(「FR」)と呼ばれる、より保存された領域が散在している。各LCVRおよびHCVRは、以下のFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順で、アミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。LCの3つのCDRは、「LCDR1、LCDR2、およびLCDR3」と呼ばれ、HCの3つのCDRは、「HCDR1、HCDR2、およびHCDR3」と呼ばれる。CDRは、抗原と特異的な相互作用を形成する残基の大部分を含む。ある抗体が特定の抗原と結合する機能的能力は、6つのCDRによって大きく影響される。本発明の抗体のLCVRおよびHCVR領域内のCDRドメインへのアミノ酸の割り当ては、周知のKabat番号付け規則(Kabat,et al.,Ann.NY Acad.Sci.190:382-93(1971)、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242(1991))、およびNorth番号付け規則(North et al.,A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations,Journal of Molecular Biology,406:228-256(2011))に基づいている。
【0025】
LCは、カッパまたはラムダとして分類され、これらは各々、当該技術分野で既知の特定の定常領域を特徴とする。本発明の抗体は、カッパLCを含む。HCは、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、またはイプシロンとして分類され、それぞれ抗体のアイソタイプをIgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEとして定義する。本発明の抗体は、IgG HCを含む。IgG抗体は、サブクラス、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4にさらに分けることができる。特定の実施形態では、本発明の抗体は、IgG4またはIgG1である。各HCのカルボキシ末端部分は、エフェクター機能を主に担う定常領域を定義する。特定の実施形態では、本発明の抗体は、エフェクター機能を低減するか、または抗体の安定性を改善する各HCの定常領域に1つ以上の修飾を有する。
【0026】
本発明の抗体は、モノクローナル抗体(「mAb」)である。mAbは、例えば、ハイブリドーマ技術、組み換え技術、ファージ提示技術、合成技術、例えば、CDR移植、またはそのような技術または当該技術分野で既知の他の技術の組み合わせによって産生することができる。本明細書で言及される場合、mAbは、単一のコピーまたはクローン(例えば、任意の真核生物、原核生物、もしくはファージのクローンを含む)に由来する抗体であり、それが産生される方法ではない。
【0027】
抗体を産生および精製する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、ファージライブラリをスクリーニングすることができ、それにより、組み換えヒトTrkとの相互作用について数千のFab断片がスクリーニングされる。結果として生じる相互作用を回収、精製し、当該技術分野で周知の従来の方法を使用してアミノ酸配列を決定することができ、それにより、初期リード抗体を構築することができる。本発明の抗体は、1つ以上のヒトフレームワーク領域を含有するように設計されている。ヒトフレームワークの生殖系列配列は、ImMunoGeneTics(INGT)からそのウェブサイト(http://imgt.cines.fr)を通して、またはThe Immunoglobulin FactsBook by Marie-Paule Lefranc and Gerard Lefranc,Academic Press,2001(ISBN012441351)から得ることができる。特定の実施形態によれば、本発明の抗体に使用するための生殖系列HCおよびLCフレームワーク領域は、それぞれ、3~21およびA23を含む。
【0028】
本発明の特定の実施形態では、抗体、または抗体をコードする核酸は、単離された形態で提供される。本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、細胞環境内に見出される他の高分子種を含まないか、または実質的に含まない、タンパク質、ポリペプチド、または核酸を指す。
【0029】
本発明の抗体は、既知の方法を使用して調製および精製することができる。例えば、HC(例えば、配列番号1によって示されるアミノ酸配列)およびLC(例えば、配列番号6によって示されるアミノ酸配列)をコードするcDNA配列をクローニングし、GS(グルタミンシンテターゼ)発現ベクター中に操作することができる。次いで、操作された免疫グロブリン発現ベクターを、CHO細胞中に安定してトランスフェクトすることができる。当業者であれば理解されるように、抗体の哺乳動物発現は、典型的には、Fc領域内の高度に保存されたN-グリコシル化部位でのグリコシル化をもたらすであろう。安定なクローンは、TrkAに特異的に結合する抗体の発現について検証され得る。陽性クローンは、バイオリアクター内での抗体産生のために無血清培地へと増殖させることができる。抗体が分泌された培地は、従来の技術によって精製することができる。例えば、培地は、リン酸緩衝生理食塩水などの適合性のある緩衝液で平衡化したプロテインAまたはG Sepharose FFカラムに好都合に適用することができる。カラムを洗浄して、非特異的結合構成成分を除去する。結合した抗体を、例えば、pH勾配によって溶出し、抗体画分を、SDS-PAGEなどによって検出し、抗TrkA対TrkAをプールする。抗体は、一般的な技術を使用して濃縮および/または滅菌濾過されてもよい。可溶性凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効率的に除去することができる。産物を、例えば、-70℃で直ちに凍結させるか、または凍結乾燥させてもよい。
【0030】
本発明の抗体は、患者の治療に使用することができる。より具体的には、本発明の抗体は、侵害受容性/炎症性、神経障害性、侵害可塑性、または混合病因の急性または慢性の疼痛などの疼痛のクラスを治療することが期待される。そのような疼痛には、限定されないが、例えば、非神経根性(非神経障害性)および神経根性CLBP、DNP、およびLSRを含む、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛が明確に含まれる。本発明の抗体は、上述の術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛を含む疼痛の治療に有用であることが期待されるが、そのような抗体はまた、他の疼痛の治療にも有用であり得る。本明細書で互換的に使用される場合、「治療」および/または「治療すること」および/または「治療する」は、本明細書に記載の障害の進行の緩徐化、妨害、抑止、制御、停止、または逆転が存在し得る全てのプロセスを指すことが意図されるが、全ての障害の症状の完全な排除を必ずしも示すものではない。治療には、疼痛の予防も含まれ得る。
【0031】
治療は、TrkA活性の低減により利益を得るであろうヒトにおける疾患または状態の治療のための本発明の抗体の投与を含み、(a)疾患のさらなる進行を阻害すること、すなわち、その発症を抑止することと、(b)疾患を軽減すること、すなわち、疾患もしくは障害の退縮を引き起こすか、またはその症状もしくは合併症を緩和することと、(c)症状の疾患の発症を予防することとを含む。
【0032】
本明細書で定義される治療は、疼痛の発生率の低減、疼痛または疼痛の1つ以上の症状の寛解、疼痛または疼痛の1つ以上の症状の緩和、疼痛の発症の遅延を明確に含む。治療には、いくつかの状況では、疼痛の治療も含まれるが、必ずしも疼痛を引き起こす基礎疾患または状態を修正しない。
【0033】
疼痛の「発生の低減」とは、重症度(例えばアヘン剤を含む、この状態に一般的に使用される他の薬物および/または療法の必要性および/または量(例えば、それへの暴露)の低減を含み得る)、持続時間、および/または頻度(例えば、個体の術後疼痛までの時間の遅延または増加を含む)の低減のいずれかを意味する。当業者によって理解されるように、個体は、治療に対する彼らの応答に関して異なる可能性があり、したがって、例えば、「個体における関節リウマチ疼痛または変形性関節症疼痛の発生を低減する方法」は、そのような投与がその特定の個体における発生においてそのような低減を引き起こす可能性が高いという合理的な期待に基づく抗体の投与を反映する。
【0034】
疼痛または疼痛の1つ以上の症状(関節リウマチ疼痛または変形性関節症疼痛など)を「寛解させること」とは、抗体を投与しない場合と比較して、疼痛の1つ以上の症状が軽減または改善されることを意味する。「寛解させること」には、症状の持続時間の短縮または低減も含まれる。
【0035】
疼痛または疼痛の1つ以上の症状(関節リウマチ疼痛または変形性関節症疼痛など)の「緩和」とは、本発明による抗体で治療された個体または個体の集団における術後疼痛の1つ以上の望ましくない臨床症状の程度を軽減することを意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、疼痛の発症を「遅延させること」とは、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、または変形性関節症疼痛などの疼痛の進行を保留する、妨げる、緩徐化する、遅らせる、安定させる、および/または延期することを意味する。この遅延は、疾患の病歴および/または治療される個体に応じて、様々な長さの時間であり得る。当業者に明らかであるように、十分または有意な遅延は、個体が疼痛を発症しないという点で、事実上、予防を包含し得る。症状の発症を「遅延させる」方法は、方法を使用しない場合と比較して、所与の時間枠において症状が発症する可能性を低減し、かつ/または所与の時間枠において症状の程度を低減する方法である。そのような比較は、典型的には、統計的に有意な数の対象を使用した臨床研究に基づく。
【0037】
本明細書で使用される場合、「疼痛」は、侵害受容性/炎症性病因の疼痛、神経障害性病因の疼痛、侵害可塑性病因の疼痛、または混合病因の疼痛を含むあらゆる病因の疼痛を指す。疼痛には、急性および慢性の疼痛が明確に含まれる。疼痛は、起源が筋骨格性または神経障害性である急性または慢性の疼痛を含む。疼痛には、炎症性成分によるあらゆる疼痛も含まれる。疼痛には、内臓痛(例えば、慢性前立腺炎、間質性膀胱炎(膀胱痛)または慢性骨盤痛など)も含まれる。非限定的な疼痛の例としては、術後(post-surgical)疼痛、術後(post-operative)疼痛(歯痛を含む)、片頭痛、頭痛および三叉神経痛、火傷、創傷、または腎臓結石に関連する疼痛、外傷に関連する疼痛(外傷性頭部損傷を含む)、神経障害性疼痛、関節リウマチ、変形性関節症などの筋骨格障害に関連する疼痛(例えば、非神経根性(非神経障害性)および神経根性CLBP(LSRまたは坐骨神経痛を含む)を含む)、DNP、強直性脊椎炎、血清陰性(非リウマチ)関節症、非関節性リウマチおよび関節周囲障害、ならびに癌に関連する疼痛(「突出痛」および末期癌に関連する疼痛を含む)、末梢神経障害および帯状疱疹後神経痛が挙げられる。(上記のもののいくつかに加えて)炎症性成分を伴う疼痛の非限定的な例としては、リウマチ痛、粘膜炎に関連する疼痛、および月経困難症が挙げられる。
【0038】
本明細書で定義されるように、疼痛は、筋骨格性および神経障害性起源の両方の慢性疼痛を明確に含む。疼痛には、急性疼痛および突然の疼痛も含まれる。
【0039】
「術後疼痛」(「切開後」または「外傷後疼痛」と交換可能に呼ばれる)は、個体の組織への切り傷、刺し傷、切開、裂傷、または創傷などの外的外傷(侵襲的または非侵襲的にかかわらず、すべての外科的処置から生じるものを含む)から生じるまたは起因する疼痛を指す。本明細書で使用される場合、術後疼痛は、外部の身体的外傷なしに発生する(生じるまたは由来する)疼痛を含まない。いくつかの実施形態では、術後疼痛は内的または外的(末梢を含む)疼痛であり、創傷、切り傷、外傷、裂傷、または切開は、偶発的に(外傷性創傷と同様に)または故意に(外科的切開と同様に)発生し得る。本明細書で使用される場合、「疼痛」は、侵害受容および痛覚を含み、疼痛スコアおよび当技術分野で周知の他の方法を使用して、疼痛を客観的および主観的に評価することができる。本明細書で使用される場合、術後疼痛には、異痛症(すなわち、通常は非有害な刺激に対する反応の増加)および痛覚過敏(すなわち、通常の有害または不快な刺激に対する反応の増加)が含まれ、これは、熱的または機械的(触覚)であり得る。いくつかの実施形態では、疼痛は、熱的感受性、機械的感受性、および/または安静時痛を特徴とする。いくつかの実施形態では、術後疼痛には、機械的に誘導される疼痛または安静時痛が含まれる。他の実施形態では、術後疼痛には、安静時痛が含まれる。当技術分野で周知のように、疼痛は、一次性または二次性疼痛であり得る。
【0040】
本明細書で互換的に使用される場合、「患者」、「対象」、および「個体」という用語は、ヒトを指す。ある特定の実施形態では、患者は、TrkA活性の低減から利益を得るであろう疾患、障害、または状態(例えば、疼痛、例えば、一次性もしくは二次性頭痛、および/または片頭痛(慢性片頭痛を含む))をさらに特徴とする。別の実施形態では、患者は、上記の状態、またはTrkA活性の低減から利益を得るであろう状態を発症するリスクがあるとさらに特徴付けられる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「結合する(bind)」、「結合する(binds)」、または「に結合する」という用語は、抗体とヒトTrkAのエピトープとの相互作用を指す。本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語は、本発明の抗体によって認識される抗原の別個の三次元部位を指す。
【0042】
本発明の抗体は、当該技術分野で周知の方法によって調製することができ、本発明の抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体(複数可)および/または希釈剤(複数可)とを含む、薬学的組成物に組み込むことができる(例えば、一般に開業医に知られている製剤化技術の概要を提供する、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,Loyd V.,Ed.,Pharmaceutical Press,2012)。薬学的組成物に好適な担体には、本発明の抗体と組み合わせたときに分子の活性を保持し、かつ患者の免疫系とは非反応性である、任意の材料が含まれる。
【0043】
本発明の抗体を含む薬学的組成物は、親経路(例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、または経皮)によって、本明細書に記載の疾患または障害のリスクがあるか、またはそれを呈する患者に投与することができる。本発明の薬学的組成物は、「有効」量または「治療有効」量(本明細書で互換的に使用される)の本発明の抗体を含有する。有効量は、所望の治療結果を達成するのに必要な量(投与量および期間および投与手段で)を指す。抗体の有効量は、個体の病状、年齢、性別、および体重、ならびに抗体が個体において所望の応答を誘発する能力などの因子に応じて変動し得る。有効量はまた、本発明の抗体の任意の毒性効果または有害効果よりも治療的に有益な効果が上回る量である。いくつかの実施形態では、有効量は、臨床的に有意な疼痛の低減をもたらす。
本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.重鎖可変領域(HCVR)および軽鎖可変領域(LCVR)を含むトロポミオシン受容体キナーゼ(TrkA)に結合する抗体であって、前記HCVRが、相補性決定領域(CDR)HCDR1、HCDR2、およびHCDR3を含み、前記LCVRが、CDR LCDR1、LCDR2、およびLCDR3を含み、HCDR1のアミノ酸配列が、配列番号3であり、HCDR2のアミノ酸配列が、配列番号4であり、HCDR3のアミノ酸配列が、配列番号5であり、LCDR1のアミノ酸配列が、配列番号7であり、LCDR2のアミノ酸配列が、配列番号8であり、LCDR3のアミノ酸配列が、配列番号9である、抗体。
2.配列番号7の残基10のX
aa
がAである、上記1に記載の抗体。
3.配列番号7の残基10のX
aa
がQである、上記1に記載の抗体。
4.前記HCVRのアミノ酸配列が、配列番号10であり、前記LCVRのアミノ酸配列が、配列番号11である、上記1に記載の抗体。
5.配列番号11の残基33のX
aa
がAである、上記4に記載の抗体。
6.配列番号11の残基33のX
aa
がQである、上記4に記載の抗体。
7.重鎖(HC)および軽鎖(LC)を含むトロポミオシン受容体キナーゼ(TrkA)に結合する抗体であって、前記HCのアミノ酸配列が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択され、前記LCのアミノ酸配列が、配列番号6である、抗体。
8.各々が配列番号1のアミノ酸配列を有する2つのHCが存在し、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つのLCが存在する、上記7に記載の抗体。
9.配列番号6の残基33のX
aa
がAである、上記8に記載の抗体。
10.配列番号6の残基33のX
aa
がQである、上記8に記載の抗体。
11.各々が配列番号2のアミノ酸配列を有する2つのHCが存在し、各々が配列番号6のアミノ酸配列を有する2つのLCが存在する、上記7に記載の抗体。
12.配列番号6の残基33のX
aa
がAである、上記11に記載の抗体。
13.配列番号6の残基33のX
aa
がQである、上記11に記載の抗体。
14.上記1~13のいずれかに記載の抗体と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
15.疼痛を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の上記1~13のいずれかに記載の抗体を投与することを含む、方法。
16.前記疼痛が、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛のうちの1つである、上記15に記載の方法。
17.前記疼痛が慢性疼痛である、上記15に記載の方法。
18.疼痛を治療する方法であって、それを必要とする患者に、上記14に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
19.前記疼痛が、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛のうちの1つである、上記18に記載の方法。
20.前記疼痛が慢性疼痛である、上記18に記載の方法。
21.療法における使用のための、上記1~13のいずれかに記載の抗体。
22.疼痛の治療における使用のための、上記1~13のいずれかに記載の抗体。
23.前記疼痛が、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、神経障害性疼痛、および変形性関節症疼痛のうちの1つである、上記22に記載の使用のための抗体。
24.前記疼痛が慢性疼痛である、上記22に記載の使用のための抗体。
25.疼痛の治療のための薬剤の製造における上記1~13のいずれかに記載の抗体の使用。
26.前記疼痛が、術後疼痛、神経障害性疼痛、関節リウマチ疼痛、および変形性関節症疼痛のうちの1つである、上記25に記載の使用。
27.前記疼痛が慢性疼痛である、上記25に記載の使用。
【実施例】
【0044】
実施例は、mAb A、mAb B、mAb C、mAb D、およびmAb Eを含む今回請求される抗体のいくつかを使用し、そのような抗体の配列は本明細書に示されている。
【0045】
実施例1.mAb A~Eの操作、発現、および精製
TrkAに特異的な抗体を開発するために、ヒト免疫グロブリン可変領域のトランスジェニックであるAlivaMabマウス(Ablexis)を、Hisタグ付きヒトTrkA細胞外ドメイン(ECD)で免疫化する。ヒトTrkA結合に陽性のマウスB細胞を、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって選別し、抗体を、単一細胞ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってヒトIgG4PAA/カッパ抗体としてクローニングする。操作された分子は、IgG4PAAアイソタイプおよびIgG1ENアイソタイプの両方として作製される。
【0046】
本発明の抗体は、周知の方法による投与のために、生合成、精製、および製剤化することができる。チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの適切な宿主細胞を、2つのベクターが使用される場合は、所定のHC:LCベクター比を使用して抗体を分泌するための発現系で、または重鎖および軽鎖の両方をコードする単一ベクター系で、一時的または安定的のずれかでトランスフェクトする。これらの一般的に使用される宿主細胞からの抗体の発現および分泌に好適なベクターは周知である。抗体の発現および分泌後、培地を清澄化して細胞を除去する。清澄化した培地を、PBS(pH7.4)などの適合性のある緩衝液で平衡化したプロテインA親和性カラムに適用する。このカラムを、1MのNaClが補充された緩衝液で洗浄して、非特異的結合構成成分を除去する。結合した抗体を、例えば、pH約3.5のクエン酸ナトリウムを用いて溶出し、画分を、1Mの2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(Tris)緩衝液で中和する。抗体画分を、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)または分析的サイズ排除などによって検出し、次いでプールする。可溶性凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効率的に除去することができる。本発明の例示される抗体は、一般的な技術を使用して濃縮および/または滅菌濾過される。これらのクロマトグラフィーステップ後の例示される抗体の純度は95%を超え、試料は、-70℃ですぐに凍結されるか、または4℃で数か月間保存され得る。
【0047】
本実施例の抗体がTrkAに結合し、かつまたはTrkAによるシグナル伝達を阻害する能力は、実施例2~7により評価され得る。
【0048】
実施例2.mAb A~Eの結合動態および親和性
ヒト、カニクイザル、ラット、マウス、およびウサギのTrkAに対する例示される抗体の結合動態および親和性は、BIACORE(商標)8K機器(GE Healthcare)の表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、以下に記載されるように決定される。ヒトTrkAの2つの異なるアイソフォーム(アイソフォーム1およびアイソフォーム2)が、ヒトTrkBおよびヒトTrkCとともに評価される。BIACORE(商標)8Kは、HBS-EP+泳動用緩衝液[10mMの2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸(ヘペスpH7.4、150mMのNaCl、3mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、0.05%ポリソルベート20界面活性剤(P20、TWEEN(登録商標)20)]でプライミングされる。分析温度は37℃に設定され、試料コンパートメントは15℃に設定される。結合動態および親和性は、抗体捕捉法を用いた平行動態アッセイを使用して得られる。抗体は、Series-S Sensor Protein A CM5チップ(GE Healthcare)上に捕捉される。各チャネルでは、フローセル1(FC1)が緩衝液参照として指定され、フローセル2(FC2)が抗体捕捉用に指定される。8つすべてのチャネルのすべてのFC2は、10μL/分の流量で約89応答単位(RU)の抗体を捕捉するように設定される。抗体試料は、泳動用緩衝液に希釈することによって1μg/mLに調製される。ヒトTrkAアイソフォーム1および2、マウス、ラット、ウサギ、およびカニクイザルのTrkA分析物は、泳動用緩衝液に希釈することによって、最終濃度400、200、100、50、25、12.5、6.25、および3.125nMに調製される。ヒトTrkBおよびTrkC分析物は、泳動用緩衝液に希釈することによって、最終濃度800、400、200、100、50、25、12.5、および6.25nMに調製される。分析サイクルの前に、チップの表面を洗浄するために、FC1およびFC2に15秒の接触時間にわたって100μL/分でグリシン(pH約1.5)を3回注入してチップを再生する。再生の後に、(1)FC2に、5μL/分で15秒間、5μg/mLのIgG4アイソタイプ対照抗体、(2)FC1およびFC2に、泳動用緩衝液を30μL/分で250秒間、そして解離を600秒間、(3)15秒の接触時間にわたって100μL/分でグリシン(pH約1.5)を注入することによるチップ表面の再生からなる条件付けステップが続く。各分析サイクルは、(1)8つすべてのFC2で試験抗体を捕捉し、8つすべてのそれぞれのFC1対が10μL/分で緩衝液参照として使用される、(2)泳動用緩衝液洗浄ステップ、(3)100μL/分でTrkA、TrkB、またはTrkCを、降順濃度でチャネル1~8に120秒の接触時間にわたって注入する、(4)解離時間600秒の間緩衝液フローに戻る、(5)注入あたり15秒間、100μL/分でグリシン(pH約1.5)を2回注入することによりチップ表面を再生する、(6)最終泳動用緩衝液洗浄ステップ、からなる。データを、参照を減算して、事前に定義された抗体の平行動態を使用して処理し、BIACORE(商標)8K評価ソフトウェア(バージョン1.1.1.7442)を使用して1:1結合モデルにあてはめ、会合速度(オン速度、kon、M
-1s
-1単位)および解離速度(オフ速度、koff、s
-1単位)を決定する。モル単位で、K
D=k
off/k
onの関係から平衡解離定数(K
D)を計算する。特に明記されていない限り、平均(Avg)K
Dおよび標準偏差(SD)として報告される誤差は、3つの独立した実験から決定される。例示される抗体は、ヒト、カニクイザル、ラット、マウス、およびウサギのTrkAへの濃度依存的結合を示す。注入されたヒトTrkBおよびヒトTrkCの最高濃度(800nM)では、結合応答シグナルは理論上の最大半量の応答シグナルに達しない。結果として、ヒトTrkBおよびヒトTrkCに対する試験された抗体のK
Dは、>800nMであると推定される。結果を、表1に示す。
【表1】
【0049】
表1の「分析物」列に列記されるTrkタンパク質の配列は、以下の配列番号20~27に示される。
【0050】
実施例3.mAb A~Eのインビトロ神経突起伸長アッセイ
ニューロンに対するNGF誘導神経突起伸長の阻害を、ラットNEUROSCREEN(商標)-1細胞(褐色細胞腫PC12サブクローン、CELLOMICS(登録商標))を用いて評価する。細胞は、コラーゲンでコーティングされたフラスコ内で、37℃、湿度95%で、F-12K基礎培地、12.5%熱不活化ウマ血清、2.5%熱不活化ウシ胎仔血清(FBS)、1X GlutaMAX(商標)(INVITROGEN(商標)、カタログ#35050061)、および1X Anti-Anti(INVITROGEN(商標)、カタログ番号15240)中に維持される。神経突起伸長を測定するために、NEUROSCREEN(商標)-1細胞を、内部の60ウェルのみを使用して、成長培地のウェルあたり2000細胞でコラーゲンI 96ウェルプレートに播種する。翌日、培地を除去し、25ng/mLのNGF(R&D SYSTEMS(登録商標)、カタログ番号:256-GF)の存在下または不在下で抗TrkA抗体の8点希釈系列を含有する新鮮な成長培地と交換する。希釈系列の各点には、3つの技術的反復がある。プレートを、37℃、湿度95%で4日間インキュベートした後、1X Prefer固定液(Anatech,Ltd)で1時間固定する。プレートを、1Xダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)で2回、1X NO緩衝液[1X DBPS、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.01%サポニン]で1回洗浄する。細胞を、NO緩衝液中1:800に希釈した一次抗体マウス抗ベータ3チューブリン(TU-20、INVITROGEN(商標)、カタログ#Ma1-19187)で一晩、そしてNO緩衝液中1:500に希釈した二次抗体ヤギ抗マウスDYLIGHT(登録商標)488(INVITROGEN(商標)、カタログ#35502)で>2時間免疫染色する。Neuronal Profiling v4.0アルゴリズムを使用したハイコンテンツイメージングおよび分析のために、プレートを、NO緩衝液で1回、DPBSで2回洗浄し、密封し、CELLINSIGHT(商標)機器に充填する。アルゴリズムによって生成されたデータを、GraphPad PRISM(登録商標)ソフトウェアを用いてIC
50の計算のために処理する。結果を、表2に示す。
【表2】
【0051】
例示される抗TrkA抗体は、NGF誘導神経突起伸長の濃度依存的阻害を示す。例示される抗体DおよびEは、NGFの不在下で神経突起伸長に対して一貫してより大きい刺激効果を示した。
【0052】
実施例4.mAb A~EのヒトまたはラットTrkAのNGF誘導リン酸化の阻害(およびいくつかの比較データ)
TrkAのラットまたはヒトNGF刺激リン酸化の阻害は、トランスフェクトされ、ヒト胚性腎細胞(HEK293)または標準的な線維芽細胞(3T3)バックグラウンドで、それぞれ、ラットまたはヒトのいずれかのTrkA受容体を発現する細胞において評価される。細胞をPBSまたは試験抗体と5分間インキュベートした後、室温で10μg/mLのラットまたはヒトβ-NGFを用いて、または用いずに5分間刺激する。抗体濃度は、1.5mLのエッペンドルフチューブ中300~450μLのPBS(Gibco、カタログ#20012-027)の体積で1μM~0.1pMの範囲である。試料をドライアイス上で凍結させ、抽出するまで-80℃で保存する。細胞溶解緩衝液は、2×組織溶解緩衝液(CELL SIGNALLING TECHNOLOGY(登録商標)、カタログ#9803S)からなり、100X HALT(商標)プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤カクテル(ThermoFisher)ならびに1mMのフッ化フェニルメチルスルホニルを含む。溶解緩衝液を各チューブに添加し、氷上で10秒間均質化する(Qiagen Homogenizer)。4℃で15分間、12,000の相対遠心力(RCF)で遠心分離した上清を、Priceら(J Neurosci Methods 282:34-42,2017)に記載されている方法を使用して、ELISA法で分析してpTrkAを測定し、各試料は2つ組または4つ組で測定する。
【0053】
ラットTrkA捕捉抗体(R&D SYSTEMS登録商標)、カタログ#AF1056)またはヒトTrkAの捕捉抗体(R&D SYSTEMS(登録商標)、カタログ#MAB1751)のいずれかを、炭酸-炭酸水素緩衝液(PIERCE(商標)CHEMICAL、カタログ#28382)で3μg/mLに希釈し、100μL/ウェルを使用して、黒色MAXISORP(商標)96ウェルプレート(NUNC(商標)、カタログ#446471)を4℃で一晩コーティングする。プレートを、150mMのNaCl、pH約7.4(TBS)を含有する20mMのTris緩衝生理食塩水で洗浄し、室温で1時間、TBS中3%BSA(Sigma、カタログ#A3059)で遮断した後、ふき取り乾燥し、密封し、4℃で保存した後、2週間以内に使用する。上記のホモジネート(100μL)を各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートする。プレートを、TBST(0.05%TWEEN(登録商標)-20を含むTBS、3X 300μL/ウェル)で洗浄し、100μL/ウェルで1%BSA/TBST中1:20,000に希釈したウサギPhospho-TrkA(Tyr674/675)/TrkB(Tyr706/707)(CELL SIGNALLING TECHNOLOGY(登録商標)、カタログ#4621)を添加し、室温で2時間インキュベートする。プレートを前と同様に洗浄し、二次抗体のヤギ抗ウサギアルカリホスファターゼ(Jackson Immunoresearch Labs、カタログ#111-055-144)を、1%BSA/TBST中1:20,000に希釈し、100μL/ウェルで添加し、室温で1時間インキュベートする。プレートをTBSTで5 X 300μL/ウェルで洗浄し、100μL/ウェルのアルカリホスファターゼCDP-star基質(APPLIED BIOSYSTEMS(商標)、カタログ#T2214)を添加する。発光増強プロトコル(enhanced luminescent protocol)を用いて、Envision(登録商標)(PerkinElmer)プレートリーダーで、プレートを30分後に読み取る。得られるカウント毎秒(CPS)は、式:100 *(CPS試料-CPS対照)/(CPS NGF-CPS対照)を用いてNGFシグナルのパーセントに変換され、例示される抗体の濃度に対してプロットされ、Graph Pad PRISM(登録商標)7を使用して4係数曲線あてはめを決定して、IC
50/EC
50値を得る。
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0054】
例示される抗TrkA抗体は、ラットおよびヒトのTrkA受容体のNGF誘導リン酸化の濃度依存的阻害を示す。例示されるmAb Bを他の2つの独立した実験において試験し、実験の完全なセットを表7にまとめる。主張される(proported)TrkA受容体抗体mAb 1およびmAb 2は、ヒトTrkA受容体のNGF誘導リン酸化を阻害(IC50>1000nM)できなかった。(mAb 1およびmAb2は、以下に概説するように作製および精製された。)
【表7】
【0055】
実施例5.mAb AのインビトロでのTrkA受容体抗体の内部移行
mAb Aの合計および内部移行に対応する蛍光シグナルは、4つの異なる細胞株(ヒトTrkA 3T3、SKNSH神経芽細胞腫、ラットTrkA HEK293、およびPC12褐色細胞腫)においてハイコンテンツ生細胞イメージングアッセイを実施することによって測定される。簡潔に、33nM(5μg/mL)のmAb Aを、培養培地中で、DYLIGHT(登録商標)650(Thermo Fisher、カタログ#62266)またはpHAb色素(Promega、カタログ#G9845)のいずれかで標識した0.2uM(10μg/mL)の抗ヒトIgGFcγ断片特異的Fab断片(Jackson ImmunoResearch、カタログ#109-007-008)と混合し、96ウェルプレートで、37℃で成長させた生細胞と一晩インキュベートする。翌日、細胞を洗浄し、NUCBLUE(登録商標)Hoechst色素(Thermo Fisher、カタログ#R37605)と20分間インキュベートし、再び洗浄し、CYTATION(商標)5 High Content Imager(BIOTEK(登録商標))を用いて撮像する。DYLIGHT(登録商標)650は、総抗体レベルをシグナル測定し、一方pHAb pHセンサー色素は、内部移行した蛍光のみをシグナル測定する。各ウェルのシグナルの強度をHoechst染色された核の数で割って、細胞あたりのシグナル強度を決定する。バックグラウンドシグナルは、ヒトIgGアイソタイプ対照から決定され、最終値から差し引かれる。次に、内部移行した蛍光シグナルは、細胞株にわたって相対的蛍光を決定するために、DYLIGHT(登録商標)650により総抗体蛍光に正規化される。
【表8】
【0056】
実施例6.mAb AのインビボでのCFA誘導歩行障害の減弱
関節内腔に送達された完全フロイントアジュバント(CFA)によって誘導される時間的および空間的歩行特徴の減弱は、前に記載されるように(Adamsら、2016)本発明のmAb Aで評価される。簡潔に、試験開始時の体重が175~209gのメスのスプラーグドーリーラット(Envigo)を集団で飼育し、試験中を除いて食餌および水は自由に摂取可能である。ラットは、試験の開始時にExerGaitトレッドミル装置(Columbus Instruments)への馴化セッションを受ける。デジタルカメラ(Basler)は、ラットがプレキシガラスチャンバー内に収納された長さ約10.5インチx幅3.5インチのトレッドミルベルトを歩く間、100フレーム/秒で活動を記録する。馴化セッションの間、トレッドミルを止めてラットを約30秒間チャンバーに入れる。トレッドミルを作動させ、ラットが前へ歩くのを2回試みる間に、3cm/秒、8cm/秒、12cm/秒、15cm/秒に徐々にゆっくり増加させる。馴化後、ラットは、0.4mg/L(1mL/kg)の10mg/kgのIgG4陰性対照、0.1、1、もしくは10mg/kgのmAb A、または陽性対照を形成するように、フロイント不完全アジュバント(IFA,MP Biomedicals LLC、カタログ#:642861、ロット#:07263)と混合される、50μLの完全フロイントアジュバント(1mg/mLの濃度のCFA、Sigmaロット#:SLBK1731V)の関節内腔注射を受ける。mAb A(ロット番号BE05366-048)は、初期濃度12.4mg/mL~PBS中0.1、1、および10mg/mLに希釈される。対照IgG4PAAは、PBS中14.5mg/mL~10mg/mLに希釈される。試験セッションは、CFA投与の1、2、および3日後に実施される。各試験セッションで、ラットをチャンバーに入れ、トレッドミルを0cm/秒から16cm/秒にゆっくりと傾斜させる。ビデオは、十分な数のフレーム(約1200~2000フレーム)上を歩くラットを16cm/秒で記録する。依存測定には、各肢の動作範囲(スタンスの開始時からスタンスの終了時までの、後足から体の正中線までの距離の減算)、スタンス/スイング比(各肢についてスタンス時間をスイング時間で割ったもの)、正規化されたスタンス距離(スタンス期のストライドの時間のパーセントに総ストライド長を掛けたもの)、および足跡サイズ(トレッドミルと接触している肢を捕捉するプリセットされた色条件により決定される、足跡で検出されたピクセル数)が含まれる。これらの4つのエンドポイントは、対照肢からの変化のパーセンテージを提供するために、CFAが注射されない反対側の肢と比較することにより、指標尺度に変換される。次に、4つすべての尺度を合計して、歩行指数スコアを提供する。反復測定ANOVAは、0.05のアルファレベルで行われ、その後IgG4対照に対するダネットの事後比較が行われる。mAb Aの1mg/kgおよび10mg/kgの用量レベルは両方とも、複合歩行指数スコア対IgG4対照において統計的に有意な改善を示した(表の*で示される)。
【表9】
【0057】
実施例7.mAb Aの脳、皮膚、および後根神経節におけるエクスビボでのTrkAのNGF誘導リン酸化の阻害
TrkAのNGF刺激リン酸化の阻害は、脳、皮膚、または後根神経節組織においてエクスビボで評価される。メスのスプラーグドーリーラットを安楽死させ、1つの海馬を、100μLPBS(Gibco、カタログ#20012-027)または100μLのラットβ-NGF(PBS中10μg/mL)のいずれかを含有する2mLのエッペンドルフチューブあたり1つの尾状核脳領域と組み合わせる。同様に、2つの6mmの皮膚パンチを後足の肉球から採取し、150μLのPBSまたは150μLのラットβ-NGF(Sigma-Aldrich、カタログ#N-2513、PBS中10μg/mL)を含有する2mLのチューブに入れる。後根神経節を解剖し、200μLのPBSまたは150μLのラットβ-NGF(PBS中10μg/mL)を含有する2mLのチューブに10の神経節を入れる。2つの5mmステンレス鋼ビーズを各試料に追加し、手で10秒間振とうし、室温で5分間インキュベートする。試料をドライアイス上で凍結させ、抽出するまで-80℃で保存する。2×組織溶解緩衝液(CELL SIGNALING TECHNOLOGY(登録商標)、カタログ#9803S)、1X HALT(商標)プロテアーゼ、ホスファターゼ阻害剤カクテル(ThermoFisher、カタログ#78441)、および1mMのフッ化フェニルメタンスルホニルからなる細胞溶解緩衝液を各チューブに添加し(総体積500μLを得る)、30Hz 2x3分に設定されたQiagen tissuelyzerを使用して均質化する。4℃で15分間、12,000RCFで遠心分離した上清を、Priceら(J Neurosci Methods 282:34-42,2017)に記載されている手順を使用して、ELISA法で分析してpTrkAを測定する。
【0058】
ラットTrkA捕捉抗体(R&DSYSTEMS(登録商標)、カタログ#AF1056)またはヒトTrkAの捕捉抗体(R&D SYSTEMS(登録商標)、カタログ#MAB1751)のいずれかを、炭酸-炭酸水素緩衝液(THERMO SCIENTIFIC(商標)PIERCE(商標)CHEMICAL、カタログ#28382)中3μg/mLに希釈し、100μL/ウェルを使用して、黒色MAXISORP(商標)96ウェルプレート(NUNC(商標)、カタログ#446471)を4℃で一晩コーティングする。プレートを、TBS中150mMのNaCl NaCl(Sigma-Aldrich、カタログ#S3014-500G)、pH 7.4(TBS)を含有する20mMのTris緩衝生理食塩水(INVITROGEN(商標)、カタログ#15567-027)で洗浄し、室温で1時間、TBS中3%のBSA(Sigma-Aldrich、カタログ#A3059)で遮断した後、ふき取り乾燥し、密封し、4℃で保存した後、2週間以内に使用する。上記のホモジネート(100μL)を各ウェルに添加し、4℃で一晩インキュベートする。プレートを、TBST(0.05%TWEEN(登録商標)-20(Fisher Biochemical、カタログ# BP337100)を含むTBS、3X300μL/ウェル)で洗浄し、100μL/ウェルで1%BSA/TBST中1:20,000に希釈したウサギPhospho-TrkA(Tyr674/675)/TrkB(Tyr706/707)(CELL SIGNALING TECHNOLOGY(登録商標)、カタログ#4621)を添加し、穏やかな振盪機上でプレートを室温で2時間インキュベートする。プレートを前と同様に洗浄し、1%BSA/TBST中1:20,000に希釈した二次抗体のヤギ抗ウサギアルカリホスファターゼ(Jackson Immunoresearch Laboratories,INC.、カタログ#111-055-144)を添加し(100μL/ウェル)、室温で1時間インキュベートする。プレートをTBSTで5 X 300μL/ウェルで洗浄し、100μL/ウェルのアルカリホスファターゼCDP-star基質(APPLIED BIOSYSTEMS(商標)、カタログ#T2214)を添加する。発光増強プロトコルを用いて、ENVISION(登録商標)(PerkinElmer)プレートリーダーで、プレートを30分後に読み取る。各動物からの各組織試料のベースラインおよびNGF刺激について得られた平均カウント毎秒(CPS)を表9に示す。
【表10】
【0059】
本明細書に記載の抗体の対応するDNA配列を調製することができる。mAb A、mAb B、mAb C、mAb D、およびmAb EについてのそのようなDNA配列は、以下の表10に示されるように本明細書に列記される。
【表11】
【0060】
実施例8.mAb A~EのヒトTrk AのNGFへの結合の遮断
96ウェルの高結合透明底マイクロタイタープレート(Microlon、#655061)の各列を、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.2(PBS)中2μg/mLに希釈した100μL/ウェルの組換えヒトTrkAタンパク質を用いて4℃で一晩コーティングした。翌日、コーティング溶液を除去し、プレートを、25℃で1時間、穏やかに振とうしながら、150μLのカゼイン-PBS(Thermo Scientific、#37528)で遮断した。次に、プレートを、0.05%Tween20(PBST)を補充したPBSで3回洗浄した。カゼイン-PBS中20nMから開始する2倍希釈系列の例示される抗体が、IgG4およびIgG1アイソタイプ対照抗体とともに生成された。100μLの各希釈系列試料を、37℃で30分間、穏やかに振とうしながらウェルに添加した。次に、プレートをPBSTで3回洗浄した。ビオチン化組換えヒトNGF(btNGF)の100nMの溶液をカゼイン-PBS緩衝液において調製し、100μL/ウェルをプレートに添加し、37℃で75分間、穏やかに振とうしながらインキュベートした。次に、プレートをPBSTで3回洗浄した。カゼイン-PBS中の1mg/mLのストレプトアビジン-HRP(Thermo Scientific、#21130)のストック溶液の1:3500希釈液を調製し、37℃で20分間穏やかに振とうしながら、100μLを各ウェルに添加した。プレートをPBSTで3回洗浄した。1:1 TMB:H2O2(Thermo Scientific、#1854050、#1854060)の100μL溶液を各ウェルに添加し、3分間インキュベートした。100μLの1MのH3PO4を各ウェルに添加することにより、反応を停止させた。450nmでの吸光度(Abs450)を、SpectraMax 340PCプレートリーダー(Molecular Devices)を使用して測定した。抗体濃度に対してAbs450をプロットし、SigmaPlot 12.5(Systat Software Inc.)を使用して4係数曲線あてはめを決定し、IC50値を得る。
【0061】
例示されるmAb A~Eは、試験された抗体濃度範囲内で、用量依存的様式でヒトTrkAのNGFへの結合を遮断するが、IgG4およびIgG1アイソタイプ対照抗体は遮断しない(表11に示すとおり)。
【表12】
【0062】
実施例9.mAb 1およびmAb 2の操作、発現、精製
mAb 1の哺乳動物発現用の発現ベクターは、特許第WO2016/087677A1号で提供される軽鎖配列(配列番号29)および重鎖配列(配列番号57)を使用して生成された。したがって、mAb 1は、WO2016/087677A1の配列番号29によって定義される軽鎖配列および配列番号57によって定義される重鎖配列を有する。mAb 2の哺乳動物発現用の発現ベクターは、特許第US2013/0336964A1号で提供される軽鎖配列(配列番号91)および重鎖配列(配列番号90)を使用して生成された。したがって、mAB2は、米国特許出願公開2013/0336964の配列番号91によって定義される軽鎖配列および配列番号90によって定義される重鎖配列を有する。
【0063】
これらの抗体は、周知の方法による投与のために、生合成、精製、および製剤化することができる。チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの適切な宿主細胞は、2つのベクターが使用される場合は、所定のHC:LCベクター比を使用して抗体を分泌するための発現系で、または重鎖および軽鎖の両方をコードする単一ベクター系で、一時的または安定的のずれかでトランスフェクトされる。これらの一般的に使用される宿主細胞からの抗体の発現および分泌に好適なベクターは周知である。抗体の発現および分泌後、培地を清澄化して細胞を除去する。清澄化した培地を、PBS(pH7.4)などの適合性のある緩衝液で平衡化したプロテインA親和性カラムに適用する。このカラムを、1MのNaClが補充された緩衝液で洗浄して、非特異的結合構成成分を除去する。結合した抗体を、例えば、pH約3.5のクエン酸ナトリウムを用いて溶出し、画分を、1Mの2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(Tris)緩衝液で中和する。抗体画分を、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)または分析的サイズ排除などによって検出し、次いでプールする。可溶性凝集体および多量体は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、またはヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効率的に除去することができる。本発明の例示される抗体は、一般的な技術を使用して濃縮および/または滅菌濾過される。これらのクロマトグラフィーステップ後の例示される抗体の純度は95%を超え、試料は、-70℃ですぐに凍結されるか、または4℃で数か月間保存され得る。mAb 1およびmAb 2がTrkAに結合し、かつ/またはシグナル伝達を阻害する能力は、実施例10~12により評価され得る。
【0064】
実施例10.mAb B、mAb 1およびmAb 2の結合動態および親和性
ヒト、カニクイザル、ラット、マウス、およびウサギのTrkAに対する例示される抗体の結合動態および親和性は、BIACORE(商標)8K機器(GE Healthcare)の表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、以下に記載されるように決定される。ヒトTrkAの2つの異なるアイソフォーム(アイソフォーム1およびアイソフォーム2)が、ヒトTrkBおよびヒトTrkCとともに評価される。BIACORE(商標)8Kは、HBS-EP +泳動用緩衝液[10mMの2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸(ヘペスpH7.4、150mMのNaCl、3mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、0.05%ポリソルベート20界面活性剤(P20、TWEEN(登録商標)20)]でプライミングされる。分析温度は37℃に設定され、試料コンパートメントは15℃に設定される。結合動態および親和性は、抗体捕捉法を用いた平行動態アッセイを使用して得られる。抗体は、Series-S Sensor Protein A CM5チップ(GE Healthcare)上に捕捉される。各チャネルでは、フローセル1(FC1)が緩衝液参照として指定され、フローセル2(FC2)が抗体捕捉用に指定される。8つすべてのチャネルのすべてのFC2は、10μL/分の流量で約89応答単位(RU)の抗体を捕捉するように設定される。すべての抗体試料は、泳動用緩衝液に希釈することによって5μg/mLに調製される。ヒトTrkAアイソフォーム2分析物は、泳動用緩衝液に希釈することによって、最終濃度400、200、100、50、25、12.5、6.25、および3.125nMに調製された。分析サイクルの前に、チップの表面を洗浄するために、FC1およびFC2に15秒の接触時間にわたって100μL/分でグリシン(pH約1.5)を3回注入してチップを再生する。再生の後に、(1)FC2に、5μL/分で15秒間、5μg/mLのIgG4アイソタイプ対照抗体、(2)FC1およびFC2に、泳動用緩衝液を30μL/分で250秒間、そして解離を600秒間、(3)15秒間、100μL/分でグリシン(pH約1.5)を注入することによるチップ表面の再生からなる条件付けステップが続く。各分析サイクルは、(1)8つすべてのFC2で試験抗体を捕捉し、8つすべてのそれぞれのFC1対は10μL/分で緩衝液参照として使用する、(2)泳動用緩衝液洗浄ステップ、(3)100μL/分でTrkA分析物を、降順濃度でチャネル1~8に120秒間注入する、(4)解離時間600秒の緩衝液フローに戻る、(5)注入あたり15秒間、100μL/分でグリシン(pH約1.5)を2回注入することによりチップ表面を再生する、(6)最終泳動用緩衝液洗浄ステップ、からなる。これは、評価される各抗体に対して繰り返される。データを、参照を減算して、事前に定義された抗体の平行動態を使用して処理し、BIACORE(商標)8K評価ソフトウェア(バージョン1.1.1.7442)を使用して1:1結合モデルにあてはめ、会合速度(オン速度、kon、M
-1s
-1単位)および解離速度(オフ速度、koff、s
-1単位)を決定する。モル単位で、K
D=k
off/k
onの関係から平衡解離定数(K
D)を計算する。平均(Avg)K
Dおよび標準偏差(SD)として報告される誤差は、3つの独立した実験から決定される。例示される抗体mAb BおよびmAb 1は、ヒトTrkAへの濃度依存的結合を示す。しかしながら、例示される抗体mAb 2は、注入されたヒトTrkAの最高濃度(400nM)で観察可能な結合シグナルを示さず、結合応答シグナルは、理論上の最大半量の応答シグナルに達しない。結果として、ヒトTrkAに対するmAb 2のK
Dは、>400nMであると推定される。結果を、表12に示す。
【表13】
【0065】
実施例11.mAb 1およびmAb BのヒトTrkAのNGF誘導リン酸化の阻害
抗体の前処理の1または24時間後のTrkAのヒトNGF刺激リン酸化の阻害は、トランスフェクトされ、ヒトTrkA受容体標準線維芽細胞(3T3)バックグラウンドを発現する細胞において評価される。方法は、以下を除いて、実施例4で説明したとおりである。標準の成長培地において標準の24ウェルプレートに800,000細胞/ウェルで細胞を播種し、37℃/5%CO2インキュベーターに1.5~2時間入れて細胞を付着させる。培地またはヒトβ-NGFを添加する1時間または24時間前のいずれかに、例示されるmAb B、IgG4対照mAb、または主張されるTrkA受容体抗体mAb 1を、1μMの最終濃度で培地に添加し、最終濃度10μg/mLを得た。室温で5分間インキュベートした後、培地を除去する。1mLの上記の細胞溶解緩衝液を添加し、細胞をこすり落とし、ホモジネートを1.5mLのエッペンドルフチューブに移し、ドライアイスで凍結させ、-80℃で保存する。試料は、4℃で15分間、12,000の相対遠心力(RCF)で遠心分離した解凍した上清であり、実施例4に詳述されるように、Priceら(J Neurosci Methods 282:34-42,2017)に記載されている方法を使用して、pTrkAを測定するためにELISA法により分析されたタンパク質濃度およびタンパク質当量について分析される。
【0066】
得られるカウント毎秒(CPS)を、以下の表13に示す。
【表14】
【0067】
表Xの結果からわかるように、例示されるmAb Bは、1または24時間のいずれかでプレインキュベートしたとき、ヒトTrkAのNGF誘導リン酸化を同程度まで阻害した。対照的に、mAb 1は、細胞と1または24時間プレインキュベートしたとき、ヒトTrkAのNGF誘導リン酸化を阻害できなかった。
【0068】
実施例12.mAb BおよびmAb 1のヒトTrk AのNGFへの結合の遮断
96ウェルの高結合透明底マイクロタイタープレート(Microlon、#655061)の各列を、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.2(PBS)中2μg/mLに希釈した100μL/ウェルの組換えヒトTrkAタンパク質を用いて4℃で一晩コーティングした。翌日、コーティング溶液を除去し、プレートを、25℃で1時間、穏やかに振とうしながら、150μLのカゼイン-PBS(Thermo Scientific、#37528)で遮断した。次に、プレートを、0.05%Tween20(PBST)を補充したPBSで3回洗浄した。カゼイン-PBS中300nMから開始する3倍希釈系列のmAb B、mAb 1、およびIgG4アイソタイプ対照mAbが、生成された。100μLの各希釈系列試料を、37℃で30分間、穏やかに振とうしながらウェルに添加した。次に、プレートをPBSTで3回洗浄した。ビオチン化組換えヒトNGF(btNGF)の100nMの溶液をカゼイン-PBS緩衝液において調製し、100μL/ウェルをプレートに添加し、37℃で75分間、穏やかに振とうしながらインキュベートした。バックグラウンドシグナルを評価するためにbtNGFが試料から除外された、カゼイン-PBS緩衝液対照列が含まれた。次に、プレートをPBSTで3回洗浄した。カゼイン-PBS中の1mg/mLのストレプトアビジン-HRP(Thermo Scientific、#21130)のストック溶液の1:3500希釈液を調製し、37℃で20分間穏やかに振とうしながら、100μLを各ウェルに添加した。プレートをPBSTで3回洗浄した。1:1 TMB:H2O2(Thermo Scientific、#1854050、#1854060)の100μL溶液を各ウェルに添加し、3分間インキュベートした。100μLの1M H3PO4を各ウェルに添加することにより、反応を停止させた。450nmでの吸光度(Abs450)を、SpectraMax 340PCプレートリーダー(Molecular Devices)を使用して測定した。抗体濃度に対してAbs450をプロットした。NGFへのTrkA結合の完全な遮断は、Abs450が、試験された最高抗体濃度で緩衝液ベースラインのレベルに達したかどうかによって決定された。結果を、表14にまとめる。
【0069】
結合シグナルが試験された最高抗体濃度で緩衝液対照ベースラインに達したため、例示されるmAb Bは、用量依存的様式でTrkAのNGFへの完全な遮断を示した。結合シグナルが試験された最高抗体濃度で緩衝液対照ベースラインに達しなかったため、分子mAb 1は、試験された濃度範囲内でTrkAのNGFへの完全な遮断を示さなかった。代わりに、mAb 1の結合シグナルは、緩衝液対照ベースラインよりも高い結合シグナルでプラトーに達した。これは、mAb 1がNGFへのTrkA結合の部分的な遮断物であることを示唆する。IgG4アイソタイプ対照mAbは、試験した濃度範囲内でNGFへのTrkA結合を遮断しない。
【表15】
【0070】
配列
例示されるHC#1(ヒトIgG4PAA /カッパ)(配列番号1)
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
【0071】
例示されるHC#2(ヒトIgG1EN /カッパ)(配列番号2)
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAEGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【0072】
例示されるHCDR1(配列番号3)
AASGFTFSGVSIN
【0073】
例示されるHCDR2(配列番号4)
SETTSSGTIYYADSVKG
【0074】
例示されるHCDR3(配列番号5)
ARSYYYGMDV
【0075】
例示されるLC(配列番号6)
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRXaaGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列中、残基33のXaaは、N、A、またはQのうちの1つである。
【0076】
例示されるLCDR1(配列番号7)
RSSQSLVHRXaaGNTYLS
配列中、残基10のXaaは、N、A、またはQのうちの1つである。
【0077】
例示されるLCDR2(配列番号8)
YKISNRFS
【0078】
例示されるLCDR3(配列番号9)
MQARQFPLT
【0079】
例示されるHCVR(配列番号10)
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSGVSINWVRQAPGKGLEWVSSETTSSGTIYYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARSYYYGMDVWGQGTTVTVSS
【0080】
例示されるLCVR(配列番号11)
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHRXaaGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFSGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQARQFPLTFGGGTKVEIK
配列中、残基33のXaaは、N、A、またはQのうちの1つである。
【0081】
mAb Aの軽鎖DNA配列(最適化されていないDNA)(配列番号12)(最適化されていない)
GATATTGTGATGACCCAGACTCCACTCTCCTCACCTGTCACCCTTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGGTCTAGTCAAAGTCTCGTACACAGAGCTGGAAACACCTACTTGAGTTGGCTTCAGCAGAGGCCAGGCCAGCCTCCAAGACTCCTAATTTATAAGATTTCTAACCGGTTCTCTGGGGTCCCAGACAGATTCAGTGGCAGTGGGGCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGGGTGGAAGCTGAGGATGTCGGAGTTTATTATTGCATGCAAGCTAGACAATTTCCGCTCACTTTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAACGGACCGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGC
【0082】
mAb Aの重鎖DNA配列(最適化されていないDNA)(配列番号13)(最適化されていない)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGAGGAGGCCTGGTCAAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTGGCGTCAGCATAAACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGGTCTCATCCGAGACTACAAGTAGTGGTACAATATACTACGCAGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCACTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCGAGAAGCTACTACTACGGTATGGACGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCGCTAGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT
【0083】
mAb Bの軽鎖DNA配列(コドン最適化)(配列番号14)(最適化)
GACATCGTGATGACCCAGACCCCTTTATCCTCCCCCGTTACACTGGGCCAGCCCGCTTCCATCTCTTGTCGTTCCTCCCAGTCTTTAGTGCATCGTGCTGGCAACACCTATTTATCTTGGCTGCAGCAGAGGCCCGGTCAGCCTCCTCGTCTGCTGATCTACAAGATCAGCAACCGGTTCTCCGGCGTGCCCGATCGTTTTTCCGGCTCCGGAGCCGGCACCGATTTCACTTTAAAGATCTCTCGTGTGGAGGCCGAGGATGTGGGCGTGTACTACTGCATGCAAGCTCGTCAGTTCCCTCTGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT
【0084】
mAb BおよびmAb Cの重鎖DNA配列(コドン最適化)(配列番号15)(最適化)
GAGGTGCAGCTCGTGGAGTCCGGCGGAGGACTGGTGAAGCCCGGTGGCTCTTTAAGGCTGTCTTGTGCCGCTTCCGGCTTCACCTTCTCCGGCGTGTCCATCAACTGGGTGAGGCAAGCTCCCGGTAAGGGTTTAGAGTGGGTGTCCTCCGAGACCACCTCCTCCGGCACCATCTACTACGCCGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCTCGTGACAACGCCAAGAACTCTTTATATTTACAGATGAACTCTTTAAGGGCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCTCGTTCCTACTACTACGGCATGGACGTGTGGGGCCAAGGTACCACCGTGACAGTCTCCTCCGCTAGCACCAAGGGCCCATCCGTCTTCCCCCTGGCGCCCTGCTCCAGGAGCACCTCCGAGAGCACAGCCGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACGAAGACCTACACCTGCAACGTAGATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCATGCCCAGCACCTGAGGCAGCTGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGT
【0085】
mAb Cの軽鎖DNA配列(コドン最適化)(配列番号16)(最適化)
GACATCGTGATGACCCAGACCCCTTTATCCTCCCCCGTTACACTGGGCCAGCCCGCTTCCATCAGCTGTAGGTCCTCCCAGTCTTTAGTGCATCGTCAAGGTAACACATATTTATCTTGGCTGCAGCAGAGGCCCGGTCAACCTCCTCGGCTGCTGATCTACAAGATCTCCAACCGGTTCTCCGGCGTGCCCGATAGGTTCTCCGGCTCCGGCGCTGGCACCGATTTCACTTTAAAGATCTCTCGTGTGGAGGCTGAGGATGTGGGCGTGTACTACTGCATGCAAGCTCGTCAGTTCCCTTTAACCTTCGGAGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT
【0086】
mAb Dの軽鎖DNA配列(コドン最適化)(配列番号17)(最適化)
GACATCGTGATGACCCAGACCCCTTTATCCTCCCCCGTTACACTGGGCCAGCCCGCTTCCATCTCTTGTCGTTCCTCCCAGTCTTTAGTGCATCGTGCTGGCAACACCTATTTATCTTGGCTGCAGCAGAGGCCCGGTCAGCCTCCTCGTCTGCTGATCTACAAGATCAGCAACCGGTTCTCCGGCGTGCCCGATCGTTTTTCCGGCTCCGGAGCCGGCACCGATTTCACTTTAAAGATCTCTCGTGTGGAGGCCGAGGATGTGGGCGTGTACTACTGCATGCAAGCTCGTCAGTTCCCTCTGACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT
【0087】
mAb Eの軽鎖DNA配列(コドン最適化)(配列番号18)(最適化)
GACATCGTGATGACCCAGACCCCTTTATCCTCCCCCGTTACACTGGGCCAGCCCGCTTCCATCAGCTGTAGGTCCTCCCAGTCTTTAGTGCATCGTCAAGGTAACACATATTTATCTTGGCTGCAGCAGAGGCCCGGTCAACCTCCTCGGCTGCTGATCTACAAGATCTCCAACCGGTTCTCCGGCGTGCCCGATAGGTTCTCCGGCTCCGGCGCTGGCACCGATTTCACTTTAAAGATCTCTCGTGTGGAGGCTGAGGATGTGGGCGTGTACTACTGCATGCAAGCTCGTCAGTTCCCTTTAACCTTCGGAGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAGCGTACGGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGT
【0088】
mAb DおよびmAb Eの重鎖DNA配列(コドン最適化)(配列番号19)(最適化)
GAGGTGCAGCTCGTGGAGTCCGGCGGAGGACTGGTGAAGCCCGGTGGCTCTTTAAGGCTGTCTTGTGCCGCTTCCGGCTTCACCTTCTCCGGCGTGTCCATCAACTGGGTGAGGCAAGCTCCCGGTAAGGGTTTAGAGTGGGTGTCCTCCGAGACCACCTCCTCCGGCACCATCTACTACGCCGACTCCGTGAAGGGCCGGTTCACCATCTCTCGTGACAACGCCAAGAACTCTTTATATTTACAGATGAACTCTTTAAGGGCCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCTCGTTCCTACTACTACGGCATGGACGTGTGGGGCCAAGGTACCACCGTGACAGTCTCCTCCGCTAGCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCCGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGCGGGTTGAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAAGCCGAGGGGGCACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCATCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAA
【0089】
ヒトTrkA細胞外ドメインアイソフォーム1(33~414)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号20)
HHHHHHHHAAPCPDACCPHGSSGLRCTRDGALDSLHHLPGAENLTELYIENQQHLQHLELRDLRGLGELRNLTIVKSGLRFVAPDAFHFTPRLSRLNLSFNALESLSWKTVQGLSLQELVLSGNPLHCSCALRWLQRWEEEGLGGVPEQKLQCHGQGPLAHMPNASCGVPTLKVQVPNASVDVGDDVLLRCQVEGRGLEQAGWILTELEQSATVMKSGGLPSLGLTLANVTSDLNRKNVTCWAENDVGRAEVSVQVNVSFPASVQLHTAVEMHHWCIPFSVDGQPAPSLRWLFNGSVLNETSFIFTEFLEPAANETVRHGCLRLNQPTHVNNGNYTLLAANPFGQASASIMAAFMDNPFEFNPEDPIPVSFSPVDTNSTSGDPVEKKDET
【0090】
ヒトTrkA細胞外ドメインアイソフォーム2(33~408)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号21)
HHHHHHHHAAPCPDACCPHGSSGLRCTRDGALDSLHHLPGAENLTELYIENQQHLQHLELRDLRGLGELRNLTIVKSGLRFVAPDAFHFTPRLSRLNLSFNALESLSWKTVQGLSLQELVLSGNPLHCSCALRWLQRWEEEGLGGVPEQKLQCHGQGPLAHMPNASCGVPTLKVQVPNASVDVGDDVLLRCQVEGRGLEQAGWILTELEQSATVMKSGGLPSLGLTLANVTSDLNRKNVTCWAENDVGRAEVSVQVNVSFPASVQLHTAVEMHHWCIPFSVDGQPAPSLRWLFNGSVLNETSFIFTEFLEPAANETVRHGCLRLNQPTHVNNGNYTLLAANPFGQASASIMAAFMDNPFEFNPEDPIPDTNSTSGDPVEKKDET
【0091】
ヒトTrkB細胞外ドメイン(32~430)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号22)
HHHHHHHHCPTSCKCSASRIWCSDPSPGIVAFPRLEPNSVDPENITEIFIANQKRLEIINEDDVEAYVGLRNLTIVDSGLKFVAHKAFLKNSNLQHINFTRNKLTSLSRKHFRHLDLSELILVGNPFTCSCDIMWIKTLQEAKSSPDTQDLYCLNESSKNIPLANLQIPNCGLPSANLAAPNLTVEEGKSITLSCSVAGDPVPNMYWDVGNLVSKHMNETSHTQGSLRITNISSDDSGKQISCVAENLVGEDQDSVNLTVHFAPTITFLESPTSDHHWCIPFTVKGNPKPALQWFYNGAILNESKYICTKIHVTNHTEYHGCLQLDNPTHMNNGDYTLIAKNEYGKDEKQISAHFMGWPGIDDGANPNYPDVIYEDYGTAANDIGDTTNRSNEIPSTDVTDKTGREH
【0092】
ヒトTrkC細胞外ドメイン(32~428)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号23)
HHHHHHHHCPANCVCSKTEINCRRPDDGNLFPLLEGQDSGNSNGNASINITDISRNITSIHIENWRSLHTLNAVDMELYTGLQKLTIKNSGLRSIQPRAFAKNPHLRYINLSSNRLTTLSWQLFQTLSLRELQLEQNFFNCSCDIRWMQLWQEQGEAKLNSQNLYCINADGSQLPLFRMNISQCDLPEISVSHVNLTVREGDNAVITCNGSGSPLPDVDWIVTGLQSINTHQTNLNWTNVHAINLTLVNVTSEDNGFTLTCIAENVVGMSNASVALTVYYPPRVVSLEEPELRLEHCIEFVVRGNPPPTLHWLHNGQPLRESKIIHVEYYQEGEISEGCLLFNKPTHYNNGNYTLIAKNPLGTANQTINGHFLKEPFPESTDNFILFDEVSPTPPITVTHKPEED
【0093】
カニクイザルTrkA細胞外ドメイン(59~434)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号24)
HHHHHHHHASPCPDACCPHGSSGLRCTRDGALDSLHHLPGAENLTELYIENQQHLQHLELRDLRGLGELRNLTIVKSGLRFVAPDAFHFTPRLSRLNLSFNALESLSWKTVQGLSLQELVLSGNPLHCSCALRWLQRWEEEGLGGVHEQKLQCHGQGPLAHMPNASCGVPMLKVQVPNASVDVGDDVLLWCQVEGRGLEQAGWILTELEQSATVMKSGALPSLGLTLANVTSDLNRKNVTCWAENDVGRAELSVQVNVSFPASVQLHTAVEMHHWCIPFSVDGQPAPSLRWLFNGSVLNETSFIFTEFLEPAANETVRHGCLRLNQPTHVNNGNYTLLAANPFGQASASIMAAFMDNPFEFNPEDPIPDTNSTSGDPVEKKDET
【0094】
マウスTrkA細胞外ドメイン(396~401の欠失を伴う33~417)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号25)
HHHHHHHHAASCREVCCPVGPSGLRCTRAGSLDTLRGLRGAGNLTELYVENQQHLQRLEFEDLQGLGELRSLTIVKSGLRFVAPDAFRFTPRLSHLNLSSNALESLSWKTVQGLSLQDLTLSGNPLHCSCALFWLQRWEQEGLCGVHTQTLHDSGPGDQFLPLGHNTSCGVPTVKIQMPNDSVEVGDDVFLQCQVEGLALQQADWILTELEGAATVKKFGDLPSLGLILVNVTSDLNKKNVTCWAENDVGRAEVSVQVSVSFPASVHLGLAVEQHHWCIPFSVDGQPAPSLRWLFNGSVLNETSFIFTQFLESALTNETMRHGCLRLNQPTHVNNGNYTLLAANPYGQAAASVMAAFMDNPFEFNPEDPIPDGNSTSRDPVEKKDET
【0095】
ラットTrkA細胞外ドメイン(33~411)(精製タグ:N末端8Xヒスチジン)(配列番号26)
HHHHHHHHAASCRETCCPVGPSGLRCTRAGTLNTLRGLRGAGNLTELYVENQRDLQRLEFEDLQGLGELRSLTIVKSGLRFVAPDAFHFTPRLSHLNLSSNALESLSWKTVQGLSLQDLTLSGNPLHCSCALLWLQRWEQEDLCGVYTQKLQGSGSGDQFLPLGHNNSCGVPSVKIQMPNDSVEVGDDVFLQCQVEGQALQQADWILTELEGTATMKKSGDLPSLGLTLVNVTSDLNKKNVTCWAENDVGRAEVSVQVSVSFPASVHLGKAVEQHHWCIPFSVDGQPAPSLRWFFNGSVLNETSFIFTQFLESALTNETMRHGCLRLNQPTHVNNGNYTLLAANPYGQAAASIMAAFMDNPFEFNPEDPIPDTNSTSRDPVEKKDET
【0096】
ウサギTrkA細胞外ドメイン(33~414)(精製タグ:C末端ポリヒスチジンタグ(長さ不明))(配列番号27)
AALCPDVCCPRGPSGLLCTRPGALDRLRHLPGIENLTELYLENQNLQHLTLGDLRGLRELRNLAIVNSGLQSVATDAFRFTPRLSHLNLSFNALESLSWKTVQGLPLQELVLSGNSLRCSCALRWLQRWEEEGLAGVREQKLRCSESEPLALMPNASCGMPTLKVQMPNGSVDVGDSVFLQCQVEGQGLEKAGWSLTELEELATVMIQKSEDLPTLRLTLANVTSDLNRKNVTCWAENDVGRTEVSVQVNVSFPASVQLHTAVEMHHWCIPFSVDGQPAPSLHWLFNGSVLNETSFIFTEFLEPAANETMRHGCLRLNQPTHVNNGNYTLLATNPSGQAAASIMAAFMDNPFEFNPEDPIPVSFSPVDANSTSGDPVEKKDE
【配列表】