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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】荷電状態の補正方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/382 20190101AFI20220201BHJP
   G01R 31/3842 20190101ALI20220201BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20220201BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
G01R31/382
G01R31/3842
G01R31/367
H01M10/48 P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020572771
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2020086198
(87)【国際公開番号】W WO2020259039
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2020-12-25
(31)【優先権主張番号】201910547582.8
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】杜 明▲樹▼
(72)【発明者】
【氏名】李 世超
(72)【発明者】
【氏名】▲湯▼ 慎之
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼ 俐
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲艷▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲偉▼
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-125813(JP,A)
【文献】国際公開第2013/133113(WO,A1)
【文献】特開2018-185260(JP,A)
【文献】特開2017-167163(JP,A)
【文献】国際公開第2014/045706(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電状態の補正方法であって、
放電状態を含む単セルの作動状態を決定するステップと、
記単セルの現在の開回路電圧を取得するステップと、
前記単セルの現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を取得するステップと、
前記現在の積算充電容量が前記現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量未満であり、且つ前記現在の積算放電容量が前記現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量より大きい場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における前記現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とするステップと、を含む荷電状態の補正方法。
【請求項2】
前記現在の積算充電容量が前記現在の開回路電圧に対応する前記最大許容積算充電容量以上であり、又は前記現在の積算放電容量が前記現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量以下である場合、前記単セルの荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する第1荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する第2荷電状態とに基づいて、前記単セルの補正される荷電状態を決定するステップをさらに含む請求項1に記載の荷電状態の補正方法。
【請求項3】
前記単セルの補正される荷電状態を決定する前記ステップは、
計算した前記単セルの荷電状態が、前記第1荷電状態より大きい場合、前記開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とするステップを含む請求項2に記載の荷電状態の補正方法。
【請求項4】
前記単セルの補正される荷電状態を決定する前記ステップは、
計算した前記単セルの荷電状態が、前記第2荷電状態未満である場合、前記開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とするステップを含む請求項2に記載の荷電状態の補正方法。
【請求項5】
前記単セルの補正される荷電状態を決定する前記ステップは、
計算した前記単セルの荷電状態が、前記第1荷電状態以下であり、且つ前記第2荷電状態以上である場合、前記計算した単セルの荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とするステップを含む請求項2に記載の荷電状態の補正方法。
【請求項6】
単セルの作動状態を決定する前記ステップは、
前記単セルの現在の温度及び現在の時刻までの前記単セルの静置時間長さを取得するステップと、
前記現在の温度に基づいて最小静置時間長さを取得するステップと、
前記単セルの静置時間長さが前記最小静置時間長さより大きい場合、前記単セルの作動状態を決定するステップと、を含む請求項1~5のいずれか一項に記載の荷電状態の補正方法。
【請求項7】
単セルの作動状態を決定する前記ステップは、
前記現在の積算充電容量が前記現在の積算放電容量未満である場合、前記単セルの作動状態を放電状態と決定するステップを含む請求項1~6のいずれか一項に記載の荷電状態の補正方法。
【請求項8】
荷電状態の補正装置であって、
放電状態を含む単セルの作動状態を決定することに用いられる状態決定モジュールと、
前記単セルの現在の開回路電圧、前記単セルの現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を取得することに用いられる補正モジュールと、を備え、
前記補正モジュールはさらに、前記現在の積算充電容量が前記現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量未満であり、且つ前記現在の積算放電容量が前記現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量より大きい場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における前記現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とすることに用いられる荷電状態の補正装置。
【請求項9】
前記補正モジュールはさらに、
前記現在の積算充電容量が前記現在の開回路電圧に対応する前記最大許容積算充電容量以上であり、又は前記現在の積算放電容量が前記現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量以下である場合、前記単セルの荷電状態と、前記開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する第1荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する第2荷電状態とに基づいて、前記単セルの補正される荷電状態を決定することに用いられる請求項8に記載の荷電状態の補正装置。
【請求項10】
前記補正モジュールは、
計算した前記単セルの荷電状態が、前記第1荷電状態より大きい場合、前記開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とすることに用いられる請求項9に記載の荷電状態の補正装置。
【請求項11】
前記補正モジュールは、
計算した前記単セルの荷電状態が、前記第2荷電状態未満である場合、前記開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とすることに用いられる請求項9に記載の荷電状態の補正装置。
【請求項12】
前記補正モジュールは、
計算した前記単セルの荷電状態が、前記第1荷電状態以下であり、且つ前記第2荷電状態以上である場合、前記計算した単セルの荷電状態を、前記単セルの補正される荷電状態とすることに用いられる請求項9に記載の荷電状態の補正装置。
【請求項13】
前記状態決定モジュールは、
前記単セルの現在の温度及び現在の時刻までの前記単セルの静置時間長さを取得することと、
前記現在の温度に基づいて最小静置時間長さを取得することと、
前記単セルの静置時間長さが前記最小静置時間長さより大きい場合、前記単セルの作動状態を決定することと、に用いられる請求項8~12のいずれか一項に記載の荷電状態の補正装置。
【請求項14】
前記状態決定モジュールは、
前記現在の積算充電容量が前記現在の積算放電容量未満である場合、前記単セルの作動状態を放電状態と決定することに用いられる請求項8~13のいずれか一項に記載の荷電状態の補正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年6月24日に提出された、名称が「荷電状態の補正方法及び装置」である中国特許出願201910547582.8の優先権を主張し、当該出願の全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は電池の技術分野に属し、特に荷電状態の補正方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
荷電状態(SOC:State of Charge)は、電池の残り放電可能容量と電池の完全充電状態の容量との比を示すことに用いられる。SOCの計算は、電池管理システムの最も重要な機能の1つであり、電池の現在の状態を記述する。
【0004】
現在、一般的に使用されているSOC計算方法は、電流積算法、開回路電圧法、ニューラルネットワーク法などを含む。開回路電圧法は、開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)とSOCとの対応関係を利用して安定した電池のSOCを得ることができる。しかしながら、開回路電圧法では、電池にヒステリシス特性が存在しないことが必要とされる。ヒステリシス特性とは、同じSOC及び温度の状況で、充電OCV曲線と放電OCV曲線が重ならず、即ち、OCV曲線が履歴作動条件の影響を受ける現象を指す。開回路電圧法を利用してヒステリシス特性を有する電池のSOCを計算すると、開回路電圧法で算出された電池のSOCの誤差が大きくなり、算出されたSOCの精度が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、荷電状態の補正方法及び装置を提供し、荷電状態の計算精度を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本願の実施例は荷電状態の補正方法を提供し、放電状態又は充電状態を含む単セルの作動状態を決定するステップと、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定するステップであって、積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含むステップと、を含む。
【0007】
第2態様によれば、本願の実施例は荷電状態の補正装置を提供し、放電状態又は充電状態を含む単セルの作動状態を決定することに用いられる状態決定モジュールと、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定することに用いられる補正モジュールであって、積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含む補正モジュールと、を備える。
【0008】
本願の実施例では、単セルの作動状態を決定し、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定する。積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含む。積算容量対応関係は、単セルの履歴作動条件を示すことができる。単セルの履歴作動条件を確保できるパラメータを荷電状態の計算過程に導入し、即ち、荷電状態の計算過程で、単セルの履歴作動条件を考慮し、単セルの荷電状態を補正し、補正した荷電状態を単セルの荷電状態とし、履歴作動条件による荷電状態の計算への影響を減少し、それにより荷電状態の計算精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、図面を参照した本願の具体的な実施形態の説明から、本願をよく理解することができ、同じ又は類似の符号は同じ又は類似の特徴を示す。
【0010】
図1】本願の一実施例に係る荷電状態の補正方法のフローチャートである。
図2】本願の他の実施例に係る荷電状態の補正方法のフローチャートである。
図3】本願の別の実施例に係る荷電状態の補正方法のフローチャートである。
図4】本願の一実施例に係る荷電状態の補正装置の構造模式図である。
図5】本願の他の実施例に係る荷電状態の補正装置の構造模式図である。
図6】本願の別の実施例に係る荷電状態の補正装置の構造模式図である。
図7】本願の実施例に係る荷電状態の補正機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。以下の詳細な説明では、本願を完全に理解するために、多くの具体的な細部が提案される。ただし、当業者にとっては、これらの具体的な細部の一部がなくても本願が実施できることは明らかである。以下の実施例の説明は、本願の例を示すことによって本願をよく理解するためのものに過ぎない。本願は、以下に提案されるいずれかの具体的な構成及びアルゴリズムに限定されず、本願の精神を逸脱することなく、要素、部材及びアルゴリズムのいずれかの変更、置換及び改良を含む。図面及び以下の説明では、本願の不要な曖昧さを回避するために、公知の構造及び技術が示されていない。
【0012】
本願の実施例は、荷電状態の補正方法及び装置を提供でき、電池の荷電状態を計算するシナリオに適用でき、電池管理システム(BMS:Battery Management System)により実行される。本願の実施例では、単セルの荷電状態を補正することができ、電池モジュール及び電池パックの荷電状態も単セルの荷電状態に基づいて決定することができ、ここで繰り返し説明しない。本願の実施例に係る荷電状態の補正方法及び装置を使用することで、ヒステリシス特性を有する単セルの荷電状態を補正して、計算したヒステリシス特性を有する単セルの荷電状態の精度を向上させることができる。
【0013】
図1は本願の一実施例に係る荷電状態の補正方法のフローチャートである。図1に示すように、当該荷電状態の補正方法はステップS101とステップS102とを含む。
ステップS101では、単セルの作動状態を決定する。
【0014】
作動状態は放電状態又は充電状態を含む。単セルの作動状態が放電状態である場合、単セルは放電しており、又は最近の期間では、単セルは主に放電している。例えば、長時間の放電過程で、少ない時間の充電が存在する場合であっても、単セルの作動状態が放電状態であると見なされる。単セルの作動状態が充電状態である場合、単セルは充電しており、又は最近の期間では、単セルは主に充電している。例えば、長時間の充電過程で、少ない時間の放電が存在する場合であっても、単セルの作動状態が充電状態であると見なされる。
【0015】
ステップS102では、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定する。
【0016】
単セルの現在の開回路電圧は単セルの現在の時刻の開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)である。単セルの現在の積算容量は現在の時刻までの期間内の単セルの積算容量である。現在の時刻までの期間は静置時間を含まない。静置時間は、単セルが作動状態にない時間であり、又は単セルが位置する回路の電流が予め設定された電流閾値未満であり続ける時間である。なお、静置時間は積算できる。積算容量は積算充電容量及び積算放電容量を含む。積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含む。積算容量対応関係は、履歴作動条件における異なる開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を示すとも言える。積算容量閾値は、許容又は要求される積算容量の最大値又は最小値であり、予め設定された期間内に統計して得られるものであり、予め設定された期間は静置時間を含まない。限界開始荷電状態は100%及び/又は0%を含んでもよい。限界開始荷電状態が100%を含む場合、限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線は、開始荷電状態が100%の放電開回路電圧曲線、即ち、満充放電開回路電圧曲線(即ち、満充放電OCV曲線)である。開回路電圧曲線は、開回路電圧と荷電状態(SOC:State of Charge)との対応関係を示す。なお、本願の実施例では、開回路電圧曲線の利用に限定されず、開回路電圧と荷電状態との対応関係を指示できる他の形態、例えば、表等も本願に適用できる。
【0017】
いくつかの例では、取得した単セルの現在の開回路電圧と、単セルの作動状態に対応する開回路電圧曲線によって、現在の開回路電圧に対応する積算容量閾値を問い合わせることができる。さらに、取得した単セルの現在の積算容量、現在の開回路電圧に対応する積算容量閾値、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線によって、単セルの補正される荷電状態を決定する。補正後の荷電状態の精度はより高い。
【0018】
単セルの補正される荷電状態は、計算した単セルの荷電状態を置き換えることに用いられ、計算した単セルの荷電状態は、リアルタイム荷電状態計算法で算出する荷電状態、例えば、開回路電圧法、ニューラルネットワーク法、カルマンフィルター法などの方法で算出する荷電状態である。リアルタイム荷電状態計算法で算出する荷電状態には大きな誤差が存在するおそれがあるため、本願の実施例に係る荷電状態の補正方法で補正でき、得られた単セルの補正される荷電状態の精度がより高い。
【0019】
本願の実施例では、単セルの作動状態を決定し、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定する。積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含む。積算容量対応関係は、単セルの履歴作動条件を示すことができる。単セルの履歴作動条件を確保できるパラメータを荷電状態の計算過程に導入し、即ち、荷電状態の計算過程で、単セルの履歴作動条件を考慮し、単セルの荷電状態を補正し、補正した荷電状態を単セルの荷電状態とし、履歴作動条件による荷電状態の計算への影響を減少し、それにより荷電状態の計算精度を向上させる。また、計算した荷電状態を補正できるため、荷電状態の計算の適用性を向上させる。
【0020】
図2は本願の他の実施例に係る荷電状態の補正方法のフローチャートである。単セルの作動状態は放電状態を含む。対応して、積算容量閾値は最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を含む。図2図1との相違点は以下のとおりである。図2に示される荷電状態の補正方法はステップS103a、ステップS104a及びステップS105aをさらに含み得る。上記実施例のステップS102は具体的にはステップS1021a~ステップS1026aに細分化され得る。
【0021】
ステップS103aでは、異なる放電条件での異なる開始荷電状態の放電開回路電圧曲線を取得する。
【0022】
いくつかの例では、放電条件は放電レート、及びテスト作動条件などを含む。例えば、テスト作動条件は放電後の充電作動条件などである。同一の放電条件で異なる開始荷電状態を設定でき、例えば、単セルを満放電した後に異なる荷電状態に充電し、単セルの満放電後に充電して得られた異なる荷電状態を開始荷電状態とする。開始荷電状態から始まり、同一の放電条件で、単セルを放電する。
【0023】
例えば、単セルを完全に放電した後に荷電状態が60%になるまで単セルを充電し、荷電状態60%を当該単セルの開始荷電状態とし、当該単セルを放電し、開始荷電状態が60%である単セルの放電開回路電圧曲線を得る。具体的には、開始荷電状態が60%である単セルを毎回6%放電し、次に1%充電し、単セルの荷電状態が0%になるまで続けることができる。
【0024】
また例えば、単セルを完全に放電した後に荷電状態が80%になるまで単セルを充電し、荷電状態80%を当該単セルの開始荷電状態とし、当該単セルを放電し、開始荷電状態が80%である単セルの放電開回路電圧曲線を得る。具体的には、開始荷電状態が80%である単セルを毎回7%放電し、次に2%充電し、単セルの荷電状態が0%になるまで続けることができる。
【0025】
同一の放電条件での1つの開始荷電状態は1本の放電開回路電圧曲線に対応する。異なる放電条件での異なる開始荷電状態は複数本の放電開回路電圧曲線に対応する。
【0026】
なお、同一の放電条件とは、放電条件の要素がいずれも同じであることを指す。例えば、放電条件は放電レート及びテスト作動条件を含み、放電条件A1と放電条件A2が同一の放電条件である場合、放電条件A1と放電条件A2の放電レートは同じであり、テスト作動条件も同じである。
【0027】
ステップS104aでは、条件1を満たす場合、放電開回路電圧曲線に対応する積算充電容量及び積算放電容量を取得する。
【0028】
条件1は、放電開回路電圧曲線における第1開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における第1開回路電圧に対応する荷電状態との誤差が予め設定された誤差精度範囲内にあることを含む。
【0029】
第1開回路電圧を取り、各放電開回路電圧曲線から当該第1開回路電圧に対応する荷電状態を検索する。本願の実施例の限界開始荷電状態は100%を含む。各放電開回路電圧曲線における第1開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線(即ち、満充放電開回路電圧曲線)における第1開回路電圧に対応する荷電状態との誤差を検出する。予め設定された誤差精度範囲は、荷電状態の計算過程で許容できる誤差精度の範囲である。誤差が予め設定された誤差精度範囲内にあることは、放電開回路電圧曲線の荷電状態が荷電状態の計算に許容できる程度以上の影響を与えないことを示し、当該放電開回路曲線に基づいて取得されるデータの精度は高い。したがって、当該放電開回路曲線を利用して積算容量閾値を取得し、積算容量対応関係を作成することができる。
【0030】
ステップS105aでは、最小値の積算放電容量を最小要求積算放電容量とし、最大値の積算充電容量を最大許容積算充電容量とする。
【0031】
ステップS104aでは、予め設定された誤差精度範囲を満たす複数本の放電開回路電圧曲線を得る可能性があり、各放電開回路曲線は積算放電容量及び積算充電容量に対応する。複数本の放電開回路曲線に対応する積算放電容量のうちの最小値を最小要求積算放電容量とする。複数本の放電開回路曲線に対応する積算放電容量のうちの最大値を最大許容積算充電容量とする。
【0032】
最小要求積算放電容量は、放電開回路曲線が履歴作動条件の影響を受けるのを回避するために単セルが少なくとも放電する必要がある放電容量である。積算放電容量が最小要求積算放電容量未満であると、この時の放電開回路曲線と満充放電された開回路電圧曲線とが重なり又は十分に近いことを確保できない。最大許容積算充電容量は、放電開回路曲線が履歴作動条件の影響を受けるのを回避するために単セルが最大で充電できる充電容量である。
【0033】
ステップS1021aでは、単セルの放電状態に対応する積算容量対応関係に基づいて、現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を得る。
【0034】
上記実施例の積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量との対応関係を含む。例えば、積算容量対応関係は表の形態で反映できる。表1は本願の実施例の積算容量対応関係表である。
【0035】
【表1】
【0036】
表1では、放電状態での5つの開回路電圧OCV1、OCV2、OCV3、OCV4及びOCV5のそれぞれに対応する最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量が記録されている。表1から、開回路電圧に基づいて対応する最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を問い合わせることができる。例えば、単セルの現在の開回路電圧がOCV3である場合、開回路電圧OCV3は最小要求積算放電容量B3及び最大許容積算充電容量C3に対応する。
【0037】
ステップS1022aでは、条件2を満たす場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0038】
条件2は、取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量未満であり、且つ取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量より大きいことを含む。
【0039】
限界開始荷電状態は100%を含む。
【0040】
上記実施例の単セルの現在の積算容量は、現在の積算充電容量ΔChrgCap及び現在の積算放電容量ΔDischrgCapを含む。取得した現在の積算充電容量ΔChrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量ΔMaxCap_Chrg未満であり、取得した現在の積算放電容量ΔDischrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量ΔMinCap_Dischrgより大きい場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線(即ち、満充放電開回路電圧曲線)を直接利用して単セルの荷電状態を補正することができる。具体的には、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0041】
ステップS1023aでは、条件3を満たす場合、計算した単セルの荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態と、を比較する。
【0042】
条件3は、取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量以上であり、又は取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量以下であることを含む。
【0043】
取得した現在の積算充電容量ΔChrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量ΔMaxCap_Chrg以上であり、又は取得した現在の積算放電容量ΔDischrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量ΔMinCap_Dischrg以下である場合、計算した単セルの荷電状態、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線(即ち、満充放電開回路電圧曲線)における最大開回路電圧に対応する荷電状態(即ち、荷電状態の補正最大値)、及び開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線(即ち、満放充電開回路電圧曲線)における最小開回路電圧に対応する荷電状態(即ち、荷電状態の補正最小値)に基づいて、後続のステップS1024a~ステップS1026aによって、計算した単セルの荷電状態を補正することができる。
【0044】
ステップS1024aでは、条件4を満たす場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0045】
条件4は、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態より大きいことを含む。
【0046】
ステップS1025aでは、条件5を満たす場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0047】
条件5は、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態未満であることを含む。
【0048】
ステップS1026aでは、条件6を満たす場合、計算した単セルの荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0049】
条件6は、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態以下であり、且つ開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態以上であることを含む。
【0050】
限界開始荷電状態は100%及び0%を含む。
【0051】
荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態、及び開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態は、補正される荷電状態の範囲を限定する。荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、補正される荷電状態の範囲の上限とし、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、補正される荷電状態の範囲の下限とする。
【0052】
計算した単セルの荷電状態が上記補正される荷電状態の範囲内にある場合、当該計算した単セルの荷電状態が正確であると示し、当該計算した単セルの荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることができる。計算した単セルの荷電状態が上記補正される荷電状態の範囲の上限より大きい場合、単セルの荷電状態を上記補正される荷電状態の範囲の上限に補正し、即ち、上記補正される荷電状態の範囲の上限を単セルの補正される荷電状態とする。計算した単セルの荷電状態が上記補正される荷電状態の範囲の下限未満である場合、単セルの荷電状態を上記補正される荷電状態の範囲の下限に補正し、即ち、上記補正される荷電状態の範囲の下限を単セルの補正される荷電状態とする。
【0053】
図3は本願の別の実施例に係る荷電状態の補正方法のフローチャートである。単セルの作動状態は充電状態を含む。対応して、前記容量増分閾値は最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を含む。図3図1との相違点は以下のとおりである。図3に示される荷電状態の補正方法はステップS103b、ステップS104b及びステップS105bをさらに含み得る。上記実施例のステップS102は具体的にはステップS1021b~ステップS1026bに細分化され得る。
【0054】
ステップS103bでは、異なる充電条件での異なる開始荷電状態の充電開回路電圧曲線を取得する。
【0055】
いくつかの例では、充電条件は充電レート、及びテスト作動条件などを含む。例えば、テスト作動条件は充電後の放電作動条件などである。同一の充電条件で異なる開始荷電状態を設定でき、例えば、単セルを満充電した後に異なる荷電状態に放電し、単セルの満充電後に放電して得られた異なる荷電状態を開始荷電状態とする。開始荷電状態から始まり、同一の充電条件で、単セルを充電する。
【0056】
例えば、単セルを完全に充電した後に荷電状態が40%になるまで単セルを放電し、荷電状態40%を当該単セルの開始荷電状態とし、当該単セルを充電し、開始荷電状態が40%である単セルの充電開回路電圧曲線を得る。具体的には、開始荷電状態が40%である単セルを毎回6%充電し、次に1%放電し、単セルの荷電状態が100%になるまで続けることができる。
【0057】
また例えば、単セルを完全に充電した後に荷電状態が60%になるまで単セルを放電し、荷電状態60%を当該単セルの開始荷電状態とし、当該単セルを充電し、開始荷電状態が60%である単セルの充電開回路電圧曲線を得る。具体的には、開始荷電状態が60%である単セルを毎回7%充電し、次に2%放電し、単セルの荷電状態が100%になるまで続けることができる。
【0058】
同一の充電条件での1つの開始荷電状態は1本の充電開回路電圧曲線に対応する。異なる放電条件での異なる開始荷電状態は複数本の充電開回路電圧曲線に対応する。
【0059】
なお、同一の充電条件とは、充電条件の要素がいずれも同じであることを指す。例えば、充電条件は充電レート及びテスト作動条件を含み、充電条件D1と充電条件D2が同一の充電条件である場合、充電条件D1と充電条件D2の充電レートは同じであり、テスト作動条件も同じである。
【0060】
ステップS104bでは、条件7を満たす場合、充電開回路電圧曲線に対応する積算充電容量及び積算放電容量を取得する。
【0061】
条件7は、充電開回路電圧曲線における第2開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における第2開回路電圧に対応する荷電状態との誤差が予め設定された誤差精度範囲内にあることを含む。
【0062】
第2開回路電圧を取り、各充電開回路電圧曲線から当該第2開回路電圧に対応する荷電状態を検索する。本願の実施例の限界開始荷電状態は0%を含む。各充電開回路電圧曲線における第2開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線(即ち、満放充電開回路電圧曲線)における第2開回路電圧に対応する荷電状態との誤差を検出する。予め設定された誤差精度範囲は、荷電状態の計算過程で許容できる誤差精度の範囲である。誤差が予め設定された誤差精度範囲内にあることは、充電開回路電圧曲線の荷電状態が荷電状態の計算に許容できる程度以上の影響を与えないことを示し、当該充電開回路曲線に基づいて取得されるデータの精度は高い。したがって、当該充電開回路曲線を利用して積算容量閾値を取得し、積算容量対応関係を作成することができる。
【0063】
ステップS105bでは、最大値の積算放電容量を最大許容積算放電容量とし、最小値の積算充電容量を最小要求積算充電容量とする。
【0064】
ステップS104bでは、予め設定された誤差精度範囲を満たす複数本の充電開回路電圧曲線を得る可能性があり、各充電開回路曲線は積算放電容量及び積算充電容量に対応する。複数本の充電開回路曲線に対応する積算放電容量のうちの最大値を最大許容積算放電容量とする。複数本の充電開回路曲線に対応する積算充電容量のうちの最小値を最小要求積算充電容量とする。
【0065】
最大許容積算放電容量は、充電開回路曲線が履歴作動条件の影響を受けるのを回避するために単セルが最大で放電できる放電容量である。最小要求積算充電容量は、充電開回路曲線が履歴作動条件の影響を受けるのを回避するために単セルが少なくとも充電する必要がある充電容量である。積算充電容量が最小要求積算充電容量未満である場合、この時の充電開回路曲線と満放充電された開回路電圧曲線とが重なり又は十分に近いことを確保できない。
【0066】
ステップS1021bでは、単セルの充電状態に対応する積算容量対応関係に基づいて、現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を得る。
【0067】
上記実施例の積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量との対応関係を含む。例えば、積算容量対応関係は表の形態で反映できる。表2は本願の実施例の積算容量対応関係表である。
【0068】
【表2】
【0069】
表2では、充電状態での5つの開回路電圧OCV1、OCV2、OCV3、OCV4及びOCV5のそれぞれに対応する最小要求積算充電容量及び最大許容積算放電容量が記録されている。表2から、開回路電圧に基づいて対応する最小要求積算充電容量及び最大許容積算放電容量を問い合わせることができる。例えば、単セルの現在の開回路電圧がOCV2である場合、開回路電圧OCV2は最小要求積算充電容量E2及び最大許容積算放電容量F2に対応する。
【0070】
ステップS1022bでは、条件8を満たす場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0071】
条件8は、取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量未満であり、且つ取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算充電容量より大きいことを含む。
【0072】
限界開始荷電状態は0%を含む。
【0073】
上記実施例の単セルの現在の積算容量は、現在の積算充電容量ΔChrgCap及び現在の積算放電容量ΔDischrgCapを含む。取得した現在の積算放電容量ΔDischrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量ΔMaxCap_Dischrg未満であり、取得した現在の積算充電容量ΔChrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最小要求積算充電容量ΔMinCap_Chrgより大きい場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線(即ち、満放充電開回路電圧曲線)を直接利用して単セルの荷電状態を補正することができる。具体的には、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0074】
ステップS1023bでは、条件9を満たす場合、計算した単セルの荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態と、を比較する。
【0075】
条件9は、取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量以上であり、又は取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算充電容量以下であることを含む。
【0076】
取得した現在の積算放電容量ΔDischrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量ΔMaxCap_Dischrg以上であり、又は取得した現在の積算充電容量ΔChrgCapが積算容量対応関係における現在の開回路電圧に対応する最小要求積算充電容量ΔMinCap_Chrg以下である場合、計算した単セルの荷電状態、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線(即ち、満充放電開回路電圧曲線)における最大開回路電圧に対応する荷電状態(即ち、荷電状態の補正最大値)、及び開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線(即ち、満放充電開回路電圧曲線)における最小開回路電圧に対応する荷電状態(即ち、荷電状態の補正最小値)に基づいて、後続のステップS1024b~ステップS1026bによって、計算した単セルの荷電状態を補正する。
【0077】
ステップS1024bでは、条件10を満たす場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0078】
条件10は、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態より大きいことを含む。
【0079】
ステップS1025bでは、条件11を満たす場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0080】
条件11は、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態未満であることを含む。
【0081】
ステップS1026bでは、条件12を満たす場合、計算した単セルの荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とする。
【0082】
条件12は、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態以下であり、且つ開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態以上であることを含む。
【0083】
限界開始荷電状態は100%及び0%を含む。
【0084】
ステップS1024b~ステップS1026bの計算した単セルの荷電状態の補正についての説明は、上記実施例のステップS1024a~ステップS1026aと類似し、上記実施例のステップS1024a~ステップS1026aの関連内容を参照でき、ここで繰り返し説明しない。
【0085】
他のいくつかの実施例では、上記実施例のステップS101では、具体的には、単セルの現在の積算充電容量と現在の積算放電容量の比較に基づいて、単セルの作動状態を決定することができる。単セルの現在の積算充電容量は現在の時刻までの期間内の単セルの積算充電容量である。単セルの現在の積算放電容量は現在の時刻までの期間内の単セルの積算放電容量である。
【0086】
例えば、単セルの現在の積算充電容量が単セルの現在の積算放電容量未満である場合、単セルの作動状態が放電状態を含むと決定する。単セルの現在の積算充電容量が単セルの現在の積算放電容量より大きい場合、単セルの作動状態が充電状態を含むと決定する。
【0087】
具体的には、単セルの現在の積算充電容量ΔChrgCapと単セルの現在の積算放電容量ΔDischrgCapとの差ΔChrgCap-ΔDischrgCapを計算することもできる。ΔChrgCap-ΔDischrgCap<0である場合、単セルの作動状態が放電状態を含むと決定する。ΔChrgCap-ΔDischrgCap>0である場合、単セルの作動状態が充電状態を含むと決定する。
【0088】
別のいくつかの実施例では、荷電状態の計算精度をさらに向上させるために、単セルの静置時間が十分に長いことを確保する必要があり、それにより荷電状態の計算過程で取得されるパラメータの精度を確保する。本願の実施例では、単セルの最小静置時間長さを得ることができ、当該単セルの静置時間長さが最小静置時間長さを超える場合、上記実施例の荷電状態の補正ステップを行うことができる。当該単セルの静置時間長さが最小静置時間長さを超えない場合、上記実施例の荷電状態の補正ステップを行わず、当該単セルの静置時間長さが最小静置時間長さを超えるようになる場合、上記実施例の荷電状態の補正ステップを行う。
【0089】
具体的には、単セルの現在の温度を取得し、予め測定した温度と最小静置時間との対応関係から、現在の温度に対応する最小静置時間長さを得る。現在の時刻までの単セルの静置時間長さを取得し、単セルの静置時間長さが現在の温度に対応する最小静置時間長さより大きい場合、単セルの作動状態を決定する。
【0090】
温度と最小静置時間との対応関係は、単セル又は電池モジュール又は電池パックの実験によって検出され得る。温度と最小静置時間との対応関係から、温度によって対応する最小静置時間を問い合わせることができる。
【0091】
いくつかの例では、現在の時刻までの単セルの静置時間長さを統計し、具体的には、単セルが位置する回路の電流が予め設定された電流誤差閾値未満であり続ける継続時間長さT1をリアルタイムに検出することができる。
【0092】
他のいくつかの例では、現在の時刻までの単セルの静置時間長さを統計し、具体的には、単セルが位置する回路の電流が予め設定された電流誤差閾値未満であり続ける継続時間長さT1と単セルのスリープ時間T2との和をリアルタイムに検出することができる。
【0093】
図4は本願の一実施例に係る荷電状態の補正装置の構造模式図である。図4に示すように、当該荷電状態の補正装置200は、状態決定モジュール201と補正モジュール202とを備える。
【0094】
状態決定モジュール201は、放電状態又は充電状態を含む単セルの作動状態を決定することに用いられる。
【0095】
補正モジュール202は、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定することに用いられ、積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含む。
【0096】
本願の実施例では、単セルの作動状態を決定し、取得した単セルの現在の開回路電圧、取得した単セルの現在の積算容量、単セルの作動状態に対応する積算容量対応関係、及び限界開始荷電状態に対応する開回路電圧曲線に基づいて、単セルの補正される荷電状態を決定する。積算容量対応関係は、予め測定された開回路電圧と積算容量閾値との対応関係を含む。積算容量対応関係は、単セルの履歴作動条件を示すことができる。単セルの履歴作動条件を確保できるパラメータを荷電状態の計算過程に導入し、即ち、荷電状態の計算過程で、単セルの履歴作動条件を考慮し、単セルの荷電状態を補正し、補正した荷電状態を単セルの荷電状態とし、履歴作動条件による荷電状態の計算への影響を減少し、それにより荷電状態の計算精度を向上させる。また、計算した荷電状態を補正できるため、荷電状態の計算の適用性を向上させる。
【0097】
いくつかの例では、現在の積算容量は現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を含む。状態決定モジュール201は具体的には、単セルの現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を取得することと、単セルの現在の積算充電容量が単セルの現在の積算放電容量未満である場合、単セルの作動状態が放電状態を含むと決定することと、単セルの現在の積算充電容量が単セルの現在の積算放電容量より大きい場合、単セルの作動状態が充電状態を含むと決定することと、に用いられる。
【0098】
いくつかの例では、状態決定モジュールは具体的には、単セルの現在の温度を取得し、予め測定した温度と最小静置時間との対応関係から、現在の温度に対応する最小静置時間長さを得ることと、現在の時刻までの単セルの静置時間長さを取得し、単セルの静置時間長さが現在の温度に対応する最小静置時間長さより大きい場合、単セルの作動状態を決定することと、に用いられる。
【0099】
図5は本願の他の実施例に係る荷電状態の補正装置の構造模式図である。図5図4との相違点は、図5に示される荷電状態の補正装置200が第1処理モジュール203をさらに備え得ることである。
【0100】
第1処理モジュール203は、異なる放電条件での異なる開始荷電状態の放電開回路電圧曲線を取得することと、放電開回路電圧曲線における第1開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における第1開回路電圧に対応する荷電状態との誤差が予め設定された誤差精度範囲内にある場合、放電開回路電圧曲線に対応する積算充電容量及び積算放電容量を取得することと、最小値の積算放電容量を最小要求積算放電容量とし、最大値の積算充電容量を最大許容積算充電容量とすることと、に用いられる。作動状態は放電状態を含み、積算容量閾値は最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を含む。
【0101】
上記補正モジュール202は具体的には、単セルの放電状態に対応する積算容量対応関係に基づいて、現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を得ることと、取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量未満であり、且つ取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量より大きい場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、に用いられる。
【0102】
作動状態は放電状態を含む。積算容量閾値は最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を含む。現在の積算容量は現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を含む。限界開始荷電状態は100%を含む。
【0103】
上記補正モジュール202は具体的には、単セルの放電状態に対応する積算容量対応関係に基づいて、現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を得ることと、取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算充電容量以上であり、又は取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算放電容量以下である場合、計算した単セルの荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態と、を比較することと、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態より大きい場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態未満である場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態以下であり、且つ開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態以上である場合、計算した単セルの荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、に用いられる。
【0104】
作動状態は放電状態を含む。積算容量閾値は最小要求積算放電容量及び最大許容積算充電容量を含む。現在の積算容量は現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を含む。限界開始荷電状態は100%及び0%を含む。
【0105】
図6は本願の別の実施例に係る荷電状態の補正装置の構造模式図である。図6図4との相違点は、図6に示される荷電状態の補正装置200が第2処理モジュール204をさらに備え得ることである。
【0106】
第2処理モジュール204は、異なる充電条件での異なる開始荷電状態の充電開回路電圧曲線を取得することと、充電開回路電圧曲線における第2開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における第2開回路電圧に対応する荷電状態との誤差が予め設定された誤差精度範囲内にある場合、充電開回路電圧曲線に対応する積算充電容量及び積算放電容量を取得することと、最大値の積算放電容量を最大許容積算放電容量とし、最小値の積算充電容量を最小要求積算充電容量とすることと、に用いられる。
【0107】
作動状態は充電状態を含み、容量増分閾値は最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を含む。
【0108】
補正モジュール202は具体的には、単セルの充電状態に対応する積算容量対応関係に基づいて、現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を得ることと、取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量未満であり、且つ取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算充電容量より大きい場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における現在の開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、に用いられる。
【0109】
作動状態は充電状態を含む。容量増分閾値は最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を含む。現在の積算容量は現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を含む。限界開始荷電状態は0%を含む。
【0110】
補正モジュール202は具体的には、単セルの放電状態に対応する積算容量対応関係に基づいて、現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を得ることと、取得した現在の積算放電容量が現在の開回路電圧に対応する最大許容積算放電容量以上であり、又は取得した現在の積算充電容量が現在の開回路電圧に対応する最小要求積算充電容量以下である場合、計算した単セルの荷電状態と、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態と、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態と、を比較することと、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態より大きい場合、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態未満である場合、開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、計算した単セルの荷電状態が、開始荷電状態が100%である放電開回路電圧曲線における最大開回路電圧に対応する荷電状態以下であり、且つ開始荷電状態が0%である充電開回路電圧曲線における最小開回路電圧に対応する荷電状態以上である場合、計算した単セルの荷電状態を、単セルの補正される荷電状態とすることと、に用いられる。
【0111】
作動状態は充電状態を含む。容量増分閾値は最大許容積算放電容量及び最小要求積算充電容量を含む。現在の積算容量は現在の積算充電容量及び現在の積算放電容量を含む。限界開始荷電状態は100%及び0%を含む。
【0112】
いくつかの例では、現在の積算容量は現在の時刻までの期間内の積算容量であり、現在の時刻までの期間は静置時間を含まない。
【0113】
積算容量閾値は予め設定された期間内に統計して得られ、予め設定された期間は静置時間を含まない。
【0114】
図7は本願の実施例に係る荷電状態の補正機器の構造模式図である。図7に示すように、荷電状態の補正機器300は、メモリ301、プロセッサ302、及びメモリ301に記憶され、プロセッサ302で実行できるプログラムを備える。
【0115】
一例では、上記プロセッサ302は、中央処理装置(CPU)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を備えてもよく、又は本願の実施例を実施する1つ又は複数の集積回路として配置されてもよい。
【0116】
メモリ301は、データ又は命令を記憶するための大容量メモリを含み得る。限定ではなく例として、メモリ301は、HDD、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、テープ又はユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。適切な状況で、メモリ301は、取り外し可能又は取り外し不可能な(又は固定された)媒体を含み得る。適切な状況で、メモリ301は、端末のホットスポットでオンされる荷電状態の補正機器300の内部又は外部にあってもよい。特定の実施例では、メモリ301は不揮発性ソリッドステートメモリである。特定の実施例では、メモリ301は読み出し専用メモリ(ROM)を含む。適切な状況で、当該ROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的書き換え可能ROM(EAROM)又はフラッシュメモリ、又はこれらの2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0117】
プロセッサ302は、メモリ301に記憶された実行可能なプログラムコードを読み取って、実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行することで、上記実施例の荷電状態の補正方法を実現することに用いられる。
【0118】
一例では、荷電状態の補正機器300は通信インタフェース303及びバス304を備え得る。図7に示すように、メモリ301、プロセッサ302、及び通信インタフェース303はバス304を介して接続され、相互通信を実現する。
【0119】
通信インタフェース303は、主に、本願の実施例の各モジュール、装置、ユニット及び/又は機器間の通信を実現することに用いられる。通信インタフェース303を介して入力機器及び/又は出力機器がアクセスされ得る。
【0120】
バス304は、ハードウェア、ソフトウェア又はその両者を含み、荷電状態の補正機器300の部材を相互に結合する。限定ではなく例として、バス304は、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)又は他のグラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド相互接続、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺構成要素相互接続(PCI)バス、PCI-Express(PCI-X)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション・ローカル(VLB)バス又は他の適切なバス又はこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。適切な状況で、バス304は1つ又は複数のバスを含み得る。本願の実施例は特定のバスについて説明し図示するが、本願はいずれかの適切なバス又は相互接続を企図する。
【0121】
本願の一実施例は記憶媒体をさらに提供し、当該記憶媒体にはプログラムが記憶され、当該プログラムはプロセッサにより実行されると上記実施例に係る荷電状態の補正方法を実現できる。
【0122】
なお、本明細書の各実施例はいずれも漸進的な方式で説明され、各実施例の同じ又は類似の部分は相互に参照すればよい。各実施例の説明の焦点は他の実施例との相違点である。装置実施例、機器実施例及び記憶媒体実施例については、関連部分は方法実施例の説明部分を参照すればよい。本願は上記に説明され図示された特定のステップ及び構造に限定されない。当業者は、本願の趣旨を理解した後、様々な変更、修正及び追加を行うことができ、又はステップの順序を変えることができる。且つ、簡潔にするために、ここでは既知の方法と技術の詳細な説明を省略する。
【0123】
当業者は、上記実施例がいずれも例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。有益な効果を達成するために、異なる実施例の異なる技術的特徴を組み合わせることができる。当業者は、図面、明細書及び特許請求の範囲を研究した上で、開示された実施例の他の変形実施例を理解して実現できるべきである。特許請求の範囲では、用語「含む」は他の装置又はステップを排除せず、不定冠詞「1つ」は複数を排除せず、用語「第1」、「第2」は、いずれかの特定の順序ではなく、名称を示すことに用いられる。請求項のいずれかの符号はいずれも保護範囲を限定するものではないと理解されるべきである。請求項の複数の部分の機能は、1つの単独のハードウェア又はソフトウェアモジュールによって実現され得る。いくつかの技術的特徴が異なる従属請求項に現れることは、これらの技術的特徴を組み合わせて有益な効果を達成することができないのを意味するものではない。
【符号の説明】
【0124】
200 補正装置
201 状態決定モジュール
202 補正モジュール
203 第1処理モジュール
204 第2処理モジュール
300 補正機器
301 メモリ
302 プロセッサ
303 通信インタフェース
304 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7