(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】熱エネルギーの捕捉、捕捉された熱エネルギーおよびそれから生成される電力の長距離輸送、貯蔵、および分配のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F28D 21/00 20060101AFI20220201BHJP
F01K 13/02 20060101ALI20220201BHJP
F02G 1/043 20060101ALI20220201BHJP
F01K 25/10 20060101ALI20220201BHJP
F03G 6/00 20060101ALI20220201BHJP
F03G 4/00 20060101ALI20220201BHJP
F24D 10/00 20220101ALI20220201BHJP
F25B 7/00 20060101ALI20220201BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
F28D21/00 B
F01K13/02
F02G1/043
F01K25/10 E
F01K25/10 F
F01K25/10
F03G6/00 551
F03G4/00 501
F24D10/00
F25B7/00 D
F25B1/00 396R
F25B1/00 396D
F25B1/00 396F
F25B1/00 396G
F25B1/00 396B
(21)【出願番号】P 2021526440
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(86)【国際出願番号】 CA2018051431
(87)【国際公開番号】W WO2020097714
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521205582
【氏名又は名称】ロッチテラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラドク,ジェラルド アルヴィン
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2733316(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 21/00
F01K 13/02
F02G 1/043
F01K 25/10
F03G 6/00
F03G 4/00
F24D 10/00
F25B 7/00
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立型長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システムであって、 熱エネルギー源と連通している第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールであって、前記源が、地熱エネルギー源、または太陽熱エネルギー源、または産業廃棄物熱エネルギー源のうちの1つ以上であり、前記第1の閉ループモジュールが、その中で液相と気相と-30℃以下の沸点とを有する第1の低沸点
作動流体を循環させている第1の閉ループ配管インフラストラクチャを備え、前記第1の閉ループモジュールが、前記熱エネルギー源から熱エネルギーを捕捉し、かつ前記捕捉
された熱エネルギーを前記第1の低沸点
作動流体に伝達し、それによって、前記第1の
作動流体をその気相に変換するように構成されており、前記第1の閉ループモジュールが、前記
気相の一部をその液相に変換することで、電力を生成するために構成された装置を備える、第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールと、
前記第1の閉ループモジュールと連通している第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールであって、前記第2の閉ループモジュールが、液相と気相と-30℃以下の沸点とを有する第2の低沸点作動流体を循環させている第2の閉ループ配管インフラストラクチャを備え、前記第1の閉ループモジュールおよび前記第2の閉ループモジュールが連通しており、前記捕捉された熱エネルギーを前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャから前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャに伝達し、それによって、前記第1の作動流体をその液相に変換し、前記第2の作動流体をその気相に変換し、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャが、前記第1の閉ループモジュール内で生成された前記電力の一部をその中で受容するための第1の送電ラインをさらに備える、第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールと、
前記第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールおよび複数の熱エネルギー送達サイトと連通している第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールであって、前記第3の閉ループモジュールが、液相と気相と-30℃以下の沸点とを有する第3の低沸点作動流体を循環させている第3の閉ループ配管インフラストラクチャを備え、前記第2の閉ループモジュールおよび前記第3の閉ループモジュールが連通しており、前記捕捉された熱エネルギーを前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャから前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャに伝達し、それによって、前記第2の作動流体をその液相に変換し、前記第3の作動流体をその気相に変換し、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャが、前記第1の送電ラインと連通している第2の送電ラインをさらに備える、第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールと、を備え、
前記
複数の熱エネルギー送達サイトが、前記第3の閉ループモジュールからの前記捕捉された熱エネルギーを受容するように構成され、それによって、前記第3の作動流体はその液相に変換され、前記
複数の熱エネルギー送達サイトが、前記第2の送電ラインと連通するためにさらに構成されている、独立型長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項2】
前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールが、燃料ボイラーヒーターから
の熱エネルギーの補足供給をさらに受容するように構成されている、請求項1に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項3】
前記第1の低温沸点流体、第2の低温沸点流体、および第3の低温沸点流体が、アンモニア、またはCO
2、またはエタン、またはプロパン、またはプロペン、またはプロピレン、またはクロロジフルオロメタンR-22、またはジクロロジフルオロメタンR-12、またはジフルオロメタンR-32である、請求項1に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項4】
前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールが、対向する端壁、対向する側壁、および屋根で囲まれた第1の可搬型自給式スキッド上に構成され、かつそれと係合し、前記壁のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの固定可能なアクセスドアを備え、
前記第1の可搬型スキッドが、前記
熱エネルギー源との取り外し可能な係合のために構成されている動作機器の集合体を備え、
前記動作機器の集合体が、
前記
熱エネルギー源と連通している閉ループ配管インフラストラクチャと取り外し可能な係合のために構成されている第1の閉ループ配管インフラストラクチャと、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャ
、ポンプ、及び、第2の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第1の熱交換器であって、
第2の閉ループ配管インフラストラクチャが、第2の熱交換器と連通している閉ループインフラストラクチャと取り外し可能な係合のために構成されている、第1の熱交換器と、
前記第
2の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している膨張弁と、
前記第1の熱交換器と連通しているタービンと、
前記タービンと連通している発生器と、
制御通信機器と、
前記第1の熱交換器、前記ポンプ、前記タービン、前記発生器、及び、前記制御通信機器と相互接続する1つ以上の電力ケーブルと、
を備え、
前記
1つ以上の電力ケーブル、及び、前記制御通信機器は、前記第2の熱交換器と連通している前記閉ループインフラストラクチャと取り外し可能な係合のために構成されている、
請求項1に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項5】
前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールが、対向する端壁、対向する側壁、および屋根で囲まれた第2の可搬型自給式スキッド上に構成され、かつそれと係合し、前記壁ののうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの固定可能なアクセスドアを備え、
前記第2の可搬型自給式スキッドが、動作機器の集合体を備え、
前記動作機器の集合体が、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第3の熱交換器であって、前記第3の熱交換器が、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャとの取り外し可能な係合のためにさらに構成されている、第3の熱交換器と、
第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している圧縮機ポンプと、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第4の熱交換器であって、前記第4の熱交換器が、閉ループ配管インフラストラクチャとの取り外し可能な係合のためにさらに構成されている、第4の熱交換器と、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している膨張弁と、を備える、請求項1に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項6】
第1の追加の電力供給が、ランキンサイクル機器構成または有機ランキンサイクル機器構成またはカリナサイクル機器構成またはスターリングエンジンサイクル構成または吸収発電機器構成のうちの1つをともなう前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュール内の前記捕捉された熱エネルギーの第1の部分で生成される、請求項1に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項7】
第2の追加の電力供給が、太陽光発電装置および/または風力タービン装置によって提供される、請求項6に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項8】
熱エネルギー源から捕捉され、輸送され、送達サイトに送達される熱エネルギーを、請求項1に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システムを用いて監視する方法であって、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャを通して循環させながら、前記第1の低沸点作動流体の気相および液相への変換率を継続的に検出、記録、および定量化することと、
前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャを通して循環させながら、前記第2の低沸点作動流体の気相および液相への変換率を継続的に検出、記録、および定量化することと、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャを通して循環させながら、前記第3の低沸点作動流体の気相および液相への変換率を継続的に検出、記録、および定量化することと、
選択された熱送達サイトに送達される前記捕捉された熱エネルギーを継続的に検出、記録、および定量化することと、
一連の選択された時間間隔の各々について、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールによって前記熱エネルギー源から捕捉され、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールから前記第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールを通って前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールに輸送され、および選択された各時間間隔中に前記選択された送達サイトに送達される前記熱エネルギーを定量化するレポートを作成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールで生成された電力を継続的に判定および定量化するステップと、
前記第1の閉ループモジュールから前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールに輸送される電力を継続的に判定および定量化するステップと、
前記
第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールから前記送達サイトに輸送される電力を継続的に判定および定量化するステップと、
前記選択された時間間隔の各々に対して、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールで生成された前記電力、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールから前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールに輸送された前記電力、および前記送達サイトに送達される前記電力のうちの1つ以上を定量化するレポートを生成するステップと、をさらに含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
独立型長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システムであって、
低温側と高温側とをともなう第1の熱交換器と、有機ランキンサイクル(ORC)装置と、動作制御と、監視および通信ハードウェアおよびソフトウェアと、を有する第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールであって、前記第1の熱交換器の前記低温側が、前記第1の熱交換器の低温側を地熱体から捕捉された熱エネルギーの供給と相互接続させる第1の閉ループ配管インフラストラクチャと連通しており、前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャが、その中で循環する低沸点作動流体を有し、前記低沸点作動流体が、アンモニア、CO
2、エタン、プロパン、プロペン、プロピレン、クロロジフルオロメタンR-22、およびジフルオロメタンR-32から選択され、それによって、前記低沸点作動流体が、前記熱エネルギー
の供給を通って流れるときにその気相に変換されて熱エネルギーを捕捉し、前記第1の熱交換器の前記低温側を通って流れるときにその液相に変換され、それによって前記捕捉された熱エネルギーを前記第1の熱交換器の前記高温側に伝達し、前記捕捉された熱エネルギーの一部が、前記ORC装置と連通しており、電力がそれによって生成され、そこから第1の送電ケーブルを通って流れる、第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールと、
前記第1の熱交換器の前記高温側および第3の閉ループモジュール内の第2の熱交換器の低温側と連通している第2の閉ループ配管インフラストラクチャを備える、第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールであって、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャが、その中で循環する前記低沸点作動流体を有し、それによって、前記低沸点作動流体が、前記第1の熱交換器の前記高温側を通って流れるときにその気相に変換され、前記第2の熱交換器の前記低温側を通って流れるときにその液相に変換され、それによって、前記捕捉された熱エネルギーを前記第2の熱交換器の高温側に伝達し、前記第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールが、前記ORC装置からの前記第1の送電ケーブルと連通している第2の送電ケーブルをさらに備え、前記第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールが、前記動作制御、監視、および通信のハードウェアおよびソフトウェアと連通しているケーブルをさらに備える、第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールと、を備え、
前記第2の熱交換器の前記高温側が、複数の送達サイトと連通している第3の配管インフラストラクチャと連通しており、前記第3の配管インフラストラクチャが、その中で循環する前記低沸点作動流体を有し、それによって、前記低沸点
作動流体が、前記第2の熱交換器の前記低温側を通って流れるときにその気相に変換され、前記送達サイトを通って流れるときにその液相に変換され、それによって、前記捕捉された熱エネルギーを前記送達サイトに伝達し、
前記第3の配管インフラストラクチャが、前記第2の閉ループモジュールで提供される前記ケーブルと連通している動作制御、監視および通信ハードウェアおよびソフトウェアをさらに有し、前記第3の閉ループモジュールが、前記第2の閉ループモジュール内の前記第2の送電ケーブルと連通している第3の送電ケーブルを有し、それによって、前記第3の送電ケーブルで搬送された前記電力が、オンデマンドで前記
送達伝達サイトで利用可能であり、
前記システムが、
前記第1の熱交換器の前記低温側の入口位置と出口位置にある前記第1の配管インフラストラクチャと連通している第1のエネルギーメーターの対と、
前記第1の閉ループモジュールからの前記送電ケーブルと連通している第1の電力メーターと、
前記第1の熱交換器の前記高温側の入口位置と出口位置にある前記第2の配管インフラストラクチャと連通している第2のエネルギーメーターの対と、
前記第3の閉ループモジュールからの前記送電ケーブルと連通している第2の電力メーターと、
前記第2の熱交換器の前記低温側の入口位置と出口位置にある前記第2の配管インフラストラクチャと連通している第3のエネルギーメーターの対と、
前記第2の熱交換器の前記高温側の入口位置と出口位置にある前記第3の配管インフラストラクチャと連通している第4のエネルギーメーターの対と、をさらに備える、システム。
【請求項11】
熱エネルギー
の供給から捕捉され、輸送され、送達サイトに送達される熱エネルギーを、請求項
10に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システムを用いて監視する方法であって、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャを通して循環させながら、前記低沸点作動流体の気相および液相への変換率を継続的に判定および定量化することと、
前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャを通して循環させながら、前記低沸点作動流体の気相および液相への変換率を継続的に判定および定量化することと、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャを通して循環させながら、前記低沸点作動流体の気相および液相への変換率を継続的に判定および定量化することと、
一連の選択された時間間隔の各々について、地熱体から捕捉され、前記第1の閉ループモジュールから前記第3の閉ループモジュールに輸送され、選択された各時間間隔中に前記送達サイトに送達される前記熱エネルギーを定量化するレポートを作成することと、
前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールで生成された電力を継続的に判定および定量化することと、
前記第1の閉ループモジュールから前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールに輸送される電力を継続的に判定および定量化することと、
熱エネルギー供給の第3閉ループモジュールから供給サイトに伝達される電力を継続的に決定および定量化することと、
前記選択された時間間隔の各々に対して、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールで生成された電力、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールから前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールに輸送された電力、および前記送達サイトに送達される電力のうちの1つ以上を定量化するレポートを生成することと、を含む、方法。
【請求項12】
独立型長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システムであって、
熱エネルギー源と取り外し可能な係合のために構成された第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールであって、前記第1の閉ループモジュールが、液相と気相とを有する第1の低沸点作動流体を循環させている第1の閉ループ配管インフラストラクチャを備え、前記第1の閉ループモジュールが、前記熱エネルギー源から熱エネルギーを捕捉し、前記捕捉された熱エネルギーを前記第1の低沸点作動流体に伝達し、それによって、前記第1の作動流体をその気相に変換するように構成されており、前記第1の閉ループモジュールは、前記
気相の一部をその液相に変換することで電力を生成するために構成された装置を備え、第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールであって、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールが、前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第1の動作機器の集合体を備える、第1の可搬型スキッドまたは可搬型自給式モジュラーユニット上に構成され、かつそれと係合している、第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールと、
前記第1の閉ループモジュールと取り外し可能な係合のために構成された第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループ
モジュールであって、前記第2の閉ループモジュールが、液相と気相とを有する第2の低沸点作動流体を循環させている第2の閉ループ配管インフラストラクチャを備え、前記第1の閉ループモジュールおよび前記第2の閉ループモジュールが連通しており、前記捕捉された熱エネルギーを前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャから前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャに伝達し、それによって、前記第1の作動流体をその液相に変換し、前記第2の作動流体をその気相に変換する、第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループと、
前記第2の長距離熱エネルギー輸送閉ループモジュールと取り外し可能な係合のために構成された第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールであって、前記第3の閉ループモジュールが、液相と気相とを有する第3の低沸点作動流体を循環させている第3の閉ループ配管インフラストラクチャを備え、それによって、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャからの前記捕捉された熱エネルギーは、前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャに伝達可能となり、それによって、前記第2の作動流体をその液相に変換し、前記第3の作動流体をその気相に変換し、前記第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールは、前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第2の動作機器の集合体を備える第2の可搬型スキッドまたは可搬型自給式モジュラーユニット上に構成され、かつそれと係合し、前記第2の動作機器の集合体は、複数の熱エネルギー送達サイトと取り外し可能な係合のために構成された、第3の熱エネルギー送達閉ループモジュールと、を備え、
前記
複数の熱エネルギー送達サイトが、前記第3の閉ループモジュールからの前記捕捉された熱エネルギーを受容するように構成され、それによって、前記第3の作動流体はその液相に変換され、
前記第1の動作機器の集合体が、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャと、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第1の熱交換器であって、前記第1の熱交換器が、前記熱エネルギー源と連通している閉ループ配管インフラストラクチャとの取り外し可能な係合のためにさらに構成されている、第1の熱交換器と、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している膨張弁と、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第2の熱交換器であって、前記第2の熱交換器が、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャとの取り外し可能な係合のためにさらに構成されている、第2の熱交換器と、
前記第1の閉ループ配管インフラストラクチャと連通しているポンプと、を備え、
前記第2の動作機器の集合体が、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第3の熱交換器であって、前記第3の熱交換器が、前記第2の閉ループ配管インフラストラクチャとの取り外し可能な係合のためにさらに構成されている、第3の熱交換器と、
第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している圧縮機ポンプと、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している第4の熱交換器であって、前記第4の熱交換器が、前記
複数の熱エネルギー送達サイトと連通している閉ループ配管インフラストラクチャとの取り外し可能な係合のためにさらに構成されている、第4の熱交換器と、
前記第3の閉ループ配管インフラストラクチャと連通している膨張弁と、を備える、独立型長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項13】
前記第1の可搬型スキッドおよび前記第2の可搬型スキッドの一方または両方が、対向する端壁、対向する側壁、および屋根で囲まれ、前記壁のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの固定可能なアクセスドアが設けられている、請求項
12に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【請求項14】
前記捕捉された熱エネルギーの一部が、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールにおいてそれと共に電力を生成するために使用され、前記生成された電力の第1の部分が、前記第1の熱エネルギー捕捉閉ループモジュールを備える1つ以上の装置によって消費され、前記生成された電力の残りの部分が、第2の長距離熱エネルギー輸送モジュールに沿って送電ラインで第3の熱エネルギー送達モジュールに輸送され、そこから、前記生成された電力の残りの部分の一部が、1つ以上の電力送達サイトに送達される、請求項
10、12、及び13のいずれか一項に記載の長距離閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された様々な実施形態は、一般に、熱エネルギーを捕捉するためのシステム、機器、および方法、ならびに捕捉された熱エネルギーをユーザに長距離輸送、貯蔵、および分配することに関する。より具体的には、本開示は、輸送ラインにおける低沸点流体の潜熱エネルギーを利用することによる、周囲温度での捕捉された熱エネルギーの長距離輸送、貯蔵、および分配、ならびに熱捕捉場所またはその近くで発電するために捕捉された熱エネルギーの一部の利用に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を発生させ、熱を供給するために、熱エネルギー、特に地熱、太陽熱、廃熱、コージェネレーション、熱電併給(CHP)、燃料ボイラーヒータ、蒸気などの熱源からの低温熱エネルギーの効果的な捕捉と利用は、エネルギー効率、再生可能エネルギー源の開発、およびCO2排出量の削減のための巨大な可能性を提供する。
【0003】
これらのタイプの熱エネルギーを、独立型プロジェクトとして、または地域暖房システム、地域エネルギー共有システム、またはコミュニティ分散エネルギーシステムとしても知られる地域エネルギー分配システムを通じて捕捉および利用するために多大な努力がなされてきた。
【0004】
歴史的に、地域暖房システムは主に燃料燃焼の集中暖房設備であり、多くの場合コージェネレーションをともなっており、熱エネルギーを高温の蒸気または温水として生成および分配する。北米における大半の地域エネルギー共有施設は、病院の複合施設、大学のキャンパス、都市の中心部などの組織のインフラストラクチャの一部である。ヨーロッパでは、多くの地域暖房システムが都市の中心部にあり、同様に、蒸気または温水を分配する燃焼燃料暖房設備によって特徴付けられている。このようなシステムの制限の1つは、蒸気または温水を運ぶフローラインからの熱損失により、実施可能な面積の範囲が限定されることである。さらに、このような地域暖房システムや地域エネルギー共有システムは、需要に応じて一方向に熱エネルギーを供給するだけなので、それ自体はシステムではない。
【0005】
多くの地域熱供給システムは、低エンタルピー(低温)地熱源などの低温熱エネルギー源を利用するように委託されている。しかしながら、温水などの流体の利用は、温水に含まれる顕熱を介して捕捉された熱エネルギーを輸送および送達するために利用可能な温度範囲を制限し、それにより、そのようなシステムの実施可能な面積範囲を制限する。
【0006】
有機ランキンサイクル(ORC)や、カリナサイクル、スターリングエンジンサイクル、吸収などの他の技術が実施されて、低温の熱エネルギー源から電力を生成し、それによって、アンモニア、市販の冷媒、CO2、揮発性炭化水素などの、一般に低沸点流体と称される低温気化点流体が利用されている。発電用の機械的エネルギーに変換されない熱エネルギーは、出口温度が低すぎて熱を利用できないため、通常は放出される。同様に、周囲温度に制限されたヒートシンク温度は、発電用の低温熱源の実現可能性を制限する。
【0007】
多くのコミュニティ、産業施設、および資源抽出施設は、人口の少ない遠隔地やインフラストラクチャが不十分な地域に位置する可能性があるため、費用効果の高い電力およびエネルギーの供給および配電インフラストラクチャから隔離されている。多くの場合、これらのコミュニティや施設は、ディーゼルなどの輸送コストの高いバルク液体燃料、発電機、および燃料燃焼暖房に依存する必要がある。北極圏および北極圏に近い地域では、このような材料の輸送は、夏の間はしけ輸送で、冬の間は陸路でのトラック輸送で、場合によっては空路で、季節的に行われることがよくある。また、そのような地域では、オンサイトでの建設、設置、および試運転のコストが非常に高くなる。
【0008】
ハリケーンや地震などの大惨事の影響は、緊急時または一時的に迅速に設定可能な独立型自給式発電および暖房能力を必要とする。
【発明の概要】
【0009】
本開示の実施形態は、一般に、以下のための独立型システム、装置、および方法に関する。
(i)地熱、太陽熱、廃熱、コージェネレーション、熱電併給(CHP)、燃料ボイラーヒータ、蒸気などの熱源からの熱エネルギーを捕捉する。
(ii)捕捉された熱エネルギーの一部を、有機ランキンサイクル(ORC)またはカリナサイクル、スターリングエンジンサイクル、吸収などの他の技術を利用して電力を生成するために使用する。
(iii)残りの捕捉された熱エネルギーを、その気相への気化によって低沸点流体の潜熱に伝達および変換する。
(iv)低沸点液体の蒸気に含まれる捕捉された熱エネルギーを、高温液体中の高温顕熱ではなく周囲温度の潜熱として、または高沸点流体中の潜熱として、長距離輸送する。
(v)低沸点流体の蒸気をその液相に凝縮することにより、輸送された潜熱エネルギーを送達サイトで顕熱エネルギーに変換する。
【0010】
本開示の一実施形態によれば、本明細書に開示された独立型システム、装置、および方法による周囲温度での熱エネルギーの長距離輸送は、直列に接続された2つ以上の閉ループ循環システムの配備を通じて可能にされ、閉ループの各々は、例えば、エタン、アンモニア、市販の冷媒、CO2、揮発性炭化水素などのような低温気化点流体(すなわち、低沸点流体)を利用する。本明細書に開示された実施形態の態様は、発電サイクル(すなわち、ループ)においてより低いヒートシンク温度を採用する発電システムを含み、それにより、より低温の熱源からより多くの電力を生成する機会を開く。
【0011】
本開示の別の実施形態は、長距離フローラインを、それらを敷設することを介して、電力ケーブルおよび通信ケーブルと共に束ねることに関し、その方法として、チューブまたはラップ内に「臍帯」として束ねる、あるいは、束ねられたフローラインおよびケーブルを1つの溝内に設置する、あるいは分離されたフローラインおよびケーブルを2つ以上の接近して離間された溝内に設置する、または束ねられたフローラインを1つの経路内にすき込む、あるいは分離されたフローラインおよびケーブルを2つ以上の接近して離間された経路内にすき込む、または束ねられたフローラインを1つの穴を通して引き込む、あるいは分離されたフローラインおよびケーブルを2つ以上の接近して離間された穴を通して引き込む、またはフローラインおよびケーブルを、地表上もしくは地上の電力ケーブルおよびパイプサポート上で互いに近接させて設置するなどがあるが、それらに限定されない。
【0012】
本開示の別の実施形態は、ネットワーク共有および制御システムが含まれる、統合された熱エネルギー捕捉、貯蔵、分配、および送達システムへの機器構成に関する。統合された熱エネルギーの捕捉、貯蔵、分配、および送達システムは、システムの動作に必要な電力の少なくとも一部もしくはすべて、または余剰を生成する手段および容量を有する。追加的に、現在の統合された熱エネルギーの捕捉、貯蔵、分配、および送達システムは、孤立した地域、およびより大規模な確立されたエネルギーインフラストラクチャシステム内においても、スマートエネルギー分配および共有システムの設置および独立型操作を可能にする。
【0013】
本開示の別の実施形態は、請求、支払い、および他の金銭的目的のための熱エネルギー搬送量を計算するために使用可能な質量流量およびエネルギー流量の記録およびアセンブリのためのメーターおよびデータ収集システムの組み込みに関する。
【0014】
本開示の別の実施形態は、本明細書に開示された機器、装置、およびシステムを、可搬型スキッドまたはトレーラー上およびその中に構成するためのモジュラーアプローチに関し、それによって、機器、装置、およびシステムは、選択された工業立地において製造および構成することができ、ついで、現場の建設コストを最小限に抑えながら、発電および暖房の迅速な設置および試運転のために遠隔設置サイトに輸送することができる。追加的に、可搬型モジュール化された機器、装置、およびシステムは、ハリケーン、竜巻などの厳しい天候事象の結果として電力およびエネルギーインフラストラクチャの損失が持続している場所に対する迅速な臨時対応および展開に役立つ。
【0015】
本開示の別の実施形態は、限られた居住空間および/または限られた商業空間に適合させ得る製造された自給式モジュラーユニットへの機器、装置、およびシステムの構成に関し、その構成は、接続容易性のために設計された、規格化されたカプラとレセプタクルとを備える。一態様によれば、製造された自給式モジュラーユニットは、熱エネルギーおよび電力供給容量のスケールアップを容易にするために、1つの場所で複数のユニットとして相互接続可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示のこれらおよび他の特徴は、添付の図面を参照する以下の詳細な説明においてより明らかになるであろう。
【
図1】独立型長距離3ループ閉ループ熱エネルギー捕捉、捕捉された熱エネルギーの一部からの電力の生成、輸送、および送達システム100の本明細書に開示された実施形態を示す概略フローチャートである。
【
図2】システムの特定の構成要素への追加の参照をともなう
図1に示す概略フローチャートである。
【
図3】
図1および2に示すシステムの長距離輸送構成要素のうち、長距離フローライン、電力ケーブル、および通信ケーブルが「臍帯」構成に束ねられている、
図1からの断面図である。
【
図4】
図1および
図2に示すシステム100の熱エネルギー捕捉および発電ループ111の図を示す概略フローチャートであり、熱エネルギー源104は、地熱、太陽熱および廃熱源のうちの1つ以上の熱から捕捉された熱エネルギーを含み、捕捉された熱エネルギーの一部は電力を生成するために使用され、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110は、外部電源106を受容する。
【
図5】
図1および
図2に示すシステム100の熱エネルギー捕捉および発電ループ111の図を示す概略フローチャートであり、燃料ボイラーヒータから捕捉された熱エネルギーの追加入力を示す。
【
図6】システム100の別の実施形態の図を示す概略フローチャートであり、本開示の別の実施形態によれば、熱エネルギー捕捉および発電ループ111は、熱エネルギー源104から直接熱エネルギーを捕捉し、捕捉された熱エネルギーの一部は発電に使用される。
【
図7】
図6に示すシステム100の熱エネルギー捕捉および発電ループ111の別の図を示す概略図であり、熱エネルギー源104は、地熱104a、太陽熱104b、および廃熱104c源のうちの1つ以上から捕捉された熱エネルギーを含み、捕捉された熱エネルギーの一部は、電力を生成するために使用される。
【
図8】
図1および
図2に示すシステム100の熱エネルギー捕捉および発電モジュール110の図を示す概略フローチャートであり、外部電源106が提供されている。
【
図9】
図1および
図2に示すシステム100の熱エネルギー捕捉および発電モジュール110の図を示す概略フローチャートであり、外部電源106に対する、PVソーラー電池106aおよび/または風力タービン106bによって捕捉された電力の追加入力を示す。
【
図10】
図1および
図2に示すシステム100の熱エネルギー捕捉および発電モジュール110の図を示す概略フローチャートであり、電力網、スマートエネルギー網、および外部電源106のへの局所分散型電力網のうちの1つ以上からの電力の追加入力を示す。
【
図11】独立型長距離3ループ閉ループ熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム200の別の実施形態の熱エネルギー捕捉および発電モジュール210の図を示す概略フローチャートであり、1つ以上の熱エネルギー源204から捕捉された熱エネルギーのいずれも、熱エネルギー捕捉モジュール210における発電に使用されず、外部電源206が提供される。
【
図12】
図1および
図2に示す熱エネルギー捕捉、輸送、および送達システム100に対する任意選択の変形300の図を示す概略フローチャートであり、長距離輸送モジュールの長距離輸送ループ326は、熱エネルギー送達ループ336でもある。
【
図13】自給式独立型長距離3ループ閉ループ熱エネルギー捕捉、貯蔵、分配、送達、貯蔵、および共有システム400の本開示の実施形態を示す概略フローチャートであり、本システムは、単一の熱エネルギー源からの熱エネルギーを捕捉し、捕捉された熱エネルギーの一部から電力を生成し、ついで捕捉された熱エネルギーおよびそこからの電力を輸送インフラストラクチャに沿って複数の送達モジュールに輸送および送達するためのものである。
【
図14】自給式独立型長距離3ループ閉ループ熱エネルギー捕捉、貯蔵、分配、送達、貯蔵、および共有システム500の本開示の別の実施形態を示す概略フローチャートであり、熱エネルギーは、複数の熱エネルギー源から捕捉され、主幹線に沿って輸送され、捕捉された熱エネルギーの一部から電力を生成し、捕捉された熱エネルギーおよび電力を主幹線から複数の供給モジュールに送達する。
【
図15】
図11および12で使用されている記号のキーである。
【
図16】実施例1および2で論じるように、
図1および2に示す3つの閉ループの各々に対してモデル化された作動流体の熱力学的特性の位置を示す概略フローチャートである。
【
図17】実施例3および4で論じるように、
図12に示す第2の閉ループモジュール335のためにモデル化された循環作動流体の熱力学的特性の位置を示す概略フローチャートである。
【
図18】実施例1で概説する熱力学モデルのために使用される動作パラメータをまとめた表である。
【
図19】本明細書に開示される熱エネルギー輸送ループにおける使用に適した低沸点流体のいくつかの例の飽和(蒸気)圧力曲線を示すチャートである。
【
図20】本明細書に開示される熱エネルギー輸送ループにおける使用に適したいくつかの低沸点流体のエンタルピー曲線を示すチャートである。
【
図21】本明細書に開示される熱エネルギー輸送ループにおける使用に適したいくつかの低沸点流体のエントロピー曲線を示すチャートである。
【
図22A-22B】実施例1で概説する熱力学モデルの熱エネルギー捕捉および発電ループで使用される作動流体のエンタルピー曲線(
図22A)およびエントロピー曲線(
図22B)を示すチャートである。
【
図23A-23B】実施例1で概説する熱力学モデルの長距離輸送ループで使用される作動流体のエンタルピー曲線(
図23A)およびエントロピー曲線(
図23B)を示すチャートである。
【
図24A-24B】実施例1で概説する熱力学モデルの送達ループで使用される作動流体のエンタルピー曲線(
図24A)およびエントロピー曲線(
図24B)を示すチャートである。
【
図25】実施例1において概説した熱力学モデルによって生成されたエネルギーバランス計算の結果をまとめた表である。
【
図26A-26B】実施例1で概説する熱力学モデルによってモデル化された計算において、熱源温度(
図26A)と発電に利用可能な熱エネルギーの割合(
図26B)との関係を示すチャートである。
【
図27】実施例2で概説するような、熱エネルギーおよび電力を1つの熱エネルギー捕捉および発電モジュールから複数のユーザへ送達する長距離3ループ閉ループ熱エネルギー捕捉、貯蔵、分配、送達、貯蔵、共有システムのモデル化の結果をまとめた表である。
【
図28】本明細書に開示される2ループ閉ループシステムの例のモデルである、実施例3で概説する熱力学モデルに使用される動作パラメータをまとめた表である。
【
図29】実施例3で概説する熱力学モデルによって生成されたエネルギーバランス計算の結果をまとめた表である。
【
図30A-30B】実施例3で概説する熱力学モデルによってモデル化された計算において、熱源温度(
図30A)と発電に利用可能な熱エネルギーの割合(
図30B)との関係を示すチャートである。
【
図31】実施例4で概説するような、熱エネルギーおよび電力を1つの熱エネルギー捕捉および発電モジュールから複数のユーザへ供給する長距離2ループ閉ループ熱エネルギー捕捉、貯蔵、分配、送達、貯蔵、共有システムのモデル化の結果をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施形態は、一般に、熱エネルギーを捕捉するための、ならびに捕捉された熱エネルギーを周囲温度で長距離輸送、貯蔵、および分配するための統合システム、装置、および方法に関する。捕捉された熱エネルギーの長距離輸送および分配は、閉ループ輸送ライン内の低沸点(LBP)流体の潜熱エネルギーを利用することによって容易になる。いくつかの実施形態は、熱捕捉場所またはその近くで電力を生成するための熱エネルギーの一部の利用に関する。
【0018】
本開示の一実施形態は、顕熱としてではなく、その気相中の流体を介した潜熱エネルギーとしての熱エネルギーの周囲温度での長距離輸送(運送)に関する。
【0019】
本開示の別の実施形態は、周囲温度が-40℃~+50℃の範囲にある場所で、2ループ閉ループシステムまたは代替として3ループ閉ループシステムを用いた、熱エネルギー源から熱エネルギー送達サイトへの、潜熱エネルギーのその気相中の流体を介した長距離輸送に関する。
【0020】
本開示の別の実施形態は、氷点下の温度(0℃未満)で熱エネルギーを長距離輸送する能力に関するものであり、それによって、永久凍土を解凍することなく永久凍土をともなう地域の地下を通して熱エネルギーを輸送することを可能にする。
【0021】
第1の態様によれば、本明細書に開示される2ループ閉ループシステムは、概して2つのループからなり、第1のループは、熱エネルギー源から熱エネルギーを捕捉および搬送するため、ならびに電力を生成するために構成された機器およびシステムを備える。第2のループは、第1のループから捕捉された熱エネルギーを受容し、捕捉された熱エネルギーを長距離にわたって輸送し、捕捉された熱エネルギーを消費者に送達するように構成された機器、システム、および制御を備える。第1の態様に関して、第1のループは、本明細書では「熱エネルギー捕捉および発電ループ」と称し、第2のループは、本明細書では「長距離捕捉熱エネルギー輸送および送達ループ」と称する。第2の態様によれば、本明細書に開示される3ループ閉ループシステムは、概して3つのループからなり、第1のループは、熱エネルギー源から熱エネルギーを捕捉および搬送するため、ならびに電力を生成するために構成された機器、システム、および制御を備える。第2のループは、第1のループから捕捉された熱エネルギーを受容し、捕捉された熱エネルギーを長距離にわたって輸送し、ついで捕捉された熱エネルギーを、捕捉された熱エネルギーを消費者に送達するように構成された機器、システム、および制御を含む第3のループに搬送するように構成された機器、システム、および制御を備える。第2の態様に関して、第1のループは、本明細書では「熱エネルギー捕捉および発電ループ」と称し、第2のループは、本明細書では「長距離熱エネルギー輸送ループ」と称し、第3のモジュールは、「熱エネルギー送達モジュール」と称する。
【0022】
別の側面によると、第2のループは、氷点下の温度(0℃未満)で熱エネルギーを長距離輸送することができ、それによって、永久凍土を解凍することなく、永久凍土をともなう地域の地下を通して熱を輸送することを可能にする。別の態様によれば、第2のループは、永久凍土表面を解凍することなく、永久凍土表面上で長距離にわたって熱エネルギーを輸送することができる。
【0023】
本開示の別の実施形態は、第1のモジュールの動作に必要な機器に電力供給するために使用する電力を生成するための捕捉された熱エネルギーの一部の使用に関し、第1のモジュールは、熱エネルギーを捕捉し、捕捉された熱エネルギーおよび生成された電力を第2のモジュール、すなわち長距離輸送モジュールに搬送する。一態様によれば、第1のモジュールで生成された過剰電力は、電力消費者に供給するために、および任意選択で、捕捉された熱エネルギーを消費者に供給するために必要な機器に電力供給するために使用する電力を提供するために、第2のモジュールにおいて輸送され得る。別の態様によれば、予備電力は、第1のモジュールの動作に必要な機器に電力供給するために、および任意選択で、電力消費者への遠距離輸送および送達のために、第1のモジュールに提供され得る。本実施形態に関して、第1のモジュールは、「熱エネルギー捕捉および発電モジュール」と称し得、第2のモジュールは、「長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出モジュール」と称し得、第3のモジュールは、「捕捉熱エネルギーおよび電力送達モジュール」と称し得る。
【0024】
本開示の別の実施形態は、システムの構成、および2ループまたは3ループ閉ループ統合熱エネルギー捕捉、貯蔵、分配、送達、貯蔵、共有システムへの関連する動作方法に関し、本システムは、捕捉された熱エネルギーの温度に応じて、その電力要件の一部、すべて、または余剰を生成し得、自給式スマートエネルギー分配および共有システムの設置を、そのようなシステムが有用である状況で、および/または、加えて隔離された場所で、独立することを可能にする。
【0025】
本開示の別の実施形態は、熱エネルギーを捕捉し、捕捉された熱エネルギーを長距離輸送、貯蔵、および分配するための、2ループ閉ループおよび3ループ閉ループシステム、装置、および方法に統合された機器および制御を備える、独立型自給式システムに関する。一態様によれば、独立型機器および制御システムは、オンサイトのオペレータによって監視および操作され得る。別の態様によれば、独立型機器および制御システムは、遠隔地にいるオペレータによって、および任意選択で、半立ち合いベースで監視および操作され得る。別の態様によれば、独立型機器および制御システムは、オンサイトのオペレータによって監視および制御され、同時に遠隔地のオペレータによって監視され得る。
【0026】
本開示の別の実施形態は、本明細書に開示されているように、統合システム、装置と相互接続され、それらと通信する制御および通信システム、ならびに、熱エネルギーの捕捉、および捕捉された熱エネルギーの長距離輸送、貯蔵、および分配のための関連する方法を提供することに関し、制御および通信システムは、以下を監視および記録するようにプログラムされている。(i)閉ループ配管インフラストラクチャの各々の中およびその全体を通るLBP作動流体の流れと関連付けられた、選択されたパラメータ、(ii)閉ループ配管インフラストラクチャの各々と連通する各装置の動作性能、(iii)事前定義された最適化パラメータに応じて、装置の1つ以上を制御して、閉ループ配管インフラストラクチャの各々の中およびその全体を通るLBP作動流体の流れを最適化し、それによって捕捉された熱エネルギーの送達を最適化すること。一態様によれば、制御および通信システムは、継続的なオンサイト監視および制御のために構成され得る。別の態様によれば、制御および通信システムは、連続的な遠隔監視および制御のために構成され得る。別の態様によれば、制御および通信システムは、統合された連続的な遠隔監視および制御ならびに遠隔監視および制御のために構成され得る。別の態様によれば、制御および通信システムは、「スマートエネルギーシステム」と統合することができ、それによって、プロセス操作、ならびに熱エネルギー、電力、およびそれらから生成される電力の捕捉、長距離輸送、貯蔵、および分配が自動的に最適化される。
【0027】
本開示の別の実施形態は、本明細書に開示されるシステムを備える各ループ内およびループ間の捕捉された熱エネルギーおよび電力の流れを監視、定量化、および記録するための、本明細書に開示されるモジュールの各々に統合されたメーターおよびメーター監視システムのシステムに関するものであり、それによって生成され、および任意選択でそれに提供される熱エネルギーおよび電力の捕捉および輸送は、収益化することができる。
【0028】
本開示の別の実施形態は、長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュールを備えるシステムに関し、長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュールは、以下と相互接続されている。(i)捕捉された熱エネルギーおよび生成された電力を、長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュールに伝達する複数の熱エネルギー捕捉モジュールおよび/または発電モジュール、(ii)複数の捕捉熱エネルギーおよび電力送達モジュールであって、捕捉熱エネルギーおよび電力送達モジュールの各々は、長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュールに沿って輸送された、捕捉された熱エネルギーおよび電力の一部を受容する。一態様によれば、(i)複数の熱エネルギー捕捉モジュールおよび/または熱エネルギー捕捉および発電モジュール(すなわち、第1のモジュール)ならびに(ii)複数の捕捉された熱エネルギーおよび電力送達モジュール(すなわち、第3のモジュール)と相互接続された、長距離捕捉熱エネルギーおよび送電幹線輸送モジュールを備えるシステムは、それに相互接続された1つ以上のヒートシンクをさらに備え得る。好適なヒートシンクの例には、地下の地層や地下の水域が含まれる。各ヒートシンクは、LBP作動流体を循環させているフローラインによって、長距離捕捉熱エネルギーおよび送電幹線輸送モジュールと相互接続することができる。
【0029】
本開示の別の実施形態は、住宅空間および/または商業空間に適合され得る規格化され、製造された自給式モジュラーユニットへの第1のモジュール(すなわち、熱エネルギー捕捉および発電モジュール)および第3のモジュール(すなわち、熱エネルギー送達モジュール)ための機器および構成要素の構成に関し、それによって、特定の用と用途に応じて、モジュラーユニットは、一辺当たり約1m~4mの範囲から高さー幅ー深さのサイズを含み得る(例えば、1~4のキッチン冷蔵庫または冷凍庫と同様のおおよそのサイズ一態様によれば、規格化された、製造された自給式モジュラーユニットは、モジュラーユニットをフローラインおよびケーブルとの取り外し可能な係合を容易にするために設計された、規格化された簡易脱着カプラとレセプタクルとを備え得る。
【0030】
本開示の別の実施形態は、第1のモジュール(すなわち、熱エネルギー捕捉および発電モジュール)および第3のモジュール(すなわち、熱エネルギー送達モジュール)の機器構成要素を、可搬型スキッドに構成および設置することに関する。モジュラースキッドは、好適な製造施設で構成および製造された後、設置、試運転、および使用のために遠隔サイトに移送される。例えば、モジュラースキッドは、大型の路上トラックトラクターおよび/または鉄道および/またはしけおよび/または船舶による運搬および/または運送のために、平台トレーラーの荷台に適合するようなサイズにすることができる。好適なスキッド寸法の例には、次のものが含まれる:(i)幅8.5フィート(2.6m)、長さ40フィート(12.2m)~63フィート(19.2m)の平台トレーラーの荷台用の北米規格、および(ii)幅2.55m(8.4’)、長さ12m(39.4’)~18.5m(60.7’)の平台トレーラーの荷台用のヨーロッパ規格。任意選択で、スキッド装着モジュールは、環境条件から保護し、破壊行為を防ぐために、側壁と屋根で囲われる。特に適しているのは、インターモーダル貨物輸送用に設計および製造されたインターモーダル輸送コンテナである。当技術分野の当業者は、インターモーダルコンテナが、船舶、鉄道、トラック、および空路などの複数の輸送オプションをともなう商品の輸送に使用可能であるように設計されていることを理解するであろう。インターモーダルコンテナ処理機器は、通常、同じタイプのインターモーダルコンテナを、船舶に積み降ろしするため、鉄道車両に積み降ろしするため、輸送トラックトレーラーに積み降ろしするため、および貨物機に積み降ろしするために、貨物の受入れおよび分配施設で利用可能である。インターモーダルコンテナの寸法は、通常、(i)長さ20フィートまたは40フィート(6.1mまたは12.2m)、(ii)高さ8.5フィートまたは9.5フィート(2.6mまたは2.9m)、および(iii)幅8フィート(1.9mまたは2.44m)の6.25フィートで、北米のトレーラーの荷台およびヨーロッパのトレーラーの荷台に収まるように構成されている。当技術分野の当業者は、そのようなインターモーダルコンテナが、とりわけ、海缶、C缶、Conexボックス、貨物コンテナを含む多数の一般名を有することを承知しているであろう。
【0031】
本明細書に開示されるスキッド装着モジュールは、遠隔の過酷な環境条件(例えば、ツンドラ永久凍土、砂漠)、または孤立した採掘キャンプ、難民キャンプ、または遠隔の軍事施設および中間準備地域で使用するために構成することができる。本明細書に開示されるスキッド装着モジュールはまた、迅速な展開および試運転のために、二輪駆動および/または四輪駆動車両によって牽引可能なより小さなスキッド/トレーラーユニット内/上に構成され得、ハリケーンや竜巻などの悪天候により、電力およびエネルギーのインフラストラクチャが壊滅的な被害を受けた人口地域に非常用電力および熱供給を提供することができる。
【0032】
いくつかの態様によれば、本明細書に開示される統合されたシステム、装置、および方法は、地熱源から、太陽熱源から、内部燃焼エンジンからの排気ガスを介して放出される廃熱から、燃焼プロセスからの煙道ガスから、燃料ボイラーヒータプラントから、蒸気プラントから、処理施設からの高温または温暖廃熱ストリームから、熱電コージェネレーションから、熱電併給(CHP)プラントからなどの熱エネルギーの捕捉に関連する。
【0033】
いくつかの態様によれば、本明細書に開示される統合されたシステム、装置、および方法によって捕捉された熱エネルギーは、システムを備える閉ループ輸送ラインを循環するLBP流体をそれらの流体相からそれらの気相に変換するために使用される。
【0034】
いくつかの態様によれば、本明細書に開示される統合されたシステム、装置、および方法は、LBP作動流体、および水、熱油、グリコール溶液、ガスなどの流体を循環させることにより、相変化を引き起こすか、もしくは引き起こすことなく、熱エネルギーを捕捉するように構成され得る。
【0035】
いくつかの態様によれば、本明細書に開示される統合されたシステム、装置、および方法は、LBP作動流体、および水、熱油、グリコール溶液、燃焼ガスを含むガスなどの流体を循環させることにより、相変化をともなうか、もしくはともなわずに、熱エネルギーを送達するように構成され得る。
【0036】
特に定義されない限り、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を表す。本明細書に記載の開示を理解しやすくするために、例示的な用語を以下に定義する。
【0037】
「a」または「an」という用語は、そのエンティティの1つ以上を指し、例えば、「a gene(遺伝子)」は、1つ以上の遺伝子または少なくとも1つの遺伝子を指す。すなわち、「a」(または「an」)、「1つ以上」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では同義的に使用される。加えて、不定冠詞「a」または「an」による要素または機能への参照は、文脈において要素のうちの1つがあること、および1つしかないことが明確に要求されない限り、2つ以上の要素または機能が存在する可能性を排除するものではない。
【0038】
本明細書で使用される「about(約)」という用語は、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%または±0.1%の変動を包含することを意味する。値が整数の場合、about(約)という用語は、10進値、およびさきに説明した変動の程度を含むことを意味する。
【0039】
本明細書で使用される「ambient temperature(周囲温度)」という用語は、大気温度として測定された周囲環境の温度を意味する。周囲環境は、対地高度である可能性があり、その場合、周囲温度は、地表から約30m上方に及ぶ帯域内の空気の平均温度であり、場所または地域の緯度およびその年間季節サイクルによって異なり、ー50℃~50℃以上の範囲であり得る。あるいは、周囲環境は、地表面レベルより低くてもよく、その場合、周囲温度は、周囲の心土層の温度になり、また、-40℃~約40℃の範囲であり得る。
【0040】
「and/or(および/または)」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上(例えば、一方または他方、または両方)のあらゆる可能な組み合わせ、および代替(または)で中断された場合の組み合わせの欠如を指し、それらを包含する。
【0041】
本明細書で使用される場合、「enthalpy(エンタルピー)」という用語は、物質の総エネルギー含有量に等しい熱力学的量を指し、かつシステムの内部エネルギーに圧力と体積の積を加えたものに等しい。
【0042】
本明細書で使用される場合、「latent heat energy(潜熱エネルギー)」という用語は、本明細書に開示される閉ループ熱エネルギー輸送システム内を循環する流体を凝縮または気化することによって放出または吸収される熱エネルギーを指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、本明細書で使用されるlatent heat(潜熱)という用語は、物質の温度を変化させずに発生する物質の物理的状態(すなわち、相)の変化中に物質によって吸収または放出されるエネルギーを指す。液体または固体の気化または蒸気の凝縮に関連する潜熱は、気化熱と呼ばれる。潜熱は通常、状態変化を受ける物質のモルまたは単位質量あたりの熱量(ジュールまたはカロリー単位)として表される。
【0044】
本明細書で使用される場合、「lowーboilingーpoint fluid(低沸点流体)」(低温気化点流体)という用語は、沸騰する(すなわち、気化する)流体、すなわち、1バール(1気圧の圧力)で約-30℃以下の温度で液体から蒸気への相変化を受ける流体を指す。本明細書に開示される閉ループ循環システムでの使用および輸送に適した低沸点流体の例には、アンモニア(BP約-36℃)、CO2(BP約-78℃)、エタン(BP約-88℃)、クロロジフルオロメタン冷媒R-22(BP約-41℃)、ジクロロジフルオロメタン冷媒R-12(BP約-30℃)、ジフルオロメタンR-32(BP約-52℃)、その他の市販冷媒、プロパン(BP約-42℃)、プロペン(BP約-47℃)、プロピレン(BP約-47℃)、その他の揮発性炭化水素などが含まれるが、これらに限定されない。「low-boiling-point(低沸点)」という用語は、本明細書では頭字語「LBP」によって表す場合がある。
【0045】
本明細書で使用される場合、「fluid(流体)」という用語は、流れてその容器の輪郭に沿う液体または蒸気または気体の形態の物質を指し、相変化の有無にかかわらず、エタン、アンモニア、市販の冷媒、CO2、揮発性炭化水素などのLBP(低沸点、低気化点)物質、水、熱油、グリコール溶液、燃焼ガスを含むガス、煙道ガスなどの物質を含む。
【0046】
本明細書で使用される場合、「sensible heat(顕熱)」という用語は、相変化のない循環液体の熱エネルギー含有量を指し、流体の温度の変化の関数である。
【0047】
本明細書で使用される場合、「lowーtemperature waste heat(低温廃熱)」という用語は、140℃未満の低エンタルピー廃熱を意味し、廃熱エネルギーおよび一般に地熱源から、熱太陽源から、高温または温暖処理プラントストリームから、燃焼ガスから、燃料ボイラーヒータプラントから、蒸気プラントから、熱電コージェネレーションから、熱電併給(CHP)プラントからなどのエネルギーから捕捉され得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「geothermal body(地熱体)」という用語は、(i)温暖な地下または高温の地下、乾燥した結晶質の基盤岩、ならびに破砕された結晶質の基盤岩に含まれる深部の温暖な帯水層および深部の高温の帯水層などの地熱地層(本明細書では「地熱地層」とも呼ばれる)内に含まれる地熱エネルギー、(ii)地表近くの心土層および淡水帯水層、および(iii)地熱エネルギーによって加熱される場合とされない場合がある水域を指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、「PV solar(PVソーラー)」という用語は、光エネルギー(すなわち、光子)を電圧に変換する光起電性太陽電池から提供される電気を指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、「electrical grid(電力網)」という用語は、生産者から消費者に電力を送達するための相互接続されたネットワークを指す。電力網は、電力を生成する発電設備、電源から配電センターに電力を運ぶ送電線、および個々の顧客を配電センターに接続する配電線で構成される。
【0051】
本明細書で使用する場合、「smart energy grid(スマートエネルギー網)」という用語は、相互接続されたデバイスシステム内の電気および熱エネルギーの生成、供給、分配、使用、および貯蔵を、電気および熱エネルギーの双方向制御および分配を通して、リアルタイムに制御する統合ネットワークを指す。スマートエネルギー網は、インタラクティブ制御、制御システム、自動化されたデバイス、および機器を備える。
【0052】
本明細書で使用される場合、「local distributed electrical grid(局所分散電力網)」という用語は、地域またはコミュニティに局所的であり、広く分散された統合電気管理ネットワークの一部ではない「スマートエネルギー網」を指す。
【0053】
本開示の一実施形態は、熱エネルギーを捕捉するため、および捕捉された熱エネルギーをユーザに長距離輸送、貯蔵、および分配するための独立型システムおよび関連する装置および機器に関する。捕捉された熱エネルギーは、(i)1つ以上の熱エネルギー源および(ii)捕捉された熱エネルギーが搬送される1つ以上の送達サイトと連通している閉ループ輸送ライン内のLBP流体の潜熱エネルギーを利用することによって捕捉、輸送、および送達される。
【0054】
一態様によれば、相変化の有無にかかわらず、LBP流体を循環させている1つ以上のフローラインを、地熱源または熱太陽熱源から、または高温または温暖処理プラントストリームから、または燃焼ガス廃熱から、または燃焼加熱プラントから、またはコージェネレーション施設から、または熱電併給(CHP)施設から、燃料ボイラーヒータ施設から、または他のそのようなソースから、熱エネルギーを捕捉するために使用することができる。特に、本明細書に開示される実施形態は、そのような源からの低温廃熱(すなわち、140℃未満の温度を有する)を捕捉するために特に有用である。
【0055】
別の態様によれば、本明細書に開示されるシステム、装置、および方法によって捕捉された廃熱エネルギーの一部は、例えば、有機ランキンサイクル(ORC)、カリナサイクル、スターリングエンジンサイクル、または吸収に基づく技術および機器の1つ以上をともなって発電するために使用され得る。そのようなシステムおよび装置が、熱エネルギーの一部を、熱エネルギーが捕捉される源(複数可)の近くで発電するために使用することは、本開示の範囲内である。そのようなシステムおよび装置が、捕捉された熱エネルギーの一部を、送達サイトおよび捕捉された熱エネルギーのユーザの近くで発電するために使用することも、本開示の範囲内である。
【0056】
別の態様によれば、発電に使用されない残りの捕捉された熱エネルギーは、閉ループ配管インフラストラクチャ内でLBP液体をその気相に気化させ、かつLBP液体の気相内の捕捉された熱エネルギーを、周囲外部温度で長距離にわたって、1つ以上の閉ループ配管インフラストラクチャの潜熱として、周囲温度で、送達サイトまで輸送することによって、流体の潜熱に変換され得る。捕捉された熱エネルギーは、気相を液相に凝縮することによってLBP液体から放出され、それによって、輸送された潜熱エネルギーが顕熱に変換される。ついで、顕熱は、放射ヒータ、空気循環ヒータなどの加熱装置に分配されるか、あるいは、温水の循環などの中間システムを介して分配される。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態は、長距離閉ループフローラインを、電力ケーブルおよび通信ケーブルと共に束ねることに関し、そのやり方として、チューブまたはラップをともなう「臍帯」を形成する、あるいは、フローラインおよびケーブルを1つの溝内または隣接する溝内に設置する、または、フローラインおよびケーブルを1つの経路上または隣接する経路内にすき込む、あるいは、フローラインおよびケーブルを1つの穴または隣接する穴に引き込む、またはフローラインおよびケーブルを地表上もしくは地上の電力ケーブルおよびパイプサポート上で互いに近接させて設置する。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態は、質量流量データおよびエネルギー流量データを記録するための、ならびに熱エネルギー捕捉、捕捉された熱エネルギーの輸送、および捕捉された熱エネルギーの消費者への送達の収益化に使用される熱エネルギーの捕捉、搬送、および送達量の計算のためのデータの処理およびアセンブリのための、メーターのシステムならびにデータ監視および制御システムの組み込みに関する。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態は、本明細書に開示されるシステムおよび方法に必要な様々な装置および機器を、可搬型スキッドまたはトレーラーに適合するモジュールに構成することに関し、それによって、設置および試運転に必要な最小限のオンサイトの作業で、構成要素の経済的製造を可能にする。本明細書に開示されるシステムのそのようなモジュール式の実施形態は、遠隔地、またはインフラストラクチャサービスが不十分な地域、または携帯性/可搬性が緊急または一時的に発電および暖房能力の迅速な設定を容易にする場合に特に有用であり得る。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態は、本明細書に開示される機器、装置、およびシステムを、限られた居住空間および/または限られた商業空間に適合させ得る製造された自給式モジュラーユニットに構成することに関し、モジュラーユニットは、フローラインおよびケーブルとの迅速な取り外し可能な係合のための規格化された簡易脱着カプラとレセプタクルとを備える。
【0061】
熱エネルギーを捕捉するため、および捕捉された熱エネルギーを周囲温度で長距離輸送、貯蔵、および分配するための独立型統合システム、装置、および方法に関する本開示の実施形態を、
図1~
図3に示す。図示の独立型統合システムは、3つのループ111、126、136によって相互接続された3つのモジュール110、125、135を備える3ループ閉ループシステム100であり、各ループ111、126、136は、LBP流体を循環させている。第1のモジュール110は、熱エネルギー捕捉および発電モジュールである。第2のモジュール125は、長距離捕捉熱エネルギー輸送モジュールである。第3のモジュール135は、捕捉熱エネルギー送達モジュールである。
図1に示すように、熱エネルギー捕捉および発電ループ111の要素および輸送ループの熱交換器13(蒸発器)は、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110内に位置し、送達ループ136の要素および輸送ループ126の熱交換器32(凝縮器)、圧縮器23、および膨張値24は、捕捉された熱エネルギー送達モジュール135に位置し、長距離捕捉熱エネルギー輸送モジュール125は、長距離輸送フローライン21および22、電力および制御ケーブル53および62、ならびにブースター圧縮器およびポンプ25および26から構成されている。
【0062】
熱エネルギー捕捉および発電ループ111は、熱エネルギー源104および熱エネルギー捕捉および発電ループ111内の熱交換器10と連通しているパイプ6と、熱交換器10および熱エネルギー源104と連通しているパイプ7と、を備える配管インフラストラクチャ5によって熱エネルギー源104に接続されている。作動流体は、パイプ6、7における配管インフラストラクチャ5内を循環する。
【0063】
熱エネルギー捕捉および発電モジュール110内の熱エネルギー捕捉および発電ループ111は、熱エネルギー源104と連通している熱交換器11と、タービン11と、第2の熱交換器13と、ポンプ14と、を備える。熱エネルギー源104から捕捉されて熱交換器10に送られる熱エネルギーの一部は、有機ランキンサイクル(ORC)技術を介してタービン11によって利用され、タービン11に相互接続された発生器12で電力が生成される。残りの捕捉された熱エネルギーは、第2の熱交換器13に流れ、ここで、熱エネルギーは、本明細書では長距離輸送ループ126と称する第2のループ126を備える第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20のパイプ21に搬送される。LBP流体は、第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20内を循環し、第2の熱交換器13によってその気相に変換される。
【0064】
長距離輸送ループ126は、モジュール110内の第2の熱交換器13および第3のモジュール135内の第3の熱交換器32と連通しているパイプ21と、第3の熱交換器32および第2の熱交換器13と連通しているパイプ22と、を有する第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20を備える。LBP流体は、第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20内を、パイプ21内の気相およびパイプ22内の流体相で循環する。捕捉された熱エネルギーの長距離輸送は、LBP液体をその気相に気化させることで、熱エネルギー輸送ループ126に伝達された熱エネルギーを潜熱に変換し、熱エネルギーを、熱い液体に含まれる高温顕熱ではなく周囲温度での潜熱として、または高沸点蒸気内の潜熱として輸送することによって、可能になる。必要に応じて、蒸気フローライン21と連通している1つ以上のブースター圧縮器25を提供して、長距離輸送モジュール125の全長に沿って蒸気流量を所望の圧力範囲内に維持することが好適である。また、液体フローライン22と連通している1つ以上のブースター圧縮機26を提供して、長距離輸送モジュール125の全長に沿って流体流量を所望の範囲内に維持することも好適である。
【0065】
熱エネルギー送達ループ136は、圧縮器33と相互接続された第3の熱交換器32と、第4の熱交換器34と、膨張弁35と、第4の熱交換器34と連通している配管インフラストラクチャ40と、を備える。熱エネルギー送達ループ136は、ライン21内のLBP液体の気相を第3の熱交換器32の液相に凝縮することによって長距離輸送モジュール125によって輸送された捕捉された熱エネルギーを利用し、それによって潜熱を放出し、それを第4の熱交換器34を介して配管インフラストラクチャ40のパイプ41に搬送し、それによって、捕捉された熱エネルギーが熱ユーザ140aに送達される。ついで、捕捉された熱エネルギーは、放射ヒータなどの加熱装置、空中ファン駆動の加熱コイルまたは温水ヒータまたは循環する温水もしくは蒸気を加熱するボイラーなどに伝達され得る。
【0066】
なお、同じLBP循環流体を3つの閉ループ配管インフラストラクチャすべてで使用可能である。あるいは、異なるLBP循環流体を、3つの閉ループ配管インフラストラクチャの各々で使用することができ、閉ループ配管インフラストラクチャの各々が展開される周囲条件および動作条件の範囲内で最適なパフォーマンスが得られるように選択することができる。
【0067】
なお、配管インフラストラクチャ5および40内の循環作動流体は、LBP流体であってもよく、あるいは、作動流体は、水、熱油、グリコール溶液、燃焼ガスを含むガスなどでもよく、配管インフラストラクチャ5および40全体を循環しながら相変化を起こしても、起こさなくてもよい。
【0068】
これらの技術分野の当業者は、LBP流体を使用することにより、30℃~140℃の範囲の捕捉された熱エネルギー温度を、長距離輸送のためにー10℃~50℃の範囲の温度に降下させることができ、ついで、1つ以上の送達サイトで加熱に適した温度に上昇させることができることを理解するであろう。
【0069】
図1および
図2に示すように、熱エネルギー源104から捕捉された熱エネルギーの一部は、第1の熱交換器10、タービン11、発生器12、第2の熱交換器13、およびポンプ14を介した熱エネルギー捕捉および発電ループ111による電力の連続生成に使用され得る。しかしながら、タービン12の代わりに、スクロールもしくはスクリューもしくは回転ベーンまたは当技術分野の当業者に知られている他のタイプの膨張器などの機器を使用することによって、熱エネルギー捕捉および発電ループ111を変更することは、本発明の範囲内である。また、必要に応じて、ORC機器の代わりに、カリナサイクル機器、スターリングエンジンサイクル機器、吸収発電機器などのいずれか1つを使用することも好適である。当技術分野の当業者は、再加熱サイクル、再生サイクル、再加熱および再生サイクルの組み合わせなどの他の構成および機器を選択して、特定の状況および/または動作条件および/または最適化の目標に対して、本明細書に開示されるシステムを適合および最適化することができることを理解するであろう。
【0070】
発生器12によって生成された電力は、電力ケーブル50によって、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110から、長距離輸送モジュール125内の送電幹線ケーブル53を介して、熱エネルギー送達モジュール135に送出され、ついで、電力ユーザ140bに送達される。電力の一部は、第1の熱エネルギー捕捉および発電モジュール110内のポンプ14に電力供給するために、電力ケーブル50から電力ケーブル51に搬送され得る。電力の一部は、制御および通信機器60に電力供給するために、電力ケーブル50から電力ケーブル52に搬送され得る。幹線送電幹線ケーブル53で送出された電力の一部は、長距離輸送モジュール125内のブースター圧縮器(複数可)25およびブースターポンプ(複数可)26に電力供給するために使用され得る。電力は、送電幹線ケーブル53から、送電ケーブル54を介して、長距離輸送ループ126内の電力圧縮器23に送出され得る。電力は、幹線送電幹線ケーブル53から、電力搬送ケーブル55を介して、熱エネルギー送達ループ136内の電力圧縮器33に送出され得る。電力の一部は、制御および通信機器64に電力供給するために、送電幹線ケーブル53から電力ケーブル56に搬送され得る。電力は、幹線送電幹線ケーブル53から電力ユーザ140bに送出され得る。
【0071】
1つ以上の制御システムケーブル(複数可)62は、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110内の制御および通信機器60を、熱エネルギー送達モジュール135内の制御および通信機器64と相互接続する。
【0072】
長距離搬送モジュール125に関しては、第2の閉ループ配管インフラストラクチャ50およびパイプ51、52を、送電幹線ケーブル53および制御システムケーブル62と共に単一のラインバンドル65に束ねることが適切である(
図3)。直線束65は、パイプ51、52、送電幹線ケーブル53、および制御システムケーブル62を好適な材料で包むことによって「臍帯」に形成することができる。適切な包装材料には、断熱布およびアルミ化布が含まれる。このような包装材料の例には、ZETEX(登録商標)およびZETEXPLUS(登録商標)ガラス繊維テープおよびチューブ、ならびにZーFLEX(登録商標)アルミ化布テープ(ZETEX、ZTEXPLUS、およびZーFLEXは、Newtex Industries Inc.Victor,NY,USAの登録商標)が含まれる。あるいは、第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20、パイプ21、22、送電幹線ケーブル53、および制御システムケーブル62は、それらのために提供される単一の溝内で、近接しているが離間された近さで設置され得る。あるいは、パイプ21、22、送電幹線ケーブル53、および制御システムケーブル62は、それらのために提供される、離間しているが隣接する溝内に設置され得る。あるいは、第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20、パイプ21、22、送電幹線ケーブル53、および制御システムケーブル62は、単一のすき込まれた経路内に設置され得る。あるいは、パイプ21、22、送電幹線ケーブル53、および制御システムケーブル62は、それらのために提供される、離間しているが隣接するすき込まれた経路内に設置され得る。あるいは、パイプ21、22、送電幹線ケーブル53、および制御システムケーブル62は、地表上または地表ケーブルおよびフローライン支持体上で互いに近くに設置され得る。本開示によると、直線束は、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110と熱エネルギー送達モジュール135との間の長距離にわたって延設することができる。たとえば、長距離は100m、500m、1km、5km、10km、15km、20km、25km、30km、35km、40km、45km、50km、55km、60km、65km、70km、75km、80km、85km、90km、95km、または100km以上であり得る。
【0073】
当技術分野の当業者は、長距離輸送ループ126が、単純化されたヒートポンプサイクルのものと同様の工学熱力学的特性を有することを認識するであろう。必要に応じて、長距離輸送モジュール125および長距離輸送ループ126、カスケードシステム、多段圧縮システム、吸収技術、などの組み込みのために構成された機器に構成することは、本開示の範囲内である。
【0074】
別の実施形態は、本明細書に開示される2ループまたは3ループの捕捉、輸送、および送達システム内の循環のためのLBP流体の使用に関する。
【0075】
別の実施形態は、LBP流体、あるいは、相変化の有無にかかわらず、熱エネルギーを、本明細書に開示される2ループまたは3ループの捕捉、輸送、および送達システム内に、およびそこから搬送するための、水、熱油、グリコール溶液、燃焼ガスを含むガス、排気ガスなどの流体の使用に関する。
【0076】
本開示の別の実施形態は、熱エネルギー、質量流量、流体フローライン内の低沸点流体条件、および生成、送出および送達された電力の捕捉、送出、および送達に関連するデータを測定および記録するメーターのシステムに関する。本開示の範囲は、収益化の目的で熱エネルギーおよび電力搬送量を計算するための流体質量およびエネルギーフローデータの記録およびアセンブリを可能にするデータ収集および管理システムを含む。
【0077】
図2に示すように、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110は、熱エネルギー源104から熱エネルギー捕捉および発電ループ111の第1の熱交換器10まで配管インフラストラクチャ5のライン6を流れる熱エネルギーを測定するメーター6mを含む。メーター7mは、第1の熱交換器10から熱エネルギー源104までライン7内の流体に流れる熱エネルギーを測定し、それにより、熱エネルギー捕捉および発電ループ111によって捕捉された熱エネルギーの量を熱エネルギー源104から定量化することを可能にする。適宜、3ループ閉ループシステム100のオペレータは、熱エネルギー源104から捕捉された熱エネルギーの量に対して、熱エネルギー源104の所有者に支払いを行い得る。熱エネルギー捕捉および発電モジュール110はまた、第2の熱交換器13から流出する蒸気中の熱エネルギーを測定するためのメーター21aを含み、ライン21を流れるLBP作動流体はその気相に変換されており、ライン22から第2の熱交換器13に流入するLBP液相の熱エネルギーを測定するためのメーター22cも含む。メーター21aと6mとの間の測定値の差は、タービン11および発生器12による発電に使用された捕捉された熱エネルギーの部分の定量化を可能にする。メーター21a、22c間の測定値の差は、第1のモジュール110の熱エネルギー捕捉および発電ループ111から第2のモジュール125の長距離輸送ループ126に搬送された捕捉熱エネルギーの量の定量化を可能にする。メーター50mは、タービン11および発生器12によって生成され、幹線送電線50に出力された電力を測定する。メーター51mは、電力線51を介して幹線送電線50から分流されて、熱エネルギー捕捉および発電ループ111内のポンプ14に電力供給した電力を測定し、一方、メーター53aは、送電幹ケーブル53によって第2のモジュール125の長距離輸送ループ126に輸送された電力を測定する。
【0078】
図2に示すように、熱エネルギー送達モジュール135は、第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20のライン21内のLBP流体の気相で流れる熱エネルギーを測定するメーター21bを含み、制御システム60、64を使用して、圧縮器23の動作を調整することで、ライン21内の作動流体の流量を増加または減少させることができるという情報を、第3のモジュール135内の熱エネルギー送達ループ136の第3の熱交換器32に提供することができる。メーター21cは、圧縮器23による圧縮後、第3の熱交換器32への第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20のライン21内のLBP流体を流れる熱エネルギーを測定する。メーター22a、22bは、膨張弁24の前後の第2の閉ループ配管インフラストラクチャ20のLBP流体ライン22を流れる熱エネルギーを測定し、制御システム60、64を使用して、膨張弁24の動作を調節することで、ライン22内のLBP液相の流量を増加または減少させることができるという情報を、第1のモジュール110の熱エネルギー捕捉および発電ループ111内の第2の熱交換器13に提供することができる。メーター21c、22a間の測定値の差は、第2のモジュール125の長距離輸送ループ126から第3のモジュール135内の熱エネルギー送達ループ136に搬送される捕捉熱エネルギーの量の定量化を可能にする。
【0079】
図2に示すように、熱エネルギー送達モジュール135は、第4の熱交換器34から熱ユーザ140aまで、配管インフラストラクチャ40のライン41内の作動流体を流れる熱エネルギーを測定するメーター41mを含む。メーター42mは、熱ユーザ140aから熱エネルギー送達ループ136の第4の熱交換器34までのライン42内の作動流体を流れた熱エネルギーを測定する。メーター41m、42mによって記録されたデータの差は、熱エネルギー送達ループ136から熱ユーザ140aに搬送された熱エネルギーの量の正確な定量化を可能にし、それにより、3ループ閉ループシステム100のオペレータが熱ユーザ140aに対して、熱ユーザ140aに供給された捕捉された熱エネルギーの量の対価を請求することを可能にする。
【0080】
電力は、送電線54を介して送電幹ケーブル53から迂回させて、必要に応じて圧縮器23に電力供給し、LBP作動流体ライン21内の捕捉された熱エネルギーの流れを第3の圧縮機23に変調することができる。電力は、熱エネルギー送達ループ136内の流体の流れを調整するために、必要に応じて、送電幹ケーブル53から送電線55を介して電力圧縮器33に迂回させることができる。電力圧縮器ポンプ23に迂回される電力の量は、メーター54mによって監視および記録され、一方、メーター55mは、動力伝達幹線ケーブル53から圧縮機ポンプ33に迂回される電力の量を監視および記録する。メーター53bは、熱エネルギー送達ループ136から電力搬送幹線ケーブル53を介して電力ユーザ140bに供給される電力の量を継続的に監視および記録する。
【0081】
本開示の別の実施形態は、熱エネルギー捕捉および発電ループ111、熱エネルギー伝達ループ126、および熱エネルギー送達ループ136内の熱エネルギーおよび電力の流れを監視、変調、および最適化するための、制御システムケーブル62によって相互接続された自動制御および通信システム60、64の利用に関する。自動制御および通信システム60、64は、遠隔およびオフサイトの通信、監視、制御を可能にして、オペレータのオンサイトの継続的な立ち合いではなく、半有人の操作を可能にするように構成することができる。必要に応じて、「スマートエネルギーシステム」を組み込んで、プロセス操作、ならびに熱エネルギー、電力、およびそこから生成される電力の捕捉、長距離輸送、貯蔵、および分配を最適化することができる。
【0082】
本開示の一態様によれば、熱エネルギー源104は、配管インフラストラクチャ5がフローライン70、71を介して地熱体104aと相互接続されている地熱体または地層104a(
図4)から捕捉された熱エネルギーを含み得る。メーター70m、71mは、フローライン70内の地熱体104aから流出する捕捉された熱エネルギーと、地熱体104aに戻るフローライン71の作動流体中の熱エネルギーとの差を記録する。
【0083】
本開示の別の態様によれば、熱エネルギー源104は、配管インフラストラクチャ5がフローライン72、73を介して太陽熱源104aと相互接続されている太陽熱源104b(
図4)から捕捉された熱エネルギーを含み得る。メーター72m、73mは、フローライン72内の熱太陽源104bから流出する捕捉された熱エネルギーと、熱太陽源104bに戻るフローライン73内の熱エネルギーとの差を記録する。
【0084】
本開示の別の態様によれば、熱エネルギー源104は、配管インフラストラクチャ5がフローライン74、75を介して廃熱源104cと相互接続されている廃熱源104c(
図4)から捕捉された熱エネルギーを含み得る。メーター74m、75mは、フローライン74内の廃熱源から流出する捕捉された熱エネルギーと、廃熱源104cに戻るフローライン75内の熱エネルギーとの差を記録する。好適な廃熱源のいくつかの例には、内部燃焼エンジンからの排気ガスを介して放出される廃熱から、燃焼プロセスからの煙道ガスから、高温廃棄物の流れおよび/または処理施設からの温暖廃棄物の流れから、コージェネレーション機器から、熱電併給(CHP)機器などから捕捉され得る低温熱エネルギーが含まれる。
【0085】
独立型統合システム、装置、および方法が、
図1、2、および4に図示し、かつそれらを参照して説明したように、熱エネルギーを捕捉するため、および捕捉された熱エネルギーを周囲温度で長距離輸送、貯蔵、および分配するためのものであり、配管インフラストラクチャ5が、2つ以上の熱エネルギー源、例えば地熱体140a、太陽熱源104b、廃熱源104cのうちの2つ以上と連通することは、本開示の範囲内である。
【0086】
いくつかの設備では、そのような熱エネルギー源から捕捉された熱エネルギーは、捕捉された熱エネルギーの送達に対するユーザからの需要を供給し、加えて、電力を生成するのに十分な熱エネルギーを提供するには不十分であり得る。したがって、本開示の別の実施形態は、燃料ボイラーヒータ108(
図5)からの補足熱エネルギー供給を提供し、それによって第1の配管インフラストラクチャ5のフローライン6内の作動流体がフローライン76を介して燃料ボイラーヒータ108に流れるようにするための装置、機器、および方法に関し、ここで、追加の熱エネルギーは、フローライン77を介して燃料ボイラーヒータ108から流出し、かつ第1の熱交換器10に流入する作動流体に伝達される。制御および通信システム60は、作動流体フローライン76上のメーター76mおよび作動流体フローライン77上のメーター77mによって記録されたデータを継続的に監視し、それを用いて、配管インフラストラクチャ5内を循環する作動流体の燃料ボイラーヒータ108への流入および燃料ボイラーヒータ108からの流出を調整して、捕捉された熱エネルギーの最小の所望の閾値レベルを熱エネルギー捕捉および発電ループ111に提供する。
【0087】
本開示の別の実施形態によれば、3ループ閉ループシステム100の第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111は、第1の熱交換器10を1の熱エネルギー捕捉および発電モジュール100から除去することによって、かつ代替熱交換器15を熱エネルギー源104内に直接、または代替的に熱エネルギー源104に隣接して配置することによって、
図6および7に示すように変更され得る。配管インフラストラクチャ5のフローライン6は、代替熱交換器15を第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111のタービン11と相互接続させ、配管インフラストラクチャ5のフローライン7は、代替熱交換器15をポンプ14と相互接続させる。本実施形態によれば、配管インフラストラクチャ5内の循環のためにLBP作動流体を使用することが適切であり、LBP作動流体は、フローライン7において液相にあり、代替熱交換器15によって熱源104から捕捉された熱エネルギーによってその気相に変換される。捕捉された熱エネルギーは、LBP作動流体の気相でフローライン6によってタービン11に輸送される。本実施形態では、メーター7mは、フローライン7内を熱エネルギー源104および代替熱交換器15に流入する熱エネルギーを測定し、一方メーター6mは、フローライン6内を代替熱交換器15および熱エネルギー源104から流れる熱エネルギーを測定し、それにより、熱エネルギー捕捉および発電ループ111によって捕捉された、熱エネルギー源104からの熱エネルギーの量の定量化が可能になる(
図6)。
【0088】
図6、
図7に示す実施形態にしたがって、必要に応じて、第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111のフローライン6で輸送するために、地熱体または地層104a(
図6)から熱エネルギーをさらに捕捉すること、および/または熱太陽源104b(
図6)から熱エネルギーをさらに捕捉すること、および/または廃熱源104c(
図6)から熱エネルギーをさらに捕捉することは任意選択である。好適な地熱体のいくつかの例には、地表近くの心土および淡水帯水層の近くだけでなく、暖かくて熱い堆積岩および破砕された基盤岩帯水層が含まれる。好適な廃熱源のいくつかの例には、コージェネレーション機器、熱電併給(CHP)機器、物理的なプラント処理システムなどから捕捉され得る低温熱エネルギーが含まれる。
【0089】
図6、7に示す実施形態にしたがって、必要に応じて、代替熱交換器15を、地熱地層に出入りするループ(図示せず)または坑井を備え得る配管インフラストラクチャと交換することも任意選択であり、または坑井であって、その場合、ループの第1の入口端部は、配管インフラストラクチャ5のフローライン7と相互接続され、ループの第2の出口部分は、熱エネルギー捕捉および発電ループ111の配管インフラストラクチャ5のフローライン6と相互接続されている。あるいは、
図6、7に示す代替熱交換器15は、好適な熱エネルギー源、例えば、地表水域、地下水域、深い地質帯水層、浅い淡水帯水層、プロセス保持池、プロセス流体を含むタンクなどの内部に配置されたフローライン、パイプ、チューブ、コイル状チューブループなど(図示せず)で置き換えることができる。コイル状チューブループの第1の入口端部は、配管インフラストラクチャ5のフローライン7と相互接続され、コイル状チューブループの第2の出口部分は、熱エネルギー捕捉および発電ループ111の配管インフラストラクチャ5のフローライン6と相互接続されている。LBP流体は、代替熱交換器15がフローラインまたはパイプまたはチューブまたはコイル状チューブループなどに置き換えられている、熱エネルギー捕捉および発電ループ111内の循環に適した作動流体である。
【0090】
図1および
図2に図示およびそれらを参照して説明したように、熱エネルギーを捕捉するための、および捕捉された熱エネルギーを周囲温度で長距離輸送、貯蔵、および分配するための統合システム、装置、および方法のいくつかの設置は、他の場所で生成された電力が送出される電力網インフラストラクチャの近傍であり得る。したがって、本開示の別の実施形態は、送電線78を介した電力網インフラストラクチャからの電力106の供給により、捕捉された熱エネルギーから、熱エネルギー捕捉および発電ループ111内で生成された電力を補うことに関する(
図8)。電力網インフラストラクチャから受信される補足電力106の量は、制御および通信システム62と通信するメーター78mによって監視される(
図8)。
【0091】
本実施形態の一態様によれば、電力網インフラストラクチャからの電力106の補足供給は、PVソーラー電池106aによって捕捉され、送電線80を介して第1のモジュール110に送達された電力によってさらに補足されるか、あるいはその代わりとなり得る(
図9)。PVソーラー電池106aから送出された電力の量は、制御および通信システム60との絶え間ない通信において、メーター80mによって連続的に記録される。追加的または代替的に、1つ以上の風力タービン106bによって生成された電力は、送電線81(
図9)によって送達され得る。1つ以上の風力タービン106bから送出された電力の量は、制御および通信システム60との絶え間ない通信において、メーター81mによって連続的に記録される。
【0092】
この実施形態の別の態様によれば、電力網インフラストラクチャからの電力106の補足供給は、電力網106cから送達され、送電線82を介して第1のモジュール110に送達された電力によってさらに補足されるか、あるいはその代わりとなり得る(
図10)。電力網106cから送出された電力の量は、制御および通信システム26との絶え間ない通信において、メーター82mによって継続的に記録される。
【0093】
この実施形態の別の態様によれば、電力網インフラストラクチャからの電力106の補足供給は、スマートエネルギー網106dから送達され、送電線83を介して第1のモジュール110に送達された電力によってさらに補足されるか、あるいはその代わりとなり得る(
図10)。スマートエネルギー網106dから送出される電力の量は、制御および通信システム60との絶え間ない通信において、メーター83mによって継続的に記録される。
【0094】
この実施形態の別の態様によれば、電力網インフラストラクチャからの電力106の補足供給は、局所分散網106eから送達され、送電線84を介して第1のモジュール110に送達された電力によってさらに補足されるか、あるいはその代わりとなり得る(
図10)。局所分散網106eから送出された電力の量は、制御および通信システム60との絶え間ない通信において、メーター84mによって継続的に記録される。
【0095】
本開示の別の実施形態は、
図11に示す、熱エネルギーを捕捉するための、および捕捉された熱エネルギーを周囲温度で長距離輸送、貯蔵、および分配するための独立型統合システム、装置、および方法に関し、ここでは捕捉された熱エネルギーのいずれも、電力の生成に使用されない。この種の独立型統合システムの図は、第1の閉ループ211を備える3ループ閉ループシステム200を備え、第2の長距離輸送閉ループ226および第3の捕捉熱送達モジュール(
図11に図示せず)は、
図1および
図2に示す閉ループ126、136と同様に構成されている。3ループ閉ループシステム200の第1のモジュール210は、熱エネルギー捕捉ループ211、および第2の長距離輸送ループ226の熱交換器(凝縮器)13、ならびにLBP作動流体が循環する第2の長距離輸送ループの熱交換器(凝縮器)13を備える。
【0096】
熱エネルギー捕捉および発電ループ211(
図11)は、熱エネルギー源204および熱エネルギー捕捉閉ループ211内の熱交換器10と連通しているパイプ6と、熱交換器10および熱エネルギー源204と連通しているパイプ7と、を備える配管インフラストラクチャ5によって熱エネルギー源204に相互接続されている。作動流体は、パイプ6、7における配管インフラストラクチャ5内を循環する。
【0097】
電力206は、幹線送電ケーブル80を介して、電力網またはスマートエネルギー網またはローカル分散網の1つ以上から3ループ閉ループシステム200(
図11)の熱エネルギー捕捉モジュール210に供給される。電力の一部は、電力ケーブル51を介してポンプ14に送出され、電力ケーブル52を介して制御および通信システム60に送出される。3ループ閉ループシステム200に送達される電力206の量は、メーター80mによって監視および記録され、一方、ポンプ14および制御および通信システム60に電力供給するために使用された電力の量は、それぞれメーター51mおよび52mによって監視および記録される。閉ループ226を介して長距離輸送モジュール225に送達される電力の量は、メーター53mによって継続的に監視および記録される。電力206の供給者は、送達された電力の量について3ループ閉ループシステム200のオペレータに請求することができ、一方、オペレータは、メーター80mおよび53mによって記録されたデータを使用して、熱エネルギー捕捉ループ211の動作効率を監視および制御し、かつ下流の電力ユーザへの計量送達のための長距離輸送モジュール225への電力の送出を監視することすることができる。
【0098】
図12に示す本開示の別の実施形態は、独立型統合システム、装置、および方法に関し、ここでは熱エネルギーを捕捉するために、および捕捉された熱エネルギーを周囲温度で長距離輸送、貯蔵、および分配するために、2閉ループシステム300が使用される。
【0099】
2ループ閉ループシステム300(
図12)は、
図1および
図2に示す熱エネルギー捕捉および発電ループ111と同様に構成された熱エネルギー捕捉および発電ループ(図示せず)を備える。第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ(図示せず)で捕捉された熱エネルギーおよびそこから生成された電力は、蒸気フローライン21および送電ケーブル53内の第2の長距離輸送ループ125に沿って熱エネルギーおよび電力送達モジュール335に輸送される。この2ループ閉ループシステム300において、閉ループ配管インフラストラクチャ336内を循環するLBP流体中の捕捉された熱エネルギーは、熱交換器337によってライン21から熱エネルギー供給フローライン338内を循環する作動流体に伝達され、フローライン339を介して熱交換器337に戻るために、熱エネルギーユーザ340aに送られる。フローライン338、339と連通しているメーター338m、339mは、2閉ループシステム300から熱エネルギーユーザ340bに送達される捕捉された熱エネルギーの量を絶えず監視および記録する。
【0100】
第1の熱エネルギー捕捉および発電ループで生成された電力は、長距離搬送モジュール125に沿って、送電ケーブル53内の熱エネルギーおよび電力送達モジュール335に輸送される。メーター21b、21cは、フローライン21内の捕捉された熱エネルギーの流量を監視し、必要に応じて、制御および通信システム64は、送電ケーブル53から電力を引き出し、電力ケーブル54を介して圧縮器23に送出し、フローライン21内の捕捉された熱エネルギーの流量を制御する。膨張弁24は、第1の熱エネルギー捕捉および発電ループに戻るフローライン22内のLBP作動流体の流れを制御するために提供されている。電力は、送電幹線ケーブル53を介して電力ユーザ340bに送達され、送達される電力の量は、メーター53bによって絶えず監視および記録される(
図12)。
【0101】
本開示の別の実施形態の例は
図11に示され、単一のサイトからの捕捉された熱エネルギーを利用する熱エネルギー捕捉および発電と、幹線に沿った長距離輸送と、複数の分岐熱エネルギー送達輸送ラインを介した複数の熱エネルギーおよび電力ユーザへの送達と、をともなう3閉ループシステム400に関する。3閉ループシステム400は、
図1および2に示す熱エネルギー捕捉および発電モジュール110と同様に、LBP作動流体を循環している第1の閉ループ配管インフラストラクチャをともなう選択された熱エネルギー源から熱エネルギーを捕捉するように構成され得る熱エネルギー捕捉および発電モジュールである第1のモジュール410を備える。捕捉された熱エネルギーは、第1のモジュール410から第2のモジュール425に伝達され、第2のモジュール425は、LBP作動流体を循環させている第2の閉ループ配管インフラストラクチャを備える長距離捕捉熱エネルギーおよび送電幹線輸送モジュールである。捕捉された熱エネルギーは、LBP作動流体の気相において長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール425に沿って輸送され、分岐熱エネルギー送達輸送モジュール425a、425b、425c、425d、425e、425f、および425gによって、それぞれ8人のユーザ「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、「f」、および「g」に送達される(
図13)。LBP作動流体を循環させている第3の閉ループ配管インフラストラクチャが、各分岐熱エネルギー送達輸送モジュール425a、425b、425c、425d、425e、425f、および425gを、熱エネルギーおよび電力送達モジュール435a、435b、435c、435d、435e、435f、および435gと相互接続させる。熱エネルギーおよび電力送達モジュール435a~435gの各々は、
図1および2に示す熱エネルギー捕捉および発電モジュール110と同様に構成することができる。統合システムおよびメーターのネットワークは、以下を監視および記録するために提供され得る:(i)選択された熱エネルギー源から第1のモジュール410によって捕捉された熱エネルギーの量、(ii)第1のモジュール410による発電に使用される捕捉された熱エネルギーの量、(iii)第1のモジュール410から長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール425に伝達される捕捉された熱エネルギーおよび電力の量、(iv)長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール425から分岐熱エネル送達輸送モジュール425a~425gの各々に送出された捕捉された熱エネルギーおよび電力の量、(v)分岐熱エネルギー送達輸送モジュール425a~425gの各々から、熱エネルギー送達モジュール435a~435gを介してユーザ「a」~「g」に送出された、補足された熱エネルギーおよび電力の量。
【0102】
図14および
図15に示す本開示の実施形態の別の例は、以下をともなうシステム500に関する。(i)複数の熱エネルギー源のサイトから捕捉された熱エネルギーを利用する熱エネルギー捕捉および発電、(ii)複数の熱エネルギー源のサイトの各々から長距離幹線への捕捉された熱エネルギーの伝達による、捕捉熱エネルギーおよびそれに沿った電力の長距離輸送、(iii)捕捉された熱エネルギーおよび電力の、複数の分岐熱エネルギー伝達輸送ラインを介した複数の熱エネルギーおよび電力ユーザへの送達。
図14で使用されている記号のキーを
図15に示す。
【0103】
図14に示すシステム500は、それぞれ、分岐捕捉熱エネルギーおよび電力輸送ライン525a、525b、525c、および525dによって、主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525と相互接続された4つの地理的に離間された熱エネルギー捕捉および発電モジュール510a、510b、510c、および510dを備える。システム500はまた、輸送ライン504aによって熱送達サイト540bに輸送される太陽熱源554からの捕捉された熱エネルギー504の入力を含む。
【0104】
第1の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510a(
図14)は、
図1および
図2に示すループ111と同様に構成された熱エネルギー捕捉および発電ループを備え、熱エネルギー捕捉および発電ループは、地熱熱源551と連通しており、そこから廃熱を捕捉し、捕捉された廃熱エネルギーの一部で電力555を生成する。第1の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510aは、地熱ストレージ561(後でより詳細に説明する)をさらに備える。残りの捕捉熱エネルギーおよびそこから生成された電力は、分岐捕捉熱エネルギー輸送ライン525aによって、主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。逆に、補足電力は、輸送ライン515aを介してモジュール510aに供給され得る。
【0105】
廃熱源502(
図14)から捕捉された熱エネルギーは、
図1および
図2に示すループ111と同様に構成された分岐捕捉熱エネルギー輸送ライン502aによって、主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に搬送される。
【0106】
第2の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510b(
図14)は、
図1および
図2に示すループ111と同様に構成された熱エネルギー捕捉および発電ループを備え、しかし、熱エネルギー捕捉および発電ループは、廃熱エネルギー源552と連通しており、そこから廃熱を捕捉し、捕捉された廃熱エネルギーの一部で電力555を生成する。残りの捕捉熱エネルギーおよびそこから生成された電力は、分岐捕捉熱エネルギー輸送ライン525bによって、主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。第2の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510bは、燃料燃焼ボイラー553をさらに備え、燃料燃焼ボイラー553からも廃熱エネルギーが捕捉され、分岐捕捉熱エネルギー輸送ライン525bによって長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。
【0107】
第3の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510c(
図14)は、
図1および
図2に示すループ111と同様に構成された熱エネルギー捕捉および発電ループを備え、熱エネルギー捕捉および発電ループは、地熱熱源551と連通しており、そこから廃熱を捕捉し、捕捉された廃熱エネルギーの一部で電力555を生成する。残りの捕捉熱エネルギーおよびそこから生成された電力は、分岐捕捉熱エネルギー輸送ライン525cによって、主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。逆に、補足電力は、輸送ライン525aを介してモジュール510cに供給され得る。
【0108】
第4の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510d(
図14)は、
図1および
図2に示すループ111と同様に構成された熱エネルギー捕捉および発電ループを備え、熱エネルギー捕捉および発電ループは、(i)太陽熱源554と通通しており、そこから廃熱を捕捉し、(ii)PVソーラー発電装置558と連通している。太陽熱源554からの捕捉された熱エネルギーおよびPVソーラー発電装置558から生成された電力は、分岐捕捉熱エネルギー輸送ライン525dによって主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。第4の熱エネルギー捕捉および発電モジュール510dは、地熱ストレージ561(後でより詳細に説明する)と、電力ストレージモジュール562と、をさらに備える。
【0109】
図14に示すシステム500は、電力を生成するための1つ以上の風力タービン506aをさらに備え得、電力は、電力送出ケーブル506aaによって、主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。システム500はまた、太陽光を電気に変換するPVソーラー発電設備506bを含み得、電気は、送電ケーブル506bbによって、主要長距離捕捉熱エネルギーおよび電力送出幹線輸送モジュール525に伝達される。
【0110】
図14に示すシステム500は、8つの熱エネルギーおよび電力送達位置540a、540b、540c、540d、540e、540f、540g、および540hを有する。熱エネルギーおよび電力送達場所540a、540b、540c、540d、540e、540f、540g、540hの各々は、分岐熱エネルギーおよび電力送達モジュール535a、535b、535c、535d、535e、535f、535g、535hによって、主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュール525と相互接続されている。分岐熱エネルギーおよび電力送達モジュール535a、535b、535c、535d、535e、535f、535g、535hの各々は、主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュール525を熱エネルギーおよび電力送達場所540a、540b、540c、540d、540e、540f、540g、540hと相互接続させる、
図1および
図2に示す第3の閉ループ136と同様に構成されたLBP作動流体を循環させる閉ループ配管インフラストラクチャを備える。
【0111】
熱エネルギー供給場所540b(
図14)はさらに、日中のエネルギー貯蔵システムを加熱するための太陽熱収集システムを有する太陽熱発電設備504によって捕捉された熱エネルギーおよび太陽エネルギーを受容し、ついで貯蔵システムからの熱を使用して電力を生成する。熱エネルギー供給場所540bは、輸送ライン504aによって太陽熱発電設備504に相互接続されている。
【0112】
システム500(
図14)はまた、独立型電力貯蔵モジュール515aを備え、かつそれと相互接続することができ、他のモジュール、例えばモジュール510a、510b、510c、510d、506aで生成された過剰電力を貯蔵することができ、電力ユーザ540a~540hのうちの1人1人または全員からの電力需要が大幅に増加する期間中に引き出される。独立型電力貯蔵設備の好適な例には、NGK Insulators Ltd(Aichi Prefecture,Japan)から入手可能なコンテナ化ナトリウム硫黄(NaS)バッテリーユニット、NantEnergy Inc.(Scottsdale,AZ,USA)から入手可能な充電式空気亜鉛電池の複数の10セルモジュールで構成されるモジュラーシステム、Tesla Inc.(Palo Alto,CA,USA)から入手可能なリチウムベースのパワーパックシステムなどが含まれる。
【0113】
システム500(
図14)はまた、閉ループ配管インフラストラクチャ515bbによって蓄熱モジュール515bと相互接続され得、そこでは、主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュール525内を循環し得る過剰捕捉熱エネルギーの送達および貯蔵のために、相変化の有無にかかわらず、LBP作動流体または水、熱油、グリコール溶液、ガスなどの物質を循環させており、ついで、貯蔵された捕捉熱エネルギーを、必要に応じて、主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュール525に伝達して戻す。蓄熱モジュール515bの好適な例は、結晶質岩(例えば、花崗岩)の浅い地下層、地表近くの心土、淡水帯水層、水域、貯蔵タンクなどであり得る。地下貯蔵のために、複数の近接した穴を2m~20m以上の範囲の深さまで開けることができ、そこに作動流体を流しているチューブの1つ、あるいは熱伝導性の金属棒を挿入する。1人以上の熱エネルギーユーザ540a~540hによってシステム500に熱エネルギー需要が課せられると、余剰の捕捉された熱エネルギーが回収され得る。好適な地下地熱ヒートシンク貯蔵モジュール561の別の例には、例えば、長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュールおよび地下水域、あるいはその代わりに帯水層と連通している閉ループ配管インフラストラクチャが含まれる。配管インフラ内を循環する作動流体は、過剰捕捉熱エネルギーを主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュール525から蓄熱モジュール561に伝達し、その後、貯蔵された熱エネルギーを蓄熱モジュール561から主要な長距離捕捉熱エネルギーおよび電力搬送幹線輸送モジュール525まで回収して戻すことができる。
【0114】
以下の実施例は、本明細書に開示されるより十分に多様な実施形態に提供され、いかなる方法においても本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0115】
実施例1:本開示の実施形態による3閉ループ循環システムの熱力学的モデリング
熱力学的モデリングは、0℃の周囲温度で動作する
図1および14に示す3ループ閉ループ循環システムに対して実行され、工学熱力学の観点から本明細書に開示される閉ループ循環システムの機能性および作業性を実証した。
【0116】
本明細書に概説するような単純化された熱力学モデルを利用した。熱力学モデルのいくつかの重要な要素は次のとおりである。
1.本開示の様々な実施形態に開示されるように、LBP作動流体を循環させる3つの閉ループ。
第1のループは、
図1および16に示すように構成された熱エネルギー捕捉および発電ループ111であり、ポンプ14と、ボイラー(または気化器または蒸発器)として機能する熱交換器10と、電力を生成するための機械的エネルギーを捕捉する発生器12と結合された膨張器11と、凝縮器として機能する熱交換器13と、を有する単純なランキンサイクルを備える。LBP流体がループ111内を循環し、この実施形態の熱力学的実現可能性を実証するように構成されているので、第1のループ111は、単純化された有機ランキンサイクル(ORC)システムと見なし得る。当技術分野の当業者は、再加熱サイクル、再生サイクル、再加熱および再生サイクルの組み合わせなどの他の構成および機器を選択して、特定の状況および/または動作条件および/または最適化の目標に対して、本明細書に開示されるシステムを適合および最適化することができることを理解するであろう。例えば、膨張器11は、
図1および16に示すようなタービン、あるいは、スクロール、またはスクリュー、または回転ベーン、または当技術分野の当業者にとって既知の別のタイプの好適な膨張器で置き換えることができる。また、他のタイプの技術が、ランキンサイクルおよび有機ランキンサイクル技術の代わりに使用されてもよい。例えば、カリナサイクル技術、スターリングエンジンサイクル技術、または吸収サイクル技術などを代用することができる。
第2のループは、
図1および16に示すように構成された長距離熱エネルギー輸送ループ126であり、圧縮器23、凝縮器として機能する熱交換器32、膨張弁24、および単純化されたヒートポンプサイクルと同様の工学熱力学的特性をともなう蒸発器として機能する熱交換器13を備える。当技術分野の当業者は、カスケード技術、または多段圧縮技術、または吸収技術などの他の構成および機器を選択することで、特定の状況および/または動作条件および/または最適化の目標に対して、本明細書に開示されるシステムを適合および最適化し得ることを理解するであろう。
第3のループは、
図1および16に示すように構成された熱エネルギー送達ループ136であり、圧縮器33、凝縮器として機能する熱交換器34、膨張弁35、および単純化されたヒートポンプサイクルと同様の工学熱力学的特性をともなう蒸発器として機能する熱交換器32を備える。当技術分野の当業者は、カスケード技術、または多段圧縮技術、または吸収技術などの他の構成および機器を選択することで、特定の状況および/または動作条件および/または最適化の目標に対して、本明細書に開示されるシステムを適合および最適化し得ることを理解するであろう。
2.捕捉された熱エネルギーは、以下のように3つの閉ループ間で伝達される。
熱エネルギー源から捕捉された熱エネルギーは、
図1および16に示すように、熱エネルギー捕捉および発電ループ111に送達され、熱交換器10に送達され、そこでは、熱エネルギー捕捉および発電ループ111内の高圧LBP作動流体が、蒸発(沸騰)して高圧蒸気になり、これが蒸発器11を駆動し、次に、発生器12を駆動して電力を生成する。熱交換器10は、熱エネルギーが中で交換される容器であってもよく、あるいは、循環流体を気化させる熱交換器が、坑井などの外部熱エネルギー源に、または近くの熱源などに延在するフローラインからなる構成であってよい。
図1および16に示すように、熱エネルギー捕捉および発電ループ111および長距離輸送ループ126は、以下として機能する熱交換器13を介して接続される:(i)熱エネルギー捕捉および発電ループ側111の凝縮器、(ii)搬送ループ側126の蒸発器であって、これによって、低圧蒸気は熱エネルギー捕捉および発電側111で凝縮され、送達モジュールから戻っている長距離搬送ループ側126の液体は蒸発する。蒸気の凝縮は、熱交換器13を介して伝達される熱エネルギーを放出し、液体を蒸発させて、長距離輸送モジュール125を介して送達モジュール135から熱エネルギー捕捉および発電モジュール110に戻し、その後、蒸気は送達モジュールに戻される。
図1および
図16に示すように、長距離輸送ループ126および送達ループ136は、輸送ループ側126の凝縮器および送達ループ側136の蒸発器として機能する熱交換器32を介して接続されており、これによって、蒸気は輸送ループ側126で凝縮され、送達ループ側136の液体は蒸発する。蒸気の凝縮は、熱交換器32を介して伝達される熱エネルギーを放出して、送達ループ側136で低圧液体を蒸発させ、その後、輸送ループ側126の液体は、熱エネルギー捕捉および発電モジュール110に戻される。
捕捉された熱エネルギーは、
図1および16に示すように、熱交換器34を介して送達ループ136から熱ユーザサイト140bに送達され、それによって、送達ループ136内の蒸気が凝縮され、それによって、熱ユーザサイト140bで使用するための熱エネルギーを放出する。熱交換器34は、例えば、空中ファン駆動加熱コイルまたは温水ヒータまたは循環温水または蒸気を加熱するボイラーであり得るが、必ずしもそれらに限定されない。
3.モデルの動作パラメータ
(a)
図16の概略フローチャートおよび
図18の表は、熱力学的モデルの動作パラメータをまとめたものである。状態点の位置を
図16に示し、モデルで使用した値を
図18の表に示す。状態点は、以下の通りである。
(i)第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111およびポンプ14、第1の熱交換器10、タービン11、ならびに第2の熱交換器13に対して、それぞれ、1、2、3、4。
(ii)第2の長距離搬送ループ126および圧縮器23、第3の熱交換器32、膨張弁24、ならびに第2の熱交換器13に対して、それぞれ、5、6、7、8、9、10。
(iii)第3の熱エネルギー送達ループ136および圧縮器33、第4の熱交換器34、膨張弁35、ならびに第3の熱交換器32に対して、それぞれ、11、12、13、14。
(b)このモデルで使用される各状態点の各々の圧力、温度、エンタルピー、およびエントロピーの値、ループ111の場合の1、2、3、4、ループ126の場合の5、6、7、8、9、10、ループ136の場合の11、12、13、14は、
図18の表の基本モデルに対して、以下の各々の入口および出口の値を参照して要約されている:(i)第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111のそれぞれポンプ14、第1熱交換器10、タービン11、および第2の熱交換器13、(ii)第2の長距離輸送ループ126のそれぞれ圧縮器23、第3の熱交換器32、膨張弁24、および第2の熱交換器13、(iii)第3の熱エネルギー送達ループ136のそれぞれ圧縮器33、第4の熱交換器34、膨張弁35、および第3の熱交換器32。
(c)ベースモデルでは、第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111には80℃のソース温度および0℃の出口温度を使用し、第2の長距離輸送ループ126には0℃の入口温度および20℃の出口温度を使用し、第3の熱エネルギー伝達ループには20℃の入口温度および60℃の出口温度を使用した。このモデルでは、0℃の温度が周囲輸送温度として考慮されたことに留意されたい。
(d)このモデルに使用された値は、単純化され、理想化されたものであり、(i)ポンプ、圧縮器、および蒸発器の効率は100%とし、(ii)熱交換器間の温度差は含まれておらず、(iii)長距離輸送ラインに含まれるシステムの外部での熱損失または熱利得は含まれておらず、(iv)長距離フローライン圧縮機およびポンプ25、26の電力要件は含まれていない。当技術分野の当業者は、実際の機器の効率が87~93%の範囲にあり、熱エネルギー伝達を発生させるための熱交換器には温度差があり、システムの外部からの熱の損失または利得があることを理解するであろう。一方で、実際の構成は最適化を含み、したがって、この単純化されたモデルは、本開示の様々な実施形態の工学熱力学を説明するのに十分である。
(e)第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111、第2の長距離輸送ループ126、および第3の熱エネルギー送達ループ136のために選択されたLBP作動流体は、それぞれ、アンモニア、エタン、およびジフルオロメタンRー32であった。しかしながら、好適な熱力学的および物理的特性を有し、かつ本明細書に開示される3つのループ111、126、136の各々においてLBP作動流体として使用するために選択され得る多数の他のLBP作動流体が存在することに留意されたい。例えば、いくつかの好適なLBP流体には、CO
2、クロロジフルオロメタンRー22、ジクロロジフルオロメタンRー12、プロパン、プロペン、プロピレンなどが含まれる(
図19、20、21)。
(f)第1の熱エネルギー捕捉および発電ループ111内を循環するアンモニア作動流体のエンタルピーおよびエントロピー状態点は、それぞれ、
図22Aおよび22Bに示されている。第2の長距離輸送ループ126内を循環するエタン作動流体のエンタルピーおよびエントロピー状態点は、それぞれ、
図23Aおよび23Bに示されている。第3の熱エネルギー送達ループ136内を循環するジフルオロメタン作動流体のエンタルピーおよびエントロピー状態点は、それぞれ、
図24Aおよび24Bに示されている。
4.エネルギーバランスの計算およびいくつかの重要な観察
(a)
図16に列挙された動作パラメータを使用して、80℃熱エネルギー源のベースエネルギーバランスモデルに加えて、
図23の表に示すように、60℃、100℃、120℃、および140℃の温度を有する熱エネルギー源のために、エネルギーバランスをモデル化した。すべてのモデルケースは、1kg/sの熱エネルギー捕捉および発電ループ111循環速度に基づいており、熱交換器10の出口温度は、熱エネルギー源温度と同じであった。エネルギーバランスは、3つのループ111、126、136の各々の内部、およびループ111~126と126~136との間の両方でモデル化した。また、このモデルで以下を計算した。
(i)ループ111の各要素14、10、11、12、13、ループ126の各要素23、32、24、13、およびループ136の各要素33、34、35、32の入口および出口の値から、各要素のエンタルピー変化率。
(ii)ループ111~126と126~136との間で伝達されるエネルギー。
(iii)生成された電力量。
(iv)使用された電力量。
(v)電力の不足または余剰、およびユーザに送達される熱エネルギーの量。
(b)
図25の表に示すように、熱源の温度を上げると、熱エネルギーから抽出されて発電する機械的エネルギーの割合が増加した。熱力学の第2の法則の1つの結果は、熱機関によって発電させるための機械的エネルギーに変換可能な熱エネルギーの割合が、シンク温度(T
L)と比較して、より高いソース温度(T
H)に対してより高いことである。よって、このシステムには独自の要件に応じて発電する能力があり、熱源の温度が上昇するにつれて余剰電力が増加したことは明らかである。
(c)生成された電力量、使用された電力量、不足または余剰、およびシステム100(
図16)によって生成された電力要件の割合を
図26に要約する。このモデルに基づいて、
図14に示すシステム100は、100℃を超える熱源温度で、独自の要件を満たすのに十分な電力を生成し始めた。しかし、低い熱源温度、すなわち、それぞれ60℃および80℃でも、システム100は依然としてその電力要件の62%および81%を提供した。このような状況では、
図5に示すように燃料ヒータボイラーを使用するか、
図10に示すように網から電力を購入するか、または
図4に示すように熱源温度を上げるなどの選択肢を組み込むことで、
図5に示すように、システム100が電力において自給式であるレベルまで電力不足を補うことができる。
図8、9、および10に示すように、網または他のソースから補足電力を取得することもひとつの選択肢である。
(d)当技術分野の当業者は、本開示の実施形態および関連する機会が、例えば、以下を含む工学的基礎に基づいていることを理解するであろう。
(iii)ほとんどの工学的熱力学的方法およびプロセスは、通常「燃焼および回転」戦略と呼ばれるものに基づいており、それによって、燃料を燃焼させて熱エネルギーを生成し、生成された熱エネルギーを可能な限り多く使用して、機械的エネルギーを生成し、機械的エネルギーの生産のために捕捉されなかったものを処理する。このような「燃焼および回転」戦略の例には、石炭を燃焼させて高圧蒸気を生成し、高圧蒸気をタービンに流して発電するための機械的エネルギーを生成し、低圧蒸気を凝縮して水を生成し、それによって、熱を冷却池または他のヒートシンクに排出し、ついで再加熱のために水をポンプでボイラーに戻す。このような戦略に基づいて、11%の効率のシステムを設計する(たとえば、80℃のソース温度の場合の
図16の表に示されている熱バランスモデリングにしたがって熱エネルギーの11%が機械エネルギーに変換される)と、エネルギーの89%が排出される(つまり、処分される、無駄になる)ので、不合理である。
(ii)しかしながら、本明細書に開示されるシステムは、効率がわずか10%程度であることについてあまり関わりがない。本明細書に開示されるシステムは、発電によってシステムを動作させるために必要または利用可能な熱エネルギーを回収し、さらに電力を購入または余剰電力を販売し、ついで、残った熱エネルギーを、生成された電力を使用する熱エネルギーユーザに送って(それに加えて、必要に応じて電力または熱エネルギーの補充)、輸送および送達ループに電力供給することができる。
(iii)熱力学の第2法則の結果は、可逆熱機関の理論上の可逆効率(機械的エネルギーに変換された熱エネルギーの量)は、ヒートシンク温度に対する熱源温度の比の関数(η
th,rev=1ーT
L/T
H、in
oK)である。80℃の熱源温度および約15℃の周囲(ヒートシンク)温度の場合、η
th,rev=0.184(1ー288/353)であるが、0℃のシンク熱の場合、η
th,rev=0.227(1ー273/353)。それぞれ、60℃の源温度の場合、η
th,rev=0.135であり、シンク温度15℃および0℃の場合、η
th,rev=0.180である。よって、本開示の実施形態の一態様は、シンク温度(T
L)が周囲温度よりも低く、それによって、電力を生成するための高価値の機械的エネルギーを生成するためにより多くの源熱エネルギーを利用できるようにすることである。
(e)本開示の実施形態の別の態様および関連する機会は、これらのシステムが、すべての熱エネルギーを1つの供給源から捕捉することを必要としないことである。
図4、5、8、9、10に示すように、本明細書に開示されるシステムは、複数のソースから、および複数のソースの組み合わせから、熱および電力エネルギーにアクセスすることができる。例えば、ソース温度が、このモデルに基づいて、必要な電力の81%しか生成しない80℃である場合、燃料燃焼ヒータボイラーを利用して、ソース温度を、100℃の損益分岐点まで補充することができる。よって、システムは電力要件を自給自足することになり、捕捉された熱エネルギーを補充するために一部の補助燃料が使用され、追加の電力を生成するために必要な補充燃料からのエネルギーの多くは、圧縮器およびポンプによって使用される熱エネルギーが熱エネルギーとして循環LBP流体のエネルギーに伝達されるので、最終的には電力エネルギーとしてユーザに送達されることになる。
【0117】
実施例2:3つの閉ループからなる構成をともなうシステムに基づく、本開示の実施形態による、独立型自給式長距離熱エネルギーおよび発電捕捉、分配、輸送、および貯蔵システムのモデリング
実施例2は、
図13に示すシステム400から拡張された、独立型自給式長距離熱エネルギーおよび発電捕捉、分配、供給、および貯蔵システムのモデリングに関し、拡張された熱エネルギー捕捉および発電モジュールは、電力および熱エネルギーを複数のエネルギーユーザサイトに送達する。モデルのこの部分は、そのようなシステムの工学熱力学がどのように機能するかを示し、そのようなシステムが機能的で実行可能であることを示している。
【0118】
熱エネルギー捕捉および発電ループ内のアンモニアの循環速度が1kg/sの場合、
図23の表に要約されている実施例1のモデリングの結果ならびに
図25の表に要約されている仮定および計算を参照すると、送達ループによって送達されるエネルギー量は1,456kJ/sであり、これは、62の住居に1住居あたり23.4kW(80,000Btu/hr)の熱負荷を供給し得るエネルギー量である。62の送達サイトの各々が、実施例1で概説した1つの送達モデルの1/62の容量および電力要件を持つ送達モジュールを有するため、長距離輸送ループ圧縮器および熱エネルギー送達ループ圧縮機の電力要件は、それぞれ1.0および2.1kW(1.3および2.8hp)で、合計3.1kW(4.1hp)となる。実施例2のモデリング結果は、特に電力がシステムによって供給されるため、システムが住宅地に実行可能な電力要件を提供することを示している。同様に、低温の熱エネルギーの場所のための熱エネルギー捕捉および発電モジュールでの補充電力要件の量は、一住居当たり非常に少ないであろう。
【0119】
実施例1に開示されたモデルの結果に基づくと、1kg/秒のアンモニアの循環速度で捕捉される熱エネルギーの量は、モデル化された熱源温度の範囲に対して1,379~1,538kWの範囲となる。第1の熱エネルギー捕捉および発電ループによって捕捉された熱エネルギーが低エンタルピー地熱エネルギー源からのものであり、それによって深部堆積帯水層の水が、熱エネルギー捕捉および発電ループの第1の熱交換器を通って坑井(複数可)から循環する場合、循環速度は474~226m3/d(すなわち、2,984~1,419bbl/d)に変化する。
【0120】
実施例1のモデルで計算すると、モデル化された温度範囲で生成される電力量は119~278kW(160~373hpに相当)である。
【0121】
例1と同様に、これらの計算は、地熱水を循環させるためのフローラインブースターポンプや圧縮器などの機器および補助装置による電力使用量の計算を含まない単純化されたモデルに基づいている。簡略化されているが、モデルの結果は、本開示の実施形態で概説されているシステムが実行可能であることを確約し、実証している。
【0122】
実施例3:本開示の一実施形態による2閉ループ循環システムの熱力学的モデリング
熱力学的モデリングは、
図4および17に示す2ループ閉ループ循環システムに対して実行され、15℃の周囲温度で動作した。
【0123】
実施例1で説明した簡略化された3ループ熱力学モデルは、2ループ閉ループシステムをモデル化するように変更した。
図17に示すように、2ループ閉ループシステム300は、第3の送達ループを含んでいなかった。
図4および16に示すように、熱交換器34を介して送達ループ136からユーザに熱エネルギーが送達され、それによって送達ループ蒸気が凝縮され、それによってユーザが使用するための熱エネルギーを放出する代わりに、
図12および17に示すように、熱エネルギーが熱交換器337を介して搬送ループ126から直接ユーザに送達され、それによって、搬送ループ蒸気が凝縮され、ユーザが使用するための熱エネルギーを直接放出した。
【0124】
周囲の輸送温度が高いほど、2ループ閉ループシステムが優先され、周囲の輸送温度が低いほど、周囲条件と熱エネルギーユーザとの温度差が大きい3つループ閉システムが優先されることに留意されたい。
【0125】
2ループモデルで使用される動作パラメータを
図28の表に示す。これは、例1(
図18)で使用されているものと同様である。実施例3のエネルギーバランスの結果は、実施例1の場合と同様の方法で、
図29および
図30A、30Bの表に要約されている(
図25、26A、26Bを参照)。
【0126】
シンク温度がより高いため、熱エネルギー捕捉および発電ループでの発電に利用可能な機械的エネルギーの量は少なくなった。ただし、温度上昇が少ないため、送達サイトでユーザに熱エネルギーを送達するために必要な電力量は少なく、このモデルの場合、大幅に相殺された。
【0127】
実施例4:2つの閉ループからなる構成をともなうシステムに基づく、本開示の実施形態による、独立型自給式長距離熱エネルギーおよび発電捕捉、分配、輸送、および貯蔵システムのモデリング。
実施例4は、
図13に示すように構成された独立型自給式長距離熱エネルギーおよび発電捕捉、分配、送達、および貯蔵システムのモデルであり、それによって熱エネルギー捕捉および発電モジュールは、15℃の周囲温度で動作する2閉ループシステム400を利用して、電力および熱エネルギーを複数のユーザサイトに送達する。
【0128】
実施例2のモデルは、
図13に示すようなシステム400が、3ループ閉ループシステムの代わりに2ループ閉ループシステムのために構成されるように変更された。実施例3の場合、モデルのこの部分は、そのようなシステムの工学熱力学がどのように機能するかを示している。
【0129】
熱エネルギー捕捉および発電ループ内のアンモニアの循環速度が1kg/sの場合、
図28の表に要約されている実施例2のモデリングの結果ならびに
図29の表に要約されている仮定および計算を参照すると、
図31に要約されているように、送達ループによって熱エネルギーユーザに送達されるエネルギー量は1,383kJ/sであり、これは、59の住居に1住居あたり23.4kW(80,000Btu/hr)の熱負荷を供給し得るエネルギー量である。59の送達サイトの各々が、実施例3で概説した1つの送達モデルの1/59の容量および電力要件を持つ送達モジュールを有するため、輸送ループ圧縮器の電力要件は、3.0kW(4.0hp)となる。この例は、特に電力がシステムによって供給されるため、住宅地のための機能的で実行可能な電力要件を提供する。同様に、低温の熱エネルギー源のための熱エネルギー捕捉および発電モジュールでの補充電力要件の量は、一住居当たり非常に少ないであろう。
【0130】
実施例2で記載されたモデルの結果に基づくと、1kg/秒のアンモニアの循環速度で捕捉される熱エネルギーの量は、モデル化された熱源温度の範囲に対して1,291~1,444kWの範囲となる。ただし、捕捉された熱エネルギーが低エンタルピー地熱エネルギー源からのものであり、それによって深部堆積帯水層の水が、熱エネルギー捕捉および発電ループの熱交換器を通って坑井(複数可)から循環する場合、循環速度は444~212m3/d(すなわち、2,794~1,332bbl/d)に変化する。
【0131】
実施例1のモデルで計算すると、モデル化された温度範囲で生成される電力量は87~240kW(117~321hpに相当)である。
【0132】
これらの結果は、実施例2で説明した単純化された熱力学モデルに基づいている。モデルは単純化されているが、これらの実施形態に基づくシステムが機能的で実行可能であることを実証するのに役立つ。
【0133】
番号キー
図1~3
100 - 熱エネルギー捕捉および発電、長距離輸送、ならびに単一サイトへの送達をともなう3ループシステム。
図1、2、3
104 - 熱エネルギー源
106 - 送達された捕捉電力源
110 - 熱エネルギー捕捉および発電モジュール
111 - 熱エネルギー捕捉および発電ループ
125 - 長距離輸送モジュール
126 - 長距離輸送ループ
135 - 熱エネルギー送達モジュール
136 - 熱エネルギー送達ループ
140a - 熱ユーザ
140b - 電力ユーザ
5 - 第1の閉ループ配管インフラストラクチャ
6 - 蒸気フローライン(第1の閉ループ)
6m - メーター蒸気フローライン
7 - 液体フローライン(第1の閉ループ)
7m - メーター液体フローライン
10 - 熱交換器、熱エネルギー源104からループ111
11 - タービン、ループ111
12 - 発生器
13 - 熱交換器、ループ111からループ126
14 - ポンプ、ループ111
15 -熱交換器(
図6、7)
16 -膨張弁(
図11)
20 - 第2の閉ループインフラストラクチャ
21 - 蒸気フローライン、ループ126
21a - メーター蒸気フローライン、ループ126モジュール110
21b - メーター蒸気フローライン、ループ126モジュール125
21c - メーター高圧蒸気、ループ126モジュール135
22 - 液体フローライン、ループ126
22a - メーター液体フローライン、ループ126モジュール110
22b - メーター液体フローライン、ループ126モジュール135
22c - メーター高圧液体、ループ126モジュール135
23 - 圧縮器、ループ126
24 - 膨張弁、ループ126
25 - ブースター圧縮器、モジュール125
26 - ブースターポンプ、モジュール125
32 - 熱交換器、ループ126からループ136
33 - 圧縮器、ループ136
34 - 熱交換器、ループ136から熱ユーザ140a
35 - 膨張弁、ループ136
40 - 第3の閉ループ配管インフラストラクチャ
41 - 蒸気フローラインパイプ、熱ユーザ140a供給
41m - メーター、蒸気フローライン41
42 - 液体フローラインパイプ、熱ユーザ140a戻り
42m - メーター、液体フローライン42
50 - 送電ケーブル
50m - メーター、電力ケーブル50
51 - 電力ケーブル、ポンプ14供給
51m - メーター、電力ケーブル51
52 - 制御&通信60への電力ケーブル
52m - メーター、電力ケーブル52
53 - 送電幹線ケーブル、モジュール126
53a - メーター、第2のモジュール125への送電幹線ケーブル53
53b - メーター、電力ユーザ140bへの送電幹線ケーブル53
54 - 電力ケーブル、圧縮器23供給
54m - メーター、電力ケーブル54
55 - 電力ケーブル、圧縮器32供給
55m - メーター、電力ケーブル55
56 - 制御&通信64への電力ケーブル
56m - メーター、電力ケーブル56
60 - 制御&通信システム、モジュール110
62 - 制御システムケーブル、モジュール126
64 - 制御および通信システム、モジュール135
65 - ライン束
図4~7
70 - 地熱源104aから熱交換器10、ループ111への蒸気フローライン
70m - メーター、蒸気フローライン70
71 - 熱交換器10から地熱源104a、ループ111への液体フローライン
71m - メーター、液体フローライン71
72 - 太陽熱源104bから熱交換器10、ループ111への蒸気フローライン
72m - メーター、蒸気フローライン72
73 - 熱交換器10から太陽熱源104b、ループ111への液体フローライン
73m - メーター、液体フローライン73
74 - 廃熱源104cから熱交換器10、ループ111への蒸気フローライン
74m - メーター、蒸気フローライン74
75 - 熱交換器10から廃熱源104c、ループ111への液体フローライン
75m - メーター、液体フローライン75
76 - 熱エネルギー源104から燃料ボイラーヒータ源108、ループ111への液体フローライン
76m - メーター、液体フローライン76
77 - 燃料ボイラーヒータ源108から熱交換器10、ループ111への蒸気フローライン
77m - メーター、蒸気フローライン77
図8~10
78 - 送達された補足電源106からの電力ケーブル
78m - メーター、電力ケーブル78
80 - PVソーラー源106aから補足電力を搬送する電力ケーブル
80m - メーター、電力ケーブル80
81 - 電力網106bから補足電力を搬送する電力ケーブル
81m - メーター、電力ケーブル81
82 - スマートエネルギー網106cから補足電力を搬送する電力ケーブル
82m - メーター、電力ケーブル82
83 - ローカル分散網106dから補足電力を搬送する電力ケーブル
83m - メーター、電力ケーブル83
図11
200 - 発電をともなわない3ループシステム
204 - 熱エネルギー源
206 - 補助電源から送達された補助電力
210 - 熱エネルギー捕捉および発電モジュール
211 - 熱エネルギー捕捉および発電ループ
225 - 長距離輸送モジュール
226 - 長距離輸送ループ
図12
300 - 2ループシステム、輸送ループは送達ループ(
図10)
335 - 送達モジュール
336 -送達ループ
337 - 遠距離輸送ループ126と連通する熱交換器
338 - 熱交換器337から熱ユーザ340aへの蒸気フローライン
338m - メーター蒸気フローライン
339 - 熱ユーザ340aから熱交換器337への液体フローライン
339m - メーター液体フローライン
図13
400 - 熱エネルギーの捕捉および発電、長距離輸送、ならびに複数のサイトへの送達をともなう3閉ループシステム
410 - 熱エネルギー捕捉および発電モジュール
425 - 長距離捕捉熱エネルギーおよび送電幹線輸送モジュール
425a - ユーザ「a」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
425b - ユーザ「b」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
425c - ユーザ「c」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
425d - ユーザ「d」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
425e - ユーザ「e」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
425f - ユーザ「f」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
425g - ユーザ「g」への分岐熱エネルギー送達輸送モジュール
435a - ユーザ「a」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
435b - ユーザ「b」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
435c - ユーザ「c」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
435d - ユーザ「d」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
435e - ユーザ「e」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
435f - ユーザ「f」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
435g - ユーザ「g」への熱エネルギーおよび電力送達モジュール
図14および15
500 - 複数の熱エネルギー捕捉および発電ループならびに複数の熱エネルギーおよび電力送達サイトと相互接続された主要な長距離輸送幹線を有する熱エネルギー捕捉および分配システム
502 - 廃熱エネルギー源
502a - 502~525までの分岐輸送ライン
504 - 太陽熱エネルギー源
504a - 504~540bへの輸送ライン
506a - PVソーラーから発電するためのモジュール
506aa - 506a~525までの分岐輸送ライン
506b - 太陽熱から熱エネルギーを捕捉ためのモジュール
506bb - 506a~525までの分岐輸送ライン
510a - 熱エネルギー捕捉および発電モジュールの第1の設置(ヒートシンクストレージ付き)
510b - 熱エネルギー捕捉および発電モジュールの第2の設置(補助燃料燃焼熱源付き)
510c - 熱エネルギー捕捉および発電モジュールの第3の設置
510d - 熱エネルギー捕捉および発電モジュールの第4の設置(太陽熱からの熱エネルギー、PVソーラーからの発電、ヒートシンクストレージ、電力ストレージ)
515a - 電力貯蔵モジュール
515aa - 515aと525との間の電力ケーブル
515b - 地熱蓄熱モジュール
515bb - 515bから525への分岐輸送ライン
525 - 長距離捕捉熱エネルギーおよび送電幹線搬送モジュール
525a - 510aからの分岐輸送ライン
525b - 510bからの分岐輸送ライン
525c - 510cからの分岐輸送ライン
525d - 525dとの間の分岐輸送ライン
535a - 540aへの分岐輸送ライン
535b - 540bへの分岐輸送ライン
535c - 540cへの分岐輸送ライン
535d - 540dへの分岐輸送ライン
535e - 540eへの分岐輸送ライン
540f - 540fへの分岐輸送ライン
540g - 540gまでの分岐輸送ライン
540h - 540hへの分岐輸送ライン
540a - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540b - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540c - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540d - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540e - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540f - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540g - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
540h - 熱および電力送達モジュール/ユーザ
551 - 地熱源
552 -廃熱源
553 - 燃料燃焼熱源
554 - 太陽熱源
555 - 熱源発電
556 - 燃料燃焼発電
557 -風力発電
558 - PVソーラー発電
559 - 熱ユーザ
560 - 電力ユーザ
561 - 地熱ヒートシンク貯蔵モジュール
562 -電力貯蔵モジュール
図16
111-1 - 状態点1、ループ111
111-2 - 状態点2、ループ111
111-3 - 状態点3、ループ111
111-4 - 状態点4、ループ111
126-5 - 状態点5、ループ126
126-6 - 状態点6、ループ126
126-7 - 状態点7、ループ126
126-8 - 状態点8、ループ126
126-9- 状態点9、ループ126
126-10 - 状態点10、ループ126
136-11 - 状態点11、ループ136
136-12 - 状態点12、ループ136
136-13 - 状態点13、ループ136
136-14 - 状態点14、ループ136
図15
326-6 - 状態点6、ループ326
326-7 - 状態点7、ループ326
326-8 - 状態点8、ループ326
326-9- 状態点9、ループ326