(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】有機汚染土壌を修復するための強制換気-らせん攪拌熱脱着装置
(51)【国際特許分類】
B09C 1/06 20060101AFI20220202BHJP
B01F 27/72 20220101ALI20220202BHJP
B01F 35/10 20220101ALI20220202BHJP
B01F 35/00 20220101ALI20220202BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20220202BHJP
B01F 35/95 20220101ALI20220202BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
B09C1/06
B01F7/08 A
B01F15/00 D
B01F15/00 Z
B01F15/02 B
B01F15/06 A
B01D53/78
(21)【出願番号】P 2021006775
(22)【出願日】2021-01-19
【審査請求日】2021-01-19
(31)【優先権主張番号】202010576256.2
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507255592
【氏名又は名称】南京▲農業▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】高彦征
(72)【発明者】
【氏名】孔火良
(72)【発明者】
【氏名】王建
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101972773(CN,A)
【文献】特開2005-334699(JP,A)
【文献】特開2005-144270(JP,A)
【文献】特開2009-066494(JP,A)
【文献】特開2012-161768(JP,A)
【文献】特表2017-512638(JP,A)
【文献】国際公開第2013/150660(WO,A1)
【文献】特開2015-077548(JP,A)
【文献】特開2010-152972(JP,A)
【文献】特開昭50-152972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09C 1/00-1/10
B01D 53/34-53/73、53/74-53/85、53/92、53/96
B01F 7/08
B01F 15/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座(10)に取り付けられ有機汚染土壌を攪拌するためのらせん攪拌熱分解部(1)
と、
前記らせん攪拌熱分解部(1)は、台座(10)に取り付けられた熱分解筒(11)
と、熱分解筒(11)の内部に取り付けられたスパイラルアジテーター(12)と、モー
タベース(140)を介して台座(10)に取り付けられ減速機(13)を介してスパイ
ラルアジテーター(12)に接続される第1のモータ(14)とを備え、前記熱分解筒(
11)に有機汚染土壌を投入するためのホッパー(110)と、および熱分解された有機
汚染土壌を排出するための排出ホッパー(111)とが設けられ、熱分解筒(11)の内
側壁に電気加熱管(112)が嵌め込まれ、前記スパイラルアジテーター(12)は中空
の攪拌軸(120)および前記攪拌軸(120)に取り付けられたらせんブレード(12
1)を含み、
前記らせん攪拌熱分解部(1)に取り付けられ有機汚染土壌を加熱するための予熱換気
部(2)と、
前記予熱換気部(2)は、前記攪拌軸(120)の内部に取り付けられた空気加熱管
(20)と、および前記熱分解筒(11)に取り付けられ前記空気加熱管(20)に接続
されたブロワー(21)とを含み、前記攪拌軸(120)に、空気加熱管(20)と熱分
解筒(11)を連通するためのガスノズル(22)が設けられ、
前記台座(10)に取り付けられ前記らせん攪拌熱分解部(1)と連通し、誘導ドラフ
トファン(34)を有する排気ガス処理部(3)と、
排気ガス処理部(3)は、前記台座(10)に取り付けられた処理ボックス(30)と
、前記処理ボックス(30)内の底部に取り付けられパイプ(300)を介して熱分解筒
(11)に接続されたガス均一化プレート(31)と、前記処理ボックス(30)の内部
に取り付けられガス均一化プレート(31)の上端に位置するスプレースローアー(32
)と、前記処理ボックス(30)内の頂部に取り付けられたガス吸着フレーム(33)と
、前記処理ボックス(30)の頂部に取り付けられた誘導ドラフトファン(34)とを含
み、前記ガス均一化プレート(31)の上端面に複数のエアダクト(310)が均一に設
けられ、前記スプレースローアー(32)は貯水トレイ(320)およびスプレーパイプ
(321)を含み、前記貯水トレイ(320)は外部の水源に接続され、貯水トレイ(3
20)に貫通穴が設けられ、前記スプレーパイプ(321)は貯水トレイ(320)の下
端面に設けられ、その数と位置は前記エアダクト(310)に1対1で対応し、前記吸着
フレーム(33)に吸着剤が充填され、
台座(1)に取り付けられ、前記電気加熱管(112)、第1のモータ(14)、空気
加熱管(20)、ブロワー(21)および誘導ドラフトファン(34)の動作を制御する
ための制御部と、
を含むことを特徴とする有機汚染土壌を修復するための強制換気-らせん攪拌熱脱着装
置。
【請求項2】
前記熱分解筒(11)に土壌予熱部(4)が設けられ、土壌予熱部(4)は予熱筒(40
)および電気加熱ロッド(41)を含み、前記予熱筒(40)と熱分解筒(11)の接続
部に通路(400)が設けられ、予熱筒(40)の内部の左端に第1の仕切り板(401
)が設けられ、前記電気加熱ロッド(41)が予熱筒(40)の内部に回転可能に係合さ
れ、第1の仕切り板(401)を貫通し、電気加熱ロッド(41)の周方向に複数の加熱
フィン(410)が均一に設けられ、前記加熱フィン(410)の電気加熱ロッド(41
)から離れた一端に弧状のシャベルプレート(411)が設けられ、電気加熱ロッド(4
1)の左端に第1のプーリー(412)が設けられ、前記熱分解筒(11)の内部の左端
に第2の仕切り板(113)が設けられ、前記攪拌軸(120)は第2の仕切り板(11
3)を貫通し、第2の仕切り板(113)の左側に第2のプーリー(1200)が設けら
れ、前記第2のプーリー(1200)と第1のプーリー(412)はベルトによって駆動
され、前記ホッパー(110)はブラケット(1100)を介して台座(10)に固定的
に接続され、ホッパー(110)は予熱筒(40)と連通する、ことを特徴とする請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記攪拌軸(120)に掃除スクレーパー(122)が設けられ、前記掃除スクレーパー
(122)は熱分解筒(11)の内壁に当接される、ことを特徴とする請求項1に記載の
装置。
【請求項4】
パイプ(300)には順次、熱交換器(35)およびバッグ式ダストリムーバー(36)
が接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機汚染の修復機器の技術分野に関し、具体的には有機汚染土壌を修復するた
めの強制換気-らせん攪拌熱脱着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中国の工業化と都市化の加速、都市計画の調整、都市拡大、機能ゾーン、都市レイ
アウト、多数の汚染企業の移転に伴い、多数の汚染された工業用地を置き去り、その結果
としての環境汚染事故、人間の健康への損害は、都市の土地の開発と利用を制限する主要
な要因になっている。調査によると、汚染企業の転移地からの汚染物質は主に有機汚染物
質と重金属などを含み、その中で揮発性/半揮発性有機汚染物質は生態環境と人間の健康
に大きな影響を及ぼす。
【0003】
熱脱着法は、工業用地における揮発性/半揮発性の有機汚染の修復方法である。汚染され
た土壌を加熱することにより、汚染土壌を十分な温度まで昇温させ、揮発性/半揮発性の
有機汚染物質を土壌から揮発・分離させて、土壌を浄化することができる。他の技術と比
較して、熱脱着法には、高効率、高速、安全性という利点がある。熱脱着装置の修復効果
の鍵は、十分に高い加熱温度を提供し、揮発したガス状態の汚染物質を土壌から迅速に分
離できるかどうかである。
【0004】
しかし、既存の有機汚染土壌の熱分解修復装置には、機器の構造が複雑で面積が大きく、
メンテナンスや使用に役立たなく、汚染土壌の加熱効果が理想的ではなく、土壌中の沸点
が高い汚染物質は揮発して除去するのが難しく、排気ガスの処理が徹底的ではなく、環境
に二次損害を及ぼすなどの欠点がある。
【発明の概要】
【0005】
上記の既存の技術的問題を考慮して、本発明は、顕著な処理修復効果を持ち、有機汚染土
壌を修復するための強制換気-らせん攪拌熱脱着装置を提供する。
【0006】
本発明の技術的解決策は以下の通りである。
有機汚染土壌を修復するための強制換気-らせん攪拌熱脱着装置は、
台座に取り付けられた熱分解筒と、熱分解筒の内部に取り付けられたスパイラルアジテー
ターと、モータベースを介して台座に取り付けられ減速機を介してスパイラルアジテータ
ーに接続される第1のモータとを備え、熱分解筒に有機汚染土壌を投入するための給料ホ
ッパー、および熱分解された有機汚染土壌を排出するための排出ホッパーが設けられ、熱
分解筒の内側壁に電気加熱管が嵌め込まれ、スパイラルアジテーターは中空の攪拌軸およ
び攪拌軸に取り付けられたらせんブレードを含む、台座に取り付けられ有機汚染土壌を攪
拌するためのらせん攪拌熱分解部と、
攪拌軸の内部に取り付けられた空気加熱管、および熱分解筒に取り付けられ空気加熱管に
接続されたブロワーを含み、攪拌軸に、空気加熱管と熱分解筒を連通するためのガスノズ
ルが設けられる、らせん攪拌熱分解部に取り付けられ有機汚染土壌を加熱するための予熱
換気部と、
台座に取り付けられた処理ボックスと、処理ボックス内の底部に取り付けられパイプを介
して熱分解筒に接続されたガス均一化プレートと、処理ボックスの内部に取り付けられガ
ス均一化プレートの上端に位置するスプレースローアーと、処理ボックス内の頂部に取り
付けられたガス吸着フレームと、処理ボックスの頂部に取り付けられた誘導ドラフトファ
ンとを含み、ガス均一化プレートの上端面に複数のエアダクトが均一に設けられ、スプレ
ースローアーは貯水トレイおよびスプレーパイプを含み、貯水トレイは外部の水源に接続
され、貯水トレイに貫通穴が設けられ、スプレーパイプは貯水トレイの下端面に設けられ
、その数と位置はエアダクトに1対1で対応し、吸着フレームに吸着剤が充填される、台
座に取り付けられらせん攪拌熱分解部と連通する排気ガス処理部と、
台座に取り付けられ、電気加熱管、第1のモータ、空気加熱管、ブロワーおよび誘導ドラ
フトファンの動作を制御するための制御部と、を含む。
【0007】
本発明の一態様として、熱分解筒に土壌予熱部が設けられ、土壌予熱部は予熱筒および電
気加熱ロッドを含み、予熱筒と熱分解筒の接続部に通路が設けられ、予熱筒の内部の左端
に第1の仕切り板が設けられ、電気加熱ロッドが予熱筒の内部に回転可能に係合され、第
1の仕切り板を貫通し、電気加熱ロッドの周方向に複数の加熱フィンが均一に設けられ、
加熱フィンの電気加熱ロッドから離れた一端に弧状のシャベルプレートが設けられ、電気
加熱ロッドの左端に第1のプーリーが設けられ、熱分解筒の内部の左端に第2の仕切り板
が設けられ、攪拌軸は第2の仕切り板を貫通し、第2の仕切り板の左側に第2のプーリー
が設けられ、第2のプーリーと第1のプーリーはベルトによって駆動され、給料ホッパー
はブラケットを介して台座に固定的に接続され、給料ホッパーは予熱筒と連通するため、
有機汚染土壌は土壌予熱部によって予熱処理され、土壌中の水分が効果的に蒸発され、土
壌がクラスターに付着するのを防ぎ、土壌加熱効果を高め、有機汚染土壌の熱分解効率を
向上させることができる。
【0008】
特に適しているのは、土壌予熱部は4つ設けられ、熱分解筒の外壁に取付フレームが回転
可能に係合され、熱分解筒の一端がモータベースに接続され、他端が支持板を介して台座
に接続され、4つの予熱部は熱分解筒の外周に均一に分布され、取付フレームに固定的に
接続され、各予熱部と給料ホッパーの接続部にそれぞれ摺動式シーリングプレートが設け
られ、熱分解筒との接続部に回転式給料プレートが設けられ、取付フレームの両端にそれ
ぞれ環状歯車が設けられ、台座の上端面の両側にそれぞれ第2のモータおよび取付板が設
けられ、取付板に歯車が回転可能に係合され、歯車は環状歯車に噛み合って接続され、第
2のモータは歯車に動力を提供するため、4つの土壌予熱部により、第2のモータによっ
て取付フレームを回転させ、また各土壌予熱部を回転させ、土壌予熱部内の土壌が加熱さ
れて熱分解筒の頂部まで回転すると、回転式給料プレートを通じて熱分解筒に進入し、装
置の単位時間あたりの汚染土壌の処理量を高めるだけでなく、有機汚染土壌の加熱がより
完全になり、土壌中の有機汚染物質の除去効率を向上させることができる。
【0009】
本発明の一態様として、スプレーパイプは貯水トレイに回転可能に係合され、スプレーパ
イプの頂部に回転ブレードが設けられ、スプレーパイプはエアダクトの外部に嵌設され、
スプレーパイプの内壁は中空であり、かつスプレー穴が設けられるため、外部の水流が貯
水トレイに進入すると、回転ブレードが水流外乱の作用下でスプレーパイプを回転させ、
エアダクトから排出された排気ガスをより総合的に洗浄することができる。
【0010】
本発明の一態様として、攪拌軸に掃除スクレーパーが設けられ、掃除スクレーパーは熱分
解筒の内壁に当接されるため、掃除スクレーパーの設置により、攪拌軸の回転中に、掃除
スクレーパーが熱分解筒の内壁に密着して回転し、熱分解筒に付着した土壌を掃除し、電
気加熱管の熱伝達効率を高め、土壌中の有機汚染物質の完全な揮発に促進することができ
る。
【0011】
本発明の一態様として、パイプには順次、熱交換器およびバッグ式ダストリムーバーが接
続されるため、熱交換器によって排気ガス中の熱を回収および利用し、排気ガス中の有機
汚染物質の脱着に寄与し、バッグ式ダストリムーバーによって排気ガス中の粒子状の不純
物を掃除し、後続の機器の負荷を低減することができる。
【0012】
本発明の動作原理は以下の通りである。本装置の電気加熱管、第1のモータ、第2のモー
タ、空気加熱管、ブロワー、および誘導ドラフトファンがそれぞれ外部電源に接続され、
コントローラーによって電気加熱管、第1のモータ、空気加熱管およびブロワーを制御し
て始動させ、
洗浄した有機汚染土壌を給料ホッパーから一方の予熱筒に投入し、予熱筒中の電気加熱ロ
ッド、加熱フィンおよび弧状のシャベルプレートによって有機汚染土壌を予熱・攪拌し、
土壌の攪拌中、予熱筒の左側に移動し、回転式給料プレートを通じて熱分解筒に入り、
コントローラーによって第2のモータを制御して始動させ、対応の予熱筒上の摺動式シー
リングプレートを閉じ、第2のモータによって取付フレームを回転させ、汚染土壌が給料
ホッパーを通じて次の予熱筒に入り、最終的に回転式給料プレートを通じて熱分解筒に入
り、
熱分解筒に入った有機汚染土壌は攪拌らせんの作用下で排出ホッパーに連続的に移動し、
汚染土壌が電気加熱管によって再び加熱され、空気加熱管で加熱された空気がブロワーに
よってガスノズルから汚染土壌に吹き込まれ、
コントローラーによって誘導ドラフトファンを制御して始動させ、熱分解された土壌は排
出ホッパーから熱分解筒に排出され、熱分解中に生成された排気ガスがパイプを介して熱
交換器およびバッグ式ダストリムーバーに入り、最終的に処理ボックスに入り、ガス均一
化プレートを介した排気ガスが各エアダクトからオーバーフローし、外部洗剤が貯水トレ
イに供給されると、回転ブレードは水流外乱の作用下でスプレーパイプを回転させ、スプ
レー穴からスプレーされた洗剤で有機排気ガスを洗浄し、洗浄後の排気ガスが貯水トレイ
上の貫通穴から吸着剤に入り吸着処理され、最終的に処理ボックスから排出される。
【0013】
本発明は、構造の設計が合理的であり、機器がコンパクトで、省スペース、面積が小さく
、機器設置のための現場条件の要件を低減し、電気加熱管付きの熱分解筒によって有機汚
染土壌を加熱処理し、同時に空気加熱管によって汚染土壌中に熱空気を吹き込んで、土壌
を攪拌しながら熱空気と接触させ、汚染土壌の加熱効果を高め、また土壌中の有機汚染物
質の脱附効率を向上させることができ、予熱筒によって汚染土壌を予熱処理し、さらに土
壌加熱効果を高め、排気ガス処理部によって土壌の熱分解で生成された排気ガスを収集お
よび浄化処理し、従来の焼却方法で排気ガスを処理する時に生成するダイオキシンなどの
有害物質の現象を回避でき、有害ガスの排出を効果的に削減し、排出を環境保護要件に適
合させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明の実施例1における熱分解筒の内部構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例3における予熱筒と熱分解筒の接続概略図である。
【
図6】本発明の実施例3における取付フレームと熱分解筒の接続概略図である。
【
図7】本発明の実施例3における第2のプーリーと第1のプーリーの接続概略図である。
【
図8】本発明の実施例3における取付フレームと台座の接続概略図である。
【0015】
[符号の説明]
1 らせん攪拌熱分解部
10 台座
11 熱分解筒
110 給料ホッパー
1100 ブラケット
111 排出ホッパー
112 電気加熱管
113 第2の仕切り板
12 スパイラルアジテーター
120 攪拌軸
1200 第2のプーリー
121 らせんブレード
122 掃除スクレーパー
13 減速機
14 第1のモータ
140 モータベース
15 取付フレーム
150 環状歯車
151 第2のモータ
152 取付板
153 歯車
2 予熱換気部
20 空気加熱管
21 ブロワー
22 ガスノズル
3 排気ガス処理部
30 処理ボックス
300 パイプ
31 ガス均一化プレート
310 エアダクト
32 スプレースローアー
320 貯水トレイ
321 スプレーパイプ
3210 回転ブレード
3211 スプレー穴
33 ガス吸着フレーム
34 誘導ドラフトファン
35 熱交換器
36 バッグ式ダストリムーバー
4 土壌予熱部
40 予熱筒
400 通路
401 第1の仕切り板
41 電気加熱ロッド
410 加熱フィン
411 弧状のシャベルプレート
412 第1のプーリー
42 摺動式シーリングプレート
43 回転式給料プレート
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例1:
図1に示す有機汚染土壌を修復するための強制換気-らせん攪拌熱脱着装置は
、
台座10に取り付けられた熱分解筒11、熱分解筒11の内部に取り付けられたスパイラ
ルアジテーター12、モータベース140を介して台座10に取り付けられ減速機13を
介してスパイラルアジテーター12に接続された第1のモータ14を含み、熱分解筒11
に有機汚染土壌を投入するための給料ホッパー110、熱分解された有機汚染土壌を排出
するための排出ホッパー111が設けられ、熱分解筒11の内側壁に電気加熱管112が
嵌め込まれ、スパイラルアジテーター12は、中空の攪拌軸120および攪拌軸120に
取り付けられたらせんブレード121を含む、台座10に取り付けられ有機汚染土壌を攪
拌するためのらせん攪拌熱分解部1と、
図1、2に示すように、攪拌軸120の内部に取り付けられた空気加熱管20、熱分解筒
11に取り付けられ空気加熱管20に接続されたブロワー21を含み、攪拌軸120に空
気加熱管20と熱分解筒11を連通するためのガスノズル22が設けられる、らせん攪拌
熱分解部1に取り付けられ有機汚染土壌を加熱するための予熱換気部2と、
台座10に取り付けられた処理ボックス30、処理ボックス30内の底部に取り付けられ
パイプ300を介して熱分解筒11に接続されたガス均一化プレート31、処理ボックス
30の内部に取り付けられガス均一化プレート31の上端に位置するスプレースローアー
32、処理ボックス30内の頂部に取り付けられたガス吸着フレーム33、および処理ボ
ックス30の頂部に取り付けられた誘導ドラフトファン34を含み、ガス均一化プレート
31の上端面に複数のエアダクト310が均一に設けられ、スプレースローアー32は貯
水トレイ320およびスプレーパイプ321を含み、貯水トレイ320は外部水源に接続
され、貯水トレイ320に貫通穴が設けられ、スプレーパイプ321は貯水トレイ320
の下端面に設けられ、その数と位置はエアダクト310に1対1で対応し、吸着フレーム
33に活性化炭素吸着剤が充填される、台座10に取り付けられ旋攪拌熱分解部1と連通
する排気ガス処理部3と、
台座1に取り付けられ電気加熱管112、第1のモータ14、空気加熱管20、ブロワー
21および誘導ドラフトファン34の動作を制御するための制御部と、を含み、電気加熱
管112、第1のモータ14、空気加熱管20、ブロワー21および誘導ドラフトファン
34はそれぞれ市販されている製品である。
【0017】
実施例2:実施例1との違いは以下の通りである。
図3に示すように、熱分解筒11に土壌予熱部4が設けられ、土壌予熱部4は予熱筒40
および電気加熱ロッド41を含み、予熱筒40と熱分解筒11の接続部に通路400が設
けられ、予熱筒40の内部の左端に第1の仕切り板401が設けられ、電気加熱ロッド4
1は予熱筒40の内部に回転可能に係合され、かつ第1の仕切り板401を貫通し、電気
加熱ロッド41の周方向に複数の加熱フィン410が均一に設けられ、加熱フィン410
の電気加熱ロッド41から離れた一端に弧状のシャベルプレート411が設けられ、電気
加熱ロッド41の左端に第1のプーリー412が設けられ、熱分解筒11の内部の左端に
第2の仕切り板113が設けられ、攪拌軸120は第2の仕切り板113を貫通し、第2
の仕切り板113の左側に第2のプーリー1200が設けられ、第2のプーリー1200
と第1のプーリー412はベルトによって駆動され、給料ホッパー110はブラケット1
100を介して台座10に固定的に接続され、給料ホッパー110は予熱筒40と連通し
、有機汚染土壌は土壌予熱部4によって予熱処理され、土壌中の水分を効果的に蒸発させ
、土壌が付着してクラスターを形成するのを防ぎ、土壌の加熱効果を高め、有機汚染土壌
の熱分解効率を向上させ、電気加熱ロッド41は市販されている製品である。
【0018】
実施例3:実施例2との違いは以下の通りである。
図4、5、6、7、8、9に示すように、土壌予熱部4は4つ設けられ、熱分解筒11の
外壁に取付フレーム15が回転可能に係合され、熱分解筒11の一端がモータベース14
0に接続され、他端が支持板を介して台座10に接続され、4つの予熱部4は熱分解筒1
1の外周に均一に分布され、取付フレーム15に固定的に接続され、各予熱部4と給料ホ
ッパー110の接続部にそれぞれ摺動式シーリングプレート42が設けられ、熱分解筒1
1との接続部に回転式給料プレート43が設けられ、取付フレーム15の両端にそれぞれ
環状歯車150が設けられ、台座10の上端面の両側にそれぞれ第2のモータ151およ
び取付板152が設けられ、取付板152に歯車153が回転可能に係合され、歯車15
3は環状歯車150に噛み合って接続され、第2のモータ151は歯車153に動力を提
供し、4つの土壌予熱部4によって、第2のモータ151で取付フレーム15を回転させ
、また各土壌予熱部4を回転させ、土壌予熱部4内の土壌が加熱されて熱分解筒11の頂
部まで回転すると、回転式給料プレート43を通じて熱分解筒11に進入し、装置の単位
時間当たりの汚染土壌の処理量を高めるだけでなく、有機汚染土壌がより完全に加熱され
、土壌中の有機汚染物質の除去効率を向上させ、第2のモータ151は市販されている製
品である。
【0019】
実施例4:実施例1との違いは以下の通りである。
図10に示すように、スプレーパイプ321は貯水トレイ320に回転可能に係合され、
スプレーパイプ321の頂部に回転ブレード3210が設けられ、スプレーパイプ321
はエアダクト310の外部に嵌設され、スプレーパイプ321の内壁は中空であり、スプ
レー穴3211が設けられ、外部の水流が貯水トレイ320に進入すると、回転ブレード
3210は水流の外乱作用下でスプレーパイプ321を回転させ、エアダクト310から
排出された排気ガスがより総合的に洗浄され得る。
【0020】
実施例5:実施例1との違いは以下の通りである。
図11に示すように、攪拌軸120に掃除スクレーパー122が設けられ、掃除スクレー
パー122は熱分解筒11の内壁に当接され、掃除スクレーパー122によって、攪拌軸
120の回転中、掃除スクレーパー122を熱分解筒11の内壁に密着して回転させ、熱
分解筒11に付着した土壌を掃除し、電気加熱管112の熱伝達効率を高め、土壌中の有
機汚染物質の完全な揮発を促進する。
【0021】
実施例6:実施例1との違いは以下の通りである。
図12に示すように、パイプ300に順次、熱交換器35およびバッグ式ダストリムーバ
ー36が接続され、熱交換器35によって排気ガス中の熱を回収および利用し、排気ガス
中の有機汚染物質の脱着を促進し、バッグ式ダストリムーバー36によって排気ガス中の
粒子状の不純物を掃除し、後続の機器の負荷が削減され、熱交換器35とバッグ式ダスト
リムーバー36はそれぞれ市販されている製品である。
【0022】
実施例7:実施例3との違いは以下の通りである。
図13に示すように、スプレーパイプ321は貯水トレイ320に回転可能に係合され、
スプレーパイプ321の頂部に回転ブレード3210が設けられ、スプレーパイプ321
はエアダクト310の外部に嵌設され、スプレーパイプ321の内壁は中空であり、スプ
レー穴3211が設けられ、外部の水流が貯水トレイ320に進入すると、回転ブレード
3210は水流の外乱作用下でスプレーパイプ321を回転させ、エアダクト310から
排出された排気ガスがより総合的に洗浄される。
【0023】
実施例8:実施例7との違いは以下の通りである。
図14に示すように、攪拌軸120に掃除スクレーパー122が設けられ、掃除スクレー
パー122は熱分解筒11の内壁に当接され、掃除スクレーパー122によって、攪拌軸
120の回転中、掃除スクレーパー122を熱分解筒11の内壁に密着して回転させ、熱
分解筒11に付着した土壌を掃除し、電気加熱管112の熱伝達効率を向上させ、土壌中
の有機汚染物質の完全な揮発を促進する。
【0024】
実施例9:実施例8との違いは以下の通りである。
図15に示すように、パイプ300に順次熱交換器35およびバッグ式ダストリムーバー
36が接続され、熱交換器35によって排気ガス中の熱を回収および利用し、排気ガス中
の有機汚染物質の脱着を促進し、バッグ式ダストリムーバー36によって排気ガス中の粒
子状の不純物を掃除し、後続の機器の負荷が削減され、熱交換器35とバッグ式ダストリ
ムーバー36はそれぞれ市販されている製品である。
実験例1:実施例1~9の装置によってそれぞれ特定の地域の同じ有機汚染土壌を修復し
た。修復中、有機汚染土壌の最大加熱温度および単位時間当たりの処理量は表1に示され
る。
【0025】
表1:様々な構造の装置による有機汚染土壌の最大加熱温度および単位時間当たりの処理
量
【0026】
実験例2:実施例1~9の装置によってそれぞれ特定の地域の有機汚染土壌を修復した、
土壌中の有機汚染物質の除去率は表2に示される。
【0027】
表2:様々な構造の装置による土壌中の有機汚染物質の除去率
【0028】
表1および表2のデータを総合的に比較して分かるように、実施例2は実施例1と比較し
て、土壌予熱部を使用しているため、土壌中の水分が効果的に蒸発し、有機汚染土壌の最
大加熱温度がさらに上昇し、同時に有機汚染土壌の単位時間当たりの処理量も向上し、土
壌中の揮発性有機物質と半揮発性有機物質の除去率を向上させ、実施例3は実施例2と比
較して、4つの土壌予熱部を使用して汚染土壌を予熱処理するため、有機汚染土壌の最大
加熱温度および単位時間当たりの処理量を大幅に増やし、土壌中の半揮発性有機物質除去
率をさらに向上させ、実施例4は実施例1と比較して、そして実施例7は実施例4と比較
して、スプレーパイプ1の頂部に回転ブレードを設けるため、回転のスプレーパイプによ
って有機排気ガスを洗浄処理し、排気ガス中の有機汚染物質の含有量を低減し、有機汚染
物質の除去率を向上させ、実施例5は実施例1と比較して、そして実施例8は実施例7と
比較して、攪拌軸に掃除スクレーパーを設けるため、電気加熱管の熱伝達効率が改善され
、さらに汚染土壌の最大加熱温度を高め、有機汚染物質の除去効率を向上させ、実施6は
実施例1と比較して、そして実施例9は実施例8と比較して、パイプに熱交換器およびバ
ッグ式ダストリムーバーを設けるため、排気ガス中の有機汚染物質が効果的に脱着され、
同時にバッグ式ダストリムーバーによって排気ガス中の粒子状の不純物を掃除し、後続の
機器の負荷を削減して、機器の汚染土壌の処理効率を向上させることができる。