(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】スライド情報管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220202BHJP
【FI】
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2020067573
(22)【出願日】2020-04-03
(62)【分割の表示】P 2014185372の分割
【原出願日】2014-09-11
【審査請求日】2020-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】511113970
【氏名又は名称】株式会社インタラクティブソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【氏名又は名称】新井 全
(72)【発明者】
【氏名】関根 潔
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-184576(JP,A)
【文献】特開2006-325037(JP,A)
【文献】特開2007-080257(JP,A)
【文献】特開2014-160437(JP,A)
【文献】特開2013-186493(JP,A)
【文献】特開2005-346711(JP,A)
【文献】特開2012-048301(JP,A)
【文献】特開2006-039691(JP,A)
【文献】特開2006-106902(JP,A)
【文献】特開2006-031417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
営業活動用スライドを有する営業情報管理装置と、
前記営業情報管理装置と通信可能で営業担当者が所持する端末と、を備えるスライド情報管理システムであって、
前記営業活動用スライドは
、説明項目を有し、
前記説明項目には、それぞれテーマ情報が関連付けられており、
前記端末は、表示部を有すると共に、前記営業情報管理装置から前記営業活動用スライドを受信する構成であ
り、
前記表示部に複数種類の前記説明項目を表示し、
前記説明項目の1つが選択されると、選択された説明項目と関連する前記スライドが表示され、
選択された前記スライドに表示されている前記説明項目には、それぞれ次の前記スライドに遷移させる変更部が関連付けて並べて表示され、
前記変更部が選択されると、選択された前記説明項目と、遷移後の前記スライドが記憶される構成であることを特徴とするスライド情報管理システム。
【請求項2】
前記
端末が、前記営業情報管理装置の前記営業活動用スライドの前記説明項目若しくは前記テーマ情報から使用予定の前記営業活動用スライドを選択する際に、前記営業対象者の属性情報に基づいて前記使用予定の前記営業活動用スライドの候補を前記表示部に自動的に表示し、説明したスライドの前記説明項目の遷移の履歴情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載のスライド情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、営業担当者等が端末等で使用する営業内容等の営業情報を管理するスライド情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、営業担当者の営業活動の内容を把握するための提案がなされている(例えば、特許文献1)。
また、近年、営業担当者は、ディスプレイが大きく形成されている所謂、タブレット型と称される携帯端末を持参して、営業活動を行うため、各担当者が所属する企業等では、このタブレットのディスプレイに表示するための営業用のスライドを予め準備している。
したがって、各営業担当者は、自己のタブレットに、この営業用スライドを記憶させて、担当する顧客先を訪問し、この営業用スライドを顧客に示しながら営業する形態が一般的となっている。
【0003】
このため、営業担当者を管理する企業は、各営業担当者が、各スライドをどの順番で、どのくらいの時間、顧客に示したか等をモニターし、結果である売上等と比較して、各営業担当者の営業活動を管理等している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、同じようにスライドを使用している営業担当者間でも、その結果としての売上が大きく相違する場合がある。この相違を把握するには、各営業担当者が各スライドでどのようなメッセージ(テーマ)を顧客に伝えたか明確にする必要があるが、これは、タブレットにおけるスライドの表示時間や表示順の情報を各タブレットから取得するだけでは把握することができない。
そこで、各企業は、営業担当者に、どのようなメッセージを顧客に伝えたかを申告させたり、外部の調査会社等を介して調査したりしている。
しかしながら、このような方法では、申告漏れ等も多く、正確な情報を把握できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、各営業担当者等がタブレット等の端末に表示したスライド等の営業情報を用いて顧客等の対象者に伝達したメッセージ等のテーマを正確に把握することができるスライド情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明によれば、営業活動用スライドを有する営業情報管理装置と、前記営業情報管理装置と通信可能で営業担当者が所持する端末と、を備えるスライド情報管理システムであって、前記営業活動用スライドは、説明項目を有し、前記説明項目には、それぞれテーマ情報が関連付けられており、前記端末は、表示部を有すると共に、前記営業情報管理装置から前記営業活動用スライドを受信する構成であり、前記表示部に複数種類の前記説明項目を表示し、前記説明項目の1つが選択されると、選択された説明項目と関連する前記スライドが表示され、選択された前記スライドに表示されている前記説明項目には、それぞれ次の前記スライドに遷移させる変更部が関連付けて並べて表示され、前記変更部が選択されると、選択された前記説明項目と、遷移後の前記スライドが記憶される構成であることを特徴とするスライド情報管理システムにより達成される。
【0008】
前記構成によれば、例えば、1つのスライド等の個別営業情報包含部に複数の項目等の伝達情報が含まれ、これら各伝達情報のテーマがそれぞれ異なるときでも、端末の所持者であり、説明者である営業担当者が説明を行った項目等の伝達情報と関連付けられている変更部を操作して、次のスライド等に表示を変更することで、当該スライドで、営業担当者がどのテーマについて説明したかを自動的に把握することができる。
したがって、各営業担当者等がタブレット等の端末に表示したスライド等を用いて顧客等の対象者に伝達したメッセージ等のテーマを効果的に把握することができる。
【0010】
前記構成によれば、営業担当者が各スライド等について説明に要した時間を正確に把握することができる。
【0011】
好ましくは、スライド情報管理システムの前記端末が、前記営業情報管理装置の前記営業活動用スライドの前記説明項目若しくは前記テーマ情報から使用予定の前記営業活動用スライドを選択する際に、前記営業対象者の属性情報に基づいて前記使用予定の前記営業活動用スライドの候補を前記表示部に自動的に表示し、説明したスライドの前記説明項目の遷移の履歴情報を記憶することを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、前記営業対象者の属性に対応する前記個別営業情報包含部の情報を記憶する営業対象者対応情報記憶部を有し、入力された前記対象者の属性情報に対応する個別営業情報包含部を選択し、表示部に表示させる構成となっている。
このため、営業担当者は、営業対象者の専門や経験等の属性情報を入力することで、迅速に最適なスライド等を取得することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、各営業担当者等がタブレット等の端末に表示したスライド等の営業情報を用いて顧客等の対象者に伝達したメッセージ等のテーマを正確に把握することができるスライド情報管理システムを提供できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の営業情報管理装置である例えば、管理サーバを有するスライド情報管理システムを示す概略図である。
【
図2】
図1の管理サーバの主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】
図4のサーバ側第1各種情報記憶部の主な内容を示す概略ブロック図である。
【
図4】
図4のサーバ側第2各種情報記憶部の主な内容を示す概略ブロック図である。
【
図5】
図1のMR端末の主な構成を示す概略ブロック図である。
【
図6】スライド情報管理システムの主な動作例等を示す概略フローチャートである。
【
図7】スライド情報管理システムの主な動作例等を示す他の概略フローチャートである。
【
図8】スライド情報管理システムの主な動作例等を示す他の概略フローチャートである。
【
図9】Y製薬会社の営業活動用スライドデータベースの内容を示す概略説明図である。
【
図10】
図5の端末側当該使用予定スライド記憶部に記憶されるデータを示す概略説明図である。
【
図11】糖尿病薬の 種類と特徴のスライドの表示画面を示す概略説明図である。
【
図12】Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較の表示画面を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0016】
図1は、本発明の営業情報管理装置である例えば、「管理サーバ10」を有する「スライド情報管理システム1」を示す概略図である。
このスライド情報管理システム1は、例えば、製薬会社が、自己の製品である各種薬剤等を営業対象者である例えば、病院等の医師等に説明するための営業情報が記載されている営業情報包含部である例えば、スライドに関連する情報を管理するシステムである。
また、スライド情報管理システム1は、
図1に示すように、管理サーバ10とインターネット網2及び基地局3等を介して通信可能に接続されている端末である例えば、MR端末50を有している。
【0017】
このMR端末50は、製薬会社の営業担当者である医薬情報担当者(MR:Medical Representative)が医師等と面談する際に使用するため所持する端末である。
このMR端末50は、
図1に示すように、所謂タブレット型端末となっており、その中央部に縦長の長方形を成すタッチパネル型ディスプレイである「タッチパネル51」を有している。
このタッチパネルは、表示部である例えば、ディスプレイと、位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、ディスプレイ上の表示に利用者が触れることで各種情報を入力できる入力装置である。
なお、MR端末50は、タッチパネル51の他に、端末側入力ボタン52を有している。
【0018】
MR端末50及び管理サーバ10は、コンピュータを有し、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有し、これらは、バス等を介して接続されている。
【0019】
図2は、
図1の管理サーバ10の主な構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ10は、「サーバ制御部11」を有し、サーバ制御部11は、MR端末50等と通信等するための「サーバ側通信装置12」、各種情報を表示する「ディスプレイ13」及び各種情報を入力するための「入力装置14」等を制御する構成となっている。
また、サーバ制御部11は、
図2に示す「サーバ側第1各種情報記憶部20」や「サーバ側第2各種情報記憶部30」を制御する。
図3及び
図4は、それぞれ、
図4の「サーバ側第1各種情報記憶部20」及び「サーバ側第2各種情報記憶部30」の主な内容を示す概略ブロック図である。これらの内容については後述する。
【0020】
図5は、
図1のMR端末50の主な構成を示す概略ブロック図である。
図5に示すように、MR端末50は、「端末制御部53」を有し、
図1に示す「タッチパネル51」及び「端末側入力ボタン52」を制御すると共に、
図1の管理サーバ10等と通信するための「端末側通信装置54」も制御している。
また、端末側制御部53は、
図5に示す「計時装置55」、「端末側使用予定スライド記憶部56」、「端末側履歴情報記憶部57」及び「端末側医師属性情報記憶部58」も制御する。
これら「端末側使用予定スライド記憶部56」、「端末側履歴情報記憶部57」及び「端末側医師属性情報記憶部58」等の内容については、後述する。
【0021】
図6乃至
図8は、スライド情報管理システム1の主な動作例等を示す概略フローチャートである。
本実施の形態では、「Y製薬会社」の従業者であるMR(医薬情報担当者)が,自己のMR端末50で、自己の担当病院の医師向けに、自社の「糖尿病薬X」の説明をスライドで行う例で、以下説明する。
本実施の形態では、Y製薬会社は、
図1の管理サーバ10を管理しており、この管理サーバ10内には、「糖尿病薬X」の説明用の個別のスライド(個別営業情報包含部の一例)が記憶されている。
【0022】
具体的には、
図3の「Y製薬会社の営業活動用スライドデータベース21」に記憶されている。
図9は、「Y製薬会社の営業活動用スライドデータベース21」の内容を示す概略説明図である。
図9に示すように、このデータベースには、例えば、「糖尿病薬X」の説明用スライド等が記憶されている。
これら「糖尿病薬X」のスライドは、その内容によって、分類して記憶されている。具体的には、
図9に示すように、先ず、大きな概念である「糖尿病薬の基礎情報」、「糖尿病薬Xの作用等の情報」及び「処方例の情報」等に分けられ、それぞれ分類記号として「A」、「B」及び「C」が付される。
【0023】
また、「糖尿病薬の基礎情報(A)」には、スライドとして「糖尿病薬の種類と特徴」等が含まれ、このスライドはスライド記号として「A-1」等が付されている。
この「糖尿病薬の種類と特徴(A-1)」が、MR端末50のタッチパネル51に表示される「1枚のスライド」となる。
さらに、1枚のスライド(A-1)には、複数の説明項目(伝達情報の一例)が記載されている。例えば、「糖尿病薬の種類と特徴(A-1)」のスライドには、「スルホニル尿素薬(SU剤)、速効性インスリン分泌促進薬等の特徴」、「スルホニル尿素薬(SU剤)、速効性インスリン分泌促進薬等の副作用」、「糖尿病Xが属する「SGLT2阻害薬」の特徴」及び「糖尿病Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」の4つの説明項目が含まれる。
これらの説明項目については、それぞれ「A-1-1」、「A-1-2」、「A-1-3」、「A-1-4」の各内容記号が付されている。
【0024】
ところで、本実施の形態のスライドには、営業目的情報であるメッセージ(テーマ)が、例えば、4つ設定されている。
具体的には、「糖尿病薬Xの優位性の説明」、「糖尿病薬Xの副作用の説明」、「他社の糖尿病薬の特徴の説明」及び「他社の糖尿病薬の副作用の説明」である。そして、本実施の形態では、これらの各テーマについて「テーマ記号」をそれぞれ「T1」、「T2」、「T3」及び「T4」と付されている。
【0025】
そして、本実施の形態では、
図9の各説明項目(「A-1-1」、「A-1-2」、「A-1-3」、「A-1-4」)について、それぞれ、上記の4つ内のテーマのいずれかが該当するかを明らかにするため、各説明項目の内容記号とテーマのテーマ記号とを関連付けて記憶する構成となっている。
【0026】
具体的には、
図9に示すように説明項目「スルホニル尿素薬(SU剤)、速効性インスリン分泌促進薬等の特徴(A-1-1)」には、その該当するテーマ「他社の糖尿病薬の特徴の説明(T3)」と関連付けられている。
また、説明項目「スルホニル尿素薬(SU剤)、速効性インスリン分泌促進薬等の副作用(A-1-2)」には、テーマ「他社の糖尿病薬の副作用の説明(T4)」、説明項目「糖尿病Xが属する「SGLT2阻害薬」の特徴(A-1-3)」には、テーマ「糖尿病薬Xの優位性の説明(T1)」がそれぞれ関連付けられている。
さらに、説明項目「糖尿病Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用(A-1-4)」には、テーマ「糖尿病薬Xの副作用の説明(T2)」が関連付けられている。
【0027】
図9に示す「糖尿病薬Xの作用等の情報(B)」に含まれるスライドである「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較(B-1)」が有する説明項目(B―1-1等)についても上述と同様に、テーマ記号T1等が関連付けられている。
【0028】
以上のように、管理サーバ10が「Y製薬会社の営業活動用スライドデータベース21」を有していることを前提に
図6のフローチャートを説明する。
先ず、Y製薬会社のMRは、自己の担当病院の医師に自社の「糖尿病薬X」の説明に行く前に、スライドを準備する必要がある。そこで、
図1に示す自己のMR端末50を操作して、自社の管理サーバ10へアクセスする。
【0029】
管理サーバ10は、MR端末50からアクセスがあると、担当する医師の属性情報(対象者の属性情報の一例)、例えば、専門科、経験年数等の入力を求める。
次いで、
図6にステップST(以下「ST」とする。)1に進む。ST1では、MR端末50から当該医師の属性情報が入力されたか否かを判断し、入力されたと判断されたときは、ST2へ進む
【0030】
ST2では、MR端末50が、入力された属性情報、例えば、医師の専門科(内科等)や経験年数(研修医等)を
図5の「端末側医師属性情報記憶部58」に記憶する。
次いで、ST3へ進む。ST3では、MR端末50が「端末側医師属性情報記憶部58」のデータを、
図5の「端末側通信装置54」等を介して、管理サーバ10へ送信する。その後、管理サーバ10は、受信したデータを
図4の「サーバ側医師属性情報記憶部31」に記憶する。
【0031】
次いで、ST4へ進む。ST4では、
図3の「属性別スライド選択部(プログラム)22」が動作し、
図3の「Y製薬会社の営業活動用スライドデータベース21」、
図4の「サーバ側医師属性情報記憶部31」及び
図3の「属性別スライド情報記憶部23」を参照する。
【0032】
ここで、「属性別スライド情報記憶部23」には、医師等の属性(専門科、経験年数等)と、対応するスライド分類の関係情報が記憶されている。
例えば、内科、研修医等の医師の場合は、
図9の「糖尿病薬の基礎情報(A)」の「糖尿病薬の種類と特徴(A-1)」のスライド、「糖尿病薬Xの作用等の情報(B)」の「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較(B-1)」のスライド、及び「処方例の情報(C)」の「Xと他のSGLT2阻害薬の処方例の比較(C-1)」のスライドが好ましい旨、記憶されている。
このため、属性別スライド情報記憶部23は、営業対象者対応情報記憶部の一例となっている。
【0033】
したがって、属性別スライド選択部(プログラム)22は、サーバ側医師属性情報記憶部31に記憶されている当該医師の属性に対応するスライドを選択し、MR端末50のタッチパネル51に表示すると共に、併せて他の分類のスライドも表示する。
例えば、上記の例の内科、研修医等の医師の場合は、「糖尿病薬の基礎情報(A)」の「糖尿病薬の種類と特徴(A-1)」のスライド、「糖尿病薬Xの作用等の情報(B)」の「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較(B-1)」のスライド、及び「処方例の情報(C)」の「Xと他のSGLT2阻害薬の処方例の比較(C-1)」のスライドが好ましい旨、表示し、併せて他の分類のスライドも表示される。
すなわち、本実施の形態は、当該MRが訪問する予定の医師に糖尿病薬Xを説明するに際し適切なスライドを自動的に選択して表示する。
【0034】
したがって、このタッチパネル51を視認したMRは、自己が糖尿病薬Xの説明のため訪問しようとしている医師の適切なスライドを選択する時間を大幅に短縮することができる。
【0035】
次いで、ST5へ進む。ST5では、MR端末50のタッチパネル51で、MRが使用するスライドを特定し、これらスライドを相互にリンクして、且つ、当該MRの識別番号等である「当該使用予定特有番号」を付して、
図5の「端末側当該使用予定スライド記憶部56」に記憶する。
【0036】
図10は、
図5の端末側当該使用予定スライド記憶部56に記憶されるデータを示す概略説明図である。
図5に示すように、端末側当該使用予定スライド記憶部56には、当該MRの識別番号等である「当該使用予定特有番号」例えば、「1001」と、選択されたスライド情報が記憶されると共に、スライドの説明項目(A-1-1等)と関連付けられているテーマのテーマ記号も共に記憶される。
【0037】
なお、管理サーバ10の
図3の「テーマ記号対応情報記憶部24」には、各テーマである「糖尿病薬Xの優位性の説明」、「糖尿病薬Xの副作用の説明」及び「他社の糖尿病薬の特徴の説明」及び「他社の糖尿病薬の副作用の説明」に対応する「テーマ記号」、すなわち、それぞれ「T1」、「T2」、「T3」及び「T4」が記憶されている。
したがって、MR端末50等は、端末側当該使用予定スライド記憶部56のテーマ記号とテーマ記号対応情報記憶部24を参照することで、当該テーマ記号の具体的なテーマ内容を把握することができる構成となっている。
【0038】
次いで、ST6へ進む。ST6では、
図5の「端末側使用予定スライド記憶部56」のデータを、管理サーバ10へ送信し、管理サーバ10は、
図4の「サーバ側使用予定スライド記憶部32」に記憶する。
このとき、当該MRが選択したスライド等の情報は、当該MRの識別番号等である「当該使用予定特有番号、「1001」等と共に、サーバ側使用予定スライド記憶部32に記憶され、スライド等の情報もその記号と共に記憶される。
したがって、管理サーバ10は、
図9のY製薬会社の営業活動用スライドデータベース21のデータがどのように選択され、誰が選択したかを明確に把握することができる。
【0039】
以上で、MRによるスライドの準備工程が終了する。
次いで、
図7及び
図8を用いて、MRが実際に病院に訪問し、MR端末50を使用して、医師に糖尿病薬Xの説明をする工程を説明する。
【0040】
先ず、MRは、自己のMR端末50の電源をONとし、糖尿病薬Xの説明用のスライドの表示画面とする。すると、
図7のST11で、MR端末50は、
図10の「端末側使用予定スライド記憶部56」のスライド種類を参照し、これらを目次として表示する。
すなわち、「糖尿病薬の種類と特徴」、「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較」、「Xと他のSGLT2阻害薬の処方例の比較」が、MR端末50のタッチパネル51に表示される。
【0041】
次いで、ST12へ進む。ST12では、タッチパネル51上で、MR等によって選択された「スライド種類」の情報、例えば、「糖尿病薬の種類と特徴」のスライド番号A-1を、
図5の「端末側履歴情報記憶部57」に記憶する。
また、このとき、「糖尿病薬の 種類と特徴」のスライドをタッチパネル51に表示する。具体的には、
図10に示す「スルホニル尿素薬(SU剤)、 速効性インスリン分泌促進薬等の特徴」、「スルホニル尿素薬(SU剤)、 速効性インスリン分泌促進薬等の副作用」、「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の特徴」、「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」の4つの説明項目が同じ画面上に表示される。
【0042】
図11は、「糖尿病薬の 種類と特徴」のスライドの表示画面を示す概略説明図である。
図11に示すように、タッチパネル51の同一画面に4つの説明項目が表示される共に、各説明項目について、それぞれ変更部である例えば、「NEXT」と表示されたページの遷移ポタンであるアイコンが表示される。
この「NEXT」ボタンは、それぞれ各説明項目と関連付けて配置されている。
【0043】
ところで、MRが医師に糖尿病薬Xのスライドを説明するときに与えられる時間は極めて限られているため、スライドに同時に表示されたすべての説明項目を説明することはできない場合が多い。
このため、各MRは、医師の属性や性格、及びそのときの状況を総合的に判断して、有効な説明項目を選択して、説明する。
従来は、このときMRが、どの説明項目を説明したかを把握するため、事後的にMRに申告させたり、外部の調査会社等を介して調査したりしたが、結果的に正確にどのような説明項目を選択して説明したかを把握するのは困難であった。
【0044】
そこで、本実施の形態では、MRが特定の説明項目を選択して説明し、その後、次の頁に遷移する場合は、当該説明した説明項目と関連付けられている「NEXT」ボタンをクリック等することができる構成となっている。
これにより、ページが遷移される前に説明されていた説明項目を正確に認識することができる。この各説明項目は、
図10に示すように「テーマ記号」と関連付けられている。
したがって、どの説明項目の「NEXT」ボタンをクリックしたかを
図5の「端末側履歴情報記憶部57」に記憶させることで、どのスライドのどの説明項目から次のスライドに遷移したかを把握できると共に、当該スライドでどのテーマの説明をしたかも明確に把握することができる構成となっている。
【0045】
例えば、上述の例で、タッチパネル51に表示された
図11の説明項目のうち「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」と関連付けられている「NEXT」ボタンをクリックした場合、
図5の「端末側履歴情報記憶部57」には、先ず「糖尿病薬の種類と特徴」にスライドが表示され、このスライドのうち「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」の説明項目が説明された後、次のスライドに遷移したことが記憶される。
この「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」と関連付けられているテーマは、記号「T2」、すなわち、「糖尿病薬Xの副作用の説明」であり、かかるメッセージ(テーマ)が医師に伝達されたことを把握できることになる。
【0046】
ST12で、
図11に示すスライドが表示されたとき、同時にST13で、
図5の「計時装置55」が計測を開始する。
そして、ST14へ進む。ST14では、上述に各説明項目に関連付けられた「NEXT」ボタンにいずれかがクリックされたか否かが判断される。
【0047】
ST14で、いずれかの「NEXT」ボタンがクリックされたと判断したときは、ST15へ進む。ST15では、遷移可能(移動可能)なスライドのページが別ウインドウでポップアップ表示される。
例えば、上述の例では、
図10に示す「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較」が2頁目、「Xと他のSGLT2阻害薬の処方例の比較」が3頁目として表示される。
【0048】
次いで、ST16へ進む。ST16では、ポップアップ表示されたページのいずれかを選択したかが判断される。
ST16で、特定のページ、例えば、2ページ(Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較)が選択されたときは、ST17へ進む。
【0049】
ST17では、2頁目である
図10の「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較」のスライドがタッチパネル51に表示される。
図12は、「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較」の表示画面を示す概略説明図である。
図12では、
図11と同様に各説明項目(「Xの作用等の優位性」等)が表示され、各説明項目と関連付けられて複数の「NEXT」ボタンが配置されている。
【0050】
このとき、「Xと他のSGLT2阻害薬の作用の比較」にスライド(B-1)が表示されたこと、及び、その前のスライド(A-1)において、上述のように、「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」に関連付けられた「NEXT」ボタンがクリックされたことが「端末側履歴情報記憶部57」に記憶される。
この記憶情報により、上述のように、MRが各スライドでどの説明項目を説明したか、すなわち、どのテーマを説明したかを正確に把握することができることになる。
【0051】
次いで、ST18へ進む。ST18では、「計時装置55」が計時し、遷移前のページの表示時間を「端末側履歴情報記憶部56」に記憶すると共に、当該画面の表示時間の計時も開始する。
したがって、端末側履歴情報記憶部56に記憶される各スライドの表示時間(説明時間)も正確に記憶することができる。
【0052】
次いで、ST19へ進む。ST19では、本アプリケーションが終了したか否かが判断される。
終了していない場合は、遷移し表示される各スライドについて、上述と同様の処理が実行される。
【0053】
ST19で、本アプリケーションが終了したと判断されたときは、ST20へ進む。ST20では、MR端末50が、
図5の「端末側履歴情報記憶部57」のデータを管理サーバ10へ送信し、管理サーバ10は、同データを
図4の「サーバ側履歴情報記憶部33」に記憶する。
【0054】
このようにして、管理サーバ10は、各MR端末50を介して、各スライドの表示順のみならず、各スライドのどのテーマについて説明し、その時間はどのぐらいである等を正確に把握することができる。
例えば、Y製薬会社は、
図10のスライドで、各スライドについて説明する時間が十分でないとき、MRはテーマ「T1」の「糖尿病薬Xの優位性の説明」をすることを推奨する場合がある。
具体的には、スライド「糖尿病薬の種類と特徴」では、「糖尿病薬Xが属する「SGLT2阻害薬」の副作用」の説明項目を説明し、次いで、スライド「Xと他のSGLT2阻害薬の作用」では「Xの作用等の優位性」の説明項目を説明する。その後、スライド「Xと他のSGLT2阻害薬の処方例の比較」では「Xの処方例(著効)」の説明項目を説明するように推奨する場合である。
【0055】
しかし、実際に、売上が伸びているMRについて分析すると、テーマ「T2」(糖尿病薬Xの副作用の説明)について説明しているという事実が判明することがある。これは、既に医師が糖尿病薬Xの優位な点を熟知し、既に処方を開始している場合、医師が知りたいことは、その副作用等の情報であるとの理由からである。
【0056】
従来は、スライドのうち、どのテーマについてMRが説明しているかを正確に把握することができず、上記のような事実を客観的な事実として正確に把握することができなかったが、本実施の形態では、かかる事実を客観的且つ正確に把握することができる。
【0057】
なお、本発明は上述の実施の形態に限らない。
【符号の説明】
【0058】
1・・・スライド情報管理システム、2・・・インターネット網、3・・・基地局、10・・・管理サーバ、11・・・サーバ制御部、12・・・サーバ側通信装置、13・・・ディスプレイ、14・・・入力装置、20・・・サーバ側第1各種情報記憶部、21・・・Y製薬会社の営業活動用スライドデータベース、22・・・属性別スライド選択部(プログラム)、23・・・属性別スライド情報記憶部、24・・・テーマ記号対応情報記憶部、30・・・サーバ側第2各種情報記憶部、31・・・サーバ側医師属性情報記憶部、32・・・サーバ側使用予定スライド記憶部、33・・・サーバ側履歴情報記憶部、50・・・MR端末、51・・タッチパネル,52・・・端末側入力ボタン、53・・・端末制御部、54・・・端末側通信装置、55・・・計時装置、56・・・端末側履歴情報記憶部、57・・・端末側履歴情報記憶部、58・・・端末側医師属性情報記憶部