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特許7017760睡眠チェックシステム、睡眠チェックセンサ、睡眠チェックプログラム及び睡眠チェック方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-01
(45)【発行日】2022-02-09
(54)【発明の名称】睡眠チェックシステム、睡眠チェックセンサ、睡眠チェックプログラム及び睡眠チェック方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20220202BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20220202BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/107 300
A61B5/01 ZDM
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018155052
(22)【出願日】2018-08-21
(62)【分割の表示】P 2017563361の分割
【原出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2019010522
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】515203631
【氏名又は名称】ユニファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】土岐 泰之
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-312901(JP,A)
【文献】国際公開第2016/151966(WO,A1)
【文献】特開昭60-103939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/01
A61B 5/103 - 5/113
A61B 5/16 - 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムであって、
前記対象者に着脱可能な本体部を備え、第一の所定期間ごとに、所定の基準位置からの前記本体部の角度の情報を取得して該角度の情報に依存する前記対象者の身体の向きを検知すると共に、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する検知部と、
前記検知部が検知した対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成すると共に、前記検知部が検知した前記対象者ごとの体温を示す温度データを収集し、体温情報を生成する収集部と、
第二の所定期間、前記収集された温度データを記憶する記憶部と、
前記姿勢情報に基づく前記対象者ごとの身体の向き及び前記体温情報に基づく前記対象者ごとの体温を前記対象者の人数分一括で表示する表示部と、
前記姿勢情報に基づいて、前記対象者がうつ伏せの状態であることが検出された場合には、前記対象者の生命が危険な状態であることを示すアラート情報を生成し、生成した前記アラート情報を出力するアラート情報生成出力部と
を備え、
前記表示部は、前記収集部から収集した前記姿勢情報が、前記対象者の身体の向きがうつ伏せの状態とうつ伏せ以外の状態とであることを検出し、前記うつ伏せ以外の状態が検出された場合は前記対象者の身体の向きを示す情報を表示させ、
前記アラート情報生成出力部は、前記うつ伏せの状態が検出された場合は前記アラート情報を生成し出力することを特徴とする睡眠チェックシステム。
【請求項2】
前記表示部は、前記対象者の年齢ごと、又は、年齢及び月齢ごとに、前記対象者の身体の向きを表示対象とするか否かを選択して表示することを特徴とする請求項1に記載の睡眠チェックシステム。
【請求項3】
前記記憶部には、第二の所定期間、前記収集された姿勢データが記憶され、
前記記憶された姿勢データに基づいて、前記対象者の第三の所定期間における寝返りの平均回数を算出する算出部と、
前記対象者について、前記生成された姿勢情報が示す前記第三の所定期間における寝返りの回数と、前記算出された寝返りの平均回数とを比較して、前記第三の所定期間において寝返りが多いか否かを判定する判定部と、をさらに備え、
前記表示部は、寝返りの多いと判定された前記対象者の身体の向きの表示を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の睡眠チェックシステム。
【請求項4】
前記算出部は、前記対象者について、前記記憶された温度データに基づいて、第五の所定期間における平均体温を算出し、
前記判定部は、前記対象者について、前記算出された平均体温と、前記生成された体温情報が示す体温とを比較して、前記第四の所定期間において体温が通常どおりか否かを判定し、
前記表示部は、前記体温が通常どおりでないと判定された前記対象者の身体の向きの表示を変更することを特徴とする請求項3に記載の睡眠チェックシステム。
【請求項5】
複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムにおける睡眠チェック方法であって、
前記対象者に着脱可能な本体部を備え、第一の所定期間ごとに、所定の基準位置からの前記本体部の角度の情報を取得して該角度の情報に依存する前記対象者の身体の向きを検知すると共に、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する検知部によって前記検知が行われる検知手順と、
収集部が、前記検知手順において検知された対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成すると共に、前記検知部が検知した前記対象者ごとの体温を示す温度データを収集し、体温情報を生成する収集手順と、
第二の所定期間、前記収集された温度データを記憶する記憶部によって前記記憶が行われる記憶手順と、
前記姿勢情報に基づいて、前記対象者がうつ伏せの状態であることが検出された場合には、前記対象者の生命が危険な状態であることを示すアラート情報が生成され、生成された前記アラート情報が出力されるアラート情報生成出力手順と、
前記収集手順において取得された、前記姿勢情報に基づく前記対象者ごとの身体の向き及び前記収集手順において取得された前記体温情報に基づく前記対象者ごとの体温を前記対象者の人数分一括で表示部に表示させる表示手順と、
を備え、
前記表示手順においては、前記収集手順において収集された前記姿勢情報が、前記対象者の身体の向きがうつ伏せの状態とうつ伏せ以外の状態とであることが検出され、前記うつ伏せ以外の状態が検出された場合は前記対象者の身体の向きを示す情報を表示され、
前記アラート情報生成出力手順においては、前記うつ伏せの状態が検出された場合は前記アラート情報が生成され出力されるように構成することを特徴とする睡眠チェックシステムにおける睡眠チェック方法。
【請求項6】
複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムに用いられ、前記対象者の身体の向きを表示部に表示させるための情報としての姿勢情報を取得する睡眠チェックセンサであって、
前記対象者に着脱可能な本体部を備え、第一の所定期間ごとに、所定の基準位置からの前記本体部の角度の情報を取得して該角度の情報に依存する前記対象者の身体の向きを検知すると共に、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する検知部を備え、
前記検知部は、
身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成すると共に体温情報を生成する収集部に、前記検知された対象者ごとの前記姿勢データを収集させて前記姿勢情報を生成させると共に、前記対象者ごとの体温を示す温度データを収集させて、体温情報を生成させ、
前記収集された温度データを記憶する記憶部に、第二の所定期間、前記収集された温度データを記憶させ、
前記姿勢情報に基づいて、前記対象者がうつ伏せの状態であることが検出された場合には、前記対象者の生命が危険な状態であることを示すアラート情報を生成し、生成した前記アラート情報を出力するアラート情報生成出力部に、前記アラート情報を生成させ生成された前記アラート情報を出力させ、
前記姿勢情報に基づく前記対象者ごとの身体の向き及び前記体温情報に基づく前記対象者ごとの体温を前記対象者の人数分一括で表示部に表示させ、
前記表示部の前記表示において、前記収集部から収集した前記姿勢情報が、前記対象者の身体の向きがうつ伏せの状態とうつ伏せ以外の状態とであることを検出し、前記うつ伏せ以外の状態が検出された場合は前記対象者の身体の向きを示す情報を表示させ、
前記アラート情報生成出力部において、前記うつ伏せの状態が検出された場合は前記アラート情報を生成させ出力させるように構成することを特徴とする睡眠チェックセンサ。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一つに記載の睡眠チェックシステムとして機能させることを特徴とする睡眠チェックプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠チェックシステム、睡眠チェックプログラム及び睡眠チェック方法であって、一括で操作入力を受ける睡眠チェックシステム、睡眠チェックプログラム及び睡眠チェック方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、うつ伏せ寝による窒息や乳幼児突然死症候群(SIDS)対策のため、乳幼児の睡眠中のうつ伏せ寝している状態や呼吸の状態を検知して保護者であるユーザに通知する技術が多数存在する。
【0003】
従来技術として、特許文献1においては、乳幼児のうつ伏せ寝を検出して報知することにより窒息事故を防ぐことのできる乳幼児うつ伏せ寝検出装置として、乳幼児の着衣の表面に設けられる検知部と本体部とからなり、検知部は着衣の表面の腹部などに設置され乳幼児のうつ伏せ寝を検知して、ON信号を発信し、本体部がON信号を受信した場合に、本体部のアラーム部が光、音声、振動又はその組み合わせたものを発生して報知する検出装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、体動モニタリング、温度モニタリング、データ収集及び分析システム及び方法として、加速度センサ及び温度センサによって、乳幼児の特徴を測定し、当該測定された特性情報がコンピュータ装置に送信され、コンピュータ装置に測定された特徴についての警告が表示されること、また、経時的なモーションセンサの位置変化等を判定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-312901号公報
【文献】米国特許出願公開第2015/0250419号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、複数の乳幼児が園児として在籍する保育園等の施設において、保育士が、担当するクラスの園児達の午睡チェック等で、所定時間ごと(例えば、5分ごと)に、睡眠時の身体の向きの状態や呼吸の状態を園児一人一人チェックし、チェック用紙等に当該チェック結果を園児一人一人について記録する必要があるが、保育士における当該チェック及び記録の負担を軽減してほしいというニーズが存在する。
【0007】
特許文献1に開示される従来技術においては、うつ伏せ寝の状態を検知して、音声等によって報知されるのみなので、当該報知によって保育士にうつ伏せ寝の状態であることを通知することはできても、通常の睡眠状態に関してはチェックできず、また、特許文献2に開示される従来技術においても、睡眠状態の経時的変化は表示されるものの、保育士が当該表示を参考に、実際に園児一人一人の睡眠状態をチェックした結果については、別途チェック用紙等に一人一人記録せざるを得ず、当該ニーズに対して十分ではなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような課題に鑑み、保育士等のユーザが保有する端末装置で所定時間ごとに園児達の睡眠状態をチェックして記録する際に、園児達の身体の向き等の睡眠状態を検知し、当該検知された睡眠状態を一括で表示し、当該表示された睡眠状態に対してチェックした結果の入力を一括で受け付けて、当該チェックを受け付けた睡眠状態の表示を変更することができる、睡眠チェックシステム、睡眠チェックプログラム及び睡眠チェック方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る睡眠チェックシステムは、複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムであって、前記対象者に着脱可能な本体部を備え、第一の所定期間ごとに、所定の基準位置からの前記本体部の角度の情報を取得して該角度の情報に依存する前記対象者の身体の向きを検知すると共に、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する検知部と、前記検知部が検知した対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成すると共に、前記検知部が検知した前記対象者ごとの体温を示す温度データを収集し、体温情報を生成する収集部と、第二の所定期間、前記収集された温度データを記憶する記憶部と、前記姿勢情報に基づく前記対象者ごとの身体の向き及び前記体温情報に基づく前記対象者ごとの体温を前記対象者の人数分一括で表示する表示部と、前記姿勢情報に基づいて、前記対象者がうつ伏せの状態であることが検出された場合には、前記対象者の生命が危険な状態であることを示すアラート情報を生成し、生成した前記アラート情報を出力するアラート情報生成出力部とを備え、前記表示部は、前記収集部から収集した前記姿勢情報が、前記対象者の身体の向きがうつ伏せの状態とうつ伏せ以外の状態とであることを検出し、前記うつ伏せ以外の状態が検出された場合は前記対象者の身体の向きを示す情報を表示させ、前記アラート情報生成出力部は、前記うつ伏せの状態が検出された場合は前記アラート情報を生成し出力する。
【0010】
さらに、本発明に係る睡眠チェックシステムにおいて、表示部は、対象者の年齢ごと、又は、年齢及び月齢ごとに、対象者の表示対象の身体の向きを選択して表示してもよい。
【0011】
さらに、本発明に係る睡眠チェックシステムは、前記記憶部には、第二の所定期間、前記収集された姿勢データ記憶され、前記記憶された姿勢データに基づいて、前記対象者の第三の所定期間における寝返りの平均回数を算出する算出部と、前記対象者について、前記生成された姿勢情報が示す前記第三の所定期間における寝返りの回数と、前記算出された寝返りの平均回数と比較して、前記第三の所定期間において寝返りが多いか否かを判定する判定部と、をさらに備え、前記表示部は、寝返りの多いと判定された前記対象者の身体の向きの表示を変更してもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る睡眠チェックシステムにおいて、前記算出部は、前記対象者について、前記記憶された温度データに基づいて、第五の所定期間における平均体温を算出し、前記判定部は、前記対象者について、前記算出された平均体温と、前記生成された体温情報が示す体温とを比較して、前記第四の所定期間において体温が通常どおりか否かを判定し、前記表示部は、前記体温が通常どおりでないと判定された前記対象者の身体の向きの表示を変更してもよい。
【0015】
本発明に係る睡眠チェック方法は、複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムにおける睡眠チェック方法であって、前記対象者に着脱可能な本体部を備え、第一の所定期間ごとに、所定の基準位置からの前記本体部の角度の情報を取得して該角度の情報に依存する前記対象者の身体の向きを検知すると共に、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する検知部によって前記検知が行われる検知手順と、収集部が、前記検知手順において検知された対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成すると共に、前記検知部が検知した前記対象者ごとの体温を示す温度データを収集し、体温情報を生成する収集手順と、第二の所定期間、前記収集された温度データを記憶する記憶部によって前記記憶が行われる記憶手順と、前記姿勢情報に基づいて、前記対象者がうつ伏せの状態であることが検出された場合には、前記対象者の生命が危険な状態であることを示すアラート情報が生成され、生成された前記アラート情報が出力されるアラート情報生成出力手順と、前記収集手順において取得された、前記姿勢情報に基づく前記対象者ごとの身体の向き及び前記収集手順において取得された前記体温情報に基づく前記対象者ごとの体温を前記対象者の人数分一括で表示部に表示させる表示手順と、を備え、前記表示手順においては、前記収集手順において収集された前記姿勢情報が、前記対象者の身体の向きがうつ伏せの状態とうつ伏せ以外の状態とであることが検出され、前記うつ伏せ以外の状態が検出された場合は前記対象者の身体の向きを示す情報を表示され、前記アラート情報生成出力手順においては、前記うつ伏せの状態が検出された場合は前記アラート情報が生成され出力される。
本発明に係る睡眠チェックセンサは、複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムに用いられ、前記対象者の身体の向きを表示部に表示させるための情報としての姿勢情報を取得する睡眠チェックセンサであって、前記対象者に着脱可能な本体部を備え、第一の所定期間ごとに、所定の基準位置からの前記本体部の角度の情報を取得して該角度の情報に依存する前記対象者の身体の向きを検知すると共に、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する検知部を備え、前記検知部は、身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成すると共に体温情報を生成する収集部に、前記検知された対象者ごとの前記姿勢データを収集させて前記姿勢情報を生成させると共に、前記対象者ごとの体温を示す温度データを収集させて、体温情報を生成させ、前記収集された温度データを記憶する記憶部に、第二の所定期間、前記収集された温度データを記憶させ、前記姿勢情報に基づいて、前記対象者がうつ伏せの状態であることが検出された場合には、前記対象者の生命が危険な状態であることを示すアラート情報を生成し、生成した前記アラート情報を出力するアラート情報生成出力部に、前記アラート情報を生成させ生成された前記アラート情報を出力させ、前記姿勢情報に基づく前記対象者ごとの身体の向き及び前記体温情報に基づく前記対象者ごとの体温を前記対象者の人数分一括で表示部に表示させ、前記表示部の前記表示において、前記収集部から収集した前記姿勢情報が、前記対象者の身体の向きがうつ伏せの状態とうつ伏せ以外の状態とであることを検出し、前記うつ伏せ以外の状態が検出された場合は前記対象者の身体の向きを示す情報を表示させ、前記アラート情報生成出力部において、前記うつ伏せの状態が検出された場合は前記アラート情報を生成させ出力させる。
【0016】
本発明に係る睡眠チェックプログラムは、コンピュータを、請求項1乃至6の何れか一 つに記載の睡眠チェックシステムとして機能させる。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、保育士等のユーザが保有する端末装置に対して、所定時間ごとに、園児達の身体の向き等の検知された身体の向き等の睡眠状態を一括で表示し、当該表示された睡眠状態に対してチェックした結果の入力を一括で受け付けて、当該チェックを受け付けた睡眠状態の表示を変更することができる。そのため、複数いる園児達の睡眠状態のチェックを一人一人入力する手間が省けて、かつ、チェック入力した睡眠状態の表示を変更することでどこまでチェックしたかが確認可能な睡眠チェックシステム、睡眠チェックプログラム及び睡眠チェック方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステムのシステム構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステムの機能構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステムの概要を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る端末装置の表示部に表示される画面例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステムの動作例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステムの動作例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステムの睡眠状態の判定の例を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<一実施形態>
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0021】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態における睡眠チェックシステムのシステム構成例を示すシステム図である。
【0022】
図1に示すように、睡眠チェックシステム100は、情報処理装置200、端末装置300、センサ装置400、ネットワーク500(IPネットワーク等)を含む。
【0023】
情報処理装置200は、ネットワーク500を介して、端末装置300及びセンサ装置400と接続される。なお、図1において、説明を簡単にするために、情報処理装置200は3台、端末装置300は2台、センサ装置400は1台ずつ示してあるが、これ以下でもこれ以上存在してもよいことは言うまでもない。特に、センサ装置400は、保育園等の施設で複数の乳幼児の睡眠チェックを行うため、複数あることが好ましい。
【0024】
情報処理装置200は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。
【0025】
情報処理装置200は、具体的には、プロセッサによって装置全体が制御されている処理装置であってもよい。当該プロセッサには、バスを介して、RAM、ROM及びハードディスクドライブ等の記憶装置(記憶部230)、入出力インタフェース、通信インタフェース(NIC)等が接続されて構成されている。当該記憶装置は、制御部210における各種処理に必要となる各種処理データやプログラムを記憶する機能を有している。当該入出力インタフェースには、ディスプレイ、キーボード、マウス、外付け記憶媒体等の入出力装置が接続されている。当該通信インタフェースには、ネットワーク500が接続されている。
【0026】
また、情報処理装置200は、睡眠チェックシステム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等を設けずに、クラウドサーバによるSaaS、Paas、IaaSを適宜用いてもよい。
【0027】
端末装置300は、睡眠チェックシステムを利用する保育士等のユーザが保有する携帯端末等の電子機器であればよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。
【0028】
ネットワーク500は、例えば、IPネットワークである。ネットワーク500は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、端末装置300やセンサ装置400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介して情報処理装置200と通信してもよい。また、ネットワーク500は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0029】
ここで、図3を用いて、本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステム100の概要について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステム100の概要を示す模式図である。
【0030】
図3に示すように、睡眠チェックシステム100は、一例として、乳幼児等の睡眠チェック対象者(以降、単に「対象者」という)に取り付けたセンサ装置400が、複数の乳幼児の睡眠時の身体の向きや体温、呼吸の有無などを検知し、1.検知したデータ(センシングデータ)を端末装置300に送信する。端末装置300は、当該センシングデータを受信して、2.チェック対象の乳幼児ごとの睡眠状態を示す睡眠状態情報(姿勢情報等)を収集し、3.収集した睡眠状態情報に基づいて、対象の乳幼児ごと、または、グルーピングされた複数の乳幼児グループごとに、所定時間における寝返りの平均回数等を算出し、4.算出された寝返りの平均回数等を基に、乳幼児ごと、又は、グループごとに寝返りの多い状態であるか否か等を判定し、5.判定した結果を含め、チェック対象の乳幼児ごと又はグループごとの身体の向きや体温や寝返りの多い状態であるか等の睡眠状態を表示するための表示情報を生成する。
【0031】
図3に示すように、6.当該生成された当該表示情報が、端末装置300の表示部341に伝達されると、7.乳幼児ごとに、(1)睡眠中か否か、(2)身体の向きの表示(例えば、「仰向け」といったテキスト表示、上矢印の画像表示)、(3)体温の表示が、所定時間ごとに(例えば、5分ごとに)一覧を用いて一括で画面表示される。
【0032】
ここで「睡眠状態」とは、乳幼児の睡眠時のある時点の身体の向き、体温、呼吸の有無等のありさまをいう。また、ここでいう「睡眠状態情報」とは、これらの、乳幼児の身体の向きを示す姿勢情報、乳幼児の体温を示す体温情報、乳幼児の呼吸の有無及び呼吸数を示す呼吸情報等のこれらのありさまを示す情報を含んで構成される。
【0033】
睡眠チェックシステム100は、当該画面表示において、所定時間ごとに対象の乳幼児のチェック入力を一括で受け付けることができる。例えば、図3に示すように、表示部341に表示された12:10における各乳幼児の身体の向きを表す表示に対して、対象の乳幼児全てに対してチェックしたことを入力するチェックボタンを設けて、当該チェックボタンを押下して実行すると、12:10の欄の対象の乳幼児全ての身体の向きを表す表示が、12:00及び12:05の欄の様に、(1)チェックボタンのテキスト表示が「チェック」から「済」に変更したり、(2)矢印や起床を示す顔記号の枠線が実線から点線に変更したり、(3)チェックした保育士の名前「ゆか先生」が対象の乳幼児の欄下部にテキスト表示したり、(4)チェックした対象の時刻の欄が一律グレーアウト表示に変更したり等、チェックが済んだことが一目で判るように表示を変更する。
【0034】
従来、保育士等のユーザが、所定時間ごとに園児一人一人の睡眠状態をチェックして、手書きでチェック結果を記録するとなると、所定時間が5分であった場合には、ある回の担当するクラスの園児全ての睡眠状態のチェックと、手書きでの当該チェック結果の記録を完了させるだけで5分経過してしまい、次の回のチェックが完了前に又は完了してすぐに始まってしまう等の睡眠チェックの作業の負担が大きいという問題があった。このような問題に対して、睡眠チェックシステム100のこのような構成により、手書きで記録せずとも、センサ装置400が検知した睡眠状態を基に、ユーザがチェックした結果を一括で入力することができ、当該入力を受け付けた箇所は表示が変更するため、チェック済みかどうか一目で判るため、保育士の午睡チェック等の睡眠チェックの負担を軽減することができる。
【0035】
(機能構成)
図2は、本発明の一実施形態における睡眠チェックシステム100の機能構成例を示す図である。図2に示すように、睡眠チェックシステム100は、情報処理装置200と、端末装置300と、センサ装置400とを含む。
【0036】
具体的には、睡眠チェックシステム100は、複数の対象者の睡眠状態をチェックする睡眠チェックシステムであって、対象者に取り付けて、第一の所定期間ごとに対象者の身体の向きを検知する検知部440と、検知部440が検知した対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成する収集部311と、姿勢情報に基づいて、対象者ごとの身体の向きを一括で表示する表示部341と、表示された対象者ごとの身体の向きに対して、一部又は全ての対象者の確認の入力を一括で受け付ける操作入力部351と、を備え、表示部341は、操作入力部351の確認の入力を受け付けると、確認入力された対象者の身体の向きの表示を変更するものである。
【0037】
ここで「第一の所定期間」とは、姿勢検知部441が対象者の身体の向きを検知する間隔時間をいい、具体的には、5分ごとに身体の向きを検知する場合であれば、第一の所定期間は「5分」となる。第一の所定期間の設定においては、睡眠状態のチェックにおいて、対象者の身体の向き(仰向け寝かうつ伏せ寝か)を何分ごとに確認したいか、窒息やSIDS対策に応じて設定すればよい。
【0038】
睡眠チェックシステム100は、このような構成とすることで、乳幼児の睡眠状態のチェックにおいて、一括でチェックしたことの入力を受け付けて、当該入力を受け付けた睡眠状態の表示を変更することで、複数の園児に対して、睡眠チェックの入力を一度で済ませることができ、また、当該チェック済みか否かを一目で確認することができる睡眠チェックシステムを提供することができる。
【0039】
ここでいう「姿勢データ」とは、検知部440が検知した対象の乳幼児の身体の向きを示すデータであり、例えば、姿勢検知部441が加速度センサやジャイロセンサを用いて身体の向きを検知する場合においては、検知開始時の初期値からの傾き度合い(角度)を示すデータ等という。また、ここでいう「姿勢情報」は姿勢データから対象の乳幼児の身体の向き(仰向け、うつ伏せ等)を求めて、当該身体の向きを示す情報である。
【0040】
(情報処理装置200)
情報処理装置200は、図2に示すように、制御部210、通信部220、記憶部230を含んで構成される。
【0041】
制御部210は、収集部211、算出部212、判定部213を備え、情報処理装置200の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。また、制御部210は、生成部214を備えてもよい。
【0042】
制御部210は、一例として、端末装置300、センサ装置400又は情報処理装置200の各機能部からの処理要求に基づいて、記憶部230に記憶されている睡眠状態情報等の各種情報を参照、更新又は削除処理をし、当該処理結果を端末装置300において出力するための出力情報を生成してもよい。この場合、生成した出力情報は、通信部220及びネットワーク500を介して端末装置300に送信される。
【0043】
ここで「出力情報」とは、端末装置300の出力部340で出力される表示情報及び音声情報をいう。なお、これらの情報に限らず、保育士等のユーザに園児等の乳幼児の睡眠状態が出力できればどの様な情報でもよく、例えば、端末装置300のバイブレーション機能を利用するような振動情報を含めて、端末装置300の振動によって出力してもよい。
【0044】
収集部211は、センサ装置400が検知して出力するデータを収集する機能を有する。収集部211は、例えば、センサ装置400の検知部440が検知した対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、姿勢情報を生成する。収集部211の当該収集の方法においては、センサ装置400から受信した姿勢データ等のセンシングデータを、所定の期間、一旦記憶部230に記憶して、端末装置300からの出力要求に応じて収集してもよいし、センサ装置400から受信したタイミングで疑似リアルタイムにセンシングデータを収集してもよい。収集部211は、収集した各種データ及び生成した各種情報(姿勢情報、体温情報等)を記憶部230に記憶してもよい。収集部211は、記憶された姿勢情報に基づいて、第三の所定期間における寝返りの回数を算出して、当該姿勢情報に当該算出結果を含めて記憶してもよい。収集部211における、当該寝返りの回数の算出にあたっては、例えば、仰向け、横向き又はうつ伏せの各身体の向きの状態に変動した際にカウントアップ(インクリメント)して回数を算出して求めてもよいし、所定の角度基準又は角度レンジを設けて当該基準又はレンジを超えた際にカウントアップして回数を算出して求めてもよい。
【0045】
収集部211は、また、一例として、センサ装置400の検知部440が検知した対象者ごとの体温を示す温度データを収集し、体温情報を生成してもよい。
【0046】
ここでいう「温度データ」は、検知部440が検知した対象の乳幼児の体の温度を示すデータであり、例えば、温度検知部442が体温計やサーモグラフィサを用いて温度を検知する場合においては、対象の乳幼児の身体の外側の温度検知部442が接触する部分や体内から放射される遠赤外線から測定した温度をいう。また、ここで「体温情報」とは、温度データから対象の乳幼児のある時点の体温や平熱を求めて、当該体温や平熱示す情報である。
【0047】
算出部212は、記憶部230に記憶されたデータに基づいて、ある期間の平均値等を算出する機能を有する。算出部212は、具体的には、例えば、記憶部230に記憶された姿勢データに基づいて、対象者ごとの第三の所定期間における寝返りの平均回数を算出する。算出部212は、算出した平均回数を記憶部230に記憶してもよい。
【0048】
ここで「第三の所定期間」とは、対象者ごとの睡眠時に寝返りの回数をチェックしたり、睡眠状態か覚醒状態かをチェックしたりする期間であり、例えば、保育園等に在籍する乳幼児の午睡を保育士がチェックする場合は、お昼寝の時間(例えば、1時間、2時間)を第三の所定期間として設定してもよい。また、乳幼児の平均的なレム睡眠及びノンレム睡眠時間ごとに区切った期間(例えば、レム睡眠及びノンレム睡眠の1セットを年代ごとに、胎児期後半~新生児期:40~50分、3~4歳:40~60分、大人:90~100分と設定した期間)を第三の所期間として設定してもよい。
【0049】
また、算出部212は、対象者ごとに、記憶部230に記憶された温度データに基づいて、第五の所定期間における平均体温を算出してもよい。
【0050】
ここで「第五の所定期間」とは、対象者ごとの体温をチェックする期間であり、例えば、保育園等に在籍する乳幼児を保育士がチェックする場合は、登園から退園時までの時間やお昼寝の時間(例えば、1時間、2時間)を第五の所定期間として設定してもよい。また、乳幼児の平均的なレム睡眠及びノンレム睡眠時間ごとに区切った期間を第五の所定期間として設定してもよい。
【0051】
判定部213は、記憶部230に記憶された情報に基づいて、判定する機能を有する。判定部213は、具体的には、例えば、対象者ごとに、記憶部230に記憶された姿勢情報が示す寝返りの回数と、算出部212で算出された寝返りの平均回数と比較して、第三の所定期間において寝返りが多いか否かを判定する。
【0052】
ここで「第二の所定期間」とは、対象者の各種データを記憶部230に蓄積する期間をいい、例えば、保育園等に在籍する乳幼児の睡眠チェックの場合は、園児ごとの在籍当初から現時点までの在籍期間としてもよいし、別の例として、記憶部230の記憶容量等の睡眠チェックシステムの動作環境に応じて半年、1年、5年、10年とした期間としてもよい。
【0053】
判定部213は、第三の所定期間おける身体の向きの変化(体動)から対象者が睡眠状態であるか覚醒状態であるか判定してもよい。ここで、図7を用いて、判定部213における第三の所定期間おける身体の向きの変化から対象者が睡眠状態であるか覚醒状態であるか判定する方法の例について説明する。図7は、縦軸を身体の向きの変化量(基準位置からの角度[°])とし、横軸を時間軸(秒単位)としたグラフ図である。当該グラフ図は、対象者に取り付けたセンサ装置400(S1、S2、・・・S10)ごとの基準位置からの角度の変化量データについて、経時的にプロットしたグラフである。
【0054】
判定部213は、具体的には、センサ装置400の検知部440が検知した身体の傾きの経時的変化を、図7に示すグラフ図にプロットされている、センサ装置400ごとの第三の所定期間記憶されている姿勢データに含まれる設定した基準位置からの角度データ群に基づいて、次の(1)~(3)の方法等を用いて判別してもよい。
【0055】
(1)判定部213は、一例として、記憶部230に記憶された姿勢データにおいて、睡眠状態と覚醒状態それぞれの状態における当該姿勢データの身体の向きの特徴量を抽出して状態判定モデルを予め構築し、当該構築された状態判定モデルを用いて、第三の所定期間おける身体の向きの特徴量に基づき、対象者が睡眠状態であるか覚醒状態であるかを判定してもよい。判定部213は、具体的には、例えば、姿勢データに含まれる角度データ群を説明変数、睡眠と覚醒の状態を目的変数としてそれぞれの特徴量を抽出し、当該特徴量を組み合わせて学習データとする。判定部213は、当該学習データを用いて機械学習(例えば、SVM(Support Vector Machine)などの学習技法)により学習させることで状態判定モデルを構築する。判定部213は、当該構築した状態判定モデルを記憶部230に記憶する。判定部213は、第三の所定期間おいて収集された姿勢データの身体の向きの特徴量に基づき、当該記憶された状態判定モデルを用いてパターン認識を行い、睡眠状態であるか覚醒状態であるか判定(分類)してもよい。このような構成とすることで、対象者の身体の向きを検知すれば、当該対象者が睡眠状態か覚醒状態か精度よく予測することができ、保育士等のユーザが対象者の乳幼児が寝ているか起きているか逐次確認する手間が省けて、睡眠チェックの負荷を減らすことができる。
【0056】
(2)判定部213は、別の例として、図7に示すグラフ図において、対象期間における基準となる角度又は角度領域への当該グラフの通過回数をカウントして、当該カウントした通過回数が所定の回数以上の場合、覚醒状態であると判定してもよい。または、当該カウントした通過回数が所定の回数より小さいの場合、睡眠状態であると判定してもよい。
【0057】
(3)判定部213は、上記(1)(2)以外に、図7に示すグラフ図に対して、内挿や回帰分析等を用いて、曲線あてはめ(カーブフィッティング)によって、角度データ群との距離が最小となるような曲線を求めて、求められ曲線によって、睡眠状態であるか覚醒状態であるか判定(分類)するような判定方法を用いてもよい。
【0058】
判定部213は、対象者ごとに、算出部212で算出された平均体温と、生成された体温情報が示す体温とを比較して、第三の所定期間において体温が通常どおりか否かを判定してもよい。
【0059】
判定部213は、第六の所定期間おける身体の向きの変化から対象者が睡眠状態であるか覚醒状態であるか判定して、覚醒状態から睡眠状態へ移行したと判定した場合に対象者が寝始めたとして、センサ装置400の検知部440の姿勢検知や温度検知を予め設定した条件で開始するよう開始処理要求をしてもよい。
【0060】
判定部213は、例えば、対象者が寝始める前の状態(覚醒状態)においては、センサ装置400の検知部440の姿勢検知や温度検知は一部停止状態(第一の所定期間を間引いた間隔での姿勢検知の状態や温度検知の検知停止又はスリープ状態など)として、判定部213は対象者が寝始めたとして睡眠状態への移行を判定した場合に初めて、第一の所定期間ごとの身体の向きを検知する等、本格的な睡眠チェックを開始するようセンサ装置400の検知部440に開始処理要求を伝達し、センサ装置400の検知部440は当該開始処理要求が伝達されて初めて、本格的な睡眠チェックを開始するよう検知を開始してもよい。このような構成により、覚醒状態の不要な検知を省くことができ、処理性能の観点からも通信容量の観点からも記憶容量の観点からも、効率よく対象者の身体の向きを検知することができる。
【0061】
判定部213は、対象者をグルーピングし、当該グルーピングされた対象者において、寝返りが多いと判定された人数又は体温が通常どおりでないと判定された人数の少なくともいずれか一つの人数が所定人数より多いか否かを判定してもよい。判定部213は、具体的には、例えば、保育園の午睡チェックの場合は、園児を在籍するクラスでグルーピングし、当該グルーピングされた園児において、寝返りが多い園児の人数又は体温が通常より高い園児の人数のいずれか一つにおいて所定人数より多いか否かを判定してもよい。ここで「所定人数」とは、グルーピングする対象の人数の半数としてもよいし、3分の2の人数としてもよいし、睡眠チェックのチェック体制等に応じて設定すればよい。
【0062】
判定部213は、上記の他に、対象者がいつもの睡眠と違う様子であるか否かの判定をしてもよく、例えば、(1)体温の上昇率が、所定の上昇率と比較して異常に高いかどうかを判定してもよいし(暖め過ぎの可能性が高い)、(2)起床と入眠の回数が所定の回数より多いか否かを判定してもよいし(なかなか寝付けていない可能性が高い)、(3)機械学習を用いて、うつ伏せ寝をする睡眠状態の身体の向きの特徴量を抽出して、うつ伏せ寝の状態を予測判定してもよい。
【0063】
生成部214は、記憶部230に記憶された各種情報に基づいて、端末装置300で出力するための出力情報(表示情報、音声情報)を生成する。生成部214は、具体的には、例えば、対象の乳幼児ごとの姿勢情報、体温情報、個人情報等に基づいて、図3、4に示すような表示部341に表示するための表示情報を生成してもよい。生成部214は、生成した出力情報を端末装置300の出力部340に、通信部220及びネットワーク500を介して伝達する。
【0064】
通信部220は、制御部210の制御によって、ネットワーク500を介して端末装置300、センサ装置400又は他の情報処理装置200との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部220は、具体的には、端末装置300へ出力情報を送信したり、センサ装置400からセンシングデータを受信したりしてもよい。
【0065】
記憶部230は、制御部210の制御によって、情報処理装置200が演算及び加工処理する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部230は、具体的には、例えば、センシングデータ(姿勢データ、温度データ)、姿勢情報、体温情報、個人情報等を記憶する。記憶部230は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0066】
ここで「個人情報」とは、チェック対象者の個人を特定する情報又は付随する情報をいい、具体的には、名前、年齢及び月齢、保育園等の施設における入所期間、住所、家族構成、対象者が園児の場合は両親の名前から構成される情報をいう。また、個人情報は、対象者ごとの平熱(第五の所定期間の平均体温)、寝返りの平均回数(第二の所定期間の寝返りの平均回数)を含んで構成してもよい。
【0067】
記憶部230は、具体的には、第二の所定期間、対象者ごとの収集部211で収集された姿勢データを記憶してもよい。また、記憶部230は、具体的には、第二の所定期間、対象者ごとの収集部211で収集された温度データを記憶してもよい。
【0068】
(端末装置300)
端末装置300は、図2に示すように、制御部310、通信部320、記憶部330、出力部340、入力部350、撮影部360を含んで構成される。
【0069】
制御部310は、収集部311、算出部312、判定部313、生成部314を備えてもよく、端末装置300の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部310は、具体的には、例えば、情報処理装置200から送信された出力情報を記憶部330に記憶させたり、出力情報を出力部340に出力させたりする。
【0070】
収集部311は、情報処理装置200の収集部211と同じ機能を有する。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいてもセンサ装置400が検知したセンシングデータの収集処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0071】
算出部312は、情報処理装置200の算出部212と同じ機能を有する。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいても各装置の収集部が収集した各種データの算出処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0072】
判定部313は、情報処理装置200の判定部213と同じ機能を有する。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいても各装置の収集部が収集した各種データ及び生成した各種情報、各装置の算出部が算出した結果に基づいて、判定処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0073】
生成部314は、情報処理装置200の生成部214と同じ機能を有する。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいても各装置の記憶部に記憶された情報にも基づいて、出力情報の生成処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0074】
通信部320は、制御部310の制御によって、ネットワーク500を介して情報処理装置200、センサ装置400又は他の端末装置300との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部320は、具体的には、例えば、情報処理装置200から出力情報等を受信したり、センサ装置400からセンシングデータを受信したり、入力情報を情報処理装置200に送信したりしてもよい。
【0075】
記憶部330は、制御部310の制御によって、端末装置300が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部330は、具体的には、例えば、センシングデータ(姿勢データ、温度データ)、姿勢情報、体温情報、個人情報等を記憶する。記憶部330は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0076】
出力部340は、表示部341、音声出力部342を備え、制御部310の制御によって、端末装置300に各種情報を出力する機能を有する。出力部340は、例えば、記憶部330に記憶された姿勢情報に基づいて、対象者ごとの身体の向きを一括で出力する。
【0077】
表示部341は、制御部310の制御によって、姿勢情報等の各種情報を出力する機能を有する。具体的には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。表示部341は、制御部310の制御によって、情報処理装置200からネットワーク500を介して送信された表示情報等を表示する機能を有する。
【0078】
表示部341の表示画面(撮影部360のカメラ等のファインダー画面に表示されるものも含む)は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語や、ビットマップデータあるいは圧縮処理された画像データなど、端末装置300で画面表示可能な一般的なデータ形式で生成されればよい。
【0079】
表示部341は、制御部310の制御によって、記憶部330に記憶された姿勢情報に基づいて、対象者ごとの身体の向きを一括で表示する。また、表示部341は、制御部310の制御によって、操作入力部351の確認の入力を受け付けると、確認入力された対象者の身体の向きの表示を一括で変更する。
【0080】
表示部341は、このような構成とすることで、表示された複数の対象の乳幼児の身体の向きや体温を、一目で確認することができるようになり、また、どこまで睡眠チェックしたかが一目で確認することができるようになるため、午睡チェック等で複数の対象者を一度に睡眠チェックしなければならない保育士等のユーザの負荷軽減ができる睡眠チェックシステムを提供できる。
【0081】
また、表示部341は、制御部310の制御によって、操作入力部351の確認の入力を受け付けた時に、所定の身体の向きのままの対象者が一人でもいた場合、確認入力された対象者の身体の向きの表示を変更せず、アラート表示を表示してもよい。具体的には、保育園の午睡チェックにおいて、乳幼児の身体の向きがうつ伏せ状態である対象者が一人でもいた場合、確認入力を受け付けて表示を変更してしまうと誤ってチェック済みとなってしまい、チェック漏れが生じてしまう懸念がある。このような懸念に対して、表示部341は、所定の身体の向きを「うつ伏せ」と設定し、身体の向きがうつ伏せのままの園児が一人でもいた場合、確認入力された対象者の身体の向きの表示を一括で変更せず、「うつ伏せ寝の園児がいます」といったメッセージを記したアラート表示を表示してもよい。
【0082】
また、表示部341は、一例として、制御部310の制御によって、対象者の年齢ごと、又は、年齢及び月齢ごとに、対象者の表示対象の身体の向きを選択して表示してもよい。保育園の午睡チェックにおいて、年齢や月齢が異なる園児が一つのクラスにいる場合、1歳児以上は10分ごとのチェックでもいいのにも関わらず、チェック用紙のフォーマットに限定され、0歳児と同じ5分ごとにチェックしなくてはならないケースがある。保育園ごとに睡眠チェックの運用は異なるが、2歳児以上は10分ごとで問題ないとするところもある。
【0083】
表示部341は、例えば、対象の園児の年齢、月齢(例えば、0歳数ヶ月、1歳、2歳等)ごとに、対象の表示対象の身体の向きを、0歳だったら5分ごとの身体の向きを表示対象に、1歳だったら10分ごとの身体の向きを表示対象にすることで、適切なチェック対象の表示分だけ表示することができ、チェックするユーザの負担軽減に貢献できる。また、表示側で選択表示することで、センサ装置400で設定される検知間隔を変更せずとも、対処できるため、汎用性に優れた睡眠チェックシステムを提供することができる。
【0084】
さらに、表示部341は、一例として、制御部310の制御によって、記憶部330に記憶された対象者の入所期間に基づいて、対象者の表示対象の身体の向きを選択して表示することができる。例えば、睡眠チェックシステム100を保育園の午睡チェックに用いた場合、保育園に入所間もない園児は、睡眠が安定しないため、年齢や月齢に問わず、こまめに(例えば、5分ごとに)睡眠チェックしたほうがいい場合がある。園児の年齢や月齢でのチェック間隔の選択(表示対象の身体の向きの選択)に対して、より実態に合わせたチェック間隔の選択をすることが可能となる。
【0085】
表示部341は、一例として、制御部310の制御によって、各装置の判定部で寝返りの多いと判定された対象者の身体の向きの表示を変更してもよい。表示部341は、具体的には、例えば、制御部310の制御によって、寝返りの多いと判定された対象者の身体の向きの表示である矢印表示において強調表示(例えば、「寝返りが異常に多いです」といったテキスト表示を追加する、他の矢印と色を変える、矢印の枠線を太くする、点滅表示する、大きさを変えるなど)となるよう表示を変更する。このような構成とすることで、睡眠チェックする保育士等のユーザに対して、いつもの睡眠と違う様子であることを通知させることができ、対象の園児が寝苦しい可能性が高いことを気づかせることができる。保育士等のユーザは当該強調表示を確認して、対象の園児の睡眠環境を整えてあげることができ(例えば、布団や毛布を変える等)、うつ伏せ寝を含めてSIDS等の予防措置をすることができる。
【0086】
表示部341は、一例として、制御部310の制御によって、各装置の判定部で体温が通常どおりでないと判定された対象者の身体の向きの表示を変更してもよい。表示部341は、具体的には、例えば、制御部310の制御によって、体温が通常どおりでないと判定された対象者の体温表示(37.0°など)数値表示において強調表示(例えば、「体温が異常に多いです」といったテキスト表示を追加する、他の数値表示と色を変える、文字を太字にする、点滅表示する、文字の大きさを変えるなど)となるよう表示を変更する。このような構成とすることで、対象の乳幼児に対して暖め過ぎの可能性が高い(ひいては、SIDS発症の可能性が高い)と判定することができ、うつ伏せ寝を含めてSIDS等の予防措置をすることができる。なお、対象者が乳幼児の場合、睡眠中に暑すぎる室温や衣類の着せすぎで子供自身の体温より温度が上がってしまうと自律神経が勝手に体温調節を優先して、呼吸や心臓を動かす機能が低下するという研究がある。SIDSの事例の多くは体調不良による高熱、初めての保育園への入所によるストレス性の高熱があったという事例が多いという研究があるとおり、対象の乳幼児が体温を適切に放熱できたかどうかが重要で、うつぶせ寝によって、体温が上昇したことを保育士等のユーザに通知することは当該観点でも有効である。
【0087】
表示部341は、一例として、制御部310の制御によって、各装置の判定部でグルーピングされた対象者において、寝返りが多いと判定された人数又は体温が通常どおりでないと判定された人数の少なくともいずれか一つの人数が所定人数より多いか否かを判定した結果として、所定人数より多いと判定された場合に、グルーピングされた対象者の一括表示に対して睡眠環境の設定変更を促すアラート表示を表示してもよい。表示部341は、例えば、所定人数より体温が通常どおりでないと判定された人数が多い場合、「体温が異常に高い園児が多いようです。暖房の設定を下げるか窓を開けるか等の睡眠環境の設定を変えてください。」といったようなテキスト表示を記すアラート表示をポップアップで表示させてもよい。このような構成とすることで、同じ環境で寝ている園児のうち、多数がいつもの睡眠と違う様子であることを通知することができ、保育士等のユーザに全体の睡眠環境が適切でない可能性が高いことを気づかせることができる。保育士等のユーザは当該アラート表示を確認して、対象の園児達の睡眠環境全体を整えてあげることができ(例えば、暖房冷房の設定を変更する、窓をあける等)、効率よく、睡眠環境を整える支援ができる。
【0088】
ここで、睡眠チェックシステム100の表示部341における表示態様及び操作入力部351に対する入力の受付態様の一例について、図4を用いて説明する。図4は、睡眠チェックシステム100に係る端末装置300の表示部341に表示される画面例を示す図である。
【0089】
睡眠チェックシステム100が保育園の午睡チェックに用いられた際のケースとして、図4の左側の画面例に示すように、表示部341は、対象の園児ごとに、第一の所定時間ごと(本例においては、第一の所定時間は5分とする)に、園児の身体の向きが仰向けならば上矢印、うつ伏せならば下矢印を表示する。
【0090】
また、図4の左側の画面例及び各装置の記憶部の園児の個人情報テーブル例に示すように、表示部341は、園児の年齢及び月齢に基づいて、表示対象の身体の向きを選択表示するよう、たとえば、名前が「そうま」である園児の場合は、0歳10ヶ月なので、5分ごとの全ての身体の向きを表示対象として選択し、名前が「あんじ」である園児の場合、10分ごとの身体の向きを表示対象として選択して表示することができる。また、表示部341は、園児の保育園への入所期間に基づいて、身体の向きの表示を変更するよう、例えば、名前が「もも」である園児の場合は、入所期間が「1ヶ月」と短いため、他の園児の表示と区別するために名前の表示に下線表示を加えたり、身体の向きの表示を四角のボックスで囲うように表示したりすることができる。
【0091】
また、表示部341は、制御部310の制御によって、姿勢情報に基づいて、身体の向きを表示する際に、身体の向きが「うつ伏せ寝」の園児において(本例では、「もも」の13:25に検知された身体の向き)、下矢印を表示し、「<警告>ももちゃんがうつ伏せ寝になっています」といったアラート表示をポップアップで表示させてもよい。表示部341は、制御部310の制御によって、当該ポップアップ表示に「確認」ボタンを設けて、保育士等のユーザが対象の園児をうつ伏せから仰向けに姿勢を変えた際に当該ボタンを押下することで、図4の右側画面例で示すように上矢印と下矢印の両表を表示して姿勢を変えたことが判るように表示を変更してもよい。
【0092】
音声出力部342は、制御部310の制御によって、出力情報を音声出力する機能を有する。音声出力部342は、具体的には、例えば、姿勢情報に基づいて、「○○ちゃんが、うつ伏せ寝の状態です」と音声出力してもよい。
【0093】
入力部350は、操作入力部351、音声入力部352を備え、制御部310の制御によって、端末装置300に各種情報を入力する機能を有する。
【0094】
操作入力部351は、制御部310の制御によって、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有する。操作入力部351は、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。
【0095】
操作入力部351は、具体的には、例えば、制御部310の制御によって、表示された対象者ごとの身体の向きに対して、一部又は全ての対象者の確認の入力を一括で受け付ける。また、操作入力部351は、制御部310の制御によって、撮影部360に対する撮影実行操作の入力を受け付けたりしてもよい。操作入力部351は、制御部310の制御によって、受け付けた入力情報を制御部310等に伝達する。
【0096】
音声入力部352は、制御部310の制御によって、ユーザからの音声を入力し受け付ける機能を有する。音声入力部352は、具体的には、端末装置300に取り付けられたマイク等により実現される。音声入力部352は、具体的には、例えば、制御部310の制御によって、表示された対象者ごとの身体の向きに対して、一部又は全ての対象者の確認の入力を一括で受け付けたり、撮影部360に対する撮影実行操作の入力を受け付けたりしてもよい。音声入力部352は、制御部310の制御によって、受け付けた入力情報を制御部310に伝達する。
【0097】
撮影部360は、制御部310の制御によって、端末装置300に備えつけられたレンズから出品対象の商品等を撮影する機能を有する。撮影部360は、例えば、携帯端末のカメラであってもよい。
【0098】
(センサ装置400)
センサ装置400は、図2に示すように、制御部410、通信部420、記憶部430、検知部440を含んで構成される。
【0099】
制御部410は、収集部411、算出部412、判定部413、生成部414を備えてもよく、センサ装置400の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部410は、具体的には、例えば、情報処理装置200又は端末装置300から受信した指示要求に基づいて、各機能部を制御してもよく。また、情報処理装置200又は端末装置300にセンシングデータを送信するよう制御してもよい。
【0100】
収集部411は、情報処理装置200の収集部211と同じ機能を有してもよい。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいてもセンサ装置400が検知したセンシングデータの収集処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0101】
算出部412は、情報処理装置200の算出部212と同じ機能を有してもよい。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいても各装置の収集部が収集した各種データの算出処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0102】
判定部413は、情報処理装置200の判定部213と同じ機能を有する。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいても各装置の収集部が収集した各種データ及び生成した各種情報、各装置の算出部が算出した結果に基づいて、判定処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0103】
生成部414は、情報処理装置200の生成部214と同じ機能を有する。すなわち、情報処理装置200、端末装置300又はセンサ装置400のいずれにおいても各装置の記憶部に記憶された情報にも基づいて、出力情報の生成処理をしてもよく、通信環境や記憶容量等、処理環境や睡眠チェックシステム100を利用する保育サービスの事業内容等に応じて適宜決定すればよい。
【0104】
通信部420は、制御部410の制御によって、ネットワーク500を介して情報処理装置200、端末装置300又は他のセンサ装置400との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部420は、具体的には、例えば、情報処理装置200又は端末装置300にセンシングデータを受信したり、入力情報を情報処理装置200に送信したりしてもよい。
【0105】
記憶部430は、制御部410の制御によって、センサ装置400が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。記憶部430は、具体的には、例えば、センシングデータ(姿勢データ、温度データ)、姿勢情報、体温情報、個人情報等を記憶する。記憶部430は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0106】
検知部440は、姿勢検知部441及び温度検知部442を備え、対象者の睡眠状態をセンシングする機能を有する。検知部440は、対象者が身体に取り付けて(具体的には、対象者が着用している衣服等に取り付ける)センシングしてもよい。
【0107】
姿勢検知部441は、対象者に取り付けて、第一の所定期間ごとに対象者の身体の向きを検知する。姿勢検知部441は、具体的には、加速度センサ又はジャイロセンサ等を用いて実現される。姿勢検知部441は、加速度センサ又はジャイロセンサを用いて対象者の身体の傾きの変化(具体的には、身体に取り付けたセンサ装置400の傾き、より具体的には、例えば、設定した姿勢検知の基準位置からの角度など)を検知してもよい。
【0108】
姿勢検知部441は、キャリブレーション(基準位置(0°)の設定)処理を行う際に、センサ装置400が向いている方向を検知して、適切な方向でない場合、キャリブレーション処理を行わないようにしてもよい。このような構成により、例えば、対象者の身体が横向きの状態で姿勢検知部441をキャリブレーションしてしまうと、正しくうつ伏せの状態を検知することができない可能性があり、このような誤りを発生させないようにすることができる。
【0109】
温度検知部442は、第四の所定期間ごとに前記対象者の体温を検知する。温度検知部442は、具体的には、接触型の体温計や非接触型のサーモグラフィ等を用いて実現してもよい。
【0110】
(動作例)
本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステム100の動作の一例を説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステム100の対象者の身体の向き等の検知から判定処理までの動作例を示すフローチャートである。
【0111】
センサ装置400の検知部440は、対象者に取り付けられて、対象者の身体の向き、体温等を検知する(S10)。検知部440は、検知した結果を、端末装置300の収集部311に、センシングデータとして伝達する。
【0112】
収集部311は、対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データ、体温を示す温度データ等を収集する(S11)。収集部311は、収集した姿勢データに基づいて姿勢情報を生成し、また、収集した温度データに基づいて体温情報を生成し、これらの情報を記憶部330に記憶する(S12)。
【0113】
判定部313が、対象者の寝返りが多いか否か判定する場合(S13のYES)、算出部312は、周期的に又は収集部311が姿勢データ等を収集したタイミングで、記憶部330に記憶された姿勢データに基づいて、対象者ごとの第三の所定期間における寝返りの平均回数を算出する(S14)。判定部313は、
対象者ごとに、記憶された姿勢データと、当該算出された寝返りの平均回数と比較して、第三の所定期間において寝返りが多いか否かを判定する(S15)。判定部313は、当該判定した結果を記憶部330に記憶し、表示部341が表示を変更するために表示部341に伝達する。
【0114】
判定部313が対象者の体温が通常どおりか否か判定する場合(S16のYES)、算出部312は、周期的に又は収集部311が姿勢データ等を収集したタイミングで、記憶部330に記憶された温度データに基づいて、第五の所定期間における対象者の平均体温を算出する(S17)。判定部313は、対象者ごとに、算出された平均体温と、生成された体温情報が示す体温とを比較して、第四の所定期間において体温が通常どおりか否かを判定する(S18)。判定部313は、当該判定した結果を記憶部330に記憶し、表示部341が表示を変更するために表示部341に伝達する。
【0115】
睡眠チェックを継続する場合(S19のYES)は、第一の所定期間をおいて、周期的に、対象者の身体の向き、体温等を検知する。(S10の前に戻る)。
【0116】
図6は、本発明の一実施形態に係る睡眠チェックシステム100の対象者の表示処理の動作例を示すフローチャートである。
【0117】
端末装置300の表示部341は、記憶部330に記憶された姿勢情報及び体温情報等に基づいて、対象者ごとの身体の向き、体温等を一括表示する(S21)。グループでの判定をする場合(S22のYES)、判定部313は、対象者をグルーピングして、当該グルーピングされた対象者において、寝返りが多いと判定された人数又は体温が通常どおり高いと判定された人数の少なくともいずれか一つが所定人数より多いか否か判定し(S23)、所定の人数より多いと判定された場合(S23)は、表示部341は、グルーピングされた対象者の一括表示に対して睡眠環境の設定変更を促すアラート表示を表示する(S24)。
【0118】
端末装置300の操作入力部351は、表示された対象者ごとの身体の向きに対して、一部又は全ての対象者の確認の入力を一括で受け付ける(S25)。表示部341は、操作入力部351の確認の入力を受け付けると、確認入力された対象者の身体の向きの表示を変更する(S26)。
【0119】
情報処理装置200、端末装置300及びセンサ装置400の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
【0120】
情報処理装置200、端末装置300及びセンサ装置400の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、情報処理装置200、端末装置300及びセンサ装置400は、各機能を実現するソフトウェアである睡眠チェックプログラムの命令を実行するCPU、上記睡眠チェックプログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記睡眠チェックプログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記睡眠チェックプログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記睡眠チェックプログラムは、当該睡眠チェックプログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記睡眠チェックプログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0121】
なお、上記睡眠チェックプログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【符号の説明】
【0122】
100 睡眠チェックシステム
200 情報処理装置
210 制御部
220 通信部
230 記憶部
300 端末装置
310 制御部
320 通信部
330 記憶部
340 出力部
350 入力部
360 撮影部
400 センサ装置
410 制御部
420 通信部
430 記憶部
440 検知部
500 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7